JP2010034541A - 可撓性回路基板及びその製造方法並びに可撓性回路基板の屈曲部構造 - Google Patents

可撓性回路基板及びその製造方法並びに可撓性回路基板の屈曲部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】特に曲率半径の小さな繰り返し屈曲部における過酷な条件に対して耐久性を備え屈曲性に優れた可撓性回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板であって、金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなす可撓性回路基板であり、金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、屈曲部における稜線が、金属箔の面内の基本結晶軸<001>のひとつと2.9〜87.1°の角度を有するように配線を形成する。
【選択図】図6

Description

この発明は、いずれかに屈曲部を有して使用される可撓性回路基板、及びその製造方法、並びに可撓性回路基板の屈曲部構造に関し、詳しくは屈曲に対して耐久性を備え、かつ、屈曲性に優れた可撓性回路基板、及びその製造方法、並びに可撓性回路基板の屈曲部構造に関する。
樹脂層と金属箔からなる配線とを有してなる可撓性回路基板(フレキシブルプリント基板)は、折り曲げて使用することが可能であることから、ハードディスク内の可動部、携帯電話のヒンジ部やスライド摺動部、プリンターのヘッド部、光ピックアップ部、ノートPCの可動部などをはじめ、各種電子・電気機器で幅広く使用されている。そして、近時では、特にこれらの機器の小型化、薄型化、高機能化等に伴い、限られたスペースに可撓性回路基板を小さく折り畳んで収納したり、電子機器等の様々な動きに対応した屈曲性が求められている。そのため、屈曲部における曲率半径がより小さくなるような折り曲げや、折り曲げが頻繁に繰り返されるような動作にも対応できるように、可撓性回路基板の更なる強度等の機械的特性の向上が必要になっている。
一般に、折り曲げの繰り返しや曲率半径の小さい屈曲に対して強度が劣る等で不良要因となるのは樹脂層よりむしろ配線の方であり、これらに耐えられなくなると配線の一部に割れや破断が生じ、回路基板として利用できなくなってしまう。そこで、例えばヒンジ部における配線に対する曲げ応力を小さくするために、回動軸に対して斜めになるように配線された可撓性回路基板(特許文献1参照)や、ヒンジ部の回動方向に1巻き以上螺旋させた螺旋部を形成し、この巻き数を多くすることで開閉動作による螺旋部の直径の変化を小さくして損傷を少なくする方法(特許文献2参照)などが提案されている。しかしながら、これらの方法では、いずれも可撓性回路基板の設計が制約されてしまう。
一方では、圧延銅箔の圧延面のX線回折(銅箔の厚み方向のX線回折)で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0>20である場合に屈曲性に優れることが報告されている(特許文献3及び4参照)。すなわち、銅の再結晶集合組織である立方体方位が発達するほど銅箔の屈曲性が向上するため、立方体集合組織の発達度を上記パラメータ(I/I0)で規定した、可撓性回路基板の配線材料として好適な銅箔が知られている。また、圧延銅箔に関し、屈曲変形に対して主すべり面が活動可能である方位に配向した結晶粒の占める割合が、圧延面からの観察によって面積率で80%以上となる結晶組織を有することで、屈曲強度に優れるとする報告もあり(特許文献5の段落0013参照)、この文献における明細書の記載によれば、屈曲させた配線の断面が{100}に配向している状態が好適であると解釈することができる。
特開2002−171033号公報 特開2002−300247号公報 特開2001−58203号公報 特許第3009383号公報 特開2007−107036号公報
このような状況のもと、本発明は、可撓性回路基板の設計に制約が生じず、かつ、折り曲げの繰り返しや曲率半径の小さな屈曲に対しても耐え得る強度を備えて、屈曲性に優れた可撓性回路基板を提供する。本発明者らは、鋭意検討した結果、驚くべきことに、立方晶系の結晶構造を有する金属箔の結晶軸に対して所定の角度を有して屈曲させた場合に屈曲強度が向上し、かつ、屈曲性に優れるといった新たな知見を得た。そして、このような知見に基づき、屈曲耐久性や屈曲性に優れた可撓性回路基板が得られることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、携帯電話や小型電子機器等のヒンジ部又はスライド摺動部など、特に曲率半径の小さな繰り返し屈曲部における過酷な条件に対して耐久性を備え、屈曲性に優れた可撓性回路基板を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、可撓性回路基板の設計に制約を受けずに、屈曲耐久性や屈曲性に優れた可撓性回路基板を得ることができる可撓性回路基板の製造方法を提供することにある。
更に、本発明の別の目的は、携帯電話や小型電子機器等のヒンジ部又はスライド摺動部など、特に曲率半径の小さな繰り返し屈曲部における過酷な条件に対して耐久性を備え、屈曲性に優れた可撓性回路基板の屈曲部構造を提供することにある。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成を要旨とする。
(1)樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板であって、
金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなすことを特徴とする可撓性回路基板。
(2)屈曲部での稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、(100)標準投影図のステレオ三角形において(20 1 0)を表す点と(110)を表す点とで結ばれた線分上にあるいずれかの面である(1)に記載の可撓性回路基板。
(3)金属箔が銅箔であり、かつ、銅箔の厚み方向のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0≧25である(1)又は(2)に記載の可撓性回路基板。
(4)金属箔が面心立方構造を有する金属からなり、面心立方構造の単位格子の基本結晶軸<100>が金属箔の厚さ方向と箔面内の一方向の2つの直交軸に対して、方位差10°以内にある優先配向領域が、面積率で50%以上を占めるように主方位を有していると共に、屈曲部の稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面に対する法線が、箔面内の<100>主方位と2.9〜87.1°の角度を有する(1)又は(2)に記載の可撓性回路基板。
(5)金属箔が、厚さ5〜100μmの圧延銅箔である(1)〜(4)のいずれかに記載の可撓性回路基板。
(6)摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲及びスライド屈曲からなる群から選ばれたいずれかの繰り返し動作を伴う屈曲部が形成される(1)〜(5)のいずれかに記載の可撓性回路基板。
(7)屈曲部における稜線に対して直交する方向に沿って配線が形成されている(1)〜(6)のいずれかに記載の可撓性回路基板。
(8)樹脂層がポリイミドからなる(1)〜(7)のいずれかに記載の可撓性回路基板。
(9)樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板の屈曲部構造であって、金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなすことを特徴とする可撓性回路基板の屈曲部構造。
(10)屈曲部での稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、(100)標準投影図のステレオ三角形において(20 1 0)を表す点と(110)を表す点とで結ばれた線分上にあるいずれかの面である(9)に記載の可撓性回路基板の屈曲部構造。
(11)樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板の製造方法であって、
金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、屈曲部における稜線が、金属箔の面内の基本結晶軸<100>のひとつと2.9〜87.1°の角度を有するように配線を形成することを特徴とする可撓性回路基板の製造方法。
(12)金属箔が銅箔であり、かつ、銅箔の厚み方向のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0≧25である(11)に記載の可撓性回路基板の製造方法。
(13)面心立方構造を有する圧延金属箔を、面心立方構造の単位格子の基本結晶軸<100>が金属箔の厚さ方向と箔面内の一方向の2つの直交軸に対して、方位差10°以内にある優先配向領域が、面積率で50%以上を占めるように、熱処理によって立方体集合組織を呈せしめる(12)に記載の可撓性回路基板の製造方法。
(14)摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲及びスライド屈曲からなる群から選ばれたいずれかの繰り返し動作を伴う屈曲部が形成される(11)〜(13)のいずれかに記載の可撓性回路基板の製造方法。
(15)屈曲部における稜線に対して直交する方向に沿って配線を形成する(11)〜(14)のいずれかに記載の可撓性回路基板の製造方法。
(16)(1)〜(8)のいずれかに記載の可撓性回路基板を搭載した電子機器。
本発明によれば、可撓性回路基板を屈曲させた際の、屈曲部の主歪み方向へのせん断すべりが容易になるので、破壊が起こり難くなるという作用効果を奏する。また、繰り返し歪に対して金属疲労が起こり難くなる。更には、応力に対して金属疲労が起こり難くなる。そのため、可撓性回路基板の設計に制約が生じず、折り曲げの繰り返しや曲率半径の小さな屈曲に対しても耐え得る強度を備えて、屈曲性に優れた可撓性回路基板を提供することができる。その結果、薄型携帯電話、薄型ディスプレー、ハードディスク、プリンター、DVD装置等をはじめ、耐久性の高い電子機器が実現可能になる。
図1は、立方晶系の結晶構造における晶帯軸と晶帯軸を中心に回転させて得られる面の関係を表す図である。 図2は、(100)標準投影図のステレオ三角形である。 図3は、可撓性回路基板を屈曲させた状態を示す断面説明図である。 図4は、可撓性回路基板における配線と金属箔の結晶軸との関係を示す平面説明図であり、(a)及び(b)は本発明に係る可撓性回路基板を示し、(c)及び(d)は従来技術の可撓性回路基板を示す。 図5は、片面銅張積層板の斜視説明図である。 図6は、本発明の実施例において片面銅張積層板から試験用可撓性回路基板を得る様子を示す平面説明図である。 図7は、本発明の実施例における金属箔のEBSP法による方位マッピング像を示す。 図8は、MIT屈曲試験装置の説明図である。 図9(a)はIPC屈曲試験装置の説明図であり、図9(b)はIPC屈曲試験に用いた試験用可撓性回路基板のX-X'断面図である。
本発明の可撓性回路基板が備える配線は、立方晶系の結晶構造を有する金属からなる金属箔によって形成される。立方晶系の結晶構造を有する金属として、例えば面心立方晶の場合、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、ロジウム、パラジウム、白金、金などが知られており、また、体心立方晶の場合、鉄、クロム、モリブデン、タングステンなどが知られおり、これらはいずれであってもよいが、金属箔としての利用性から銅、アルミニウム及びニッケルが好適であり、なかでも、可撓性回路基板の配線として主に使用される銅箔が最も一般的である。また、金属箔は圧延箔又は電解箔のいずれであってもよいが、好ましくは圧延箔であるのがよく、例えば銅箔の場合には、厚さが5〜100μm、有利には5〜20μm、更に有利には5〜12μmの圧延銅箔であるのがよい。なお、圧延銅箔は、合金元素を含んでもよいが、完全固溶体であることが望ましい。
本発明の可撓性回路基板内で回路を形成する金属箔は、立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、[001]を晶帯軸として(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなしている必要がある。ここで、晶帯軸と面方位の関係を図1に示す。(20 1 0)と(1 20 0)は、[001]を共通軸、すなわち晶帯軸とした関係にあり、[001]を軸とした(100)から(110)へ〔(100)から(010)へ〕の回転面内にある。すなわち、これを断面P法線方位に対する逆極点図上に示すと、(001)、(20 1 0)、(110)の各面は、図2に示すようになる。対称性から、逆極点図上では、(1 20 0)は(20 1 0)と同じ位置に表される。本発明における金属箔の金属は立方晶である。その単位格子の結晶軸は、[100]、[010]、[001]であるが、本発明では、金属箔の厚さ方向(金属箔の表面に対して垂直方向)に<100>優先方位がある場合、この軸を[001]、すなわち箔面方位を(001)として表記するが、立方晶の対称性からこれらの軸を入れ替えても等価であり、勿論これらは本発明に含まれる。
また、本発明における金属箔は必ずしも単結晶である必要はないが、少なくとも屈曲部においては、3次元的に優先配向して集合組織を形成している必要がある。そして、優先配向の中心にある結晶方位を集合組織の主方位と呼ぶものとする。集合組織の優先配向の優先度、すなわち配向度又は集積度を表す指標は幾つかあるが、本発明では、X線回折強度、及び電子線回折で得られる局所的な三次元方位データの統計データを用いた客観的なデータに基づいた指標を用いる。本発明における金属箔の優先配向度の範囲は、以下で説明するとおりである。
本発明の可撓性回路基板の典型的な形態は、その回路を構成する金属箔の試料座標系に対して、金属箔の三次元結晶方位が規定され、その望ましい集合組織の集積度は、下記の範囲に規定される。すなわち、立方晶の金属が、少なくとも屈曲部において、金属の単位格子の基本結晶軸の一つ、例えば[001]軸が、金属箔の厚さ方向(金属箔の表面に直交する方向)に対し、方位差で10°以内にある領域が面積比で50%以上、望ましくは75%以上、更に望ましくは98%以上を占めるような優先配向を呈し、かつ、金属箔の表面(主面又は箔面ともいう)に対して水平方向の箔面内において、他の基本結晶軸を主方位とし、主方位から方位差で10°以内にある領域が面積比で50%以上、望ましくは85%以上、更に望ましくは99%以上を占めるような優先配向を呈するのが良い。そして、箔面内の主方位が、屈曲部の主歪み方向、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対して(配線断面Pに対する垂線に対して)、2.9°〜87.1°〔(20 1 0)〜(1 20 0)〕の角度を有することが必要であり、好ましくは5.7°〜84.3°〔(10 1 0)〜(1 10 0)〕の角度、より好ましくは11.4°〜78.6°〔(510)〜(150)〕の角度、更に好ましくは26.6°〜63.4°〔(210)〜(120)〕の角度、最も好適には30°又は60°〔(40 23 0)、又は(23 40 0)〕であることが望ましい。なお、〔 〕内は、それぞれの角度に対応する断面Pの面方位を表す。
本発明によれば、回路を屈曲させた際、屈曲部の主応力方向へのせん断すべりが容易になり、破断伸びが大きくなり、破壊が起こり難く、また繰り返しの歪み、もしくは応力に対して、金属疲労が起こり難くなり、屈曲性の高い可撓性回路基板が得られる。すなわち、本発明の可撓性回路基板の好適な例は金属箔が面心立方構造を有して、金属箔の主面が(001)を主方位として優先配向し、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、(20 1 0)から(1 20 0)の間の特定方位に主方位を有して優先配向し、好ましくは(10 1 0)から(1 10 0)の間の特定方位に主方位を有して優先配向し、より好ましくは(510)から(110)の間の特定方位に主方位を有して優先配向し、更に好ましくは(210)から(110)の間の特定の方位に主方位を有して優先配向し、最も好適には(40 23 0)近傍に中心方位を持って優先配向していることが望ましい。箔面が(001)を主方位として優先配向している金属箔の場合、箔面内のその他の単位格子軸(100)と(010)は等価であって、本発明における可撓性回路基板の屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pの主方位は、(1 20 0)から(110)の間の特定方位と記述することも出来、好ましくは(120)から(110)の間の特定の方位に主方位を有して優先配向し、最も望ましくは(23 40 0)近傍に主方位を持って優先配向していることが望ましいと記述することも可能である。
ここで、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pとは、例えば図3に示すように、可撓性回路基板をU字状に屈曲させるとその外側に稜線Lが形成されるが、この稜線Lから可撓性回路基板の厚み方向dに切った際に得られる断面のうち配線部分のものを言う。また、稜線Lとは、可撓性回路基板を屈曲させた状態で、その折り曲げ方向(図3中の太矢印)に沿って可撓性回路基板の断面を見た場合に形成される頂点を結んだ線である。なお、例えば後述する摺動屈曲など、稜線Lが可撓性回路基板を移動するような場合も含まれる。また、図3では、樹脂層1が外側であり、配線2が内側に屈曲された状態を表すが(曲率半径を有する円が内接する側を内側とする)、配線2が外側になる折り曲げ方であってもよいことは勿論である。
様々な用途において、ある曲率の強制変位を受けるとき、金属箔は、主として引張、又は圧縮の応力を受ける。屈曲を受けた可撓性回路基板の中で、どの部分が引張又は圧縮を受けるかは、金属箔と樹脂の構成にもよるが、引張と圧縮の中立軸(あるいは中立面)より屈曲の外側である、最も遠い部分が金属の破壊で過酷であることが一般的であり、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向への引張応力が主応力となる。すなわち、屈曲部における配線の主応力方向は、図3中に矢印21で示した方向であり、典型的には、屈曲部の稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面Pに対する法線方向と等しく、金属箔の厚み方向に配向した[001]軸と垂直に交わる方向である。
本発明では、屈曲部の稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面Pに対する法線21が、金属箔面内の基本結晶軸<100>と2.9〜45°の角度を有するようにとる。ただし、結晶の対称性から、本発明の範囲として、屈曲部の稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面Pに対する法線21に対して、金属箔面内の基本結晶軸<100>が2.9〜87.1°の角度を有するように配線を形成すると記述することが出来る。また、屈曲部の稜線と稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面Pに対する法線21とは直交し、また金属箔面内の主方位[100]と[010]は直交することから、本発明の範囲として、金属箔の稜線に対して、金属箔面内の基本結晶軸<100>が2.9〜87.1°の角度を有するように配線を形成すると記述することも出来る。
可撓性回路基板内の金属箔の機械特性を考える時、図3中の矢印21で示した主応力方向に金属箔を単純引張したときの応力歪み特性が重要な特性となる。ここで、図4(c)及び(d)の例に示すように、仮に立方晶系の結晶構造を有する金属箔の[100]軸に対して直交する稜線が形成されるように屈曲させた場合、屈曲部での稜線から可撓性回路基板の厚み方向に切った配線の断面は(100)面になるが、本発明者等は、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、図1に示すように、[001]を晶帯軸として(100)から(010)までの回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲(図中の両矢印)に含まれたいずれかの面に主方位をなしていれば、配線の屈曲疲労寿命が延びるという新たな知見を得た。このような屈曲疲労特性の向上がより顕著になる観点から言えば、配線の断面Pが(10 1 0)から(1 10 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなしているのが好ましく、(510)から(150)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなしているのがより好ましく、(210)から(120)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなしているのが更に好ましく、最も好適には(40 23 0)もしくは(23 40 0)に主方位をなしているのが良い。なお、図1では(20 1 0)から(1 20 0)の範囲を示したが、立方晶系の結晶構造ではこの範囲に含まれる面と等価な面が存在する。そのため、配線の断面が(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれる面と符号の異なる等価な面については本発明に含まれる。
本発明においては、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、(20 1 0)から(1 20 0)の間の特定方位に主方位を有して優先配向することで、繰り返しの屈曲に対して疲労特性が優れるのは、断面Pの法線方向、すなわち主応力方向に引張応力を引加した時、例えば面心立方構造を有する金属では、すべり面である8つの{111}のなかでも、シュミット因子が最も大きな主すべり面が4面となることから、せん断滑りが良好になり、局所的な加工硬化が起こり難くなるためである。通常の圧延銅箔では、金属箔の長手方向が圧延方向に相当し、図4(c)や(d)に示すように、その主方位<100>に沿って回路を形成するのが通常である。例えば、特許文献5の実施例は、図4(d)の形態に相当する。このように、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面方位を(100)にすると、屈曲させた際、8つのすべり面のシュミット因子が等価となって8つのすべり系が同時に働き、局所的に転位が蓄積し易くなる。このような従来技術との差異のために、本発明の形態をとる可撓性回路基板の耐屈曲特性は、通常の形態に比較して優れる。
本発明の可撓性回路基板における断面Pに関し、最も望ましい方位は、屈曲部の主歪み方向、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対して30°又は60°であるが、これは応力方向が、引張の安定方位と一致するためである。以上の機構を考えた時、金属箔の厚さ方向が必ずしも[001]主方位になっている必要は無く、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、[001]を晶帯軸として、(20 1 0)から(1 20 0)の間の特定方位に主方位を有して優先配向を有していれば良い。
本発明において、金属箔は必ずしも単結晶である必要はないが、これまで述べたような効果を得るためには、3次元的に優先配向した集合組織を形成し、その集積度は高いほうが望ましい。例えば金属箔が銅箔の場合、X線回折で求めた上記晶帯軸と垂直な(002)からの強度(I)(ここでは、X線回折における一般的な表記方法に従い(200)面の強度としている)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0≧25である銅箔から所定のパターンを有する配線を形成するがよく、好ましくはI/I0が33〜150の範囲、より好ましくは50〜150の範囲であるのがよい。ここで、パラメータI/I0は(100)と(110)の晶帯軸、すなわち共通軸[001]の配向度を表すものであり、立方体集合組織の発達度を表す客観的な一指標である。そして、金属箔が圧延銅箔の場合、これを一定以上の圧延率で強加工をおこなって、その後、熱を加えて再結晶させると、圧延箔面を(001)主方位、箔面内圧延方向を(100)主方位とする再結晶立方体方位が発達する。銅の再結晶集合組織である立方体方位が発達するほど、銅箔の屈曲疲労寿命が向上する。本発明の可撓性回路基板では、I/I0が25より小さいと配線の屈曲疲労寿命の向上が十分に望めず、I/I0が33以上であれば屈曲疲労寿命の向上が顕著になる。ただし、I/I0が150を超えると、後述するように、再結晶集合組織を得るために例えば焼鈍を行った場合、結果的に熱履歴が大きくなりすぎることになり、配線以外の樹脂層や配線と樹脂層との界面状態に悪影響を及ぼすおそれがある。なお、銅箔の厚み方向のX線回折とは、銅箔の表面(圧延銅箔の場合は圧延面)における配向性を確認するものであり、(200)面の強度(I)はX線回折で求めた(200)面の強度積分値を示す。また、強度(I0)は、微粉末銅(関東化学社製銅粉末試薬I級、325メッシュ)の(200)面の強度積分値を示す。
I/I0を25以上にするためには、銅箔の再結晶集合組織が得られるようにすればよく、この手段については特に制限はないが、例えば上記特許文献4に記載されるように、最終冷間圧延の直前の焼鈍をこの焼鈍で得られる再結晶粒の平均粒径が5〜20μmとなるような条件で行い、次の最終冷間圧延での圧延加工度を90%以上とすることで、I/I0≧25の圧延銅箔を得ることができる。また、例えば樹脂層と圧延銅箔とを積層させて銅張り積層板を得た後、銅箔に300〜360℃の温度が積算時間で5分以上負荷されるような加熱条件を経ることにより、銅箔の再結晶集合組織を得るようにしてもよい。
また、集合組織を3次元的な集積度で規定するために、集合組織の主方位に対して10°以内に入る優先配向領域の面積率を用いて特定することもできる。すなわち、金属箔の所定の面がどのような結晶方位を有するかについては、例えばEBSP(Electron Back Scattering Pattern)法、ECP(Electron Channeling Pattern)法等の電子線回折法やマイクロラウエ法等のX線回折法等により確認することができる。なかでも、EBSP法は、測定対象である試料表面に収束電子ビームを照射した際に発生する個々の結晶面から回折される擬菊池線と呼ばれる回折像から結晶を解析し、方位データと測定点の位置情報から測定対象の結晶方位分布を測定する方法であり、X線回折法よりもミクロな領域の集合組織の結晶方位を解析することができる。例えば、個々の微小領域でその結晶方位を特定し、それらをつなぎあわせてマッピングすることができ、各マッピング点間の面方位の傾角(方位差)が一定値以下のものを同色で塗り分け、ほぼ同一の面方位を有する領域(結晶粒)の分布を浮かび上がらせることにより方位マッピング像を得ることができる。また、特定の面方位に対して所定の角度以内の方位を有する方位面を含めてその方位であると規定し、各面方位の存在割合を面積率で抽出することもできる。
EBSP法では、ある特定の方位から、特定の角度以内にある領域の面積率を出すためには、少なくとも本発明の可撓性回路基板における回路屈曲領域より大きな領域で、面積率を出すために十分な点数になるように細かく電子線を走査して、その平均的な情報を得る必要があるが、本発明で対象とする金属箔では、対象とする回路の大きさから考えて、0.005mm2以上の領域において、平均的な面積率を出すために1000点以上測定すればよい。
本発明において、金属箔の箔面が(001)を主方位として優先配向し、かつ屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、(20 1 0)から(1 20 0)の間の特定方位に主方位を有するということは、図2に示す(100)標準投影図のステレオ三角形(stereo triangle)上で逆極点表示したとき、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面方位が、(20 1 0)を表す点と(110)を表す点とで結ばれた線分上にあるいずれかの面であると言うこともできる。また、本発明の可撓性回路基板は、金属箔の厚み方向が[001]軸である3(2)軸配向した材料から配線を形成し、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線が、箔面内における[100]軸との間に2.9°から87.1°の範囲の角度を有するものと言うこともできる。
本発明における可撓性回路基板の樹脂層について、樹脂層を形成する樹脂の種類は特に制限されず、通常の可撓性回路基板で使用されるものを挙げることができ、例えばポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等を例示することができる。なかでも、回路基板とした場合に良好な可撓性を示し、かつ、耐熱性にも優れることから、ポリイミドや液晶ポリマーが好適である。
樹脂層の厚さは、可撓性回路基板の用途、形状等に応じて適宜設定することができるが、可撓性の観点から5〜75μmの範囲であるのが好ましく、9〜50μmの範囲がより好ましく、10〜30μmの範囲が最も好ましい。樹脂層の厚さが5μmに満たないと、絶縁信頼性が低下するおそれがあり、反対に75μmを超えると小型機器等へ搭載する場合に回路基板全体の厚みが厚くなり過ぎるおそれがあり、屈曲性の低下も考えられる。
樹脂層と金属箔とを積層させる手段については、例えば樹脂層がポリイミドからなる場合、ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミドを塗布し又は介在させて金属箔を熱ラミネートするようにしてもよい(所謂ラミネート法)。ラミネート法で用いられるポリイミドフィルムとしては、例えば、”カプトン”(東レ・デュポン株式会社)、”アピカル”(鐘淵化学工業株式会社)、”ユーピレックス”(宇部興産株式会社)等が例示できる。ポリイミドフィルムと金属箔とを加熱圧着する際には、熱可塑性を示す熱可塑性ポリイミド樹脂を介在させるのがよい。また、樹脂層の厚みや折り曲げ特性等を制御しやすい観点から、金属箔にポリイミド前駆体溶液(ポリアミド酸溶液ともいう)を塗布した後、乾燥・硬化させて積層体を得てもよい(所謂キャスト法)。
樹脂層は、複数の樹脂を積層させて形成してもよく、例えば線膨張係数等の異なる2種類以上のポリイミドを積層させるようにしてもよいが、その際には耐熱性や屈曲性を担保する観点から、エポキシ樹脂等を接着剤として使用することなく、樹脂層のすべてが実質的にポリイミドから形成されるようにするのが望ましい。
本発明の可撓性回路基板では、樹脂層の線膨張係数が10〜30ppm/℃の範囲となるようにするのが好ましい。樹脂層が複数の樹脂からなる場合には、樹脂層全体の線膨張係数がこの範囲になるようにすればよい。このような条件を満たすためには、例えば、線膨張係数が25ppm/℃以下、好ましくは5〜20ppm/℃の低線膨張性ポリイミド層と、線膨張係数が26ppm/℃以上、好ましくは30〜80ppm/℃の高線膨張性ポリイミド層とからなる樹脂層であって、これらの厚み比を調整することによって10〜30ppm/℃のものとすることができる。好ましい低線膨張性ポリイミド層と高線膨張性ポリイミド層の厚みの比は70:30〜95:5の範囲である。また、低線膨張性ポリイミド層は、樹脂層の主たる樹脂層となり、高線膨張性ポリイミド層は金属箔と接するように設けることが好ましい。なお、線膨張係数は、イミド化反応が十分に終了したポリイミドを試料とし、サーモメカニカルアナライザー(TMA)を用いて250℃に昇温後、10℃/分の速度で冷却し、240〜100℃の範囲における平均の線膨張係数から求めることができる。
また、本発明における可撓性回路基板は、樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、いずれかに屈曲部を有して使用されるものである。すなわち、ハードディスク内の可動部、携帯電話のヒンジ部やスライド摺動部、プリンターのヘッド部、光ピックアップ部、ノートPCの可動部などをはじめ各種電子・電気機器等で幅広く使用され、回路基板自体が折り曲げられたり、ねじ曲げられたり、或いは搭載された機器の動作に応じて変形したりして、いずれかに屈曲部が形成されるものである。特に、本発明の可撓性回路基板は屈曲耐久性に優れた屈曲部構造を有することから、摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲、スライド屈曲等の繰り返し動作を伴い頻繁に折り曲げられたりする場合や、或いは搭載される機器の小型化に対応すべく、曲率半径が折り曲げ挙動で0.38〜2.0mmであり、摺動屈曲で1.25〜2.0mmであり、ヒンジ屈曲で3.0〜5.0mmであり、スライド屈曲で0.3〜2.0mmであるような厳しい使用条件の場合に好適であり、0.3〜1mmの狭いギャップで屈曲性能の要求が厳しいスライド用途において特に効果を発揮する。
本発明における可撓性回路基板の製造方法の一つは、[001]軸が最終的に箔面法線(金属箔の表面に対する垂線)に配向する立方体集合組織を呈する圧延金属箔と樹脂層とが金属箔の箔面で貼り合わされた複合体を製造し、設計上の屈曲の主応力方向、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向を、金属箔面内の[100]主方位に対して2.9°〜87.1°の角度を有して屈曲部の稜線が形成されるように配線すればよい。金属箔は、必ずしも始めから立方体集合組織を呈している必要な無く、熱処理によって立方体集合組織が形成するようにしてもよく、例えば可撓性回路基板の製造過程、具体的には樹脂層の形成過程で熱処理されて、立方体集合組織が形成するようにしてもよい。すなわち、熱処理することで、<100>軸から方位差10°以内の領域が面積比50%以上を占めるように、単位格子の基本結晶軸<100>のひとつを金属箔の厚さ方向に優先配向させると共に、<100>軸から方位差10°以内の領域が面積比50%以上を占めるように、基本結晶軸<100>の別のひとつを金属箔の表面に対して水平方向に優先配向させるようにすればよい。圧延銅箔の再結晶集合組織は、通常、圧延面方位が{100}であり、圧延方向が<100>である。したがって、圧延面方位として(001)主方位が形成されるので、屈曲部における稜線が、金属箔の面内の基本結晶軸<001>のひとつと2.9〜87.1°の角度を有するように、すなわち、圧延方向に2.9°〜87.1°の角度を有して屈曲部の稜線が形成されるように配線すればよい。
図3に示すように、例えば可撓性回路基板をU字状に屈曲させると、その外側(曲率半径を有した内接円が形成される方とは反対側)に稜線Lが形成されるが、この稜線Lが、配線を形成する金属箔の[100]軸と直交した状態からα=2.9〜87.1(°)の範囲で傾きを有するようにすればよい。このような状態の例を図4の(a)及び(b)に示す。ちなみに、図4の(c)及び(d)は[100]軸に対し稜線が直交した状態(α=0)である。ここで、αが2.9°未満であると屈曲性において明確な効果が確認されない。α=11.4〜78.6(°)であれば屈曲部構造の屈曲耐久性がより一層向上する。なお、本発明においては、上記α=2.9°の場合に稜線から厚みd方向に切った際の配線の断面Pは(20 1 0)面に相当し、α=45の場合には断面Pが(110)面に相当し、α=87.1の場合には断面Pが(1 20 0)面に相当する。また、立方晶においては、[100]と[010]は等価であるから、図4(a)及び(b)に示すような[100]の箔面内直交軸と稜線のなす角αの角度範囲は、[100]と断面P法線のなす角度範囲、及び[100]と稜線のなす角度範囲と一致する。
配線の幅、形状、パターン等については特に制限はなく、可撓性回路基板の用途、搭載される電子機器等に応じて適宜設計すればよいが、本発明の屈曲部構造は屈曲耐久性に優れることから、例えば配線に対する曲げ応力を小さくするためにヒンジ部の回動軸に対して斜め方向に配線するようなことをあえてする必要がなく、屈曲部における稜線に対して直交する方向に沿った配線、すなわち必要最小限の最短距離での配線が可能である。例えば、図4(a)及び(b)は、携帯電話のヒンジ部等に使用される可撓性回路基板であり、樹脂層1と金属箔から形成した配線2とコネクタ端子3とを有する例である。図4(a)及び(b)のいずれも、中央付近に屈曲部における稜線Lの位置を示しており、この稜線Lは、配線2を形成する金属箔の[100]軸方向に対して(90+α)°の角度を有する。ここで、図4(a)は、両端のコネクタ端子3の途中、稜線L付近で配線が斜めに形成された例であるが、図4(b)のようにコネクタ端子3間を最短距離で配線することも可能である。なお、折り畳み式携帯電話等のように、屈曲部における稜線Lの位置が固定される場合のほか、スライド式携帯電話等のように屈曲部における稜線Lが移動するようなスライド摺動屈曲(図4(b)に記した太線矢印方向)であってもよい。
また、本発明における可撓性回路基板は、樹脂層の少なくとも片面に金属箔からなる配線を備えるが、必要に応じて樹脂層の両面に金属箔を備えるようにしてもよい。この際、いずれの金属箔とも屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、本発明で言う所定の面となるようにするのが望ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明をより具体的に説明する。なお、実施例等で用いた銅箔の種類及びポリアミド酸溶液の合成は次のとおりである。
[銅箔A]
日鉱金属株式会社製圧延銅箔(商品名BHYA-72F-HA)、厚さ12μm。
[銅箔B]
福田金属株式会社製圧延銅箔(商品名ROFD-T4X)、厚さ12μm。
[銅箔C]
日鉱金属株式会社製圧延銅箔(商品名BHY-22B-T)、厚さ18μm。
[銅箔D]
古河サーキットフォイル株式会社製電解銅箔(商品名U-WZ)、厚さ9μm。
[ポリアミド酸溶液の合成]
(合成例1)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸aの樹脂溶液を得た。このポリアミド酸aの樹脂溶液の溶液粘度は3,000cpsであった。
(合成例2)
熱電対及び攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、N,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m−TB)を投入した。次に3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)及びピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率(BPDA:PMDA)が20:80となるように投入した。その後、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸bの樹脂溶液を得た。このポリアミド酸bの樹脂溶液の溶液粘度は20,000cpsであった。
[実施例1]
銅箔Aに上記で準備したポリアミド酸溶液aを塗布し、乾燥させ(硬化後は膜厚2μmの熱可塑性ポリイミドを形成)、そのうえにポリアミド酸bを塗布し、乾燥させ(硬化後は膜厚12μmの低熱熱膨張性ポリイミドを形成)、更にその上にポリアミド酸aを塗布し乾燥させ(硬化後は膜厚2μmの熱可塑性ポリイミドを形成)、300〜360℃の温度が積算時間で5分以上負荷されるような加熱条件を経て3層構造からなるポリイミド層を形成した。次いで、銅箔Aの圧延方向(MD方向)に沿って長さ250mm、圧延方向に対して直交する方向(TD方向)に幅150mmの長方形サイズとなるように切り出し、図5に示すように、厚さ16μmのポリイミド層(樹脂層)1と厚さ12μmの銅箔2とを有した片面銅張積層板4を得た。
得られた片面銅張積層板4について、銅箔2の圧延面2aのX線回折で得た(200)面の強度積分値から強度(I)を求め、この値を予め測定しておいた純微粉末銅(関東化学社製銅粉末試薬I級、325メッシュ)の(200)面の強度積分値から求めた強度(I0)で割り、I/I0を計算したところ61であった。なお、X線回折には極点図測定装置RINT−2000型(理学電機社製)を用い、Mo−Kαターゲットを用い管電圧60kV、管電流200mAの条件でそれぞれの(200)面の強度積分値を求め、純銅粉固化体回折強度に対する倍率から強度比を求めた。
また、日立製作所製FE−SEM(S-4100)を用いて、EBSPによる銅箔の圧延面2aの結晶方位を測定した。測定領域はおよそ150μm×75μmの領域であり、測定時加速電圧20kV、測定ステップ間隔0.5μmとした。EBSPの測定及び解析には、TSL社製OIM Analysis 5.2とEBSP解析ソフトOIM4.6を用いた。また、得られた銅張積層板の表面をポリッシャー(SM09010:JEOL)でイオン研磨し、銅箔圧延面2aの結晶方位を確認したところ逆極点図において(001)面への強い配向性が確認された。また、EBSP測定において、特定の方位面に対し10°以内の方位を有する方位を抽出したところ、(001)面の面積割合が全測定面積の50%以上を占めたことから、この圧延面2aは(001)面が支配的であった。図7(a)はこの際得られた圧延面2aの箔面方位の逆極点マッピング像である。図7(c)はマッピングのカラーコンターである。同様にして銅箔2の圧延(MD)方位の結晶方位を解析したところ、(100)面への強い配向性が確認され、また、(100)面の面積割合が全測定面積の50%以上を占めたことから、圧延(MD)方位は(100)面が支配的であった。図7(b)は銅箔のMD方位の逆極点マッピング像である。これらの結果より、銅箔2の圧延面2a及び側面2bがいずれも{100}面が支配的であることから、銅箔2の圧延方向(MD方向)に沿って主に銅の[100]軸を有すると言うことができる。なお、実施例等では特に断りのない限り、MD主方位面を(100)と表記し、また、MD主方位を[100]と表記する。
そして、上記で得られた片面銅張積層板4の銅箔2側に所定のマスクを被せ、塩化鉄/塩化銅系溶液を用いてエッチングを行い、図6に示すように、線幅(l)150μmの直線状の配線2の配線方向H(H方向)がMD方向([100]軸)に対して45°の角度を有するようにし、かつ、スペース幅(s)250μmで配線パターンを形成した。そして、後述する耐屈曲試験用のサンプルを兼ねるように、JIS 6471に準じて、回路基板の配線方向Hに沿って長手方向に15cm、配線方向Hに直交する方向に幅1.5cmを有する試験用可撓性回路基板5を得た。
上記で得られた試験用可撓性回路基板5を用い、JIS C5016に準じてMIT屈曲試験を行った。装置は東洋精機製作所製(STROGRAPH-R1)を使用し、試験用可撓性回路基板5の長手方向の一端を屈曲試験装置のくわえ治具に固定し、他端をおもりで固定して、くわえ部を中心として、振動速度150回/分の条件で左右に交互に135±5度ずつ回転させながら、曲率半径0.8mmとなるように屈曲させ、回路基板5の配線2の導通が遮断されるまでの回数を屈曲回数として求めた。この際、図6に示すように、屈曲部に形成される稜線Lが試験用可撓性回路基板5の配線2の配線方向Hに対して直交するようにして試験を行ったところ、屈曲回数2200回目に配線2が屈曲部の稜線L付近で破線したことが確認された。結果を表1に示す。
ここで、本実施例に係る試験用可撓性回路基板5では、銅の[100]軸に対して配線方向Hが45°傾くようにして配線2を形成しており、この屈曲試験における稜線Lから回路基板5の厚み方向に切った際の配線2の断面は(110)面であると言うことができる。すなわち、本実施例では圧延面2aが(001)面であり、側面2bが(010)面であることから、この銅箔の結晶組織は、立方晶が銅箔面のMD方向([100]軸)に並んでいるということができ、また、表2に示すように、立方晶の場合の(100)面と(h222)面との間の角度の関係は知られていることから、本実施例における稜線Lから回路基板5の厚み方向に切った断面は(110)面であると言うことができる。なお、表2中の数値はPhys.Rev.26,390(1925)より引用した。
Figure 2010034541
Figure 2010034541
[実施例2〜5]
銅箔Aに対し、実施例1と同様にしてポリイミド層を形成し、片面銅張積層板4を得た。そして、得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備した。得られた回路基板5を用いて実施例1と同様にしてMIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例6〜8]
銅箔Aの表面処理面にポリイミド層を形成する際の加熱条件において、加熱積算時間を2分にした以外は実施例1と同様にして、実施例6〜8に係る片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ43であった。また、得られた片面銅張積層板4について、実施例1と同様にして、EBSP法により銅箔の圧延面2a方位(MD方位)及び側面2b方位(TD方位)の結晶方位を解析したところ、いずれも{100}面が支配的であったことから、これら実施例6〜8に係る片面銅張積層板4は、銅箔2の圧延方向(MD方向)は銅の[100]軸を有することが確認された。
そして、上記で得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備した。得られた回路基板5を用い、実施例1と同様にしてMIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例9〜11]
銅箔Bを用い、かつ、銅箔Bの表面処理面にポリイミド層を形成する際の加熱条件における加熱積算時間を2分にした以外は実施例1と同様にして、実施例9〜11に係る片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ33であった。また、これら片面銅張積層板4について、実施例1と同様にして、EBSP法により銅箔の圧延面2a及び側面2bの結晶方位を解析したところ、いずれも(100)面が支配的であったことから、実施例9〜11に係る片面銅張積層板4は、銅箔2の圧延方向(MD方向)は銅の[100]軸を有することが確認された。
そして、上記で得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備した。得られた回路基板5を用い、実施例1と同様にしてMIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例1〜3]
実施例1と同様にして得た片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すようにした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備した。得られた回路基板5を用いて実施例1と同様にしてMIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
銅箔Aの表面処理面にポリイミド層を形成する際の加熱条件において、加熱積算時間を2分にした以外は実施例1と同様にして片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ43であった。また、実施例1と同様にして銅箔の圧延面2a方位(MD方位)及び側面2b方位(TD方位)の結晶方位を解析したところ、いずれも(100)面が支配的であり、これらの片面銅張積層板4は、銅箔2の圧延方向(MD方向)は銅の[100]軸を有することが確認された。そして、得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すように0°にした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備し、MIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
銅箔Bを用い、かつ、銅箔Bの表面処理面にポリイミド層を形成する際の加熱条件における加熱積算時間を2分にした以外は実施例1と同様にして、各片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ33であった。また、実施例1と同様にして圧延面2a方位(MD方位)及び側面2b方位(TD方位)の結晶方位を解析したところ、いずれも(100)面が支配的であり、これらの片面銅張積層板4は、銅箔2の圧延方向(MD方向)は銅の[100]軸を有することが確認された。そして、得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すように0°にした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備し、MIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例6]
銅箔Cを用いた以外は実施例1と同様にして各片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ10であった。そして、得られた片面銅張積層板4について、MD方向に対する配線方向Hの角度を表1に示すように0°にした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備し、MIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[比較例7]
銅箔Dを用いた以外は実施例1と同様にして各片面銅張積層板4を得た。得られた各片面銅張積層板4について、実施例1と同様にしてI/I0を求めたところ7であった。そして、得られた片面銅張積層板4について、MD方向([100]軸)に対する配線方向Hの角度を表1に示すように0°にした以外は実施例1と同様にして、各試験用可撓性回路基板5を準備し、MIT屈曲試験を行った。結果を表1に示す。
[実施例12]
純度99.9mass%であり、厚さ12μmの圧延銅箔Eに、合成例1と同じ方法で準備したポリアミド酸溶液aを塗布して乾燥させ(硬化後は膜厚2μmの熱可塑性ポリイミドを形成)、その上にポリアミド酸bを塗布して乾燥させ(硬化後は膜厚12μmの低熱熱膨張性ポリイミドを形成)、更にその上にポリアミド酸aを塗布して乾燥させ(硬化後は膜厚2μmの熱可塑性ポリイミドを形成)、180〜240℃の温度が積算時間で10分付加されるような加熱条件を経てポリイミド層を形成した。
次いで、銅箔の圧延方向(MD方向)に沿って長さ250mm、圧延方向に対して直交する方向(TD方向)に幅150mmの長方形サイズとなるように切り出し、厚さ12μmのポリイミド層(樹脂層)1と厚さ12μmの銅箔2とを有した片面銅張積層板4を得た。上記で得られた片面銅張積層板4の銅箔側に所定のマスクを被せ、塩化鉄/塩化銅系溶液を用いてエッチングを行い、IPC規格に基づき、線幅150μm及びスペース幅250μmの直線状の配線を有した低速IPC試験用回路2を形成した。この製造過程において、ポリイミド層の形成の際の加熱条件の最高温度を180℃(条件A)、200℃(条件B)、220℃(条件C)、及び240℃(条件D)の4水準とし、また、直線状の配線2の配線方向(H方向)が圧延方向(MD方向)に対して0°、2°、2.9°、5.7°、9.5°、11.4°、14°、18.4°、25°、26.6°、30°、40°、45°、55°、60°、63.4°、78.6°、80°、82.9°、87.1°、88°、及び90°の22水準の角度を有するように、それぞれ配線パターンを形成した。次いで、それぞれの回路側の面に、エポキシ系接着剤を用いてカバー材7(有沢製作所製 CVK-0515KA:厚さ12.5μm)を積層した。接着剤からなる接着層6の厚さは、銅箔回路のない部分では15μmであり、銅箔回路が存在する部分では6μmであった。そして、配線方向(H方向)に沿って長手方向に15cm、配線方向に直交する方向に幅8mmとなるように切り出して、IPC試験サンプルとするための試験用可撓性回路基板を得た。
また、EBSPによる組織解析を行なうための試料として、AからDの熱処理条件で作製した片面銅張積層板について、圧延方向に対して、0°、2.9°、30°、63.4°、及び78.6°の5つの角度で切り出した配線パターンの無い試料、合計20枚を作製した。IPC試験サンプルと熱履歴を揃えるために、回路形成エッチングと同じ模擬的な熱処理を加え、同じ条件でカバー材を積層した。ただし、銅箔組織に対するこれらの影響は軽微であり、ポリイミド形成時のA〜Dの熱処理条件によって、銅箔組織が決まることが後に判明している。
そして、上記のとおりEBSP測定用に作製した4水準の熱処理条件、5水準の角度条件を有する20枚の銅箔Eを基板厚さ方向に研磨し、研磨前の箔面と水平な面を有するようにして、銅箔Eの箔面を露出させた。更にコロイダルシリカを用いて仕上げ研磨して、銅箔Eの組織をEBSPで評価した。測定領域は0.8mm×1.6mmであり、測定間隔は4μmとした。すなわち、1領域の測定点数は80000点である。その結果、条件Aから条件Dの熱処理条件で熱処理した試料はいずれも立方体集合組織を形成しており、銅箔面方位、圧延方向に{001}<100>の主方位を有していることがわかった。そして、得られた結果を基に、銅箔の厚さ方向と圧延方向に対し、単位格子軸<001>が10°以内になっている点の数をカウントし、全体の点数に対する割合を計算し、平均値を求めた。その結果を表3に示す。同じ加熱条件における試料間のばらつきは1%以下であり、同じ熱処理条件では、銅箔全面に渡って表3に示した集積度を有しているといえる。最高熱処理温度が高く、熱履歴が大きいほど再結晶が進行し、立方体再結晶集合組織の集積度は高くなっていることが分った。また、箔面内の方位解析を行なった結果、圧延方向に対して0°、2.9°、30°、63.4°、及び78.6°の5つ角度で切り出した試料の切り出し方向の主方位は、[100]、[20 1 0]、[40 23 0]、[120]、[150]を有しており、ほぼ所定通りであった。
Figure 2010034541
IPC試験は、図9にその模式図を示したように、携帯電話等に使用される屈曲形態のひとつであるスライド屈曲を模擬した試験である。IPC試験は、図9のように、決められたギャップ長8で屈曲部を設け、片側を固定部9で固定し、反対側のスライド稼動部10を図のように繰り返し往復運動させる試験である。したがって、往復運動させる部分のストローク量に応じた領域において、基板は繰り返しの屈曲を受ける。本実施例では、ポリイミド層(樹脂層)1を外側にして、キャップ長を1mm、すなわち屈曲半径を0.5mm、ストロークを38mmとして繰り返しスライドさせ試験を行なった。試験中、試験用可撓性回路基板の回路の電気抵抗の測定を行ない、電気抵抗の増加で銅箔回路の疲労クラックの進展の度合いをモニタリングした。本実施例では、回路の電気抵抗が初期値の2倍に達したストローク回数を回路破断寿命とした。
試験は、上記の条件A〜条件Dの4つの熱処理条件について、22水準の角度を有する配線パターンを形成した合計88水準について行なった。それぞれの試験水準では、4本の試験片について測定を行い、回路破断したストローク回数の平均を求めた。回路破断寿命後の銅箔について、スライド方向に直交するようにして銅箔を厚さ方向に切った断面を走査型電子顕微鏡で観察すると、程度の差はあるが、樹脂層側及びカバー材側のそれぞれの銅箔表面にはクラックが発生し、特に屈曲部の外側にあたる樹脂層側の銅箔表面には多数のクラックが導入されていることが観察された。
各水準の回路破断寿命の平均値を表4に示す。表4の角度欄には、回路の長さ方向(配線方向)、すなわち、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pについて、低指数方向になる場合のみ面指数も示した。
Figure 2010034541
IPC試験における疲労寿命は、回路長さ方向(配線方向)と圧延方向とのなす角、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線断面の法線方向と[100]とのなす角に大きく依存することがわかった。この方位依存性は、条件B、条件C、及び条件Dにおいて発現し、立方体方位の集積度が高いほど、繰り返し屈曲に対する疲労寿命が大きく、また、方位依存性が大きい。この方位依存性については、金属箔の厚さ方向に対し、銅の[001]が方位差10°以内にある領域がEBSP法による評価で面積比50%以上を占めるように、<001>主方位が金属箔の厚さ方向に優先配向していると共に、銅の[100]軸から方位差10°以内にある領域がEBSP法による評価で面積比50%以上を占めるように、[100]主方位が金属箔面内で優先配向している場合に発現することが確認された。特に、厚さ方向、及び圧延方向共に、それぞれ面積比75%以上、85%以上を示して立方体方位の集積度が高い条件Cの場合には、疲労寿命が大きく、また、方位依存性の効果が大きくなり、厚さ方向、及び圧延方向共に、それぞれ面積比98%以上、99%以上を示して立方体方位の集積度が極めて高い条件Dでは、更に疲労寿命が大きく、方位依存性の効果が大きいことが分った。
条件B、条件C、及び条件Dの結果を詳細に検討すると、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線断面の法線方向、すなわち主応力方向が銅箔の<100>主方位からずれていたほうが、屈曲に対する回路の疲労寿命が高い。本実施例のIPC試験において、効果が見られたのは、屈曲部の主歪み方向に対し、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対し、2.9°〜87.1°の角度を有する場合であった。これを面指数で表すと、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、[001]を晶帯軸として(20 1 0)から(110)を通り、(1 20 0)までの範囲である。なかでも効果が大きいのは、屈曲部の主歪み方向に対し、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対し、11.4°〜78.6°の角度を有する場合であった。これを面指数で表すと、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面Pが、[001]を晶帯軸として(510)から(110)を通り、(150)までの範囲である。屈曲特性は、更に屈曲部の主歪み方向に対し、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対し、26.6°〜63.4°の角度を有する場合に高くなり、最も優れるのは30°と60°の場合であった。これを面指数で表すと、断面Pが、[001]を晶帯軸として(210)から(110)を通り、(120)までの範囲であり、最も優れるのは(40 23 0)及び(23 40 0)近傍にあるときであった。
通常の圧延銅箔の使用形態である屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面方位を(100)にとった場合、屈曲させた際に8つのすべり面のシュミット因子が等価となり、8つのすべり系が同時に働き、局所的に転位蓄積し易くなる。これに対して、本発明のように、配線の断面方位を(100)以外の方位を取る特殊な形態をとった場合、8つのすべり面が、4つの主すべり系と4つの2次すべり系に分かれるため、変形初期においては、4つの主すべり系のみが働き、転位蓄積が起こり難く、疲労特性が向上するものと考えられる。最も望ましい方位は、屈曲部の主歪み方向、すなわち屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面法線方向に対し、30°又は60°であるが、これは応力方向が、引張の安定方位と一致するためである。
以上の機構を考えたとき、配線内の金属箔は、立方体集合組織を呈している必要があるが、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(21 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなしていれば良い。金属箔を箔面内で90°回転させても、対称性からこれは等価である。更に、上記の機構は、銅だけでなく同じすべり面、すべり方向を有する他の面心立方金属にも成立するため、アルミニウム、ニッケル、銀、ロジウム、パラジウム、モリブデン、タングステン等の金属箔、面心立方構造を有する合金箔にも同じ効果が出現するのは自明である。
本発明による可撓性回路基板は、各種電子・電気機器で幅広く使用することができ、回路基板自体が折り曲げられたり、ねじ曲げられたり、或いは搭載された機器の動作に応じて変形したりして、いずれかに屈曲部を有して使用するのに適している。特に、本発明の可撓性回路基板は屈曲耐久性に優れた屈曲部構造を有することから、摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲、スライド屈曲等の繰り返し動作を伴い頻繁に折り曲げられたりする場合や、或いは搭載される機器の小型化に対応すべく、曲率半径が極めて小さくなることが求められるような屈曲部を形成するような場合に好適である。そのため、本発明の可撓性回路基板は、耐久性が要求される薄型携帯電話、薄型ディスプレー、ハードディスク、プリンター、DVD装置をはじめ、各種電子機器に好適に利用することができる。
1:樹脂層
2:配線(金属箔)
2a:圧延面
2b:側面
3:コネクタ端子
4:片面銅張積層板
5:試験用可撓性回路基板
6:接着層
7:カバー材
8:ギャップ長
9:固定部
10:スライド稼動部
21:断面Pの法線方向
L:稜線
P:屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面

Claims (16)

  1. 樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板であって、
    金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなすことを特徴とする可撓性回路基板。
  2. 屈曲部での稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、(100)標準投影図のステレオ三角形において(20 1 0)を表す点と(110)を表す点とで結ばれた線分上にあるいずれかの面である請求項1に記載の可撓性回路基板。
  3. 金属箔が銅箔であり、かつ、銅箔の厚み方向のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0≧25である請求項1又は2に記載の可撓性回路基板。
  4. 金属箔が面心立方構造を有する金属からなり、面心立方構造の単位格子の基本結晶軸<100>が金属箔の厚さ方向と箔面内の一方向の2つの直交軸に対して、方位差10°以内にある優先配向領域が、面積率で50%以上を占めるように主方位を有していると共に、屈曲部の稜線から金属箔の厚み方向に切った配線断面に対する法線が、箔面内の<100>主方位と2.9〜87.1°の角度を有する請求項1又は2に記載の可撓性回路基板。
  5. 金属箔が、厚さ5〜100μmの圧延銅箔である請求項1〜4のいずれかに記載の可撓性回路基板。
  6. 摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲及びスライド屈曲からなる群から選ばれたいずれかの繰り返し動作を伴う屈曲部が形成される請求項1〜5のいずれかに記載の可撓性回路基板。
  7. 屈曲部における稜線に対して直交する方向に沿って配線が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の可撓性回路基板。
  8. 樹脂層がポリイミドからなる請求項1〜7のいずれかに記載の可撓性回路基板。
  9. 樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板の屈曲部構造であって、金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、かつ、屈曲部における稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、[001]を晶帯軸として(100)から(110)への回転方向における(20 1 0)から(1 20 0)の範囲に含まれたいずれかの面に主方位をなすことを特徴とする可撓性回路基板の屈曲部構造。
  10. 屈曲部での稜線から厚み方向に切った際の配線の断面が、(100)標準投影図のステレオ三角形において(20 1 0)を表す点と(110)を表す点とで結ばれた線分上にあるいずれかの面である請求項9に記載の可撓性回路基板の屈曲部構造。
  11. 樹脂層と金属箔から形成された配線とを備え、配線の少なくとも一箇所に屈曲部を有して使用される可撓性回路基板の製造方法であって、
    金属箔が立方晶系の結晶構造を有する金属からなり、屈曲部における稜線が、金属箔の面内の基本結晶軸<100>のひとつと2.9〜87.1°の角度を有するように配線を形成することを特徴とする可撓性回路基板の製造方法。
  12. 金属箔が銅箔であり、かつ、銅箔の厚み方向のX線回折で求めた(200)面の強度(I)が、微粉末銅のX線回折で求めた(200)面の強度(I0)に対してI/I0≧25である請求項11に記載の可撓性回路基板の製造方法。
  13. 面心立方構造を有する圧延金属箔を、面心立方構造の単位格子の基本結晶軸<100>が金属箔の厚さ方向と箔面内の一方向の2つの直交軸に対して、方位差10°以内にある優先配向領域が、面積率で50%以上を占めるように、熱処理によって立方体集合組織を呈せしめる請求項12に記載の可撓性回路基板の製造方法。
  14. 摺動屈曲、折り曲げ屈曲、ヒンジ屈曲及びスライド屈曲からなる群から選ばれたいずれかの繰り返し動作を伴う屈曲部が形成される請求項11〜13のいずれかに記載の可撓性回路基板の製造方法。
  15. 屈曲部における稜線に対して直交する方向に沿って配線を形成する請求項11〜14のいずれかに記載の可撓性回路基板の製造方法。
  16. 請求項1〜8のいずれかに記載の可撓性回路基板を搭載した電子機器。
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