JP2008238517A - 多層積層体及びそれを用いた金属張積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができる多層積層体を提供すること。
【解決手段】下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする多層積層体。
【選択図】なし
【解決手段】下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする多層積層体。
【選択図】なし
Description
本発明は、多層積層体及びそれを用いた金属張積層体の製造方法に関し、より詳しくは、ハードディスクドライブサスペンション等に用いられる金属張積層体の製造方法、及びその製造方法に用いる多層積層体に関する。
HDD(ハードディスクドライブ)に搭載されているサスペンションは、高容量化が進むに従い、従来使用されてきたワイヤレスタイプのサスペンションから、記憶媒体であるディスクに対し浮力と位置精度が安定した配線一体型のサスペンションへ大半が置き換わっている。そして、このような配線一体型サスペンションの中には、TSA(トレース サスペンション アッセンブリ)方式と呼ばれるステンレス層−ポリイミド樹脂層−銅箔層という層構成を備える金属張積層体をエッチング加工により所定の形状に加工する方式のものがある。
このようなTSA方式サスペンションは高強度を有する合金銅箔を積層することによって、容易にフライングリードを形成させることが可能であり、形状加工での自由度が高いことや比較的安価で寸法精度が良いことから幅広く使用されている。そして、このような金属張積層体として、例えば、国際公開第98/08216号パンフレット(特許文献1)には、HDDサスペンション用積層体に適した積層体とするためにポリイミド樹脂層の線膨張係数やポリイミド樹脂層と銅箔層との接着力を規定したものが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のような金属張積層体を用いたHDDサスペンションにおいては、HDDの高容量化にしたがってデータを高密度化するために高周波化が進み、高周波信号のロスが大きくなるという問題があった。また、HDDの小型化による微細配線化に伴う配線間の狭幅化によってクロストークと呼ばれる配線間のレスポンスエラーを引き起こすおそれがあった。さらに、HDDの小型化や高容量化に伴い銅箔層を微細配線加工(例えば30μmピッチ以下の配線加工)するために、銅箔層の厚みを更に薄くする(例えば10μmとする)ことが要求されていた。
そこで、高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避するための技術として、例えば、国際公開第2006/109507号パンフレット(特許文献2)には、ステンレス層−導体層−ポリイミド樹脂層−銅箔層という層構成を備える金属張積層体(HDDサスペンション用積層体)が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のような金属張積層体も、合金銅箔は製造時の機械的な制約により、厚みの薄い銅箔を安定的に製造することも難しく、また、熱圧着によるハンドリング性が良くなく、銅箔がシワになりやすいという問題があるために、銅箔層の厚みという点で未だ必ずしも十分なものではなかった。
また、銅箔層の厚みを薄くする技術として、例えば、国際公開第2005/096299号パンフレット(特許文献3)には、銅箔層の厚みが10μm以下の金属張積層体(HDDサスペンション用積層体)が開示されており、明細書中において、銅箔層を化学的エッチングすることにより、銅箔層の薄肉化を行うことが記載されている。しかしながら、特許文献3に記載されているように銅箔層を化学的エッチングすることは、設備の煩雑さや手間がかかるという点で問題があった。
国際公開第98/08216号パンフレット
国際公開第2006/109507号パンフレット
国際公開第2005/096299号パンフレット
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができる多層積層体、並びにそれを用いた金属張積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体から、微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体から、微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の多層積層体は、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とするものである。
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とするものである。
また、本発明の多層積層体においては、前記支持体金属層の厚みが5〜100μmの範囲であることが好ましい。
さらに、本発明の多層積層体においては、前記支持体金属層が、銅又は銅合金からなることが好ましい。
また、本発明の多層積層体においては、前記剥離層が無機物からなることが好ましい。
さらに、本発明の多層積層体においては、前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との境界面の表面粗さRaが0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の多層積層体においては、前記導体層が10〜100%IACSの範囲である導電率を有する金属からなることが好ましい。
さらに、本発明の多層積層体においては、前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ前記極薄銅箔層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であることが好ましい。
また、本発明の多層積層体においては、前記支持体金属層と前記極薄銅箔層との剥離強度が1〜100N/mの範囲であることが好ましい。
本発明の金属張積層体の製造方法は、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層
を備える金属張積層体の製造方法であって、
支持体金属層上に剥離層を介して極薄銅箔層が形成されている支持体付極薄銅箔を用いて、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体を得る工程と、
前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層
を備える金属張積層体の製造方法であって、
支持体金属層上に剥離層を介して極薄銅箔層が形成されている支持体付極薄銅箔を用いて、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体を得る工程と、
前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
また、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることが好ましい。
さらに、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記支持体金属層の厚みが5〜100μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記支持体金属層が、銅又は銅合金からなることが好ましい。
さらに、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記剥離層が無機物からなることが好ましい。
また、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との境界面の表面粗さRaが0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
さらに、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記導体層が10〜100%IACSの範囲である導電率を有する金属からなることが好ましい。
また、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ前記極薄銅箔層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であることが好ましい。
さらに、本発明の金属張積層体の製造方法においては、前記支持体金属層と前記極薄銅箔層との剥離強度が1〜100N/mの範囲であることが好ましい。
本発明によれば、微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができる多層積層体、並びにそれを用いた金属張積層体の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の多層積層体について説明する。すなわち、本発明の多層積層体は、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とするものである。
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とするものである。
本発明にかかるステンレス層は、ステンレスからなる層である。このようなステンレスとしては、特に限定されないが、ばね特性や寸法安定性の観点から、SUS304のような高弾性、高強度のステンレスが好ましく、300℃以上の温度でアニール処理されたSUS304が特に好ましい。
また、このようなステンレス層の厚みは10〜50μmの範囲である必要があるが、好ましくは15〜50μmの範囲であり、より好ましくは18〜30μmの範囲である。ステンレス層の厚みが10μm未満であると、スライダの浮上量を十分に抑えるバネ性を確保できない問題が生じ、一方、50μmを越えると剛性が高くなり、搭載されるスライダの低浮上化が困難となる。
本発明にかかる導体層は、導電率が大きい金属からなる層である。そして、このような金属としては、10〜100%IACSの範囲の導電率を有するものが好ましく、例えば、銅又は銅合金が挙げられる。導電率が10%IACS未満では、クロストークを抑えきることができなくなり、誤作動の原因となる傾向にある。なお、導電率(%IACS)は、万国標準軟銅(International Annnealed Copper Standard)を4探針法によって測定したときの導電率を100%としたときの各素材の導電率を%で表したものである。また、100%IACSは1.7241×10−8Ω・mに相当する。
さらに、このような導体層の厚みは0.1〜10μmの範囲であることが必要である。厚みが0.1μm未満ではノイズ低減効果が発現しにくくなり、他方10μmを超えると均一な厚さの層が得られにくくなり、品質のばらつきが発生する。
また、このような導体層と後述するポリイミド樹脂層との境界面の表面粗さRaは0.1〜1.0μmの範囲であることが好ましい。表面粗さが前記下限未満では、ポリイミド樹脂層との接着力が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、均一なノイズ低減効果が得られ難くなる傾向にある。なお、表面粗さRaとは、JIS B 0601−1994に記載された方法に準じて表面粗さにおける算術平均粗さを測定した値を示す。
本発明にかかるポリイミド樹脂層は、ポリイミド樹脂からなる層である。また、このようなポリイミド樹脂は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂をいう。このようなポリイミド樹脂層は、単層もしくは複数層のポリイミド樹脂層で形成されてもよい。
また、このようなポリイミド樹脂層の全体の厚みは5〜50μmの範囲である必要があり、好ましくは5〜20μmの範囲であり、より好ましくは5〜18μmの範囲である。ポリイミド樹脂層の全体の厚みが5μm未満では電気的な絶縁の信頼性が低下する、他方、50μmを超えるとポリイミド樹脂層を形成させる際に乾燥効率が低下する。さらに、このようなポリイミド樹脂層の線熱膨張係数は1×10−5〜3×10−5(1/K)の範囲であることが好ましく、1.5×10−5〜2.5×10−5(1/K)の範囲であることがより好ましい。線熱膨張係数を上記の範囲とすることにより、多層積層体から支持体金属層を除去した金属積層体の反りを抑制することができる。
本発明にかかる極薄銅箔層は、銅又は銅合金からなる層であって、その厚みが薄い層のことをいう。そして、このような極薄銅箔は、後述する支持体金属層上に後述する剥離層を介して極薄銅箔が形成されている支持体付極薄銅箔に由来するものである。
また、このような極薄銅箔層の厚みは0.1〜10μmの範囲である必要があり、好ましく0.5〜5μmの範囲であり、より好ましくは1〜5μmの範囲である。さらに、このような極薄銅箔と前記ポリイミド樹脂層との境界面の表面粗度Rzは特に限定されないが、フラッシュエッチング性の観点から、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましい。なお、表面粗度Rzとは、JIS B 0601−1994に記載された方法に準じて表面粗さにおける十点平均粗さを測定した値を示す。
本発明にかかる支持体金属層は、前記支持体付極薄銅箔に由来するものであって、支持体金属からなる層である。このような支持体金属としては、耐熱性のあるものがよく、コスト面も考慮して、特に銅又は銅合金を用いることが好ましい。
また、このような支持体金属層の厚みは、前記支持体付極薄銅箔の安定した搬送性を得るという観点から、5〜100μmの範囲であることが好ましく、12〜50μmの範囲であることがより好ましい。また、このような支持体金属層の厚みは、前記極薄銅箔層の厚みによって適切な厚みを選択することが好ましい。また、前記支持体付極薄銅箔と前記ポリイミド樹脂層とを積層するときのハンドリング性を考慮すれば、極薄銅箔層と支持体金属層の厚みの総和が、12〜50μmの範囲であることが更に好ましい。
本発明にかかる剥離層は、前記支持体付極薄銅箔に由来するものである。そして、後述するように、本発明の多層積層体から金属張積層体を得るには、前記支持体金属層を剥離することが必要であるが、このような剥離層は、前記支持体金属層の剥離強度を調整するために、前記支持体金属層と前記極薄銅箔層との接着強度を調整するための層である。そのため、このような剥離層は、加熱温度による剥離強度の変化が小さく、剥離強度が安定していることが好ましく、無機物からなる層であることが好ましい。また、このような無機物としては、ニッケル、クロム、コバルトのうちのいずれかの金属を含むものが好ましい。なお、このような剥離層は、前記支持体金属層を剥離する際に前記支持体金属層と共に剥離されることが望ましいが、洗浄又は得られる金属張積層体を加工してHDDサスペンションを製造する工程等で除去可能なら金属張積層体側に残っていても差し支えない。
また、このような剥離層の厚みは特に限定されないが、0.5μm以下であることが好ましく、50〜100nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の多層積層体は、以上説明したようなステンレス層、導体層、ポリイミド樹脂層、極薄銅箔層、剥離層及び支持体金属層を備えるものである。そして、このような多層積層体は、前記層構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、本発明の多層積層体は、前記ステンレス層に前記導体層が積層されたものであるが、前記ステンレス層と前記導体層の間に中間層を更に備えていてもよい。このような中間層を更に備える場合には、ステンレス層と導体層の密着性及び熱的安定性を確保できることが好ましい。また、このような中間層としては、クロム、モリブデン、ニッケル、ケイ素及びその混合物を含む無機化合物からなる層又はポリイミド樹脂等の樹脂からなる層が挙げられる。
また、本発明の多層積層体においては、前記導体層又は前記極薄銅箔層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度がそれぞれ0.5kN/m以上であることが好ましく、0.8〜10kN/mの範囲であることがより好ましい。そのため、ポリイミド樹脂層はある程度の接着性能を有することが望ましい。なお、ここでいう接着強度とは、金属箔1mm幅90°引き剥がし法(JIS C6471)に準じて測定した値を示す。
ところで、一般的に線熱膨張係数が3×10−5(1/K)を超えるポリイミド樹脂層は、前記導体層又は前記極薄銅箔層と比較的良好な接着強度を示す傾向にあるものの、線熱膨張係数が1×10−5〜3×10−5(1/K)のポリイミド樹脂層は、金属等と良好な接着強度を示さないという傾向がある。そのため、本発明にかかるポリイミド樹脂層の好ましい形態としては、線膨張係数2.5×10−5(1/K)以下の低熱膨張性ポリイミド樹脂層と、線膨張係数3×10−5(1/K)以上の高熱膨張性ポリイミド樹脂層との少なくとも2層を含む多層構造とするのがよい。
また、前記ポリイミド樹脂層の更に好ましい形態としては、線膨張係数3×10−5(1/K)以上の第1の高熱膨張性ポリイミド樹脂層と、線膨張係数2.5×10−5(1/K)以下の低熱膨張性ポリイミド樹脂層と、線膨張係数3×10−5(1/K)以上の第2の高熱膨張性ポリイミド樹脂層とからなる3層構造であるのがよい。ここで、第1及び第2の高熱膨張性ポリイミド樹脂層は同一のポリイミド樹脂であっても、異なるポリイミド樹脂であってもよい。このようにポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層と高熱膨張性ポリイミド樹脂層とを組み合わせて多層構造とすることにより、低熱膨張性と高接着性の両方の条件を満足するポリイミド樹脂層を形成することが可能となる。
このように、前記ポリイミド樹脂層を3層以上のポリイミド樹脂層から形成する場合、両最外層のポリイミド樹脂層の合計厚み(ta)と他の中間のポリイミド樹脂層の厚み(tb)の比(ta/tb)を0.1〜0.5の範囲とするのが好ましい。
また、このように、前記ポリイミド樹脂層の形態を多層構造とする場合には、用いるポリイミド樹脂は、ジアミンと酸無水物を使用して、有機溶媒中で反応させることにより合成することが好ましい。
前記高熱膨張性ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂を合成するために使用される好ましいジアミンとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE44)が挙げられる。また、好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)が挙げられる。これらのジアミン及び酸無水物は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することにより、前記ポリイミド樹脂層と前記極薄銅箔或いは前記導体層との接着性を向上させることができる。
また、前記低熱膨張性ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂の合成に使用される好ましいジアミンとしては、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(m−TB)、4,4’−ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド(MABA)、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE44)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)が挙げられる。また、好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)が挙げられる。これらのジアミン及び酸無水物は、それぞれ1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することにより、積層時の熱的寸法安定性を保つことができる。
また、本発明の多層積層体においては、前記支持体金属層と前記極薄銅箔との剥離強度が、1〜100N/mの範囲であることが好ましく、1〜50N/mの範囲であることがより好ましく、3〜15N/mの範囲であることが更により好ましく、4〜10N/mの範囲であることが特に好ましい。剥離強度が前記下限未満では、前記ポリイミド樹脂層と前記支持体付極薄銅箔との熱圧着工程において、極薄銅箔が支持体金属層から剥離する場合があり、安定操業に問題を生ずる傾向にある。他方、剥離強度が100N/mを超えると、支持体金属の剥離後の積層体に反りが生じ易くなる傾向にある。なお、ここでいう剥離強度とは、金属箔1mm幅90°引き剥がし法(JIS C6471)に準じて測定した値を示す。また、このような剥離強度は前記支持体金属層と前記極薄銅箔との接着強度を調整すること(剥離剤や低粘着性材料の使用により)により変化させることが可能である。
次に、本発明の多層積層体を製造する方法について説明する。
本発明の多層積層体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、ステンレス層の上に導体層を積層し、次にポリイミド前駆体樹脂溶液を前記導体層の上に塗布した後に熱処理(乾燥及び硬化)を施して前記導体層の上にポリイミド樹脂層を形成せしめ、次いで前記ポリイミド樹脂層の上に支持体付極薄銅箔を張り合わせる方法を採用することができる。
前記ステンレス層の上に前記導体層が積層する方法しては、作業性及びコストの観点から、ステンレス層にめっき処理を施す等の方法で導体層を形成する方法、又はステンレス層に導体層を圧接することで接合する方法が好ましい。また、ステンレス層にめっき処理を施すことによって導体層を形成する場合には、めっき処理前のステンレス層の表面処理として、クロム、モリブデン、ニッケル、ケイ素及びその混合物を含む層(中間層)を電解めっき又は蒸着等の手段で設けることができる。
前記ポリイミド前駆体溶液は、ジアミノ化合物と酸二無水物とを反応させてポリアミック酸の樹脂溶液を合成する。これらの反応は有機溶媒中で行わせることが好ましく、このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られるポリアミック酸の樹脂溶液の濃度が5〜30質量%の範囲になるような量とすることが好ましい。
また、このような溶媒を用いた反応において、用いるジアミノ化合物と酸二無水物との配合割合は、特に制限されるものではないが、ジアミノ化合物の総量に対して酸二無水物のモル比が0.95〜1.05の範囲となる割合とすることが好ましい。
また、前記ジアミノ化合物と前記酸二無水物との反応は、0℃から60℃の範囲の温度条件で1〜24時間反応させることが好ましい。このような温度条件が前記下限未満では、反応速度が遅くなって分子量の増加が進まない傾向にあり、他方、前記上限を超えるとイミド化が進行して反応溶液がゲル化し易くなる傾向にある。このような温度条件で反応させることで効率的にポリアミック酸の樹脂溶液を得ることができる。
次に、前記ポリアミック酸の樹脂溶液を前記導体層の上に塗布した後に熱処理(乾燥、硬化)を施して前記導体層の上にポリイミド樹脂層を形成せしめるが、前記ポリアミック酸の樹脂溶液を前記導体層の上に塗布する方法としては特に制限されず、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布する方法を採用することができる。
また、前記熱処理(乾燥、硬化)の方法も特に制限されず、例えば、80℃〜400℃の温度条件で1〜60分間加熱するといった熱処理を施す方法を採用することができる。このような熱処理を行うことで、前記ポリアミック酸の脱水閉環が進行するため、前記導体層の上にポリイミド樹脂層を形成させることができる。
その後、前記ポリイミド樹脂層の表面に更に支持体付極薄銅箔を張り合わせるが、その方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。また、このように支持体付極薄銅箔を張り合わせる方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等を用いる方法を採用することができる。この中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行え、更に極薄銅箔の酸化を防止することができるという観点から真空ハイドロプレス、連続式熱ラミネータを用いる方法が好ましい。また、このようにして支持体付極薄銅箔を張り合わせる際には、200〜400℃程度に加熱しながら前記支持体付極薄銅箔をプレスすることが好ましい。また、プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、通常、100〜150kgf/cm2程度が適当である。なお、前記支持体付極薄銅箔は、前記極薄銅箔層面を前記ポリイミド樹脂層の表面に積層するように張り合わせる。
このようにして、本発明の多層積層体を製造することができる。なお、前記製造方法においては、前記導体層の上にポリイミド樹脂層を形成せしめ、次いで前記ポリイミド樹脂層の上に支持体付極薄銅箔を張り合わせているが、予め前記ポリアミック酸の樹脂溶液によりポリイミドフィルムを作成し、フィルム化したポリイミドフィルムにより前記導体層と前記支持体付極薄銅箔とを、加熱圧着等の手段により張り合わせてもよい。
また、前記製造方法においては、単層のポリイミド樹脂層を形成しているが、前記ポリイミド樹脂層を必要に応じてポリイミド樹脂層を複数のポリイミド樹脂層からなる層とすることも可能である。複数の層からなるポリイミド樹脂層を形成させる方法としては特に制限されず、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、複数の樹脂溶液を順次塗布、乾燥後、一括して熱処理することでポリイミド樹脂を繰り返して複数の層を形成させる方法や、複数の樹脂溶液の塗布を同時に行った後に熱処理して複数の層を形成させる方法等を挙げることができる。
次に、本発明の金属張積層体の製造方法について説明する。すなわち、本発明の金属張積層体の製造方法は、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層
を備える金属張積層体の製造方法であって、
支持体金属層上に剥離層を介して極薄銅箔層が形成されている支持体付極薄銅箔を用いて、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体を得る工程(第1の工程)と、
前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る工程(第2の工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層
を備える金属張積層体の製造方法であって、
支持体金属層上に剥離層を介して極薄銅箔層が形成されている支持体付極薄銅箔を用いて、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体を得る工程(第1の工程)と、
前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る工程(第2の工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
第1の工程においては、前述した本発明の多層張積層体の製造する方法と同様の方法により、本発明の多層張積層体を得る。
第2の工程においては、前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る。このような第2の工程において、前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離する方法は特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができる。また、このように支持体金属層を剥離した際には、前記剥離層が支持体金属層と共に剥離されてもよく、前記剥離層が得られた金属張積層体の極薄銅箔層上に転写されていてもよい。また、このように転写されている剥離層が銅箔の性質を阻害する場合には、剥離層を適宜公知の方法で除去することが望ましい。
このようにして得られる金属張積層体は、エッチング加工等により所定の形状に加工することにより、HDDサスペンションとすることができる。また、HDDサスペンションとして加工する方法も特に制限されず、適宜公知の方法で金属張積層体を加工することでHDDサスペンションを得ることができる。
以上説明したような本発明の多層積層体及びそれを用いた金属張積層体の製造方法によれば、極薄銅箔層を有し、反り、変形のないHDDサスペンション用途の金属張積層体が得られるため、それを加工して得られるHDDサスペンションは、高密度、超微細配線化するHDDサスペンションの要求に応え、信頼性が高く高精度のHDDサスペンションとすることが可能である。また、本発明の金属張積層体の製造方法により得られる金属張積層体においては、バネ層として作用するステンレス層の上にアース層として作用する導体層を備えているため、高周波に伴うデータレス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、多層積層体又は金属張積層体の諸特性はそれぞれ以下の方法により測定又は評価した。
(i)銅箔層の厚みの測定
金属張積層体を幅305mm×長さ10mmの短冊試験片に切り出し、ダイヤルゲージ(Mitutoyo社製)を用いて、幅方向に10mm間隔で30点厚みを測定した。その後、銅箔部分をエッチングした後の積層体の厚みを同様の方法で測定した。そして、それらの厚みの差より銅箔層の厚みを算出した。
金属張積層体を幅305mm×長さ10mmの短冊試験片に切り出し、ダイヤルゲージ(Mitutoyo社製)を用いて、幅方向に10mm間隔で30点厚みを測定した。その後、銅箔部分をエッチングした後の積層体の厚みを同様の方法で測定した。そして、それらの厚みの差より銅箔層の厚みを算出した。
(ii)ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度の測定
金属張積層体の銅箔上に電解銅めっきを行い、銅箔の厚みを12μmにした後、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、幅1mmの銅張品の樹脂側を両面テープによりステンレス板に固定し、銅を90°方向に50mm/分の速度で剥離して、その引き剥がし強さを測定することにより、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度を測定した。
金属張積層体の銅箔上に電解銅めっきを行い、銅箔の厚みを12μmにした後、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、幅1mmの銅張品の樹脂側を両面テープによりステンレス板に固定し、銅を90°方向に50mm/分の速度で剥離して、その引き剥がし強さを測定することにより、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度を測定した。
(iii)導体層とポリイミド樹脂層の接着強度の測定
金属張積層体のステンレス層及び導体層に幅3.2mmの直線状のパターンニングを施し、銅箔層はそのままにして測定用試験片を作成し、これを固定板に貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、上記直線状パターンの90°引き剥がし強さを測定することにより、導体層とポリイミド樹脂層の接着強度を測定した。
金属張積層体のステンレス層及び導体層に幅3.2mmの直線状のパターンニングを施し、銅箔層はそのままにして測定用試験片を作成し、これを固定板に貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、上記直線状パターンの90°引き剥がし強さを測定することにより、導体層とポリイミド樹脂層の接着強度を測定した。
(iv)支持体金属層の剥離強度の測定
テンシロンテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、幅1mmの多層積層体の銅箔側を両面テープによりステンレス板に固定し、支持体金属層を90°方向に50mm/分の速度で剥離して、その引き剥がし強さを測定することにより、支持体金属層の剥離強度を測定した。
テンシロンテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、幅1mmの多層積層体の銅箔側を両面テープによりステンレス板に固定し、支持体金属層を90°方向に50mm/分の速度で剥離して、その引き剥がし強さを測定することにより、支持体金属層の剥離強度を測定した。
(v)銅箔の表面粗度の測定
超深度形状測定顕微鏡(KEYENCE製、VK−8500)を用いて、2000倍で銅箔面の長さ方向に140μm測定し、十点平均粗さを測定することにより、銅箔の表面粗度を測定した。
超深度形状測定顕微鏡(KEYENCE製、VK−8500)を用いて、2000倍で銅箔面の長さ方向に140μm測定し、十点平均粗さを測定することにより、銅箔の表面粗度を測定した。
(vi)クロストークの評価
先ず、金属張積層体の銅箔に写真蝕刻技術を用いて線幅、線間ともに25μm幅のリード線を作成し、HDD用基板の情報を読み書きする為の磁気書き込み用装置、磁気読み取り用装置を装着したHDD用フレクシャーを作成する。次に、上記磁気書き込み用回路に周波数を自由に変更できる発信機(東陽テクニカ製:周波数応答アナライザ1260型、エヌエフ回路設計ブロック:周波数特性分析器 FRA5096)を接続し、一方の端から1Hzから15MHzまで周波数を変えながら交流電圧を印加し、他方から出力される電圧を測定し、出力電圧印加電圧の比率を算出した。そして、印加電圧の減衰が認められなかった場合をクロストーク無しと判定し、減衰が認められた場合をクロストーク有りと判定した。
先ず、金属張積層体の銅箔に写真蝕刻技術を用いて線幅、線間ともに25μm幅のリード線を作成し、HDD用基板の情報を読み書きする為の磁気書き込み用装置、磁気読み取り用装置を装着したHDD用フレクシャーを作成する。次に、上記磁気書き込み用回路に周波数を自由に変更できる発信機(東陽テクニカ製:周波数応答アナライザ1260型、エヌエフ回路設計ブロック:周波数特性分析器 FRA5096)を接続し、一方の端から1Hzから15MHzまで周波数を変えながら交流電圧を印加し、他方から出力される電圧を測定し、出力電圧印加電圧の比率を算出した。そして、印加電圧の減衰が認められなかった場合をクロストーク無しと判定し、減衰が認められた場合をクロストーク有りと判定した。
(vii)ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数の測定
ポリイミドフィルムを試料とし、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。そして、冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱線膨張係数)を算出した。
ポリイミドフィルムを試料とし、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。そして、冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱線膨張係数)を算出した。
(合成例1)
先ず、500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら29.13gのBAPP(0.07モル)を294gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で3.23gのBPDA(0.01モル)及び13.55gのPMDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体樹脂液Aを得た。
先ず、500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら29.13gのBAPP(0.07モル)を294gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で3.23gのBPDA(0.01モル)及び13.55gのPMDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体樹脂液Aを得た。
なお、得られたポリイミド前駆体溶液Aを用いてポリイミドフィルムを作製し、そのポリイミドフィルムの熱膨張係数を測定した。すなわち、得られたポリイミド前駆体溶液Aを銅箔上に塗工した後に、130℃で5分間乾燥し、その後、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの熱膨張係数は5.5×10−5(1/K)であった。
(合成例2)
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら20.7gのMABA(0.08モル)を343gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で28.5gのPMDA(0.13モル)及び10.3gのDAPE44(0.05モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体樹脂液Bを得た。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら20.7gのMABA(0.08モル)を343gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で28.5gのPMDA(0.13モル)及び10.3gのDAPE44(0.05モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体樹脂液Bを得た。
なお、得られたポリイミド前駆体溶液Aを用いてポリイミドフィルムを作製し、そのポリイミドフィルムの熱膨張係数を測定した。すなわち、得られたポリイミド前駆体溶液Aを銅箔上に塗工した後に、130℃で5分間乾燥し、その後、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させてポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムの熱膨張係数は1.5×10−5(1/K)であった。
(作製例1)
新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)の片面にレジストを張り、めっき浴槽中に投入し、電圧及び処理時間を調整して銅めっき層(導体層)を形成して、導体層付ステンレス箔Sを作製した。なお、得られた導体層付ステンレス箔Sにおいて、導体層の表面粗度Raは0.50μmであり、導体層の厚みは1.0μmであり、導体層の導電率は100%IACSであった。
新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)の片面にレジストを張り、めっき浴槽中に投入し、電圧及び処理時間を調整して銅めっき層(導体層)を形成して、導体層付ステンレス箔Sを作製した。なお、得られた導体層付ステンレス箔Sにおいて、導体層の表面粗度Raは0.50μmであり、導体層の厚みは1.0μmであり、導体層の導電率は100%IACSであった。
(実施例1)
先ず、作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sの導体層の表面に、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。その後、このポリイミド前駆体膜Aの表面に合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥してポリイミド前駆体膜Bを形成し、さらに、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。そして、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させ、ポリイミド樹脂層(1.5μmの高熱膨張性樹脂層/7μmの低熱膨張性樹脂層/1.5μmの高熱膨張性樹脂層)を形成してポリイミド樹脂層付積層体P1を得た。
先ず、作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sの導体層の表面に、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。その後、このポリイミド前駆体膜Aの表面に合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥してポリイミド前駆体膜Bを形成し、さらに、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。そして、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させ、ポリイミド樹脂層(1.5μmの高熱膨張性樹脂層/7μmの低熱膨張性樹脂層/1.5μmの高熱膨張性樹脂層)を形成してポリイミド樹脂層付積層体P1を得た。
次に、得られたポリイミド樹脂層付積層体P1のポリイミド樹脂層側と、支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)の極薄銅箔層側とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、多層積層体を得た。得られた多層積層体においては、導体層とポリイミド樹脂(PI)層との接着強度は1.2kN/mであり、極薄銅箔層とポリイミド樹脂(PI)層との接着強度は1.2kN/mであった。また、ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数は2.2×10−5(1/K)であった。
次いで、得られた多層積層体から支持体金属層を剥離して金属張積層体を得た。なお、支持体金属層の剥離強度は10N/mであった。また、得られた金属張積層体は、しわ、反りがなく、外観も良好であった。また、得られた金属張積層体のクロストークの発生について評価したところ、クロストーク無しであった。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
(実施例2)
先ず、支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)の極薄銅箔層の表面に、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。その後、このポリイミド前駆体膜Aの表面に合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥してポリイミド前駆体膜Bを形成し、さらに、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。そして、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させ、ポリイミド樹脂層(1.5μmの高熱膨張性樹脂層/7μmの低熱膨張性樹脂層/1.5μmの高熱膨張性樹脂層)を形成してポリイミド樹脂層付積層体P2を得た。
先ず、支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)の極薄銅箔層の表面に、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。その後、このポリイミド前駆体膜Aの表面に合成例2で得られたポリイミド前駆体溶液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥してポリイミド前駆体膜Bを形成し、さらに、合成例1で得られたポリイミド前駆体溶液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥してポリイミド前駆体膜Aを形成した。そして、15分かけて360℃まで昇温することによりイミド化を進行させ、ポリイミド樹脂層(1.5μmの高熱膨張性樹脂層/7μmの低熱膨張性樹脂層/1.5μmの高熱膨張性樹脂層)を形成してポリイミド樹脂層付積層体P2を得た。
次に、得られたポリイミド樹脂層付積層体P2の極薄銅箔層側と、作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sの導体層側とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、多層積層体を得た。得られた多層積層体においては、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであり、極薄銅箔層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであった。また、ポリイミド樹脂層の線熱膨張係数は2.2×10−5(1/K)であった。
次いで、得られた多層積層体から支持体金属層を剥離して金属張積層体を得た。なお、支持体金属層の剥離強度は10N/mであった。また、得られた金属張積層体は、しわ、反りがなく、外観も良好であった。また、得られた金属張積層体のクロストークの発生について評価したところ、クロストーク無しであった。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
(比較例1)
作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sに代えて新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体及び金属張積層体について、実施例1と同様にして諸特性の評価又は測定を行った。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sに代えて新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体及び金属張積層体について、実施例1と同様にして諸特性の評価又は測定を行った。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
(比較例2)
作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sに代えて新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)を用いた以外は実施例2と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体及び金属張積層体について、実施例2と同様にして諸特性の評価又は測定を行った。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
作製例1で得られた導体層付ステンレス箔Sに代えて新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み:20μm)を用いた以外は実施例2と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体及び金属張積層体について、実施例2と同様にして諸特性の評価又は測定を行った。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
(比較例3)
支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)に代えて厚みが5μmの銅箔を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体においては、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであり、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度は0.3kN/mであった。また、得られた金属張積層体には、銅箔のしわが認められ、外観が不良であった。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)に代えて厚みが5μmの銅箔を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体及び金属張積層体を得た。なお、得られた多層積層体においては、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであり、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度は0.3kN/mであった。また、得られた金属張積層体には、銅箔のしわが認められ、外観が不良であった。得られた結果をそれぞれ表1に示す。
(比較例4)
支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)に代えて厚みが5μmの銅箔を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体の製造を試みたが、ポリイミド樹脂層付積層体P1と、銅箔とを熱圧着する際に、銅箔にたわみが生じたため、熱圧着することができなかった。なお、ポリイミド樹脂層付積層体P1においては、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであった。得られた結果を表1に示す。
支持体付極薄銅箔(日本電解株式会社製YSNAP−3B、支持体金属層の厚み:18μm、剥離層の厚み:約100nm、極薄銅箔層の厚み:3μm)に代えて厚みが5μmの銅箔を用いた以外は実施例1と同様にして、多層積層体の製造を試みたが、ポリイミド樹脂層付積層体P1と、銅箔とを熱圧着する際に、銅箔にたわみが生じたため、熱圧着することができなかった。なお、ポリイミド樹脂層付積層体P1においては、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであった。得られた結果を表1に示す。
<評価結果>
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた多層積層体及び/又は金属張積層体における、ステンレス層、導体層、ポリイミド樹脂層、銅箔層及び支持体金属層の厚み、支持体金属層の剥離強度、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度、クロストーク、外観は表1に示す通りであった。なお、表1において「SUS層の厚み」はステンレス層の厚みを表し、「PI層の厚み」はポリイミド樹脂層の厚みを表し、「導体層−PI層の接着強度」は導体層とポリイミド樹脂層との接着強度を表し、「PI層−銅箔層の接着強度」はポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度を表す。
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた多層積層体及び/又は金属張積層体における、ステンレス層、導体層、ポリイミド樹脂層、銅箔層及び支持体金属層の厚み、支持体金属層の剥離強度、導体層とポリイミド樹脂層との接着強度、ポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度、クロストーク、外観は表1に示す通りであった。なお、表1において「SUS層の厚み」はステンレス層の厚みを表し、「PI層の厚み」はポリイミド樹脂層の厚みを表し、「導体層−PI層の接着強度」は導体層とポリイミド樹脂層との接着強度を表し、「PI層−銅箔層の接着強度」はポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度を表す。
表1に示した結果から明らかなように、本発明の多層積層体を用いた場合(実施例1〜2)は、銅箔層の厚みが十分に薄く、しかもポリイミド樹脂層と銅箔層との接着強度が十分に高い金属張積層体が得られることが確認された。したがって、本発明によれば、銅箔層の微細配線加工が可能となる。また、本発明の多層積層体を用いて得られる金属張積層体(実施例1〜2)においては、クロストークの発生が抑止されていることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、微細配線加工が可能であり、しかも高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化や高容量化に対応することが可能な金属張積層体を簡便に作製することができる多層積層体、並びにそれを用いた金属張積層体の製造方法を提供することが可能となる。
したがって、本発明の多層積層体及びそれを用いた金属張積層体の製造方法は、ハードディスクドライブサスペンション等を製造するための技術として有用である。
Claims (17)
- 下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体であって、
前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする多層積層体。 - 前記支持体金属層の厚みが5〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の多層積層体。
- 前記支持体金属層が、銅又は銅合金からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層積層体。
- 前記剥離層が無機物からなることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の多層積層体。
- 前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との境界面の表面粗さRaが0.1〜1.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の多層積層体。
- 前記導体層が10〜100%IACSの範囲である導電率を有する金属からなることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の多層積層体。
- 前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ前記極薄銅箔層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の多層積層体。
- 前記支持体金属層と前記極薄銅箔層との剥離強度が1〜100N/mの範囲であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の多層積層体。
- 下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層
を備える金属張積層体の製造方法であって、
支持体金属層上に剥離層を介して極薄銅箔層が形成されている支持体付極薄銅箔を用いて、下記層構成:
ステンレス層/導体層/ポリイミド樹脂層/極薄銅箔層/剥離層/支持体金属層
を備える多層積層体を得る工程と、
前記多層積層体から前記支持体金属層を剥離して前記金属張積層体を得る工程と、
を含むことを特徴とする金属張積層体の製造方法。 - 前記ステンレス層の厚みが10〜50μmの範囲であり、前記導体層の厚みが0.1〜10μmの範囲であり、前記ポリイミド樹脂層の厚みが5〜50μmの範囲であり、且つ前記極薄銅箔層の厚みが0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項9に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記支持体金属層の厚みが5〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項9又は10に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記支持体金属層が、銅又は銅合金からなることを特徴とする請求項9〜11のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記剥離層が無機物からなることを特徴とする請求項9〜12のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との境界面の表面粗さRaが0.1〜1.0μmの範囲であることを特徴とする請求項9〜13のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記導体層が10〜100%IACSの範囲である導電率を有する金属からなることを特徴とする請求項9〜14のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記導体層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ前記極薄銅箔層と前記ポリイミド樹脂層との接着強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項9〜15のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
- 前記支持体金属層と前記極薄銅箔層との剥離強度が1〜100N/mの範囲であることを特徴とする請求項9〜16のうちのいずれか一項に記載の金属張積層体の製造方法。
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