JP2006286912A - 高屈曲性を示すフレキシブル銅張り積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 銅箔の厚みを薄くせずとも銅張板製造時に操作し易い銅箔を用いて成形後の柔軟性が高く折り曲げ性良好で応力緩和効果に長ける銅張積層板を提供する。
【解決手段】 厚さ12μm以上の樹脂層と厚さ8μm以上の銅箔層とからなる銅張積層板であり、銅箔層の上に厚さ15〜25μmの接着層を介し厚さ10〜25μmのカバー材を積層し、JIS-C5016に基づく屈曲試験を複数の屈曲半径で行い、横軸に屈曲回数の対数を縦軸に式(1)で得られる銅箔層の歪みσをとり得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0、切片6.0〜10.0であるフレキシブル銅張り積層板である。
歪みσ(%)=(t1+t2−t´)/(r+t´)*100 (1)
〔t´は式(2)の中性軸である。
中性軸t´(μm)=[Σei*(ti-1+ti-1+ti)/2*ti]/Σei*ti (2)
i=1〜4で1:樹脂層、2:銅箔層、3:接着層、4:カバー材を示し、tiは各厚み、eiは各弾性率を示す。rは屈曲半径(mm)である〕
【選択図】 図1
【解決手段】 厚さ12μm以上の樹脂層と厚さ8μm以上の銅箔層とからなる銅張積層板であり、銅箔層の上に厚さ15〜25μmの接着層を介し厚さ10〜25μmのカバー材を積層し、JIS-C5016に基づく屈曲試験を複数の屈曲半径で行い、横軸に屈曲回数の対数を縦軸に式(1)で得られる銅箔層の歪みσをとり得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0、切片6.0〜10.0であるフレキシブル銅張り積層板である。
歪みσ(%)=(t1+t2−t´)/(r+t´)*100 (1)
〔t´は式(2)の中性軸である。
中性軸t´(μm)=[Σei*(ti-1+ti-1+ti)/2*ti]/Σei*ti (2)
i=1〜4で1:樹脂層、2:銅箔層、3:接着層、4:カバー材を示し、tiは各厚み、eiは各弾性率を示す。rは屈曲半径(mm)である〕
【選択図】 図1
Description
本発明は、高屈曲性を示すフレキシブル銅張り積層板に関するものである。
フレキシブル銅張積層板は、屈曲性や、柔軟性、高密度実装が要求される電子機器に広く用いられている。近年、機器のメモリ容量の増加によって、配線の狭ピッチ化、高密度実装化が進み、積層板に対する機械的物性の要求水準もより高くなっている。フレキシブル銅張り積層板の狭ピッチ化対応には、銅箔の製造方法に由来する特性より、一般的に電解銅箔が良いとされている。一方、最近の高密度実装においては、積層板を折り曲げて筐体に収納する際の折り曲げ部が増え、折り曲げ角度が小さくなってきている。そのために、従来の電解銅箔のように剛直で、抗張力が高く、かつ、延性が低い場合には、その銅箔によって製造されるフレキシブル銅張積層板は、銅箔の延性疲労によって、配線が断線し易くなり、電気的信頼性が得られないおそれが高い。
ところで、特許文献1によれば、焼鈍をおこなって再結晶組織にした後の圧延面のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微紛末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対しI/I0>20の関係であることで、銅箔が高屈曲性を持つことを開示しており、結晶組織の制御によって高屈曲性が発現することが知られている。また、特許文献2には、フレキシブルプリント回路基板等の可撓性配線部材に好適な優れた屈曲性を有する圧延銅箔及びその製造方法が記載されている。
特開2001-58203号公報
特許第3009383号公報
一般に、電解銅箔は、熱処理によるアニール後でも、抗張力や剛直性があまり変化しない(アニール効果が小さい)ため、成形品の折り曲げ耐性に着目すると、熱処理前の段階で、銅箔の抗張力を抑えた柔軟な銅箔を用いざるを得ず、その場合、フレキシブル銅張り積層板の製造時にはテンションの調整が難しく、生産性を落とす要因となっていた。
このような背景から、これまでは、延性、折り曲げ耐性、ファインパターン性を両立するために、銅箔厚みを薄くし、積層板全体の柔軟性を高めることで物性を補ってきている。しかしながら、この技術では、銅張り積層板の設計に制約を受けることから銅箔の厚み調整によらずとも上記延性、折り曲げ耐性、ファインパターン性を満足するフレキシブル銅張り積層板の開発が望まれている。また、厚み構成を変化させることによる屈曲性の向上は、銅箔自体の屈曲性を変えずに銅箔にかかる応力を低減させることにより成り立っている。そのような背景のなかで銅箔ごとの各応力による屈曲寿命の予測や銅箔自体の屈曲性を把握することは非常に重要なことである。
本発明は、銅箔の厚みを薄くしなくても銅張板製造時の操作し易い銅箔を用い、成形後の柔軟性が高く、折り曲げ性良好で、応力緩和効果に長ける銅張積層板を提供するために、銅箔にかかる歪みと屈曲寿命の関係より適切な銅箔を選定し、またその関係を満たすような物性をもつ銅箔を提供することを目的とする。歪みと屈曲寿命の関係式より、ほかの厚み構成における屈曲寿命の予測も可能になり、使用モードに応じた銅箔の選定も可能になる。
本発明者等は、かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、銅箔にかかる歪みと屈曲寿命とが特定の関係を有する銅張り積層板であれば、銅箔の厚みを極端に薄くせずとも延性に優れると共に、折り曲げ耐性、ファインパターン性等の要請を同時に満たすことができることを見出し、本発明を完成した。更には、本発明によれば、積層板を構成する銅箔以外の樹脂層や接着層を備えたカバー材層の厚みから積層板の屈曲寿命の予測も可能となり、更には使用モードに応じた銅箔の選定も可能となる。
すなわち、本発明は、厚さ12μm以上の樹脂層と厚さ8μm以上の銅箔層とからなるフレキシブル銅張り積層板であって、上記銅箔層の上面に厚さ15〜25μmの接着層を介して厚さ10〜25μmのカバー材を積層し、このカバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板についてJIS-C5016に基づく屈曲試験を複数の屈曲半径において行い、横軸に屈曲回数の対数をとると共に、縦軸に下記式(1)で表される銅箔層の歪みσ(%)をとって得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0の範囲であり、かつ、切片6.0〜10.0の範囲であることを特徴とするフレキシブル銅張り積層板である。
歪みσ(%)=(t1+t2−t´)/(r+t´)*100 …(1)
〔上記式(1)中のt´は下記式(2)で表される中性軸を表す。
中性軸t´(μm)=[Σei*(ti-1+ti-1+ti)/2*ti]/Σei*ti …(2)
但し、式(1)及び(2)において、iは1〜4の整数であり、t1は樹脂層の厚み、e1は樹脂層の弾性率、t2は銅箔層の厚み、e2は銅箔層の弾性率、t3は接着層の厚み、e3は接着層の弾性率、t4はカバー材の厚み、及びe4はカバー材の弾性率を表し、また、rは屈曲半径(mm)を表す。〕
歪みσ(%)=(t1+t2−t´)/(r+t´)*100 …(1)
〔上記式(1)中のt´は下記式(2)で表される中性軸を表す。
中性軸t´(μm)=[Σei*(ti-1+ti-1+ti)/2*ti]/Σei*ti …(2)
但し、式(1)及び(2)において、iは1〜4の整数であり、t1は樹脂層の厚み、e1は樹脂層の弾性率、t2は銅箔層の厚み、e2は銅箔層の弾性率、t3は接着層の厚み、e3は接着層の弾性率、t4はカバー材の厚み、及びe4はカバー材の弾性率を表し、また、rは屈曲半径(mm)を表す。〕
本発明において、式(1)における歪みσ(%)は銅箔層と接着層との界面での歪み(上面歪み)を表す。すなわち、本発明においては、厚さ12μm以上の樹脂層と厚さ8μm以上の銅箔層とが積層されてなるフレキシブル銅張り積層板の銅箔層の上面に、更に厚さ15〜25μmの接着層を介して厚さ10〜25μmのカバー材を積層してカバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板(試験用フレキシブル銅張り積層板)を用意して屈曲試験を行うため、カバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板を屈曲させると、応力の中心が銅箔層の厚みの中心から接着層との界面までの間のいずれかに存在することになる。そして、上記の構成においては銅箔層の破断には、この銅箔層と接着層との界面での歪みが直接影響してくるものと考えられる。
歪みσ(%)は、上記式(1)に示すように、カバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板をJIS-C5016に基づき屈曲試験を行った際の屈曲半径r(mm)、樹脂層の厚みt1(μm)、銅箔層の厚みt2(μm)及び中性軸t´(μm)を用いて算出される。この歪みの値は、銅箔層/接着層の界面と中性軸t´との変位量の比を示す。ここで、中性軸t´(μm)は、樹脂層、銅箔層、接着層、及びカバー材のそれぞれの厚み(μm)と弾性率(GPa)を用いて上記式(2)より求めることができる。この中性軸は、フレキシブル銅張り積層板の樹脂層の最外層表面からの距離を示す。
歪みσ(%)は、上記式(1)に示すように、カバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板をJIS-C5016に基づき屈曲試験を行った際の屈曲半径r(mm)、樹脂層の厚みt1(μm)、銅箔層の厚みt2(μm)及び中性軸t´(μm)を用いて算出される。この歪みの値は、銅箔層/接着層の界面と中性軸t´との変位量の比を示す。ここで、中性軸t´(μm)は、樹脂層、銅箔層、接着層、及びカバー材のそれぞれの厚み(μm)と弾性率(GPa)を用いて上記式(2)より求めることができる。この中性軸は、フレキシブル銅張り積層板の樹脂層の最外層表面からの距離を示す。
本発明においては、カバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板について、JIS-C5016に基づく屈曲試験を複数の屈曲半径(mm)において行い、上記式(1)で求められる銅箔層の歪みσ(%)を縦軸にとり、横軸には上記屈曲試験での屈曲回数の対数をとってプロットして得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0の範囲であると共に、切片6.0〜10.0の範囲であることが必要である。ここで、屈曲回数とは、JIS-C5016に基づく屈曲試験において定義されたものを意味し、〔具体的には、試験片幅:8mm、試験片長さ:150mm、試験片採取方向:試験片の長さが機械方向と平行になるように採取、曲率r:0.8mm、屈曲角度270°、試験速度175rpm、荷重500gの条件でMIT屈曲試験をおこなった際、〕サンプル(試験用フレキシブル銅張り積層板)の抵抗値が1MΩ以上になったときを試験終了として、そのときの屈曲回数である。
上記で得られた直線の傾きについて、−0.5より小さいと歪みが屈曲回数に与える寄与が少なく、反対に−1.0より大きくなることは理論上、小さい歪みで屈曲回数が小さくなるためいずれも高屈曲性を実現できる組み合わせとはならない。また、切片が6.0より小さいと低い歪みで屈曲回数が低いことを意味し、高屈曲性を発現するには不適切であり、反対に10.0より大きくなるような組み合わせは実用的でないので除外される。
上記で得られた直線の傾きについて、−0.5より小さいと歪みが屈曲回数に与える寄与が少なく、反対に−1.0より大きくなることは理論上、小さい歪みで屈曲回数が小さくなるためいずれも高屈曲性を実現できる組み合わせとはならない。また、切片が6.0より小さいと低い歪みで屈曲回数が低いことを意味し、高屈曲性を発現するには不適切であり、反対に10.0より大きくなるような組み合わせは実用的でないので除外される。
本発明のフレキシブル銅張り積層板は、JIS-C5016に基づく屈曲試験での屈曲回数と銅箔層の歪みσとの関係から特定されたものであるため、銅箔の厚みを極端に薄くせずとも延性に優れるため、銅張り積層板の製造時の良好な操作性を維持することができ、また、銅張り積層板を成形した後の積層体成形品においても高柔軟性、折り曲げ性向上、及び応力緩和等の優れた効果を発揮し、ファインパターン性等の要請にも対応することができる。更には、本発明によれば、積層板を構成する銅箔以外の樹脂層や接着層を備えたカバー材層の厚みから積層板の屈曲寿命の予測も可能となり、更には使用モードに応じた銅箔の選定も可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフレキシブル銅張り積層板(以下、単に「銅張り積層板」と略する。)は、銅箔層と樹脂層とから構成される。なお、銅箔層は樹脂層の片面のみに設けられている。
本発明のフレキシブル銅張り積層板(以下、単に「銅張り積層板」と略する。)は、銅箔層と樹脂層とから構成される。なお、銅箔層は樹脂層の片面のみに設けられている。
銅張り積層板を構成する銅箔層としては圧延銅箔や電解銅箔等が知られているが、本発明においては、銅箔層の製造法は特に制限されない。
使用される銅箔は前述の歪みの式(1)において、銅箔の歪み(カハ゛ー材側)とその屈曲回数(対数)をプロットして得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0の範囲となり、かつ、切片6.0〜10.0の範囲となるように満足できるものである必要がある。切片が上記範囲内となるためには、銅箔層の弾性率が低く、銅箔層以外の厚みによって応力の中性軸が変化しやすくなる必要がある。このような観点から、銅箔層が、300℃以上の熱処理後における弾性率が10〜20Mpaの範囲の銅箔からなるのが好ましい。
本発明の銅張り積層板は、上記に示す銅箔を用い、銅張り積層板製造時のいずれかの工程で熱処理して使用される。製造時の熱処理条件は300℃以上,6分に限定されるものではない。好ましい熱処理条件は、300〜450℃で5〜40分である。
銅箔層の厚さについては8μm以上であり、好ましくは8〜35μm、更に好ましくは8〜18μmである。銅箔層の厚さが8μmに満たないと、フレキシブル銅張り積層板の製造時、テンションの調整が困難となる。また、銅箔層の厚さが35μm以内であればフレキシブル銅張り積層板の屈曲性に優れる観点から好ましい。更には、銅箔層の粗度については、平滑面でRz=0.5〜1.5μm、Ra=0.05〜0.25μm、粗面でRz=0.5〜1.5μm、Ra=0.05〜0.30μmであるのがよい。銅箔層の粗度がこれらの範囲のものを使用することで、微細な回路パターンを成形し得る銅張り積層板を得ることができる。特に、粗面の粗度は、回路加工時のファインパターン性に影響するので、Raの値を0.05〜0.27の範囲とすることが好ましい。
次に、銅張り積層板の樹脂層について説明する。この樹脂層については、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合して製造したポリイミド系樹脂層であるのが好ましい。
ここで、用いられるジアミンとしては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3'4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4'3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン及び酸無水物は、それぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
溶媒については、ジメチルアセトアミド、n-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
ポリイミド系樹脂層は、前駆体状態で銅箔層上に直接塗布して形成することが好ましく、重合された樹脂粘度を500cps〜35,000cpsの範囲とすることが好ましい。塗布された樹脂液は熱処理されるが、通常、熱処理は100℃〜400℃の温度範囲で計20〜40分程度行うのがよい。樹脂層を形成するポリイミド系樹脂層については、単層のみからなってもよく、複数層からなるものであってもよい。ポリイミド系樹脂層を複数層とする場合、互いに構成成分が異なるポリイミド系樹脂を順次塗布して形成してもよく、同一の構成成分のものを用いて順次塗布して形成してもよい。ポリイミド系樹脂層が3層以上からなる場合には、同一の構成のポリイミド系樹脂を2回以上使用してもよい。
また、樹脂層の厚さについては12μm以上、好ましくは12〜50μmである。樹脂層の厚さが12μm未満であると計算式で示される中性軸が銅箔と接着層界面に近くなり歪みが理論上0に近づき、銅箔とポリイミド樹脂層界面の歪みが屈曲回数を支配するようになる。また、50μm以下であればフレキシブル銅張り積層板の屈曲性に優れる点で有利である。
本発明において、銅張り積層板は、上記したように銅箔層の上にポリイミド系樹脂を塗布することにより製造することができるが、1層以上のポリイミドフィルムを銅箔層にラミネートして製造することもできる。このように製造された銅張り積層板は銅箔層を片面のみに有する片面銅張り積層板としてもよく、また、銅箔層を両面に有する両面銅張り積層板とすることもできる。両面銅張り積層体は、片面銅張り積層板を形成後、銅箔層を熱プレスにより圧着する方法、2枚の銅箔層間にポリイミドフィルムを挟み熱プレスにより圧着する方法等が挙げられる。
また、本発明において、フレキシブル銅張り積層板の銅箔層の上面に接着層を介して積層されるカバー材については、フレキシブル銅張り積層板を回路加工した後に、銅箔層の上に積層して電気的信頼性を保持するための絶縁材として作用させるものである。通常、カバー材自体は銅箔層、樹脂層とは高い接着性を有しないため、カバー材の裏面には接着層が設けられている。このカバー材については、例えばポリイミド系樹脂からなるものを挙げることができる。また、一般には、カバー材(接着層を含む)は、フレキシブル銅張り積層板を形成する銅箔層や樹脂層に比べて低弾性率を有している。本発明においては、厚さ15〜25μmの接着層を有する厚さ10〜25μm(接着層を含まないカバー材自体の厚み)のカバー材を使用する。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
なお、以下の実施例等において、特にことわりのない限り各種評価は下記によるものである。
なお、以下の実施例等において、特にことわりのない限り各種評価は下記によるものである。
[弾性率の測定]
(株)東洋精機製作所製の万能試験機(STROGRAPH-R1)を使用し、23℃、50%RH環境下で測定した。
(株)東洋精機製作所製の万能試験機(STROGRAPH-R1)を使用し、23℃、50%RH環境下で測定した。
[耐折性の評価(屈折試験)]
試験はJIS-C5016に基づきおこなった。試験は(株)東洋精機製作所製DA型を用い、屈曲角度270°、試験速度175rpm、荷重500gでおこなった。
試験はJIS-C5016に基づきおこなった。試験は(株)東洋精機製作所製DA型を用い、屈曲角度270°、試験速度175rpm、荷重500gでおこなった。
[銅箔の準備]
フレキシブル銅張り積層板の作成にあたり、下記4種類の銅箔を準備した。
なお、下記銅箔1〜4における熱処理後の弾性率とは、300℃以上,計6分程度による熱処理の前後の値によるものである。
1)銅箔1:圧延銅箔
熱処理後弾性率13〜18GPa
2)銅箔2:電解銅箔
熱処理後弾性率30GPa
3)銅箔3:電解銅箔
熱処理後弾性率36GPa
4)銅箔4:圧延銅箔
熱処理後弾性率21GPa
フレキシブル銅張り積層板の作成にあたり、下記4種類の銅箔を準備した。
なお、下記銅箔1〜4における熱処理後の弾性率とは、300℃以上,計6分程度による熱処理の前後の値によるものである。
1)銅箔1:圧延銅箔
熱処理後弾性率13〜18GPa
2)銅箔2:電解銅箔
熱処理後弾性率30GPa
3)銅箔3:電解銅箔
熱処理後弾性率36GPa
4)銅箔4:圧延銅箔
熱処理後弾性率21GPa
[カバー材の準備]
カバー材として下記2種類の市販品を使用した。なお、屈曲試験においては、全て同じプレス条件で銅張り積層板に対しカバー材を熱圧着するようにした。
カバー材A:有沢製作所(株)製のCV0525KA(接着層の厚みt3:25μm、接着層の弾性率e3:2.2.GPa、カバー材の厚みt4:12μm、カバー材の弾性率e4:3.2GPa。)
カバー材B:ニッカン(株)製のCISV1215(接着層の厚みt3:15μm、接着層の弾性率e3:2.2GPa、カバー材の厚みt4:12μm、カバー材の弾性率e4:1.2GPa。)
カバー材として下記2種類の市販品を使用した。なお、屈曲試験においては、全て同じプレス条件で銅張り積層板に対しカバー材を熱圧着するようにした。
カバー材A:有沢製作所(株)製のCV0525KA(接着層の厚みt3:25μm、接着層の弾性率e3:2.2.GPa、カバー材の厚みt4:12μm、カバー材の弾性率e4:3.2GPa。)
カバー材B:ニッカン(株)製のCISV1215(接着層の厚みt3:15μm、接着層の弾性率e3:2.2GPa、カバー材の厚みt4:12μm、カバー材の弾性率e4:1.2GPa。)
[合成例1]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(以下m-TB)と1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下TPE-Q)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂1)の溶液粘度は20,000cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(以下m-TB)と1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下TPE-Q)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂1)の溶液粘度は20,000cpsであった。
[合成例2]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下BAPP)と4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(以下DAPE)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次に無水ピロメリット酸(以下PMDA)と3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDA)をモノマー比9:1になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂2)の溶液粘度は5,000cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下BAPP)と4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(以下DAPE)をモノマー比8:2になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次に無水ピロメリット酸(以下PMDA)と3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDA)をモノマー比9:1になるように加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂2)の溶液粘度は5,000cpsであった。
[合成例3]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2´-メトキシ-4,4´-ジアミノベンズアニリド(MABA)とDAPEをモノマー比4:6になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂3)の溶液粘度は20,000cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2´-メトキシ-4,4´-ジアミノベンズアニリド(MABA)とDAPEをモノマー比4:6になるように容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂3)の溶液粘度は20,000cpsであった。
[合成例4]
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にDAPEを容器中で撹拌しながら溶解させた。次にベンゾフェノン-3,4,3',4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂4)の溶液粘度は5,000cpsであった。
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器にDAPEを容器中で撹拌しながら溶解させた。次にベンゾフェノン-3,4,3',4'-テトラカルボン酸二無水物(BTDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリアミック酸(樹脂4)の溶液粘度は5,000cpsであった。
銅箔層として、上記圧延銅箔1(熱処理前)を準備した。この電解銅箔上にポリイミド前駆体樹脂溶液(樹脂2)を塗布、乾燥した後、樹脂1を塗布、乾燥し、さらに樹脂2を塗布乾燥し、銅箔層上に3層のポリイミド前駆体樹脂層が形成された積層体を得た。この積層体を300℃以上,計6分程度の時間をかけて熱処理し、銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は14Gpaであり、樹脂層の厚みは25μm、弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験を行ったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に1000、11000、60000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は3.5、1.4、0.6であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.7Ln(x)+8.4となった。これらの結果等を表1に示す。
銅箔層として、上記圧延銅箔1(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は14Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Bを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に500、4000、26000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は4.2、2.0、0.8であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.9Ln(x)+9.5となった。これらの結果等を表1に示す。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Bを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に500、4000、26000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は4.2、2.0、0.8であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.9Ln(x)+9.5となった。これらの結果等を表1に示す。
銅箔層として、上記圧延銅箔1(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は13Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に8500、38000、130000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は1.6、0.8、0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に8500、38000、130000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は1.6、0.8、0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
銅箔層として、上記圧延銅箔1(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。その後圧延銅箔1をラミネートさせ、塗工した面の銅箔をエッチングし除去して片面銅張り積層板を得た。すなわち、銅箔の弾性率を変えるために両面品(片面品に銅箔をラミネートして作成すると、ラミネートの方が熱履歴が小さいため銅箔の弾性率は高くなる)のラミネート側を残して片面の銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は18Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に500、12000、65000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は2.9、1.4、0.6であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、銅箔層の上にカバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に500、12000、65000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は2.9、1.4、0.6であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
銅箔層として、上記圧延銅箔1(熱処理前)を準備し、この電解銅箔上にポリイミド前駆体樹脂溶液(樹脂4)を塗布、乾燥した後、樹脂3を塗布、乾燥し、さらに樹脂4を塗布乾燥し、銅箔層上に3層のポリイミド前駆体樹脂層が形成された積層体を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は14Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Bを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に2500、21000、80000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は2.2、1.0、0.4であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Bを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に2500、21000、80000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は2.2、1.0、0.4であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+6.0となった。これらの結果等を表1に示す。
[比較例1]
銅箔層として、上記電解銅箔2(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は30Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に400,3000,33000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値1.6,0.7,0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.3Ln(x)+3.2となった。これらの結果等を表2に示す。
銅箔層として、上記電解銅箔2(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は30Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に400,3000,33000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値1.6,0.7,0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.3Ln(x)+3.2となった。これらの結果等を表2に示す。
[比較例2]
銅箔層として、上記電解銅箔3(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は36Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に800,5000,70000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値1.6,0.7,0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.3Ln(x)+3.3となった。これらの結果等を表2に示す。
銅箔層として、上記電解銅箔3(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は36Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に800,5000,70000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値1.6,0.7,0.3であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.3Ln(x)+3.3となった。これらの結果等を表2に示す。
[比較例3]
銅箔層として、上記圧延銅箔4(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は22Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に300,2000,30000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値2.9,1.4,0.6であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+5.5となった。これらの結果等を表2に示す。
銅箔層として、上記圧延銅箔4(熱処理前)を準備し、実施例1と同様な手法で銅箔層と樹脂層とからなる片面銅張り積層板を得た。熱処理後の銅箔の弾性率は22Gpa、樹脂層の弾性率は7.5Gpaであった。
上記で得られた片面銅張り積層板を回路幅/絶縁幅=150μm/200μmとなるように回路を加工した後、カバー材Aを重ねて熱圧着し、屈曲半径等を変えて(r=0.38、0.8、2.0mm)屈曲試験をおこなったところ、屈曲回数は上記屈曲半径に対して、それぞれ順に300,2000,30000であり、この際上記式(1)及び(2)を用いて算出した歪みσ(%)は値2.9,1.4,0.6であった。横軸に上記で得られた屈曲回数の対数をとり、縦軸に上記で得られた歪みσ(%)をとってプロットして得られた直線式はy=-0.5Ln(x)+5.5となった。これらの結果等を表2に示す。
Claims (2)
- 厚さ12μm以上の樹脂層と厚さ8μm以上の銅箔層とからなるフレキシブル銅張り積層板であって、
上記銅箔層の上面に厚さ15〜25μmの接着層を介して厚さ10〜25μmのカバー材を積層し、このカバー材を備えたフレキシブル銅張り積層板についてJIS-C5016に基づく屈曲試験を複数の屈曲半径において行い、横軸に屈曲回数の対数をとると共に、縦軸に下記式(1)で表される銅箔層の歪みσ(%)をとって得られた直線が、傾き−0.5〜−1.0の範囲であり、かつ、切片6.0〜10.0の範囲であることを特徴とするフレキシブル銅張り積層板。
歪みσ(%)=(t1+t2−t´)/(r+t´)*100 …(1)
〔上記式(1)中のt´は下記式(2)で表される中性軸を表す。
中性軸t´(μm)=[Σei*(ti-1+ti-1+ti)/2*ti]/Σei*ti …(2)
但し、式(1)及び(2)において、iは1〜4の整数であり、t1は樹脂層の厚み、e1は樹脂層の弾性率、t2は銅箔層の厚み、e2は銅箔層の弾性率、t3は接着層の厚み、e3は接着層の弾性率、t4はカバー材の厚み、及びe4はカバー材の弾性率を表し、また、rは屈曲半径(mm)を表す。〕 - 銅箔層が、300℃以上の熱処理後における弾性率が10〜20Mpaの範囲の銅箔からなる請求項1に記載のフレキシブル銅張り積層板。
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-
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- 2005-03-31 JP JP2005104521A patent/JP2006286912A/ja not_active Withdrawn
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