JP4364782B2 - 硼素系複合金属微粒子、その製造方法及び導電性ペースト - Google Patents

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Description

本発明は、金属微粒子表面に保護層を有する複合金属微粒子に関し、更に詳細には、コンデンサ・インダクタ・フィルタ・アクチュエータ等の積層セラミックス電子部品の電極や導体に使用される、導電性ペーストの主成分に適した硼素系複合金属微粒子、その製造方法及びこの硼素系複合金属微粒子を主成分とした導電性ペーストに関する。
近年、セラミックスの特性を活用したセラミックス電子部品が広範囲に開発されるようになり、セラミックス電子部品の電極や導体を形成する導電性ペーストも多種類開発されている。この中でも、多数のセラミックス基板を積層した積層型セラミックス電子部品が開発され、セラミックス電子部品の小型化と高密度化が図られている。
積層セラミックス電子部品の製造では、最初にその基板となるグリーンシートが形成される。このグリーンシートは、セラミックス粉末に有機バインダーと溶剤を混練してスラリー化し、シート状に成形して形成される。このグリーンシートに導電性ペーストをスクリーン印刷して内部電極パターンを形成する。内部電極パターンを形成されたグリーンシートを多数積層して圧着しながら焼成すると、積層セラミックス電子部品の中間体が形成される。この焼成により内部電極パターンは金属からなる内部電極に変化する。
この中間体の側面に導電性ペーストを塗着して外部電極パターンを形成する。この外部電極パターンは内部電極と導通して形成され、この中間体を再度焼成することにより積層セラミックス電子部品が製造される。この焼成により外部電極パターンは外部電極へと変化し、内部電極と導通して外部電極が完成する。
従来、電極材料として、Ag、Ag/Pdなどの貴金属が使用されてきた。しかし、貴金属は高価であり、しかも投機の対象となるために価格変動が極めて激しい。そこで、近年になって、電極材料として卑金属が使用されるようになって、内部電極用にはNiが、外部電極用にはCuが主として使用されている。 Niの融点は1450℃と高いので、焼成によりセラミックス基板にNiの内部電極を確実に形成できる。しかし、Niは磁性を有していること、また電気的比抵抗値が6.84×10-6Ωと大きく一部の高周波電子部品には適さない。一方、Cuの融点は1084℃と低く焼成雰囲気の制御が難しいので、従来、利用用途が限られていたが、電気的比抵抗は1.67×10-6Ωと小さく電気伝導率も高いので電子部品の電極や導体には好適である。
一般に、貴金属と比較して、卑金属は空気中において酸化され易い性質を有する。従って、導電性ペーストの主成分として卑金属が使用される場合、卑金属の耐酸化性を向上させることが必要不可欠になる。また、卑金属の焼結特性を改善するために、卑金属の耐熱性を向上させることが必要である。例えば、Cuの融点は前述の通り比較的低い。電極層としてはCu粒子が表面融解により相互に焼結した状態が好ましい。従って、電極層特性の向上は、金属微粒子の耐熱性を向上させることによって実現される。また、電極層特性の向上は、金属微粒子の耐熱性を向上させるだけでは十分でなく、金属微粒子の焼結特性の改善が要請される。従って、導電性ペーストにはマトリックス材としてガラスフリットが添加され、焼結抑制材としてセラミックス成分が添加されている。
卑金属微粒子の耐酸化保護層の公知技術として特開平5−195260号(特許文献1)が知られ、耐熱保護層の公知技術として特開平9−129028号(特許文献2)が知られている。これらの技術では金属微粒子としてCu粉末が使用され、耐酸化保護層のため硼酸が、耐熱保護層として金属アルコキシドが使用されている。また、金属微粒子の焼結特性改善の先行技術として特開2004−259500号(特許文献3)が公開されている。
特開平5−195260号公報 特開平9−129028号公報 特開2004−259500号公報
特許文献1(特開平5−195260号)では、Cu粒子の表面に硼酸膜を形成してCu粒子の酸化を防止している。硼酸はHBOで表され、Bが水化して生ずるオキソ酸である。この硼酸膜がCu粒子表面を被覆するから空気・酸素との接触が無くなり、Cu粒子の酸化防止作用を有する。
しかし、本発明者等が検討した結果、硼酸膜にはCu粒子の耐熱作用がないことが明らかになった。硼酸は加熱によって水を失い、メタ硼酸(HBO)になり、また、四硼酸(H)を経て300℃でBになる性質がある。この変化過程で水を放出しその水の蒸発によって吸熱し、粒子を冷却して耐熱作用があるように思える。しかし、この様な吸熱性は300℃以下で生じ、これ以上の高温ではBとなって吸熱性は全く無くなる。導電性ペーストの焼成温度は700〜1100℃に達し、このような高温領域では、耐熱効果はほとんど見られないことが明らかになった。
特許文献2(特開平9−129028号)は、本発明者等の一部が為した先行公開特許である。この文献では金属微粒子の表面に金属アルコキシドを形成して、金属微粒子の耐熱性を改善している。金属微粒子を加熱すると、金属アルコキシド層が分解されて金属酸化物となり、この熱分解過程で吸熱作用が働く。また、水が放出されると蒸発熱により粒子が冷却され、金属微粒子の融解を防止し、金属微粒子の耐熱性が向上する。金属アルコキシド層により耐熱性が向上することは明らかであるが、Cu粒子のように融点が比較的低い金属では、更なる耐熱性の向上が要請されている。
また、導電性ペーストの焼成温度は約700〜1100℃に達しており、この様な高温で焼成すると、金属アルコキシド層の存在だけでは、耐熱性が十分ではなく、一層の耐熱性が必要となる。この耐熱性を改善するために種々の研究が為されてきたが、従来の研究では十分でなかった。このような耐熱性の改善は、NiやCu等の卑金属だけでなく、貴金属においても要請されるものである。
特許文献3(特開2004−259500号)は、金属微粒子の焼結特性改善のため導電性ペーストに誘電体前駆化合物が添加されている。導電性ペーストを焼成することにより誘電体前駆化合物は誘電体に変化し、金属微粒子の焼結特性を改善する。しかし、金属微粒子の焼結特性を改善するには、金属微粒子本体の耐熱性の向上がより一層要請され、同時に金属微粒子本体の耐酸化性の向上も要請される。金属微粒子に卑金属が使用される場合は特に要請される。
従って、本発明の目的は、導電性ペーストに使用される金属微粒子の表面に、高度の耐熱性と耐酸化性を有する保護層を形成し、この保護層の上に更に特殊層を形成することにより、電子部品等の良好な導体となる複合粉体及び導電性ペーストを提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層の上にガラス前駆物質層を形成した複合金属微粒子である。
本発明の第2の形態は、金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層の上にセラミック前駆物質層を形成した複合金属微粒子である。
本発明の第3の形態は、金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成して、その上にガラス前駆物質層を形成し、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層を形成した複合金属微粒子である。
本発明の第4の形態は、金属アルコキシドがチタンアルコキシドからなる複合金属微粒子である。
本発明の第5の形態は、金属微粒子が卑金属元素からなる複合金属微粒子である。
本発明の第6の形態は、金属微粒子が貴金属元素からなる複合金属微粒子である。
本発明の第7の形態は、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をガラス前駆物質溶液中に分散させて、得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にガラス前駆物質層を形成する複合金属微粒子の製造方法である。
本発明の第8の形態は、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をセラミックス前駆物質溶液中に分散させて、得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にセラミックス前駆物質層を形成する複合金属微粒子の製造方法である。
本発明の第9の形態は、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をガラス前駆物質溶液中に分散させて、得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にガラス前駆物質層を形成し、この保護層の上にガラス前駆物質層を形成した金属微粒子をセラミックス前駆物質溶液中に分散して、前記ガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層を形成する複合金属微粒子の製造方法である。
本発明の第10形態は、金属アルコキシドがチタンアルコキシドからなる複合金属微粒子の製造方法である。
本発明の第11形態は、第1〜第6形態の複合金属微粒子において、この複合金属微粒子と溶剤及び/又は樹脂を少なくとも含有する導電性ペーストである。
本発明の第1の形態によれば、金属微粒子表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成されるから、耐酸化性と同時により一層高度な耐熱性を実現することができる。硼酸は100〜300℃の加熱により酸化ホウ素に変化し、この酸化ホウ素の保護層は高温でも安定であるから、700〜1100℃の焼成によっても十分に金属微粒子の酸化を防止できる効果を発揮する。この耐酸化性と同時に、本発明の主たる作用は、硼酸と金属アルコキシドによる相乗的な耐熱作用である。硼酸は100〜300℃の範囲で加熱により分解して吸熱しながら水を放出し、この水は加熱により蒸発する。更に高温になると、金属アルコキシドも吸熱的に熱分解し、放出された水分の吸熱的蒸発によって金属微粒子を冷却する。即ち、硼酸の熱分解と金属アルコキシドの熱分解による2段階熱分解が生起し、この2段階過程による吸熱的熱分解と吸熱的水蒸発により金属微粒子を冷却して、金属微粒子に耐熱性を与えるのである。本発明の複合金属微粒子は、この硼酸と金属アルコキシドからなる耐酸化性と耐熱性を有する保護層の上に、ガラス前駆物質層が形成されている。即ち、分子状ガラス原料であるガラス前駆物質が金属微粒子表面に分散しており、かかる複合金属微粒子に有機樹脂や有機溶剤などを加えることによって、分子状ガラス原料を表面に担持した前記金属微粒子を主成分とする導電性ペーストを生成することができる。したがって、この導電性ペースト膜を電極形成のために焼成したとき、前記ガラス前駆物質が分子状ガラス原料の分散状態からガラス化するため、従来の導電性ペーストに添加されているガラスフリットのようなガラス粉末とは異なり、ガラス粒子が電極表面から浮き出るといった析出現象が生じず、金属粒子と分子状ガラス成分とが良好な混合状態にあり、電子回路基板への部品実装時の半田付けを円滑に行える電極を得ることができる。特に、セラミックス電子部品の内部電極形成等においては、焼成時に前記ガラス前駆物質層が前記金属微粒子の酸化防止となる保護層として作用し、かつグリーンシートとの反応阻止にも寄与する。本発明のガラス前駆物質とは、焼成によりガラス化するガラス原料を総称し、ソーダ石灰ガラス・鉛ガラス・硼珪酸ガラス・燐酸ガラス・高機能性ガラス・特殊ガラスなどのガラスの種類に応じて、各種のガラス原料が利用される。
本発明の第2の形態によれば、金属微粒子表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成されるから、前記第1の形態で説明したように、耐酸化性と同時により一層高度な耐熱性を実現することができる。本発明の複合金属微粒子は、この硼酸と金属アルコキシドからなる耐酸化性と耐熱性を有する保護層の上に、セラミックス前駆物質層が形成されることに特徴を有する。焼成により誘電体や圧電体などを形成する1種以上のセラミックス前駆物質を使用することによって、金属粒子とグリーンシートとの親和性が良好になり、同時にセラミックス前駆物質層が焼結抑制作用も有し、セラミックス電子部品の高品質化に成功した。しかもこのセラミックス前駆物質層は分子状セラミックス前駆物質層であるため、薄層化が可能であり、電極膜の薄層化によって多層化と高密度に寄与できる。としてはセラミックス前駆化合物を用い、これは焼成すると誘電体や圧電体などのセラミックスを形成する化合物であり、有機金属化合物、有機金属錯体、有機金属レジネートなどの多様な金属化合物から選択される。これらの物質の金属とは、誘電体を構成する金属元素を意味する。例えば、誘電体としてBaTiOを選んだとき、BaTiOの前駆化合物とは、焼成することによってBaTiOを形成する化合物を意味している。例えば、オクチル酸チタンとオクチル酸バリウムを酸化雰囲気で焼成すると、有機物は燃焼により除去され、最終的にBaTiOなる誘電体が形成される。従って、導電性ペースト膜を焼成して電極膜を形成するときに、同時にセラミックス前駆化合物から誘電体や圧電体などのセラミックスが形成される。金属微粒子はセラミックス前駆化合物に束縛されないから融合・焼結して導電性の高い電極膜が形成され、同時に形成されるセラミックス等により電極膜の焼結が抑制されて熱収縮が防止され、同時にグリーンシートとのなじみ性が良好になる利点がある。セラミックス前駆化合物の大きさは分子サイズであるから、任意サイズの金属微粒子間に形成される空隙は誘電体等により自在に充填される。従って、金属微粒子の超微粒子化にも対応でき、電極膜の薄層化を通して多層セラミックス電子部品の小型化、高密度化及び高多層化を実現できる。
本発明の第3の形態によれば、金属微粒子表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成され、この保護層の上にガラス前駆物質層が形成され、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層が形成されている。前記のとおり、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層は、耐酸化性と耐熱性を有している。ガラス前駆物質層は耐酸化性を有し、グリーンシートとの反応阻止にも寄与する。セラミックス前駆物質層は焼結抑制剤として作用し、形成される金属膜とグリーンシートとの密着性の向上に貢献する。しかもセラミックス電子部品の多層化と高密度化にも寄与する。この金属微粒子を主成分とした導電性ペーストをグリーンシートに塗着し電極形成のために焼成すれば、セラミックス前駆物質層は誘電体や圧電体などのセラミックスに、ガラス前駆物質層はガラス体に、金属微粒子は金属膜に変化する。硼酸と金属アルコキシドによる耐熱性の向上のため、金属微粒子間の内部融解ではなく表面融解により金属膜が形成される。従って、この金属膜の表面は均一で平滑である。また、この金属膜の構造は、金属膜の下に分子状ガラス体が形成され、その下に誘電体や圧電体などのセラミックスが形成された構造を成している。従って、ガラス体がグリーンシートとの反応阻止に寄与し、誘電体等が焼結を抑制して、形成される金属膜とグリーンシートとの密着性を良くすることができる。
本発明の第4の形態によれば、金属微粒子表面に形成される保護層の金属アルコキシドとしてチタンアルコキシドが利用されるので、金属微粒子に高耐酸化性と高耐熱性を付与できる。チタンアルコキシドに含まれるチタンは融点が1725℃と高く、硬度4と硬くて強度も強いうえに、密度が小さいという性質を有している。従って、金属アルコキシドとしてチタンアルコキシドが利用されると次のような効果が発現する。前述したように、チタンアルコキシドの熱分解吸熱作用により金属微粒子に強力な耐熱作用が付与される。チタンアルコキシドは最終的にチタン酸化物に変化する。チタン酸化物(TiO)は、融点が1855℃であり、Bの融点は577℃である。700℃以上の焼成でBが融解しても、TiOの耐酸化性は依然として作用し、BとTiOの協働的耐酸化作用により強力な耐酸化性が発現する。また、硼酸とチタンアルコキシドによる耐熱性はチタンアルコキシド単体よりも50℃以上上昇し、金属微粒子の焼結特性を一層改善できることが明らかになった。このように、硼酸とチタンアルコキシドからなる保護層を有する複合金属微粒子は、高温で焼成されても粒子性を保護しながら焼結でき、導電性ペーストに用いられる場合には秀麗な電極層を形成できる。金属微粒子として卑金属元素が利用できる。卑金属は貴金属に比べ価格的に安く、しかも市場価格が安定しているため、本発明の複合金属微粒子を安価に製造できる利点がある。卑金属元素は貴金属元素に比べ化学的活性が高いため、卑金属微粒子の表面に形成された硼酸と金属アルコキシドからなる保護層は、卑金属表面によく馴染んで均質に形成される。卑金属にはCu、Niなどがあるが、特にCu粒子にこの保護層を形成すると、比較的融点の低いCuの耐熱性を約50℃以上も引き上げる効果がある。従って、耐酸化性と耐熱性を有する複合金属微粒子を導電性ペーストの主成分に利用すれば、従来の製造プロセスを変えることなくセラミックス電子部品を製造できる。また、焼成温度及び焼成雰囲気の範囲を大幅に緩和でき、焼成後の収縮による不具合を軽減できるという利点もある。
本発明の第5の形態によれば、金属粒子として卑金属元素が利用できる。卑金属は貴金属に比べ価格的に安く、しかも市場価格が安定しているため、本発明の複合金属微粒子を安価に製造できる利点がある。卑金属元素は貴金属元素に比べ化学的活性が高いため、卑金属粒子の表面に形成された硼酸と金属アルコキシドからなる保護層は、卑金属表面によく馴染んで均質に形成される。卑金属にはCu、Ni等があるが、特にCu微粒子にこの保護層を形成すると、比較的融点の低いCuの耐熱性を約50℃以上も引き上げる効果がある。従って、耐酸化性と耐熱性を有する複合金属微粒子を導電性ペーストの主成分に利用すれば、従来の製造プロセスを変えることなくセラミックス電子部品を製造できる。また、焼成温度及び焼成雰囲気の範囲を大幅に緩和でき、焼成後の収縮による不具合を軽減できるという利点もある。この結果、導電性ペーストの価格低下を実現でき、しかも導電性ペーストの価格信頼性をも同時に実現できる。従って、卑金属は本発明に好適な素材である。
本発明の第6の形態によれば、金属微粒子として貴金属元素が利用できる。貴金属元素は卑金属元素に比べ化学的安定性が高いので、酸化性雰囲気中でも非酸化性雰囲気中でも使用できる利点がある。貴金属微粒子の表面に本発明による硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成されると、より一層強力な耐酸化性及び耐熱性を獲得できる。従って、貴金属微粒子に本発明による硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成すると、高温・多湿な劣悪環境下でも対応できる金属微粒子を提供でき、貴金属も本発明に適した素材である。
本発明の第7の形態によれば、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、その金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を容易に形成できる。この溶液は有機樹脂及び/又は有機溶剤を少なくとも混合しているので、種々の金属粒子を選択して適量混合することにより、例えば、電極仕様に応じて、金属微粒子表面に形成させる保護層の厚さを自在に調整でき、所望のニーズに合致した複合金属微粒子を得ることができる。この硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成された金属微粒子を、焼成によりガラスとなるガラス前駆物質と、有機樹脂及び/又は有機溶剤を少なくとも混合した溶液中に分散させて、この金属微粒子の表面にガラス前駆物質層を容易に形成できる。有機樹脂及び/又は有機溶剤の混合量を適宜調整すれば、所望のニーズに合致したガラス前駆物質層を形成できる。硼酸と金属アルコキシドを含む溶液を調製するには、硼酸溶液と金属アルコキシド溶液とを混合してもよく、硼酸溶液に金属アルコキシドを添加してもよく、その逆でもよい。また、溶剤に硼酸と金属アルコキシドを同時に添加してもよい。更にまた、上記いずれかの溶液に金属微粒子を投入してもよいし、硼酸と金属アルコキシドと金属微粒子を溶剤に同時添加することもできる。この溶液から固形物を分離するには、溶剤を乾燥等の手段で除去する。乾燥法には自然乾燥、温風乾燥、熱風乾燥、真空乾燥などが利用される。乾燥後100〜180℃の低温度の熱処理で金属微粒子の表面に強固な保護層を形成できる。また、ガラス前駆物質を含む溶液も硼酸と金属アルコキシドの溶液と同様の方法により調製でき、ガラス前駆物質層も硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の形成方法と同様である。従って、本発明の複合金属微粒子は簡単な設備で容易に製造できるという特徴を有している。
本発明の第8の形態によれば、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、その金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を容易に形成できる。前述のように、所望のニーズに合致した硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成することができる。この硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成された金属微粒子を、セラミックス前駆物質と、有機樹脂及び/又は有機溶剤を少なくとも混合した溶液中に分散させて、この金属微粒子の硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層を容易に形成できる。有機樹脂及び/又は有機溶剤の混合量を適宜調整すれば、所望のニーズに合致した膜厚を有するセラミックス前駆物質層を形成できる。硼酸と金属アルコキシドを含む溶液及びセラミックス前駆物質を含む溶液の調製方法は前述と同様で、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層及びセラミックス前駆物質層の形成方法も前述と同様である。
本発明の第9の形態によれば、硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、その金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を容易に形成できる。この硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成された金属微粒子を、焼成によりガラスとなるガラス前駆物質と、有機樹脂及び/又は有機溶剤を少なくとも混合した溶液中に分散させて、この金属微粒子の表面にガラス前駆物質層を容易に形成できる。また、この硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成された金属微粒子を、セラミックス前駆物質と、有機樹脂及び/又は有機溶剤を少なくとも混合した溶液中に分散させて、この金属微粒子の硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層を容易に形成できる。有機樹脂及び/又は有機溶剤の混合量を適宜調整すれば、所望のニーズに合致した膜厚を有するセラミックス前駆物質層を形成できる。硼酸と金属アルコキシドを含む溶液及びセラミックス前駆物質を含む溶液の調製方法は前述と同様で、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層及びセラミックス前駆物質層の形成方法も前述と同様である。
本発明の第10の形態によれば、金属アルコキシドとしてチタンアルコキシドを使用する。チタンアルコキシドはアルコールの金属化合物の一種であるから、溶媒としてアルコール系及びエステル系溶剤を用いると、チタンアルコキシドは溶剤中に均一に分散し、硼酸と反応して均質な溶液を形成できる。従って、この溶液に混合された金属微粒子の表面に、硼酸とチタンアルコキシドからなる均質な保護層を形成できる。また、溶媒にアルコール系及びエステル系溶剤を用いると、その蒸発温度が低いので、乾燥により溶媒を容易に除去できる利点を有している。
本発明の第11の形態によれば、本発明の複合金属微粒子を主成分として有機樹脂及び/又は有機溶剤を適宜加えて導電性ペーストを作製するので、所望のニーズに合致した膜厚を有する金属膜を形成できる。複合金属微粒子の分散状態や粘性が微妙に異なる種々の導電性ペーストを簡易に得ることができるので、例えば、セラミックス電子部品の各種電極膜の仕様に合致するように、所望の組成内容の導電性ペーストに製造現場でも調製容易なペースト素材として使用することができ、また、多種類のペースト在庫を用意しなくて済み、低コスト化も実現することができる。
以下に、本発明にかかる複合金属微粒子及びその製造方法の実施形態を添付する図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。(1A)では、硼酸溶液と金属アルコキシド溶液とを混合容器Aにて混合した溶液が示され、硼酸5と金属アルコキシド6が均一に分散している。この溶液中に金属微粒子2と有機樹脂13と有機溶剤14を投入し、数分〜数時間攪拌する。この混合溶液19は有機樹脂の添加量によって溶液状からペースト状にまで性状が分布する。(1B)では、この混合溶液19を60〜100℃で乾燥させて有機溶媒を除去し固形物20を分離し、(1C)では、固形物20を中性〜還元性雰囲気中で100〜300℃にて、1〜2時間加熱装置15により熱処理している。(1D)では、この固形物20を粉砕して中間複合金属微粒子1が作製される。この中間複合金属微粒子1の表面には硼酸5と金属アルコキシド6から構成された保護層3が形成される。
図2は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。前記(1D)に示された中間複合金属微粒子1の拡大図である。中間複合金属微粒子1は、金属微粒子の表面に硼酸5と金属アルコキシド6からなる保護層3が形成されている。
本発明に用いられる金属微粒子2としては、貴金属、卑金属を問わない。例えば、金、銀、白金、パラジウム、銅、ニッケル、これらの合金、これらと他の金属との合金などがある。これらの金属微粒子は単独で使用しても、他の金属微粒子と混合して使用してもよい。近年、半導体や電子材料のコストダウンの観点から金や銀などの貴金属材料から卑金属材料への転換が図られており、貴金属に替えてNiやCu等が電極の金属材料として使用されつつある。特に、Cu微粒子やNi微粒子といった卑金属微粒子を本発明に使用することによって電極ペーストの大幅なコストダウンを図ることができる。
金属微粒子2の断面直径(粒径)は、μmオーダーの金属微粒子でもよいし、nmオーダーの金属超微粒子でもよい。より詳細には、1〜10μmのミクロンサイズの金属微粒子や0.1〜1μmのサブミクロンサイズの金属微粒子に限られず、1〜100nmのナノサイズの金属超微粒子も使用できる。
金属微粒子2は、一般的には機械的方法と物理化学的方法により作製される。機械的方法には機械粉砕法、溶融粉化法、噴霧法、衝撃法などがあり、物理化学的方法としては還元法、電解法などがある。本発明に利用する金属微粒子は、各種方法により製造される金属微粒子が利用でき、金属微粒子2の形状も球状、鱗片状、樹状等が含まれる。
硼酸は常温では粒子であるから、硼酸を溶解できる溶剤により容易に溶液を作製できる。溶剤として、例えば分子内にOH基もつ有機溶媒、具体的にはエチルアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが利用できる。
金属アルコキシドには各種のアルコキシドがある。金属としては、例えばチタン、亜鉛、スズ、マグネシウム、ナトリウム、イットリウム、アルミニウム、アンチモンなどがある。これらの金属をアルコールのHと置換して金属アルコキシドが得られる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどがある。本発明では、金属アルコキシドの中でもチタンアルコキシドが好適である。チタンアルコキシドはアルコール系のチタン有機化合物であるから、アルコール系及びエステル系有機溶媒に均一に溶解する。
本実施形態においては、利用する金属微粒子100重量部に対し硼酸の配合量を0.1〜6重量部とし、金属アルコキシドの配合量を0.05〜2.6重量部とする。保護層を形成する金属微粒子2の種類に応じて上記範囲内で適宜調整する。
図3は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。(3A)では、0.1〜5重量部(金属微粒子100重量部に対し)のガラス前駆物質9と有機樹脂13及び有機溶剤14が混合容器Bにて混合された、ガラスレジネートからなるガラス前駆物質溶液17が示されている。このガラス前駆物質溶液17に、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層3が形成された中間複合金属微粒子1を混合することにより、の表面にガラスレジネート含有組成成分中の有機樹脂13及び有機溶剤14の各成分を付着させる。(3B)では、この中間複合金属微粒子1とガラス前駆物質9との混合溶液21を自然乾燥させる。(3C)では、この混合溶液21を中性〜還元性雰囲気中で加熱装置15により、ガラス転移温度以下の高温、例えば約200〜500℃で仮焼成して溶液成分を蒸発除去し、(3D)では、この仮焼成工程により得られた固形物20を粉砕処理することにより、ガラス前駆物質層4が形成された複合金属微粒子1aを簡易に製造することができる。
図4は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層3の上にガラス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。前記(3D)に示された複合金属微粒子1aの拡大図である。複合金属微粒子1aは、金属微粒子2の表面に硼酸5と金属アルコキシド6からなる保護層3が形成され、この保護層3の上にガラス前駆物質層4が形成されている。このガラス前駆物質層4は、ガラス転移する前の分子状ガラス前駆物質9から構成されている。
ガラス前駆物質9には、SiO(4.0wt%)、B(16wt%)、Al(3.5wt%)、CaO(3.5wt%)、BaO(43wt%)、ZnO(20wt%)及びMnO(10wt%)の混合物を使用している。括弧内の値は重量組成比率を示す。ガラス前駆物質9のガラス組成材料として、上記物質の他に、例えば、PbO、NaO、KO等を適宜選択して用いることができる。有機樹脂13にはオクチル酸塩を使用し、有機溶剤14に、ターピネオール又はエタノールを用いる。有機樹脂13と有機溶剤14の重量比率は、有機樹脂の40〜50wt%に対し、有機溶剤の50〜40wt%である。
上記の製造工程により得られた複合金属微粒子1aは、表面に焼成によりガラス化されるガラス前駆物質層4が形成される。有機樹脂13や有機溶剤14の添加量を適宜調製することによって、電極層等の仕様に合致したガラス前駆物質層4を自在に調製し作製することができる。
図5は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。(5A)では、0.1〜5重量部(金属微粒子100重量部に対して)のセラミックス前駆物質12と有機樹脂13及び有機溶剤14を混合容器Cにて混合したセラミックス前駆物質溶液18が示されている。このセラミックス前駆物質溶液18に、中間複合金属微粒子1を混合することにより、中間複合金属微粒子1の表面にセラミックス前駆物質含有組成成分中の有機樹脂13及び有機溶剤14の各成分を付着させる。(5B)では、この中間複合金属微粒子1とセラミックス前駆物質12の混合溶液22を自然乾燥させる。(5C)では、この混合溶液22を中性〜還元性雰囲気中で加温装置15により、200〜500℃で仮焼成して溶液成分を蒸発除去する。(5D)では、この仮焼成工程により得られた固形物20を粉砕処理することにより、中間複合金属微粒子1の表面にセラミックス前駆物質層11が形成された複合金属微粒子1bを簡易に製造することができる。
図6は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。前記(5D)に示された複合金属微粒子1bの拡大図である。複合金属微粒子1bは、金属微粒子2の表面に硼酸5と金属アルコキシド6からなる保護層3が形成され、この保護層3の上にセラミックス前駆物質層11が形成されている。このセラミックス前駆物質層11は、分子状セラミックス前駆物質化合物等のセラミックス前駆物質12から構成されている。
セラミックス前駆物質12に分子状のセラミックス前駆物質を使用することにより、ナノサイズの金属超微粒子により形成される粒子間の空隙に、分子状のセラミックス前駆物質12を充填することができる。複合金属超微粒子を電極ペーストに使用すると、ナノサイズ膜厚の電極層を形成でき、しかも複合金属超微粒子のスリーポケットをセラミックス前駆物質で充填した構造になるから、電極層の超薄膜化を実現でき、セラミックス電子部品の高密度化と小型化に貢献できる。また、セラミックス前駆物質12の材質にグリーンシートと同じ材質を使用すれば、例えば、グリーンシートの材質がBTならば、セラミックス前駆物質12にBTを使用することにより焼結特性を改善でき、電極層とグリーンシートとの密着性を向上することができる。
図7は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成され、その上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。(7A)では、0.1〜5重量部(金属微粒子100重量部に対して)のセラミックス前駆物質12と有機樹脂13及び有機溶剤14を混合容器Dにて混合した、セラミックス前駆物質溶液18が示されている。このセラミックス前駆物質溶液18に、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層3の上にガラス前駆物質層4が形成された複合金属微粒子1aを混合して、このガラス前駆物質層4の上にセラミックス前駆物質含有組成成分中の有機樹脂13及び有機溶剤14の各成分を付着させる。(7B)では、この複合金属微粒子1aとセラミックス前駆物質12の混合溶液23を自然乾燥させ、(7C)では、この混合溶液23を加温装置15により仮焼成し、溶液成分を蒸発除去する。(7D)では、この仮焼成工程により得られた固形物20を粉砕処理することにより、硼酸と金属アルコキシドからなる保護層3の上にガラス前駆物質層4が形成された複合金属微粒子1aの表面にセラミックス前駆物質層11が形成された複合金属微粒子1cを製造することができる。
図8は本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成され、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。前記(7D)に示された複合金属微粒子1cの拡大図である。複合金属微粒子1cは、金属微粒子2の表面に硼酸5と金属アルコキシド6からなる保護層3が形成され、この保護層3の上にガラス前駆物質層4が形成され、このガラス前駆物質層4の上にセラミックス前駆物質層11が形成されている。前記ガラス前駆物質層4はガラス前駆物質9から構成され、ガラス転移する前の分子状ガラス前駆状態を形成し、前記セラミックス前駆物質層11はセラミックス前駆物質12から形成される。
上記のセラミックス前駆物質12は、焼成によって前述した誘電体、焦電体、圧電体を生成する原料物質であり、有機金属化合物、有機金属錯体、有機金属レジネート、金属酸化物、金属炭酸塩などの金属化合物が使用できる。ここで、金属とは誘電体等を構成する金属原子を意味しており、例えばBaTiOのBaとTi、SrTiOのSrとTi、Pb(Ti/Zr)OのPbとTiとZr等である。
これらのセラミックス前駆物質を分類すれば、金属原子と炭素原子が直接結合する有機金属化合物、金属原子に配位子が配位結合した有機金属錯体、粘性を有した高級脂肪酸金属塩などからなる有機金属レジネート、金属酸化物や金属炭酸塩などからなる無機金属化合物などから構成される。これらの中でも、特に、有機金属レジネートがセラミックス前駆物質として好適である。有機金属レジネートとして、例えば、ナフテン酸塩、オクチル酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩、パラトイル酸塩、n−デカン酸塩、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネートなどが使用される。
上記の誘電体等は、主にグリーンシートを構成する誘電体等であり、例えば、誘電体では、チタン酸バリウム(BaTiO、略称はBT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、略称はST)、チタン酸バリウムストロンチウム((Ba/Sr)TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Ti/Zr)O)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、酸化亜鉛、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などがある。これらの中でも、グリーンシートの主成分はチタン酸バリウム(BT)が好ましい。
この主要な誘電体であるBTを生成する方法には、TiOとBaO又はBaCOの混合融解、シュウ酸チタン酸バリウムの熱分解、チタンアルコキシドとバリウムアルコキシドのゾルゲル法、水酸化チタンと水酸化バリウムの縮重合、ナフテン酸チタンとナフテン酸バリウムの焼成、水熱合成法など種々の方法が存在する。従って、これらの方法の原料成分、即ち、TiOとBaO又はBaCO、シュウ酸チタン酸バリウム、チタンアルコキシドとバリウムアルコキシド、水酸化チタンと水酸化バリウム、ナフテン酸チタンとナフテン酸バリウムなどの原料化合物がセラミックス前駆物質を構成する。
本発明に係る複合金属微粒子を導電性ペーストの主成分として使用する場合、金属微粒子を均一に分散するため、有機溶剤が用いられる。この有機溶剤には、アルコール、アセトン、プロパノール、エーテル、石油エーテル、ベンゼン、酢酸エチル、その他の石油溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、セロソルブ類、芳香族類、ジエチルフタレート等が使用される。
また、導電性ペーストとして適度の粘性を付与するために有機樹脂が添加される。添加される有機樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、ブチラール、アクリルコパイバルサム、ダンマー等が使用できる。
有機溶剤と有機樹脂の添加量は、導電性ペーストを形成したときの金属微粒子の分散性とペーストの粘性の程度による。溶液状ペーストでは相対的に有機樹脂が少なく、粘性を高めるためには有機樹脂が増加され、ペーストの使用用途に応じて配合量が適宜調整される。
次に、複合金属微粒子1を用いた導電性ペーストにより電極を形成した実施形態を図により説明する。この実施形態は積層セラミックコンデンサの外部電極の形成例である。
図9は積層セラミックコンデンサの外部電極の拡大模式図である。積層セラミックコンデンサ21は、複数の内部電極23を備えるセラミックス素体22と、外部電極25と、Niメッキ膜26と、Snメッキ膜27とからなる。セラミックス素体22は、BaTiO3を主成分とする複数のセラミックス層24が積層され焼成されてなる。内部電極23は、所定枚数のセラミックス層24上に形成された電極層がセラミックス層24とともに焼成されてなり、それぞれの端縁がセラミックス層24の何れかの端面に露出するように形成されている。外部電極25は、セラミックス素体22の端面に、本発明の導電性ペーストが塗布され乾燥、焼成されてなる一対の電極である。外部電極25はセラミックス素体22端面より露出した内部電極23に電気的かつ機械的に接続されている。
積層セラミックコンデンサ21の製造過程を説明する。まず、セラミックス層を準備し、所定枚数のセラミック層の表面上に一方の端縁がセラミックス層のいずれかの端面側に露出するように、内部電極用電極層を印刷し、これら複数のセラミックス層を積層し圧着して、複数の生のセラミックス素体を準備する。
次に、生のセラミック素体の両端面に本発明にかかる導電性ペーストを浸漬塗布し、150℃で数10分間乾燥させた後、大気中800〜900℃の条件で焼成して、内部電極23に電気的かつ機械的に接合された一対の外部電極25を形成する。ついで、一対の外部電極25上にNiメッキ膜を電解メッキ処理により形成する。さらにNiメッキ膜上にSnメッキ膜を電解メッキ処理により形成して、積層セラミックコンデンサ21を製造する。
上記の800〜900℃の焼成条件下ではセラミックス前駆物質は誘電体、焦電体、圧電体等に変化し、焼結抑制効果により形成される金属膜とセラミックス素体との密着性を高める。また、ガラス前駆物質5はガラス転移温度を越え、導電性ペースト中の複合金属微粒子1が融解するとともに、ガラス前駆物質5が分子状ガラスの分散状態からガラス化して耐酸化保護層として働くため、セラミックス素体との反応を阻止し安定な電気的特性を得ることができる。形成される金属膜は、硼酸と金属アルコキシドによる耐熱性の向上により、均一で平滑な表面を有しガラス粒子の析出も見られない。
また、本発明にかかる導電性ペーストを積層型セラミックス圧電部品の内部電極の形成を行う場合、例えば内部電極用導電性ペーストの金属微粒子2にCuを用い、かつAZTのセラミックス素体を用いる。この積層型セラミックス圧電部品の製造においても、内部電極用導電性ペーストによる内部電極を印刷したセラミックス素体を積層したものを作成する。ついで、高温による本焼成に先立って、ペースト含有の有機樹脂を飛ばす脱バインダーのために、大気中約300℃での低温の仮焼成が行われる。この焼成工程においては、ガラス転移温度よりかなり低い温度条件であるため、ガラス化には至らずに、本発明にかかる導電性ペースト中の金属微粒子2の表面がガラス前駆物質5により保護された状態が維持される。したがって、この仮焼成時にガラス前駆物質層5が金属微粒子2の酸化防止となる保護層として作用し、かつ金属微粒子2のCuとセラミックス素体中のPbとの反応を阻止することができる。
次に、N又はNとHの非酸化雰囲気中において、800〜900℃の高温焼成条件により本焼成を行う。この本焼成においては、前述のように、セラミックス前駆物質は誘電体、焦電体、圧電体等に変化し、焼結抑制効果により形成される金属膜とセラミックス素体との密着性を高める。また、金属微粒子2のCuの焼結が行われるとともに、ガラス前駆物質層5が分子状ガラスの分散状態からガラス化する。したがって、本焼成工程においてガラス前駆物質層5のガラス化が行われるため、金属微粒子2のCuとセラミックスス素体中のPbとの反応を阻止することができ、CuとPb間の反応による電気的特性の劣化の発生を防止することができ、圧電特性等の信頼性の向上に寄与する。
なお、本発明においては、上記実施形態にかかるセラミックス素体12の形状、材質、内部電極23の形成位置、枚数、メッキ膜26、27の材質、層数等に限定されるものではない。また、本発明が対象とするセラミックス電子部品には、セラミックス回路基板、セラミックスコンデンサ、セラミックスインダクタ、セラミックス圧電素子又はセラミックスアクチュエータなどがある。これらのセラミックス電子部品の中でも、本発明は、多層セラミックス電子部品の小型化と高密度化に寄与するものである。さらに、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
[実施例1 金属微粒子にCuを使用した場合]
硼酸0.1〜6重量部の範囲をエチルアルコール10重量部で溶解し、チタンアルコキシド0.05〜2.6重量部の範囲を酢酸エチル10重量部で溶解し、この2種類の溶液を混合させ、これにCu粒子100重量部と有機溶剤及び/又は有機樹脂を加えて混合する。溶媒量が多い場合には濾別するが、溶媒量が少ない場合には濾別することなく、100℃の空気中で乾燥させ、次いでN+H(3%)ガス雰囲気中で150℃で2時間熱処理して、硼酸とチタンアルコキシドからなる保護層を金属微粒子の表面に形成する。金属質量比Ba:Ti=1.0:1.0になるよう混合された、オクチル酸バリウムとオクチル酸マグネシウムとオクチル酸チタンとオクチル酸ジルコニウムとオクチル酸ホルミウムからなる混合有機金属レジネートを用意する。この混合有機金属レジネート5重量部にタピノール40重量部を混合させてセラミックス前駆物質溶液を調製し、このBa・Tiの酸化物に対してSiOを0.5wt%の組成を有するガラス前駆物質溶液を作製した。前記金属微粒子をこのガラス前駆物質溶液とセラミックス前駆物質溶液に分散させて、硼酸とチタンアルコキシドからなる保護層と同様の方法で前記保護層の上にガラス前駆物質層を形成し、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層形成して本発明に係る複合金属微粒子を作製した。この複合金属微粒子を溶剤であるタピノール(ターピネオールともいう)に分散し、有機樹脂としてエチルセルロースを添加し、3本ロールで混連して導電性ペーストを作製した。
この導電性ペーストをセルに充填して970℃で焼成し、形成された金属微粒子の結合状態を電子顕微鏡で観察した。また、半田付け性の良否で耐酸化性の有無を検査した。その結果は、表1に実施例1〜10として示す。耐熱性は金属微粒子の結合状態が表面融解・粒子形状有りの場合を良、表面融解・粒子形状無しの場合を可、溶融の場合を不可と判断し、耐酸化性は半田付性の良否で判断した。外観は金属膜表面の平滑性及びガラス等の析出の有無を基準として判断した。セルとの密着性は目視により判断した。
図10は実施例1〜10における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。図10から実施例1,2,9,10に不具合が生じた。実施例1,2では半田付け性及び耐熱性に不良が発生している。実施例9,10では密着性及び外観に不良が発生している。実施例3〜8では半田付け性、耐熱性、密着性及び外観に不良は無かった。
[実施例2 金属微粒子にNiを使用した場合]
金属微粒子にNiを使用して実施例1〜10と同様の方法で本発明に係る複合金属微粒子を作製した。この複合金属微粒子の性能を実施例1〜10と同様の方法で調べた。
図11は実施例11〜20における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。図10から実施例11,12,19, 20に不具合が生じた。実施例11,12では半田付け性及び耐熱性に不良が発生している。実施例19,20では密着性及び外観に不良が発生している。実施例13〜18では半田付け性、耐熱性、密着性及び外観に不良は無かった。
[実施例3 金属微粒子にAgを使用した場合]
金属微粒子にAgを使用して実施例1〜10と同様の方法で本発明に係る複合金属微粒子を作製した。この複合金属微粒子の性能を実施例1〜10と同様の方法で調べた。
図12は実施例21〜30における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。図10から実施例21,22,29,30に不具合が生じた。実施例21,22では半田付け性及び耐熱性に不良が発生している。実施例29,30では密着性及び外観に不良が発生している。実施例23〜28では半田付け性、耐熱性、密着性及び外観に不良は無かった。
従って、上記実施例1〜30の結果から、本発明の複合金属微粒子は、硼酸0.1〜6重量部、金属アルコキシド0.05〜2.6重量部の範囲において、耐酸化性と耐熱性を有し、導電性ペーストとして使用すれば密着性の良い、平滑な金属膜を形成できることが証明された。
金属微粒子にCuを使用した場合については別途詳細に検討するため、実施例1〜10と同様の方法で複合金属微粒子を作製し、実施例1〜10と同様の方法で導電性ペーストを作製した。比較のため複合金属微粒子がCu粉のみの場合とCu粉にガラス層とPZT層が形成された場合の導電性ペーストも作製した。
図13は本発明に係る複合金属微粒子にCuを使用した導電性ペーストの熱膨張曲線である。縦軸に膨張及び収縮(Expansion/%)を示し、横軸に焼成温度(Temperature/℃)を示す。4.0℃/minで昇温加熱した結果、硼酸とチタンアルコキシドから形成された保護層とガラス層とPZT層からなる複合金属微粒子を主成分とする導電性ペーストは、昇温過程において、Cu粉のみの場合とCu粉とガラス層とPZT層からなる場合と比較して、熱収縮がほとんど発生していない。従って、本発明に係る複合金属微粒子は耐酸化性と耐熱性を有していることが実証された。
本発明に係る複合金属微粒子は、耐酸化性と耐熱性を有し導電性ペーストの主成分として利用すれば、セラミックス素体との密着性と導電性に優れた金属膜を形成でき、高密度の積層セラミックス電子部品を提供できる。従って、この積層セラミックス電子部品は各種電子部品例えば、家電用電子部品、自動車用電子部品、産業用電子部品、宇宙用電子部品などの広範囲な分野に利用できる。
本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成された中間複合金属微粒子の製造工程図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層に上にガラス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成され、その上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の製造工程図である。 本発明に係る硼酸と金属アルコキシドからなる保護層の上にガラス前駆物質層が形成され、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層が形成された複合金属微粒子の概略断面図である。 積層セラミックコンデンサの外部電極の拡大模式図である。 実施例1〜10における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。 実施例11〜20における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。 実施例21〜30における本発明に係る複合金属微粒子の性能一覧図である。 本発明に係る複合金属微粒子にCuが使用された導電性ペーストの熱膨張曲線である。
符号の説明
1 複合金属微粒子
2 金属微粒子
3 保護層
4 ガラス前駆物質層
5 硼酸
6 金属アルコキシド
9 ガラス前駆物質
11 セラミックス前駆物質層
12 セラミックス前駆物質
13 有機樹脂
14 有機溶剤
15 加熱装置
16 硼酸と金属アルコキシドの混合溶液
17 ガラス前駆物質溶液
18 セラミックス前駆物質溶液
19 混合溶液
20 固形物
21 中間複合金属微粒子1とガラス前駆物質9との混合溶液
22 中間複合金属微粒子1とセラミックス前駆物質12の混合溶液
23 複合金属微粒子1aとセラミックス前駆物質12の混合溶液
31 積層セラミックコンデンサ
32 セラミックス素体
33 内部電極
34 セラミックス層
35 外部電極
36 Niメッキ膜
37 Snメッキ膜
A 混合容器A
B 混合容器B
C 混合容器C
D 混合容器D

Claims (12)

  1. 金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層の上にガラス前駆物質層を形成したことを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子。
  2. 金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層の上にセラミックス前駆物質層を形成したことを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子。
  3. 金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成して、その上にガラス前駆物質層を形成し、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層を形成したことを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子。
  4. 前記金属アルコキシドがチタンアルコキシドからなる請求項1、2又は3に記載の導電性ペースト用複合金属微粒子。
  5. 前記金属微粒子が卑金属元素からなる請求項1、2、3又は4に記載の導電性ペースト用複合金属微粒子。
  6. 前記金属微粒子が貴金属元素からなる請求項1、2、3又は4に記載の導電性ペースト用複合金属微粒子。
  7. 硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、前記溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をガラス前駆物質溶液中に分散させて、前記ガラス前駆物質溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にガラス前駆物質層を形成することを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子の製造方法。
  8. 硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、前記溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をセラミックス前駆物質溶液中に分散させて、前記セラミックス前駆物質溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にセラミックス前駆物質層を形成することを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子の製造方法。
  9. 硼酸と金属アルコキシドを含む溶液中に金属微粒子を分散させて、前記溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して金属微粒子の表面に硼酸と金属アルコキシドからなる保護層を形成し、この保護層を形成した金属微粒子をガラス前駆物質溶液中に分散させて、前記ガラス前駆物質溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して前記保護層の上にガラス前駆物質層を形成し、この保護層の上にガラス前駆物質層を形成した金属微粒子をセラミックス前駆物質溶液中に分散させて、前記セラミックス前駆物質溶液を乾燥して除去させることにより得られる固形物を熱処理して、このガラス前駆物質層の上にセラミックス前駆物質層を形成することを特徴とする導電性ペースト用複合金属微粒子の製造方法。
  10. 前記金属アルコキシドがチタンアルコキシドである請求項7、8又は9に記載の導電性ペースト用複合金属微粒子の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペースト用複合金属微粒子において、この導電性ペースト用複合金属微粒子と溶剤及び/又は樹脂を少なくとも含有することを特徴とする導電性ペースト。
  12. 前記セラミックス前駆物質層はチタン酸ジルコン酸鉛から形成される請求項3に記載の導電性ペースト用複合金属微粒子。
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