JP2021142682A - 金属−ポリイミド積層体及びこれに用いられるポリイミド系樹脂ワニス、並びに金属−ポリイミド積層体の製造方法 - Google Patents

金属−ポリイミド積層体及びこれに用いられるポリイミド系樹脂ワニス、並びに金属−ポリイミド積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路基板や蒸着用マスク等に好適な金属−ポリイミド積層体及びこれに用いられるポリイミド系樹脂ワニス、並びに金属−ポリイミド積層体の製造方法を提供する。【解決手段】本実施形態の金属−ポリイミド積層体は、ポリイミド系樹脂膜及び金属層を備える。ポリイミド系樹脂膜は、ポリイミド系樹脂を含むポリイミド系ワニスが硬化することにより形成され、熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kである。金属層は、前記ポリイミド系樹脂膜の上に、めっきにより形成されている。【選択図】なし

Description

本発明は、金属−ポリイミド積層体及びこれに用いられるポリイミド系樹脂ワニス、並びに金属−ポリイミド積層体の製造方法に関する。
従来、金属とポリイミドの積層体は、さまざまな方法で製造されている。特許文献1には、銅箔等の金属導体上に直接塗布して特定の構造のポリイミド層を形成するフレキシブル配線基板が開示されている。しかし、特許文献1に開示された方法では、金属導体上にポリイミド層を直接塗布して形成しているため、得られるポリイミド層の表面が金属導体の表面状態の影響を受けやすい。そのため、金属導体の表面に凹凸がある場合、ポリイミド層の表面にも凹凸が形成されやすいという問題がある。一方、金属導体の表面に凹凸がない場合、ポリイミド層と金属導体との間で十分な接着力が得られないという問題がある。
特許文献2には、ポリイミド樹脂層に無電解めっき法により金属層を形成した金属被覆ポリイミド基板の製造方法が開示されている。しかし、特許文献2に開示された方法では、ポリイミド層が支持材によって支持されていない。そのため、無電解めっき法を用いて金属層を形成する際に、反りやしわが発生しやすく、薄いポリイミド樹脂層の使用が困難であるという問題がある。
特許文献3には、ステンレスからなる補強層にポリイミド樹脂層等の絶縁層を形成し、さらにその上に導体層を形成し、その後に補強層の一部をエッチングによって除去するTAB用テープキャリアが開示されている。しかし、特許文献3に開示されたTAB用テープキャリアでは、補強層の熱膨張係数が考慮されていない。すなわち、特許文献3では、実施例として17ppm/K〜19ppm/Kと大きな熱膨張係数を有するSUS304が使用されているとともに、ポリイミド等の絶縁層の熱膨張係数も考慮されていない。そのため、特にポリイミド等の絶縁層を薄くすると、金属支持層をエッチングによって除去した後、反りやしわの発生という問題が起こりやすく、また寸法の変化も大きく、高精細のパターニングには適用が困難であるという問題があった。
特開平04−274382号公報 特開平05−235114号公報 特開2004−134442号公報
そこで、本発明の目的は、回路基板や蒸着用マスク等に好適な金属−ポリイミド積層体及びこれに用いられるポリイミド系樹脂ワニス、並びに金属−ポリイミド積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、除去可能な熱膨張係数が−5〜12ppm/Kの範囲にある支持基材上に−5〜15ppm/Kの線膨張係数を有するポリイミド系樹脂膜を与える樹脂ワニスを塗膜し、さらにその上にめっき法により金属層を形成し、その後支持基材の一部もしくは全部を除去することにより、厚み精度、平坦性、寸法安定性に優れた金属−ポリイミド積層体が得られることを見出し、本発明を完成した。
具体的には、本実施形態の金属−ポリイミド積層体は、ポリイミド系樹脂膜及び金属層を備える。ポリイミド系樹脂膜は、ポリイミド系樹脂を含むポリイミド系ワニスが硬化することにより形成され、熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kである。金属層は、前記ポリイミド系樹脂膜の上に、めっきにより形成されている。
前記ポリイミド系樹脂膜は、厚みが1μm〜15μmであることが好ましい。
前記金属層は、銅又はニッケルを含むことが好ましい。
本実施形態のポリイミド系ワニスは、前記金属−ポリイミド積層体において、前記ポリイミド系樹脂膜を形成するためのものである。前記ポリイミド系樹脂は、ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物とから合成され、前記ジアミンは、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、又は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを70モル%以上含むことが好ましい。
前記ポリイミド系樹脂の濃度は、1質量%〜15質量%であることが好ましい。
ポリイミド系ワニスは、25℃における粘度が、100mPa・s〜100,000mPa・sであることが好ましい。
また、本実施形態の金属−ポリイミド積層体の製造方法は、
熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの支持基材に、ポリイミド系樹脂ワニスを塗布して熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kのポリイミド系樹脂膜を形成する工程と、
前記ポリイミド系樹脂膜の前記支持基材と反対側の面に、めっき法により金属層を形成する工程と、
前記金属層を形成した後、前記ポリイミド系樹脂膜を挟んで前記金属層と反対側に設けられている前記支持基材の一部又は全部を除去する工程と、
を含む。
以下、ポリイミド系樹脂ワニス、金属−ポリイミド積層体及びその製造方法の実施形態について詳細に説明する。
(ポリイミド系樹脂ワニス)
本実施形態のポリイミド系樹脂ワニス(以下、単に「樹脂ワニス」という。)は、ジアミンとテトラカルボン二無水物が原料として用いられて製造されるものである。樹脂ワニスは、熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kの範囲にあるポリイミド系樹脂膜の形成が可能なものである。この樹脂ワニスは、除去可能な熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの範囲にある支持基材に塗膜されてポリイミド系樹脂膜として形成された後、このポリイミド系樹脂膜上にめっき法により金属層が形成される。金属層が形成された後、支持基材は、一部又は全部が除去される。これにより、金属−ポリイミド積層体は、平坦性、耐熱性、機械特性が向上するとともに、金属層とポリイミド系樹脂膜との接着性が向上する。
本実施形態の場合、樹脂ワニスは、−5ppm/K〜15ppm/Kのポリイミド系樹脂膜を形成するポリイミド系樹脂の溶液である。ポリイミド系樹脂とは、ポリイミドに限らず、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド等のイミド結合を有するポリマー、並びにポリアミド酸等のようにイミド化反応によりイミド結合を有するポリマーを与えるポリイミド系前駆体樹脂等のすべてを包含している。また、ポリイミド系樹脂には、ポリアミド酸の一部がイミド化された、イミド結合とアミド結合とが混在するポリマーも含まれる。
樹脂ワニスの製造方法について複数の例を説明する。
(製造方法1)
ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を原料として、溶媒中で溶液重合によりポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のワニスを合成する。得られたポリアミド酸ワニスは、本実施形態の樹脂ワニスとなる。この場合、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物は、例えばジアミンを溶媒に溶解又は分散させておき、そこにテトラカルボン酸二無水物を添加して重合する方法、テトラカルボン酸二無水物を溶媒に溶解又は分散させておき、そこにジアミンを添加して重合する方法、溶媒中にジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを同時に添加する方法、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物とを交互に添加する方法等、任意の添加方法で反応させてよい。この場合、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物との重合は、撹拌しながら行うことが好ましい。また、窒素やアルゴン等のイナート雰囲気下で行ってもよい。
(製造方法2)
上記の(製造方法1)で得られたポリアミド酸ワニスに、さらに熱イミド化又は化学イミド化によりポリアミド酸をポリイミドに変換し、ポリイミド溶液を本実施形態のポリイミド系樹脂ワニスとする。
上記の2つの方法のうち、(製造方法1)のようにポリアミド酸ワニスをポリイミド系樹脂ワニスとする方法は、合成が容易であり、得られるポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数を−5ppm/K〜15ppm/Kの範囲内にコントロールする上で好ましい。
本実施形態の樹脂ワニスの製造に用いられるジアミンとしては、−5ppm/K〜15ppm/Kの線膨張係数を与えるものであれば任意のジアミンが使用可能である。ジアミンの例として、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェニル)スルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェニル)スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノ−6−フルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が適している。そして、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル又は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルは、全ジアミンの使用量に対して70モル%以上用いることが、熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kにコントロールし、優れた機械強度を有するポリイミド系樹脂膜を得る上で好ましい。特に、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル又は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルは、全ジアミンの使用量に対して80モル%以上用いることがより好ましい。
樹脂ワニスの製造に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジイル)ジフタル酸二無水物、1,4−ヒドロキノンジベンゾエ−ト−3, 3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。特に、−5ppm/K〜15ppm/Kの線膨張係数のポリイミド系樹脂膜を与える樹脂ワニスを得るためには、ピロメリット酸二無水物及び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
樹脂ワニスの製造に使用するジアミンとテトラカルボン酸二無水物とは、概ね等しいモル量が用いられる。一方、ポリイミド系樹脂の分子量のコントロールや樹脂ワニスから得られるポリイミド系樹脂膜上に形成するめっき法による金属層との接着力向上のために、意図的にジアミン又はテトラカルボン酸二無水物のいずれか一方の成分について、モル量を少し多くしてもよい。
樹脂ワニス中のポリイミド系樹脂の濃度は、支持基材に塗布して得られるポリイミド系樹脂膜の厚みや作業性等を考慮して決定される。この場合、ポリアミド系樹脂の濃度は、1質量%〜20質量%であることが好ましく、3質量%〜15質量%であることがより好ましく、5質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。樹脂ワニス中のポリイミド系樹脂の濃度が1質量%未満の場合、支持基材に塗布して得られるポリイミド系樹脂膜の厚みが過小になり、十分な強度を有するポリイミド系樹脂膜を得ることが困難になるおそれがある。また、ポリイミド系樹脂の濃度が20質量%を超えると、樹脂ワニスの粘度が増大し、均一な膜厚のポリイミド系樹脂膜の形成が困難になるおそれがある。
樹脂ワニスの粘度は、支持基材への樹脂ワニスの塗布のしやすさ等を考慮して適宜設定される。塗布を容易にし、均一な膜厚のポリイミド系樹脂膜を得るためには、樹脂ワニスの粘度は、100mPa・s〜100,000mPa・sの範囲にあることが好ましく、500Pa・s〜50,000mPa・sの範囲にあることがより好ましく、1,000Pa・s〜10,000mPa・sの範囲にあることがさらに好ましい。
(金属−ポリイミド積層体)
本実施形態の金属−ポリイミド積層体は、除去可能な熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの範囲にある支持基材上に、上述した樹脂ワニスを塗布して−5ppm/K〜15ppm/K、好ましくは−3ppm/K〜12ppm/K、より好ましくは−2ppm/K〜5ppm/Kの熱膨張係数を有するポリイミド系樹脂膜を形成した後、めっき法により金属層を形成し、その後に支持基材の一部もしくは全部を除去したものである。
本実施形態の金属−ポリイミド積層体の製造に用いられる支持基材としては、熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの範囲にあり、ポリイミド系樹脂膜及びその上の金属層を形成し、必要により、外形加工や穴あけ加工等の必要な加工を行った後に除去可能であれば任意の支持基材を用いることができる。支持基材を例示すると、ステンレス箔、インバー箔等の金属箔、ガラス板、セラミック板等が挙げられる。支持基材として熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの範囲にある金属箔を用いることにより、エッチング法で支持基材を除去可能である。熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの範囲にある好適な金属箔としては、SUS410、SUS430、インバー箔が例示される。また、他の好ましい支持基材はガラス板である。ガラス板を支持基材として用いた場合、熱変化に伴う寸法変化が著しく抑えられ、寸法精度の良好な金属−ポリイミド積層体を形成可能である。
支持基材の厚みは、塗布された樹脂ワニスがポリイミド系樹脂膜を形成するのに十分な剛性があれば任意の厚みとしてよい。特に、樹脂ワニスを塗布し溶媒を乾燥した後のカールの抑制、寸法安定性、しわの抑制等の観点から、支持基材の厚みは、0.03mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05mm以上である。また、支持基材の厚みの上限は、使用する支持基材の種類や除去方法等を考慮して適宜決定される。例えば金属箔で形成した支持基材をエッチング法により除去する場合、支持基材の厚みは、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。ガラス板やセラミック板等のように金属箔以外で支持基材を用いる場合、支持基板の厚みの上限は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましい。
これらの支持基材は、−5ppm/K〜15ppm/Kの線膨張係数を有するポリイミド系樹脂膜が形成される。ポリイミド系樹脂膜は上述した樹脂ワニスを支持基材に塗布し硬化することにより得られる。
ポリイミド系樹脂膜の厚みは、金属−ポリイミド積層板の用途や目的に応じて適宜設定することが可能である。ポリイミド系樹脂膜の厚みは、1μm〜15μmであることにより、必要な機械強度を確保しながら熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kのポリイミド系樹脂膜を得る上で好ましい。特に、ポリイミド系樹脂膜の厚みは、2μm〜10μmであることがより好ましい。
ポリイミド系樹脂膜を形成するために、支持基材上に樹脂ワニスを塗布する際の塗布方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、樹脂ワニスを支持基材上に、グラビアコータ、ナイフコータ、ダイコータ、バーコータ、スピンコータ等の任意の方法で塗布し、樹脂ワニスに含まれる溶媒を乾燥させ、さらに高温で熱処理を行うことで得ることができる。樹脂ワニスがポリイミド前駆体樹脂であるポリアミド酸ワニスの場合、200℃以下の温度で溶媒を概ね乾燥した後、最終的に300℃以上の温度で熱処理を施してイミド化を行うことで耐熱性に優れたポリイミド系樹脂膜を得ることができる。
支持基材上に形成されたポリイミド系樹脂膜は、支持基材と反対側の面にめっき法によって金属層が形成される。この場合、用いるめっき法としては、無電解めっき法又は電解めっき法のいずれのめっき法を用いてもよく、これらを併用してもよい。金属層は、例えば無電解めっき法のみで形成する方法、無電解めっき法、スパッタリング法又は蒸着等の方法で金属の薄膜を形成した後に電解めっき法により厚い層として形成してもよい。また、金属層は、無電解めっき法、スパッタリング法、蒸着法等の方法により形成された金属の薄膜上に、めっき用のフォトレジスト層を形成し、さらに露光及び現像によってレジストのパターニングを行った後、電解めっき法により部分的に厚付けを行う、いわゆるセミアディティブ法を用いて形成してもよい。この場合、レジスト層を取り除いた後に、ソフトエッチング等の方法で金属の薄膜を除去することで、金属層がポリイミド系樹脂膜上に部分的に形成された金属−ポリイミド積層体とすることも可能である。
このように、ポリイミド系樹脂膜上にウェット工程であるめっき法により金属層を形成する。そのため、ポリイミド系樹脂膜は、水系の薬液に浸漬したときの伸び率が小さい方が好ましい。具体的には実質的に水分を含まない乾燥状態のポリイミド寸法Xに対して、純水に12時間以上浸漬して純水を拭き取り直ちに測定したポリイミド寸法Yから以下の式で求められる伸び率Zが0.12%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
伸び率Z(%)=(Y−X)/X×100
上記ポリイミドの純水に浸漬した後の伸び率を0.12%以下とすることで、金属層形成のためのめっき工程中に、支持基材からのポリイミド系樹脂膜の剥離等を低減することができる。
金属−ポリイミド積層体における金属層の厚みは、任意に設定可能である。特に、機械強度、生産性等の観点から、金属層の厚みは、0.1μm〜100μmであることが好ましく、0.5μm〜50μmであることがより好ましい。
金属層が形成された積層体は、支持基材の一部又は全部を除去することにより、金属−ポリイミド積層体となる。
支持基材の除去の方法は、使用する支持基材により適宜選択することが可能である。例えば、支持基材を物理的に剥離してもよい。また、例えば、支持基材として、ステンレス箔やインバー箔等の金属箔を用いる場合、ポリイミド系樹脂膜に形成された金属層を保護した後、支持基材である金属箔を塩化鉄や塩化銅等のエッチャントによりエッチングすることで除去してもよい。さらに、支持基材としてガラスを用いる場合、レーザーによるリフトオフにより支持基材を除去してもよい。
支持基材を除去した後の金属−ポリイミド積層体のカールやしわの防止、寸法変化の抑制のために、例えば金属−ポリイミド積層体の周辺部等の一部の箇所を別の部材で補強してもよい。また、ポリイミド系樹脂膜の一部に、レーザーやエッチング等の方法で開口を形成してもよい。
以下、実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例で使用する略号は、以下に示す通りである。
・m−TBHG:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
・TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4´−ジアミノビフェニル
・TPE−M:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
・TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
・DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
<金属−ポリイミド積層体の接着力の測定>
金属−ポリイミド積層体の金属層上に感光性のドライフィルムレジストをラミネートした後、所定のマスクを通して露光し、塩化第二鉄水溶液を用いて金属層のエッチング加工を行い、その後ドライフィルムレジストの剥離、水洗、乾燥を行って、1mm×150mmの複数のパターンにエッチング加工した。
次にエッチング加工を施した金属−ポリイミド積層体のポリイミド系樹脂膜面を、両面テープを用いて厚み1mmのステンレス板に固定し、引張試験機(島津製作所株式会社製オートグラフAGS−H)を用いて、1mm幅にエッチング加工した金属層をポリイミド系樹脂膜から90°方向に引きはがして、接着力を測定した。
<ポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数の測定>
各実施例に記載の方法で得られたポリイミド系樹脂膜を3mm×15mmの大きさに切り出して測定用サンプルとし、熱機械分析装置(島津製作所株式会社製TMA−60)を用いて、荷重2.5gを加えながら、室温から210℃まで、10℃/分で昇温して210℃で10分ホールド後、10℃/分の速度で降温させて、200℃から100℃の冷却時の寸法変化からポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数を求めた。
<ポリイミド系樹脂膜の純水に浸漬した後の伸び率の測定>
各実施例に記載の方法で得られたポリイミド系樹脂膜を約10mm×約70mmのサイズに切り出して測定用サンプルとした。23℃で1%以下の湿度にコントロールされたデシケータ中にポリイミド系樹脂膜を12時間放置して乾燥状態のポリイミド系樹脂膜とし、二次元測長機(ニコン製MM−60)を用いて約70mmの辺の長さを正確に測定して、乾燥状態のポリイミド系樹脂膜の長さXmmとした。次に、23℃の純水に12時間、当該ポリイミド系樹脂膜を浸漬し、その後に純水から取り出して直ちにワイピング材を用いて目視で純水が確認できなくなる程度まで純水を拭き取り、二次元測長機を用いて先に測定した辺の寸法(Ymm)を測定し、以下の式から純水に浸漬した後の伸び率Z(%)を求めた。
伸び率Z(%)=(Y−X)/X×100
(実施例1)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた2Lのセパラブルフラスコ中にジアミンであるm−TBHG20.168g(0.095モル)、TPE−M1.462g(0.005モル)を入れ、そこに890gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA11.997g(0.055モル)及びBPDA13.240g(0.045モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は5%であり、粘度は2,500mPa・sであった。アプリケータを用いて、得られたポリアミド酸ワニスを熱膨張係数が3ppm/Kのガラス板上に硬化後の厚みが5μmとなるように塗膜して、130℃10分で溶媒を乾燥させた後、さらに160℃、200℃、270℃、360℃の各温度で2分間ずつ熱処理を行って、ポリイミド膜とした。その後、ポリイミド膜をガラス板から引き剥がしてポリイミド膜のみとして、その熱膨張係数を測定したところ、2ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.05%であった。
(実施例2)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた2Lのセパラブルフラスコ中にジアミンであるm−TBHG19.106g(0.09モル)、TPE−M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに613gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA15.268g(0.07モル)及びBPDA8.827g(0.03モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は7%であり、粘度は5,000mPa・sであった。その後、実施例1と同様にして得られた厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数は1ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.04%であった。
(実施例3)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた2Lのセパラブルフラスコ中にジアミンであるm−TBHG20.168g(0.095モル)、TPE−R1.462g(0.005モル)を入れ、そこに623gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA11.997g(0.055モル)及びBPDA13.240g(0.045モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は7%であり、粘度は7,000mPa・sであった。その後、実施例1と同様に行い得られた厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数は3ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.07%であった。
(実施例4)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた2Lのセパラブルフラスコ中にジアミンであるm−TBHG21.229g(0.10モル)を入れ、そこに893gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA10.906g(0.05モル)、BPDA13.240g(0.045モル)及びBTDA1.611g(0.005モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は5%であり、粘度は2,000mPa・sであった。その後、実施例1と同様にして得られた厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数は0ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.06%であった。
(実施例5)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた2Lのセパラブルフラスコ中にジアミンであるTFMB28.822g(0.09モル)、TPE−M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに742gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA15.268g(0.07モル)及びBPDA8.827g(0.03モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液中のポリアミド酸の濃度は7%であり、粘度は6,000mPa・sであった。その後、実施例1と同様にして得られた厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数は3ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.03%であった。
(実施例6)
厚みが50μmのステンレス箔(SUS430、熱膨張係数10ppm/K)を準備し、その上にアプリケータを用いて実施例1で得られたポリアミド酸ワニスを塗膜し、130℃で30分溶媒を乾燥し、さらに160℃、200℃、270℃、360℃の各温度で熱処理を行って、ステンレス箔上に厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜を形成した。
次に、ステンレス箔上に形成されたポリイミド系樹脂膜上にスパッタリング法で約200nmの銅薄膜層を形成し、さらに電解めっき法により10μmの銅層を形成した。その後、電解めっき法で形成した銅層をドライフィルムレジストで保護し、ステンレス箔を塩化第二鉄水溶液でエッチング除去して、金属層が銅層である金属−ポリイミド積層体を得た。得られた金属−ポリイミド積層体は概ねフラットであり、金属(銅)の接着力は0.6kN/mであった。
(実施例7)
実施例1で得られたポリアミド酸ワニスの代わりに実施例2で得られたポリアミド酸ワニスを用いた以外は、実施例6と同様に行い、厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜上に厚みが10μmの銅層が形成された金属−ポリイミド積層体を得た。得られた金属−ポリイミド積層体は概ねフラットであり、金属(銅)の接着力は0.5kN/mであった。
(実施例8)
実施例1で得られたポリアミド酸ワニスの代わりに実施例3で得られたポリアミド酸ワニスを用いた以外は、実施例6と同様に行い、厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜上に厚みが10μmの銅層が形成された金属−ポリイミド積層体を得た。得られた金属−ポリイミド積層体は概ねフラットであり、金属(銅)の接着力は0.5kN/mであった。
(実施例9)
実施例1で得られたポリアミド酸ワニスの代わりに実施例4で得られたポリアミド酸ワニスを用いた以外は、実施例6と同様に行い、厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜上に厚みが10μmの銅層が形成された金属−ポリイミド積層体を得た。得られた金属−ポリイミド積層体は概ねフラットであり、金属(銅)の接着力は0.5kN/mであった。
(実施例10)
実施例1で得られたポリアミド酸ワニスの代わりに実施例5で得られたポリアミド酸ワニスを用いた以外は、実施例6と同様に行い、厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜上に厚みが10μmの銅層が形成された金属−ポリイミド積層体を得た。得られた金属−ポリイミド積層体は概ねフラットであり、金属(銅)の接着力は0.5kN/mであった。
(実施例11)
厚みが50μmのステンレス箔(SUS430)を準備し、その上にアプリケータを用いて実施例1で得られたポリアミド酸ワニスを塗膜し、130℃で30分溶媒を乾燥し、さらに160℃、200℃、270℃、360℃の各温度で熱処理を行って、ステンレス箔上に厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜を形成した。
次に、スパッタリング法によりニッケル80%及びクロム20%の合金層と、銅層とをこの順にポリイミド系樹脂膜上に、それぞれ厚みが約10nm及び約200nmになるように形成し、金属薄膜層とした。その後、スパッタリングで形成された金属薄膜層の上にめっき用のレジストを格子状の形状になるように形成し、電解めっき法で厚みが5μmの格子状の銅層のパターンを形成した。その後、めっき用のレジストを剥離除去し、さらにソフトエッチング液で電解めっき銅が形成されていないスパッタリングのみの金属薄膜層を取り除いた。
次いで、残った銅層をドライフィルムレジストで保護し、ステンレス箔を塩化第二鉄水溶液でエッチング除去して、格子状にパターニングされた金属層を有する金属−ポリイミド積層体を得た。
(実施例12)
支持基材として、厚みが1mmのガラス板を準備した。その上にアプリケータを用いて実施例1で得られたポリアミド酸ワニスを塗膜し、130℃で30分乾燥した後、160℃、200℃、270℃、360℃の各温度でそれぞれ2分間熱処理を行い、ガラス板上に厚み5μmのポリイミド系樹脂膜を形成した。
次に、無電解めっき法によりポリイミド系樹脂膜上に厚みが約200nmのニッケル薄膜層を形成し、その上にめっき用のレジストが格子状の形状になるように形成し、さらに電解めっき法でニッケル層の厚みが10μmとなるように厚付けを行った。その後、めっき用レジストを剥離除去し、ソフトエッチング液を用いて、無電解めっき法のみで形成されたニッケル薄膜層をエッチング除去して、ニッケル層が格子状の形状に形成された金属−ポリイミド積層体を得た。
次に、レーザー光によるリフトオフを行い、ガラス板をポリイミド系樹脂膜から取り除いて、目的とする金属−ポリイミド積層体を得た。
(比較例1)
撹拌機及び撹拌羽根を備えた1Lのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるm−TBHG10.615g(0.05モル)及びTPE−M14.617g(0.05モル)を入れ、そこに671gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解・分散させた。次に、窒素気流中で撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA11.997g(0.055モル)及びBPDA13.240g(0.045モル)を加えて、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
実施例1と同様にして得られた厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜の熱膨張係数は30ppm/Kであった。また、ポリイミド膜を純水に浸漬した後の伸び率は0.14%であった。
以下、実施例6と同様に処理を行い、厚みが5μmのポリイミド系樹脂膜上に厚みが10μmの銅層が形成された金属−ポリイミド積層体を得たが、得られた金属−ポリイミド積層体は反りやしわが強く実用に耐えないものであった。

Claims (7)

  1. ポリイミド系樹脂を含むポリイミド系ワニスが硬化することにより形成され、熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kであるポリイミド系樹脂膜と、
    前記ポリイミド系樹脂膜の上に、めっきにより形成されている金属層と、
    を備える金属−ポリイミド積層体。
  2. 前記ポリイミド系樹脂膜は、厚みが1μm〜15μmである請求項1記載の金属−ポリイミド積層体。
  3. 前記金属層は、銅又はニッケルを含む請求項1又は2記載の金属−ポリイミド積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の金属−ポリイミド積層体において、前記ポリイミド系樹脂膜を形成するためのポリイミド系ワニスであって、
    前記ポリイミド系樹脂は、ジアミンと、テトラカルボン酸二無水物とから合成され、
    前記ジアミンは、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、又は2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを70モル%以上含むポリイミド系樹脂ワニス。
  5. 前記ポリイミド系樹脂の濃度は、1質量%〜15質量%である請求項4記載のポリイミド系樹脂ワニス。
  6. 25℃における粘度は、100mPa・s〜100,000mPa・sである請求項4又は5記載のポリイミド系樹脂ワニス。
  7. 熱膨張係数が−5ppm/K〜12ppm/Kの支持基材に、ポリイミド系樹脂ワニスを塗布して熱膨張係数が−5ppm/K〜15ppm/Kのポリイミド系樹脂膜を形成する工程と、
    前記ポリイミド系樹脂膜の前記支持基材と反対側の面に、めっき法により金属層を形成する工程と、
    前記金属層を形成した後、前記ポリイミド系樹脂膜を挟んで前記金属層と反対側に設けられている前記支持基材の一部又は全部を除去する工程と、
    を含む金属−ポリイミド積層体の製造方法。
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