JP4362190B2 - 冷蔵オープンショーケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スーパーマーケット等に設置される、少なくとも前面と一側面との2面が開放された冷蔵オープンショーケースに係り、特に、コーナ部の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵オープンショーケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の冷蔵オープンショーケースの中には、前面が開放された直線型のユニットの両端に、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものや、このように連結したものを背中合わせに結合したものなどがあり、前者のものは壁面に沿って、また後者のものはフロアの中央に、それぞれ設置される。
【0003】
上記各ユニットは、天井部の冷気の吹出口から陳列台の下部外周縁の吸込口に冷気を吹き出すことにより、開放面にエアカーテンを形成し、庫内に貯蔵又は陳列した商品を保冷するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、前面と一側面が開放されたコーナ型のユニットを連結したものにおいては、コーナ部の開放面に十分なエアカーテンが形成されず、その部分の棚板に陳列した商品の冷却効果が低いという問題がある。
【0005】
この問題を解決するようにした従来のオープンショーケースとして、例えば特許第2880464号公報に開示されているもののように、冷気の循環ダクト内に大型の冷却器を設けるとともに、送風ファンを複数個設け、コーナ部を冷気が十分に循環するようにして、コーナ部の冷却効果を高めるようにしたものがある。
【0006】
しかし、この従来のものでは、冷却ユニットそのものの能力を大として冷却効果を高めているため、コストが増大する問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、簡単かつ安価な構成でコーナ部に陳列した商品の冷却効果を高めることができるようにした冷蔵オープンショーケースを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の冷蔵オープンショーケースは、少なくとも前面と一側面とが開放された外ケースと内ケースとの間に、冷却器と送風機とを収容してなる冷気循環経路を形成するとともに、前記前面と一側面側の内ケースに、上下複数段の商品陳列棚を設け、前記冷気循環経路の上部の吹出口から商品貯蔵部の下部外周縁の吸込口に向かって冷気を吹き出すことにより、前記各商品陳列棚の前方にエアカーテンを形成し、かつ内ケースに穿設した複数の吹出孔より冷気を吹き出すことにより、商品貯蔵部内の商品を保冷するようにした冷蔵オープンショーケースにおいて、前記一側面側に、両側端がコーナ部付近に位置する大きさの商品陳列棚を各段に設け、前記商品陳列棚は、その両側端の先端部と後端面とが開口するダクト構造として構成され、前記開口した前記後端面を、前記内ケース壁面に設けた吹出孔と連通するように取付けると共に、前記開口した両側端の先端部には、冷気をコーナ部取込口に向けて吐出する吐出口が形成されていることを特徴としている。
上記構成の本発明によると、冷気循環経路内の冷気が、各段の商品陳列棚のダクト内に流入して、その両側端の先端部の開口部よりコーナ部取込口に向かって吹き出されるので、コーナ部の冷却効果を向上させることができる,従来のように、冷却ユニットの能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【0009】
上記装置において、商品陳列棚が前後に移動可能又は上下に傾斜可能に取付けられるものにおいて、商品陳列棚の後端面と、内ケースの壁面とを密閉閉塞する閉塞部材を設けるのが好ましい。
このようにすると、商品陳列棚を前方にずらしたり、上下方向に傾斜させたりして、内ケースの壁面と陳列棚の後端との間に隙間が形成されても、閉塞部材により商品陳列棚の後端面と内ケースの壁面との間が密着閉塞されるので、冷気が漏出してコーナ部の冷却効果が低下する恐れはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図、図2は冷蔵オープンショーケースを示す断面図、図3は冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図であり、図4は図2のA−A断面図である。
【0011】
先ず図1及び図2には、本発明の適用された冷蔵オープンショーケース1が示されている。図1、図2における3は内ケース、8は断熱筐体としての外ケース、4は側板であり、これら内ケース3、外ケース8、側板4により前方に開放する保冷庫としての商品陳列用空間部6が構成されており、内ケース3の背面に固着された複数の商品陳列棚7により商品を多段に陳列出来るようになっている。
【0012】
内ケース3と、その外側に配設される外ケース8との間には、冷気循環経路としての冷気を挿通する挿通路9b、9cが前面側と側面側にそれぞれ設けられており、これら前面及び側面側挿通路9b、9c内に設けられる送風機であるファン10を駆動させ、商品陳列用空間部6の前方下部に設けられる取込口11から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Rにより冷却し、図中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部6内を、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却出来るようになっている。
【0013】
また、商品陳列用空間部6の前方上部に設けられた吐出口12からは下方の取込口11に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部6の前面にエアーカーテンが作り出されるため、商品陳列用空間部6内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部6内の温度が一定に保持されるようになっている。
【0014】
更に、図2、図3に示されるように、冷却器Rよりも下流側の前面側挿通路9b内には、ファン10より圧送された冷気の一部をコーナ部挿通路9aに向かって流動させる多数の通風孔を穿設したパンチングプレート2が、コーナ部挿通路9a側を開放するようにして設けられており、コーナ部近傍の前面側挿通路9b内におけるパンチングプレート2よりも上方を、上下方向を向く仕切板5により仕切ることにより、コーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路9aとパンチングプレート2下方の前面側挿通路9bとが連通するよう構成されている。
【0015】
そして、商品貯蔵部の下部外周縁のコーナ部には、内側縁の両端が前面及び一側面側の取込口11の内側端と連なるようにコーナ部取込口11aが形成されている。
【0016】
本発明の実施形態における商品陳列棚7は、図4に示されるように一側面側に設けられた各段の商品陳列棚7の両端縁がコーナ部付近に位置する形状、すなわち平面視相似形の台形状に形成されている。
【0017】
ここで、図5の(a)は本発明に係る商品陳列棚の平面図、(b)は(a)のb矢視図、(c)は(a)のC矢視図であり、図6は商品陳列棚のダクト吸入口に装着されたシール部材を示す部分断面図である。
【0018】
図5に示されるように、例えば、最上段の商品陳列棚7についてみると、この商品陳列棚7は、両側端の先端部と後端面とが開口するダクト構造として、その後端部が、内ケース3壁面に、それに穿設した吹出孔と連通するようにコーナ部に支持されたブラケット16を介して取付けられている。
【0019】
更に詳しくは、一側面側に設けられた商品陳列棚7は、その底面には、内ケース3壁面の図示しない各吹出孔から吹き出される冷風を取り入れるべく後端面に拡開された吸入口14が形成されたダクト15が設置されている。
【0020】
このダクト15の先端側両端部にはダクト15内に取り込まれた冷風を吹き出す開口部としての吐出口15a、15bが形成されている。
【0021】
ダクト15の吸入口14は、図5の(c)及び図6に示されるように矩形に形成されており、吸入口14の周縁には弾性変形可能な閉塞部材として例えばゴム部材などの素材で構成されたシール部材18が装着されており、シール部材18が内ケース3の壁面に押圧された際弾性変形により密着するように構成されている。
【0022】
一方、図5に示される内ケース3における前面と一側面とが交わるコーナ部には、上下方向を向く隅切り状の斜向面20aが形成されたダクト部材20が設けられ、この斜向面20aには冷風を吹き出す吹出口(不図示)及び複数の係止孔20bが縦列に穿設されている。
【0023】
図5の(a)に示されるように、両ダクト部材20の斜向面20aに形成された特定の係止孔20bには、ブラケット16後端の係止片16aが係止されてブラケット16の先端が商品貯蔵部下部外周縁の両コーナ部に向けて取付けられている。
【0024】
ここで、このブラケット16は、係止片16aが図6に示されるように、先端が下方に向けて傾斜した状態でも取り付けられる構成になっている。
【0025】
従って、傾斜した状態で取り付けられたブラケット16上に商品陳列棚7が載置されて取り付けられた場合には、ダクト15の吸入口14は内ケース3の壁面対して片側に傾斜するが、吸入口14の周縁に装着されたシール部材18の弾性変形の許容範囲は最大隙間が形成される範囲L内で変形するようになっているので、吸入口14の周縁と内ケース3の壁面との間は密着状態が保たれる。
【0026】
次に、前述した冷蔵オープンショーケースの作用につき説明する。
【0027】
先ず、前面及び側面側挿通路9b、9c内に設けられるファン10を駆動させることにより、商品陳列用空間部6の前方下部に設けられる取込口11から空気を取り込むとともに、取り込んだ空気を冷却器Rにより冷却し、図2中矢印方向に対流させることで、商品陳列用空間部6内が、冷凍食品や生鮮食料品等を陳列可能な所定温度まで冷却される。
【0028】
また、前面及び側面側挿通路9b、9c内を挿通した冷気は、商品陳列用空間部6の前方上部の吐出口12から下方の取込口11に向けて冷気が吐出され、商品陳列用空間部6の前面にエアーカーテンが形成され、これにより、商品陳列用空間部6内の冷気の拡散や外部からの熱進入が防止され、商品陳列用空間部6内の温度を一定に保持することができる。
【0029】
ここで、前面側挿通路9b内に設けられたファン10より圧送された冷気の一部は、上方に配置されているパンチングプレート2の通風孔を介して上方に流動するが、その他の冷気はパンチングプレート2により風路偏向されてコーナ部近傍の該パンチングプレート2の開放端側に導かれる。
【0030】
前記開放端に導かれた冷気は、上下方向を向く仕切板5により仕切られたコーナ部の上下方向を向くコーナ部挿通路9aを挿通し、コーナ部上部の吐出口12aから下方のコーナ部取込口11aに向けて吐出される。
【0031】
更に、側面側挿通路9cに流動する冷風も上方に流動して、上方に流動した冷風は内ケース3壁面の複数の吹出孔から吹き出されるが、この冷風は、一側面側に設けられた各段の商品陳列棚7の吸入口14に導入される。
【0032】
吸入口14に導入された冷風は、商品陳列棚7のダクト15内に取り込まれ、先端側両端部に形成された両吐出口15a、15bから商品貯蔵部の下部外周縁のコーナ部取込口11aに向けて吐出される。
【0033】
このようにすると、側面側の挿通路9c内の冷気は、各段の商品陳列棚7のダクト15内に流入し、その両側端の先端部の吐出口15a、15bよりコーナ部取込口11a向かって吹き出されるので、コーナ部の開放面に形成されるエアカーテンが十分でなくとも下位の陳列棚7のコーナ部に陳列した商品を、上位の商品陳列棚7よりの冷気により効果的に冷却することができる。
【0034】
従って、従来のように、冷却器Rの能力を増大する必要はなく、コスト的に有利とすることができる。
【0035】
更に、商品陳列棚7を前方にずらしたり、上下方向に傾斜させたりして、内ケース3の壁面と商品陳列棚7の後端との間に隙間が形成されても、シール部材18により商品陳列棚7の後端面と内ケース3の壁面との間が密着閉塞されるので、冷気が漏出してコーナ部の冷却効果が低下する恐れはない。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0038】
(a)請求項1に記載の発明によれば、上記構成の本発明によると、冷気循環経路内の冷気が、各段の商品陳列棚のダクト内に流入して、その両側端の先端部の開口部よりコーナ部取込口に向かって吹き出されるので、コーナ部の冷却効果を向上させることができる、従来のように、冷却ユニットの能力を増大する必要はなく、コスト的に有利となる。
【0039】
(b)請求項2に記載の発明によれば、商品陳列棚を前方にずらしたり、上下方向に傾斜させたりして、内ケースの壁面と陳列棚の後端との間に隙間が形成されても、閉塞部材により商品陳列棚の後端面と内ケースの壁面との間が密着閉塞されるので、冷気が漏出してコーナ部の冷却効果が低下する恐れはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された冷蔵オープンショーケースを示す全体斜視図である。
【図2】冷蔵オープンショーケースを示す断面図である。
【図3】冷蔵オープンショーケースのコーナ部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】(a)は本発明に係る商品陳列棚の平面図、(b)は(a)のb矢視図、(c)は(a)のC矢視図である。
【図6】商品陳列棚のダクト吸入口に装着されたシール部材を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵オープンショーケース
2 パンチングプレート
3 内ケース
4 側板
5 仕切板
6 商品陳列用空間部
7 商品陳列棚
8 外ケース
9a コーナ部挿通路(冷気循環経路)
9b 前面側挿通路(冷気循環経路)
9c 側面側挿通路(冷気循環経路)
10 ファン(送風機)
11 取込口
11a コーナ部取込口
12 吐出口
12a 吐出口
14 吸入口
15 ダクト
15a 吐出口
16 ブラケット
16a 係止片
18 シール部材(閉塞部材)
20 ダクト部材
20a 斜向面
20b 係止孔
R 冷却器

Claims (2)

  1. 少なくとも前面と一側面とが開放された外ケースと内ケースとの間に、冷却器と送風機とを収容してなる冷気循環経路を形成するとともに、前記前面と一側面側の内ケースに、上下複数段の商品陳列棚を設け、前記冷気循環経路の上部の吹出口から商品貯蔵部の下部外周縁の吸込口に向かって冷気を吹き出すことにより、前記各商品陳列棚の前方にエアカーテンを形成し、かつ内ケースに穿設した複数の吹出孔より冷気を吹き出すことにより、商品貯蔵部内の商品を保冷するようにした冷蔵オープンショーケースにおいて、
    前記一側面側に、両側端がコーナ部付近に位置する大きさの商品陳列棚を各段に設け、前記商品陳列棚は、その両側端の先端部と後端面とが開口するダクト構造として構成され、前記開口した前記後端面を、前記内ケース壁面に設けた吹出孔と連通するように取付けると共に、前記開口した両側端の先端部には、冷気をコーナ部取込口に向けて吐出する吐出口が形成されていることを特徴とする冷蔵オープンショーケース。
  2. 商品陳列棚が前後に移動可能又は上下に傾斜可能に取付けられるものにおいて、商品陳列棚の後端面と、内ケースの壁面とを密閉閉塞する閉塞部材を設けた請求項1に記載の冷蔵オープンショーケース。
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