JP4365661B2 - ポリイミドエッチング性に優れたポリイミド金属積層体 - Google Patents

ポリイミドエッチング性に優れたポリイミド金属積層体 Download PDF

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Description

本発明は、ハードディスクドライブに用いられるヘッドを支えるスペンション等に広く使用されている、ポリイミド金属積層体及びその用途に関するものである。
さらに詳しくは、ポリイミドのウェットエッチング後の断面形状が良好であるポリイミドの微細加工に適したポリイミド金属積層体に関するものである。
現在、ハードディスクドライブ(以下HDDと略す)の高密度化・高速化に伴い、HDD用サスペンションには、主として銅配線がサスペンション上に直接形成された、いわゆるワイアレスサスペンションが用いられている。このHDD用サスペンションの材料として、銅合金/ポリイミド/SUS304からなるポリイミド金属積層体が広く使用されている。
このようなポリイミド金属積層体を用いて、HDD用サスペンションを製造する方法として、銅合金層及びSUS304層に所定のパターンを施した後、ポリイミド層をプラズマエッチングにより除去しサスペンションを加工する製造方法が提案されている(特許文献1参照)。このようなプラズマエッチングを用いる方法で有れば、微細な形状を有するポリイミドエッチングが容易であり、且つフライングリードの形成が容易であるため、サスペンションの設計に自由度を持たせられるという利点を持つ。
しかしながら、プラズマエッチングはポリイミドのエッチング速度が金属等のエッチング速度に比べ極めて遅く、また、枚葉式でのエッチングとなるため、生産性が非常に悪く、また、プラズマエッチング装置が高価であり、プロセスコストも嵩むという欠点があった。
かかる問題点を解決するため、第1層が所定の厚みのステンレス箔、第2層が所定の厚みのポリイミド層、第3層が所定の厚みの金属箔からなるポリイミド金属積層体を用いて、アルカリ溶液中にてウェットエッチング加工し、回路形成することによりワイアレスサスペンションを製造する方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法では、ポリイミド層の外形加工をエッチング処理で行なうことができるうえ、さらに接着剤層を介さないので製造工程を簡略化することができ、高密度への対応が可能となる。
さらに、ウェットエッチングに優れる耐熱性ボンドプライがHDDサスペンション用積層体に適用できることが開示されている(特許文献3)。
しかし、ポリイミドのウェットエッチング特性に関しては、各層のポリイミドエッチング速度の比較制御だけで形状が良くなるとの記載のみであり、ポリイミドの層の厚みを何ら検討されておらず、場合によっては好ましいエッチング形状を得ることが出来ないことがあった。
特開平9-293222号公報 特開平11-154314号公報 特開2002-146306号公報
本発明の目的は、ポリイミドのウェットエッチング形状を良好にし、ポリイミドの微細加工を可能とし、且つ生産性を向上させることが可能なポリイミド金属積層体を提供することにある。また、ステンレス、金属箔及びポリイミドのウェットエッチング加工が可能であり、HDD用サスペンションに好適に使用されるポリイミド金属積層体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、外層のポリイミドと内層の厚み比を制御しない場合、ポリイミドのアンダーカットが大きな形状になり、微細加工に適さず、歩留まり低下を招き、生産性が悪くなるという問題があることを見出した。そこで、接着層の熱可塑性ポリイミドとコア層の非熱可塑性ポリイミドの厚みとエッチング速度に着目し、両者を制御することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下に関するものである。
(1)ポリイミド層を介してステンレス箔と金属箔が接合されたポリイミド金属積層体であって、ポリイミド層が非熱可塑性ポリイミドの両面に熱可塑性ポリイミドが形成されたものであって、該熱可塑性ポリイミドが該非熱可塑性ポリイミドに対して0.02〜0.30倍の厚みであり、且つ該非熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度が熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度の0.1〜1.5倍であることを特徴とするポリイミド金属積層体。
(2)該熱可塑性ポリイミドが、ジアミン成分として、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンのうち少なくともひとつを含み、酸二無水物成分として、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を用いるものである(1)記載のポリイミド金属積層体。
(3)熱可塑性ポリイミドの厚みが1μm〜10μmである(1)又は(2)記載のポリイミド金属積層体。
(4)非熱可塑性ポリイミドの厚みが5μm〜100μmである(1)〜(3)記載のポリイミド金属積層体。
(5)ステンレス箔及び/又は金属箔の厚みが7μm〜110μmであり、且つステンレス箔と金属箔の厚みの合計が20μm〜220μmである(1)〜(4)記載のポリイミド金属積層体。
(6)(1)〜(5)記載のポリイミド金属積層体をウェットエッチングにより加工されてなるハードディスクドライブに用いられるサスペンション。
本発明によれば、アルカリ溶液によるエッチング性が良く、アンダーカット量の小さいポリイミド金属積層体が得られる。従って、本発明の積層体を用いることにより、ポリイミドのエッチングによる微細加工が可能になる、従って、本発明の積層体を用いることにより、アルカリ溶液によるポリイミドのエッチング形状がよいポリイミド金属積層体が得られる。よって、特に、ハードディスクドライブのサスペンション材料として好適に使用される。
以下に本発明のポリイミド金属積層体およびその製造方法を詳細に説明する。
本発明のポリイミド金属積層体は、ポリイミド層を介してステンレス箔と金属箔が接合されたポリイミド金属積層体であって、ポリイミド層が非熱可塑性ポリイミドの両面に熱可塑性ポリイミドが形成されたものであって、該熱可塑性ポリイミドが該非熱可塑性ポリイミドに対して0.02〜0.30倍の厚みであり、且つ該非熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度が熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度の0.1〜1.5倍であることを特徴とするものである。
本発明において熱可塑性ポリイミドは、ガラス転移点に特に制限はないが、50℃〜400℃のガラス転移点を有するものが好適に使用される。金属箔、特に、ステンレス箔および銅箔との熱圧着が容易となるからである。さらに好適には150℃〜250℃のガラス転移点のものが使用される。
本発明におけるウェットエッチング速度とは、80℃、16wt%の水酸化カリウム水溶液によるエッチング速度のことをいう。具体的には該ポリイミド金属積層体の金属層を金属エッチングで除いたものを80℃、16%水酸化カリウム水溶液に浸漬し、ポリイミド系樹脂がなくなる時間を測定する。初期のポリイミド系樹脂の厚みを、ポリイミド系樹脂が無くなる時間で割った値を本発明においてはエッチング速度と定義する。
また、本発明のポリイミド金属積層体のポリイミド層は、ポリイミド層が非熱可塑性ポリイミドの両面に熱可塑性ポリイミドが形成されたものであって、該非熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度が熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度の0.1〜1.5倍であることが重要である。より好ましくは0.5〜1.3倍である。
この範囲の上限を超えると上層の熱可塑性ポリイミドの横へのエッチングが大きく進みアンダーカットの増大を起こし、HDD用サスペンションとして適さない。この範囲の下限以下であるとコア層の非熱可塑性ポリイミド部分の横へのエッチングが大きく進みアンダーカットの増大を起こし、これもHDD用サスペンションとして適さない。
本発明において、熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度は、上記関係を満たせば特に限定はされないが、好ましくは平均値が1.0μm/min以上であることが必要である。より好ましくは1.5μm/min以上である。ここで、エッチング速度の平均値とは、ポリイミド系樹脂の厚みを、ポリイミド系樹脂を全てエッチング除去するために必要とした時間で割った値のことである。エッチング速度は、ポリイミド系樹脂の分子構造により変化する。従って、ポリイミド系樹脂に使用するジアミンと酸二無水物の構造に依存し、エッチング速度は変化するため、使用できるジアミンと酸二無水物の種類と量に制約がある。
熱可塑性ポリイミドのエッチング速度の平均値は、上記方法により測定した場合は、1.0μm/min以上であることが好ましいが、上記方法とは異なる方法によりエッチング速度を測定した場合、1.0μm/min未満となることも当然あり得る。
本発明において、熱可塑性ポリイミドの厚みは、好ましくは1μm〜10μmであり、より好ましくは1μm〜5μmである。また、非熱可塑性ポリイミドの厚みは、好ましくは5μm〜100μmであり、より好ましくは、7μm〜80μmである。本発明においては、該熱可塑性ポリイミドが該非熱可塑性ポリイミドに対して0.02〜0.30倍の厚みであることが必須であり、より好ましくは、0.04〜0.30倍である。該熱可塑性ポリイミドの厚みは該非熱可塑性ポリイミドの両面に形成された該熱可塑性ポリイミドの両方の厚みを足した値である。
この厚み比の範囲の上限を超えるとコア層の非熱可塑性ポリイミド部分の横へのエッチングが大きく進みアンダーカットの増大を起こし、HDD用サスペンションとして適さない。下限であると上層の熱可塑性ポリイミド部分の横へのエッチングが大きく進みアンダーカットの増大を起こし、HDD用サスペンションとして適さなくなる。
本発明の熱可塑性ポリイミドは、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる。使用するジアミンとしては、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル及び、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンから選ばれた少なくとも一種のジアミンを用いることが好ましい。より好ましいジアミンは、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンである。該ジアミンを用いることにより、熱可塑性ポリイミドとステンレス箔及び金属箔との熱圧着による接着強度を確保することができる。
使用するテトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物を用いることが好ましい。ピロメリット酸二無水物を添加することにより、ポリイミドのアルカリ溶液によるエッチング速度が向上するからである。これにより、エッチング工程での生産性向上が図れる。
上記の熱可塑性ポリイミドを合成する場合、公知の方法により可能である。例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、メチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルフォラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどの溶媒中において、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミンを所定の割合で混合し、反応温度0〜100℃の範囲内で反応させることにより、ポリイミド系樹脂の前駆体溶液が得られ。この溶液を200℃〜500℃の高温雰囲気で熱処理して、イミド化する方法がある。
前述の熱可塑性ポリイミドを製造する場合、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、0.75〜1.25の範囲が、反応の制御が容易であること、および、合成される熱可塑性ポリイミドの加熱流動性が良好であることから、好ましく、更に好ましくは、0.90〜1.10である。
本発明に用いるステンレス箔は、種類は問わないが、ハードディスクのサスペンション材料として広く用いられているSS304H-TA(テンションアニール処理材)が好適に使用される。
本発明に用いる金属箔は、銅箔、銅合金箔、Al箔、Ni箔、ステンレス箔、チタン箔、鉄箔等があげられる。金属箔はエッチング加工されて、電子回路となるため、導電率の高い金属が好ましい。また、サスペンション材料として用いることから、弾性を有する金属が好ましい。かかる観点より銅合金箔及びステンレス箔が好適に使用される。
前記のステンレス箔及び金属箔の厚みとしては、それぞれ7μm〜110μmであることが好ましい。熱可塑性ポリイミドと接合した際の反りを低減するため、厚い方が好ましく、より好ましくは20μm〜110μmが良い。ステンレス箔及び金属箔の厚みが7μm未満の場合、熱可塑性ポリイミドと接合した際の反りが大きくなるだけでなく、ステンレス箔及び金属箔に弾性がなくなるため、ハンドリングが悪くなり、熱可塑性ポリイミドと接合する際の生産性が著しく低下するという問題が生じる場合がある。また、110μmよりも厚い場合、剛性が大きくなりすぎるためサスペンション材料として不向きとなる場合があり、ステンレス箔及び金属箔の重量が大きくなりハンドリングが困難になるという問題が生じる可能性がある。
非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、市販のポリイミドフィルムを使用することができ、宇部興産株式会社製:商品名ユーピレックスS(登録商標)、鐘淵化学株式会社製:商品名アピカルNPI、アピカルHP、アピカルAH(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製:商品名KaptonV、KaptonEN(登録商標)等が好ましく用いられる。
本発明において、非熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度は、上記非熱可塑性ポリイミドフィルムを用いれば限定はされないが、好ましくは平均値が0.6μm/min以上であることが必要である。より好ましくは0.9μm/min以上である。ここで、エッチング速度の平均値とは、ポリイミド系樹脂の厚みを、ポリイミド系樹脂を全てエッチング除去するために必要とした時間で割った値のことである。
非熱可塑性ポリイミド上に直接塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用できる。
塗布したワニスを乾燥・キュアする方法は、通常の加熱乾燥炉が利用できる。乾燥炉の雰囲気としては、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。乾燥の温度としては、溶媒の沸点により適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥の時間は、厚み、濃度、溶媒の種類により適宜選択するが0.05〜500分程度で行なうのが望ましい。
本発明のポリイミド金属積層体は、前記の熱可塑性ポリイミドフィルムと非熱可塑性ポリイミドと金属箔とを加熱圧着することにより製造することができる。熱可塑性ポリイミドフィルムと金属箔とを加熱圧着する方法について述べる。加熱圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙げられる。加熱プレス法としては、例えば、ポリイミド系樹脂と金属箔をプレス機の所定のサイズに切りだし、重ね合わせを行ない加熱プレスにより加熱圧着することにより製造できる。加熱温度としては、150〜600℃の温度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好ましくは0.1〜500kg/cmで製造できる。加圧時間としては、特に制限はない。
熱ラミネート方法としては、特に制限は無いが、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法が好ましい。ロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。ラミネート温度としては、100〜300℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
熱ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用できる。加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
本発明によれば、ポリイミドエッチング性に優れたポリイミド金属積層体が得られる。そのため、本発明のポリイミド金属積層体は、特にハードディスク用サスペンションとして好適に使用される。
ハードディスク用サスペンションの作成方法としては、一般的に以下の方法により行なうことができる。
まず、回路を形成する本発明の金属積層体の金属表面に感光性樹脂を塗布または、張り合わせにより形成する。そこに、所望のパターンの像が描かれたマスクを密着させ、感光性樹脂が感度を持つ波長の電磁波を照射する。所定の現像液にて未露光部を溶出させ、所望の回路の像を金属上に形成する。その状態のものを塩化第二鉄等の金属を溶解することができる溶液に浸漬または、溶液を基板上に噴霧することにより露出している金属を溶解させた後に、所定の剥離液で感光性樹脂を剥離し、回路とする。
次いで、該金属表面に形成した回路上に同様にして所望のパターン像が描かれたマスクを密着させウェットエッチングプロセスにて熱可塑性ポリイミド層をパターニングする。
熱可塑性ポリイミドをエッチング加工する場合、エッチング液は、アルカリ水溶液であればよく、上記80℃、16wt%の水酸化カリウム水溶液に限定されるものではない。エッチング液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムを用いることができる。アルカリ水溶液にポリイミドとの親和性を向上させ、エッチングを促進させるために、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ヒドラジン1水和物、エチレンジアミン、ジメチルアミンを含有させることも好ましい。
パターニングを行なった後、レーザー溶接等により、ロードビームと呼ばれるステンレス加工品と接合することにより、サスペンションが作成できる。また、このポリイミド金属積層体を用いてロードビームも作成できる。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各種特性の評価は以下の方法による。
[エッチング速度の測定]
ステンレス又は銅箔/熱可塑性ポリイミド/非熱可塑性ポリイミド/熱可塑性ポリイミド/ステンレスを形成し、上層のステンレス又は銅箔を金属エッチングで1cm角に除く、それを80℃の16%水酸化カリウム水溶液に浸漬し、各層のポリイミド系樹脂がなくなる時間を測定した。初期のポリイミド系樹脂の厚みを、ポリイミド系樹脂が無くなく時間で割った値をエッチング速度とした。
[エッチング形状の測定]
ポリイミドエッチング後、試料を樹脂包理後、研磨し、金属層とポリイミド層の断面を日本光学製金属顕微鏡で観察を行なった。図1のようにアンダーカット量を測定した。このアンダーカット量を総ポリイミドの厚みで割ってエッチング形状を数値化した。
また、実施例等に用いた溶剤、酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N’−ジメチルアセトアミド
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
合成例1
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
表1に記載したテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを秤量し、1000mlのセパラブルフラスコの中でDMAc645gに窒素気流下にて溶解させた。溶解後、6時間攪拌を続けて重合反応を行ない、熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスA〜Dを得た。
Figure 0004365661
合成例2
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成>
表2に記載したテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを秤量し、1000mlのセパラブルフラスコの中でDMAc645gに窒素気流下にて溶解させた。溶解後、6時間攪拌を続けて重合反応を行ない、熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスEを得た。
Figure 0004365661
実施例1
<ポリイミドフィルムの製造>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製:商品名KaptonV、厚み:75μm)上に、熱可塑性ポリイミド層として、合成例1-Dのポリアミック酸ワニスを両面にリバースロールコーターを使用し、塗布・乾燥した。乾燥後の熱可塑性ポリイミド層の厚みは2μmであった。尚、乾燥条件は100℃、150℃、200℃、250℃、300℃で各5分間段階的に熱処理を行なった。
<熱プレスの実施>
ステンレス箔(新日本製鐵株式会社製:商品名: SUS304H−TA厚み:25μm)を使用した。得られたボンドプライにSUS304H−TA箔を各々重ね合わせたものをクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)ではさみ、加熱プレス機で250℃、70kg/cmの条件下で、60分間加熱圧着して、SUS304H−TA/熱可塑性ポリイミド/KaptonV/熱可塑性ポリイミド/SUS304H−TAからなるポリイミド金属積層体を作製した。
<ポリイミド金属積層体の評価>
得られたポリイミド金属積層体を用いて、エッチング速度、エチング形状を前記のように測定した。結果を表3に示す。
参考例1
<ポリイミド金属積層体の製造>
熱可塑性ポリイミド層として、合成例1-Dのポリアミック酸ワニスに替えて合成例1-Aのポリアミック酸ワニスを用いた以外、実施例1と同様の方法にてポリイミド金属積層体を製造した。
<ポリイミド金属積層体の評価>
得られたポリイミド金属積層体を用いて、エッチング速度、エチング形状を前記のように測定した。結果を表3に示す。
比較例1
<ポリイミドフィルムの製造>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製:商品名KaptonV、厚み:75μm)上に、熱可塑性ポリイミド層として、合成例1-Eのポリアミック酸ワニスを両面にリバースロールコーターを使用し、塗布・乾燥した。乾燥後の熱可塑性ポリイミド層の厚みは2μmであった。尚、乾燥条件は100℃、150℃、200℃、250℃、300℃で各5分間段階的に熱処理を行なった。
<熱プレスの実施>
ステンレス箔(新日本製鐵株式会社製,商品名: SUS304H−TA厚み:25μm)を使用した。得られたボンドプライにSUS304H−TA箔を各々重ね合わせたものをクッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)ではさみ、加熱プレス機で250℃、70kg/cmの条件下で、60分間加熱圧着して、SUS304H−TA/熱可塑性ポリイミド/KaptonV/熱可塑性ポリイミド/SUS304H−TAからなるポリイミド金属積層体を作製した。
<ポリイミド金属積層体の評価>
得られたポリイミド金属積層体を用いて、エッチング速度、エチング形状を前記のように測定した。結果を表3に示す。
比較例2
<ポリイミド金属積層体の製造及び評価>
熱可塑性ポリイミドフィルムの厚みを15μmとしたこと以外、実施例1と同様の方法で、ポリイミド金属積層体を製造し、評価を行なった。結果を表3に示す。
比較例3
<ポリイミド金属積層体の製造及び評価>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(鐘淵化学株式会社製:商品名アピカルNPI厚み:12.5μm)と熱可塑性ポリイミド層として、合成例1-Eのポリアミック酸ワニスを2μmにしたこと以外、実施例1と同様の方法で、ポリイミド金属積層体を製造し、評価を行なった。結果を表3に示す。
Figure 0004365661
ウェットエッチングを行った後の断面図を示したものである。
符号の説明
1. 金属箔
2. 熱可塑性ポリイミド
3. 非熱可塑性ポリイミド
4. 熱可塑性ポリイミド
5. ステンレス箔

Claims (6)

  1. ポリイミド層を介してステンレス箔と金属箔が接合されたポリイミド金属積層体であって、
    ポリイミド層が、非熱可塑性ポリイミドの両面に、熱可塑性ポリイミドが形成されたものであって、
    該両面の熱可塑性ポリイミドの厚みの合計が、該非熱可塑性ポリイミドの厚みに対して0.02〜0.30倍であり、且つ
    該非熱可塑性ポリイミドのウェットエッチング速度が、該両面の熱可塑性ポリイミドのそれぞれのウェットエッチング速度に対して0.1〜1.5倍であり、
    該熱可塑性ポリイミドの酸二無水物成分が、ピロメリット酸二無水物および3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を含む、ポリイミド金属積層体。
  2. 該熱可塑性ポリイミドのジアミン成分が、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル及び1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンのうち少なくともひとつを含む、請求項1記載のポリイミド金属積層体。
  3. 該両面の熱可塑性ポリイミドの厚みの合計が、1μm〜10μmである請求項1又は2記載のポリイミド金属積層体。
  4. 非熱可塑性ポリイミドの厚みが5μm〜100μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層体。
  5. ステンレス箔及び/又は金属箔の厚みが7μm〜110μmであり、且つ
    ステンレス箔と金属箔の厚みの合計が20μm〜220μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリイミド金属積層体をウェットエッチングにより加工されてなるハードディスクドライブに用いられるサスペンション。
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