図1は、本発明の一実施形態にかかる実装機の平面図である。図2は、その実装機を概略的に示す斜視図である。図3は同じくその実装機を概略的に示す正面断面図である。これら図に示すように、実装機は、被実装基板としてのプリント基板Pの搬送ラインX1に沿って並んで配置される実装機本体10および部品供給装置50を有している。
実装機本体10は、基台11上の搬送ラインX1に沿って配置され、プリント基板Pを搬送するコンベア20と、このコンベア20の両側のうち一方側(フロント側)に配置された部品供給部30と、基台11の上方に設けられた実装用ヘッドユニット40とを備えている。
部品供給部30は、比較的小型のチップ部品の供給に適した多数列のテープフィーダ31…をもって構成されている。
各テープフィーダ31…には、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品を所定間隔毎に収納保持したテープが巻着されたリールが着脱可能に装着され、このリールからテープがテープフィーダ31の先端側へ間欠的に繰り出され、テープに収納したチップ部品をヘッドユニット40にてピックアップできるようになっている。
ヘッドユニット40は、部品供給部30から部品をピックアップしてプリント基板P上に装着し得るように、部品供給部30とプリント基板P上の実装位置とを含む領域(実装ヘッドの作動領域M1)を移動可能となっている。具体的には、ヘッドユニット40は、X軸方向(搬送ラインX1と平行な方向)に延びるヘッドユニット支持部材42にX軸方向に移動可能に支持され、このヘッドユニット支持部材42はその両端部においてY軸方向(水平面内でX軸方向と直交する方向)に延びるガイドレール43,43にY軸方向に移動可能に支持されている。そして、ヘッドユニット40は、X軸駆動手段によりX軸方向の駆動が行われ、ヘッドユニット支持部材42はY軸駆動手段によりY軸方向の駆動が行われるようになっている。
また、ヘッドユニット40には、電子部品を吸着して基板Pに装着するための複数のヘッド41…がX軸方向に並んで搭載されている。各ヘッド41…は、Z軸駆動手段(図示省略)により上下方向(Z軸方向)に駆動されるとともに、R軸駆動手段としての回転駆動機構により回転方向(R軸方向)に駆動されるようになっている。各ヘッド41…の先端には吸着ノズル41aが設けられており、部品吸着時には図外の負圧供給手段から吸着ノズル41aに負圧が供給されて、その負圧による吸引力で電子部品を吸着できるようになっている。
次に、部品供給装置50について説明する。
図4は部品供給装置50の構成を示す平面図である。図1〜4に示すように、実装機本体10に対し搬送ラインX1に沿って並んで配置される部品供給装置50は、トレイフィーダーと称されるものであって、QFP(quad flat package )等、比較的大型の電子部品が後述の部品トレイに保持された状態でストックされており、そのトレイから電子部品が適宜、実装機本体10側に供給されるよう構成されている。
部品供給装置50は、搬送ラインX1の一方側(フロント側)に設けられる収納部60と、搬送ラインX1の他方側(リア側)に設けられる部品移送機構80と、搬送ラインX1の下方において収納部60および部品移送機構80間に設けられる引出機構70と、引出機構70及び部品移送機構80を支持固定するためのハウジング55とを基本的な構成要素として備えている。そして以下に詳述するように、収納部60内に収納されたパレット52が引出機構70によって引き出されるとともに、引き出されたパレット52から電子部品が部品移送機構80によって取り出されて実装機本体10側に移送されるものである。なお本実施形態においては、引出機構70および部品移送機構80により部品供給機構が構成される。
図5に示すように収納部60は、縦横2つずつ計4つの区画室60aを有しており、各室60aの両側壁面に上下方向に沿って所定間隔おきに複数のパレット支持部61,61が設けられている。そして各パレット支持部61には、後に詳述するパレット52をそれぞれ水平状態に保持できて、複数のパレット52を収納部60内において水平方向(X軸方向)に2列ずつ上下複数段に収納配置できるよう構成されている。
収納部60は、リア側が開放されており、パレット支持部61に支持されたパレット52が、リア側の開放部から引出機構70によって引き出されるようになっている。
図2に示すように、収納部60のフロント側には、各区画室60aに対応して、前方に向けて開放する開口62が設けられ、この開口62を介して、各区画室60a内の各パレット支持部61にパレット52を収納できるよう構成されている。更に収納部60における前面開口62には、その開口62を開閉自在な開閉扉63が設けられている。
ここで部品トレイおよびパレット52について説明する。図11に示すように部品トレイ51は、QFP等の電子部品Qを複数個収容して保持するものであり、それぞれ電子部品Qを保持可能な複数の部品収容部511がマトリックス状に配列して設けられている。またパレット52は、1または複数の部品トレイ51が載置可能に構成されるとともに、部品トレイ51を載置した状態で位置固定可能に構成されている。
更にパレット52には、その引出側の端部(先端部)には、把持部521が設けられている。
図4,6に示すように、引出機構70は、収納部60に収納される2列のパレット52,52にそれぞれ対応して、2つ設けられている。なお本実施形態において、引出機構70は、部品導出機構、トレイ導出機構またはパレット導出機構を構成するものである。
各引出機構70は、搬送ラインX1に対し直交する方向(パレット引出方向)に沿って配置されるパレット受部材としてのパレット受枠701を具備しており、その受枠701の両側には左右一対のレール71,71が設けられている。
図6〜8に示すように両側レール71,71には、パレット52の下面両側を支持する複数の支持ローラ72と、パレット52の両側面を案内するサイドローラ73,74とが、レール71の長さ方向(パレット引出方向)に沿って所定の間隔おきに設けられている。そしてパレット52が収納部60から引き出される際には、パレット52はその下面が支持ローラ72によって支持されつつ、両側外面がサイドローラ73,74によって案内されて引出方向に移動するよう構成されている。
引出機構70のパレット受枠701における両側レール71,71間には、パレット引出方向(Y軸方向)に延びる中間レール75が設けられている。この中間レール75には、レール長さ方向に沿ってスライド自在にクランプ機構76が設けられている。このクランプ機構76には、パレット52の把持部521を把持可能なクランプ761が設けられており、図示しないクランプ駆動機構によって駆動するよう構成されている。
引出機構70における中間レール75の両端間には、クランプ機構移動用ベルト753が回転自在に架け渡される。更にこのベルト753の引出側端部は、サーボモータ等の駆動手段754に動力伝達機構を介して連携されており、駆動手段754の駆動によって、ベルト753が回転するよう構成されている。
なお本実施形態においては、中間レール75、移動用ベルト753、駆動手段754および動力伝達機構等によって、クランプ移動機構が構成されている。
またこのベルト753には、上記クランプ機構76が固定されており、ベルト753の回転に伴って、クランプ機構76がパレット52の引出方向に沿って往復移動するよう構成されている。
また各引出機構70は、上下方向に昇降自在に設けられており、昇降機構79のモータ等の駆動手段791(図4,6参照)が駆動することにより、上下方向に昇降するよう構成されている。そしてこの昇降機構によって、引出機構70が昇降することによって、引出機構70の両側レール71,71が、所望のパレット支持部61に対応する高さ位置に移動できるよう構成されている。
なお本実施形態においては、引出機構70および昇降機構79は、収納部60に収納される2列のパレット52,52にそれぞれ対応して2つずつ設けられており、各列毎に、互いに独立して駆動できるよう構成されている。
一方、図7〜図10は部品移送機構80を示す図である。これらの図に示すように、部品移送機構80,80は、2つの引出機構70,70にそれぞれ対応して設けられている。部品移送機構80,80は、両機構80,80間で共通使用される1本のアーム81と、各部品移送機構80,80にそれぞれ設けられるヘッドユニット85,85および部品載置台86,86を備えている。
長尺部材としてのアーム81は、搬送ラインX1の他方側(リア側)において、搬送ラインX1に沿って配置されている。このアーム81は、引出機構70における両側レール71,71の上方を横切って、先端側(基板搬送方向に対し反対側の端部)が、後述する部品供給位置の下方位置に配置されている。
図3,13,14に示すようにアーム81は、ハウジング55に着脱自在に取り付けられている。すなわちハウジング55には、アーム81の基端側に対応してブラケット56が着脱自在に固定され、このブラケット56にアーム81の基端側が着脱自在に固定されている。更にハウジング55には、アーム81の中間部に対応してブラケット57が着脱自在に固定され、このブラケット57にアーム81の中間部が着脱自在に固定されている。
アーム81には、その前面側および後面側にヘッドユニット85,85がアーム長さ方向(X軸方向)にスライド自在に取り付けられている。
またアーム81には、その両端間を架け渡すようにして、上下2本のヘッドユニット移動用ベルト811,811が設けられて、各ベルト811,811がアーム長さ方向に沿って回転移動するように構成されている。アーム81の一端には、サーボモータ等の駆動手段812,812が設けられるとともに(図4参照)、駆動手段812,812が動力伝達機構を介して上記ヘッドユニット移動用ベルト811,811に連携されている。そして駆動手段812,812の駆動によって、ベルト811,811が回転するよう構成されている。
上下2つのベルト811,811のうち、上側のベルト811には、前面側のヘッドユニット85が固定されるとともに、下側のベルト811には、後面側のヘッドユニット85が固定されている。そして駆動手段812,812が駆動して、ベルト811,811が回転移動することによって、ヘッドユニット85,85がアーム81に沿って往復移動するよう構成されている。
ここで本実施形態においては、アーム81、ヘッドユニット移動用ベルト811および駆動手段812等によって、ヘッドユニット移動機構、すなわち移送ヘッド移動機構が構成されている。
各ヘッドユニット85,85には、それぞれ2個ずつ移送ヘッド851,851が昇降支持機構852,852を介してアーム長さ方向(X軸方向)に並んで設けられている。各ヘッド851には、吸着ノズル90が設けられており、部品吸着時にはヘッド851が降下して吸着ノズル90が少量下方に進出するとともに、図外の負圧供給手段から吸着ノズル90に負圧が供給されて、その負圧による吸引力で電子部品Qを吸着できるようになっている。
また図3に示すように、ヘッドユニット85に対し送電やエア吸引を行うための送電ケーブルやエア吸引チューブ等が収納されるケーブルダクト80a,80aの一端が各ヘッドユニット85,85に着脱自在に接続されるとともに、他端が中間ブラケット57に着脱自在に固定されている。
アーム81の先端には、部品載置台86,86を支持するための支柱枠861が上下方向に沿って設けられている。この支持枠861は、下端に設置部865を有しており、この設置部865が実装機本体10の基台11上に設置されて、上下方向(Z軸方向)に沿って垂直に配置されている。この支持枠861には、アーム前後のヘッドユニット85,85にそれぞれ対応して、電子部品Qを2個ずつ載置可能な部品載置台86,86が上下方向に昇降自在に支持されている。更に支持枠861の上下間には、アーム前後の部品載置台86,86にそれぞれ対応して、昇降用ベルト862,862が設けられており、このベルト862,862は、駆動手段863,863の駆動によって回転するよう構成されている。
部品載置台86,86は、昇降用ベルト862,862に固定されており、駆動手段863,863の駆動によるベルト862,862の回転に伴って、部品載置台86,86が上下に昇降するよう構成されている。
なお本実施形態においては、支持枠861,昇降用ベルト862及び駆動手段863等によって、載置台昇降機構が構成されるものである。更にこの載置台昇降機構は、アーム81に対し着脱可能に構成されている。
図10に示すように各部品載置台86,86には、その上面の部品載置位置に2つの吸着部864,864が設けられており、電子部品載置時には吸着部863,863に図外の負圧供給手段から吸着部864,864に負圧が供給されて、その負圧による吸引力で電子部品Qを吸着保持できるようになっている。
なお既述したように、ヘッドユニット85,85および部品載置台86,86はそれぞれ2つずつ設けられており、各ヘッドユニット85,85および各部品載置台86,86は互いに独立して駆動できるよう構成されている。
以上の構成の部品移送機構80,80は、その機構80を構成している構成部材間で着脱自在(分解可能)に構成されており、分解状態、一部分解状態、組立状態のいずれの状態であっても、ハウジング55に対し着脱可能に構成されている。
また部品移送機構80,80において、ヘッドユニット85,85は、アーム81に沿って移動することにより、引出機構70における両側レール71,71の上方領域(ピックアップ領域、部品取出領域)と、降下状態にある部品載置台86,86の上空との間を往復移動できるよう構成されている。そして本実施形態においては、図1,3に示すようにヘッドユニット85,85が往復移動する範囲(領域)が、移送ヘッドの作動領域M2として構成されている。
更にこの移送ヘッドの作動領域M2は、上記実装機本体10の実装用ヘッドユニット40が作動する領域(実装ヘッドの作動領域M1)に対し下方に配置されて、両作動領域M1,M2が重なり合わないよう設定されている。
また上昇状態にある部品載置台86は、実装ヘッドの作動領域M1内に配置され、その載置台86上に載置された電子部品Qが、実装ヘッド41によって吸着(ピックアップ)できるよう構成されている。ここで本実施形態においては、上昇状態にある部品載置台86の位置によって、部品供給位置が構成されている。
以上の部品供給装置50においては、収納部60に水平方向に2列配置で収納されるパレット52,52に対し、独立して駆動する2つずつの引出機構70,70、昇降機構79,79、部品移送機構80,80が配置されて、これにより収納部60から実装機本体10にかけて2つの独立した電子部品供給経路が形成されるものである。
次に、部品供給装置50から実装機本体10に電子部品Qが供給するまでの動作を中心にして実装機の動作について説明する。なお部品供給装置50においては、既述したように2つの部品供給経路が形成されるが、各部品供給経路は実質的に同じ動作が行われるものであるため、以下の説明においては、2つの部品供給経路をひとまとめにして説明するものとする。
まず部品供給装置50には、その収納部60内に水平方向2列で上下複数段に多数のパレット52が収納されている。なおこのパレット52には、電子部品がマトリックス状に収納保持された部品トレイ51が位置を固定された状態に載置されている。
この状態から、引出機構70が、昇降機構79の駆動によって昇降移動することによって、引出機構70の両側レール71が、引き出すべき所定のパレット52の高さ位置まで移動し、両側レール71の先端が所定のパレット52の両側部に対向して配置される。
続いて引出機構70におけるクランプ機構76が中間レール75に沿ってパレット52側に移動し、クランプ機構76のクランプ761によってパレット52の把持部521が把持される。
こうしてクランプ761の把持が行われた後、クランプ機構76が中間レール75に沿って引出方向に移動することにより、パレット52が収納部60から両側レール71,71上に引き出されて、レール71,71に沿って移動していく。
パレット52が所定の位置まで移動すると、必要に応じて、引出機構70が昇降機構79の駆動によって上昇することにより、パレット52がその部品トレイ51内の電子部品Qが、部品移送機構80の移送ヘッド851によってピックアップ可能な領域(ピックアップ領域)まで移動する。
次に図8に示すようにヘッドユニット85がアーム81に沿ってピックアップ領域に移動して、ヘッドユニット85における2つの移送ヘッド851,851が、パレット52の部品トレイ51に保持された所定の2つの電子部品に対応する位置に配置される。このとき移送ヘッド851,851の電子部品Q,Qに対するY軸方向の位置合わせは、パレット52が引出機構70によって出し入れ方向に移動することによって行われるとともに、X軸方向の位置合わせは、言うまでもなくヘッドユニット85がアーム81に沿って移動することによって行われる。
その後、移送ヘッド851,851のノズル90,90が進出すると同時に、対応する2つの電子部品Q,Qをそれぞれ吸着保持する。
こうしてヘッド851,851により電子部品Q,Qを保持した状態で、図9に示すようにヘッドユニット85がアーム81に沿って実装機本体10側に移動し、ヘッドユニット85が降下状態の部品載置台86の上空に配置される。
次にヘッドユニット85の各ノズル90,90が進出して吸着を解除することにより、電子部品Q,Qが部品載置台86に移載され、その移載と同時に、部品載置台86の吸着部864,864によって電子部品Q,Qが吸着保持される。
続いて図10に示すように、ヘッドユニット85が次の電子部品Qを移送するために、アーム81に沿ってピックアップ領域に移動する一方、部品載置台86は電子部品Q,Qを吸着保持した状態で上昇する。これにより部品載置台86の電子部品Q,Qが実装機本体10における実装ヘッド41の作動領域M1内(部品供給位置)に配置される。
その後、実装機本体10のヘッドユニット40が、上昇状態の部品載置台86上まで移動する。続いて、部品載置台86による電子部品Q,Qへの吸着が解除されるとともに、ヘッドユニット40における所定のヘッド41…の吸着ノズル41a…によって、電子部品Q,Qが吸着保持される。
実装ヘッド41によって保持された電子部品Qは、コンベア20上に配置されたプリント基板Pの上方まで移動して、プリント基板Pの所定位置に実装される。
部品載置台86は、電子部品を実装ヘッド41に受け渡した後、降下して、移送ヘッド851の作動領域M2内に戻り、移送ヘッド851により次の電子部品が移載されるまで待機する。
こうして部品供給装置50から電子部品が実装機本体10に適宜供給されて、その電子部品が実装機本体10によってプリント基板P上に実装されるとともに、既述したようにテープフィーダ31から供給された小片の電子部品が実装ヘッド41によって実装される。
そしてプリント基板Pに対し電子部品の実装が完了すると、コンベア20によってプリント基板Pが搬送ラインX1に沿って所定量移動し、未実装の次のプリント基板Pが実装機本体10の実装位置に配置される。
一方、部品供給装置50において、ピックアップ領域のパレット52から全ての電子部品が実装機本体10に供給されると、パレット52が収納部60の所定のパレット支持部61に戻される。すなわち引出機構70が、必要に応じて昇降機構79の駆動によって降下し、パレット52を所定のパレット支持部61に対応する高さ位置に配置される。続いて、クランプ機構76が引出方向に対し反対方向に移動して、パレット52が所定のパレット支持部61内に押し込まれる。その後、クランプ機構76のクランプ761によるパレット把持部521に対する把持が解除される。こうして空のトレイ51が載置されたパレット52が収納部60内に戻される。
ここで、本実施形態の部品供給装置は、独立した2つの部品供給経路によって、電子部品を自在に供給することができる。従って一方の部品供給経路による電子部品の供給と、他方の部品供給経路による電子部品の供給とを、時間をずらせて交互に行うこともできるし、並行に行うこともでき、更に互いに相関関係なく別々に行うこともできる。なお本実施形態においては、必要に応じて、一方のパレット52と他方パレット52とに異なる種類の電子部品を収納しても良いし、1つのパレット52内に異なる種類の電子部品を収納しておくようにしても良い。
以上のように、本実施形態によれば、ピックアップ領域に引き出された部品トレイ51から電子部品を移送ヘッド851によって吸引してピックアップするとともに、その移送ヘッド851をアーム81に沿って実装機本体10側へと移動させるものであるため、電子部品の上面側のみを吸着した状態で、電子部品を部品トレイ51から実装機本体10側まで移送することができる。このように上面吸着のみによって、電子部品を移送することができるため、たとえば電子部品の下面側を吸着保持して移送する場合と比較して、全ての種類の電子部品を確実に保持することができ、実装機本体10への電子部品の供給を安定して行うことができる。
また本実施形態においては、部品トレイ51から電子部品を移送ヘッド851によってピックアップしたままの状態で移送ヘッド851を実装機本体10側に移送するものであるため、以下に詳述するように、シャトル移送式の部品供給装置のように、移送ヘッドによる電子部品への過度な押し付けを防止することができる。すなわちシャトル移送式の部品供給装置は、電子部品を部品トレイからシャトルに移載して、そのシャトルを実装機本体側に移動させるようにしている。このシャトル移送式の部品供給装置においては、部品トレイから電子部品をシャトルに移載する際に、移送ヘッドの吸着ノズルによって部品トレイ内の電子部品をエア吸引により吸着して、その移送ヘッドをシャトル上まで移動させて、吸着を解除して電子部品をシャトル上に移載するものである。しかしながら、シャトルの高さ位置は固定されているため、移送ヘッドのノズルから電子部品をシャトル上に移載する際に、たとえば電子部品として高さ寸法の大きいものを採用している場合には、移送ヘッドのノズルとシャトルとの間の寸法よりも電子部品の高さ寸法が大きくなり、移送ヘッドのノズルによって電子部品をシャトルに過度に押し付けるような移載処理(ハードランディング)が行われることになる。
これに対し、本実施形態においては、部品トレイ51から電子部品を移送ヘッド851によってピックアップしたままの状態で移送ヘッド851を実装機本体10側に移送するものであるため、トレイ内の電子部品をシャトルに移載することなく直接、実装機本体10側へ移送することができる。このため、電子部品のシャトルへの移載時に生じる電子部品の吸着ノズルによる押し付けを防止することができる。
また本実施形態においては、部品供給位置に部品載置台86を設けるものであるため、移送ヘッド851から電子部品を部品載置台86に移載した時点で、電子部品を移送ヘッドから載置台86に引き渡すことができ、移送ヘッド851による移送処理が完了する。このため、移送ヘッド851は、電子部品を部品載置台86に移載した後直ちに、ピックアップ領域に戻って次の移送動作を開始することができ、部品移送を効率良く行うことができる。
なお本実施形態においては、部品載置台86を昇降自在に設けているため、移送ヘッド851から部品載置台86に電子部品を移載する際に、電子部品の高さ寸法に合わせて、部品載置台86の上下位置を調整することができ、電子部品として高さ寸法の大きいものを採用する場合であっても、移送ヘッド851のノズル90による電子部品の部品載置台86への押し付けを防止することができ、電子部品を部品載置台86にスムーズに移載できて、いわゆるソフトランディングを行うことができる。更に部品載置台86上の電子部品を実装機本体10の実装ヘッド41にピックアップさせる場合においても、部品載置台86の上下位置を適宜調整することにより、実装ヘッド41のノズルによる電子部品の部品載置台86への押し付けを防止できる。
本実施形態の部品供給装置50においては、収納部60に水平方向2列でパレット52を収納できるものであるため、パレット52の収納率を向上できて、収納量を増大させることができる。このため、装置使用中におけるパレット交換作業を少なくでき、その分、作業負担を軽減できるとともに、パレット交換に伴う稼働効率の低下も防止することができる。
更に2列のパレット52に対応して、引出機構70、昇降機構79、部品移送機構80をそれぞれ2つずつ設けて、2つの部品供給経路を形成しているため、2つの供給経路によって、電子部品を実装機本体10側にぞれぞれ供給することができ、部品供給効率を向上させることができる。
特に本実施形態の部品供給装置50は、並列に配置された2つのパレット52,52を2つの引出機構70,70によって、ピックアップ領域まで並列的に引き出すようにした複列引出方式を採用しているため、部品供給装置50から2種類の電子部品を実装機本体10に供給する場合に、一段と部品供給効率を向上させることができる。すなわち1つのパレットのみを引き出すようにした単列引出方式の部品供給装置においては、2種類の電子部品を供給する場合、1種類目の電子部品が保持されたパレットを収納部から引き出して、そのパレットから1種類目の電子部品を取り出した後、1種類目の電子部品入りのパレットを収納部に戻し、更に2種類目の電子部品が保持されたパレットを収納部から引き出して、そのパレットから2種類目の電子部品を取り出す必要がある。このように1種類目の部品取出処理と、2種類目の部品取出処理とを行う間にパレットの出し入れ操作が必要となるため、作業効率の低下を来す恐れがある。
これに対し、本実施形態においては、収納部60の、たとえば一方側の列に1種類目の電子部品入りのパレット52を収納するとともに、他方側の列に2種類目の電子部品入りのパレット52を収納しておき、2つの引出機構70によって、2種のパレット52,52を共に引き出しておくことにより、一方側のパレット52から1種類目の電子部品を取り出した後、パレットの出し入れ操作を行うことなく直ちに、他方側のパレット52から2種類目の電子部品を取り出すことができる。このように電子部品の種類を変更する際に、パレット52の出し入れ操作が不要であるため、部品供給効率を一段と向上させることができる。
しかも本実施形態においては、2つの引出機構70,70に対応して、2つの部品移送機構80,80を設けるものであるため、1種類目の電子部品の供給処理と、2種類目の電子部品の供給処理とを並行させることができ、部品供給効率をより一層向上させることができる。
その上更に、本実施形態においては、部品移送機構80におけるヘッドユニット85に、2つの移送ヘッド851を設けているため、1つの部品移送機構80によって、一度に2つずつ電子部品を移送することができ、部品供給効率を更に向上させることができる。
また本実施形態においては、部品供給装置50の引出機構70を搬送ラインX1の下方に配置して、基板搬送用コンベア20の下方に、収納部60からピックアップ領域にかけてのパレット52の引出領域(パレット導出領域)を設定しているため、コンベア下のデッドスペースをパレット引出領域として有効に利用できて、設置スペースの減少および装置の小型化を図ることができる。なお本実施形態においては、パレット引出領域とピックアップ領域とが一部または全部重なり合っていても良いし、両領域が重なり合っていなくとも良い。
また本実施形態においては、部品供給装置50のパレット収納用開口62を前面側(フロント側)に形成しているため、パレット52の出し入れ作業を前方の作業通路等から効率良くスムーズに行うことができる。
また本実施形態においては、図3に示すように移送ヘッド851の作動領域M2の上方に実装ヘッド41の作動領域M1を設定して、両作動領域M1,M2が重なり合わないように設定しているため、移送ヘッド851が実装ヘッド41に干渉するのを確実に防止することができる。
また本実施形態においては、図12,13に示すように、アーム81等の長尺部材を含む部品移送機構80がハウジング55に対し着脱自在に構成されているため、搬送する場合には、部品移送機構80をハウジング55から離脱させておくことにより、アームが側方に突出したままで梱包する場合と異なり、アームコンパクトにまとめて梱包することができ、アーム81が邪魔にならず、効率良くスムーズに搬送することができる。更に移載する場合においても、部品移送機構80をハウジング55から離脱させることにより、他の機構60,70等と別々にして移載することができ、全ての機構60〜80をまとめて移載する場合と比較して、効率良くスムーズに移載することができる。
更に本実施形態においては、部品移送機構80を、各構成部材間で分解可能に構成しているため、部品移送機構80を、必要に応じて適宜分解することにより、搬送作業や移送作業を、より一層効率良くスムーズに行うことができる。
図14はこの発明の第1変形例である実装機を示す平面図である。同図に示すように、この実施形態の実装機は、2つの実装機本体10A,10Bと、1つの部品供給装置50とを備えるものである。すなわち搬送ラインX1に沿って、一方の実装機本体10A、部品供給装置50および他方の実装機本体10Bがこの順に並んで配置される。
部品供給装置50は、2つの部品移送機構80,80にそれぞれアーム81a,81bを有している。一方のアーム81aは、一方の実装機本体10A側に向けて延びるように配置されるとともに、他方のアーム81bは、他方の実装機本体10B側に向けて延びるように配置されている。更に各アーム81a,81bには、それぞれ上記と同様のヘッドユニット85,85が1つずつ設けられている。この第1変形例の部品供給装置50において、これ以外の構成は、上記実施形態と同様である。
また一方の実装機本体10Aは、一方のアーム81aを介して供給される電子部品を実装ヘッドによってピックアップできるとともに、他方の実装機本体10Bは、他方のアーム81bを介して供給される電子部品を実装ヘッドによってピックアップできるよう構成されている。
以上の構成の実装機において、収納部60に水平方向2列で多段に収納されるパレット52のうち、一方(たとえば右列)の所定のパレット52は、一方の引出機構70によってピックアップ領域に引き出されて、一方の部品移送機構80によって一方の実装機本体10A側に供給される。また、他方(たとえば左列)の所定のパレット52は、他方の引出機構70によってピックアップ領域に引き出されて、他方の部品移送機構80によって他方の実装機本体10B側に供給される。
こうして一方の実装機本体10Aに供給された電子部品は、実装ヘッドによってピックアップされて、一方の実装機本体10A内にある一方のプリント基板P上に実装されるとともに、他方の実装機本体10Bに供給された電子部品は、実装ヘッドによってピックアップされて、他方の実装機本体10B内にある他方のプリント基板P上に実装されるものである。
図15はこの発明の第2変形例としての部品供給装置を示す側面断面図である。同図に示すように、この部品供給装置50は、引出機構70を昇降させずに、収納部60を昇降させることにより、所定のパレット52に対し、引出機構70の高さ位置を調整するものである。すなわち、この部品供給装置80は、パレット受枠701およびレール71等の引出機構70が所定の高さ位置に配置された状態でハウジング55内に固定されている。
更に収納部60は、部品供給装置50のハウジング55に昇降自在に支持され、ボールねじ601およびモータ602からなる昇降駆動手段により、収納部60が昇降するよう構成されている。
そして、この部品供給装置60においては、引出機構70に対し収納部60を昇降させて、引き出すべき所定のパレット52を引出機構70に対応するように配置させて、そのパレット52を収納部60から引き出すものである。
その他の構成等は上記実施形態と同様である。
図16はこの発明の第3変形例の実装機を示す図である。同図に示すようにこの実装機の実装機本体110は、ヘッドユニット140がY軸方向にのみ移動可能に構成されている。すなわち実装機本体110は、プリント基板Pを搬送するコンベア20と、コンベア20のフロント側に配置された複数のテープフィーダ31…からなる部品供給部130と、実装用ヘッドユニット140と、基板PをY軸方向に移動させる基板移動機構100とを備えている。
ヘッドユニット140は、Y軸方向に延びるガイドレール143にY軸方向に移動可能に支持されている。そして、ヘッドユニット140は、Y軸駆動手段によりY軸方向の駆動が行われるようになっている。
また、ヘッドユニット140には、電子部品を吸着して基板Pに装着するための複数のヘッド141…がY軸方向に並んで搭載されている。
基板移動機構100は、基板Pの下面にX軸方向に沿って配置されるボールねじ101と、このボールねじ101に螺着された可動部材102と、ボールねじ101を回転駆動して、可動部材102をX軸方向に沿って移動させるモータ103とを具備している。そして実装時においては、プリント基板Pの下面が可動部材102によって支持固定され、可動部材102の移動に伴ってプリント基板PがX軸方向に移動するよう構成されている。
また部品供給装置50は、その部品移送機構80のヘッドユニット85に1つの移送ヘッド851が設けられ、ヘッドユニット85の1往復の移送によって、1つの電子部品を供給するよう構成されている。なお同図中、符号145は、ヘッドユニット140による電子部品の吸着状態を監視するカメラである。
その他の構成は、上記実施形態と実質的に同様である。
この実装機において、部品供給装置50によって部品供給位置に供給された電子部品Qは、実装機本体110のヘッド141によってピックアップされて、プリント基板Pに実装される。なおこの実装時に、ヘッドユニット140は、ガイドレール143に沿ってY軸方向に移動するとともに、プリント基板Pが、基板移動機構100によってX軸方向に移動することにより、ヘッドユニット140のヘッド141がプリント基板Pに対し所定の実装位置に配置され、その位置に電子部品が実装されるものである。
図17はこの発明の第4変形例としての実装機を示す図である。同図に示すように、この実装機においては、部品供給装置150が実装機本体10に対し、Y軸方向に沿って配置される点が、上記実施形態と大きく相違する。
この部品供給装置150は、実装機本体10の更にリア側に配置されている。この部品供給装置は150は、水平方向2列で上下多段にパレット52を収納可能な収納部160と、収納部160から各列毎にパレット52,52をピックアップ領域まで引き出す引出機構170,170と、ピックアップ領域のパレット52,52から電子部品をピックアップそれぞれして、実装機本体10側にそれぞれ移送する部品移送機構180,180とを基本的な構成要素として備えている。
引出機構170において、両側レール71,71の間に、モータ178の駆動によって回転するボールねじ175が設けられ、クランプ機構76がボールねじ175の回転によって引出方向に往復移動するよう構成されている。引出機構170において、これ以外の構成は上記実施形態と実質的に同様であるため、同一部分に同一または相当符号を付して重複説明は省略する。
また部品移送機構180,180は、上記実施形態と同様、ピックアップ領域と実装機本体10との間にY軸方向に沿って配置される1本のアーム81と、アーム81上をそれぞれ独立して走行自在なヘッドユニット85,85と、アーム81の実装機本体側に各ヘッドユニット85,85に対応してそれぞれ設けられた昇降自在な部品載置台86,86とを備えるものである。
この構成の実装機において、収納部160から引出機構170によってパレット52が引き出されるとともに、そのパレット52からヘッドユニット85によって電子部品がピックアップされる。続いてヘッドユニット85は、部品載置台86まで移動して、その台上に電子部品が載置されて、部品載置台86が上昇することにより、実装機本体10に電子部品を受け渡し可能な部品供給位置まで移動する。
こうして部品供給位置に供給された電子部品は、実装機本体10のヘッドによってピックアップされて、プリント基板Pに実装されるものである。
図18はこの発明の第5変形例としての実装機に適用された部品供給装置の部品移送機構を示す図である。同図に示すように、この部品供給装置における部品移送機構80は、部品供給位置に部品載置台が設けられず、移送ヘッド851から実装機本体の実装ヘッド41に直接、電子部品Qを引き渡すものである。すなわちこの部品移送機構80において、アーム81に設けられるヘッドユニット85のヘッド851が、Y軸方向等の水平方向の軸回りに回転自在に取り付けられるとともに、図示しない回転駆動手段の駆動によって、ヘッド851が回転するよう構成されている。
この部品供給装置において、移送ヘッド851は、ピックアップ領域で電子部品Pをピックアップして、アーム81に沿って実装機本体側に移動した後、移送ヘッド851が水平軸回りに180℃回転して、電子部品Qを上側に上下反転させて配置する。そして上下反転された電子部品Qの下面を実装ヘッド41によって吸着保持することにより、移送ヘッド851から実装機本体の実装ヘッド81に電子部品Qを引き渡すものである。
図19はこの発明の第6変形例としての実装機を示す図である。同図に示すようにこの実装機の部品供給装置250は、シャトル移送式を採用するものである。この装置250は、パレット52が水平方向1列で上下複数段に収納される収納部260と、その収納部260から所定のパレット52をピックアップ領域まで引き出す引出機構270と、ピックアップ領域のパレット内から電子部品を取り出して、実装機本体10に対し受渡可能な部品供給位置まで移送する部品移送機構280とを備えている。なおこの変形例においても、収納部260からピックアップ領域にかけてのパレット引出領域は、搬送ラインX1、つまり基板搬送コンベア20の下方に配置されている。
部品移送機構280は、ピックアップ領域側から実装機本体10側の部品供給位置にかけて配置されるアームとしてのシャトル走行レール281と、その走行レール上に走行自在に設けられたシャトル282と、ピックアップ領域のパレット内から電子部品をシャトル282上に移載する移送ヘッド285とを備えている。
移送ヘッド285は、X軸方向の支持台286にX軸方向に沿って移動自在に支持されるとともに、その支持台286が、ハウジングに一対のガイドレール287を介してY軸方向に移動自在に設けられている。これにより移送ヘッド285は、X軸およびY軸方向に移動自在に構成されている。
また移送ヘッド285には、上記実施形態と同様に、エア吸引によって電子部品を吸着保持可能なノズルが設けられている。なおシャトル走行レール281や、それを含む部品移送機構280は、上記実施形態と同様にハウジングに対し着脱自在に構成されている。
その他の構成は、上記実施形態と実質的に同様であるため、同一部分に同一または相当符号を付して重複説明は省略する。
この実装機においては、収納部260から所定のパレット52が引出機構270によってピックアップ領域まで引き出された後、パレット52内のピックアップすべき電子部品に対応する位置まで移送ヘッド285が移動して、電子部品をピックアップする。
電子部品をピックアップした移送ヘッド285は、ピックアップ領域側に配置されたシャトル282の上方位置まで移動し、そこで電子部品Qに対する吸着を解除して、電子部品をシャトル282上に移載する。なおシャトル282には、電子部品の下面をエア吸引により吸着する吸着手段(図示省略)が設けられている。
電子部品が移載されたシャトル282は、走行レール281を走行して実装機本体10側の部品供給位置まで移動する。
こうして部品供給位置に供給された電子部品が、実装機本体10におけるヘッドユニット40のヘッド41によってピックアップされて、プリント基板上に実装されるものである。
なお上記実施形態においては、部品供給装置の収納部を、パレットが水平方向に2列で収納されるよう構成しているが、それだけに限られず、本発明は収納部を、パレットが水平方向に1列または3列以上で収納されるように構成しても良い。
また上記実施形態においては、引出機構、部品移送機構を2つずつ設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は、引出機構や部品移送機構を1つずつまたは3つ以上ずつ設けるようにしても良い。
更に上記実施形態においては、1つのパレットに部品トレイが1つ配置されるものを例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明は1つのパレットに部品トレイが2つ以上配置されるものにも適用することができる。
また本実施形態においては、部品供給装置の移送ヘッドがX軸方向にのみ移動するようにしているが、それだけに限られず、本発明は、たとえばアームをY軸方向に移動可能に支持することにより、移送ヘッドをY軸方向にも移動できるように構成することもできる。
また上記実施形態においては、移送ヘッドの作動領域を実装ヘッドの作動領域に対し下方に設定するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、移送ヘッドの作動領域を実装ヘッドの作動領域に対し上方に設定するようにしても良い。