JP6580128B2 - リジッドフレキシブル配線板の製造方法 - Google Patents

リジッドフレキシブル配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱プレス後にデスミア液に浸漬した際のクラック発生が抑制される多層ポリイミドフィルム、多層ポリイミド樹脂層と金属箔とを有するフレキシブル金属箔積層体、フレキシブル金属箔積層体の製造方法およびフレキシブル金属箔積層体を用いるリジッドフレキシブル配線板の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、および小型化が急速に進んでおり、これに伴って電子機器に用いられる電子部品に対しても小型化、および軽量化の要請が高まっている。上記要請を受け、半導体素子パッケージ方法、半導体素子を実装する配線板にも、より高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになっている。
その中で、図1に示すようなリジッド基板とフレキシブル基板とを組み合わせたリジッドフレキシブル配線板が用いられるようになってきた。リジッド基板に半導体を安定して実装でき、フレキシブル基板を折り曲げ可能となるため、リジッドフレキシブル配線板の高機能化と小型化とを両立できる。
リジッドフレキシブル配線板の作製方法としては、リジッド基板とフレキシブル基板と(以下、フレキシブル金属箔積層体ともいう)を一括して熱プレスで積層し一体化する工程、外層回路形成のためのレーザー加工工程、およびデスミア処理の工程を含む製造方法があり、その後、銅めっき工程、および外装回路形成工程を経てリジッドフレキシブル配線板が製造される。従来のリジッドフレキシブル配線板の製造においては、図1に見られるような段差を解消するため、ダミーボードが用いられており、これにより、製造過程にあるリジッドフレキシブル配線板に加わる圧力を均一化することが可能となっていた。しかし、近年は、製造コスト削減のため、ダミーボードの使用が省略されるようになってきている。しかし、このようなリジッドフレキシブルプリント配線板の製造工程において、熱プレスで積層し一体化する工程、外層回路形成のためのレーザー加工工程、およびデスミア処理の工程を経ると、図1に示される段差箇所にクラックが発生してしまうという問題が発生する。
従来、レーザー加工性を向上させたポリイミド(例えば、特許文献1参照)、デスミア液に対する耐性を制御したポリイミド(例えば、特許文献2参照)、レーザー加工によるビア形成工程において基板樹脂内に発生するストレスによって生じる基板樹脂のダメージを防止することができるポリイミド金属積層体の製造方法(例えば、特許文献3参照)については報告がなされている。
日本国公開特許公報「特開2002−144476号公報(2002年5月21日公開)」 日本国公開特許公報「特開2010−114358号公報(2010年5月20日公開)」 日本国公開特許公報「特開2012−186377号公報(2012年9月27日公開)」
しかし、特許文献1〜3に記載の材料では、上述のような熱プレスで積層し一体化する工程とデスミア処理の工程とを経るリジッドフレキシブルプリント配線板の製造工程に耐えるには不十分であり、両工程を経てもクラックの発生しないようなポリイミド材料は、これまで提供されていなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、リジッドフレキシブル配線板を製造する際に、リジッド基板とフレキシブル基板とを熱プレスで積層し一体化する工程およびデスミア処理の工程を経ても、フレキシブル基板にクラックが生じないフレキシブル金属箔積層体、および当該フレキシブル金属箔積層体の原材料である多層ポリイミドフィルムを提供することにある。また、本発明の別の目的は、フレキシブル金属箔積層体の製造方法、およびリジッドフレキシブル配線板の製造方法を提供することにある。
<1>少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する多層ポリイミドフィルムであって、前記多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度が155℃〜185℃のものであって、かつ前記極大値が0.03〜0.15のものであることを特徴とする、多層ポリイミドフィルム。
<2>前記多層ポリイミドフィルムが、前記非熱可塑性ポリイミド樹脂層の少なくとも片面上に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するものであることを特徴とする<1>に記載の多層ポリイミドフィルム。
<3>前記非熱可塑性ポリイミド樹脂層が、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度が155℃〜185℃のものであって、かつ前記極大値が0.05〜0.15のものであることを特徴とする、<1>または<2>に記載の多層ポリイミドフィルム。
<4><1>〜<3>のいずれかに記載の多層ポリイミドフィルムの少なくとも片面上に金属箔を有するものであることを特徴とするフレキシブル金属箔積層体。
<5><4>に記載のフレキシブル金属箔積層体の製造方法であって、前記多層ポリイミドフィルムの原料であるポリアミック酸を前記金属箔上にキャストする工程を有することを特徴とする、フレキシブル金属箔積層体の製造方法。
<6>リジッド基板とフレキシブル金属箔積層体とを、T℃の温度条件下にて一括して加熱および加圧することで、当該リジッド基板とフレキシブル基板とが積層および一体化されたリジッドフレキシブル基板を形成する工程と、前記リジッドフレキシブル基板にレーザー加工を施すことで、当該リジッドフレキシブル基板上に外層回路が設けられたリジッドフレキシブル配線板を形成する工程と、前記リジッドフレキシブル配線板にデスミア処理を施す工程と、を含むリジッドフレキシブル配線板の製造方法であって、前記フレキシブル金属箔積層体は、少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する多層ポリイミドフィルムと、金属箔とを有するものであり、前記多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度がT−25℃〜T+5℃のものであって、かつ前記極大値が0.03〜0.15のものであることを特徴とするリジッドフレキシブル配線板の製造方法。
本発明により得られるフレキシブル金属箔積層体は、当該フレキシブル金属箔積層体をリジッドフレキシブル配線板へ加工する工程において、クラックの発生を抑えることが出来る。
リジッドフレキシブル配線板の一例を示す断面図である。 本発明の実施例において、フレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性の測定時にプレスされる試料であって、積層材とフレキシブル金属箔積層体に由来するテストピースとを有する試料、の一例を示す断面図である。
本発明の実施の形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
リジッドフレキシブル配線板は、リジッド基板とフレキシブル基板とを一括して熱プレスすることによって積層した状態で一体化する工程(以下、熱プレス工程ともいう)、外層回路形成のためのレーザー加工工程、デスミア処理の工程を含む製造工程の後、銅めっき工程、外装回路形成工程を経て製造される。このとき、従来のフレキシブル基板を使用すると、得られるリジッドフレキシブル配線板には、図1に示される段差箇所にクラックが発生することが顕在化した。そこで本発明者らは、リジッドフレキシブル配線板を製造する工程において、どの工程がクラック発生の要因となっているかを鋭意検討した。まず、リジッド基板とフレキシブル基板とを一括して熱プレスすることによって積層した状態で一体化する工程(熱プレス工程)で、リジッド基板とフレキシブル基板との境界には、図1に示されるような段差があるため、フレキシブル基板には強い熱歪みが加えられることになる。この後、外層回路形成のためのレーザー加工工程、デスミア処理の工程を経ると、デスミア処理に使用されるアルカリ溶液によりフレキシブル基板に使用される樹脂フィルムの強度が減少することとあいまって、上記熱歪みを受けた箇所にクラックが発生してしまうということを突き止めた。すなわち、熱プレス工程後に、アルカリ溶液を使用するデスミア処理工程を経ることが、クラックの発生の原因となっていることがわかった。ゆえに、熱プレス工程時にフレキシブル金属箔積層体にかかる熱歪みに耐え得るように設計された材料ではクラックの抑制には不十分であり、またデスミア処理に耐え得るように設計された材料でもクラックの抑制には不十分であることがわかった。
そこで本発明者らは、フレキシブル基板に使用するためのフィルムとして、リジッドフレキシブル配線板を製造する工程の中の熱プレス工程で、応力が緩和されるようなフィルムを使用すればよいと考え、フィルムの動的粘弾性挙動に着目した。そして、熱プレス工程で応力を緩和するようなフィルムは、動的粘弾性を測定した場合に、熱プレス工程の温度条件付近にβ分散を有するような材料によって達成できるのではないかと考え、種々の材料について検討を行った結果、本発明に至った。
本発明に係る多層ポリイミドフィルムは、少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する多層ポリイミドフィルムであって、前記多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度が155℃〜185℃のものであって、かつβ緩和由来の損失弾性係数の極大値が0.03〜0.15のものであることを特徴とする。
β緩和の確認方法としては、動的粘弾性測定に基づく損失弾性係数(以下、tanδともいう)と温度との関係(温度カーブ)に着目することが挙げられる。損失弾性係数は、動的粘弾性測定により得られる貯蔵弾性率と損失弾性率との比(貯蔵弾性率/損失弾性率)である。具体的には、印加応力の周波数と昇温速度とを規定して樹脂サンプルの動的粘弾性測定を行い、温度に対してtanδの値をプロットする。β緩和が発生すると、tanδは上昇して極大値を示す。これにより、β緩和の確認を行うことが出来る。本発明においては、周波数5Hz、昇温速度は3℃/分の測定条件で動的粘弾性測定を行う。
本発明における多層ポリイミドフィルムは、β緩和由来のtanδの極大値を示す温度(以下、極大値温度ともいう)が、155℃〜185℃の範囲となるように設定する。このように設定した理由は、リジッドフレキシブル配線板を製造する際の熱プレス工程でよく使用される温度が180℃前後であると想定した場合、β緩和由来のtanδの極大値温度がこの温度範囲であれば応力を緩和できると考えたからである。極大値温度が上記温度範囲を外れてしまうと、β緩和が発生する温度領域が熱プレス工程の温度から外れてしまい、熱プレス工程時に十分な熱歪みの除去が行われない可能性がある。従い、β緩和を制御して、極大値温度を上記温度範囲とする。好ましくは、β緩和由来のtanδの極大値温度は160℃〜170℃の範囲にある。この範囲にあると、熱プレス工程時の応力に比して、応力が緩和される量がさらに大きくなり、より高い圧力やより低い温度での熱プレス工程が可能となり、熱プレス工程におけるプロセスウインドウが広くなり、好ましい。更に、極大値は0.03〜0.15の範囲にあり、好ましくは0.04〜0.12である。β緩和由来のtanδの極大値が上記範囲よりも小さい場合、熱プレス時に十分な熱歪みの緩和が行われない可能性がある。逆に上記範囲よりも大きい場合、熱歪みの緩和効果が強すぎてフレキシブル金属箔積層体の寸法安定性やフラット性が悪化する可能性がある。tanδの極大値を示す温度範囲やその極大値については、後述するようにポリイミドの分子設計により制御することが可能である。また、後述するフレキシブル金属箔積層体の場合、金属箔をエッチング処理することにより得られた多層ポリイミドフィルムの動的粘弾性測定を行い、β緩和由来のtanδの極大値とその温度を測定することが可能である。さらに多層ポリイミドフィルムのうち非熱可塑性ポリイミド樹脂層以外を物理的もしくは化学的に除去することによって、非熱可塑性ポリイミド樹脂層のtanδの極大値を示す温度範囲やその極大値を測定することができる。
本発明に係る多層ポリイミドフィルムおよびフレキシブル金属箔積層体は、上記β緩和を発現する樹脂層を有していることにより、リジッドフレキシブル配線板を製造する際の熱プレスする工程で、積層および一体化と同時に熱歪みの除去も行うことが可能となる。
上記熱プレスの温度は、特に限定されないが、170℃以上190℃以下(または、170℃以上190℃未満)であってもよいし、175℃以上190℃以下(または、175℃以上190℃未満)であってもよいし、180℃以上190℃以下(または、180℃以上190℃未満)であってもよいし、180℃以上185℃以下であってもよいし、180℃であってもよい。本発明に係る多層ポリイミドフィルムおよびフレキシブル金属箔積層体は、上述した熱プレスに供することを目的としたものであり得る。
本発明に係る多層ポリイミドフィルムは、少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する。ここでいうポリイミドは、芳香族ジアミン(以下、ジアミンともいう)と芳香族テトラカルボン酸二無水物(以下、酸二無水物ともいう)とを従来公知の方法で重合してポリアミック酸を生成し、当該ポリアミック酸をイミド化して得られるものである。
本発明では、多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度が155℃〜185℃のものであって、かつ極大値が0.03〜0.15のものとなっているが、さらに多層ポリイミドフィルムに含まれる非熱可塑性ポリイミド樹脂層が、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度が155℃〜185℃のものであって、かつ極大値が0.05〜0.15のものであることが、多層ポリイミドフィルム全体のβ分散を目的とする値に制御しやすい点から好ましい。
非熱可塑性ポリイミド樹脂層の製造に使用するジアミンについては特に限定されるものではないが、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する必要があるため、β緩和を発現し易いジアミンを少なくとも一種使用することが好ましい。酸二無水物の構造にも左右されるため、β緩和を発現するジアミンを一義的に決めることは出来ないが、アルキル基を含むビフェニル骨格またはフェニル骨格を有するジアミン、つまりアルキル基含有ジアミノビフェニル成分を含むジアミンを用いると、得られるポリイミドがβ緩和を発現し易い。具体的に、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ヒドロキシビフェニル、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルなどが挙げられ、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルが特に好ましい。機械強度等の諸特性制御のため、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する範囲内で、上記以外のジアミンを原料の一部として使用することも可能である。上記以外のジアミンとしては、具体的に4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられる。
酸二無水物についても特に限定されるものではないが、β緩和を発現し易い酸二無水物を少なくとも一種使用することが好ましい。ジアミンの構造にも左右されるが、酸二無水物についても、ビフェニル骨格またはフェニル骨格を有する酸二無水物を用いるとβ緩和を発現し易い。具体的な構造としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物などが挙げられる。酸二無水物についても、最終的に得られるポリイミドがβ緩和を発現する範囲内で、上記以外の酸二無水物を原料の一部として使用することが可能である。具体的には、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。
より具体的に、本発明の多層ポリイミドフィルムでは、非熱可塑性ポリイミド樹脂層が、酸二無水物と、アルキル基含有ジアミノビフェニル成分を含むジアミンとからなるものであることが好ましい。更に、本発明の多層ポリイミドフィルムでは、アルキル基含有ジアミノビフェニル成分を含むジアミンが、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルであることが好ましい。
ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸は、ジアミンと酸二無水物とを有機溶媒中で実質的に略等モルになるように混合、および反応することにより得られる。使用する有機溶媒は、ポリアミック酸を溶解する溶媒であればいかなるものも用いることができるが、アミド系溶媒すなわちN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが特に好ましく用いられ得る。ポリアミック酸の固形分濃度は特に限定されず、5重量%〜35重量%の範囲内であればポリイミドとした際に十分な機械強度を有するポリアミック酸が得られる。
原料であるジアミンと酸二無水物との添加順序についても特に限定されないが、原料の化学構造だけでなく、添加順序を制御することによっても、得られるポリイミドの特性を制御することが可能である。特に本発明においては、β緩和を発現するポリイミドが必須であるため、β緩和を発現し易いジアミンと酸二無水物とが優先的に反応するように添加順序を設定することが好ましい。例えば、β緩和を発現し易いジアミンと酸二無水物とを先に反応させておき、その後諸特性調整のためのジアミン及び酸二無水物の少なくともいずれかを添加、および反応させる方法、もしくは諸特性調整用のジアミンと酸二無水物とを先に反応させておき、その後β緩和を発現し易いジアミンと酸二無水物とを添加、および反応させる方法が挙げられる。
また、原料として1,4−ジアミノベンゼンとピロメリット酸二無水物とを用いる場合、両者が結合して得られるポリイミド構造はデスミア液に対する耐久性が低いため、添加順序を調整して両者が直接結合した構造を形成しないようにすることが好ましい。
上記ポリアミック酸には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、および雲母などが挙げられる。
また、得られる樹脂層全体としての特性を損なわない範囲で、ポリアミック酸に、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、または、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂を混合しても良い。これら樹脂の添加方法としては、当該樹脂が溶剤に可溶性のものであれば上記ポリアミック酸に当該樹脂を添加する方法が挙げられる。ポリイミドも溶剤に可溶性のものであるなら、当該樹脂をポリイミド溶液に添加しても良い。当該樹脂が溶剤に不溶性のものであれば、上記ポリアミック酸を先にイミド化した後、ポリイミドと当該樹脂とを溶融混練で複合化する方法が挙げられる。但し、得られるフレキシブル金属箔積層体の半田耐熱性や加熱収縮率などが悪化する可能性があるため、本発明では溶融性のあるポリイミドは使用しないことが望ましい。従って、ポリイミドと混合する樹脂は可溶性のものを用いることが望ましい。
本発明の多層ポリイミドフィルムは、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の少なくとも片面上に、さらに熱可塑性ポリイミドフィルムを有するものであることが好ましい。熱可塑性ポリイミドフィルムに使用される芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、非熱可塑性ポリイミド樹脂層に使用されるそれらと同じものが挙げられるが、熱可塑性のポリイミドフィルムとするためには、屈曲性を有するジアミンと酸二無水物とを反応させることが好ましい。屈曲性を有するジアミンの例として、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。またこれらのジアミンと好適に組合せられる酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。
本発明の多層ポリイミドフィルムを得るには、以下の工程:
i)有機溶剤中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させてポリアミック酸溶液を得る工程、
ii)上記ポリアミック酸溶液を含む製膜ドープを支持体上に流延して、樹脂層を形成する工程、
iii)樹脂層を支持体上で加熱した後、支持体からゲルフィルムを引き剥がす工程、
iv)ゲルフィルムを更に加熱して、残ったアミック酸をイミド化し、かつ乾燥させる工程、
を含むことが好ましい。
ii)以降の工程は、熱イミド化法と化学イミド化法とに大別される。熱イミド化法は、脱水閉環剤等を使用せず、ポリアミック酸溶液を製膜ドープとして支持体に流涎、加熱だけでイミド化を進める方法である。一方の化学イミド化法は、ポリアミック酸溶液に、イミド化促進剤として脱水閉環剤及び触媒の少なくともいずれか一方を添加したものを製膜ドープとして使用し、イミド化を促進する方法である。熱イミド化法と化学イミド化法とのどちらの方法を用いてもよいが、化学イミド化法の方が生産性に優れる。
脱水閉環剤としては、無水酢酸に代表される酸無水物が好適に用いられ得る。触媒としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等の三級アミンが好適に用いられ得る。
製膜ドープを流延する支持体としては、ガラス板、アルミ箔、エンドレスステンレスベルト、ステンレスドラム等が好適に用いられ得る。最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて、製膜ドープの加熱条件を設定し、製膜ドープに対して部分的にイミド化及び乾燥の少なくともいずれかを行った後、支持体から剥離してポリアミック酸フィルム(以下、ゲルフィルム、またはゲル膜ともいう)を得る。
前記ゲルフィルムの端部を固定して硬化時の収縮を回避しながら乾燥させ、ゲルフィルムから、水、残留溶媒、イミド化促進剤を除去し、そして残ったアミック酸を完全にイミド化して、ポリイミドを含有するフィルムが得られる。加熱条件については、最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて適宜設定すれば良い。
本発明においてポリイミド層を複層設ける方法としては、上記ii)工程において複数の流路を有する共押出しダイを使用して複層の樹脂層を同時に形成しても良いし、上記i)〜iv)工程まで進めて非熱可塑性ポリイミド樹脂層を一旦回収した後、その上に塗工などで新たに樹脂層を形成しても良い。例えば、非熱可塑性ポリイミド樹脂層の少なくとも片面上に熱可塑性ポリイミドフィルムを有する多層ポリイミドフィルムを得る場合には、非熱可塑性ポリイミドの前駆体および熱可塑性ポリイミドの前駆体を共押出しダイを使用して支持体上に流延し、iii)以降の工程を実施して得ることができる。イミド化には非常に高い温度が必要となるため、ポリイミド以外の樹脂層を設ける場合は、熱分解を抑えるために後者の手段を採った方が好ましい。なお、塗工により熱可塑性ポリイミドフィルムを設ける場合は、非熱可塑性ポリイミドフィルム上に熱可塑性ポリイミドの前駆体を塗布し、その後イミド化を行ってもよいし、熱可塑性ポリイミド溶液を非熱可塑性ポリイミドフィルム上に塗布・乾燥してもよい。
また、熱可塑性ポリイミドフィルムは、上述の工程において、ポリアミック酸溶液を支持体に流延する代わりに、ポリイミド溶液を流延し、冷却することにより得てもよい。
本発明に係るフレキシブル金属箔積層体は、多層ポリイミドフィルムと金属箔から構成される。金属箔上に多層ポリイミドフィルムを形成する手段としては、
a)上述のようにして多層ポリイミドフィルムを得た後、加熱加圧により多層ポリイミドフィルムに金属箔を貼り合せてフレキシブル金属箔積層体を得る手段(熱ラミネート法)、
b)金属箔上に、ポリアミック酸を含有する有機溶剤溶液をキャストし、加熱により、有機溶剤溶液から溶剤除去、イミド化を行ってフレキシブル金属箔積層体を得る手段(キャスト法)、
c)金属箔上に、ポリイミドを含有する溶融液をキャストし、当該溶融液を冷却することによりフレキシブル金属箔積層体を得る手段(キャスト法)、
が挙げられる。
上記a)またはb)の手段を用いる場合、フレキシブル金属箔積層体は、多層ポリイミドフィルムの原料であるポリアミック酸を金属箔上にキャストする工程を有する製造方法によって作製されることになる。この場合、金属箔上にキャストされる多層ポリイミドフィルムの原料であるポリアミック酸は、(i)非熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成するための非熱可塑性ポリアミック酸のみであってもよいし、(ii)熱可塑性ポリイミドフィルムを形成するための熱可塑性ポリアミック酸のみであってもよいし、(iii)非熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成するための非熱可塑性ポリアミック酸および熱可塑性ポリイミドフィルムを形成するための熱可塑性ポリアミック酸の両方であってもよい。
このうち、ポリイミドに溶融性を持たせると、得られるフレキシブル金属箔積層体の半田耐熱性や加熱収縮率などが悪化する可能性があるため、a)もしくはb)の手段を用いることが好ましい。ポリイミドが溶剤可溶性のものであるなら、ポリアミック酸を含有する有機溶剤溶液の代わりにポリイミドを含有する有機溶剤溶液を用いても良い。a)ならびにb)の詳細について、以下説明する。
a)の手段では、得られた多層ポリイミドフィルムに、金属箔を加熱加圧により貼り合せることにより、本発明のフレキシブル金属箔積層体が得られる。金属箔を貼り合せる手段、条件については、従来公知のものを適宜選択すればよい。
b)の手段では、金属箔上にポリアミック酸を含有する有機溶剤溶液をキャストする手段については、特に限定されず、ダイコーターやコンマコーター(登録商標)、リバースコーター、ナイフコーターなどの従来公知の手段を使用できる。溶剤除去、イミド化を行うための加熱手段についても従来公知の手段を利用可能であり、例えば熱風炉、遠赤外線炉が挙げられる。
a)の手段と同様に、化学イミド化法によって加熱時間を短縮し、生産性を向上させることが出来る。しかし、イミド化の過程で脱水閉環剤である酸無水物から酸が生成するため、金属箔の種類によっては酸化が進行してしまう場合がある。脱水閉環剤の添加については、金属箔の種類や加熱条件に応じて適宜選択することが好ましい。
ポリイミド層を複層設ける場合、もしくはポリイミド以外の樹脂層も設ける場合は、上記キャスト、および加熱工程を複数回繰り返すか、共押出しや連続キャストによりキャスト層を複層形成して当該キャスト層を一度に加熱する手段が好適に用いられ得る。
b)の手段では、イミド化が完了すると同時に、本発明のフレキシブル金属箔積層体が得られる。樹脂層の両面上に金属箔層を設ける場合、加熱加圧により、既に金属箔層が設けられている面とは反対側の樹脂層の面上に金属箔を貼り合わせれば良い。
本発明に係る多層ポリイミドフィルム全体の厚みは7μm〜60μmであることが好ましい。その範囲内でも厚みが薄い方が、リジッドフレキシブル配線板とした際の折り曲げ性が向上するので好ましい。しかし、厚みが7μmを下回ると、加工時のハンドリングが困難になる場合がある。厚みが60μmを上回ると、リジッドフレキシブル配線板とした際の折り曲げ性が低下する場合がある。
本発明において用いることができる金属箔としては特に限定されるものではないが、電子機器・電気機器用途に本発明のフレキシブル金属張積層板を用いる場合には、例えば、銅または銅合金、ステンレス鋼またはその合金、ニッケルまたはニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる箔を挙げることができる。一般的なフレキシブル積層板では、圧延銅箔、電解銅箔といった銅箔が多用されるが、本発明においても好ましく用いることができる。なお、これらの金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着層が塗布されていてもよい。また、上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
(リジッドフレキシブル配線板の製造方法)
本発明に係るフレキシブル金属箔積層体をフレキシブル基板として用い、当該フレキシブル基板と、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板とを組み合わせることで、リジッドフレキシブル配線板が得られる。本発明のフレキシブル金属箔積層体は、積層ポリイミドフィルムもしくは非熱可塑性ポリイミド樹脂層のβ緩和由来のtanδの極大温度が155℃〜185℃の範囲内に制御されているため、一般的な熱プレス工程の温度範囲内で熱歪みの緩和効果が発現する。更にこの熱歪みの緩和効果を有効に発現させるため、リジッド基板とフレキシブル基板とを一括して加熱および加圧により積層および一体化する工程である熱プレスの温度(T℃)を、ポリイミドを含有する樹脂層のβ緩和由来のtanδが極大値を示す温度以上とすることが好ましい。β緩和由来のtanδが極大値を示す温度以上で熱プレスを行うことにより、プレス時に材料にかかる熱歪みの緩和効果が特に有効に作用し、デスミア工程でのクラック発生を抑制する効果が高くなる。但し、熱プレス工程の温度が高すぎるとβ緩和を発現する温度領域から外れてしまうため、極大値を示す温度より+20℃以下に留める方が好ましい。
より具体的に、本実施の形態のリジッドフレキシブル配線板の製造方法は、リジッド基板とフレキシブル金属箔積層体(換言すれば、フレキシブル基板)とを、T℃の温度条件下にて一括して加熱および加圧することで、当該リジッド基板とフレキシブル基板とが積層および一体化されたリジッドフレキシブル基板を形成する工程と、リジッドフレキシブル基板にレーザー加工を施すことで、当該リジッドフレキシブル基板上に外層回路が設けられたリジッドフレキシブル配線板を形成する工程と、リジッドフレキシブル配線板にデスミア処理を施す工程と、を含み得る。このとき、フレキシブル金属箔積層体(換言すれば、フレキシブル基板)は、少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する多層ポリイミドフィルムと、金属箔とを有するものであり得る。更に、多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度がT−25℃〜T+5℃(より好ましくは、T−10℃〜T℃)のものであって、かつ前記極大値が0.03〜0.15(より好ましくは、0.04〜0.12)のものであり得る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、合成例、実施例及び比較例におけるポリイミドの動的粘弾性測定における損失弾性係数(tanδ)、フレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性の評価法は次の通りである。
(動的粘弾性測定)
SIIナノテクノロジー社製 DMS6100により空気雰囲気下にて動的粘弾性を測定し、測定温度に対して損失弾性係数(tanδ)をプロットしたグラフを作成した。貯蔵弾性率が急激に低下する温度付近でのtanδの極大化はα緩和によるものとみなし、それよりも低温でのtanδの極大化をβ緩和によるものとして、β緩和による極大化に基づいて、極大温度および極大値を読み取った。α緩和を示さないポリイミドについては、観察されたtanδの極大化をβ緩和によるものとみなした。
・サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離20mm
・測定温度範囲;0℃〜440℃
・昇温速度;3℃/分
・歪み振幅;10μm
・測定周波数;5Hz
・最小張力/圧縮力;100mN
・張力/圧縮ゲイン;1.5
・力振幅初期値;100mN
(フレキシブル金属箔積層体のデスミア液浸漬時のクラック耐性の評価)
実施例ならびに比較例で得られたフレキシブル金属箔積層体から長手方向に20cm、幅方向に25cmの大きさの積層体を切り取った。切り取った積層体の片側の金属箔層をエッチング処理し、配線幅250μm、配線間隔250μmのパターンを形成した。パターン形成していない側の金属箔は全てエッチングにより除去した。配線と平行な方向を長手方向とし、積層体から、長手方向に10cm、幅1.5cmのテストピースを切り出した。このテストピースを図2示すように積層材に挟み、180℃、3.8kgf/cmの条件で60分間の熱プレス(一回目)を行った。
別途、リジッド基板として、10cm×12cmのガラスエポキシ基板(FR4基板:厚み0.4mm)を用い、その中央部を、1cm×10cmの開口部が形成されるようにくり抜いた。その後、くり抜いた残りの縁の部分に両面テープを貼り付けた。上記熱プレス後のテストピースの端が両面テープに重なるように、テストピースをFR4基板の開口部上に並べ、リジッド基板とフレキシブル基板を一括して、180℃、30kgf/cmの条件で60分間、加熱および加圧(熱プレス工程(ニ回目))を行った。
二回目の熱プレス工程後、テストピースをFR4基板から引き剥がし、当該テストピースを、50℃に保った膨潤液(セキュリガントP、Atotech社製)に90秒、65℃に保ったデスミア液(セキュリガントP500 P−Etch、Atotech社製)に300秒、40℃に保った中和液(セキュリガントP500、Atotech社製)に40秒の条件で順次浸漬した。浸漬後、当該テストピースを、水で洗浄した後に60℃で10分間乾燥させた。
乾燥後のテストピースについて、二回目の熱プレス時にFR4基板と重なっていた箇所を光学顕微鏡にて観察を実施し、クラックの発生有無を確認した。クラック耐性において、クラックが確認されないものを「◎」、クラックが確認されるもののクラックの大きさ(長手方向)が1μm未満のものを「○」、クラックが確認されかつクラックの大きさ(長手方向)が1μm以上のものを「×」とした。なお、光学顕微鏡を使用して確認されたクラック(割れ、裂け)は、その大きさを問わずクラックと判定した。光学顕微鏡の倍率は、クラックと思われる箇所を判断するために最適な倍率とした。
(合成例1)
反応系内を20℃に保った状態で、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFともいう)159.4kgに、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAともいう)17.7kgを添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながら1,4−ジアミノベンゼン(以下、p−PDAともいう)6.1kgを徐々に添加した。BPDAとp−PDAが溶解したことを目視確認した後、30分撹拌を行った。続いて、4,4’−オキシフタル酸二無水物(以下、ODPAともいう)2.1kgを添加して撹拌を続け、ODPAが溶解したことを目視確認した後、2,2’−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(以下、BAPPともいう)3.3kgを添加し、30分撹拌を行った。
最後に、0.8kgのBAPPを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.8)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例2)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF164.7kgにBPDAを16.0kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌しながらBAPPを2.8kg、p−PDAを4.8kg徐々に添加した。BPDA、BAPP、および p−PDAが溶解したことを目視確認した後、30分撹拌を行った。続いて、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAともいう)3.0kgを添加して撹拌を続け、PMDAが溶解したことを目視確認した後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAともいう)3.0kgを添加し、30分撹拌を行った。
最後に、0.4kgのODAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.7)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例3)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF164.5kgに4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(以下、m−TBともいう)を13.8kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。m−TBの溶解を目視で確認した後、BPDAを7.7kg、PMDAを8.1kg添加して撹拌を続け、BPDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.4kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/3.0)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例4)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF164.3kgにm−TBを14.3kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。m−TBの溶解を目視で確認した後、BPDAを4.0kg、PMDAを11.3kg添加して撹拌を続け、BPDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.4kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.8)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例5)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF167.6kgにm−TBを12.0kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。m−TBの溶解を目視で確認した後、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAともいう)を17.9kg添加して撹拌を続け、BTDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.2kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/3.8)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例6)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF162.5kgにPDAを8.8kg、m−TBを4.5kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。PDAとm−TBとの溶解を目視で確認した後、BPDA9.79kg、PMDA10.61kg添加して撹拌を続け、BPDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.4kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.9)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例7)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF164.5kgにODAを2.6kg、BAPPを8.1kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。ODAとBAPPとの溶解を目視で確認した後、BTDAを4.2kg、PMDAを3.6kg添加して撹拌を続け、BTDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
続いて、p−PDAを3.6kg添加して撹拌を続け、溶解を目視確認した後、PMDAを7.5kg添加し、PMDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.4kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.9)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例8)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF163.7kgにp−PDAを4.0kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。p−PDAの溶解を目視で確認した後、PMDAを7.3kg添加して撹拌を続け、PMDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
続いて、ODAを7.5kg添加して撹拌を続け、溶解を目視確認した後、BPDAを8.8kg、PMDAを2.0kg添加し、BPDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.5kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.2)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例9)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF163.4kgにm−TBを4.3kg、BAPPを5.5kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。m−TBとBAPPとの溶解を目視で確認した後、BPDAを7.9kg添加して撹拌を続け、BPDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
続いて、p−PDAを3.6kg添加して撹拌を続け、溶解を目視確認した後、PMDAを8.3kg添加し、PMDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.5kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
このポリアミック酸溶液に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比2.0/0.6/2.8)からなるイミド化促進剤をポリアミック酸溶液に対して重量比50%で添加し、連続的にミキサーで撹拌しTダイから押出してステンレス製のエンドレスベルト上に流延した。この樹脂膜を130℃×100秒で加熱した後エンドレスベルトから自己支持性のゲル膜を引き剥がしてテンタークリップに固定し、250℃×15秒、350℃×87秒で乾燥およびイミド化させ、厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
(合成例10)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF165.8kgにPDAを5.62kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。PDAの溶解を目視で確認した後、BPDAを9.91kg、BTDAを2.15kg添加して撹拌を続け、BPDAとBTDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
続いて、ODAを4.46kg添加して撹拌を続け、溶解を目視確認した後、PMDAを5.66kg添加し、PMDAが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.5kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が3000ポイズに達した時点で重合を終了した。
(合成例11)
反応系内を20℃に保った状態で、DMF161.5kgにBAPPを21.8kg添加し、窒素雰囲気下で撹拌を行った。BAPPの溶解を目視で確認した後、BPDAを2.3kg、PMDAを9.5kg添加して撹拌を続け、BPDAとPMDAとが溶解したことを目視確認した後、30分間撹拌を行った。
最後に、0.4kgのPMDAを固形分濃度7%となるようにDMFに溶解した溶液を調製し、この溶液を粘度上昇に気を付けながら上記反応溶液に徐々に添加し、粘度が300ポイズに達した時点で重合を終了した。
(実施例1)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの両面に、合成例11で得られたポリアミック酸溶液を、片面あたりの最終厚みが3.0μmとなるように塗布し、140℃で2分間乾燥した。続いて、350℃で1分間加熱してイミド化を行い、総厚み18.5μmの積層ポリイミドフィルムを得た。
得られた積層ポリイミドフィルムの両面に、金属箔として厚み12.5μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに両方の電解銅箔の外側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を配し、当該保護フィルムの外側からラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例2)
合成例11で得たポリアミック酸溶液を、金属箔として厚み12.5μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)の上に、イミド化後の最終厚みが3μmとなるようにバーコータを用いて塗布し、120℃で2分間乾燥した。さらに、乾燥後のポリアミック酸溶液の上から合成例1で得たポリアミック酸溶液を、イミド化後の厚みが12.5μmとなるようにバーコータを用いて塗布し、130℃×5分間乾燥した。さらに、乾燥後のポリアミック酸溶液の上にイミド化後の最終厚みが3μmとなるようにバーコータを用いて合成例11で得たポリアミック酸溶液を塗布し、120℃で2分間乾燥して、45分かけて350℃まで昇温させてイミド化を完了し、片面フレキシブル金属箔積層体を得た。片面フレキシブル金属箔の電解銅箔がない面に厚み12.5μmの電解銅箔(3EC−M3S−HTE、三井金属製)を配し、さらに両方の電解銅箔の外側に保護フィルム(アピカル125NPI;カネカ製)を配し、当該保護フィルムの外側から、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例3)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例2で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例4)
合成例1で得られたポリアミック酸の代わりに、合成例2で得られたポリアミック酸を使用する以外は実施例2と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例5)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例3で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例6)
合成例1で得られたポリアミック酸の代わりに、合成例3で得られたポリアミック酸を使用する以外は実施例2と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例7)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例4で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例8)
合成例1で得られたポリアミック酸の代わりに、合成例4で得られたポリアミック酸を使用する以外は実施例2と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例9)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例5で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例10)
合成例1で得られたポリアミック酸の代わりに、合成例5で得られたポリアミック酸を使用する以外は実施例2と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例11)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例6で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(実施例12)
合成例1で得られたポリアミック酸の代わりに、合成例6で得られたポリアミック酸を使用する以外は実施例2と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(比較例1)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例7で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(比較例2)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例8で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(比較例3)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例9で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(比較例4)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、厚み12.5μmのポリイミドフィルム(アピカルNPI、カネカ製)を使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(比較例5)
合成例1で得られたポリイミドフィルムの代わりに、合成例10で得られたポリイミドフィルムを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。
(参考例1)
比較例1と同様の操作を行い、フレキシブル金属箔積層体を作製した。クラック耐性の評価時に、二回の熱プレス工程を経ず、切り出したテストピースをそのまま評価液に浸漬した。
実施例、比較例および参考例で使用した非熱可塑性ポリイミド樹脂層および積層ポリイミドフィルムのβ緩和由来のtanδの極大値温度および極大値、ならびにフレキシブル金属箔積層体のクラック耐性の結果を表1に示す。
Figure 0006580128
比較例1〜5のフレキシブル金属箔積層体は、デスミア液に浸漬することでクラックが生じた。比較例1と同じフレキシブル金属箔積層体を使用し、熱プレスを省略した参考例1ではクラックが発生しておらず、熱プレスによってテストピース内に生じた熱歪みがクラック発生を促進していることを示している。
これに対し、実施例1〜12のフレキシブル金属箔積層体ではクラックが発生しない結果となった。樹脂層がβ緩和を発現することにより、熱プレス時の熱歪みが緩和されていることを示している。また、実施例3〜10は、実施例1、2、11および12と比較して、クラック耐性の評価が更に高かった。
本発明は、フレキシブルプリント配線板を製造する分野に利用することができる。
1.金属箔
1’.金属箔(内層回路)
2.ガラスエポキシ基板(FR4基板)
3.接着剤
4.カバーレイフィルム
5.接着剤
6.多層ポリイミドフィルム
7.不織布
8.金属板
9.クラフト
10.塩化ビニル
11.離型フィルム
12.電解銅箔
100.リジッド基板
101.フレキシブル基板
200.積層材(7、8、9、10、11)
201.フレキシブル金属箔積層体

Claims (1)

  1. リジッド基板とフレキシブル金属箔積層体とを、T℃の温度条件下にて一括して加熱および加圧することで、当該リジッド基板とフレキシブル金属箔積層体とが積層および一体化されたリジッドフレキシブル基板を形成する工程と、
    前記リジッドフレキシブル基板にレーザー加工を施すことで、当該リジッドフレキシブル基板上に外層回路が設けられたリジッドフレキシブル配線板を形成する工程と、
    前記リジッドフレキシブル配線板にデスミア処理を施す工程と、を含むリジッドフレキシブル配線板の製造方法であって、
    前記フレキシブル金属箔積層体は、少なくとも一層の非熱可塑性ポリイミド樹脂層を有する多層ポリイミドフィルムと、金属箔とを有するものであり、
    前記多層ポリイミドフィルムが、動的粘弾性測定によるβ緩和由来の損失弾性係数の極大値を示す温度がT−25℃〜T+5℃のものであって、かつ前記極大値が0.03〜0.15のものであることを特徴とするリジッドフレキシブル配線板の製造方法。
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