JP2007084764A - コーティング材およびその製造方法 - Google Patents

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Kenzo Okita
健三 大喜多
Noboru Oshima
昇 大嶋
Yoichiro Maruyama
洋一郎 丸山
Katsutoshi Sawada
克敏 沢田
Takashi Tsubouchi
孝史 坪内
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Abstract

【課題】 高い耐熱性、透明性を有し、さらに良好な電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示し、特に光学材料用およびプリント回路基板用に好適なコーティング材および当該コーティング材の製造方法を提供すること。
【解決手段】 一般式(1)で表される構造単位(1)と、(1)の置換基の一部がシリル基である構造単位とを特定の割合で含む環状オレフィン系付加重合体と、有機溶剤とを含むコーティング材を提供する。
Figure 2007084764

[式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は特定の環状オレフィン系付加重合体を含むコーティング材、および特定のパラジウム触媒を用いるコーティング材の製造方法に関する。さらに詳しくは、高い耐熱性、透明性を有し、さらに電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示すコーティング材およびその製造方法に関する。
各種表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板などには、保護用、絶縁用、平坦化用、耐熱用、耐光用、耐候用などの各種コーティング材が用いられる。これらのコーティング材は、上記デバイス等の製造においてハンダリフローや微細加工など200℃を超えるプロセスを経ることが多いため、高い耐熱性が要求される。さらには用途に応じて高透明性、電気絶縁性、低吸水性、低誘電率などの特性が要求される。ガラスや樹脂などのコーティング材として、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂などが提案されているが、これらは耐熱性、透明性、電気絶縁性、低吸水性、低誘電率のいずれかを満たしていない。
透明性、耐熱性の高いコーティング材として、特許文献1および特許文献2にてノルボルネン系単量体の開環重合体の水素化体が開示されている。しかし、これらはガラス転移温度は200℃未満であることが多く、耐熱性の点では十分とは言えない。
200℃以上のガラス転移温度を有するコーティング用透明樹脂として、シリル基を含む環状オレフィン系付加重合体が特許文献3および特許文献4において提案されている。しかしながら、これらの先行技術で用いられている環状オレフィン系付加重合体は剛直で柔軟性に乏しく、割れやクラックを生じやすいという問題がある。またシリル基を多量に導入し、架橋する際に収縮によるソリが懸念され、吸水性、誘電率が高いなどの問題があった。
環状オレフィン系付加重合体を製造するに際しては、その重合触媒としてチタニウム、ジルコニウム、コバルト、ニッケル、パラジウムなどの化合物が知られており、触媒の選択により性質の大きく異なる付加重合体が得られる。(非特許文献1)。たとえばジルコニウム系メタロセン触媒を用いて重合されたノルボルネン単独重合体は不融で、一般的な溶媒に対し不溶であることが報告されている(非特許文献2)。また、ニッケル系触媒を用いて重合されたノルボルネンの単独重合体はシクロヘキサンなどの炭化水素溶媒に対して良好な溶解性を示すが、その成形物は靭性に劣り脆い。一方、パラジウム系触媒を用いて得られる付加重合体は、ニッケル系触媒で得られるものより立体規則性が高く(非特許文献3)、寸法安定性や機械強度に優れることが報告されている(特許文献5)。
特許文献6においてはパラジウム系触媒を用いた環状オレフィン系付加重合体の製造方法が開示されており、実施例においてビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンと5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンとの付加共重合体が記載されている。しかしながら当該文献で用いられるパラジウム系触媒は、重合活性が不十分で多量のパラジウムを用いているため、生成する付加共重合体は高度な透明性を有するものではない。また、当該文献には付加共重合体をコーティング材に用いることについては記載されていない。
特開平5−43834号公報 特開平4−202277号公報 米国特許第5912313号公報 特開2004−58339号公報 特開2005−48060号公報 特開平7−304834号公報 Macromol. Rapid Commun., Vol.22, 479−492 (2001) Makromol. Chem. Macromol. Symp., Vol.47, 831 (1991) J. Polym. Sci.: Part B: Polym. Phys., Vol.41, 2185(2003)
本発明の目的は高い耐熱性、透明性を有し、さらに良好な電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示し、特に光学材料用およびプリント回路基板用に好適なコーティング材を提供することを目的とする。本発明の目的は、さらに、当該コーティング材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のコーティング材は、下記式(1)で表される構造単位(1)と、下記式(2)で表される構造単位(2)とを有し、構造単位(1)と構造単位(2)との合計100モル%中、構造単位(1)の割合が20〜95モル%、構造単位(2)の割合が5〜80モル%である環状オレフィン系付加共重合体と、
有機溶剤とを含むことを特徴としている。
Figure 2007084764
[式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
Figure 2007084764
[式(2)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
本発明のコーティング材は、前記環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度が220〜400℃であることが好ましい。本発明のコーティング材は、光学材料用であることが好ましく、プリント回路基板用あるいはフレキシブルプリント回路基板用であることも好ましい。
本発明のコーティング材の製造方法は、下記式(3)で表される単量体(3)と、下記式(4)で表される単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、
パラジウム化合物(a)と、未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)とを含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有するものであることが好ましい。
Figure 2007084764
[式(3)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
Figure 2007084764
[式(4)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
本発明のコーティング材の製造方法は、前記重合触媒が、
(a)パラジウムの有機酸塩、またはパラジウムのβ−ジケトン化合物から選ばれるパラジウム化合物、
(b)下記式(5)で表されるホスフィン化合物、
P(R(R)・ ・ ・ ・ ・ (5)
[式(5)中、Pはリン原子であり、Rは炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基、並びに炭素数6〜12の未置換またはアルキル置換のシクロヘキシル基から選ばれる基であり、Rは炭素数3〜12の炭化水素基である。]、
(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
および必要に応じて
(d)有機アルミニウム化合物
を含むものであることがさらに好ましい。
本発明のコーティング材の製造方法は、また、上記単量体(3)と上記単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、下記式(6)で表される錯化合物を含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有する方法であることも好ましい。
Pd[P(R(R)]・・・・・(6)
[式(6)中、Pdはパラジウム原子であり、RおよびRは上記式(5)と同じであり、nは1または2を示す。]
本発明のコーティング材の製造方法においては、ホスフィン化合物(b)が、炭素数5から12の未置換またはアルキル置換のトリシクロペンチルホスフィンであることがさらに好ましい。
また、本発明のコーティング材の製造方法においては、前記ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオン、アニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることが好ましい。
以下、本発明について詳細に説明する。
環状オレフィン系付加共重合体
本発明のコーティング材においては、置換基を有さないか、ハロゲン原子、メチル基、エチル基のいずれかの置換基のみを有するビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位(1)と、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基のいずれかの置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位(2)とを特定の割合で含む環状オレフィン系付加共重合体(以下、単に「共重合体」ともいう)が用いられる。これにより、得られるコーティング材が高い耐熱性、透明性を有し、さらに良好な電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示すものとなる。また靭性と、機械強度にも優れたものとなる。
当該共重合体における構造単位(1)の割合は、構造単位(1)と構造単位(2)との合計100モル%中、20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%、さらに好ましくは40〜80モル%の範囲である。この割合が20%未満では、得られる塗膜の機械強度が不足するおそれがあり、また、95モル%を超えると、共重合体の分子構造が剛直となりすぎることにより塗膜の透明性、平滑性、柔軟性、靭性が不充分となるおそれがある。一方、構造単位(2)の割合は、構造単位(1)と構造単位(2)との合計100モル%中、5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは20〜60モル%の範囲である。この割合が5モル%未満では、塗膜の透明性、平滑性、靭性が不充分となり、80モル%を超えると、透明性が損なわれ、機械強度や耐熱性が不充分となるおそれがある。
これらの構造単位は、それぞれ上記単量体(3)および上記単量体(4)を含む単量体組成物を付加共重合することにより形成される。
Figure 2007084764
[式(3)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
Figure 2007084764
[式(4)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
単量体(3)の具体例としては、特に限定されるものではないが、たとえば、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
などを挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを用いると、得られるコーティング材の機械的強度が特に優れるため好ましい。単量体(3)は、全単量体に対し20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%、さらに好ましくは40〜80モル%の範囲で用いられる。
単量体(4)の具体例としては、特に限定されるものではないが、たとえば、
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−sec−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−tert−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、および5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが、得られるコーティング材の柔軟性および靭性と、機械強度とのバランスが優れ、かつ、原料の入手も容易であり好ましく、中でも5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンが最も好ましい。
単量体(4)は、全単量体に対し5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは20〜60モル%の範囲で用いられる。
一方、ブチル基を有する環状オレフィン系化合物に代えて、炭素数3以下のアルキル基を有する環状オレフィン化合物を用いた場合は、得られるコーティング材の靭性が不充分となる。また、ヘキシル基など炭素鎖の長いアルキル基を有する環状オレフィン化合物を用いた場合は、得られるコーティング材の機械的強度や耐熱性が悪化することがある。
本発明のコーティング材に用いられる環状オレフィン系付加共重合体は、接着性の付与や架橋部位の導入の目的で、さらに、エステル基、加水分解性シリル基、酸無水物基、オキセタニル基などの官能基を側鎖置換基に有する構造単位を含有してもよい。
このような構造単位を形成する環状オレフィン化合物の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸プロピル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸ジメチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル−5−カルボン酸t−ブチル、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
4−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−メチルジエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
5−[(3−エチル−3−オキタセニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2、3−ジカルボン酸無水物、
スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3’−exo−スクシン酸無水物]、
スピロ[テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,3’−exo−スクシン酸無水物]
などが挙げられる。
これらの化合物から形成される構造単位の割合は、全構造単位に対し7モル%以下、好ましくは5モル%以下である。5モル%を超えると、得られるコーティング材の吸水性、誘電率が増大したり、電気絶縁性が損なわれたりするおそれがある。また、付加重合反応における重合活性が大きく低下するおそれがある。
また本発明のコーティング材に用いられる環状オレフィン共重合体は、靱性をさらに向上させる目的で、トリシクロ[5.2.1.02, 6]デカ−8−エン、トリシクロ[5.2.1.02, 6]デカ−3,8−ジエンなどのトリシクロオレフィン化合物;テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−4−エンなどのテトラシクロオレフィン化合物に由来する構造単位を含有していてもよい。これらの構造単位は、全構造単位に対して30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲にある。この割合が30モル%を超えると、塗膜の透明性や平滑性が損なわれたり、溶液のハンドリング性が悪化したりするおそれがある。
本発明のコーティング材に用いられる共重合体の分子量は、目的とする用途や共重合体の組成、塗膜の厚みなどによって適宜選択されるため一概には決められないが、ゲル・パーミエーションクロマトグラムで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を好ましくは5,000〜300,000、より好ましくは5,000〜200,000、さらに好ましくは10,000〜150,000の範囲に調節することで、塗布性や塗膜の強度、透明性、平滑性などのバランスにすぐれたものとなる。Mnが5,000未満の場合には、塗膜の強度が不足し、クラックが入りやすくなる一方、300,000を超えると塗布性、平滑性が損なわれ、また、組成によっては透明性が損なわれることがある。
本発明のコーティング材に用いられる共重合体のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性で測定される貯蔵弾性率(E’)および損失弾性率(E”)から導かれる、Tanδ=E”/E’の温度分散のピーク温度で求められる。ハンダリフローなど高い耐熱性が要求されるプロセスおいて熱変形などの問題が生じないよう、ガラス転移温度は220℃〜400℃であることが好ましく、より好ましくは240〜350℃である。ガラス転移温度が220℃未満では耐熱性が不足し、ガラス転移温度が400℃を超える場合には、重合体が剛直となり過ぎ、コーティング材として用いた場合に塗膜が割れやすく、靭性に劣るものとなる。一般には、環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度は、炭素数4以上のアルキル基などの鎖状もしくは分岐状の炭化水素置換基を持つ環状オレフィン化合物に由来する構造単位を導入することで低下するため、本発明においては構造単位(2)の導入割合によって、ガラス転移温度を調節することができる。
環状オレフィン系付加共重合体の製造方法
本発明のコーティング材に用いられる共重合体を製造するに際し、ニッケル系触媒を用いた付加重合によって得られる環状オレフィン共重合体は、パラジウム系触媒を用いて得られたものと比較して、機械強度、靭性に大きく劣り、脆いものとなることが多い。ここでは特定の理論に縛られはしないが、その理由としては、パラジウム系触媒を用いて得られる付加重合体が、ニッケル系触媒を用いた場合に比して高い立体規則性を有することに由来するものと考察される。そのため本発明のコーティング材の製造方法においては、高い重合活性を発現し付加共重合体中に残留する金属成分を低減できることや、付加共重合体の分子量の制御が容易となることから、パラジウム化合物を含む重合触媒を用いて付加重合体を製造することが好ましい。
本発明のコーティング材の製造方法としては、まず、パラジウム化合物(a)と、未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)とを含む重合触媒の存在下で前記環状オレフィン化合物を含む単量体組成物を付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することが好ましい。前記パラジウム化合物(a)としては、パラジウムの有機酸塩、パラジウムのβ−ジケトネート化合物、少なくとも1つのアルキル基あるいはアリール基がパラジウム原子にσ結合で結合したパラジウム化合物、あるいは少なくとも1つのアルケン、置換または非置換のシクロアルカジエン、置換または非置換のシクロアルカトリエンから選ばれた配位子がπ結合でパラジウム原子に配位したパラジウム化合物を用いることができる。
パラジウムの有機酸塩としては、たとえば酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、マレイン酸パラジウム、フマル酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、ナフテン酸パラジウム、オレイン酸パラジウム、ドデカン酸パラジウム、ネオデカン酸パラジウム、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸パラジウム、5−ノルボルネン−2−カルボン酸パラジウム、安息香酸パラジウム、フタル酸パラジウム、ナフトエ酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウムなどのカルボン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸パラジウム、p−トルエンスルホン酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウムなどの有機スルホン酸塩などが挙げらる。パラジウムのβ−ジケトネート化合物の例としては、パラジウムビス(アセチルアセトナート)、パラジウムビス(ヘキサフロロアセチルアセトナート)、パラジウムビス(エチルアセトアセテート)、パラジウムビス(フェニルアセトアセテート)などが挙げられる。
少なくとも1つのアルキル基あるいはアリール基がパラジウム原子にσ結合で結合したパラジウム化合物、あるいは少なくとも1つのアルケン、置換または非置換のシクロアルカジエン、置換または非置換のシクロアルカトリエンから選ばれた配位子がπ結合でパラジウム原子に配位したパラジウム化合物としては、(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムジクロライド、(メチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムクロライド、(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムクロライド、(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムブロマイド、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム]アセテート、[(η3−アリル)(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム]トリフルオロアセテート、[(η3−アリル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム]ヘキサフルオロホスフェート、[(η3−クロチル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム]ヘキサフルオロホスフェート、[6−メトキシノルボルネン−2−イル−5−パラジウム(シクロオクタジエン)]ヘキサフルオロホスフェート、(1,5,9−シクロドデカトリエン)パラジウムジクロライド、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)パラジウムジクロライド、ビス[(η3−アリル)パラジウムクロライド]などが挙げられる。
上記のパラジウム化合物にはさらにベンゼン、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、水などの溶媒類が配位していてもよい。パラジウム化合物(a)は単離したものを重合に供してもよく、合成後に単離することなく供してもよい。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。これらの中でも、パラジウムのカルボン酸塩、パラジウムのβ−ジケトネート化合物が工業的に入手が容易であり重合活性に優れることから好ましく、酢酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、パラジウムジアセチルアセトナートが特に好ましい。パラジウム化合物(a)は、好ましくは単量体1モルに対しパラジウム原子に換算して0.0002〜0.1ミリモル、より好ましくは0.0005〜0.01ミリモルの範囲で用いられる。
未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)としては、好ましくは上記式(5)で表される化合物が用いられる。
上記式(5)で表されるホスフィン化合物(b)の具体例としては、トリシクロペンチルホスフィン、ジシクロペンチル(シクロヘキシル)ホスフィン、ジシクロペンチル(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、ジシクロペンチル(イソプロピル)ホスフィン、ジシクロペンチル(エチル)ホスフィン、ジシクロペンチル(t−ブチル)ホスフィン、ジシクロペンチル(フェニル)ホスフィン、ジシクロペンチル(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル(シクロペンチル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(3−メチルシクロヘキシル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(イソプロピル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(フェニル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(2−メチルフェニル)ホスフィンなどが挙げられる。これらの中でも重合活性および合成のしやすさからトリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンが好ましく、トリシクロペンチルホスフィンが最も好ましい。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
また前記ホスフィン化合物(b)は、電子受容体である有機アルミニウム化合物とで1対1の錯体を形成させ、重合に用いてもよい。ホスフィン化合物は酸素などの酸化剤によって容易に酸化されるため、貯蔵安定性や重合活性のばらつきなどの問題を生じやすい。ホスフィン化合物に代えて係る錯体を使用することで、貯蔵安定性を改善し、また、安定的に高活性で重合を行なうことができる。該有機アルミニウム化合物としては、トリアルキルアルミニウム化合物またはジアルキルアルミニウム化合物が好ましく、具体的には、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリドが挙げられる。
ホスフィン化合物(b)およびホスフィン化合物(b)の有機アルミニウム錯体は、前記パラジウム化合物(a)中のパラジウム原子に対するモル比で好ましくは0.2〜3.0倍、より好ましくは0.5〜2.0倍の範囲で用いられる。
また、本発明のコーティング材の製造方法としては、上記式(6)で表される錯化合物を含む重合触媒の存在下で付加共重合を行い、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することも好ましい。
上記式(6)で表される錯化合物としては、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセテート、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジアセテート、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムジアセテート、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムジアセテート、[ジシクロヘキシル(イソプロピル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロペンチル(イソプロピル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロヘキシルフェニルホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロヘキシル(o−トリル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロヘキシル(t−ブチル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロペンチルフェニルホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロペンチル(o−トリル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、[ジシクロペンチル(t−ブチル)ホスフィン]パラジウムジアセテート、(ジイソプロピルフェニルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジプロピオネート、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジプロピオネート、(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロアセテート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムジプロピオネートなどのカルボン酸錯体、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセチルアセトネート、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロヘキシル(イソプロピル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロペンチル(イソプロピル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロヘキシルフェニルホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロヘキシル(o−トリル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロヘキシル(t−ブチル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロペンチルフェニルホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロペンチル(o−トリル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、[ジシクロペンチル(t−ブチル)ホスフィン]パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(ジイソプロピルフェニルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)などのβ−ジケトン錯体、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、(ジシクロヘキシルシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、ビス(ジシクロヘキシルシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(ジシクロヘキシルフェニルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(p−トルエンスルホネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジ(メタンスルホネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(ジシクロペンチルフェニルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(p−トルエンスルホネート)、(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(メタンスルホネート)、トリイソプロピルホスフィンパラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(ジイソプロピルフェニルホスフィン)パラジウムビス(トリフルオロメタンスルホネート)、ビス(トリイソプロピルホスフィン)パラジウムビス(p−トルエンスルホネート)などの有機スルホン酸錯体が挙げられるが、これらに限定されない。
上記錯化合物にはさらにベンゼン、トルエン、キシレン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、水などの溶媒類が配位していてもよい。また、当該錯化合物は単離したものを重合に供してもよく、合成後に単離することなく供してもよい。これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
また、上記式(6)で表される錯化合物としては、パラジウムのカルボン酸塩とホスフィン化合物(b)とが1対1で錯形成した錯体、およびパラジウムのβ−ジケトネート化合物とホスフィン化合物(b)とが1対1で錯形成した錯体が好ましい。中でもパラジウムビス(アセチルアセトナート)、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)が好ましく、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムビス(アセチルアセトネート)がさらに好ましく、(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウムジアセテート、(トリシクロペンチルホスフィン)パラジウムジアセテートが特に好ましい。式(6)で表されるパラジウム錯体は、好ましくは単量体1モルに対しパラジウム原子に換算して0.0002〜0.1ミリモル、より好ましくは0.0005〜0.01ミリモルの範囲で用いられる。
本発明のコーティング材の製造方法で用いられる重合触媒には、加えてさらに、
(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物あるいはイオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられることが好ましい。これらは下記式(7)〜(10)で表される。
BR ・・・・・(7)
AlR ・・・・・(8)
[L][BR ・・・・・(9)
[L][AlR ・・・・・(10)
[式(7)〜(10)中、R〜Rはフッ素原子置換またはフッ素化アルキル置換のフェニル基、あるいはフッ素原子であり、[L]は、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオン、アニリニウムカチオン、ホスホニウムカチオンまたは金属原子を表す。]
ルイス酸性のホウ素化合物の具体例としてはトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリス(3,5−フルオロフェニル)ホウ素、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホウ素、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体が挙げられる。
ルイス酸性アルミニウム化合物の具体例としてはトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)アルミニウム、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]アルミニウム、三フッ化アルミニウム、ジエチルエーテル錯体、エチルアルミニウムジフロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ジエチルアルミニウムフロライド、3,5−ジメチルフェニルアルミニウムジフロライドなどが挙げられる
イオン性ホウ素化合物の具体例としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
イオン性アルミニウム化合物の具体例としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミナート、トリフェニルカルベニウムテトラキス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕アルミナート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アルミナートなどが挙げられる。
上記(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物あるいはイオン性アルミニウム化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。またこれらの中でもイオン性ホウ素化合物が好ましく、特にはカルベニウムカチオン、アニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物が好ましく、トリフェニルカルベニウムカチオンあるいはN,N−ジメチルアニリニウムカチオンを有するものが最も好ましい。これらは(a)パラジウム化合物中のパラジウム原子に対するモル比で、好ましくは0.2〜10倍、より好ましくは0.5〜2.0倍の範囲で用いられる。
本発明のコーティング材の製造方法で用いられる重合触媒には、前記の各成分に加えて、触媒の活性向上、水や酸素による活性低下防止などの目的で、さらに(d)有機アルミニウム化合物を触媒成分として加えてもよい。この(d)有機アルミニウム化合物としては、たとえばメチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサンなどのアルキルアルモキサン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム化合物;ジイソブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド化合物;ジエチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物;ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムフルオライドなどのジアルキルアルミニウムハライドなどを挙げることができる。前記パラジウム化合物(a)中のパラジウム原子に対するモル比で好ましくは0.5〜100倍、より好ましくは1〜10倍の範囲で用いられる。
上記に挙げた成分を適切に用いることで、透明性、耐熱性、柔軟性、靭性に優れ、コーティング材に適した環状オレフィン系付加重合体を得ることができる。上記の各成分は、本発明で重合反応に供される単量体組成物と溶媒との混合物へ、同時にまたは逐次的に添加してもよいし、触媒成分の一部またはすべてを予め互いに接触させた後に添加してもよい。
本発明のコーティング材に用いられる環状オレフィン系付加重合体を得るに際し、重合方式はバッチ式であっても、連続式であってもよく、たとえば適切な単量体の供給口を装備した管型連続反応器を使用することもできる。重合反応は通常、窒素またはアルゴン雰囲気下にて0〜150℃、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜120℃の範囲にて行なわれる。重合反応に用いられる溶媒は、特に限定されないが、シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロべンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などの溶媒を1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうちでも脂環式炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒が好ましい。これらの溶媒は、本発明で重合反応に供せられる全単量体100重量部に対し、通常50〜2,000重量部の範囲で用いることができる。
本発明のコーティング材の製造方法において用いる単量体によって重合反応性に差がある場合、生成する付加共重合体の組成に著しい分布が生じ、機械強度や透明性が損なわれることがある。これを防ぐため、用いる単量体の一部を分割して、あるいは連続的に重合系に導入してもよい。最適な導入量および導入タイミングは、両者の反応性の比をFineman−Rossの方法などによって反応性比(r,r)として求め、その値を元に選択することもできる。重合系中での単量体の組成は、適宜サンプリングした重合反応溶液を分析し、未反応の各単量体の濃度、各単量体の転化率、1H−NMRにより測定される共重合体の組成などを追跡することにより確認できる。係る方法をとることでさらに透明性や機械強度に優れたコーティング材を得ることができる。
本発明の製造方法においては、分子量調節剤によって得られる共重合体の分子量を任意に制御することができ、その結果、塗工時の溶液粘度を好適に調整したりすることができる。分子量調節剤としては、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシランなどのα−オレフィン化合物、置換または非置換シクロペンテン化合物、1,5−シクロオクタジエンなどの置換または非置換シクロアルカジエン化合物、トリエチルシラン、トリブチルシランなどのシラン化合物、水素などが挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上組み合わせて用いられ、全単量体に対しモル比で0.0001〜0.5倍の量を用いることができる。これらの分子量調節剤のうちでも、α−オレフィン化合物、置換あるいは非置換シクロペンテン化合物を用いることが好ましい。
当該環状オレフィン系付加重合体が、トリシクロ[5.2.1.02, 6]デカ−3,8−ジエンなど重合に関与しないオレフィン性不飽和結合を有する環状オレフィン化合物に由来する構造単位を含有する場合、得られるコーティング材が高温条件下で酸化劣化を受けやすくなる。そのため、該不飽和結合は付加重合反応後に水素化されることが好ましい。水素化率は高いほど好ましく、通常90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上である。水素化の方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜採用できる。たとえば水素化触媒の存在下で、不活性溶媒中、水素圧0.5〜15MPa、0〜200℃の条件で水素化を行なうことができる。
環状オレフィン系付加重合体の製造においては、重合触媒成分や、必要に応じて用いた水素化触媒成分を除去する脱触媒工程を含んでもよい。この工程を実施するための方法は特に限定されず、用いた触媒に応じて適宜選択することができる。たとえば重合後の反応混合物をギ酸、酢酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、β−メチル−β−オキシプロピオン酸、γ−オキシ酪酸などのカルボン酸類や、トリス(スルホナトフェニル)ホスフィンナトリウム塩、ジピリジル、キノリン、トリエタノールアミン、ジアルキルエタノールアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸塩などを添加し、水、アルコール類、ケトン類またはエステル類などで抽出分離する方法、重合体を凝固分離する方法、珪藻土、シリカ、アルミナ、活性炭、イオン交換樹脂などにより処理する方法、あるいはこれらを組み合わせた方法などが適宜用いられる。付加共重合体中に残留するパラジウム原子の量は5ppm以下であることが好ましく、2ppm以下であるとより好ましい。
当該環状オレフィン系付加重合体を単離する方法としては、特に限定されるものではないが、アルコールやケトンなどの貧溶剤によって重合体を凝固し、さらに乾燥して重合体を得る方法や、重合体溶液を加熱し、溶媒を留去して重合体を得る方法などが挙げられる。一方、当該環状オレフィン系付加重合体を単離することなしに、反応混合物溶液をそのまま、あるいは必要に応じて添加剤を配合し、コーティング材として用いることもできる。
本発明のコーティング材を用いるに際しては、まず該環状オレフィン系付加共重合体の溶液を調製する。用いる溶媒は特に限定されず、環状オレフィン系付加共重合体の溶解性、配合する添加剤の溶解性、沸点、得られる塗膜の均一性、溶液粘度、基材との親和性などを考慮して選択される。具体的には前記重合溶媒として挙げた脂環式炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒や、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエーテル系あるいはアルコール系溶媒などを1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。コート層を形成する際、低沸点の溶媒は乾燥しやすいが溶媒の揮発が速すぎるため表面のムラができやすい。逆に高沸点の溶媒はコート層表面のムラができにくいが乾燥速度が遅い。そこで、異なる沸点の溶媒2種以上を組み合わせることで両者のバランスを調整する方法をとることもできる。また、環状オレフィン系付加共重合体を溶解しない溶媒であっても、該共重合体が析出しない割合の範囲で混合し用いることができる。調製される環状オレフィン系共重合体溶液の濃度は通常、5〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは8〜30重量%である。濃度が低すぎると塗膜の厚みの調整が困難となり、また高すぎると溶液粘度が高くなりすぎ塗工が困難であったり、平滑性が損なわれたりする。
本発明のコーティング材には、必要に応じて種々の添加物を配合できる。例えば、塗膜の酸化安定性を向上させ着色や劣化を防ぐため、フェノール系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびチオエーテル系酸化防止剤から選ばれた酸化防止剤を配合できる。該酸化防止剤には、該共重合体100重量部当たり0.001〜5重量部の割合で配合することができる。該酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチル−フェニル)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアレート、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤またはヒドロキノン系酸化防止剤;
ビス (2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系2次酸化防止剤;
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのイオウ系2次酸化防止剤などを挙げることができる。
また、難燃剤を配合し、コーティング材に難燃性を付与することもできる。難燃剤としては公知のものを使用することができ、例えばハロゲン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、金属水酸化物などを挙げることができる。これらの中でも少量の配合で効果を示し、塗膜の吸水性、低誘電性、透明性の悪化を最小限にできるリン酸エステル系難燃剤が好ましく、1,3−ビス(フェニルホスホリル)ベンゼン、1,3−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、1,3−ビス[ジ(アルキルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジメチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジエチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’,6’−ジブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−t−ブチルフェニル)ホスフホリル]ベンゼン、1,3−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン1,3−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス(ジフェニルホスホリル)ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジメチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジエチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’,6’−ジイソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−t−ブチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−イソプロピルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、1,4−ビス[ジ(2’−メチルフェニル)ホスホリル]ベンゼン、4,4’−ビス[ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)ホスホリルフェニル]ジメチルメタンなどの縮合型リン酸エステル系難燃剤がさらに好ましい。配合量は難燃剤の選択や要求される難燃性の程度によって決まるが、環状オレフィン共重合体100重量部に対し0.5〜40重量部が好ましく、2〜30重量部がさらに好ましく、4〜20重量部が最も好ましい。0.5重量部より少ない場合には効果が不充分であり、一方、40重量部を超えて使用すると透明性が損なわれたり、誘電率などの電気特性が悪化したり、吸水率が増大したりする場合がある。
本発明のコーティング材に配合できる添加剤としては、さらに帯電防止剤、染料、紫外線吸収剤、レベリング剤などを挙げることができる。コート層の表面粗さを小さくするためのレベリング剤としてはフッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など用いることができ、溶媒と相溶性が良いものが好ましく、添加量は1〜50,000ppmの範囲で用いられる。また本発明のコーティング材には、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物、多官能アルコキシ化合物あるいはそのオリゴマー、粘土鉱物を環状オレフィン系付加重合体100重量部に対して、5〜50重量部を配合することもでき、コート層の硬度や弾性率を高めることができる。添加量が5重量部未満では効果が低すぎ、50重量部を超えるとコート層の透明性や機械強度が損なわれることがある。
本発明のコーティング材を塗布する方法は、特に限定されないが、はけやブラシを用いた塗布、スプレーによる吹き付け、スクリーン印刷法、フローコーティング、スピンコート、ディッピングによる方法や、バーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフ、ロールコート、ダイコートなどを用いてロールや平板に塗布する方法など挙げられる。
本発明のコーティング材によるコート層の乾燥方法も特に限定はなく、放置することで乾燥してもよいが、一般的には30〜220℃で加熱することで乾燥される。乾燥温度が低すぎると乾燥時間が長くなるため生産性が悪化し、高すぎると発泡や劣化などの問題が生じる。発泡を防ぎながら短時間で乾燥させるために、2段階以上もしくは連続的に温度を上昇させながら乾燥してもよい。また、乾燥工程の後に水、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレンなど環状オレフィン系付加共重合体が溶解しにくい溶媒に浸漬する工程、あるいはその溶媒の蒸気雰囲気下に曝す工程を経ることによってコート層に残留する溶媒を低減することもできる。乾燥後のコート層中に残留する溶媒は、2重量%以下、好ましくは1重量%以下さらに好ましくは0.5重量%以下である。
本発明のコーティング材によるコート層を形成するにあたり、必要に応じて架橋し、硬度や弾性率を上げたり耐薬品性を向上させたりしてもよい。例えば加水分解性シリル基やオキセタニル基など酸により架橋可能な基を少量導入した場合、加熱または光照射によって酸を発生する化合物を配合し、塗布、乾燥後に必要な処理を行なうことで架橋できる。また、有機過酸化物を配合し、加熱、分解させ架橋させてもよい。
本発明のコーティング材によるコート層の厚さは特に限定されず、目的とする用途などによって適宜選択されるが、通常、0.1〜500μm、好ましくは1〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。コート層が薄すぎるとクラックの原因となり、厚すぎるとソリが生じたり透明性の低下を招くことがある。
本発明のコーティング材は、透明性に優れ、膜厚50μmの膜で測定される全光線透過率が通常85%以上、好ましくは88%以上であり、ヘイズ値は通常1.0%未満、好ましくは0.6%以下である。
本発明のコーティング材によるコート層は、必要に応じてさらに反射防止層、ガスバリア層、透明導電膜、ハードコート、赤外線フィルター層、紫外線フィルター層、粘着剤層などを積層してもよい。
本発明のコーティング材でコートする基材としては、特に限定はされないが、ガラス、環状オレフィン開環(共)重合体の水素化物、環状オレフィンとエチレンとの付加共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレンサルファイド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、イソブチレン・アルキルマレイミド共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。特に本発明のコーティング材を加工プロセスや使用条件において高い耐熱性を要求される用途に適用するにあっては、ガラス、あるいは充分に高いガラス転移温度を有する樹脂が好ましく用いられる。基材の選択種類によっては、適当なプライマーを予め塗布し、本発明のコーティング材の密着性を向上させることもできる。
また、本発明のコーティング材は金、銀、銅などの金属によって配線を施した基板やシリコン基板を基材としてコートすることもでき、低誘電率のコーティング材として有用である。
本発明のコーティング材は優れた透明性を有することから、液晶表示素子やエレクトロルミネッセンス表示素子などのディスプレイ基板、カラーフィルター、発光ダイオード、導光板、偏光フィルム、表面保護フィルム、光拡散フィルム、位相差フィルム、透明導電性フィルム、反射防止フィルム、OHPフィルム、赤外線フィルター、透明電極基板、タッチパネル、CD、MD、DVDなどの光ディスク、光ファイバー、レンズなどの光学材料用コーティング材として有用である。
また、本発明のコーティング材は低い誘電率および吸水性、優れた電気絶縁性を有することからプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板などの回路基板用コーティング材としても有用である。さらには医療用容器、電子部品用容器などのコーティング材としても有用である。
本発明のコーティング材は、耐熱性、透明性、電気絶縁性、薬品安定性に優れ、低吸水性、低誘電率を有することから、表面保護コ−ティング材、導電性コーティング材、電磁波吸収コーティング材、赤外線吸収コーティング材、紫外線吸収コーティング材、絶縁コーティング材、反射防止コーティング材、ハードコーティング材などとして用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、分子量、ガラス転移温度、全光線透過率、吸水率、誘電率、フィルムの割れ、引っ張り強度および共重合体中の構造単位の割合は、下記の方法で測定または評価した。
(1)数平均分子量、重量平均分子量
ウオーターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー装置(GPC)で、東ソー(株)製Hタイプカラムを用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)ガラス転移温度(Tg)
レオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmの条件で測定される、貯蔵弾性率(E’)および損失弾性率(E”)から導かれるTanδ(=E”/E’)のピーク温度を共重合体のガラス転移温度とした。
(3)全光線透過率
ASTM−D1003に準拠し測定した。
(4)吸水率
フィルムを23℃の水中に24時間浸漬させ、前後の重量変化により吸水率を測定した。
(5)フィルム靭性評価(フィルム曲げ試験)
直径3mm、長さ10cmのスチール製の丸棒の周囲に、フィルムコート面を外側にして180度となるまで巻きつけた際におけるコート層の割れやクラックの有無を目視および顕微鏡で観察した。
(6)フィルム破断強度、伸び
JIS K7113に準じ、引張り速度3mm/min.で測定した。
(7)フィルム誘電率
ヒューレットパッカード製4248型LCRメーターを用い、印加電圧1V、周波数1MHzにて測定した。
参考例1
(触媒調製)窒素雰囲気下、室温にて0.005mol/Lに調製した酢酸パラジウムのトルエン溶液2mLへ、0.01mol/Lのトリシクロペンチルホスフィンのトルエン溶液を加え、30分間撹拌して錯形成した触媒溶液を調製した。
(重合)2000mlの耐圧反応器に窒素雰囲気下で乾燥トルエンを650g、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを100g(0.66mol)、75重量%のトルエン溶液としたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを107g(0.85mol)、シクロペンテンを28g仕込み、撹拌しながら内温を50℃に調整した。先に調製した触媒溶液を1.04mL(0.00347mmolPd)加え、さらに2分後、0.002mol/Lに調製したトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを1.74mL加え、重合を開始した。重合開始後1時間、および3時間経過した際に、上記ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンのトルエン溶液をそれぞれ16g(0.13mol)、10.7g(0.085mol)加え、合計6時間継続した。全単量体の付加重合体への転化率は99.9%であった。得られた付加共重合体の数平均分子量(Mn)は61,000、重量平均分子量(Mw)は212,000で、ガラス転移温度は310℃であった。
実施例1
参考例1で得られた環状オレフィン系付加重合体溶液に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、固形分濃度が20重量%となるようトルエンを追加し、孔径10μmのテフロンフィルターを通じ、本発明のコーティング材を調製した。一方、この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒が約12%となるまで徐々に溶剤を蒸発させ、続いて200℃にて90分間保持し、厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.3、吸水率が0.01%以下であり、透明性が高く低誘電率、低吸水性であった。このフィルムの破断強度は49MPa、破断伸びが7.4%であった。
実施例2
実施例1で得られたコーティング材を、厚さ500μmの無アルカリガラス基板上に塗布して、30℃で10分間、さらに180℃で30分間乾燥して、厚みが20μmのコート層でコーティングされたガラス基板を得た。
実施例3
実施例1で得られたコーティング材を固形分濃度が10重量%となるよう希釈し、シリコンウエハー上にスピンコートして、30℃で10分間、さらに180℃で10分間乾燥し、厚みが1.0μmのコート層でコーティングされたシリコンウェハーを得た。
実施例4
実施例1で得られたコーティング材を、ポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にキャストし、30℃で10分間、さらに180℃で30分間乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コート層にクラックは観測されなかった。
参考例2
充分に窒素で置換した100mlのガラス製耐圧容器へ、乾燥トルエン44g、5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを30mmol、75重量%のトルエン溶液としたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを70mmol仕込み、ゴムシールにて密封した。さらにエチレンを60ml/分で12秒間吹込み、60℃に昇温した。続いて0.0005mol/lの酢酸パラジウムのトルエン溶液を0.40ml、0.002mol/lのトリシクロペンチルホスフィンのトルエン溶液を0.10ml、0.0005mol/lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.40ml加え重合を開始し、3時間継続した。全単量体の共重合体への転化率は99.8%であり、終了時の重合溶液は少し濁った半透明の状態であった。得られた付加共重合体の数平均分子量は52,000、重量平均分子量は195,000、ガラス転移温度は300℃であった。
実施例5
参考例2で得られた環状オレフィン系付加重合体に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、固形分濃度が20重量%となるようトルエンを追加し、孔径10μmのテフロンフィルターを通じ、コーティング材溶液を調製した。一方、この溶液から実施例1と同様の操作にて厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.4、吸水率が0.01%以下、破断強度が51MPa、破断伸びが7.3%であった。また、ポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にこのコーティング材溶液をキャストし、30℃で10分、さらに180℃で30分乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コーティング層にクラックは観測されなかった。
比較例1
6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン100部に、シクロへキサン400部、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チタンの20%シクロへキサン溶液10部を添加して開環重合した。得られた開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液へ少量の乳酸と水を加えて撹拌し、水層を分離して触媒残渣を除去した後、イソプロピルアルコール中へ注いで凝固し、乾燥し、環状オレフィン化合物の開環重合体を得た。この開環重合体の重量平均分子量(Mw)は40,000、水素添加率は99.75%であった。この開環重合体のガラス転移温度は142℃であり、200℃以上の耐熱性を要求されるコーティング材としては使用できないものであった。
参考例3
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに代えて、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを100g(0.56mol)用いた以外は参考例1と同様の操作を行い、転化率99.9%で環状オレフィン系付加重合体を得た。得られた付加共重合体の数平均分子量は55,000、重量平均分子量は208,000、ガラス転移温度は305℃であった。
比較例2
参考例4で得られた環状オレフィン系付加重合体を固形分濃度が20重量%となるようにトルエンに溶解し、実施例1と同様の操作にて厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.3、吸水率が0.01%以下、破断強度が26MPa、破断伸びが7.0%であり、高透明性、低誘電率、低吸水性であったが破断強度に劣るものであった。このコーティング材溶液をポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にキャストし、30℃で10分、さらに180℃で30分乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コート層に多数のクラックが顕微鏡で観測された。
本発明によれば、高い耐熱性、透明性を有し、さらに良好な電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示し、特に光学材料用およびプリント回路基板用に好適なコーティング材およびその製造方法を提供することができる。


Claims (11)

  1. 下記式(1)で表される構造単位(1)と、下記式(2)で表される構造単位(2)とを有し、構造単位(1)と構造単位(2)との合計100モル%中、構造単位(1)の割合が20〜95モル%、構造単位(2)の割合が5〜80モル%である環状オレフィン系付加共重合体と、
    有機溶剤とを含むことを特徴とする、コーティング材。
    Figure 2007084764
    [式(1)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
    Figure 2007084764
    [式(2)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
  2. 前記環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度が220〜400℃であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
  3. 光学材料用のコーティング材であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
  4. プリント回路基板用あるいはフレキシブルプリント回路基板用のコーティング材であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
  5. 下記式(3)で表される単量体(3)と、下記式(4)で表される単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、
    パラジウム化合物(a)と、
    未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)と
    を含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することを特徴とする、コーティング材の製造方法。
    Figure 2007084764
    [式(3)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
    Figure 2007084764
    [式(4)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
  6. 前記重合触媒が、
    (a)パラジウムの有機酸塩、またはパラジウムのβ−ジケトン化合物から選ばれるパラジウム化合物、
    (b)下記式(5)で表されるホスフィン化合物、
    P(R(R)・ ・ ・ ・ ・ (5)
    [式(5)中、Pはリン原子であり、Rは炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基、並びに炭素数6〜12の未置換またはアルキル置換のシクロヘキシル基から選ばれる基であり、Rは炭素数3〜12の炭化水素基である。]、
    (c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    および必要に応じて
    (d)有機アルミニウム化合物
    を含むことを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。
  7. ホスフィン化合物(b)が、炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のトリシクロペンチルホスフィンであることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。
  8. ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオンまたはアニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。
  9. 下記式(3)で表される単量体(3)と、下記式(4)で表される単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、下記式(6)で表される錯化合物を含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することを特徴とする、コーティング材の製造方法。
    Figure 2007084764
    [式(3)中、A〜Aはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基から選ばれる原子または基を表す。]
    Figure 2007084764
    [式(4)中、B〜Bの1つが、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基から選ばれる基であり、それ以外はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、メチル基のいずれかである。]
    Pd[P(R(R)]・・・・・(6)
    [式(6)中、Pdはパラジウム原子であり、RおよびRは上記式(5)と同じであり、nは1または2を示す。]
  10. ホスフィン化合物(b)が、炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のトリシクロペンチルホスフィンであることを特徴とする、請求項9に記載のコーティング材の製造方法。
  11. ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオンまたはアニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることを特徴とする、請求項9に記載のコーティング材の製造方法。

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