JPH11154314A - 磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドサスペンション及びその製造方法

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JPH11154314A
JPH11154314A JP9320999A JP32099997A JPH11154314A JP H11154314 A JPH11154314 A JP H11154314A JP 9320999 A JP9320999 A JP 9320999A JP 32099997 A JP32099997 A JP 32099997A JP H11154314 A JPH11154314 A JP H11154314A
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/05Insulated conductive substrates, e.g. insulated metal substrate
    • H05K1/056Insulated conductive substrates, e.g. insulated metal substrate the metal substrate being covered by an organic insulating layer

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウトガスの発生、絶縁層と金属回路配線層
との接着力が大きく製造工程が簡略化された磁気ヘッド
サスペンション及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 熱融着性のポリイミド樹脂層によってス
テンレス層と銅箔製回路層が接合された磁気ヘッドサス
ペンション及びその製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハ−ドディスク
ドライブ等に用いられる磁気ヘッド用のサスペンション
及びその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、特定の3層構造を有するワイヤレスの
磁気ヘッド用のサスペンション及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ヘッド用サスペンション装置
としては、配線部材とサスペンションとを一体に構成し
た磁気ヘッド用サスペンションが知られている。例え
ば、特開平8−30946号公報や特開平8−3672
1号公報には、可とう性絶縁ベ−ス材を挟んで導電層と
バネ性金属層とを有する積層板の導電層に対してフォト
エッチング処理を施してメタルマスクを形成した後、露
出した部位の可とう性絶縁ベ−ス材をエキシマレ−ザ−
光照射等によって除去し、次いで前記メタルマスクにフ
ォトエッチング処理を施して所要の回路パタ−ンを形成
し、この回路配線パタ−ンの表面に感光性絶縁樹脂を用
いて表面保護層を形成した後、バネ性金属層に対してフ
ォトエッチング処理と所定の曲げ加工などの後加工処理
とを施して所望の形状のサスペンションを形成した例が
記載されている。
【0003】しかし、上記の可とう性絶縁ベ−ス材とし
て記載されているエポキシ樹脂やアクリル樹脂は、耐熱
性が十分とはいえない。また、ポリイミド樹脂やポリイ
ミド前駆体も記載されているが、これらと回路配線パタ
−ンを形成する導電層とを接着して積層板を作製するた
めの実施例として示されているポリイミド樹脂をプリキ
ュア−した状態で貼り合わせる方法は、各層を貼り合わ
せた後キュア−した時にアウトガスが発生して導電層に
ボイドが発生するという問題がある。
【0004】また、特開平8−45213号公報には、
バネ性金属層の片面に非感光性ポリイミド樹脂などを用
いて所要の可とう性絶縁ベ−ス材を形成し、導電性金属
薄膜を用いながら可とう性絶縁ベ−ス材の上部にメッキ
手段で回路パタ−ンを形成する工程を含む方法によって
得た磁気ヘッド用サスペンションが記載されているが、
蒸着・メッキなどによって形成された金属薄膜とポリイ
ミド樹脂層との接着力が小さく金属薄膜が酸性のエッチ
ング液によって浸食されやすい。また、導電性金属薄膜
を形成し回路配線パタ−ンの反転パタ−ンをレジストで
形成し、さらに回路パタ−ンメッキ、下地メッキ、耐腐
食性メッキが必要になるので、実用的には連続生産でき
ず、大量生産には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、アウトガ
スの発生、ポリイミド樹脂層と金属回路配線層との間の
接着力が小さいという問題点を解決することにより品質
を向上させ、かつ工程を簡略化して生産性を向上させる
ことが可能となる磁気ヘッドサスペンション及びその製
造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、第1層が厚
み10−50μmのステンレス層で、第2層が厚み0.
5−20μmのポリイミド樹脂層で、第3層が厚み5−
35μmの銅箔製の回路層であって、該ポリイミド樹脂
層が熱融着性のポリイミド樹脂の単一層からなる磁気ヘ
ッド用サスペンションに関する。また、この発明は、厚
み10−50μmのステンレス基材と厚み5−35μm
の銅箔とを厚み0.5−20μmの熱融着性のポリイミ
ド樹脂の単一層を介して熱圧着によって積層板とし、こ
の銅箔のエッチングを行い、続いてポリイミド樹脂層の
エッチングを行って回路パタ−ン形成する磁気ヘッド用
サスペンションの製造方法に関する。
【0007】この発明におけるステンレス基材として
は、従来から磁気ヘッド用サスペンション装置に使用さ
れるステンレス箔または板などが挙げられ、鉄、ニッケ
ル、クロムなどの成分比については特に限定されない。
そしてステンレス基材の厚みは10−50μm、好まし
くは20−40μmの範囲内である。厚みが10μm未
満であるとステンレス基材の剛性が小さく基材として適
当ではなく、50μmを越えると硬すぎてバネとして適
当ではなくなる。また、ステンレス基板は、その表面を
酸処理したものがポリイミドとの接着力向上の点から好
ましい。
【0008】この発明における熱融着性ポリイミド樹脂
層の厚みは0.5−20μm、好ましくは1−10μm
の範囲内であることが必要である。ポリイミド樹脂層の
厚みが0.5μm未満であるとポリイミド樹脂層の電気
絶縁性が悪く長期使用時の信頼性が得られず、20μm
を越えるとポリイミド樹脂層のエッチング時間が長くな
り生産性が低くなる。このポリイミド樹脂層の厚みを前
記の範囲にするために、製膜時あるいはコ−ティング時
のポリアミック酸またはポリイミド溶液の粘度は20m
Pa・s−150Pa・s(20センチポイズ−150
0ポイズ)にあることが好ましい。
【0009】前記の熱融着性ポリイミド樹脂は、ガラス
転移温度が200−300℃、特に230−280℃の
範囲内であることが好ましい。ガラス転移温度が300
℃を越えると圧着温度が高くなるので汎用の機械での熱
圧着が容易でなくなり、ガラス転移温度が200℃未満
ではポリイミド樹脂の耐熱性が劣り連続使用したときの
信頼性が低下する傾向にある。
【0010】この発明における前記の熱融着性ポリイミ
ド樹脂を製造するために使用することができるテトラカ
ルボン酸成分としては、例えば2,3,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物が最も好ましいが、
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−カルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−カルボキシフェニル)スルホン二無水
物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物などの他の芳香族テトラカルボン酸二無水物単独あ
るいは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0011】この発明における前記の熱融着性ポリイミ
ド樹脂を製造するために使用することができるジアミン
成分としては、例えば1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼンが最も好ましくが、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,
2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェノキシメチル)プロパン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビ
ス(4−アミノフェニル)ジフェニルエ−テル、4,
4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルスルホ
ン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)ジフェニル
スルフィド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)
ジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ジフェニルエ−テル、4,4’−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルメタン、2,2−
ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ヘキサフルオロプロパンなどの複数のベンゼン環
を有する柔軟な芳香族ジアミンを単独あるいは2種類以
上を組み合わせて使用してもよく、その一部を1,4−
ジアミノブタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10
−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの
脂肪族ジアミンの1種類あるいは2種類以上で置き換え
て使用してもよい。
【0012】前記の熱融着性ポリイミド樹脂は、キュア
完了されていればフィルム状の形状で使用してもよく、
あるいはステンレス基材にコ−ティングした後キュア−
された状態であってもよい。 この発明においては、熱
融着性ポリイミド樹脂を使用するため、フィルム状ある
いはコ−ティングした後キュア−された状態のいずれで
あっても他の基材であるステンレス基材と銅箔回路とを
強固に接合することができる。
【0013】この発明における磁気ヘッド用のサスペン
ションの第1層であるステンレス基材と第3層である銅
箔とを第2層である熱融着性ポリイミド樹脂を介して貼
り合わせて積層板とする装置は熱プレスのようなバッチ
式のものであってもよく、熱ロ−ルのような連続式の貼
り合わせ装置であってもよい。この貼り合わせを行う条
件としては、バッチ式の場合には温度が280−330
℃、圧力が1−100kg/cm2 、1秒−30分であ
ることが好ましく、連続式の場合には温度が280−3
00℃、線圧力が2−50kg/cmであり、送り速度
が0.1−5m/分であることが好ましい。
【0014】この発明において使用される前記の回路用
の銅箔としては、電解銅箔や圧延銅箔などの回路パタ−
ン形成に使用される通常の銅箔を使用することができ
る。銅箔は金などでメッキされていてもよい。この銅箔
の厚みは厚みが5−35μmの範囲内であることが好ま
しい。厚みが35μmを越えるとエッチングに時間が掛
かりすぎるので実用性に乏しく、厚みが5μm未満であ
ると銅箔に断線などが起こりやすくなるので長期耐久性
に問題が生じる。この銅箔をエッチングして回路を形成
するにはそれ自体公知の方法を適用すればよい。
【0015】この発明における磁気ヘッド用のサスペン
ションを製造するに際して、熱融着性ポリイミド樹脂層
のパタ−ン形成にはポリイミド樹脂をエッチングするこ
とが必要である。このエッチング方法はケミカルエッチ
ングでもよくドライエッチングであってもよい。
【0016】前記のケミカルエッチングに使用するエッ
チング液としてはそれ自体公知のもの、例えば抱水ヒド
ラジン、水酸化カリウムのような金属水酸化物、エチレ
ンジアミンやジエチレントリアミンなどの脂肪族ポリア
ミンなどのアルカリ性有機化合物であってエッチング時
の温度で液状のものを使用することができる。このケミ
カルエッチングの温度は10−80℃、好ましくは20
−60℃の範囲で行うことが好ましい。10℃未満の温
度ではエッチング速度が小さく、80℃を越えると安全
性に過大な配慮が必要となり装置が高価になる。また、
前記のドライエッチングとしてはプラズマエッチング、
反応性イオンエッチング、イオンビ−ムエッチング(ス
パッタエッチング)などを挙げることができる。
【0017】この発明の磁気ヘッド用サスペンション
は、前記の3層からなる積層体から、例えば、所望の形
状にエッチングして回路パタ−ンを形成した銅箔と熱融
着性ポリイミド樹脂層との接合層にフォトファブリケ−
ション手法によって表面保護層を形成した後、第1層で
あるステンレス層に対してフォトエッチング処理と所定
の曲げ成形加工とを施して、所望の形状のサスペンショ
ンを製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の実施例を示す。以下の記載
において、%は重量%を意味する。 実施例1 ポリアミック酸溶液の合成(1) 攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、N,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAC)を入れ、さらに1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)
と2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物(a−BPDA)とを100:99.0のモル比
でかつモノマ−濃度が22%になるように添加し、さら
にトリフェニルホスファイトをモノマ−成分合計量に対
して0.1%になるように添加した。添加終了後25℃
にて6時間反応を続け、淡黄色粘稠調なポリアミック酸
溶液を得た。この溶液の25℃における粘度をE型回転
粘度計(東京計器製)で測定したところ70Pa.s
(700ポイズ)であった。この溶液をA−1とする。
このポリアミック酸溶液とDMACとを重量比41:5
9で混合し、ポリアミック酸濃度9.0%の溶液を調製
した。このポリアミック酸溶液の回転粘度は160mP
a・s(60センチポイズ)であった。
【0019】平坦なガラス板の上にスピンコ−タ−(ミ
カサ社製)でA−1のポリアミック酸濃度9.0%のポ
リアミック酸溶液を300rpmで20秒間次いで10
00rpmで10秒間スピンコ−トした。この作業は室
温(25℃)に調節されたクリ−ンル−ムで行った。こ
のポリアミック酸溶液塗布ガラス板を200℃で30分
間、300℃で30分間空気中で加熱して乾燥・イミド
化し、ポリイミド膜を得た。次いでポリイミド膜を形成
したガラス板を50℃の熱水につけてガラス板からフィ
ルムが剥がし、厚み2.0μmの黄色透明なポリイミド
フィルムを得た。このポリイミドフィルムの一部を切り
取り、示差走査熱量分析装置(DSC)によるガラス転
移温度を測定した。このポリイミド樹脂のガラス転移温
度は254℃であった。
【0020】このポリイミドフィルムから100mm角
に切り取り、厚さが12μmで100mm角の電解銅箔
と、厚さが25μmで100mm角の表面酸処理したS
US304の板との間に挟み、350℃に保った熱プレ
スで5分間予熱後、39秒間4.9MPa(50kg/
cm2 )の圧力で熱融着した。次いで加圧下に室温まで
冷却して積層体を得た。この積層体の銅箔をライン/ス
ペ−スが0.5mm/0.5mmおよび1.0mm/
0.5mmのパタ−ンになるようにレジストでマスク
し、塩化第2鉄水溶液でエッチングした。所望のパタ−
ンにエッチングされた銅箔をマスクとして用い、ポリイ
ミド樹脂層を40℃に加熱したエッチング液(抱水ヒド
ラジンに水酸化カリウムを重量比で70:30溶かした
溶液)中でエッチングした。ポリイミド樹脂層のエッチ
ングに要した時間は4分間であった。デジタルマイクロ
スコ−プで観察するとラインとラインとの間、即ち銅マ
スクがかかっていない部分のポリイミド樹脂層はすっか
り分解して消失していた。
【0021】ポリイミド樹脂層をエッチングした後の積
層板の銅回路の一部をエッチング液で落とし、残ったポ
リイミド樹脂層の幅とマスクである銅回路のライン幅と
の差(μm)をデジタルマイクロスコ−プで測定したと
ころ、マスク通りにポリイミド樹脂層がエッチングされ
ていることがわかった。また、ポリイミド樹脂層と銅箔
との積層板について、2N塩酸に5分間漬けた後に剥離
強度(90°剥離)を測定したところ、7.8N/cm
(0.8kgf/cm)以上であった。また、積層体に
異常は見受けられなかった。これらの評価結果をまとめ
て表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1で合成したA−1のポリアミック酸溶液をDM
ACで希釈し、ポリアミック酸濃度が12.0%のポリ
アミック酸溶液を調製した。この溶液は25℃における
回転粘度が700mPa・s(700センチポイズ)で
あった。25℃のクリ−ンル−ムで、厚さ25μmで1
00mm角の表面酸処理したステンレス板:SUS30
4の板に前記のポリアミック酸濃度が12.0%のポリ
アミック酸溶液をアプリケ−タ−を用いてコ−ティング
した。次いで200℃で30分間、300℃で30分間
空気中で加熱した後、室温まで冷却して厚みμmのポリ
イミド樹脂層を形成した。このステンレス板のポリイミ
ド樹脂層に12μmの電解銅箔をのせ、実施例1と同様
の条件で熱プレスした後冷却して、積層体を得た。この
積層体について実施例1と同様に評価した。エッチング
によってラインとラインとの間のポリイミド樹脂層はす
っかり分解して消失しており、銅回路をマスクとしてポ
リイミド樹脂層がエッチングされていることがわかる。
また、ポリイミド樹脂層と銅箔との積層板について、2
N塩酸に5分間漬けた後に剥離強度(90°剥離)を測
定したところ、7.8N/cm(0.8kgf/cm)
以上であった。また、積層体に異常は見受けられなかっ
た。これらの評価結果をまとめて表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1で合成したA−1のポリアミック酸溶液をDM
ACで希釈し、ポリアミック酸濃度が18.0%のポリ
アミック酸溶液を調製した。この溶液は25℃における
回転粘度が7.2Pa・s(72ポイズ)であった。こ
のポリアミック酸溶液をガラス板上にアプリケ−タ−を
用いて塗布し、120℃で5分間加熱後、フィルム状物
を剥がし、ステンレス製ピンテンタ−に固定し同様に加
熱して、乾燥・イミド化して厚み μmのポリイミド
フィルムを作製した以外は実施例1と同様の方法で積層
体を得た。そして、同様に評価した。エッチングによっ
てラインとラインとの間のポリイミド樹脂層はすっかり
分解して消失しており、銅回路をマスクとしてポリイミ
ド樹脂層がエッチングされていることがわかる。また、
ポリイミド樹脂層と銅箔との積層板について、2N塩酸
に5分間漬けた後に剥離強度(90°剥離)を測定した
ところ、7.8N/cm(0.8kgf/cm)以上で
あり、積層体に異常は見受けられなかった。これらの評
価結果をまとめて表1に示す。
【0024】比較例1 ポリアミック酸溶液の合成(2) p−フェニレンジアミン(PPD)と3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BP
DA)とを用い、PPDとs−BPDAとのモル比が1
00:99.3となり、モノマ−濃度が18%になるよ
うにした以外は実施例1のポリアミック酸溶液の合成
(1)と同様にして、淡黄色粘稠なポリアミック溶液
(A−2とする)を得た。この25℃における回転粘度
は70Pa・s(700ポイズ)であった。このポリア
ミック酸溶液をDMACで希釈しポリアミック酸濃度が
15.0%のポリアミック酸溶液を調整した。この溶液
の粘度は7.2Pa・sであった。
【0025】ポリアミック酸溶液として上記のポリアミ
ック酸溶液(A−2)を使用した他は実施例3と同様に
して厚み10μmのポリイミドフィルムを得た。このポ
リイミドフィルムのガラス転移温度は500℃まで明確
なピ−クがなく測定できなかった。これを使用して実施
例1と同様に積層体を作製しようとしたが、ステンレス
板側にも銅箔側にも熱融着されず、積層体を作製するこ
とができなかった。
【0026】比較例2 ステンレス板にポリアミック酸濃度12.O%のポリア
ミック酸溶液(A−1)をコ−ティング後、120℃で
5分間プレキュア−した後、12μmの銅箔を熱プレス
で積層した以外は実施例2と同様にして積層体を作製し
た。キュア−時にはアウトガスが発生し銅箔側にボイド
として残り、実施例1と同様に銅箔をエッチングしたと
ころ、ボイドの部分が欠陥となり、所望のパタ−ンが得
られなかった。また、この厚み2μmのポリイミド樹脂
層と銅箔との積層板について、2N塩酸に5分間漬けた
後に剥離強度(90°剥離)を測定したところ、ボイド
の部分から塩酸が浸透してしまった。これらの評価結果
をまとめて表1に示す。
【0027】比較例3 銅箔を熱圧着でポリイミド樹脂層に接着する代わりに、
12μmの銅層を蒸着膜速度0.5μm/分で真空蒸着
した以外は実施例2と同様にして積層体を作製した。こ
の積層体は厚み2μmのポリイミド樹脂層をエッチング
できるものの、積層体作製に非常に時間がかかった。ま
た、銅層とポリイミド樹脂層との接着力は2N塩酸浸漬
後7.8N/cm未満であった。これらの評価結果をま
とめて表1に示す。
【0028】実施例4 各実施例で得られた回路形成した積層体を使用し、フォ
トファブリケ−ション法による表面保護層の形成、ステ
ンレス層へのフォトエッチング処理および曲げ加工を施
して、図2に示す磁気ヘッドサスペンションを得ること
ができる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】この発明の磁気ヘッドサスペンション
は、第1層のステンレス基材層と第3層の銅箔製回路層
とを第2層のキュアされた熱融着性ポリイミド樹脂層を
介して熱圧着されているので、接着性が優れ、低アウト
ガス性や低イオンコンタミネ−ション性に優れたワイヤ
レスのサスペンションを得ることができる。
【0031】また、この発明によれば、ポリイミド樹脂
層が熱融着性のポリイミド樹脂層の単一層からなるため
ポリイミド層の外形加工をエッチング処理で行うことが
できるうえ、さらに接着剤層を介さないので製造工程を
簡略化することができ、高密度への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、磁気ヘッドサスペンション用の積層体
におけるポリイミド樹脂層のエッチング性を試験するさ
いの試験片を示す概略図である。
【図2】図2は、この発明の一実施例の磁気ヘッドサス
ペンションの概略の断面図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッドサスペンション 2 ステンレス層 3 熱融着性のポリイミド樹脂層 4 銅箔製の回路層 5 表面保護層 10 磁気ヘッドサスペンション用の積層体 W2 ケミカルエッチング後の銅線の幅 W1 ケミカルエッチング後の熱融着性のポリイミド樹
脂層の幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1層が厚み10−50μmのステンレ
    ス層で、第2層が厚み0.5−20μmのポリイミド樹
    脂層で、第3層が厚み5−35μmの銅箔製の回路層で
    あって、該ポリイミド樹脂層が熱融着性のポリイミド樹
    脂の単一層からなる磁気ヘッド用サスペンション。
  2. 【請求項2】 回路層およびポリイミド樹脂層がいずれ
    もエッチングによってパタ−ン形成されてなる請求項1
    記載の磁気ヘッド用サスペンション。
  3. 【請求項3】 ポリイミド樹脂層が200−300℃の
    ガラス転移温度を有する熱融着性のポリイミド樹脂から
    なる請求項1あるいは2に記載の磁気ヘッド用サスペン
    ション。
  4. 【請求項4】 ポリイミド樹脂層が酸成分として2,
    3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、そのエ
    ステルあるいはその二無水物とジアミン成分として1,
    3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンを必須成分
    として重合、イミド化して得られる熱融着性のポリイミ
    ド樹脂からなる請求項1、2あるいは3のいずれかに記
    載の磁気ヘッド用サスペンション。
  5. 【請求項5】 厚み10−50μmのステンレス基材と
    厚み5−35μmの銅箔とを厚み0.5−20μmの熱
    融着性のポリイミド樹脂の単一層を介して熱圧着によっ
    て積層板とし、この銅箔のエッチングを行い、続いてポ
    リイミド樹脂層のエッチングを行って回路パタ−ン形成
    する磁気ヘッド用サスペンションの製造方法。
  6. 【請求項6】 ステンレス基材にポリアミック酸溶液ま
    たはポリイミド溶液を塗布し、銅箔と積層する前にキュ
    ア−を完了する請求項5に記載の磁気ヘッド用サスペン
    ションの製造方法。
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