JP4363145B2 - 積層体および積層体の製造方法 - Google Patents

積層体および積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子材料用途に幅広く用いられる積層体および積層体の製造方法に関し、更に詳しくはフレキシブルプリント配線用基板として好適に用いられる積層体およびその製造方法に関する。
フレキシブルプリント配線用基板としては、ポリイミドなどの樹脂よりなる樹脂層と、銅などの金属よりなる金属薄層とが積層されてなる積層体が用いられている。
このような積層体よりなるフレキシブルプリント配線用基板の製造方法としては、銅などよりなる金属箔にポリイミドなどよりなる樹脂フィルムを熱ラミネート処理によって、あるいは接着剤によって張り合わせる手法、銅などよりなる金属箔にポリイミドなどの樹脂の前駆体溶液を塗布して乾燥させる手法が採用されている。
このような製造方法によって得られるフレキシブルプリント配線用基板には、その製造過程において、当該基板を構成する材質の熱的挙動の相違に起因してカール(反り)や、樹脂層と金属薄層との間ハガレなどが生じてしまうため、配線回路のパターンニングが困難になる、という問題が生じていた。
従来、樹脂層を構成する材料として一種の樹脂のみを用いることにより、その製造過程においてカールの発生を抑制し、しかも樹脂層と金属薄層とに高い接着性が得られると共に、優れた耐熱性および機械的強度を有するフレキシブルプリント配線用基板を製造することは困難であった。
而して、カールの生じた基材を熱処理して平滑化させる技術(例えば、特許文献1参照。)、銅箔上に高線膨張性樹脂よりなる第1の樹脂構成層および低線膨張性樹脂よりなる第2の樹脂構成層を、各々の樹脂構成層の厚みを制御してこの順に形成し、これによって樹脂層を多層化することによりカールの発生を抑制する技術(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
しかしながら、このような技術を採用してフレキシブルプリント配線用基板を製造する場合には、フレキシブルプリント配線用基板材料が加熱される工程において、その度毎に平滑化のための後処理が必要となったり、また、工程数が増加してしまうため、高い生産性を得ることができない、という問題がある。
また、ポリイミドよりなる樹脂層を有するフレキシブルプリント配線用基板においては、樹脂層の吸水性が極めて高いことからカールが生じやすい、という問題がある。
特開昭56−23791号公報 特開平8−250860号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、カールの発生を抑制することができ、しかも耐熱樹脂層と金属薄層とに高い接着性が得られると共に、優れた耐熱性および機械的強度を有する積層体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、カールの発生を抑制することができ、しかも耐熱樹脂層と金属薄層とに高い接着性が得られると共に、優れた耐熱性および強度を有する積層体を高い生産性で製造することのできる方法を提供することにある。
本発明の積層体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが積層されてなることを特徴とする。
Figure 0004363145
〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。
ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A1 、A2 、A3 およびA4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
Figure 0004363145
〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
このような積層体においては、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることが好ましい。
本発明の積層体は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体の架橋体よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが積層されてなることを特徴とする。
Figure 0004363145
〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。
ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A1 、A2 、A3 およびA4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
Figure 0004363145
〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
本発明の積層体においては、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることが好ましい。
本発明の積層体においては、金属薄層が銅箔よりなることが好ましい。
本発明の積層体は、フレキシブルプリント配線基板として用いられることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体を含有する重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程を有することを特徴とする。
Figure 0004363145
〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA3 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。
ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
本発明の積層体の製造方法は、下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂シートと、金属箔とを貼付する工程を有することを特徴とする。
Figure 0004363145
〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。
ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A1 、A2 、A3 およびA4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
Figure 0004363145
〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
本発明の積層体の製造方法においては、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法においては、金属薄層が銅箔よりなることが好ましい。
本発明の積層体は、特定の環状オレフィン系重合体あるいは当該特定の環状オレフィン系重合体の架橋体よりなる耐熱樹脂よりなる耐熱樹脂層を有するものであるため、その製造過程において、および使用時においてカールの発生を抑制することができ、しかも耐熱樹脂層と金属薄層とに高い接着性が得られると共に、優れた耐熱性および機械的強度が得られる。
従って、本発明の積層体は、フレキシブルプリント配線用基板として好適に用いることができる。
本発明の積層体の製造方法によれば、耐熱樹脂層を構成する耐熱樹脂として特定の樹脂材料を用いることにより、得られる積層体における耐熱樹脂層が一種の樹脂によって構成されてなるものであっても平滑化のための後処理を施すことなく、耐熱樹脂層と金属薄層とに高い接着性が得られると共に、優れた耐熱性および機械的強度を有する積層体を高い生産性で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の積層体(以下、「特定の積層体」ともいう。)は、耐熱樹脂層と、金属薄層とが一体的に積層されてなるものであり、具体的には、下記の(イ)または(ロ)の構成を有する積層体である。
(イ)上記一般式(1)で表される構造単位(以下、「特定の構造単位」ともいう。)を有する環状オレフィン系重合体(以下、「特定の環状オレフィン系重合体」ともいう。)よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが積層されてなる積層体(以下、「第1の積層体」ともいう。)
(ロ)特定の環状オレフィン系重合体の架橋体(以下、「特定の架橋体」ともいう。)よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが積層されてなる積層体(以下、「第2の積層体」ともいう。)
<第1の積層体>
第1の積層体は、特定の環状オレフィン系重合体からなる第1の耐熱樹脂よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが一体的に積層されてなるものであり、同一の構成を有する2以上の特定の構造単位が連続して配列されてなるものであることが好ましい。
第1の積層体においては、耐熱樹脂層の厚さは5〜150μmであることが好ましく、また、金属薄層の厚さは2〜100μmであることが好ましい。
第1の積層体における耐熱樹脂層を構成する特定の環状オレフィン系重合体は、少なくとも1種以上の特定の構造単位を有するものである。また、この特定の環状オレフィン系重合体は、同一の構成を有する少なくとも2以上の特定の構造単位が連続して配列されてなる部分を有するものであることが好ましい。
特定の構造単位を表す一般式(1)において、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基(以下、「特定極性基」ともいう。)を示す。
ここで、特定極性基を表す−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。
また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよい。更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。
mは、0あるいは1である。
特定の環状オレフィン系重合体は、2以上の特定の構造単位を有するものである場合には、当該特定の環状オレフィン系重合体を構成するすべての特定の単量体が同一の構成を有するものに限られず、複数種類の単量体を用いることにより、各特定の構造単位におけるA1 、A2 、A3 、A4 およびmの各々がその一部または全部が異なったものであってもよい。
特定の環状オレフィン系重合体は、一般式(1)におけるA1 、A2 、A3 およびA4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である特定の構造単位を含むものであることが好ましい。
特定の環状オレフィン系重合体は、加水分解性シリル基を含有する特定の構造単位を有することにより、トルエンやシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒に対する溶解度が高くなることから、後述する製造方法において、第1の積層体における耐熱樹脂層を形成するために用いる特定の環状オレフィン系重合体を含有する重合体溶液(以下、「第1の耐熱樹脂層形成用重合体溶液」ともいう。)の調製が容易となる。
また、加水分解性シリル基は、上記一般式(2)で表される基(以下、「特定加水分解性シリル基」ともいう。)であることが好ましい。
一般式(2)において、基Yは炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。
rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。
特定の環状オレフィン系重合体において、特定加水分解性シリル基を含有する特定の構造単位(以下、「特定シリル基含有構造単位」ともいう。)の含有割合は、当該特定の環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜20モル%である。
特定シリル基含有構造単位の含有割合が0.2モル%未満である場合には、特定の環状オレフィン系重合体の有機溶媒に対する溶解度が低くなり、第1の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を用いる製造方法によって耐熱樹脂層を形成することが困難となるおそれがあると共に、得られる第1の積層体における耐熱樹脂層の耐溶媒性、耐薬品性および機械的強度が小さくなり、更に当該耐熱樹脂層の金属薄層との接着性が小さくなるおそれがある。
一方、特定シリル基含有構造単位の含有割合が30モル%を超える場合には、得られる第1の積層体における耐熱樹脂層の吸水性が大きくなることに起因して当該第1の積層体にカールが生じやすくなるおそれがある。
特定の環状オレフィン系重合体を構成する特定の構造単位は、下記一般式(3)で表される単量体(以下、「特定単量体」ともいう。)により形成されるものである。
Figure 0004363145
〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルケニル基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、また、A1 とA2 とは、一体化してアルキリデン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。
ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
このような特定単量体の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−プロピルビシクロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチル−5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−シクロオクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−インダニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−4−エン、
9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−4−エン、
9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−4−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
3−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
4−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、
トリシクロ[6.2.1.02,7 ]ウンデカ−9−エン、
トリシクロ[8.2.1.02,9 ]トリデカ−11−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエン、
トリシクロ[6.2.1.02,7 ]ウンデカ−3,9−ジエン、
トリシクロ[8.2.1.02,9 ]トリデカ−5,11−ジエン、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルジクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ジメチルメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ジメチルエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ジメチルクロロシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
4−メチルジメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
4−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−エチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,3’−ジメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,3’,4’−トリメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,3’,3’,4’,4’−ペンタメチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−エチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,3’−ジメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−4’−フェニル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[3’−メチル−2’,4’−ジオキサ−3’−シラスピロ[5.5]ウンデシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−3’−フェニル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[1’−メチル−2’,7’−ジオキサ−1’−シラシクロヘプチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
4−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸プロピル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリフロロメチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸トリフロロエチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−酢酸エチル、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン、
アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル、
メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル、
アクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル、
メタクリル酸ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イルメチル、
2−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
2−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
2−[(3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
2−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、
4−[(3−メチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]テトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−オキセタニル)メチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル
などの環状オレフィンが挙げられる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特定の構造単位を形成するための特定単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エンから選ばれる1種以上の環状オレフィンを用いることが好ましい。
特定単量体として、このような環状オレフィンを用いることにより、ガラス転移温度が十分に高く、線膨張係数の低い環状オレフィン系重合体を得ることができる。
また、特定シリル基含有構造単位を形成するための特定単量体としては、5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチルジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、5−[1’−メチル−2’,5’−ジオキサ−1’−シラシクロペンチル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−[1’−メチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを用いることが好ましく、特に、5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6 .02,7 ]ドデカ−9−エン、5−[1’,4’,4’−トリメチル−2’,6’−ジオキサ−1’−シラシクロヘキシル]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンから選ばれる1種以上の環状オレフィンを用いることが好ましい。
特定の環状オレフィン系重合体においては、当該特定の環状オレフィン系重合体を構成する特定の構造単位の種類や全構造単位中における特定の構造単位の含有割合を適宜選択することにより、ガラス転移温度、線膨張係数等の物理的特性、有機溶媒に対する溶解度などを制御することができる。
具体的には、例えば5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどの鎖状アルキル基を有する環状オレフィンに由来の特定の構造単位を有する特定の環状オレフィン系重合体は、有機溶媒に対する溶解度が高くなると共に、得られる耐熱樹脂層が柔軟性を有するものとなり、しかも、そのガラス転移温度の制御が容易となる。
また、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン、トリシクロ[6.2.1.02,7 ]ウンデカ−9−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエンなどの環状オレフィンに由来の特定の構造単位を複数種類を有する特定の環状オレフィン系重合体は、得られる特定の積層体における耐熱樹脂層が優れた靱性、可撓性を有するものとなる。
更に、特定極性基を含有する特定の構造単位を有する特定の環状オレフィン系重合体は、得られる特定の積層体において、耐熱樹脂層が金属薄層との接着性に優れたものとなる。
特定の環状オレフィン系重合体には、特定の構造単位以外の構造単位(以下、「他の構造単位」ともいう。)が含有されていてもよい。
他の構造単位の具体例としては、例えばエチレン等のα−オレフィンに由来する構造単位、シクロヘキセン等の単環オレフィンに由来する構造単位、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位などが挙げられる。
このような他の構造単位の含有割合は、全構造単位中20モル%以下であることが好ましい。
特定の環状オレフィン系重合体は、ガラス転移温度が、通常、150〜450℃の範囲にあるものであり、好ましくは300〜400℃である。
ガラス転移温度が150℃未満である場合には、得られる特定の積層体における耐熱樹脂層が熱変形するなどの問題が生じるおそれがある。一方、ガラス転移温度が450℃を超える場合には、特定の環状オレフィン系重合体が剛直になるため、得られる特定の積層体における耐熱樹脂層が割れやすく、靱性の小さいものとなる。
ここに、特定の環状オレフィン系重合体のガラス転移温度は、動的粘弾性測定によって得られるTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比E”/E’)の温度分布のピーク温度の値として求められる。
特定の環状オレフィン系重合体は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、温度条件120℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が30,000〜500,000であると共にポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が50,000〜1,000,000であることが好ましく、更に好ましくは数平均分子量(Mn)が50,000〜200,000であると共に重量平均分子量(Mw)が100,000〜500,000であることが好ましい。
数平均分子量が30,000未満であって重量平均分子量が50,000未満である場合には、特定の環状オレフィン系重合体が破断強度および破断伸度の小さいものとなることに起因して得られる特定の積層体における耐熱樹脂層に割れが生じやすくなるおそれがある。一方、数平均分子量が500,000を超えて重量平均分子量が1,000,000を超える場合には、後述する耐熱樹脂層形成用重合体溶液を用いる製造方法によって耐熱樹脂層を形成することが困難となるおそれがある。
特定の環状オレフィン系重合体は、線膨張係数が70ppm/℃以下の範囲にあるものであり、好ましくは60ppm/℃以下である。
線膨張係数が70ppm/℃を超える場合には、得られる特定の積層体における耐熱樹脂層に、温度変化の大きい使用環境下において、寸法変化に伴なう変形などが発生するおそれがある。
特定の環状オレフィン系重合体には、公知の酸化防止剤を添加することができ、これにより、当該特定の環状オレフィン系重合体の酸化安定性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系化合物またはヒドロキノン系化合物、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系化合物などを用いることができ、これらのうち、分解温度(5%重量減少)が250℃以上の化合物を好ましく用いることができる。 このような酸化防止剤は、特定の環状オレフィン系重合体100質量部に対して0.05〜5.0質量部となる割合で添加されることが好ましい。
以上のような特定の環状オレフィン系重合体は、単量体を付加重合し、必要に応じて水素化することによって製造することができる。
付加重合処理は、窒素またはアルゴン雰囲気下において反応容器に、単量体と、当該単量体に対する質量比が1〜20となる量の溶媒と、必要に応じて分子量調節剤とを仕込み、この系を−20〜100℃の温度範囲に設定した後、更に重合触媒を添加することにより、重合温度−20〜100℃の範囲において単量体を重合反応させることによって行われる。
なお、重合反応に供する重合触媒量や分子量調節剤量、単量体の重合体への転化率および重合温度を制御することにより、得られる特定の環状オレフィン系重合体の分子量を調節することができる。
溶媒としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロシクロペンタン、クロロシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、酢酸エチル、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、アセトアミド等の極性溶媒などを用いることができる。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分子量調節剤としては、エチレン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン、スチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、1−ビニルナルタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物、シクロオクタジエン、シクロドデカトリエン等の環状非共役ポリエン、ジフェニルジシドロシラン、水素などが挙げられ、好ましくはα−オレフィンあるいは芳香族ビニル化合物が用いられる。
重合触媒としては、例えば下記(1)〜(3)の触媒を用いることができる。
(1)ニッケル化合物と、超強酸、ルイス酸およびイオン性ホウ素化合物から選ばれた化合物と、有機アルミニウム化合物とを含むニッケル系多成分触媒
(2)少なくとも1つのニッケル−炭素間を連結するシグマ結合を有し、超強酸アニオンを対アニオンとするニッケル錯体よりなるニッケル系単成分触媒
(3)パラジウム化合物と、ホスフィン化合物および/またはホスホニウム化合物と、イオン性ホウ素化合物と、必要に応じて有機アルミニウム化合物あるいは有機リチウム化合物とを含むパラジウム系多成分触媒
重合反応の反応停止剤としては、水、アルコール、有機酸、炭酸ガスなどを用いることができる。
以上のような付加重合処理によって得られる反応溶液中に含有されている状態の重合体は、公知の方法によって触媒残査を除去した後、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトンなどの貧溶媒中に注ぐことにより、当該溶液に残存する未反応の単量体を除去すると共に、当該重合体を凝固し、得られた凝固物を減圧乾燥することによって回収することができる。また、付加重合処理によって得られた反応溶液は、得られる第1の封止材の性能を損なわないならば、触媒残査の除去や凝固の操作を行うことなく、例えば製膜工程などの耐熱樹脂層を形成するための工程に用いることができる。
触媒残査を除去する方法としては、例えば反応溶液にマレイン酸、フマル酸、シュウ酸、リンゴ酸などの有機酸の水/アルコール混合物を添加し、この混合溶液を重合体溶液相と触媒残査などを含む水相と分離させて当該水相を除去する手法、ケイソウ土、アルミナ、シリカなどの吸着剤による吸着除去法、フィルターによる濾過分離法などを用いることができる。
特定の環状オレフィン系重合体を得るための特定単量体として、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−3,8−ジエンや5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンなどの重合に関与しない不飽和結合を有する特定単量体(以下、「特定不飽和結合含有単量体」ともいう。)を用いた場合には、当該特定不飽和結合含有単量体を付加重合処理に供することによって得られた重合体は、更に水素化処理すること必要であり、これにより、特定不飽和結合含有単量体に由来の特定の構造単位が形成される。
また、付加重合処理によって得られた重合体が不飽和結合を含有するものである場合には、この重合体が高温条件下において酸化しやすく、また熱による劣化を受けやすいものであるため、当該重合体における不飽和結合の90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは99モル%以上を水素化するよう水素化処理を行うことが好ましい。
特に、特定のオレフィン系重合体として、アクリロイル基もしくはメタアクリロイル基を有する特定の構造単位を有するものを得ようとする場合には、付加重合処理には特定不飽和結合含有単量体を供さないことが好ましい。
水素化触媒としては、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金等の化合物が、シリカ、ケイソウ土、アルミナ、活性炭等の固体上に担持された不均一系触媒、チタン、ニッケル、パラジウム、コバルト等の化合物と有機金属化合物とを組み合わせてなる均一系触媒、ルテニウム、オスミニウム、ロジウム、イリジウム等の錯体よりなる触媒などを好適に用いることができる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂環族炭化水素などを用いることができ、また、必要に応じて、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ブチルエーテル等のエーテル類などを用いることもできる。
水素化処理は、0.5〜15MPaの水素圧、20〜200℃の温度で行われることが好ましい。
以上のような水素化処理によって得られる反応溶液中に含有されている状態の水素化された重合体は、付加重合処理によって直接的に得られた重合体と同様に、公知の方法によって触媒残査を除去した後、この触媒残査が除去された溶液を貧溶媒中に注ぐことにより当該水素化された重合体を凝固し、得られた凝固物を減圧乾燥することによって回収される。
第1の積層体を構成する耐熱樹脂層を形成するための第1の耐熱性樹脂には、特定の環状オレフィン系重合体の他、例えば公知の環状オレフィン系開環(共)重合体の水素化体、環状オレフィンとエチレンとの付加重合体などが含有されていてもよく、これにより、得られる耐熱樹脂層において特定の環状オレフィン系重合体に由来の靱性を損なうことなく、当該特定の環状オレフィン系重合体のガラス転移温度を調節することができる。
第1の積層体における金属薄層は、金属箔よりなるものであることが好ましく、当該金属箔を構成する材料としては、例えば銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、ベリリウム−銅合金、ニッケル−銅合金、銅−アルミニウム複合材などが挙げられる。
第1の積層体においては、金属薄層は銅箔よりなるものであることが好ましい。
第1の積層体は、特定の環状オレフィン系重合体を含有する重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程を有する手法によって製造することが好ましい。
このような手法によれば、具体的に、特定の環状オレフィン系重合体を溶媒中に溶解させた第1の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を調製し、この第1の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させることにより、金属薄層と、特定の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂層とが一体的に積層されてなる構成の第1の積層体を容易に製造することができる。
重合体溶液を調製するための溶媒としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロシクロペンタン、クロロシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒などを用いることができる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体溶液を塗布する方法としては、例えばTダイ、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター等の塗布装置を用いる手法、あるいはスクリーン印刷等の印刷法を適用する手法を用いることができる。
塗膜の乾燥処理は、用いる溶媒の種類によりその条件が適宜選択されるが、常圧下で行う場合には、通常、乾燥温度は通常50〜280℃、乾燥時間は通常10分〜24時間である。なお、係る乾燥処理は、減圧下で実施してもよく、また、温度や圧力を変えて2段乾燥等多段乾燥を適用してもよい。例えば、常圧下において、溶媒の沸点以下で数時間予備乾燥した後、減圧下で乾燥温度80〜150℃、乾燥時間1〜12時間で乾燥処理することが好ましく、これにより、残留溶媒を大幅に低減できる。
また、第1の積層体は、例えば溶液キャスト法や溶融押出法などの手法によって成形された特定の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂シートと、金属箔とを、例えば熱ラミネート処理、接着剤を用いて貼付する工程を有する手法によって製造することもでき、更に、それ以外の手法によっても製造することができる。
<第2の積層体>
第2の積層体は、特定の環状オレフィン系重合体の架橋体からなる第2の耐熱樹脂よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが一体的に積層されてなるものである。
第2の積層体においては、耐熱樹脂層の厚さは5〜200μmであることが好ましく、また、金属薄層の厚さは2〜100μmであることが好ましい。
第2の積層体における耐熱樹脂層を構成する特定の架橋体は、特定の環状オレフィン系重合体を含有する架橋性組成物を得、この架橋性組成物を架橋することにより形成されるものである。
この特定の架橋体は、当該特定の架橋体を形成するための架橋性組成物を構成する特定の環状オレフィン系重合体の有する優れた特性を有し、しかも、架橋構造が形成されてなるものであることから、その線膨張係数が一層低いものとなり、また破断強度、破断壊伸度が大きくなることから、得られる第2の積層体における耐熱樹脂層には、一層優れた耐熱性、機械的強度、耐溶媒性、耐薬品性が得られることとなる。
架橋体を得るための架橋性組成物としては、温度10〜280℃の範囲の比較的温和な温度条件によって短時間で特定の架橋体を得ることができることから、ラジカル反応、加水分解/縮合反応、あるいはカチオン反応によって架橋体を形成することのできる組成物が好適に用いられる。
ラジカル反応によって架橋体を得るための架橋性組成物(以下、「ラジカル架橋性組成物」ともいう。)としては、下記(1)〜(2)の組成物が挙げられる。
(1)特定の環状オレフィン系重合体に、過酸化物あるいはアゾ化合物を配合してなる組成物。
このような組成物は、熱や活性光線などの作用によって発生させたラジカルによって架橋される。
(2)特定の環状オレフィン系重合体に、過酸化物および還元性の金属化合物を配合してなる組成物。
このような組成物は、レドックス反応により発生させたラジカルによって架橋される。
以上のようなラジカル架橋性組成物は、特定の環状オレフィン系重合体として、メタアクリロイル基、あるいはアクリロイル基を側鎖置換基に有する特定の構造単位を有する環状オレフィン系重合体を用いた場合には、一層容易に架橋体を得ることができる。
加水分解/縮合反応によって架橋体を得るための架橋性組成物(以下、加水分解架橋性組成物」ともいう。)、およびカチオン反応によって架橋体を得るための架橋性組成物(以下、「カチオン架橋性組成物」ともいう。)としては、各々、特定の環状オレフィン系重合体として、特定シリル基含有構造単位を有する環状オレフィン系重合体、あるいはオキセタニル基を有する特定単位構造を有する環状オレフィン系重合体(以下、これらを「特定基含有環状オレフィン系重合体」ともいう。)を用いてなる、下記の(1)〜(4)の組成物が挙げられる。
(1)特定基含有環状オレフィン系重合体に、スズ、アルミニウム、亜鉛、チタニウム、アンチモン等の金属の酸化物、当該金属のアルコキシド、当該金属のフェノキシド、当該金属のβ−ジケトネート、当該金属のアルキル化物、当該金属のハロゲン化物、当該金属の有機酸塩などの金属化合物を配合してなる組成物。
(2)特定基含有環状オレフィン系重合体に、BF4 、PF6 、AsF6 、SbF6 、B(C6 5 4 などから選ばれた対アニオンを有する芳香族スルホニウム塩、当該対アニオンを有する芳香族アンモニウム塩、当該対アニオンを有する芳香族ピリジウム塩、当該対アニオンを有する芳香族ホスホニウム塩、当該対アニオンを有する芳香族ヨードニウム塩、当該対アニオンを有するヒドラジウム塩、当該対アニオンを有するフェロセニウム塩などの加熱することにより酸として作用する化合物を配合してなる組成物。
(3)特定基含有環状オレフィン系重合体に、トリアルキル亜リン酸エステル、トリアリール亜リン酸エステル、ジアルキル亜リン酸エステル、モノアルキル亜リン酸エステル、次亜リン酸エステル、有機カルボン酸と第2級または第3級アルコールとのエステル、有機カルボン酸のヘミアセタールエステル、有機カルボン酸のトリアルキルシリルエステル、アルキルスルホン酸の単環または多環シクロアルキルエステル、アルキルアリールスルホン酸の単環または多環シクロアルキルエステルなどの水または水蒸気の存在下で加熱することにより酸として作用するエステル化合物を配合してなる組成物。
(4)特定基含有環状オレフィン系重合体に、可視域のg線およびh線、紫外域のi線や、紫外線、遠紫外線、X線、電子線などの光線を照射することにより、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成するジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アルセニウム塩、オキソニウム塩等のオニウム塩、ハロゲン含有オキサジアゾール化合物、ハロゲン含有トリアジン化合物、ハロゲン含有アセトフェノン化合物、ハロゲン含有ベンゾフェノン化合物等のハロゲン含有有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン化合物、スルホニル化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物などの光酸発生剤を配合してなる組成物。
これらの加水分解架橋性組成物あるいはカチオン架橋性組成物のうち、(3)の組成物、具体的には、特定の環状オレフィン系重合体にエステル化合物が配合されてなる組成物は、ポットライフが長く、優れた貯蔵安定性を有すると共に、形成される架橋体よりなる耐熱樹脂層が寸法安定性、耐溶媒性および耐薬品性などの特性に優れたものとなることから好ましく用いられる。また、(4)の組成物、具体的には光酸発生剤が配合されてなる組成物は、比較的穏和な条件での架橋が可能であり、架橋体の生産性に優れたものであることから好ましく用いられる。
以上の(1)〜(4)の加水分解架橋性組成物において、特定シリル基含有構造単位を有する特定の環状オレフィン系重合体における当該特定シリル基含有構造単位の含有割合は、当該特定の環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜20モル%である。
特定シリル基含有構造単位の含有割合が0.2モル%未満である場合には、加水分解架橋性組成物が十分に架橋せず、形成される架橋体が線膨張係数の大きなものとなり、得られる耐熱樹脂層の吸水性が大きくなることに起因して第2の積層体にカールが生じやすくなるおそれがあり、また、得られる第2の積層体における耐熱樹脂層の耐溶媒性、耐薬品性および機械的強度が小さくなり、更に当該耐熱樹脂層が金属薄層との接着性が小さいものとなるおそれがある。また、第2の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を用いる手法によって耐熱樹脂層を形成することが困難となるおそれもある。
一方、特定シリル基含有構造単位の含有割合が30モル%を超える場合には、形成される架橋体が線膨張係数の大きなものとなり、得られる第2の積層体における耐熱樹脂層の吸水性が大きくなることに起因して当該第2の積層体にカールが生じやすくなるおそれがある。
また、以上の(1)〜(4)のカチオン架橋性組成物において、オキセタニル基を有する特定構造単位を有する特定の環状オレフィン系重合体における当該オキセタニル基を有する特定構造単位の含有割合は、当該特定の環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜20モル%である。
オキセタニル基を有する特定構造単位の含有割合が0.2モル%未満である場合には、カチオン架橋性組成物が十分に架橋せず、形成される架橋体が線膨張係数の大きなものとなり、得られる耐熱樹脂層の吸水性が大きくなることに起因して第2の積層体にカールが生じやすくなるおそれがあり、また、得られる第2の積層体における耐熱樹脂層の耐溶媒性、耐薬品性および機械的強度が小さくなり、更に当該耐熱樹脂層が金属薄層との接着性が小さいものとなるおそれがある。また、第2の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を用いる手法によって耐熱樹脂層を形成することが困難となるおそれもある。
一方、オキセタニル基を有する特定構造単位の含有割合が30モル%を超える場合には、形成される架橋体が線膨張係数の大きなものとなり、得られる第2の積層体における耐熱樹脂層の吸水性が大きくなることに起因して当該第2の積層体にカールが生じやすくなるおそれがある。
架橋体を得るための架橋性組成物(ラジカル架橋性組成物および加水分解架橋性組成物)において、環状オレフィン系重合体に配合される組成物形成用配合物の含有割合は、特定の環状オレフィンン系重合体100質量部に対して0.0001〜5.0質量部であることが好ましい。
特定の架橋体を得るための架橋性組成物には、チタン、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれた金属のアルコキシド、あるいは当該金属のアリロキシド、および当該金属のアルコキシド化合物の縮合度が3〜30である縮合体、アルコキシル基を有するシラン化合物、アリロキシル基を有するシラン化合物、あるいはアルコキシル基を有するシラン化合物の縮合度が3〜30である縮合体(以下、これらを「添加化合物」ともいう。)を添加することができ、これにより、形成される架橋体よりなる耐熱樹脂層を寸法安定性や耐溶媒性および耐薬品性に優れたものとすることができる。
添加化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルトリメトキシシラン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン−5−イルトリメトキシシラン、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、チタンテトラエトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、およびこれらの縮合度が3〜30である縮合体などが挙げられる。
架橋性組成物中における添加化合物の添加割合は、特定の環状オレフィン重合体100質量部に対して5〜60質量部であることが好ましい。
また、架橋性組成物には、添加化合物と共に、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの平均粒径が100nm以下の酸化物の粒子あるいはコロイド状粒子(以下、これらを「添加粒子」ともいう。)を添加することができる。
添加粒子の添加割合(コロイド状粒子においては固形分換算)は、特定の環状オレフィン重合体100質量部に対して1〜40質量部であることが好ましい。
添加粒子の添加割合が1質量部未満である場合には、形成される架橋体の硬度、弾性率および線膨張係数に添加粒子の作用効果が十分に発揮されず、一方、添加粒子の添加割合が40質量部を超える場合には、形成される架橋体よりなる耐熱性樹脂層が脆いものとなるおそれがある。
また、架橋体を得るための架橋性組成物としては、特定の環状オレフィン系重合体に、メタクリロイル基、アクリロイル基などのラジカル重合性置換基を有するシラン化合物と、ラジカル発生剤とを配合してなる組成物を用いることもでき、このような組成物は、光あるいは熱などの作用によって架橋することができる。
第2の積層体における金属薄層は、金属箔よりなるものであることが好ましく、当該金属箔を構成する材料としては、例えば銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、ベリリウム−銅合金、ニッケル−銅合金、銅−アルミニウム複合材などが挙げられる。
第2の積層体においては、金属薄層は銅箔よりなるものであることが好ましい。
第2の積層体は、特定の環状オレフィン系重合体を含有する重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程を有する手法によって製造することが好ましい。
このような手法によれば、具体的に、特定の環状オレフィン系重合体に組成物形成用配合物が配合されてなる架橋性組成物を溶媒中に溶解させた第2の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を調製し、この第2の耐熱樹脂層形成用重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させた後、更に、この塗膜に対して適宜の架橋処理を行うことにより、金属薄層と、特定の架橋体よりなる耐熱樹脂層とが一体的に積層されてなる構成の第2の積層体を容易に製造することができる。
重合体溶液を調製するための溶媒としては、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロメタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロシクロペンタン、クロロシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒などを用いることができる。これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体溶液を塗布する方法としては、例えばTダイ、ロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター等の塗布装置を用いる手法、あるいはスクリーン印刷等の印刷法を適用する手法を用いることができる。
塗膜の乾燥処理は、用いる溶媒の種類によりその条件が適宜選択されるが、常圧下で行う場合には、通常、乾燥温度は通常50〜280℃、乾燥時間は通常10分〜24時間である。なお、係る乾燥処理は、減圧下で実施してもよく、また、温度や圧力を変えて2段乾燥等多段乾燥を適用してもよい。例えば、常圧下において、溶媒の沸点以下で数時間予備乾燥した後、減圧下で乾燥温度80〜150℃、乾燥時間1〜12時間で乾燥処理することが好ましく、これにより、残留溶媒を大幅に低減できる。
また、第2の積層体は、例えば溶液キャスト法や溶融押出法などの手法によって成形された架橋性組成物よりなる樹脂シートに対して適宜の架橋処理を行うことにより得られた特定の架橋体よりなる耐熱樹脂シートと、金属箔とを、例えば熱ラミネート処理、接着剤を用いて貼付する工程を有する手法によって製造することもでき、更に、それ以外の手法によっても製造することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下において、分子量、ガラス転移温度および線膨張係数は、下記の方法によって測定した。
(1)重量平均分子量および数平均分子量
ウオターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置において、東ソー(株)製のHタイプカラムを用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、温度120℃の条件下で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)Tanδのピーク温度(ガラス転移温度)
動的粘弾性のTanδ(貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”との比E”/E’)のピーク温度を重合体のガラス転移温度として測定した。
動的粘弾性の測定は、オリエンテック社製の「DDV−01FP」を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μm条件によって行い、得られたTanδの温度分散ピーク温度をガラス転移温度に係るピーク温度とした。
(3)線膨張係数:
セイコーインスツルメント社製のTMA(Thermal Mechanical Analysis)装置「SS6100」を用いて、膜厚55μm、幅3mm、長さ10cm以上である形状を有する試料を、チャック間距離10mmで固定し、当該試料を室温から200℃程度まで、一旦、昇温して残留ひずみをとった後、室温から3℃/minで昇温し、チャック間距離の伸びから線膨張係数を求めた。
窒素雰囲気下において、容積2リットルのステンレス製反応器に、特定単量体としてビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン700ミリモル、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エン(endo体/exo体=94/4)570ミリモル、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン30ミリモルと、分子量調節剤として1−ヘキセン5ミリモルと、溶媒としてシクロヘキサン400g、塩化メチレン100gとを仕込んだ。次いで、この系に、メチルトリエトキシシラン8.0ミリモルと、1,5−シクロオクタジエン0.4ミリモルと、メチルアルモキサン8.0ミリモルと、三フッ化ホウ素エチルエーテラート1.2ミリモルと、オクタン酸ニッケルのヘキサフロロアンチモン酸変性体とをこの順に仕込み、重合反応を開始した。
ここに、オクタン酸ニッケルのヘキサフロロアンチモン酸変性体は、オクタン酸ニッケルのヘキサン溶液と、ヘキサフロロアンチモン酸とを、−10℃の温度条件下においてモル比1:1で反応させ、副生するビス(ヘキサフロロアンチモン酸)ニッケル[Ni(SbF6 2 ]の沈殿を濾過によって除去し、トルエンで希釈することによって得られたものであり、その添加量がニッケル原子として0.40ミリモルとなるように添加した。
そして、温度30℃の条件下において3時間付加重合処理を行い、この付加重合処理をメタノールを添加することによって停止した。付加重合処理に供した単量体の重合体への転化率は92%であった。
付加重合処理によって得られた反応溶液にシクロヘキサン480gを添加することによって希釈し、この希釈液に水660ミリリットルと、乳酸48ミリモルとを添加して充分に撹拌した後、重合反応によって生成した共重合体を含有する共重合溶液相と水相とを静置分離して触媒に係る反応物などの残査を含んだ水相を除去し、その後、共重合体溶液を4リットルのイソプロピルアルコールに注いで共重合体を凝固させることにより、未反応単量体および残査を除去した。
得られた凝固物を乾燥することにより、環状オレフィン系重合体(以下、「共重合体(A)」ともいう。)を75g得た。
得られた共重合体反応溶液中に残存する未反応の単量体をガスクロマトグラフィーにより分析することによって共重合体(A)の組成を求めたところ、全構造単位中におけるビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する特定の構造単位の含有割合は63モル%であり、5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する特定の構造単位の含有割合は2.1モル%であり、endo−トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ−8−エンに由来する特定の構造単位の含有割合は35モル%であった。
また、共重合体(A)のポリスチレン換算の数平均分子量は89,000、重量平均分子量は187,000であり、また、Mw/Mnは2.1であった。
次に、共重合体(A)10gをシクロヘキサン35.5g中に溶解し、この系に、架橋触媒として亜リン酸トリブチルを、当該共重合体(A)100部に対して0.5部添加することによって耐熱樹脂層形成用重合体溶液(以下、「耐熱樹脂層形成用重合体溶液(A)」ともいう。)を得た。
この耐熱樹脂層形成用重合体溶液(A)をガラス板上に塗工することによって厚さ0.3mmの塗工膜を形成し、この塗工膜を温度150℃の条件下で2時間乾燥処理し、更に真空下において温度200℃の条件下で1時間乾燥処理することにより、重合体フィルムを得た。更に、得られた重合体フィルムを150℃の水蒸気下で4時間熱処理し、その後、真空下において温度200℃の条件下で1時間乾燥処理することにより、ガラス板上に厚さ55μmの架橋体フィルム(以下、「耐熱樹脂フィルム(A)」ともいう。)を作製した。その後、ガラス板から耐熱樹脂フィルム(A)を剥がし、当該耐熱樹脂フィルム(A)を観察したことろ、この耐熱樹脂フィルム(A)にはカール(反り)が発生していなかった。
また、得られた耐熱樹脂フィルム(A)についての特性を確認したところ、吸湿率は0.02%であり、当該耐熱樹脂フィルム(A)を構成する材料のガラス転移温度は375℃、線膨張係数は50ppm/℃であった。
また、耐熱樹脂層形成用重合体溶液(A)を、厚さ12μmの銅箔上に塗工したこと以外は上記の手法と同様にして、銅箔上に厚さ55μmの耐熱樹脂フィルム(架橋体フィルム)を形成することにより、銅箔よりなる金属薄層と耐熱樹脂フィルムよりなる耐熱樹脂層とが積層されてなる積層体を作製した。
この積層体は、製造過程においてカールや耐熱樹脂層と金属薄層との間にハガレを生じることがなく、また、高湿環境下においてもカールを生じることなく、しかも、優れた耐熱性および機械的強度を有するものであることが確認された。
〔比較例1〕
攪拌機、窒素導入管および温度計を備えたフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルメタン26.1g(0.133モル)と、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド150.7gとを仕込み、温度40℃の条件下において4,4’−ジアミノジフェニルメタンを溶媒中に完全に溶解させた。その後、この系を一度室温付近まで冷却し、系の温度を確認しながらピロメット酸二無水物28.6g(0.131モル)を添加した。このとき、系の温度は室温付近から55℃まで上昇した。次いで、この系においてピロメット酸二無水物が完全に溶解状態とした後、温度60℃の条件下において6時間かけて反応処理を行い、反応終了後、得られたポリアミド酸溶液を孔径5μmのフィルターを用いて加圧濾過した。
このポリアミド酸溶液を構成するポリアミド酸は、ηinh(固有粘度)が0.52dl/g、E型機械粘度が11000Pa.sであるものであった。
このポリアミド酸溶液をガラス板上に塗工することによって厚さ0.40mmの塗工膜を形成し、この塗工膜を窒素置換されたイナートオーブンにて、昇温時間45分で室温から350℃にまで加熱することによって乾燥・イミド化処理を行った。その後、イミド化処理した膜を室温まで冷却した後、ガラス板からポリイミドフィルムを剥がした。
ガラス板から剥がされたポリイミドフィルムを観察したことろ、当該ポリイミドフィルムは、ガラス板との接着面方向に著しくカールしていた。
また、得られたポリイミドフィルムの特性を確認した。結果を表1に示す。
Figure 0004363145
本発明の積層体は、電子材料用途に幅広く用いられ、特に、フレキシブルプリント配線用基板として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが積層されてなることを特徴とする積層体。
    Figure 0004363145
    〔式中、A1 、A2 、A3 およびA4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH2 p −Xで表される極性基を示す。また、A1 とA4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A1 とA2 またはA1 とA4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。 ここで、−(CH2 P −Xにおいて、Xは−COOR1 、−OCOR2 または−OR3 を示し、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
    ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
    Figure 0004363145
    〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R 4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
  2. 前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体の架橋体よりなる耐熱樹脂層と、金属薄層とが一体的に積層されてなることを特徴とする積層体。
    Figure 0004363145
    〔式中、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH 2 p −Xで表される極性基を示す。また、A 1 とA 4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A 1 とA 2 またはA 1 とA 4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。 ここで、−(CH 2 P −Xにおいて、Xは−COOR 1 、−OCOR 2 または−OR 3 を示し、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
    ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
    Figure 0004363145
    〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R 4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
  4. 前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 金属薄層が銅箔よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層体。
  6. フレキシブルプリント配線基板として用いられることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の積層体。
  7. 下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体を含有する重合体溶液を金属箔上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる工程を有することを特徴とする積層体の製造方法。
    Figure 0004363145
    〔式中、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH 2 p −Xで表される極性基を示す。また、A 1 とA 4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A 1 とA 2 またはA 3 とA 4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。 ここで、−(CH 2 P −Xにおいて、Xは−COOR 1 、−OCOR 2 または−OR 3 を示し、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
    ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
    Figure 0004363145
    〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R 4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
  8. 下記一般式(1)で表される構造単位を有するガラス転移温度が300〜400℃の環状オレフィン系重合体よりなる耐熱樹脂シートと、金属箔とを貼付する工程を有することを特徴とする積層体の製造方法。
    Figure 0004363145
    〔式中、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン化炭化水素基、および、加水分解性シリル基、あるいは−(CH 2 p −Xで表される極性基を示す。また、A 1 とA 4 とは、一体化してアルキレン基、シクロアルキレン基あるいはアリーレン基を形成していてもよく、更に、A 1 とA 2 またはA 1 とA 4 は、互いに結合して酸無水物、ラクトンあるいはイミドに由来の基を形成していてもよい。mは0あるいは1である。 ここで、−(CH 2 P −Xにおいて、Xは−COOR 1 、−OCOR 2 または−OR 3 を示し、R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、あるいはオキセタニル基を含む置換基を表し、pは0〜5の整数である。〕
    ただし、前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(1)において、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 の少なくとも1つが加水分解性シリル基である構造単位を含み、当該加水分解性シリル基が下記一般式(2)で表される基である。
    Figure 0004363145
    〔式中、Yは、炭素数1〜10のアルコシキ基、炭素数1〜10のアリロキシ基、ハロゲン原子、あるいは互いに結合して5〜7員環を形成する炭素数1〜10の脂肪族ジオール、脂環族ジオールまたは芳香族ジオールから誘導される基を示し、R 4 は、水素原子あるいは炭素数1〜20の炭化水素基を示す。rは0〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。〕
  9. 前記環状オレフィン系重合体は、上記一般式(2)で表される加水分解性シリル基を有する構造単位の含有割合が、当該環状オレフィン系重合体を構成する全構造単位に対して0.2〜30モル%であるものであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の積層体の製造方法。
  10. 金属薄層が銅箔よりなることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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