JPWO2004049336A1 - 薄肉銅箔を用いたhddサスペンション用積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、HDDサスペンション用基板に関し、ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層から構成され、導体層が厚み14μm以下、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は銅合金箔であるHDDサスペンション用積層体である。この積層体から得られるサスペンションは、HDDの高容量化に向けた技術躍進に必要なサスペンションのスライダの浮上量の調整やインピーダンス制御を容易とし、送信速度の向上や電気信号の損失の低減を可能とし、更にはフライングリードなどの形状加工の容易さと耐久性を与える。
Description
本発明は、HDDサスペンションに用いられる積層体及びその製造方法に関するものである。詳しくは、導体層として薄肉銅箔を用いたHDDサスペンション用積層体及びその製造方法に関するものである。
ハードディスクドライブ(以下、HDD)に搭載されているサスペンションは、高容量化が進むに従い従来使用されてきたワイヤタイプのサスペンションから、記憶媒体であるディスクに対し浮力と位置精度が安定した配線一体型のサスペンションへ大半が置き換わっている。この配線一体型サスペンションは、FSA(フレックス サスペンション アッセンブリ)法と呼ばれるフレキシブルプリント基板を加工し接着剤を用いて張り合わせたタイプ、CIS(サーキット インテグレーティッド サスペンション)法と呼ばれるポリイミド樹脂の前駆体であるアミック酸を形状加工した後、イミド化し更にポリイミド上にメッキ加工を施すことにより配線を形成するタイプ、TSA(トレース サスペンション アッセンブリ)法と呼ばれるステンレス箔−ポリイミド樹脂−銅箔からなる積層体をエッチング加工により所定の形状に加工する三種類のタイプがある。
FSA法は加工が容易で安価である反面、接着剤を用いて張付けるため端子との接合における位置精度が悪く、今後更に微細配線化が進んだ場合は技術的に対応できないと言われている。また、CIS法はポリイミド上に直接メッキ加工によって配線を形成するため寸法精度に優れ、また純銅を使用するため電気特性の制御が容易などの多くの利点がある反面、配線を単独で形成させるフライングリードと呼ばれる形状加工において、イミド化したポリイミド樹脂をレーザーなどで除去しなければならないなど工程が増加し、また配線強度が弱いため配線の折り曲げ加工ができないこと、風乱や振動、更には加工時における接触によって断線が起こり易いなどの問題がある。TSA法サスペンションは高強度を有する銅箔を積層することによって、容易にフライングリードを形成させることが可能であり、形状加工での自由度が高いことや比較的安価で寸法精度が良いことから幅広く使用されている。
WO98/08216には、ステンレス基体上にポリイミド系樹脂層及び導体層が逐次に形成されてなるHDDサスペンション用積層体が開示されている。そこには、HDDサスペンション用積層体に適した積層体とするためにポリイミド樹脂層の線膨張係数やポリイミド樹脂層−導体層間の接着力を規定したものが記載されている。しかしながら、ここに開示された技術だけでは今後のHDDの高容量化、データ伝送速度の高速化に対応するためのインピーダンス制御、微細配線化への対応が困難になってきている。例えば、上記WO98/08216には、9μm銅箔を使用した積層体が示されているが、使用されている銅箔は引張強度が400MPaに満たない電解銅箔であり、このような銅箔を用いても高性能なHDDサスペンション用途に適した積層体とするのは困難であった。一方、データ伝送速度を高めるため抵抗が低い高導電率、且つ高強度の銅箔を用いた積層体も提案されてきたが、高容量化に必要なスライダの小型化とその技術進歩に伴うスライダの低浮上化に対応するために必要なバネ性を制御するには十分ではなかったのが実情である。
FSA法は加工が容易で安価である反面、接着剤を用いて張付けるため端子との接合における位置精度が悪く、今後更に微細配線化が進んだ場合は技術的に対応できないと言われている。また、CIS法はポリイミド上に直接メッキ加工によって配線を形成するため寸法精度に優れ、また純銅を使用するため電気特性の制御が容易などの多くの利点がある反面、配線を単独で形成させるフライングリードと呼ばれる形状加工において、イミド化したポリイミド樹脂をレーザーなどで除去しなければならないなど工程が増加し、また配線強度が弱いため配線の折り曲げ加工ができないこと、風乱や振動、更には加工時における接触によって断線が起こり易いなどの問題がある。TSA法サスペンションは高強度を有する銅箔を積層することによって、容易にフライングリードを形成させることが可能であり、形状加工での自由度が高いことや比較的安価で寸法精度が良いことから幅広く使用されている。
WO98/08216には、ステンレス基体上にポリイミド系樹脂層及び導体層が逐次に形成されてなるHDDサスペンション用積層体が開示されている。そこには、HDDサスペンション用積層体に適した積層体とするためにポリイミド樹脂層の線膨張係数やポリイミド樹脂層−導体層間の接着力を規定したものが記載されている。しかしながら、ここに開示された技術だけでは今後のHDDの高容量化、データ伝送速度の高速化に対応するためのインピーダンス制御、微細配線化への対応が困難になってきている。例えば、上記WO98/08216には、9μm銅箔を使用した積層体が示されているが、使用されている銅箔は引張強度が400MPaに満たない電解銅箔であり、このような銅箔を用いても高性能なHDDサスペンション用途に適した積層体とするのは困難であった。一方、データ伝送速度を高めるため抵抗が低い高導電率、且つ高強度の銅箔を用いた積層体も提案されてきたが、高容量化に必要なスライダの小型化とその技術進歩に伴うスライダの低浮上化に対応するために必要なバネ性を制御するには十分ではなかったのが実情である。
本発明は、スライダの浮上量の制御を容易にするため銅箔の厚みを低減することでサスペンションに必要なバネ特性の自由度を高め、且つ安定したフライングリードを形成するための十分な強度を有した導体層を有し、更に高レベルの微細配線の加工に対応したHDDサスペンション用基板材料を与えるものであり、これまでの加工性を損なうことなく、これまでにないHDDの高容量化を達成することができるHDDサスペンション用積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層から構成され、導体層が厚み14μm以下、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は合金銅箔であることを特徴とするHDDサスペンション用積層体である。
更に、本発明は、ステンレス層上にポリイミド樹脂液を塗布、熱処理しポリイミド樹脂層を形成した後、このポリイミド樹脂層上に厚み14μm以下、引張強度500MPa以上、導電率65%以上の圧延銅合金箔を重ね合わせ、1〜20MPaの加圧下、280℃以上の温度で加熱圧着してステンレス層/ポリイミド層/導体層から構成される積層体とすることを特徴とするHDDサスペンション用積層体の製造方法である。
本発明のHDDサスペンション用積層体(以下、積層体とも称する)は、ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層からなる。
本発明におけるステンレス層は、特に制約はないが、ばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304が好ましく、300℃以上の温度でアニール処理されたSUS304が特に好ましい。用いられるステンレスの厚さは10〜50μmの範囲にあることがよく、12〜30μmの範囲にあることが特に好ましい。
ステンレス層の厚みが10μmに満たないと、スライダの浮上量を十分抑えるバネ性を確保できないおそれがあり、一方、50μmを超えると剛性が大きくなりすぎ、搭載されるスライダの低浮上化が困難となるおそれがある。
積層体でポリイミド層を構成するポリイミド樹脂は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等、その構造中にイミド結合を有するものであればよい。ポリイミド樹脂層の厚みの好ましい範囲は、5〜25μmであり、特に好ましくは、5〜20μmである。ポリイミド樹脂層の厚みが5μmに満たないと、絶縁層としての機能を十分に発現できないおそれがあり、一方、25μmを超えるとサスペンション形成の際のポリイミド層エッチング加工に時間を要するため、エッチング形状が悪化したり、生産性が低下したりする。
ポリイミド樹脂層は、単層のみからなるものでもよいが、好ましくは、複数層のポリイミド樹脂層からなるものがよい。ポリイミド層を複数層のポリイミド樹脂層とする場合、導体層又はステンレス層と接するポリイミド樹脂層にはこれら導体層又はステンレス層と良好な接着性を示すものを使用することが好ましい。良接着性を示すポリイミド樹脂としては、そのガラス転移温度が300℃以下のものが挙げられる。また、導体層又はステンレス層と接しない中間層には、HDDサスペンションとした時の寸法安定性の点からも温度変化に対する寸法変化率、すなわち線膨張係数が30×10−6/℃以下、特には20×10−6/℃以下のものを使用することが好ましい。ポリイミド樹脂層を3層以上の複数層で形成する場合、両最外層の合計厚み(T)と他の中間層との厚み(t)比は、T/t=0.1〜0.5の範囲とすることが有利である。また、ポリイミド層が多層である場合にも、全ポリイミド層の線膨張係数は、30×10−6/℃以下とすることが好ましい。
本発明における導体層は、銅箔又は銅合金箔から形成される。ここで、銅合金箔とは、銅を必須として含有し、クロム、ジルコニウム、ニッケル、シリコン、亜鉛、ベリリウム等の銅以外の少なくとも1種以上の異種の元素を含有する合金箔を指し、銅含有率90重量%以上のものを言う。銅合金箔としては、銅含有率95重量%以上のものを使用することが好ましい。導体層を形成する銅箔又は銅合金箔の厚みは、14μm以下とすることが必要であり、7〜14μmの範囲が好ましい。また、14μmを超えると銅箔の弾性がスライダの浮上に対する影響が大きくなり、微細な位置精度の観点から好ましくない。
このように本発明の積層体は導体層が薄肉であることを必要とするが、併せて、導体層の引張強度と導電率はそれぞれ、400MPa以上、65%以上とすることが必要である。導体層に圧延銅合金箔を用いる場合、加熱による引張強度の低下はほとんどないが電解銅箔を用いた場合、引張強度が低下するものもあるので、導体層として使用する銅箔又は合金銅箔としては、積層体製造工程における加熱圧着工程等で引張強度の変化が少ないものが好ましい。具体的には、圧力1〜20MPaの範囲で、280℃の温度で30分加熱圧着した後の引張強度が400MPa以上であり、かつ、導電率が65%以上である銅箔又は合金銅箔が好ましい。導体層の引張強度が400MPaに満たないと、フライングリードを形成した場合に十分な銅箔強度が得られず断線などの問題が発生し易い。また、導電率が65%に満たないと、銅箔の抵抗体から発生するノイズが熱として発散され、インピーダンス制御が困難となり、送信速度も満足するものとならない。特に好ましい導体層は、引張強度が500MPa以上、誘電率65%以上の圧延銅合金箔である。なお、本発明における引張強度及び導電率の値は、後記実施例に記載する方法によって測定される値である。
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。
積層体を製造するにあたっては、まず、基体となるステンレス層上にポリイミド樹脂液を塗布する。ポリイミド樹脂液の塗布は公知の方法により可能であり、通常、アプリケータを用いて塗布される。ポリイミド樹脂液は、イミド化されたポリイミド樹脂が溶媒に溶解されたものを使用してもよいが、本発明においてはポリイミド樹脂前駆体の樹脂溶液を使用し、塗布後、予備加熱により溶媒をある程度除去した後、熱処理によりイミド化をする方法が好ましい。なお、イミド化されたポリイミド樹脂溶液を使用する場合には、当然、イミド化のための熱処理は省略される。また、ポリイミド樹脂層を2層以上の多層とする場合には、前記した塗布、加熱を繰り返して、多層構造のポリイミド樹脂層を形成することができる。
このようにして、ポリイミド樹脂層を形成したら、このポリイミド樹脂層上に厚み14μm以下、好ましくは7〜14μm以下で、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は銅合金箔を重ね合わせ、280℃以上の温度で加熱圧着してステンレス層/ポリイミド層/導体層から構成される積層体とすることができる。電解銅箔は加熱による引張強度が低下しやすいものもあるので、引張強度500MPa以上の圧延銅合金箔を使用することが好ましい。
好ましい加熱圧着条件は、1〜50MPa、特に好ましくは1〜20MPaの範囲で、5〜30分である。また加圧時の熱プレス温度は280℃以上とすることが必要であるが、300〜400℃の範囲で行うことが好ましい。加熱圧着条件が上記範囲から外れると、ラミネート材に反りなどの変形や剥離強度の低下などが生じ好ましくない。
積層体の各層の厚みは、ステンレス層/ポリイミド層/導体層の順に、12〜30μm/5〜20μm/7〜14μmの範囲が好ましく、積層体全体の厚みが20〜50μmの範囲が好ましい。
上記製造方法において使用するステンレスやポリイミド樹脂、導体としては、前記した積層体に用いるものと同様なものが使用でき、好ましい態様も同様となるが、導体に関しては、一般的な電解銅箔は300℃以上の高温では組成の変体に伴う不可逆的な延びによりラミネートの反りが発生し易く、ラミネート材の反りの安定性から、好ましくは圧延銅箔又は圧延銅合金箔が用いられる。
本発明は、ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層から構成され、導体層が厚み14μm以下、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は合金銅箔であることを特徴とするHDDサスペンション用積層体である。
更に、本発明は、ステンレス層上にポリイミド樹脂液を塗布、熱処理しポリイミド樹脂層を形成した後、このポリイミド樹脂層上に厚み14μm以下、引張強度500MPa以上、導電率65%以上の圧延銅合金箔を重ね合わせ、1〜20MPaの加圧下、280℃以上の温度で加熱圧着してステンレス層/ポリイミド層/導体層から構成される積層体とすることを特徴とするHDDサスペンション用積層体の製造方法である。
本発明のHDDサスペンション用積層体(以下、積層体とも称する)は、ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層からなる。
本発明におけるステンレス層は、特に制約はないが、ばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304が好ましく、300℃以上の温度でアニール処理されたSUS304が特に好ましい。用いられるステンレスの厚さは10〜50μmの範囲にあることがよく、12〜30μmの範囲にあることが特に好ましい。
ステンレス層の厚みが10μmに満たないと、スライダの浮上量を十分抑えるバネ性を確保できないおそれがあり、一方、50μmを超えると剛性が大きくなりすぎ、搭載されるスライダの低浮上化が困難となるおそれがある。
積層体でポリイミド層を構成するポリイミド樹脂は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等、その構造中にイミド結合を有するものであればよい。ポリイミド樹脂層の厚みの好ましい範囲は、5〜25μmであり、特に好ましくは、5〜20μmである。ポリイミド樹脂層の厚みが5μmに満たないと、絶縁層としての機能を十分に発現できないおそれがあり、一方、25μmを超えるとサスペンション形成の際のポリイミド層エッチング加工に時間を要するため、エッチング形状が悪化したり、生産性が低下したりする。
ポリイミド樹脂層は、単層のみからなるものでもよいが、好ましくは、複数層のポリイミド樹脂層からなるものがよい。ポリイミド層を複数層のポリイミド樹脂層とする場合、導体層又はステンレス層と接するポリイミド樹脂層にはこれら導体層又はステンレス層と良好な接着性を示すものを使用することが好ましい。良接着性を示すポリイミド樹脂としては、そのガラス転移温度が300℃以下のものが挙げられる。また、導体層又はステンレス層と接しない中間層には、HDDサスペンションとした時の寸法安定性の点からも温度変化に対する寸法変化率、すなわち線膨張係数が30×10−6/℃以下、特には20×10−6/℃以下のものを使用することが好ましい。ポリイミド樹脂層を3層以上の複数層で形成する場合、両最外層の合計厚み(T)と他の中間層との厚み(t)比は、T/t=0.1〜0.5の範囲とすることが有利である。また、ポリイミド層が多層である場合にも、全ポリイミド層の線膨張係数は、30×10−6/℃以下とすることが好ましい。
本発明における導体層は、銅箔又は銅合金箔から形成される。ここで、銅合金箔とは、銅を必須として含有し、クロム、ジルコニウム、ニッケル、シリコン、亜鉛、ベリリウム等の銅以外の少なくとも1種以上の異種の元素を含有する合金箔を指し、銅含有率90重量%以上のものを言う。銅合金箔としては、銅含有率95重量%以上のものを使用することが好ましい。導体層を形成する銅箔又は銅合金箔の厚みは、14μm以下とすることが必要であり、7〜14μmの範囲が好ましい。また、14μmを超えると銅箔の弾性がスライダの浮上に対する影響が大きくなり、微細な位置精度の観点から好ましくない。
このように本発明の積層体は導体層が薄肉であることを必要とするが、併せて、導体層の引張強度と導電率はそれぞれ、400MPa以上、65%以上とすることが必要である。導体層に圧延銅合金箔を用いる場合、加熱による引張強度の低下はほとんどないが電解銅箔を用いた場合、引張強度が低下するものもあるので、導体層として使用する銅箔又は合金銅箔としては、積層体製造工程における加熱圧着工程等で引張強度の変化が少ないものが好ましい。具体的には、圧力1〜20MPaの範囲で、280℃の温度で30分加熱圧着した後の引張強度が400MPa以上であり、かつ、導電率が65%以上である銅箔又は合金銅箔が好ましい。導体層の引張強度が400MPaに満たないと、フライングリードを形成した場合に十分な銅箔強度が得られず断線などの問題が発生し易い。また、導電率が65%に満たないと、銅箔の抵抗体から発生するノイズが熱として発散され、インピーダンス制御が困難となり、送信速度も満足するものとならない。特に好ましい導体層は、引張強度が500MPa以上、誘電率65%以上の圧延銅合金箔である。なお、本発明における引張強度及び導電率の値は、後記実施例に記載する方法によって測定される値である。
次に、本発明の積層体の製造方法について説明する。
積層体を製造するにあたっては、まず、基体となるステンレス層上にポリイミド樹脂液を塗布する。ポリイミド樹脂液の塗布は公知の方法により可能であり、通常、アプリケータを用いて塗布される。ポリイミド樹脂液は、イミド化されたポリイミド樹脂が溶媒に溶解されたものを使用してもよいが、本発明においてはポリイミド樹脂前駆体の樹脂溶液を使用し、塗布後、予備加熱により溶媒をある程度除去した後、熱処理によりイミド化をする方法が好ましい。なお、イミド化されたポリイミド樹脂溶液を使用する場合には、当然、イミド化のための熱処理は省略される。また、ポリイミド樹脂層を2層以上の多層とする場合には、前記した塗布、加熱を繰り返して、多層構造のポリイミド樹脂層を形成することができる。
このようにして、ポリイミド樹脂層を形成したら、このポリイミド樹脂層上に厚み14μm以下、好ましくは7〜14μm以下で、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は銅合金箔を重ね合わせ、280℃以上の温度で加熱圧着してステンレス層/ポリイミド層/導体層から構成される積層体とすることができる。電解銅箔は加熱による引張強度が低下しやすいものもあるので、引張強度500MPa以上の圧延銅合金箔を使用することが好ましい。
好ましい加熱圧着条件は、1〜50MPa、特に好ましくは1〜20MPaの範囲で、5〜30分である。また加圧時の熱プレス温度は280℃以上とすることが必要であるが、300〜400℃の範囲で行うことが好ましい。加熱圧着条件が上記範囲から外れると、ラミネート材に反りなどの変形や剥離強度の低下などが生じ好ましくない。
積層体の各層の厚みは、ステンレス層/ポリイミド層/導体層の順に、12〜30μm/5〜20μm/7〜14μmの範囲が好ましく、積層体全体の厚みが20〜50μmの範囲が好ましい。
上記製造方法において使用するステンレスやポリイミド樹脂、導体としては、前記した積層体に用いるものと同様なものが使用でき、好ましい態様も同様となるが、導体に関しては、一般的な電解銅箔は300℃以上の高温では組成の変体に伴う不可逆的な延びによりラミネートの反りが発生し易く、ラミネート材の反りの安定性から、好ましくは圧延銅箔又は圧延銅合金箔が用いられる。
以下、実施例及び比較例などに基づき本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各種特性の評価は以下の方法による。また、試料のポリイミドは十分にイミド化が終了したものを用いた。
(剥離強度の測定)
金属箔とポリイミド系樹脂との間の接着力は、ステンレス箔上にポリイミド系樹脂層を形成した後、更に銅箔を熱圧着して両面金属箔の積層体を作成し、所定の形状に加工することにより1/8インチ配線幅の測定用試験片を作成した。このサンプルを固定板にSUS箔側及び銅箔側をそれぞれ貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、各金属箔を90°方向に引き剥がし強さを測定した。
(反りの測定)
積層体を加工して直径65mmのディスクを作成し、23℃、湿度50%で24時間放置後、机上に置いた際に最も反りが大きくなる部分をノギスを用いて測定した。
(導電率の測定)
JIS H0505に準拠し、導電率の測定を行なった。
(銅箔の強度の測定)
IPC−TM−650に準拠し、幅12.7mm×長さ254mmの短冊形状試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−R1)を用いて、クロスヘッドスピード50mm/min、チャック間距離50.8mmにて測定を行い、引張試験中の変位(伸び)を求め、SS曲線から0.2%耐力を算出した。
(線熱膨張係数の測定)
線熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を算出した。
また、実施例等に用いられる略号は以下の通りである。
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DADMB:4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
BAPP:2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
合成例1
線膨張係数が30×10−6/K以下の低熱膨張性のポリイミド系樹脂を合成するため、9.0モルのDADMBを秤量し、40Lのプラネタリーミキサーの中で攪拌しながら溶媒DMAc25.5kgに溶解させた。次いで、8.9モルのBPDAを加え、室温にて3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体Aの溶液を得た。本合成例によるポリイミド前駆体Aのイミド化後の線膨張係数は、13×10−6/Kであった。
合成例2
ガラス転移温度が300℃以下のポリイミド系樹脂を合成するため、6.3モルのDADMBを秤量し、40Lのプラネタリーミキサーの中で攪拌しながら溶媒DMAc25.5kgに溶解させた。次いで、6.4モルのBPDAを加え、室温にて3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体Bの溶液を得た。本合成例によるポリイミド前駆体Bのイミド化後の動的粘弾性測定装置によるガラス転移温度は、225℃であった。
(剥離強度の測定)
金属箔とポリイミド系樹脂との間の接着力は、ステンレス箔上にポリイミド系樹脂層を形成した後、更に銅箔を熱圧着して両面金属箔の積層体を作成し、所定の形状に加工することにより1/8インチ配線幅の測定用試験片を作成した。このサンプルを固定板にSUS箔側及び銅箔側をそれぞれ貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、各金属箔を90°方向に引き剥がし強さを測定した。
(反りの測定)
積層体を加工して直径65mmのディスクを作成し、23℃、湿度50%で24時間放置後、机上に置いた際に最も反りが大きくなる部分をノギスを用いて測定した。
(導電率の測定)
JIS H0505に準拠し、導電率の測定を行なった。
(銅箔の強度の測定)
IPC−TM−650に準拠し、幅12.7mm×長さ254mmの短冊形状試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−R1)を用いて、クロスヘッドスピード50mm/min、チャック間距離50.8mmにて測定を行い、引張試験中の変位(伸び)を求め、SS曲線から0.2%耐力を算出した。
(線熱膨張係数の測定)
線熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を算出した。
また、実施例等に用いられる略号は以下の通りである。
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DADMB:4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル
BAPP:2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
合成例1
線膨張係数が30×10−6/K以下の低熱膨張性のポリイミド系樹脂を合成するため、9.0モルのDADMBを秤量し、40Lのプラネタリーミキサーの中で攪拌しながら溶媒DMAc25.5kgに溶解させた。次いで、8.9モルのBPDAを加え、室温にて3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体Aの溶液を得た。本合成例によるポリイミド前駆体Aのイミド化後の線膨張係数は、13×10−6/Kであった。
合成例2
ガラス転移温度が300℃以下のポリイミド系樹脂を合成するため、6.3モルのDADMBを秤量し、40Lのプラネタリーミキサーの中で攪拌しながら溶媒DMAc25.5kgに溶解させた。次いで、6.4モルのBPDAを加え、室温にて3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体Bの溶液を得た。本合成例によるポリイミド前駆体Bのイミド化後の動的粘弾性測定装置によるガラス転移温度は、225℃であった。
合成例2で得られたポリイミド前駆体Bの溶液をステンレス箔(新日本製鐵株式会社製、SUS304、テンションアニール処理品、厚み20μm)上に、硬化後の厚みが1μmになるように塗布して110℃で3分乾燥した後、その上に合成例1で得られたポリイミド前駆体Aの溶液を硬化後の厚さが7.5μmになるように塗布して110℃で10分乾燥し、更にその上に合成例2で得られたポリイミド前駆体Bの溶液をそれぞれ硬化後の厚みが1.5μmになるように塗布して110℃で3分乾燥した後、更に130〜360℃の範囲で数段階、各3分間段階的な熱処理によりイミド化を完了させ、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を得た。なお、第1層目のポリイミド樹脂層と第3層目のポリイミド樹脂層は同じとした。
次に、表1に示すジャパンエナジー社製圧延銅合金箔(NK−120、銅箔厚み12μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料として要求される基本性能を十分に満たし、高強度且つ高導電率の材料であった。
次に、表1に示すジャパンエナジー社製圧延銅合金箔(NK−120、銅箔厚み12μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料として要求される基本性能を十分に満たし、高強度且つ高導電率の材料であった。
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、ジャパンエナジー社製圧延銅合金箔(NK−120、銅箔厚み8μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能を十分に満たし、高強度且つ高導電率の材料であった。
比較例1
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、Olin社製圧延銅合箔(C7025、銅箔厚み18μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能は十分に満たしていたが、導電率が低いためインピーダンス制御が難しく、且つ銅箔が厚いためスライダの浮上に対する過剰な弾性力が生じるため今後の技術要求に応えることが難しいものであった。
比較例2
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、ジャパンエナジー社製圧延銅合箔(NK−120、銅箔厚み18μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。
この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能を十分に満たし、且つ導電率が高いためインピーダンス制御が容易なものであったが、銅箔が厚いためスライダの浮上量に制限を受け今後の技術要求に応えることは難しいものであった。
比較例3
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、古川サーキット社製電解銅箔(B−WS、銅箔厚み12μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ表1に示したように、反りの発生が大きくサスペンション基板材料として適さないことを確認した。
以上のようにして得られた実施例1及び2と比較例1〜3の積層体について評価した結果を表1に示した。
各実施例及び比較例において、積層体を300℃のオーブン中で1時間の耐熱試験を行ったところ、全ての系で膨れ、剥がれなどの異常は認められなかった。また、金属箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルムの線熱膨張係数は下記表1の通りである。
次に、ジャパンエナジー社製圧延銅合金箔(NK−120、銅箔厚み8μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能を十分に満たし、高強度且つ高導電率の材料であった。
比較例1
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、Olin社製圧延銅合箔(C7025、銅箔厚み18μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能は十分に満たしていたが、導電率が低いためインピーダンス制御が難しく、且つ銅箔が厚いためスライダの浮上に対する過剰な弾性力が生じるため今後の技術要求に応えることが難しいものであった。
比較例2
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、ジャパンエナジー社製圧延銅合箔(NK−120、銅箔厚み18μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。
この積層体の特性を評価したところ、表1に示したように、サスペンション基板材料としての要求される基本性能を十分に満たし、且つ導電率が高いためインピーダンス制御が容易なものであったが、銅箔が厚いためスライダの浮上量に制限を受け今後の技術要求に応えることは難しいものであった。
比較例3
実施例1と同様の方法により、ステンレス上にポリイミド樹脂層の厚み10μmの積層体を作成した。
次に、古川サーキット社製電解銅箔(B−WS、銅箔厚み12μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧15Mpa、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着して目的の積層体を得た。この積層体の特性を評価したところ表1に示したように、反りの発生が大きくサスペンション基板材料として適さないことを確認した。
以上のようにして得られた実施例1及び2と比較例1〜3の積層体について評価した結果を表1に示した。
各実施例及び比較例において、積層体を300℃のオーブン中で1時間の耐熱試験を行ったところ、全ての系で膨れ、剥がれなどの異常は認められなかった。また、金属箔をエッチング除去して得られたポリイミドフィルムの線熱膨張係数は下記表1の通りである。
本発明によれば、HDDの高容量化に向けた技術躍進に必要なサスペンションの位置精度の向上に対して、銅箔の厚みを薄くすることによってサスペンションのスライダの浮上量を調整するためのバネ性の制御を容易にできること、また高導電率化によりインピーダンス制御の向上、電気信号の損失の低減や送信速度の向上が可能となり、更には高強度を保持することでフライングリードなどの形状加工の容易さと加工時及び実用時の十分な配線強度を有することから断線などの問題が起こり難いHDDサスペンション用基板として好適に用いられる。
Claims (6)
- ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層から構成され、導体層が厚み14μm以下、引張強度400MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は銅合金箔であることを特徴とするHDDサスペンション用積層体。
- ステンレス層の厚みが12〜30μmの範囲にある請求項1記載のHDDサスペンション用積層体。
- ポリイミド樹脂層の厚みが5〜20μmの範囲にある請求項1記載のHDDサスペンション用積層体。
- 導体層が引張強度500MPa以上、導電率65%以上の圧延銅合金箔である請求項1記載のHDDサスペンション用積層体。
- ステンレス層/ポリイミド樹脂層/導体層から構成され、導体層が厚み7〜14μm、引張強度500MPa以上、導電率65%以上の銅箔又は銅合金箔であり、ステンレス層の厚みが12〜30μmの範囲にあり、ポリイミド樹脂層の厚みが5〜20μmの範囲にあり、全体の厚みが20〜50μmである請求項1記載のHDDサスペンション用積層体。
- ステンレス層上にポリイミド樹脂又はその前駆体樹脂の液を塗布、熱処理してポリイミド樹脂層を形成した後、前記ポリイミド樹脂層上に厚み14μm以下、引張強度500MPa以上、導電率65%以上の圧延銅合金箔を重ね合わせ、1〜20MPaの加圧下、280℃以上の温度で加熱圧着してステンレス層/ポリイミド層/導体層から構成される積層体とすることを特徴とするHDDサスペンション用積層体の製造方法。
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