JP2006312727A - ポリイミドフィルム及びそれを用いたポリイミド金属積層体とその製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルム及びそれを用いたポリイミド金属積層体とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属層の密着性が高く、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属箔積層体を提供する。
【解決手段】アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により処理されたことを特徴とするポリイミドフィルム。さらに該ポリイミドフィルムの表面に熱可塑性ポリイミド層を設け、該熱可塑性ポリイミド層の外側に金属層を形成したことを特徴とするポリイミド金属積層体、ならびに該ポリイミド金属積層体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミドフィルム及びそれを用いたポリイミド金属積層体、ならびにその製造方法に関する。詳しくは、ポリイミドフィルムと金属層との密着性が良好で、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属積層体及びその製造方法に関する。
ポリイミド金属積層体は、主として回路基板材料として使用され、プリント配線板用基材、一体型サスペンション基材、ICパッケージ用配線基材、面状発熱体、LCD用配線基材等に用いられている。近年、電子機器が小型化、高密度化されるに伴い、部品・素子の高密度実装が可能な、ポリイミド金属積層体の利用が増大している。更に、回路を高密度化するため、回路パターンの線幅を10〜50μmとする微細化が図られており、そのため金属層のポリイミドフィルムへの密着性の優れたポリイミド金属積層体が望まれていた。この回路基板材料の用途においては、通常、種々の接着剤を介してポリイミドフィルムと金属箔(たとえば、銅箔)とが接着されて用いられている。ところが、ポリイミドフィルムはその化学構造及び高度な耐薬品(溶剤)安定性により、接着剤を介したとしても銅箔との接着性が不十分な場合が多いことから、現状ではポリイミドフィルムに各種の表面処理(たとえばカップリング剤塗布処理、サンドブラスト処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、アルカリ処理など)を施した後、接着剤を介して金属箔を接着している。
カップリング剤塗布処理により表面処理されたポリイミドフィルムは、Si残渣により電気特性が低下する可能性がある。また、サンドブラスト処理はポリイミドフィルムに付着した研磨剤を除くための洗浄工程に問題を残す。一方、コロナ放電処理、およびプラズマ処理は、その装置の簡便さからフィルム製膜装置への組み込み(インライン化)も可能であり、有利な処理であって若干の密着性の改善が認められている。しかし、コロナ放電処理またはプラズマ処理されたポリイミドフィルムに、接着剤としてポリイミド系の接着剤を用いて金属箔を接着した場合には、密着性の改善は全く認められず、実用的な処理として問題があった。
また、ポリイミドフィルムの表面をアルカリ処理することで、金属層との密着性を改善できる技術も知られている(特許文献1等参照)。しかし、密着性に関して特許文献1に記載されている内容は、単純なアルカリ液でポリイミドフィルムを処理するだけで密着性が良くなるとの記載のみであり、そのアルカリ液組成について何ら検討されておらず、場合によっては密着性が低下する場合があった。
また、ポリイミドフィルムの表面は一般的に濡れ性が良くない為に、本発明者らによる検討によれば、ポリイミドフィルムの表面にポリイミド系の接着剤を塗工する際に、クレーター、はじき、ディンプルと呼ばれるような凹み状の欠陥が発生する場合があった。このような凹み状の欠陥部分は金属箔を積層した際にボイドとなる。そのボイド部分には、高密度回路の微細配線を形成するときに、エッチング液が潜り込み、配線の断線や剥がれなどの問題が生じていた。
一方、湿式エッチングにより粗面化されたポリイミド樹脂表面に紫外線を照射すると、その表面に形成される金属膜との接着強度が高められると報告されている。当該湿式エッチングの例には、オキシアルキルアミンとアルカリ金属化合物を主成分とするエッチング液により処理した後、さらに酸化剤で処理することが含まれる(特許文献2参照)。
特表2004−533723号公報 特開平11−293009号公報
本発明の目的は、濡れ性に優れ、且つ、ポリイミド接着剤を介して接着される金属箔との密着性が高いポリイミドフィルムを提供すること、及び該ポリイミドフィルムを用いて製造されるポリイミド金属積層体を提供することである。
本発明者らは上記課題を改善するために鋭意検討した結果、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド層及び金属層が順次積層されたポリイミド金属積層体において、非熱可塑性ポリイミド層となるポリイミドフィルムをアルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により表面処理したものとすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
[1] アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により表面処理されたポリイミドフィルム。
[2] 前記水溶液におけるアルコールアミンの重量含有率(A重量%)が5重量%以上75重量%以下であり、アルカリ金属水酸化物の重量含有率(B重量%)が10重量%以上45重量%以下であり、かつ水の重量含有率(C重量%)が9重量%以上80重量%以下である、[1]に記載のポリイミドフィルム。
[3] 前記アルコールアミンは、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミンおよびジプロパノールアミンからなる群から選ばれる一種以上であり、かつ前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる一種以上である、[1]または[2]に記載のポリイミドフィルム。
[4] 前記ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物およびビフェニルテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれか一方を含む酸二無水物成分と、フェニレンジアミンおよびジアミノジフェニルエーテルの少なくともいずれか一方を含むジアミン成分とを含む原料組成物の重縮合物を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリイミドフィルム。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のポリイミドフィルム、前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面に設けられた、熱可塑性ポリイミドを含む樹脂組成物からなる熱可塑性ポリイミド層、および前記熱可塑性ポリイミド層の外側に設けられた金属層、を含むポリイミド金属積層体。
[6] ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面を、アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により表面処理する工程、前記ポリイミドフィルムの表面処理された面に、熱可塑性ポリイミド又は熱可塑性ポリイミド前駆体を含む樹脂組成物を塗布、乾燥させて熱可塑性ポリイミド層を形成する工程、および前記熱可塑性ポリイミド層に、金属箔を加熱圧着させて金属層を形成する工程、を含むポリイミド金属積層体の製造方法。
本発明により、濡れ性に優れ、ポリイミド接着剤を介して接着された金属箔との密着性が高いポリイミドフィルムを得ることができ、そのポリイミドフィルムを用いることで高密度な回路基板材料に適するポリイミド金属積層体を提供することができる。
以下に本発明のポリイミドフィルム、ポリイミド金属積層体およびその製造方法を詳細に説明する。
1.本発明のポリイミドフィルムについて
本発明のポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムの表面をアルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により処理して得られるフィルムであることを特徴とする。
本発明のポリイミドフィルムの材質は、特に限定されるものではないが、非熱可塑性ポリイミドを含む樹脂組成物からなるフィルムであることが好ましい。非熱可塑性ポリイミドは、酸二無水物成分とジアミン成分を含む原料組成物の重縮合物である。ポリイミドフィルムに含まれる非熱可塑性ポリイミドの原料組成物が、酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物および/またはビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含み、ジアミン成分としてフェニレンジアミンおよび/またはジアミノジフェニルエーテルを含むことが好ましい。これらの原料組成物の重縮合物である非熱可塑性ポリイミドを含むポリイミドフィルムが、本発明に対して特に顕著な効果を示す。なお、本発明のポリイミドフィルムを構成する非熱可塑性ポリイミドの原料組成物は、上記化合物に限られることなく、本発明の効果を損なわない範囲で、公知のジアミン及び酸二無水物をさらに含むことは何ら問題ない。
また、ポリイミドフィルムを構成する樹脂組成物には、さらに熱可塑性ポリイミド樹脂などがブレンドされていてもよい。
本発明において、表面処理されるポリイミドフィルムとしては、市販のポリイミドフィルムを使用することもでき、例えば宇部興産株式会社製:商品名ユーピレックスS(登録商標)、(株)カネカ製:商品名アピカルNPI、アピカルAH(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製:商品名KaptonV、KaptonEN(登録商標)等が好ましく用いられる。
本発明のポリイミドフィルムの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて選択可能であるが、5〜250μmの範囲が好適であり、より好ましくは5〜50μm、更に好ましくは5〜25μmである。
前述の通り、本発明のポリイミドフィルムは、その表面がアルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液で処理されていることを特徴とするが、処理されるフィルムの面は、フィルムの片面または両面のいずれでもよい。
ポリイミドフィルムの表面処理で用いる水溶液とは、アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含有する水溶液であれば特に限定はないが、好ましい組成は、水溶液に含まれるアルコールアミンの重量含有率(A重量%)が5重量%以上75重量%以下であり、アルカリ金属水酸化物の重量含有率(B重量%)が10重量%以上45重量%以下であり、水の重量含有率(C重量%)が9重量%以上80重量%以下である。より好ましい組成は、水溶液に含まれるアルコール系アミンの重量含有率(A重量%)が5重量%以上25重量%以下であり、アルカリ金属水酸化物の重量含有率(B重量%)が10重量%以上30重量%以下であり、水の重量含有率(C重量%)が40重量%以上80重量%以下である。更に好ましい組成は、水溶液に含まれるアルコールアミンの重量含有率(A重量%)が5重量%以上10重量%以下であり、アルカリ金属水酸化物の重量含有率(B重量%)が10重量%以上20重量%以下であり、水の重量含有率(C重量%)が70重量%以上80重量%以下である。但し、A+B+Cは100を超えない。
前記表面処理で用いられる水溶液に含まれるアルコールアミンの例としてはエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン等が挙げられ、これらから選ばれる一種以上である。
また、アルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、好ましくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウムから選ばれる一種以上である。
本発明において、ポリイミドフィルムの表面をアルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液で処理する手段は、特に限定されないが、該ポリイミドフィルムを、バッチ式の槽に入れられた水溶液に浸漬する;該ポリイミドフィルムに、スプレーやシャワーなどにより水溶液を噴霧する、ことにより処理することができる。また、搬送可能なロール・トゥ・ロール方式で連続的に処理してもよい。
処理の条件は、特に限定されないが、あまり高温で長時間処理するとポリイミドフィルムの厚さが薄くなる場合があり好ましくない為、水溶液の好ましい液温は10℃〜90℃、より好ましくは15℃〜85℃であり、処理時間は好ましくは0.03分〜10分程度、より好ましくは0.08分〜5分程度である。また、水溶液の温度が低いと反応に時間がかかる場合があり、あまり高温の水溶液で処理した場合、平滑な表面にすることが難しくなる場合がある。
ポリイミドフィルムの表面をアルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液で処理する前に、アルカリ性溶液にて膨潤処理を施しておいてもよい。
本発明においてポリイミドフィルムの表面処理は、ポリイミドフィルムの表面に存在するイミド基の少なくとも一部を加水分解させて、アミド基を発生させると考えられる。発生したアミド基は、ポリイミドフィルム表面に塗布された熱可塑性ポリイミド又は熱可塑性ポリイミド前駆体(後述)との間でアンカー効果を発揮し、さらに積層された金属層との密着性を高めるものと推察される。ただしこれらのメカニズムは、必ずしも明確ではない。
本発明のポリイミドフィルムの表面は、表面処理される前のフィルムの表面よりも、濡れ性が高いことが好ましい。濡れ性が高いとは、当該表面上の水滴の接触角が小さいことを含む。濡れ性の向上により例えば、ワニス(後述)を適切に塗布することが可能となる。
本発明のポリイミドフィルムは、水溶液による表面処理後に粗面化処理されないことが好ましい。ここで粗面化処理とは、水溶液による表面処理後に、酸化剤(過マンガン酸塩やクロム酸など)により処理して粗面化することを含む。
また、本発明のポリイミドフィルムの表面は、実質的に平滑であることが好ましい。実質的に平滑とは、例えばSEMで観察しても、凸凹が実質的にないことを含む。
本発明においてポリイミドフィルムの表面処理は、該ポリイミドフィルムの厚さを変化させないことが好ましい。厚さを変化させないとは、1μm以上の変化をさせないことを意味する。
本発明のポリイミドフィルムは任意の用途で用いられうるが、表面処理されたフィルム面は、その面に塗布される熱可塑性ポリイミドとの接着性が高いという特徴を有するので、該ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面に熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を設け、さらに熱可塑性ポリイミド層の外側に金属層を形成することにより、ポリイミド金属積層体を提供することが好ましい。
2.本発明のポリイミド金属積層体について
本発明のポリイミド金属積層体は、前述の本発明のポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面に設けられた熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層、および該熱可塑性ポリイミド層の外側に設けられた金属層を含む。本発明のポリイミド金属積層体は、前記ポリイミドフィルムの表面処理された面に、熱可塑性ポリイミド層および金属層が積層されていればよく、片面だけに積層されていても、両面に積層されていてもよい。
本発明のポリイミド金属積層体に含まれる熱可塑性ポリイミド層は、金属層とフィルムとの密着性を高める接着層となりうる。熱可塑性ポリイミド層の厚みは、製造されるポリイミド金属積層体の使用目的により選択され制限はないが、0.5〜10μmの範囲が好適である。
本発明のポリイミド金属積層体に含まれる熱可塑性ポリイミド層は、熱可塑性ポリイミドを含有する樹脂組成物からなる層である。熱可塑性ポリイミド層を構成する樹脂組成物には、熱可塑性ポリイミドに加えて、ビスマレイミドが含有されていてもよい(ビスマレイミドについては後述)。
熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドは、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分とを含む原料組成物を重縮合反応させて得られる公知の熱可塑性ポリイミドを使用することが可能である。熱可塑性ポリイミド層に含まれる熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度Tgは、100℃〜300℃であることが好ましい。
前記熱可塑性ポリイミドの原料組成物に含まれるジアミンの具体例としては、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェニル)エーテル、ビス(3-(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'- ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノベンゾフェノン、3,4'-ジアミノベンゾフェノン、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(3-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、1,3-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、1,3-ビス(1-(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)-1-メチルエチル)ベンゼン、2,2-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、及び2,2-ビス(3-(4-アミノフェノキシ)フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、好ましくは1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、及び1,3-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンから選ばれた少なくとも一種のジアミンを用いる。より更に好ましいジアミンは、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-(3-アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼンである。
前記熱可塑性ポリイミドの原料組成物に含まれるテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されず公知の化合物が使用可能であり、具体例としては、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシ-4,4'-ジフタル酸二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-へキサフルオロプロパン二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシベンゾイル)ベンゼン二無水物、2,2'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,3'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、2,4'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,3'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、3,4'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物、及び4,4'-ビス((3,4-ジカルボキシ)フェノキシ)ベンゾフェノン二無水物等を用いることができる。
前記熱可塑性ポリイミドは、公知の方法により製造することが可能である。例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルフォラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどの溶媒中において、上記テトラカルボン酸二無水物成分と上記ジアミン成分を所定の割合で混合して原料組成物を得る。得られた原料組成物を、反応温度0〜100℃の範囲内で反応させることにより、熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液が得られる。ポリイミド前駆体とは、例えばポリアミック酸である。この溶液を200℃〜500℃の高温雰囲気で熱処理して、イミド化して熱可塑性ポリイミドの溶液とする方法がある。
前記熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液、または熱可塑性ポリイミドの溶液を、「ワニス」と称することがある。
前記熱可塑性ポリイミドの原料組成物に含まれる、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分のモル比(テトラカルボン酸二無水物成分/ジアミン成分)は、0.75〜1.25の範囲が好ましく、0.90〜1.10の範囲がさらに好ましく、特に好ましくは1.00〜0.97の範囲である。反応の制御が容易であること、および、合成される熱可塑性ポリイミドの加熱流動性が良好であるからである。また、前記熱可塑性ポリイミドの前駆体溶液(もしくは「ワニス」)の原料組成物における、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物成分の総含有率は、5〜20重量%程度が好ましい。
熱可塑性ポリイミド層を構成する樹脂組成物には、熱可塑性ポリイミドに加えて、更にビスマレイミドを配合してもよく、このような態様は好ましい。ビスマレイミドは、前記ワニスに配合されうるが、その配合量はワニスに含まれる固形分(ポリイミド、ポリアミック酸またはその混合物でありうる)の濃度に応じて決めればよい。当該樹脂組成物におけるビスマレイミドの含有率は、ワニスに含まれる固形分中5〜20重量%程度であることが好ましい。
ビスマレイミド化合物の具体例としては、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス(3-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテル、1,3-ビス(3-(3-マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3-(3-(3-マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、1,3-ビス(3-(3-(3-マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、N,N'-p-フェニレンビスマレイミド、N,N'-m-フェニレンビスマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)メタン、N,N'-4,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N'-3,4'-ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N'-3,3'-ジフェニルケトンビスマレイミド、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4'-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス(4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、及びビス(4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。より好ましくは1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼンである。
本発明のポリイミド金属積層体に含まれる金属層は、熱可塑性ポリイミド層の外側に配置されている。「熱可塑性ポリイミド層の外側に配置される」とは、熱可塑性ポリイミド層上に直接接触して配置されること、および中間層を介して配置されることを含む。「中間層」は、例えば樹脂層であり、接着性の層であっても非接着性の層であってもよい。前記金属層は、好ましくは熱可塑性ポリイミド層上に直接接触して配置されている。
金属層を構成する金属の種類は特に制限されないが、銅、銅合金、アルミニウム、ニッケル、ステンレス、チタン、鉄などが挙げられる。金属層はエッチング加工されて、電子回路となるため、金属層を構成する金属は導電率の高い金属であることが好ましい。かかる観点より、金属層は銅からなる層であることが好ましい。
前記の金属層の厚みとしては、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが、2〜150μmが好ましく利用できる。より好ましくは2〜105μmである。
3.本発明のポリイミド金属積層体の製造方法
本発明の金属積層体は、任意の方法で製造されうるが、好ましくは、前述の表面処理されたポリイミドフィルムを準備し;前記ポリイミドフィルムの表面処理された面に、熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミド前駆体を含む樹脂組成物を塗布、乾燥させて熱可塑性ポリイミド層を形成し;前記熱可塑性ポリイミド層に、金属箔を加熱圧着させて金属層を形成する、ことにより製造されることが好ましい。
また、本発明の金属積層体は、前記熱可塑性ポリイミド層に一または複数の中間層を形成し、その中間層に、金属箔を加熱圧着させて金属層を形成する、ことにより製造されてもよい。
熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミド前駆体(例えば、ポリアミック酸)は、溶媒に溶解されて、ポリイミドフィルムの表面処理された面上に塗布されることが好ましい。溶媒に溶解された熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液を「ワニス」と称することがある。テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分と溶媒とを含む熱可塑性ポリイミドの原料組成物を重縮合反応させて得られる前駆体溶液、またはその前駆体の溶液をイミド化反応させて得られるポリイミド溶液を、ワニスとして用いてもよい。
ワニスに含まれる熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミド前駆体の濃度は、溶液であるワニスの全重量に対して、3〜50重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。また、ワニスにはビスマレイミドが含まれていてもよい。
ポリイミドフィルムの表面にワニスを塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等を用いる公知の方法が採用できる。塗布方法は、形成する熱可塑性ポリイミド層の厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜選択して利用できる。
ポリイミドフィルムに塗布されたワニスは乾燥され、必要に応じてキュアされる。乾燥とはワニスに含まれる溶媒を除去することを含み、キュアとはポリイミド前駆体(例えばポリアミック酸)をイミド化することを含む。塗布したワニスの乾燥・キュアは、通常の加熱乾燥炉を利用して行うことができる。乾燥炉内の雰囲気は、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等で満たしておくことが好ましい。乾燥およびキュアの温度としては、溶媒の沸点などにより適宜選択するが、60〜600℃の温度範囲が好適に利用される。乾燥およびキュアの時間は、形成される熱可塑性ポリイミド層の厚み、ワニスの濃度、溶媒の種類により適宜選択するが、0.05〜500分程度で行なうのが望ましい。
本発明のポリイミド金属積層体は、前記のポリイミドフィルムの表面処理された面に設けられた熱可塑性ポリイミド層に、金属箔を加熱圧着することにより製造することが好ましい。金属箔には、公知の金属箔を用いることができる。公知の金属箔の例には、圧延銅箔、電解銅箔、銅合金箔、Al箔、Ni箔、ステンレス箔、チタン箔、および鉄箔等が含まれるが、好ましくは圧延銅箔または電解銅箔である。
熱可塑性ポリイミド層に金属箔を加熱圧着する方法について制限はないが、例えば、代表的方法として、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が挙げられる。
加熱プレス法とは、例えば、熱可塑性ポリイミド層を設けたポリイミドフィルムと金属箔を、プレス機のプレス部分のサイズにあわせて切りだして重ね合わせを行ない、加熱プレスにより加熱圧着する方法である。加熱温度としては、150〜600℃の温度範囲が望ましい。加圧力としては、制限は無いが、好ましくは0.1〜500kg/cmである。加圧時間としては、特に制限はない。
熱ラミネート方法とは、特に制限はないが、ロールとロール間に、熱可塑性ポリイミド層を設けたポリイミドフィルムと金属箔とを挟み込み、張り合わせを行なう方法である。ロールは金属ロール、ゴムロール等が利用できる。ロールの材質に制限はないが、金属ロールとしては、鋼材やステンレス材料が使用される。表面にクロムメッキ等が処理されたロールを使用することが好ましい。ゴムロールとしては、金属ロールの表面に耐熱性のあるシリコンゴム、フッ素系のゴムを使用することが好ましい。ラミネート温度としては、100〜300℃の温度範囲が好ましい。加熱方式は、伝導加熱方式の他、遠赤外等の輻射加熱方式、誘導加熱方式等も利用できる。
熱ラミネート後、加熱アニールすることも好ましい。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等を利用することができる。加熱アニールは、空気またはイナートガス(窒素、アルゴン)等の雰囲気下でなされうる。加熱方法としては、フィルムを連続的に加熱する方法またはフィルムをコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。アニール温度は、200〜600℃の温度範囲が好ましい。アニール時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
本発明のポリイミド金属積層体は、金属層のポリイミド層への密着性に優れる。密着性に優れるとは、例えば金属層のピール強度が高いことを意味する。このことは、後述の実施例に示される。そのため、本発明のポリイミド金属積層体は、回路材料基板として好適に使用される。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例および比較例における、ポリイミドフィルムの特性(表面の濡れ性と厚み)、およびポリイミド金属積層体の金属層とポリイミド層との密着性(ピール強度)の評価は、以下の方法による。
[濡れ性の評価]
ポリイミドフィルム表面への水の接触角を以下の手順で測定して、濡れ性の指標とした。なお、接触角は小さいものほど濡れ性が良いことを示す。接触角測定器(協和界面科学社製、形式CA-Sミクロ)のマイクロシリンジからポリイミドフィルム表面に水滴(和光純薬工業製、高速液体クロマトグラフ用純水)を滴下して接触角を測定した。
[フィルムの厚み測定]
アルカリ処理(表面処理)後のポリイミドフィルムの厚みを、厚み測定器(ミツトヨ製、デジマチックインジケータ)で測定した。
[ピール強度の評価]
ポリイミド金属積層体の試料(長さ100mm、幅3.2mm)について、JIS C−6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属箔と熱可塑性ポリイミド 層を剥離し、その応力を測定し、その測定値をピール強度の指標とした。剥離角度を90゜、剥離速度を50mm/minとした。
<熱可塑性ポリイミド前駆体の合成例>
1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン69.16gと3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物75.85gを秤量し、これらを1000mlのセパラブルフラスコの中でN,N'-ジメチルアセトアミド822gに、窒素気流下にて溶解させた。溶解後、60℃にて6時間攪拌を続けて重合反応を行ない、ポリアッミク酸溶液を得た。ポリアッミク酸溶液のポリアミック酸含有率が15重量%であった。得られたワニスの一部500gに、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン13.24gを加え、室温にて撹拌溶解させたものをビスマレイミド化合物含有ポリアミック酸ワニスとした。これを熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスとした。
実施例1
<ポリイミドフィルムの製造>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製:商品名Kapton(登録商標)80EN、厚み:20μm)を、表1に示すように、エタノールアミン65重量%,水酸化カリウム16重量%,水19重量%からなる水溶液に、温度22℃で、時間20秒間で浸漬した後、水で洗浄、乾燥した(この処理を、「アルカリ処理」ともいう)。
<熱可塑性ポリイミド層の形成>
アルカリ処理して得られたポリイミドフィルムの両面上に、前記合成例で合成した熱可塑性ポリイミド前駆体ワニスをリバースロールコーターを使用して塗布し、乾燥して熱可塑性ポリイミド層を形成した。乾燥後の熱可塑性ポリイミド層の厚みは2.5μmであった。なお、乾燥は100℃、150℃、200℃、250℃において、各5分間段階的に熱処理して行なった。
<金属層の形成>
熱可塑性ポリイミド層に接着させる金属箔として、圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製、商品名:BHY-22B-T、厚み:18μm)を使用した。得られたボンドプライの両面に、圧延銅箔を各々重ね合わせたものを、クッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)ではさみ、加熱プレス機で300℃、25kg/cmの条件下で4時間加熱圧着した。
これにより、「圧延銅箔/熱可塑性ポリイミド層/Kapton(登録商標)80EN/熱可塑性ポリイミド層/圧延銅箔」からなるポリイミド金属積層体を製造した。
実施例2〜5
<ポリイミド金属積層体の製造>
表1に示したように、アルカリ処理の水溶液の組成や処理条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、ポリイミドフィルムおよびポリイミド金属積層体を製造した。
比較例1
<熱可塑性ポリイミド層の形成>
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製:商品名Kapton80EN、厚み:20μm)を、表1に示すように、アルカリ処理せずにポリイミドフィルムの両面上に、前記合成例で合成したポリアミック酸ワニスをリバースロールコーターを使用して塗布し、乾燥して熱可塑性ポリイミド層を形成した。乾燥後の熱可塑性ポリイミド層の厚みは2.5μmであった。なお、乾燥は100℃、150℃、200℃、250℃において、各5分間段階的に熱処理して行なった。
<金属層の形成>
熱可塑性ポリイミド層に接着させる金属箔として、圧延銅箔(日鉱マテリアルズ社製、商品名:BHY-22B-T、厚み:18μm)を使用した。得られたボンドプライの両面に圧延銅箔を各々重ね合わせたものを、クッション材(金陽社製、商品名:キンヨーボードF200)ではさみ、加熱プレス機で300℃、25kg/cmの条件下で4時間加熱圧着した。それにより、「圧延銅箔/熱可塑性ポリイミド層/Kapton(登録商標)80EN/熱可塑性ポリイミド層/圧延銅箔」からなるポリイミド金属積層体を製造した。
比較例2〜4
<ポリイミド金属積層体の製造>
表1に示したように処理液の組成・処理条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法にてポリイミド金属積層体を製造した。
<ポリイミドフィルムの評価>
実施例1〜5および比較例2〜4のそれぞれにおいて得られたアルカリ処理後のポリイミドフィルム、ならびにアルカリ処理が施されていないポリイミドフィルムを用いて、濡れ性の指標としての水の接触角を前記のように測定した。結果を表1に示す。また、アルカリ処理後のポリイミドフィルムの厚みを前記のように測定した。結果を表1に示す。
<ポリイミド金属積層体の評価>
実施例1〜5および比較例1〜4のそれぞれにおいて得られたポリイミド金属積層体を用いて、ピール強度を前記のように測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006312727
表1に示されたように、アルカリ処理がされないポリイミドフィルム(比較例1)と比べて、アルカリ処理されたポリイミドフィルムは、水の接触角が小さくなっており、濡れ性が向上していることがわかる。さらに、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液で処理されたポリイミドフィルム(比較例2〜4)と比べて、エタノールアミンと水酸化カリウムを含む水溶液で処理されたポリイミドフィルムは、より接触角が小さくなっており、濡れ性が向上していることがわかる。
また、表1に示されたように、アルカリ処理がされないポリイミドフィルムまたは水酸化ナトリウム水溶液もしくは水酸化カリウム水溶液で処理されたポリイミドフィルムから得られたポリイミド金属積層体(比較例1〜4)と比べて、エタノールアミンと水酸化カリウムを含む水溶液で処理されたポリイミドフィルム(実施例1〜4)から得られたポリイミド金属積層体は、ピール強度が向上していることがわかる。
本発明で提供されるポリイミドフィルム及びポリイミド金属積層体は、プリント配線板用基材、一体型サスペンション基材、ICパッケージ用配線基材、面状発熱体、LCD用配線基材等に有用に使用可能である。

Claims (6)

  1. アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により表面処理されたポリイミドフィルム。
  2. 前記水溶液におけるアルコールアミンの重量含有率(A重量%)が5重量%以上75重量%以下であり、アルカリ金属水酸化物の重量含有率(B重量%)が10重量%以上45重量%以下であり、かつ水の重量含有率(C重量%)が9重量%以上80重量%以下である、請求項1に記載のポリイミドフィルム。
  3. 前記アルコールアミンは、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ジエタノールアミンおよびジプロパノールアミンからなる群から選ばれる一種以上であり、かつ
    前記アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムからなる群から選ばれる一種以上である、
    請求項1または請求項2に記載のポリイミドフィルム。
  4. 前記ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水物およびビフェニルテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれか一方を含む酸二無水物成分と、フェニレンジアミンおよびジアミノジフェニルエーテルの少なくともいずれか一方を含むジアミン成分とを含む原料組成物の重縮合物を含む、
    請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のポリイミドフィルム。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のポリイミドフィルム、
    前記ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面に設けられた、熱可塑性ポリイミドを含む樹脂組成物からなる熱可塑性ポリイミド層、および
    前記熱可塑性ポリイミド層の外側に設けられた金属層、を含むポリイミド金属積層体。
  6. ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面を、アルコールアミンとアルカリ金属水酸化物を含む水溶液により表面処理する工程、
    前記ポリイミドフィルムの表面処理された面に、熱可塑性ポリイミド又は熱可塑性ポリイミド前駆体を含む樹脂組成物を塗布、乾燥させて熱可塑性ポリイミド層を形成する工程、および
    前記熱可塑性ポリイミド層に、金属箔を加熱圧着させて金属層を形成する工程、を含むポリイミド金属積層体の製造方法。
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