JP2007084764A - コーティング材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
有機溶剤とを含むことを特徴としている。
パラジウム化合物(a)と、未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)とを含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有するものであることが好ましい。
(a)パラジウムの有機酸塩、またはパラジウムのβ−ジケトン化合物から選ばれるパラジウム化合物、
(b)下記式(5)で表されるホスフィン化合物、
P(R1)2(R2)・ ・ ・ ・ ・ (5)
[式(5)中、Pはリン原子であり、R1は炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基、並びに炭素数6〜12の未置換またはアルキル置換のシクロヘキシル基から選ばれる基であり、R2は炭素数3〜12の炭化水素基である。]、
(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
および必要に応じて
(d)有機アルミニウム化合物
を含むものであることがさらに好ましい。
Pd[P(R1)2(R2)]nX2・・・・・(6)
[式(6)中、Pdはパラジウム原子であり、R1およびR2は上記式(5)と同じであり、nは1または2を示す。]
また、本発明のコーティング材の製造方法においては、前記ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオン、アニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることが好ましい。
環状オレフィン系付加共重合体
本発明のコーティング材においては、置換基を有さないか、ハロゲン原子、メチル基、エチル基のいずれかの置換基のみを有するビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位(1)と、ブチル基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基のいずれかの置換基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに由来する構造単位(2)とを特定の割合で含む環状オレフィン系付加共重合体(以下、単に「共重合体」ともいう)が用いられる。これにより、得られるコーティング材が高い耐熱性、透明性を有し、さらに良好な電気絶縁性、低吸水性、低誘電率を示すものとなる。また靭性と、機械強度にも優れたものとなる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,5−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
などを挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを用いると、得られるコーティング材の機械的強度が特に優れるため好ましい。単量体(3)は、全単量体に対し20〜95モル%、好ましくは30〜90モル%、さらに好ましくは40〜80モル%の範囲で用いられる。
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−sec−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−tert−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−ブチル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−フルオロ−6−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリメチルシリル−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体(4)は、全単量体に対し5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、さらに好ましくは20〜60モル%の範囲で用いられる。
このような構造単位を形成する環状オレフィン化合物の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸エチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸t−ブチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、
4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸プロピル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸ジメチル、
テトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル−5−カルボン酸t−ブチル、
5−トリメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−トリエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−クロロジエトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
4−トリエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
5−メチルジメトキシシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
4−メチルジエトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13, 6.02, 7]ドデカ−9−エン、
5−[(3−エチル−3−オキタセニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
5−[(3−オキセタニル)メトキシ]ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸(3−エチル−3−オキセタニル)メチル、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2、3−ジカルボン酸無水物、
スピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3’−exo−スクシン酸無水物]、
スピロ[テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,3’−exo−スクシン酸無水物]
などが挙げられる。
これらの化合物から形成される構造単位の割合は、全構造単位に対し7モル%以下、好ましくは5モル%以下である。5モル%を超えると、得られるコーティング材の吸水性、誘電率が増大したり、電気絶縁性が損なわれたりするおそれがある。また、付加重合反応における重合活性が大きく低下するおそれがある。
本発明のコーティング材に用いられる共重合体を製造するに際し、ニッケル系触媒を用いた付加重合によって得られる環状オレフィン共重合体は、パラジウム系触媒を用いて得られたものと比較して、機械強度、靭性に大きく劣り、脆いものとなることが多い。ここでは特定の理論に縛られはしないが、その理由としては、パラジウム系触媒を用いて得られる付加重合体が、ニッケル系触媒を用いた場合に比して高い立体規則性を有することに由来するものと考察される。そのため本発明のコーティング材の製造方法においては、高い重合活性を発現し付加共重合体中に残留する金属成分を低減できることや、付加共重合体の分子量の制御が容易となることから、パラジウム化合物を含む重合触媒を用いて付加重合体を製造することが好ましい。
(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物あるいはイオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられることが好ましい。これらは下記式(7)〜(10)で表される。
BR3 3 ・・・・・(7)
AlR4 3 ・・・・・(8)
[L]+[BR5 4]− ・・・・・(9)
[L]+[AlR6 4]− ・・・・・(10)
[式(7)〜(10)中、R3〜R6はフッ素原子置換またはフッ素化アルキル置換のフェニル基、あるいはフッ素原子であり、[L]+は、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオン、アニリニウムカチオン、ホスホニウムカチオンまたは金属原子を表す。]
ビス (2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどのリン系2次酸化防止剤;
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどのイオウ系2次酸化防止剤などを挙げることができる。
(1)数平均分子量、重量平均分子量
ウオーターズ(WATERS)社製150C型ゲルパーミエションクロマトグラフィー装置(GPC)で、東ソー(株)製Hタイプカラムを用い、o−ジクロロベンゼンを溶媒として、120℃で測定した。得られた分子量は標準ポリスチレン換算値である。
(2)ガラス転移温度(Tg)
レオバイブロンDDV−01FP(オリエンテック製)を用い、測定周波数が10Hz、昇温速度が4℃/分、加振モードが単一波形、加振振幅が2.5μmの条件で測定される、貯蔵弾性率(E’)および損失弾性率(E”)から導かれるTanδ(=E”/E’)のピーク温度を共重合体のガラス転移温度とした。
(3)全光線透過率
ASTM−D1003に準拠し測定した。
(4)吸水率
フィルムを23℃の水中に24時間浸漬させ、前後の重量変化により吸水率を測定した。
(5)フィルム靭性評価(フィルム曲げ試験)
直径3mm、長さ10cmのスチール製の丸棒の周囲に、フィルムコート面を外側にして180度となるまで巻きつけた際におけるコート層の割れやクラックの有無を目視および顕微鏡で観察した。
(6)フィルム破断強度、伸び
JIS K7113に準じ、引張り速度3mm/min.で測定した。
(7)フィルム誘電率
ヒューレットパッカード製4248型LCRメーターを用い、印加電圧1V、周波数1MHzにて測定した。
(触媒調製)窒素雰囲気下、室温にて0.005mol/Lに調製した酢酸パラジウムのトルエン溶液2mLへ、0.01mol/Lのトリシクロペンチルホスフィンのトルエン溶液を加え、30分間撹拌して錯形成した触媒溶液を調製した。
(重合)2000mlの耐圧反応器に窒素雰囲気下で乾燥トルエンを650g、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを100g(0.66mol)、75重量%のトルエン溶液としたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを107g(0.85mol)、シクロペンテンを28g仕込み、撹拌しながら内温を50℃に調整した。先に調製した触媒溶液を1.04mL(0.00347mmolPd)加え、さらに2分後、0.002mol/Lに調製したトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを1.74mL加え、重合を開始した。重合開始後1時間、および3時間経過した際に、上記ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンのトルエン溶液をそれぞれ16g(0.13mol)、10.7g(0.085mol)加え、合計6時間継続した。全単量体の付加重合体への転化率は99.9%であった。得られた付加共重合体の数平均分子量(Mn)は61,000、重量平均分子量(Mw)は212,000で、ガラス転移温度は310℃であった。
参考例1で得られた環状オレフィン系付加重合体溶液に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、固形分濃度が20重量%となるようトルエンを追加し、孔径10μmのテフロンフィルターを通じ、本発明のコーティング材を調製した。一方、この溶液を25℃でキャストし、残存溶媒が約12%となるまで徐々に溶剤を蒸発させ、続いて200℃にて90分間保持し、厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.3、吸水率が0.01%以下であり、透明性が高く低誘電率、低吸水性であった。このフィルムの破断強度は49MPa、破断伸びが7.4%であった。
実施例1で得られたコーティング材を、厚さ500μmの無アルカリガラス基板上に塗布して、30℃で10分間、さらに180℃で30分間乾燥して、厚みが20μmのコート層でコーティングされたガラス基板を得た。
実施例1で得られたコーティング材を固形分濃度が10重量%となるよう希釈し、シリコンウエハー上にスピンコートして、30℃で10分間、さらに180℃で10分間乾燥し、厚みが1.0μmのコート層でコーティングされたシリコンウェハーを得た。
実施例1で得られたコーティング材を、ポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にキャストし、30℃で10分間、さらに180℃で30分間乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コート層にクラックは観測されなかった。
充分に窒素で置換した100mlのガラス製耐圧容器へ、乾燥トルエン44g、5−トリメチルシリルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを30mmol、75重量%のトルエン溶液としたビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを70mmol仕込み、ゴムシールにて密封した。さらにエチレンを60ml/分で12秒間吹込み、60℃に昇温した。続いて0.0005mol/lの酢酸パラジウムのトルエン溶液を0.40ml、0.002mol/lのトリシクロペンチルホスフィンのトルエン溶液を0.10ml、0.0005mol/lのトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液を0.40ml加え重合を開始し、3時間継続した。全単量体の共重合体への転化率は99.8%であり、終了時の重合溶液は少し濁った半透明の状態であった。得られた付加共重合体の数平均分子量は52,000、重量平均分子量は195,000、ガラス転移温度は300℃であった。
参考例2で得られた環状オレフィン系付加重合体に酸化防止剤ペンタエリスリチルテトキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトをそれぞれ付加重合体100重量部当たり、0.3重量部添加し、固形分濃度が20重量%となるようトルエンを追加し、孔径10μmのテフロンフィルターを通じ、コーティング材溶液を調製した。一方、この溶液から実施例1と同様の操作にて厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.4、吸水率が0.01%以下、破断強度が51MPa、破断伸びが7.3%であった。また、ポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にこのコーティング材溶液をキャストし、30℃で10分、さらに180℃で30分乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コーティング層にクラックは観測されなかった。
6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン100部に、シクロへキサン400部、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5部、および四塩化チタンの20%シクロへキサン溶液10部を添加して開環重合した。得られた開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液を得た。このポリマー溶液へ少量の乳酸と水を加えて撹拌し、水層を分離して触媒残渣を除去した後、イソプロピルアルコール中へ注いで凝固し、乾燥し、環状オレフィン化合物の開環重合体を得た。この開環重合体の重量平均分子量(Mw)は40,000、水素添加率は99.75%であった。この開環重合体のガラス転移温度は142℃であり、200℃以上の耐熱性を要求されるコーティング材としては使用できないものであった。
5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンに代えて、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンを100g(0.56mol)用いた以外は参考例1と同様の操作を行い、転化率99.9%で環状オレフィン系付加重合体を得た。得られた付加共重合体の数平均分子量は55,000、重量平均分子量は208,000、ガラス転移温度は305℃であった。
参考例4で得られた環状オレフィン系付加重合体を固形分濃度が20重量%となるようにトルエンに溶解し、実施例1と同様の操作にて厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムは、全光線透過率が94%、ヘイズが0.4%、誘電率が2.3、吸水率が0.01%以下、破断強度が26MPa、破断伸びが7.0%であり、高透明性、低誘電率、低吸水性であったが破断強度に劣るものであった。このコーティング材溶液をポリイミドフィルムをベースとするフレキシブルプリント回路基板上にキャストし、30℃で10分、さらに180℃で30分乾燥して、厚みが15μmのコート層でコーティングされたフレキシブルプリント回路基板を得た。このフレキシブルプリント回路基板の曲げ試験において、コート層に多数のクラックが顕微鏡で観測された。
Claims (11)
- 下記式(1)で表される構造単位(1)と、下記式(2)で表される構造単位(2)とを有し、構造単位(1)と構造単位(2)との合計100モル%中、構造単位(1)の割合が20〜95モル%、構造単位(2)の割合が5〜80モル%である環状オレフィン系付加共重合体と、
有機溶剤とを含むことを特徴とする、コーティング材。
- 前記環状オレフィン系付加共重合体のガラス転移温度が220〜400℃であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
- 光学材料用のコーティング材であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
- プリント回路基板用あるいはフレキシブルプリント回路基板用のコーティング材であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング材。
- 下記式(3)で表される単量体(3)と、下記式(4)で表される単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、
パラジウム化合物(a)と、
未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基またはシクロヘキシル基を少なくとも2つ有するホスフィン化合物(b)と
を含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することを特徴とする、コーティング材の製造方法。
- 前記重合触媒が、
(a)パラジウムの有機酸塩、またはパラジウムのβ−ジケトン化合物から選ばれるパラジウム化合物、
(b)下記式(5)で表されるホスフィン化合物、
P(R1)2(R2)・ ・ ・ ・ ・ (5)
[式(5)中、Pはリン原子であり、R1は炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のシクロペンチル基、並びに炭素数6〜12の未置換またはアルキル置換のシクロヘキシル基から選ばれる基であり、R2は炭素数3〜12の炭化水素基である。]、
(c)ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、
および必要に応じて
(d)有機アルミニウム化合物
を含むことを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。 - ホスフィン化合物(b)が、炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のトリシクロペンチルホスフィンであることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。
- ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオンまたはアニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることを特徴とする、請求項5に記載のコーティング材の製造方法。
- 下記式(3)で表される単量体(3)と、下記式(4)で表される単量体(4)とを含み、単量体(3)と単量体(4)との合計100モル%中、単量体(3)の割合が20〜95モル%、単量体(4)の割合が5〜80モル%である単量体組成物を、下記式(6)で表される錯化合物を含む重合触媒の存在下で付加共重合させて、環状オレフィン系付加共重合体を製造する工程を有することを特徴とする、コーティング材の製造方法。
Pd[P(R1)2(R2)]nX2・・・・・(6)
[式(6)中、Pdはパラジウム原子であり、R1およびR2は上記式(5)と同じであり、nは1または2を示す。] - ホスフィン化合物(b)が、炭素数5〜12の未置換またはアルキル置換のトリシクロペンチルホスフィンであることを特徴とする、請求項9に記載のコーティング材の製造方法。
- ルイス酸性のホウ素化合物、ルイス酸性のアルミニウム化合物、イオン性ホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(c)が、カルベニウムカチオンまたはアニリニウムカチオンを有するイオン性ホウ素化合物であることを特徴とする、請求項9に記載のコーティング材の製造方法。
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