JP3721290B2 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するプロセスにおいて、副生成物の生成を抑え、反応率を極力高くするため、アルキレンオキシドを(メタ)アクリル酸よりも過剰モル量反応器に供給することが知られている(特公昭41−13019号公報、特公昭43−18890号公報等)。この場合、反応終了時の反応液中に未反応のアルキレンオキシドが残存するため、分離した後、廃棄または回収再利用する必要がある。
【0003】
また、反応液から分離したアルキレンオキシドを冷却、凝縮して回収再利用する場合にも、冷却に多大なエネルギーを要するので経済的に不利であった。
そこで、特開平10−330320号公報には、未反応のエチレンオキシドを原料である(メタ)アクリル酸に吸収させ、このエチレンオキシドを含む(メタ)アクリル酸を付加反応に再利用することにより、未反応のエチレンオキシドを有効に利用できることが開示されているが、回収効率の点では十分満足できるレベルとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明が解決しようとする課題は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、未反応アルキレンオキシドを経済的、且つ、効率良く回収再利用できる方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、アルキレンオキシドの吸収効率は、吸収溶剤の温度が低いほど高くなることに着目し、(1)吸収溶剤の凝固点が低いほど冷却温度を低くできること、(2)アルキレンオキシド蒸気の吸収により溶剤温度が上昇してしまうので、その吸収に伴う溶剤温度の上昇を抑えることができれば、吸収効率も向上すること、を考えた。そして、上記(1)の点より、凝固点が(メタ)アクリル酸(凝固点:約15℃)に比べて非常に低いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(凝固点:約−70℃)を吸収溶剤に用いれば、かなりの低温まで冷却でき、しかも、高効率で回収再利用できることを見いだした。また、上記(2)の点より、吸収工程の吸収後液の一部あるいは吸収工程途中の吸収液の一部または全量を抜き出して冷却し、吸収工程に再供給すれば、吸収溶剤の温度上昇を効率的に抑えられることを見いだした。本発明はこのようにして完成された。
【0006】
すなわち、本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収溶剤としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液を用いることを特徴とする。
また、本発明に係る別のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収工程の吸収後液の一部を冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る別のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収工程途中の吸収液の一部または全量を抜き出し、冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
初めに、本発明に係る特徴的な製造方法を好ましく適用することができるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造プロセスの概略を説明する。
まず、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを、触媒の存在下で付加反応させる。この付加反応は反応率が100%に満たないことが多く、反応終了時の反応液中には未反応の(メタ)アクリル酸やアルキレンオキシド等が残存する場合が一般的である。そこで、上記の反応液は、これら未反応原料等を反応液中から除去するための工程へと導かれる。そして、続く最終段階として、蒸留等による精製が行われて、目的のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが得られる。
【0009】
本発明を実施するにあたり、上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応における原料の仕込み量は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1.0〜2.0モルが好ましい範囲であり、より好ましくは1.1〜1.7モル、さらに好ましくは1.2〜1.5モルである。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応率が低下し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アルキレンオキシドの仕込み量が2モルを超えると、経済的に好ましくない。
本発明を実施するにあたり、上記(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応に使用する触媒は、特に限定されず、例えば公知の付加反応用の均一触媒あるいは不均一触媒を用いることができる。また、反応液には、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン等の重合防止剤を必要により添加してもよい。
【0010】
本発明に係るヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、上述の一連の製造プロセス中において、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの反応後、未反応のアルキレンオキシドを反応液中から除去する工程、特に、未反応のアルキレンオキシドを放散させた後に溶剤に吸収させる吸収工程に特徴を有するものである。以下に、本発明に係る特徴的な製造方法を説明する。
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの付加反応により得られた反応液中には、目的物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと共に、通常、未反応のアルキレンオキシドが含まれている。この反応後液を、好ましくは反応後の温度を保ったままで、放散装置に供給する。放散装置に供給する際の温度は、理論的には放散効率の向上のために高いほどよいが、アルキレンオキシド含有液の再加熱は爆発の危険性を伴うので、反応後液は、上記のように反応後の温度を保ったままで、放散装置に供給するのが好ましい形態である。また、反応後液の温度は、反応収率向上および副生成物抑制などをも目的として制限されるものであり、好ましくは40〜130℃、より好ましくは50〜90℃である。上記放散装置としては特に限定されないが、放散効率向上のためには、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの棚段塔が好ましい。
【0011】
放散装置に供給されたアルキレンオキシド含有の反応後液は、減圧気化あるいは不活性ガスによって未反応アルキレンオキシドが放散され、吸収溶剤が存在する吸収装置へと導かれる。特に、アルキレンオキシドの断熱圧縮による温度上昇が引き起こす爆発の危険性が回避でき、安全な製造プロセスを提供できる点で、不活性ガスを用いることが好ましい。
放散装置から放散されたアルキレンオキシドは、続く吸収装置に供給され、吸収装置内の溶剤に吸収される。吸収装置としては特に限定されないが、吸収効率向上のために、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの棚段塔が好ましい。
【0012】
本発明の製造方法の一つにおいては、未反応アルキレンオキシドの吸収溶剤として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液を用いることを特徴とする。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸に比べて、アルキレンオキシドの吸収能力に優れているので、吸収溶剤として優れている。また、吸収させる際の吸収温度は低温であるほど吸収効率が良いが、例えば、(メタ)アクリル酸は凝固点が約15℃と高いために、吸収温度を実質20℃以下に設定することはできない。しかし、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは凝固点が約−70℃と低いので、吸収温度を20℃以下、あるいはさらにかなりの低温にまで下げることができる。本発明において吸収溶剤として用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液中に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの他成分との割合は特に限定されず、吸収温度を下げることのみを目的とするならばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの割合は高いほうが好ましい。また、本発明において吸収溶剤として用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液中に含まれるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの他成分の種類については特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等のいずれでもよい。
【0013】
本発明において吸収溶剤として用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液は、アルキレンオキシドを吸収後、適宜必要に応じて(メタ)アクリル酸やアルキレンオキシドが加えられて、再び、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート製造の原料として循環再利用してもよいし、アルキレンオキシドを溶剤と分離し、他のアルキレンオキシド誘導体製造プロセスの原料としてもよい。
本発明の別の製造方法は、吸収工程の吸収後液の一部を冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする。
アルキレンオキシド蒸気を溶剤に吸収させると、アルキレンオキシドの蒸発潜熱の為に溶剤温度が上昇してしまうので、吸収効率が低下する。そこで、吸収工程の吸収後液の一部を冷却後、吸収工程に再供給することにより、溶剤の温度上昇を抑制することができ、吸収効率の向上が可能となる。
【0014】
具体的には、吸収工程において用いる吸収塔が1本の場合には、例えば、図1、図2に示すように、吸収塔底からの吸収後液(アルキレンオキシドの吸収により温度が上昇している)の一部を冷却器に通し、液温を下げたものを再び吸収塔内に供給する。また、吸収工程において用いる吸収塔が複数の場合には、例えば、図3(2本の場合)に示すように、最も底部に位置する吸収塔からの吸収後液(アルキレンオキシドの吸収により温度が上昇している)の一部を冷却器に通し、液温を下げたものを再び吸収塔内に供給する。この場合、再供給する吸収塔は図3のように最も底部に位置する吸収塔でもよいし、それ以外の吸収塔でもよい。
【0015】
吸収溶剤としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液、(メタ)アクリル酸、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられるが、アルキレンオキシドの吸収能力が優れているという点ではヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの方が好ましい。
吸収塔に再供給される吸収後液量は、吸収溶剤量(図1〜3のライン16)に対して多ければ多いほど吸収効率が向上するが、多すぎるとポンプ容量、冷却熱量も増大し、多大なエネルギーを必要とするため、経済的に不利となる。したがって、現実的には、吸収塔に再供給される吸収後液量は、好ましくは吸収溶剤量の100倍以下、より好ましくは50倍以下、特に好ましくは10倍以下である。
【0016】
この製造方法においては、冷却器を用いた冷却により、再供給する液温は、好ましくは0〜40℃、より好ましくは5〜30℃、特に好ましくは10〜20℃である。40℃よりも高いと、吸収溶剤の温度上昇を十分に抑えることができないため好ましくない。また、0℃よりも低いと、冷却に要するコストが多大になるので経済上好ましくない。また、この冷却器の形式は、特に限定されるものではなく、例えば、多管式熱交換器、スパイラル式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器等が挙げられる。
本発明の別の製造方法は、吸収工程途中の吸収液の一部または全量を抜き出し、冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする。
【0017】
先に説明したように、アルキレンオキシド蒸気を溶剤に吸収させると、アルキレンオキシドの蒸発潜熱の為に溶剤温度が上昇してしまうので、吸収効率が低下する。そこで、吸収工程途中の吸収液の一部または全量を抜き出し、冷却後、吸収工程に再供給することにより、溶剤の温度上昇を抑制することができ、吸収効率の向上が可能となる。
具体的には、吸収工程において用いる吸収塔が1本の場合には、例えば、図4に示すように、吸収塔の途中から抜き出した吸収液の一部(アルキレンオキシドの吸収により温度が上昇している)を冷却器に通し、液温を下げたものを再び吸収塔内に供給する。また、吸収工程において用いる吸収塔が複数の場合には、例えば、図5(2本の場合)に示すように、最上部に位置する吸収塔の塔底部から抜き出した吸収液の一部または全量(アルキレンオキシドの吸収により温度が上昇している)を冷却器に通し、液温を下げたものを再び吸収塔内に供給する。この場合、抜き出す吸収塔はいずれの塔でもよいし、再供給する吸収塔は図5のように最も底部に位置する吸収塔でもよいし、それ以外の吸収塔でもよい。
【0018】
吸収溶剤としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液、(メタ)アクリル酸、水、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられるが、アルキレンオキシドの吸収能力が優れているという点ではヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの方が好ましい。
吸収塔の途中から抜き出した液を、抜き出し口よりも上部に再供給する場合(図6)、その供給液量は、最上部に位置する吸収塔の塔頂部に新たに供給される吸収溶剤量(図4〜6のライン16)に対して多ければ多いほど吸収効率が向上するが、多すぎるとポンプ容量、冷却熱量も増大し、多大なエネルギーを必要とするため、経済的に不利となる。したがって、現実的には、吸収塔に再供給される吸収後液量は、好ましくは吸収溶剤量の100倍以下、より好ましくは50倍以下、特に好ましくは10倍以下である。
【0019】
この製造方法においては、冷却器を用いた冷却により、再供給する液温は、好ましくは0〜40℃、より好ましくは5〜30℃、特に好ましくは10〜20℃である。40℃よりも高いと、吸収溶剤の温度上昇を十分に抑えることができないため好ましくない。また、0℃よりも低いと、冷却に要するコストが多大になるので経済上好ましくない。また、この冷却器の形式は、特に限定されるものではなく、例えば、多管式熱交換器、スパイラル式熱交換器、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器等が挙げられる。
放散、吸収の操作圧力は、放散に対しては操作圧力が低いほど放散効率が高く、吸収に対しては操作圧力が高いほど吸収効率が高くなる。従って、吸収の操作圧力を放散の操作圧力よりもかなり高くすればするほど、理論的には、放散効率と吸収効率の双方ともに向上することになる。しかしながら、吸収の操作圧力が放散の操作圧力よりもかなり高くする場合には、アルキレンオキシド含有の放散ガスをコンプレッサー等で断熱圧縮することになり、温度上昇によって爆発の危険が生じる。そこで、放散効率と吸収効率をともに実用的レベルに保つようにした場合、安全であり、且つ、効率良く、アルキレンオキシドを放散・吸収できるためには、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させる工程と、放散させた未反応アルキレンオキシドを吸収する工程との操作圧の差が1000hPa以下であることが好ましい。また、不活性ガスを循環再使用する場合、吸収装置から排出されるガスを放散装置に戻すために昇圧する必要があるが、このときにも、安全性の面から、放散の操作圧力と吸収の操作圧力の差を1000hPa以下にすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下に本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下にヒドロキシエチルアクリレートの反応を例にして本発明を説明する。
[実施例1]
撹拌翼を有するオートクレーブに触媒としてアニオン交換樹脂(三菱化学(株)製DIAION PA316)を水膨潤状態で480ml仕込み、エチレンオキシド229g/h、アクリル酸288g/hを連続的に供給し(エチレンオキシド/ アクリル酸モル比1.3)、反応温度70℃、滞留時間4.1hで反応を行った。反応時の圧力は約4200hPaであった。オートクレーブ出口の反応後液を分析した結果、未反応アクリル酸5.6重量%、未反応エチレンオキシド13.4重量%、アクリル酸の転化率は90.0%、エチレンオキシドの転化率は69.8%であった。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cmの吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてヒドロキシエチルアクリレート288g/hを供給した。吸収液は10℃で供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは15.6重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率76.7%に相当する。
【0021】
[実施例2]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cmの吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてヒドロキシエチルアクリレート288g/hを供給した。吸収液は20℃で供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは14.2重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率69.0%に相当する。
【0022】
[実施例3]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cmの吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてヒドロキシエチルアクリレート288g/hを供給した。吸収液は10℃で供給した。また、吸収塔底液の一部を144g/hrで、10℃まで冷却後、塔頂から10cmのところに再度供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは16.8重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率84.2%に相当する。
[実施例4]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cm、塔頂から10cmのところにチムニートレイを持つ吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてヒドロキシエチルアクリレート288g/hを供給した。吸収液は10℃で供給した。チムニートレイにて吸収塔内液を144g/hrで塔外に一部抜き出し、10℃まで冷却後、塔頂から10cmのところに再度供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは16.9重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率84.4%に相当する。
【0023】
[実施例5]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cmの吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてアクリル酸288g/hを供給した。吸収液は20℃で供給した。また、吸収塔底液144g/hを20℃まで冷却後、吸収塔の上から10cmのところに供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは14.8重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率72.5%に相当する。
【0024】
[実施例6]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cm、塔頂から10cmのところにチムニートレイを持つ吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてアクリル酸288g/hを供給した。吸収液は20℃で供給した。チムニートレイにて吸収塔内液を144g/hrで塔外に一部抜き出し、20℃まで冷却後、塔頂から10cmのところに再度供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは14.9重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率72.7%に相当する。
【0025】
[比較例1]
ヒドロキシエチルアクリレートの反応を実施例1と同じ条件で連続的に行った。この反応後液からアニオン交換樹脂を分離した後、反応後液を操作圧力が1053hPaである塔径32mm、高さ30cmの放散塔に塔頂から供給し、塔底から酸素濃度3モル%に調製した窒素ガス72g/hを供給して放散を行った。放散後の塔頂ガスを操作圧力が1013hPaである塔径32mm、高さ20cmの吸収塔に塔底から供給し、塔頂から吸収液としてアクリル酸288g/hを供給した。吸収液は20℃で供給した。塔底からの吸収液を分析した結果、エチレンオキシドは13.5重量%であった。これは未反応エチレンオキシド回収効率65.0%に相当する。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、未反応アルキレンオキシドを経済的、且つ、効率良く回収再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例(吸収塔1本、吸収後液の一部を冷却・再供給)を表すフロー図。
【図2】本発明の製造方法の一例(吸収塔1本、吸収後液の一部を冷却・塔頂に再供給)を表すフロー図。
【図3】本発明の製造方法の一例(吸収塔2本、最底部の塔からの吸収後液の一部を冷却・最底部の塔に再供給)を表すフロー図。
【図4】本発明の製造方法の一例(吸収塔1本、吸収工程途中の吸収液の一部を冷却・再供給)を表すフロー図。
【図5】本発明の製造方法の一例(吸収塔2本、最上部の塔からの吸収液の一部または全量を冷却・最底部の塔に再供給)を表すフロー図。
【図6】本発明の製造方法の一例(吸収塔2本、最上部の塔からの吸収液の一部または全量を冷却・最上部および最底部の塔に再供給)を表すフロー図。
【符号の説明】
1 反応器
2 放散塔
3 吸収塔
4 吸収塔
11 不活性ガス導入ライン
12 放散後液抜き出しライン
13 放散ガスライン
14 吸収後液抜き出しライン
15 再供給ライン
16 吸収溶剤導入ライン
17 廃ガスライン
21 冷却器
22 液再分散器
23 チムニートレイ
Claims (3)
- (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収溶剤としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート溶液を用いることを特徴とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
- (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収工程の吸収後液の一部を冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
- (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させ、反応液中の未反応アルキレンオキシドを放散させて溶剤に吸収させる工程を含む、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記吸収工程途中の吸収液の一部または全量を抜き出し、冷却後、吸収工程に再供給することを特徴とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
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