JP2003129106A - ニッケル粉末の製造方法、ニッケル粉末、ニッケルペースト、積層セラミック電子部品 - Google Patents

ニッケル粉末の製造方法、ニッケル粉末、ニッケルペースト、積層セラミック電子部品

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JP2003129106A
JP2003129106A JP2001328270A JP2001328270A JP2003129106A JP 2003129106 A JP2003129106 A JP 2003129106A JP 2001328270 A JP2001328270 A JP 2001328270A JP 2001328270 A JP2001328270 A JP 2001328270A JP 2003129106 A JP2003129106 A JP 2003129106A
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powder
metal
mol
metal compound
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Application number
JP2001328270A
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Naoaki Ogata
直明 緒方
Masayoshi Maeda
昌禎 前田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部電極を有する積層型セラミック電子部品
のクラック等の構造欠陥を防止できるニッケル粉末、そ
の製造方法、そのペースト、それを用いた積層型セラミ
ック電子部品を提供する。 【解決手段】 液相反応により、ニッケルを主成分とす
る金属と、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪
酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種
とを粉末として共析出させる工程と、共析出させた粉末
の表面に、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪
酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうちの少なくとも1種
を付着させる工程とを有するニッケル粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミック電
子部品の内部電極に用いられる導電性ペースト用のニッ
ケル粉末、その製造方法に関するものであり、特に、積
層セラミックコンデンサーをはじめとする、その構造内
部に電極層もしくは導体回路を有する電子部品の製造に
用いる導電性ペースト用のニッケル粉末の製造方法、お
よび上記ニッケル粉末、並びに、そのニッケル粉末を用
いた導電性ペースト用のニッケルペースト及び積層セラ
ミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサをはじめとす
る積層セラミック電子部品は、導電性のペーストをセラ
ミックグリーンシートに印刷形成した後、圧着、焼成す
ることにより作製される。ここに用いられる導電性ペー
ストは、導電成分として、ニッケル(Ni)や銅(C
u)、銀(Ag)/パラジウム(Pd)等の金属粉末を
用い、これに有機ビヒクル、溶剤等を添加して作製され
る。
【0003】このような積層セラミック電子部品におい
て、小型化/高容量化を進めるためには、内部導体の厚
みを極力薄くし、単位体積あたりの積層可能枚数を増大
させることが必須となっている。この目的を達成するた
めには、導電性ペーストに用いる金属粉末の粒子の物理
的サイズを極力小さくすることが求められる。
【0004】しかしながら、粒径が小さくなるとその金
属粉末の比表面積が二乗で大きくなることにより、金属
粉末の表面エネルギーが増大し、その金属粉末の焼結開
始温度は低下する。このような金属粉末を用いた導電性
ペーストを内部電極に用いた場合には、積層セラミック
電子部品の焼成段階でセラミックグリーンシート上に形
成された導電性ペースト層の焼結開始温度が低温側にシ
フトし、セラミックが収縮する以前に金属粉末の焼結が
急峻に進行してしまい、デラミネーション、クラック等
の構造的欠陥の発生の一因になる。
【0005】従来、特開平6−96997号公報、特開
平11−185527号公報のように、Pd被覆された
Ni粉末を金属粉末として用いることによりNi粉末の
焼成収縮を制御することが試みられている。しかし、こ
の方法では、NiとPdが合金化するため、微粉のNi
粉末、たとえばその粒径が200nm以下となるような
ときには、十分な収縮抑制効果を発揮できず、過焼結に
よる電極カバレージの低下や、デラミネーションの問題
を発生させる。
【0006】また、特開平5−55077号公報や、特
開平10−106351号公報、特開平11−2834
41号公報では、酸化Niを含むペーストや、一部が酸
化されたNi粉末の使用が示唆されている。ところが、
このような粉末を用いた場合には、焼成条件雰囲気が酸
化ニッケルを還元する、いわゆる還元雰囲気下では、添
加された酸化ニッケルや、Ni粉末中の酸化ニッケルが
還元し、実質的な効果を示さないという問題がある。
【0007】また、金属粉末への酸化物などのコーティ
ングによって、Ni粉末の焼結を抑制しようという試み
がある(特開平ll−343501号公報、特開200
0−178601号公報)。
【0008】しかし、液相法で合成されたNi粉末の表
面層に均質にコーティング層を形成しても、次のような
理由で、セラミックが焼成される1000℃以上の領域
まで、焼結抑制ができないという間題がある。
【0009】すなわち、液相法によって合成されたNi
粉末は、Ni粉末同士が結合した凝結粒子を含み、この
凝集粒子を構成する、個々の粒子の結晶性が50nm以
下程度と低く、熱安定性が低いという特徴がある。
【0010】このような粒子にコーティングを施した場
合、この凝結粒子を包み込むような形でコーティング層
が形成される。このコーティングした粉末を、積層セラ
ミックコンデンサーが焼成されるような高い温度域まで
上昇させた場合の変化は、まず、Niをコーティング
しない場合に焼結が始まる温度域(300℃〜400
℃)で、コーティング層内部に含まれる凝結粒子が焼結
し変形し始める。次に、この粉末内部での焼結により
Ni粒子が大きく変形し、コーティング層を破壊する。
【0011】このとき、内部のNiは焼結するのに十分
なエネルギーをもっており、コーティング層の破壊後急
速に収縮をはじめる。このとき、コーティング材(酸化
物など)は、Ni焼結の際に形成される3重点に入り込
んで焼結を緩慢にするが、金属との化学的親和性は強く
なく、次第に焼結体外部に押し出され、Niの焼結縁密
化を抑制する効果を失う。
【0012】また、このような粉末では、その焼成メカ
ニズムから、コーティング層が破壊されたあとのNiの
収縮速度は著しく早い。積層セラミック電子部品に使用
されるセラミック材料と上記粉末とが同時焼成される
際、上記破壊が起こる温度が、600℃〜900℃程度
の温度領域のとき、通常、この温度領域でセラミックは
脱バインダー化されているが、焼結は、全く、もしくは
殆ど進行していない状態にある。よって、上記温度領域
は、セラミック粉末同士の結合力がもっとも弱い温度領
域となる。
【0013】この温度領域での急激な内部電極層の収縮
は、積層体内部に急激な応力を発生させ、セラミック層
の破壊、電極/セラミック界面のはく離を発生させ、む
しろ、コーティングした方が積層体のクラック、デラミ
ネーションン不良の比率が大きくなってしまうこともあ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、熱安定性の低い液相法で合成されたNi粉末の焼結
を抑制することと、高温域での急激な収縮を抑制するた
めに、コーティング層の剥離を誘発する凝集粒子を低減
するとともに、個々の粒子の熱安定性を向上させ、さら
に均質なコーティング層を形成することで、液相法で合
成されたNi粉末の焼結を制御し焼結開始温度を高温度
側にシフトさせるとともに、それからの急峻な焼結収縮
を抑制したNi粉末の製造方法に関するものである。
【0015】特に,本発明の目的は、積層セラミックコ
ンデンサ等、焼結温度がNi粉末よりも高いセラミック
層と同時焼結を行う導電性ペースト用の金属粉末として
用いた際、Ni粉末の焼結開始温度が低いことと、焼結
収縮が急峻であることに起因した、デラミネーション、
クラック等の不良を阻止できるNi粉末をより安価に提
供することである。
【0016】この発明のさらに他の目的は、積層セラミ
ック電子部品の薄層化を図るべき内部導体を形成するた
めに有利に用いることのできる導電性のニッケルペース
ト、並びにそのニッケルペーストを用いて製造した積層
セラミック電子部品を提供しようとすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係るNi粉末
は、上述した技術的課題を解決するため、まずはじめ
に、コーティング層の剥離を誘発する凝集粒子を低減す
るとともに、個々の粒子の熱安定性を向上させたNi粉
末を作成するため、液相法により、Niを主成分とする
金属を、Ni以外の金属の酸化物、水酸化物、珪酸塩、
炭酸塩、アルミン酸塩のうち少なくとも一種とを粉末と
して共析することを行う。
【0018】共析反応は、たとえば、Ni塩を、水、ア
ルコールなどに溶解し、これをヒドラジン化合物などに
より還元する際、その溶液に金属塩化物などの金属イオ
ン源と、その対イオンとなる、水酸化物イオン、珪酸イ
オン、炭酸イオン等の存在下で、共析物の沈殿が可能な
pH領域でNi粉末を合成することによりNi粉末との
共析が可能となる。
【0019】酸化物を共析する場合には、対応する金属
アルコキシドを共存させ、Niの還元反応と同時に加水
分解させることにより共析することができる。このよう
な方法で、Niと共析できる化合物の例としては、酸化
物としてBaTiO3 、TiO2 、ZrO2 、Si
2 、Al2 3 などがあり、水酸化物、炭酸塩、ケイ
酸塩として、Laに代表される希土類元素やYの水酸化
物、Mg(OH)2 に代表されるアルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩、珪酸塩などがある。
【0020】これらの共析粉末は、Ni粉末と、酸化
物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩、アルミン酸塩などが複
合化しており、積層セラミックコンデンサーが焼成され
るような高い温度領域では、Niと共析された化合物が
比較的高い熱安定性を有するため、Niの焼結の際に3
重点に析出し、ピン止め効果によりNiのネッキング開
始後の収縮速度を緩やかにする効果を発揮できる。
【0021】しかし、このような共析粉末では、Niの
焼結速度は遅くなるが、収縮開始温度の大幅な上昇はな
い。したがって、この様な粉末を内部電極材料として用
いた場合には、焼成温度が高くなるにつれて、内部電極
の収縮量が増大し、セラミック層/電極の界面で応力が
蓄積されていくことになる。
【0022】さらに温度が上昇すると、この蓄積された
応力が原因で、ついには、セラミック/電極層のはく離
が発生することになる。したがって、共析により、収縮
挙動が緩やかな粉末は作成可能であるが十分でないとい
える。これは,蓄積された応力がセラミック/電極界面
に発生するためであるが、この応力を緩和するために
は、この応力ができるだけ発生しないように、粉末の収
縮開始温度を上昇させ、収縮量を低減させる必要があ
る。具体的には、同時に焼成される、セラミックが焼結
を開始し、セラミックが収縮する温度まで上昇させるこ
とにより、このはく離を発生させる応力を低減すること
ができる。
【0023】発明者は、この収縮開始温度を上昇させる
ために、共析粉末にコーティング(付着)を行うが次の
ような理由で、Ni粉末単独にコーティングした(付着
させた)場合より大幅に、クラック/剥離不良を低減で
きることを見出した。
【0024】まず、Ni粉末に高い熱安定性を付与する
ためには、コーティング層(付着層)の剥離を誘発する
凝集粒子を低減することが必須であるが、発明者は、共
析粉末が、高い分散性を有することを見出した。
【0025】この原因は、明確になっていないがおおむ
ね次のように考えられる。液相中で分散した金属粉末を
得るには、個々の粒子の間の金属結合の形成を阻止する
必要がある。共析反応では、Niと水酸化物、炭酸塩な
どの沈殿反応が同時に起き、Niと炭酸塩などの複合粒
子が生じる結果、表面に露出している金属Ni成分が減
少し、2粒子の接点でNi金属同士が接触する確率を低
減でき、金属結合を形成するのを抑制しているものと考
えられる。
【0026】一方で、金属成分と炭酸塩、水酸化物など
との結合は、金属結合に比較し強固でないために、ペー
ストを作成する際の粉砕プロセスなどによって容易に解
砕されるものと思われる。
【0027】したがって、このような高分散性の粉末に
は、コーティング層のはく離を誘発する凝集粒子が少な
く、この粉末にコーティングを施すことにより、収縮開
始温度の高温化が図れることになった。また、本来、収
縮速度が遅い粉末を用いているため、コーティング層の
崩壊後も緩やかな収縮を示し、結果として、セラミック
が収縮するまでの温度領域での収縮量を低減することが
できるようになったのである。
【0028】このような材料を具体的に実現するために
は、Niと共に共析させる元素は、分散性の点からは多
くの要請はないが、これら粉末は高温までの収縮挙動が
緩やかなことが要請されることから、高温での安定性が
高いものが望ましい。具体的には、酸化物、アルミン酸
塩である。
【0029】これらの化合物は、通常、1500℃以上
の融点(例えば、BaTiO3 の融点1610℃、Mg
Oの融点2826℃、Mg2 SiO4 の融点1898℃
など)を有するため、高温安定性が高く効果的である。
水酸化物、炭酸塩などは、熱分解するものもあり、熱安
定性は落ちるが、比較的Niと共析しやすく高分散を得
るために効果が高い。
【0030】共析量はNiに対しより多いほうが効果を
発揮し、Ni100molに対し0.1mol以上が効
果的である。理想的にはNiの粒径が100nmのと
き、Ni100molに対し0.2mol〜5mol程
度がよい。極端に多いと、Ni含有量が低下し積層セラ
ミック電子部品の内部電極にした場合、電極カバレージ
の低下を引き起こす。
【0031】共析に用いる元素の種類は、セラミック材
料に用いた場合にその誘電特性を大きく変化させないも
のが望ましい。熱安定性の点から、周期律表の2属ない
し9属元素、13属元素、14属元素のものが、共析用
の金属化合物として使用可能であり、セラミックの誘電
特性を考慮した場合、アルカリ土類金属、ランタノイド
系希土類元素、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、アルミニウ
ム(Al)、珪素(Si)がもっとも使用しやすい。
【0032】次に、Niと金属化合物との共析粉末の表
面に、Ni以外の金属の、酸化物、水酸化物、珪酸塩、
炭酸塩、アルミン酸塩のうち少なくとも一種を金属化合
物として付着させる。ここで、酸化物、水酸化物、珪酸
塩、炭酸塩、アルミン酸塩はアルカリ土類金属、ランタ
ノイド系希土類元素、イットリウム、ジルコニウム、チ
タン、アルミニウム、珪素を少なくとも一種含むものが
使用可能であり、共析同様使用しやすい。
【0033】コーティング(付着)の方法は、例えば、
Ni粉末を分散させたスラリー(けんだく液)に、金属
源として金属塩化物溶液などと、対イオン源(沈殿剤)
として珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、タングステン
酸ナトリウム、などの溶液を同時に滴下することによっ
て行うことができる。
【0034】また、金属酸化物の場合には、共析Ni粉
末をアルコール中に分散し、そのスラリーにコーティン
グに用いるアルコキシドを溶解し、さらに、水または、
水を含むアルコールを滴下することにより、アルコキシ
ドを加水分解させて、Ni粉末表面に酸化物をコーティ
ングできる。
【0035】2種以上のアルコキシド、たとえばBaと
Ti、MgとAlのアルコキシドを用いてABO3 型ま
たはAB2 4 型の複合酸化物のコートも可能である。
溶媒を飛散させて金属化合物を析出させてコーティング
してもよい。
【0036】コート材の特性上は、共析と同様に、熱安
定性の高いものが望ましく、酸化物、珪酸塩、アルミン
酸塩が都合がよい。熱分解する水酸化物、炭酸塩でも比
較的多く、例えばNi100molに対して1mol以
上コートすることで、厚いコーティング層を形成して熱
分解後も均一性を損なうことがないようにできる。
【0037】コート量はNiに対しより多いほうが効果
を発揮し、Niの粒径が100nmの場合、理想的には
Ni100molに対して0.1mol〜5mol程度
がよいが、0.3mol以上で効果的である。極端に多
いと、共析と同様にNi含有量が低下し積層内部電極に
した場合、電極カバレージの低下を引き起こす。また、
共析用の金属化合物と、コーティング用の金属化合物と
は相違している方が好ましい。
【0038】Ni粉末の焼結は、電子顕微鏡で観察され
るような物理的なサイズが小さいほど、結晶子径が小さ
いほど低温で起こる。したがって本発明の効果は、微粉
になるほど、結晶子径が小さくなるほど効果的であり、
実質的には、粒子径200nm以下、結晶子径50nm
以下の粉末に用いたときに特に効果を発揮する。
【0039】
【発明の実施の形態】実施例及び比較例によって本発明
を具体的に説明する。
【0040】(実施例1)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し0.
5molとなるようにチタンイソプロポキシドを溶解し
た。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒド
ラジン90g、イオン交換水60ml、および水酸化バ
リウムをNi100molに対し0.5molとなる量
を混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子
径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3
共析粉末を得た。
【0041】次に、この粉末を、15g秤量し、300
mlポリポットにて1mmφの玉石250g、イソプロ
パノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉
砕した。その後、粉砕したスラリーをイソプロパノール
100mlを用いて玉石と分離し、300mlビーカー
に移した。
【0042】さらに、Ni100molに対し1mol
となる量のアルミニウムトリイソプロキシドを、上記ス
ラリーに混合した。このスラリーを攪拌子を用いて毎秒
350回転で攪拌しながら、上記スラリーに、50ml
のイソプロパノール水溶液(2wt%)を毎分1mlの
割合で投入し、アルミニウムトリイソプロポキシドを加
水分解して、Ni粉末に対しアルミニウム酸化物(アル
ミナ、Al2 3 )を付着させた。この粉末(Ni粉
末)を脱水、ろ過したのち、60℃オーブンで乾燥し
た。
【0043】これら各金属を含む粉末50wt%に対し
て、エチルセルロース系バインダ10wt%をテルピネ
オール90wt%に溶解して作製した有機ビヒクル40
wt%とテルピネオール10wt%とを加えて、3本ロ
ールミルにより入念に分散混合処理を行なうことによ
り、良好に分散した金属粉末を含有するペースト(ニッ
ケルペースト)を調製した。
【0044】このペーストを用いた積層セラミックコン
デンサー(積層セラミック電子部品)の製造方法を以下
に説明する。まず、上記ペーストを、BaTiO3 を主
成分とする1.4μmの厚みのセラミックグリーンシー
ト上にスクリーン印刷し、内部電極となる導電性ペース
ト膜を形成した。このとき、導電性ペースト膜の乾燥後
の厚みは0.6μmとした。
【0045】次いで、セラミックグリーンシートを、上
述の導電性ペースト膜の引き出されている端辺側が、互
い違いとなるように複数層、互いに積層し、熱プレスし
て一体化した。次いで、一体化したプレス体を所定の寸
法にカットし、生の積層体としての生チップを得た。こ
の生チップを、N2 雰囲気中にて250℃の温度に加熱
し、バインダーを燃焼させた(脱バインダー化)後、酸
素分圧は4×10-12MPaのH2 −N2 −H2 Oガス
からなる還元性雰囲気中において、1100℃を最高焼
成温度として2時間保持するプロファイルで焼成した。
【0046】また、有効誘電体セラミック層の総数は1
00であり、1層当たりの対向電極の面積は15.1×
10-62 であった。
【0047】次いで、これら得られた積層セラミックコ
ンデンサーの各試料100個を、樹脂に埋めて研磨を行
い、顕微鏡観察を行い、内部電極内にクラックが発生し
ている試料の比率を求めた。
【0048】以下に、上記積層セラミックコンデンサー
の構造について説明する。図1に示すように、上記積層
セラミックコンデンサー11は、略直方体型であり、セ
ラミック積層体12と、複数の各内部電極13…と、一
対の各端子電極14、14と、一対の各めっき膜15、
15とを有している。
【0049】セラミック積層体12は、例えばBaTi
3 を主成分とする誘電体材料からなるセラミック層1
2aが複数積層された生のセラミック積層体が焼成され
てなっている。
【0050】各内部電極13・13は、セラミック積層
体12内の各セラミック層12a・12a間にあって、
焼成前の複数のセラミックグリーンシート上に本発明の
ニッケルペーストが印刷され、各セラミックグリーンシ
ートと共に積層されてなる生チップと同時に焼成されて
形成されている。また、各内部電極13…のそれぞれの
端縁は、セラミック積層体12の何れかの端面に露出し
ている。
【0051】各端子電極14、14は、セラミック積層
体12の端面に露出した各内部電極13…の一端と電気
的に接合されるように、端子電極形成用の導電性ペース
トがセラミック積層体12の端面に塗布され焼き付けら
れている。各めっき膜15、15は、例えば、SnやN
i等の無電解めっきや、はんだめっき等からなり、各端
子電極14、14上に少なくとも1層それぞれ形成され
ている。
【0052】なお、本発明のセラミック積層体12の材
料は、上述の実施例に限定されることはなく、例えば、
PbZrO3 系等その他の誘電体材料や、絶縁体、磁性
体、半導体材料からなっても構わない。
【0053】また、上記各内部電極13…の枚数は、上
述の実施例に限定されることはなく、何層形成されてい
ても構わない。また、端子電極14の形成位置ならびに
個数は、上述の実施例に限定されるものではない。ま
た、めっき膜15、15は、必ずしも備えている必要は
なく、また何層形成されていても構わない。
【0054】(実施例2)実施例1と同様の方法で粒子
径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3
共析粉末を作成したあと、この粉末を15g秤量し、3
00mlポリポットにて1mmφの玉石250g、エタ
ノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉砕
した。その後、粉砕したスラリーをエタノール100m
lを用いて玉石と分離し、300mlビーカーに移し
た。
【0055】さらに、上記スラリーに、珪酸エチルを、
Ni100molに対し2molとなる量を混合した。
この溶液を攪拌子を用いて毎秒350回転で攪拌しなが
ら、上記溶液にイオン交換水10ml、アンモニア水2
0mlの混合溶液を毎分1mlの割合で投入し、珪酸エ
チルを加水分解し、Ni粉末にSiO2 を付着させた。
この粉末を脱水、ろ過したのち、60℃オーブンで乾燥
した。その後、実施例1と同様の方法でペースト、積層
セラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を
求めた。
【0056】(実施例3)実施例1と同様の方法で粒子
径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3
共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量が
Ni100molに対し2molとなるように比率を調
整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100
mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビー
カーに移した。
【0057】さらに、0.3mol%塩化マグネシウム
溶液と、0.3mol%水酸化ナトリウム溶液とを、N
i100molに対しMg(OH)2 換算で2molと
なる量を調整した。
【0058】Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎秒3
50回転で攪拌しながら、上記Niけんだく液に塩化マ
グネシウム溶液と、水酸化ナトリウム溶液を10分間か
けて投入し、Mg(OH)2 をNi粉に付着させた。
【0059】この粉末を、水洗して、不純物を除去した
後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その
後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0060】(実施例4)実施例1と同様の方法で粒子
径100nm、結晶子径18nmのNi−BaTiO3
共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量が
Ni100molに対し2molとなるように比率を調
整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100
mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビー
カーに移した。
【0061】さらに、0.3mol%塩化ランタン溶液
と、0.3mol%水酸化ナトリウム溶液を、Ni10
0molに対しLa(OH)3 換算で0.5molとな
る量を調整した。Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎
秒350回転で攪拌しながら、上記Ni粉けんだく液に
塩化ランタン溶液と、水酸化ナトリウム溶液とを10分
間かけて投入し、La(OH)3 を付着させた。
【0062】この粉末を、水洗して、不純物を除去した
後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その
後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0063】(実施例5)実施例1と同様の方法で粒子
径100nm、結晶子径20nmのNi−BaTiO3
共析粉末を作成した。ただし、BaTiO3 の添加量が
Ni100molに対し2molとなるように比率を調
整した。この粉末を15g秤量し、イオン交換水100
mlと混合しNi粉けんだく液として、300mlビー
カーに移した。
【0064】さらに、0.3mol%塩化マグネシウム
溶液と、0.3mol%アルミン酸ナトリウム溶液を、
Ni100molに対しMg(AlO2 2 換算で0.
5molとなる量を調整した。
【0065】Ni粉けんだく液を攪拌子を用いて毎秒3
50回転で攪拌しながら、上記Niけんだく液に塩化マ
グネシウム溶液と、アルミン酸ナトリウム溶液水とを1
0分間かけて投入し、Mg(AlO2 2 を付着させ
た。
【0066】この粉末を、水洗して、不純物を除去した
後、脱水ろ過し、60℃のオーブン中で乾燥した。その
後、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0067】(実施例6)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し3.
5molとなるようにアルミニウムトリイソプロキシド
を溶解した。この溶液を、水酸化ナトリウム22.5
g、抱水ヒドラジン90g及びイオン交換水60mlを
混合した溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径
150nm、結晶子径38nmのNi−Al2 3 共析
粉末を得た。
【0068】次に、この粉末を、15g秤量し、300
mlポリポットにて1mmφの玉石250g、イソプロ
パノール50mlと混合して、ポット架上で16時間粉
砕した。その後、粉砕したスラリーをイソプロパノール
100mlを用いて玉石と分離し、300mlビーカー
に移した。
【0069】さらに、テトラチタンイソプロポキシド
を、Ni100molに対し0.2molとなる量をこ
のスラリーに混合した。この溶液を攪拌子を用いて毎秒
350回転で攪拌しながら、上記溶液にNi100mo
lに対し0.2molの水酸化バリウムを含むイオン交
換水50mlを10分間かけて投入し、BaTiO3
Ni粉末に付着させた。この粉末を脱水、ろ過したの
ち、60℃オーブンで乾燥した。その後、実施例1と同
様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作
成して、クラック発生率を求めた。
【0070】(実施例7)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し2m
olとなるようにn−テトラブトキシジルコニウムを溶
解した。この溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水
ヒドラジン90g及びイオン交換水60mlを混合した
溶液と混合し、60℃で1時間放置し、粒子径50n
m、結晶子径17nmのNi−ZrO2 共析粉末を得
た。
【0071】次に、この粉末に対し、実施例1と同様の
方法で、Ni100molに対し1molのAl2 3
を付着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セ
ラミックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求
めた。
【0072】(実施例8)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し3m
olとなるように珪酸エチルを溶解した。この溶液を水
酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、イ
オン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃で
1時間放置し、粒子径100nm、結晶子径25nmの
Ni−SiO2 共析粉末を得た。
【0073】この粉末に対し、実施例1と同様の方法で
Ni100molに対し1molのAl2 3 を付着さ
せ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0074】(実施例9)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し1m
olとなるように塩化マグネシウムを溶解した。この溶
液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90
g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、6
0℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径20n
mのNi−Mg(OH)2 共析粉末を得た。この粉末に
対し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対
し0.5molのAl2 3 を付着させ、実施例1と同
様の方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作
成して、クラック発生率を求めた。
【0075】(実施例10)実施例9と同様の方法で、
Ni100molに対し0.5molとなるように塩化
マグネシウムを溶解し、粒子径80nm、結晶子径17
nmのNi−Mg(OH)2 共析粉末を得た。この粉末
に対し、実施例2と同様の方法で、Ni100molに
対し2molのSiO2 を付着させ、実施例1と同様の
方法でペースト、積層セラミックコンデンサーを作成し
て、クラック発生率を求めた。
【0076】(実施例11)塩化ニッケル45gをエタ
ノール150m1に溶解し、Ni100molに対し3
molとなるように塩化イットリウムを溶解した。この
溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン9
0g、イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、
60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径20
nmのNi−Y(OH)3 共析粉末を得た。
【0077】この粉末に対し、実施例1と同様の方法
で、Ni100molに対し1molのAl2 3 を付
着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミ
ックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求め
た。
【0078】(実施例12)塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3
molとなるように塩化マグネシムを溶解した。この溶
液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90
g、イオン交換水60ml、メタ珪酸ナトリウムをNi
100molに対し3molの量を混合した溶液と混合
し、60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径
19nmのNi−MgSiO3 共析粉末を得た。
【0079】この粉末に対し、実施例2と同様の方法で
Ni100molに対し1molのSiO2 を付着さ
せ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0080】(実施例13)塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3
molとなるように塩化カルシウムを溶解した。この溶
液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90
g、イオン交換水60ml、炭酸ナトリウムがNi10
0molに対し3molの量を混合した溶液と混合し、
60℃で1時間放置し、粒子径80nm、結晶子径19
nmのNi−CaCO3 共析粉末を得た。
【0081】この粉末に対し、実施例1と同様の方法
で、Ni100molに対し1molのAl2 3 を付
着させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミ
ックコンデンサーを作成して、クラック発生率を求め
た。
【0082】(実施例14)塩化ニッケル45gをエタ
ノール150mlに溶解し、Ni100molに対し3
molとなるように塩化マグネシウムを溶解した。この
溶液を水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン9
0g、イオン交換水60ml、アルミン酸ナトリウムが
Ni100molに対し3molの量を混合した溶液と
混合し、60℃で1時間放置して、粒子径80nm、結
晶子径21nmのNi−Mg(A1O 2 2 共析粉末を
得た。
【0083】この粉末に対し、実施例2と同様の方法
で、Ni100molに対し1molのSiO2 を付着
させ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミッ
クコンデンサーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0084】(実施例15−27)実施例1と同様の方
法で、Ni100molに対し、表1に示す、BaTi
3 換算にて0.1mol〜10molのNi−BaT
iO3 共析粉末をそれぞれ得た。これらに、実施例2と
同様の方法で、Ni100molに対して、表1に示
す、0.05mol〜10molのSiO2 を付着さ
せ、実施例1と同様の方法でペースト、積層セラミック
コンデンサーをそれぞれ作成して、クラック発生率を求
めた。
【0085】(実施例28−34)実施例10と同様の
方法で、Ni100molに対して、表1に示す、Mg
(OH)2 換算で0.1mol〜10molのNi−M
g(OH)2 共析粉末をそれぞれ得た。この粉末に対
し、実施例1と同様の方法で、Ni100molに対し
て、表1に示す、1molのAl2 3 を付着させ、実
施例1と同様の方法でペースト、積層セラミックコンデ
ンサーをそれぞれ作成して、クラック発生率を求めた。
上記各実施例1−34の組成比及び結果については、表
1に合わせてそれぞれ示す。
【0086】(比較例1)粒子径が100nmのNi粉
末を、他に何れも付着させずに、実施例1と同様の方法
でペースト化し、積層セラミックコンデンサーでの評価
を行った。結果を表1に示す。
【0087】(比較例2)粒子径が100nmのNi粉
末を、塩化すず(SnCl2 )と塩酸とからなる溶液に
浸漬し、パラジウム(Pd)の付着を促進させるSnを
Ni粉末に吸着させ、続いて、塩化パラジウム(PdC
2 )を含む溶液に浸漬し、Ni表面に、Ni100m
olに対し2molのパラジウムを析出させた。この粉
末に対し、実施例1と同様の方法でペースト化し、積層
セラミックコンデンサーでの評価を行った。結果を表1
に示す。
【0088】(比較例3)粒子径が100nmのNi粉
末を200℃のオーブンに2時間放置し,Ni表面を酸
化させた。XPS解析により表面からNi金属が検出さ
れないことを確認した。この粉末に対し、実施例1と同
様の方法でペースト化し,積層セラミックコンデンサー
での評価を行った。結果を表1に示す。
【0089】(比較例4)共析していない、粒子径が1
00nmのNi粉末に対し、実施例1と同様の方法でA
2 3 をNi100molに対し1molとなるよう
に付着させ、実施例1と同様の方法でペースト化し、積
層セラミックコンデンサでの評価を行った。結果を表1
に示す。
【0090】(比較例5)塩化ニッケル45gをエタノ
ール150mlに溶解し、Ni100molに対し2m
olとなるように塩化ランタンを溶解した。この溶液を
水酸化ナトリウム22.5g、抱水ヒドラジン90g、
イオン交換水60mlを混合した溶液と混合し、60℃
で1時間放置し、Ni−La(OH)3 共析粉末を得
た。この粉末を、他に何れも付着させずに、実施例1と
同様の方法でペースト化し、積層セラミックコンデンサ
ーを作成して、クラック発生率を求めた。
【0091】
【表1】
【0092】表1の結果から明らかなように、本発明に
より作製された粉末を積層セラミックコンデンサーの内
部電極として用いた場合、比較例1〜5と比較して、極
めて低いクラックの発生率となることが判った。
【0093】
【発明の効果】本発明のNi粉末を用いて作製したNi
ペーストは、粒径が小さく薄層化を図るのに効果があ
り、また焼結収縮が抑制されるので積層セラミック電子
部品等のセラミックス層と同時に焼成を行う際、セラミ
ック層の焼結収縮に近づけることができて、クラック等
の構造的な不良の発現を防止できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミック電子部品としての
積層セラミックコンデンサーの断面図である。
【符号の説明】
11 積層セラミックコンデンサー(積層セラミック
電子部品) 12 セラミック積層体 13 内部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/22 H01B 1/22 A H01G 4/12 361 H01G 4/12 361 Fターム(参考) 4G031 AA06 AA11 AA39 BA09 CA03 CA08 GA06 4K018 AA07 AB01 AB04 AB10 AC03 BA04 BC28 BD04 KA33 4K020 AC06 BB41 BC03 5E001 AB03 AC09 AH01 AH09 AJ01 5G301 DA10 DA33 DA42 DD01 DE10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液相反応により、ニッケルを主成分とする
    金属と、ニッケル以外の金属の酸化物、水酸化物、珪酸
    塩、炭酸塩及びアルミン酸塩よりなる金属化合物の群か
    ら選ばれた少なくとも1種とを粉末として共析出させる
    工程と、 共析出させた粉末の表面に、ニッケル以外の金属の酸化
    物、水酸化物、珪酸塩、炭酸塩及びアルミン酸塩のうち
    の少なくとも1種を付着させる工程とを有することを特
    徴とするニッケル粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】共析出させる工程は、還元剤溶液と、ニッ
    ケルを主成分とする金属としてのニッケル塩及びニッケ
    ル以外の金属の金属化合物とを溶解して含む溶液とを混
    合し、ニッケルイオンの還元反応と金属化合物の析出反
    応とを備えることを特徴とする請求項1記載のニッケル
    粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】付着させる工程は、共析出させた粉末を溶
    媒に分散させたスラリーに、 (a)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後
    に、沈殿剤を添加して前記金属化合物を沈殿させる、 (b)ニッケル以外の金属の金属化合物の溶解と、沈殿
    剤とを添加して前記金属化合物を沈殿させる、 (c)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後
    に、前記金属化合物を加水分解して沈殿させる、 (d)ニッケル以外の金属の金属化合物を溶解させた後
    に、溶媒を飛散させて前記金属化合物を析出させる、の
    うちの何れか一つを備えることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のニッケル粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】ニッケルを主成分とする金属と共析出させ
    る金属化合物は、金属元素として、アルカリ土類金属、
    ランタノイド系希土類元素、Y、Zr、Ti及びSiの
    うちの何れか一つであることを特徴とする請求項1、2
    または3記載のニッケル粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】付着させる工程の金属化合物は、金属元素
    として、アルカリ土類金属、ランタノイド系希土類元
    素、Y、Zr、Ti及びSiのうちの何れか一つである
    ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載
    のニッケル粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】共析出させた粉末の粒径が200nm以下
    であることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項
    に記載のニッケル粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】共析出させた粉末中の金属化合物の割合
    は、ニッケル100モルに対し、0.1モル〜5モルで
    あることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に
    記載のニッケル粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】共析出させた粉末中の結晶子径が50nm
    以下であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか
    1項に記載のニッケル粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】付着させた粉末中の金属化合物の割合は、
    ニッケル100モルに対し、0.1モル〜5モルである
    ことを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載
    のニッケル粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9の何れか1項に記載の
    ニッケル粉末の製造方法により得られたことを特徴とす
    るニッケル粉末。
  11. 【請求項11】請求項10記載のニッケル粉末と、有機
    ビヒクルとを含むことを特徴とするニッケルペースト。
  12. 【請求項12】互いに積層された、複数のセラミックス
    層と、 各セラミックス層の間に設けられた、請求項11記載の
    ニッケルペーストの焼結体とを備えていることを特徴と
    する積層セラミック電子部品。
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