JP4361164B2 - ケイ素含有感光性樹脂及びこれを含有する組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト材等として有用なケイ素含有感光性樹脂及びこれを含有する感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細加工を必要とする半導体デバイスを初めとする各種電子デバイス分野では、デバイスの高密度、高集積化の要求が高まっており、この要求を満たすにはパターンの微細化が必須となってきている。また、プラズマディスプレイパネル(PDP)では、表示放電空間を大きくして高輝度の発光を可能とするため、幅に対して厚みが大きい高アスペクト比の障壁が要求される。
【0003】
パターンの微細化のための方法として、フォトレジストのパターン形成の際に使用する光の波長を短くする方法がある。しかし、光の短波長化は、焦点深度(DOF)を減少させ、アスペクト比が低下するという問題を生じさせる。このような問題を解決するため、多層レジスト法が提案されている。この方法は、酸素プラズマにより容易にドライエッチングされるノボラック樹脂のような材料を基板上にスピンコートし、この上で耐酸素ドライエッチング性を有するレジストによりパターン形成を行ない、その後酸素プラズマによる異方性エッチングにより下層にパターンを転写する方法である。この方法では、アスペクト比の高いパターンを得ることができるので、耐酸素プラズマエッチング性を有するレジスト材の検討が盛んになされている。
【0004】
ケイ素含有樹脂を利用したレジスト材は、耐酸素プラズマエッチング性に優れることが知られており、例えば特開平7−56354号公報では、ラダー型のポリシロキサンエステルと露光により酸を発生する感光性化合物の両者よりなる組成物が提案されている。また、特開平6−27671号や特開平6−95385号公報では、ポリシロキサンにジアゾナフトキンスルホニルオキシ基やアジド基が結合した感光性のケイ素含有樹脂含有レジスト材組成物が提案されている。
【0005】
また、プラズマディスプレイパネル(PDP)の障壁(リブ)に関しては、アスペクト比を高めるために、感光性樹脂に無機粉体を配合したペーストを使用してリブを構成する方法が、特開平10−62981号公報に記載されている。そして、これに使用されている感光性樹脂はアクリレート等である。
【0006】
ところで、ポリオルガノシルセスキオキサンは、ポリシロキサンと略称されることがあるが、これには、篭型、ラダー型及びランダム型があることが知られており、これらの構造、製法については、WO98/41566号公報、特開昭50−139900号公報、特開平6−329687号公報、特開平6−248082号公報等に詳しく記載されている。このようなポリオルガノシルセスキオキサンの末端に官能基を導入する方法についても、上記WO98/41566号公報等に詳しく記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、レジスト材又はPDP障壁として優れた性能を示すケイ素含有感光性樹脂を提供することを目的とする。特に、耐プラズマ性(耐O2−RIE)性に優れると共に、これを用いてパターンを形成したとき、高いアスペクト比を得ることができるレジスト材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はポリオルガノシルセスキオキサンの分子鎖末端の全部又は一部に、下記一般式(1)で表わされるトリオルガノシリル基含有基が結合しているケイ素含有感光性樹脂であって、ポリオルガノシルセスキオキサンの主鎖が下記一般式(3)で表わされ、且つ、平均の繰り返し数が2〜5000であることを特徴とするケイ素含有感光性樹脂である。ここで、一般式(1)で表わされるトリオルガノシリル基含有基は、下記一般式(2)で表わされるトリオルガノシリル基含有基である。
Ar-OR-Si(CH3)2− (1)
(但し、式中Arはo-ニトロベンジル基を示し、Rは2価の有機基を示す。)
ArOOC-R1(COOR2) n -CO-R3-Si(CH 3 ) 2 − (2)
(但し、式中Arはo-ニトロベンジル基を示し、R1は多価カルボン酸の残基を示し、また、R2はH又はo-ニトロベンジル基を示し、R3は2価の有機基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
−(R4 2 Si 2 O 3 ) n − (3)
(但し、式中R4は、1価のアルキル基又はアリール基を示し、nは繰り返し数を示す。)
【0009】
一般式(1)及び(2)の構造式は、次のように表すことができる。ここで、R及びR1〜R3は、前記と同様である。
【化1】
【化2】
【0010】
また、一般式(3)で表されるポリオルガノセスキオキサンの主鎖の繰り返し単位の構造式は、下記一般式(3')で表わされるものがよい。ここで、R4は、前記と同様である。
【化3】
【0011】
本発明のシリコーン感光性樹脂は、ポリオルガノシルセスキオキサンの分子鎖末端の全部又は一部に、前記一般式(1)で示されるトリオルガノシリル基が結合している構造を有する。主鎖のポリオルガノシルセスキオキサンは、一般式(3)で表わすことができ、ここでnは繰り返し数を示し、2以上である。好ましいポリオルガノシルセスキオキサンは、前記一般式(3’)で表わされる繰り返し単位を有し、その平均の繰り返し数が2〜5000、より好ましくは5〜500であるものである。また、R4はアリール基、アルキル基等の炭化水素基やアルコキシ基等の1価の有機基あることができるが、アリール基又はアルキル基であることがよく、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又はアルキル置換フェニル基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0012】
一般式(1)で表わされるトリオルガノシリル基において、Rは2価の基であるが、光照射によりO−R間の結合が壊れたとき、Si側に結合するRの末端にカルボン酸基、スルホン酸基等の酸性基を生ずるものである必要がある。すなわち、このように酸性基が生じることにより、ポリオルガノシルセスキオキサンにアルカリ溶解性が与えられる。
【0013】
好ましいRは、上記一般式(2)で示されるように多価カルボン酸の残基を含むものである。一般式(2)において、R1は下記式(4)で表わされる分子団のいずれかを有する多価カルボン酸の残基を示し、R2はH又はo-ニトロベンジル基を示し、R3は2価の有機基を示す。そして、nは0〜3の整数を示す。
【0014】
φ、水素化φ、φ-X-φ、(CH2)m又はCH=CH (4)
(但し、φはベンゼン環を示し、水素化φは一部又は全部が水素化されたベンゼン環を示し、XはO、SO2、S、CONH又は直結合を示し、mは1〜6の整数を示す)
【0015】
残基R1を与える多価カルボン酸としては、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルヘキサカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸、ベンズアニリドジカルボン酸、ベンズアニリドトリカルボン酸、ベンズアニリドテトラカルボン酸、ベンズアニリドペンタカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、こはく酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0016】
R2としてo-ニトロベンジル基を有する場合は、前記多価カルボン酸又はその誘導体にo−ニトロベンジルアルコール又はその誘導体を反応させるなどの方法を採用することにより得ることができる。
【0017】
R3は、ポリオルガノシルセスキオキサンの主鎖とトリオルガノシリル基を結合させるものであればよいが、R1が多価カルボン酸の残基である場合、エステル結合、アミド結合等で結合することがよい。
【0018】
ところで、主鎖とトリオルガノシリル基を結合させる場合、主鎖末端は反応性の基を有することが好ましく、そのためには主鎖を予め別の末端末端変性剤で変性しておくことがよい。この、目的で使用される末端変性剤としては、例えば、少なくとも2つの反応性の官能基を有し、一端の官能基で主鎖であるポリオルガノシルセスキオキサンと結合し、反応性官能基を末端に与えるものがある。例えば、X−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−X(但し、式中Xは主鎖ポリオルガノシルセスキオキサンの末端OH基又は末端に生じるOM基(Mはアルカリ金属等)と反応可能なエポキシ基等の官能基である)で表わされる末端変性剤と、ポリオルガノシルセスキオキサンと反応させると、片側のXを介して両者は結合し、末端がXのポリオルガノシルセスキオキサンが得られる。これに前記多価カルボン酸又はその誘導体を反応させると、Xがエポキシ基の場合は、−CH2−CH(OH)−が生成し、エステル結合が生成する。そして、Xを種々変化させれば下記式(5)のような基が生成し、これを含む基がR3として生成する。もちろん、上記式においてXは同一である必要はなく、ポリオルガノシルセスキオキサンの末端(反応中に生じる末端基を含む)と反応性である基とカルボン酸又はその誘導体と反応性である基であればよい。なお、上記から明らかなように主鎖ポリオルガノシルセスキオキサンと一般式(2)で表わされるトリオルガノシリル基は、直接結合している必要はなく、任意の基を介して結合していることができる。
【0019】
−CH2CH(OR5)−、−CH2CH(OR5)−、
−CH2CH(OR5)−O−(CH2)2−又は
−(R5O)-φ-(CH2)m− (5)
(但し、式中R5は、H又は多価カルボン酸(エステル)の残基を示し、φはベンゼン環又は水素化されたベンゼン環を示し、mは0〜6の整数を示す。)
【0020】
本発明のシリコーン感光性樹脂は、公知の反応を利用して製造することが可能である。好ましい製造法の1例としては、シラノール基を有しない篭型及び/又はラダー型のオクタフェニルセスキオキサンのようなポリオルガノシルセスキオキサンと、前記X−Si(CH3)2−O−Si(CH3)2−Xで表わされるような末端変性剤とを、アルカリ金属触媒の存在下で反応させると、末端にXのような官能基を有するポリオルガノシルセスキオキサンが得られる。これと、o−ニトロベンジルアルコールと多価カルボン酸又はその酸無水物等の誘導体を反応させて得られた酸性エステルとを、第4級アンモニウム塩触媒の存在下で反応させると本発明のケイ素含有感光性樹脂が得られる。
【0021】
本発明のケイ素含有感光性樹脂は、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が800〜100000、好ましくは5000〜50000であることがよい。このケイ素含有感光性樹脂は常温固体であり、エステル類、アルコール類等多くの有機溶媒に可溶である。
【0022】
本発明のケイ素含有感光性樹脂は、ポジ型レジスト材等に好適に使用できる。このような用途に使用する場合、その感度を高めたり、耐熱性、耐プラズマ性等を高めるため、各種添加剤を配合することができる。
【0023】
有効な添加剤として露光により酸を発生する酸発生剤がある。この例としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンアンチモナート、トリフェニルスルホニウムベンゾスルホナート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のスルホニウム塩化合物、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等のヨードニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられるが、これらに限定されない。酸発生剤の配合量は、全固形分中の0.2〜25重量%の範囲が一般的である。
【0024】
粘度を調整するため有機溶剤を用いることがよく、好ましい溶剤としてはメチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、酢酸エトキシエチル、ピルビン酸メチル、メトキシプロピオン酸メチル、N−メチル−ピロリジノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
本発明のケイ素含有感光性樹脂組成物は、必須成分として前記ケイ素含有感光性樹脂と酸発生剤を含み、且つ溶剤を含むことが多いが、この他に必要に応じて界面活性剤、色素、安定剤、塗布改良剤、無機粉等を配合することもできる。
【0026】
本発明のケイ素含有感光性樹脂及びこれを含む樹脂組成物は、レジスト材、PDPの障壁材等として使用可能である。レジスト材として使用する形態には制限はないが、多層レジスト法に用いられるレジスト材として好適である。
【0027】
多層レジスト法は、基板上にノボラック樹脂等の酸素プラズマにより容易にドライエッチングされる材料をスピンコートし、この上に本発明の材料を塗布し、これをエキシマレーザ等で露光して、シリコーン感光性樹脂を分解し、アルカリ水溶液で現像して、パターンニングし、次いで酸素プラズマ処理により下層レジストをエッチングしてアスペクト比の高いパターンを得る方法である。
【0028】
また、PDPの障壁材の製造方法としては、サンドブラスト法、埋めこみ法、フォトペースト法等が知られているが、いずれも感光性を付与したレジスト材を使用するものであり、本発明の材料はこのレジスト材として使用することができる。特に、このレジストが除去されることなく残るフォトペースト法等の方法に適用される場合、本発明の材料が有する耐プラズマ性が優れるという効果を十分に生かすことができる。
【0029】
【実施例】
実施例1
グリシジル基含有フェニルシルセスキオキサンの合成は、 PCT/JP98/01098号公報及び特開平10-251407公報記載の参考例1と実施例3を参考にして合成した。
【0030】
(1)篭型オクタフェニルシルセスキオキサンの合成
105gのフェニルトリクロロシラン(0.5モル)をトルエン500ccに溶解し、水で加水分解が完了するまで振とうする。加水分解生成物を水洗後、市販の30%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドのメタノール溶液を16.6cc(0.03モル)を加え、この混合物を4時間還流温度に加熱した。次いで、全体を冷却し、約96時間放置した。この時間経過後、得られたスラリーを再び24時間還流温度にて加熱し次いで冷却し濾過した。かくして篭型オクタフェニルシルセスキオキサン(C6H5SiO3/2)8約75gを得た。
【0031】
得られた篭型オクタフェニルシルセスキオキサンについて、赤外吸収スペクトル分析を測定したところ、Si-C6H5に帰属される吸収が1595cm-1及び1430cm-1に、Si-O-Si逆対称伸縮振動に帰属される吸収が1135cm-1に観測され、Si-OHに帰属される吸収は3400cm-1に観測されなかった。29Si-MArSNMRを測定したところ、-77ppmに篭型オクタフェニルシルセスキオキサン中のSi核のシャープなシグナルが1本のみ観測された。また、O-ジクロロベンゼンを展開液としたGPCによるポリスチレン換算数平均分子量Mnは760であった。
【0032】
(2)グリシジル基含有フェニルシルセスキオキサンオリゴマーの合成
反応容器中に前記篭型オクタフェニルシルセスキオキサン100gと1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン70.3gとトルエン400gとテトラメチルアンモニウムヒドロキシド5水和物4gを仕込み、この混合物を還流温度にて強撹拌し、7時間加熱した。仕込み時の反応液は篭型オクタフェニルシルセスキオキサンの白色粉末がトルエンに溶解しないため白色の懸濁液を呈しているが、反応が進むにつれて徐々に溶解していき、7時間後には殆どすべて溶解し無色透明溶液となった。この溶液を室温まで冷却し、沈降している不溶な未反応のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを濾過により除去した後、この溶液を過剰のメタノール2000g中に注ぎ込み、末端にグリシドキシ基を有したフェニルシルセスキオキサンを再沈せしめた。この粘ちょうな沈殿生成物を、更に、メタノールにて洗浄し、メタノールと残存トルエンを留去して薄黄色透明な粘ちょう物であるグリシジル基含有フェニルシルセスキオキサンオリゴマー120gを得た。このエポキシ当量を塩酸-ピリジン法により測定したところ945g / eqであった。また、GPC測定によるポリスチレン換算数平均分子量Mnは20000であった。
【0033】
(3)O-ニトロベンジルエステル基を有したカルボン酸の合成
1リットル三つ口フラスコに無水マレイン酸80gとO-ニトロベンジルアルコール150gプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400gを仕込み、触媒としてナトリウムメトキシド0.44gを添加後、150℃で2時間還流する。室温まで放冷した後、濃塩酸を0.85g添加させる。得られる茶かっ色の反応溶液をナス型フラスコにいれ、エバポレーターにて溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを留去する。その後、クロロホルム600gに溶解させ、多量の蒸留水にて水洗し、未反応のマレイン酸、O-ニトロベンジルアルコール及び中和させた触媒を除いた。クロロホルムを留去して茶褐色の粘ちょうな液体であるO-ニトロベンジルエステル基を有したカルボン酸を収率90%で得た。
【0034】
(3)O-ニトロベンジルエステル基を有したフェニルシルセスキオキサンの合成前記合成例で合成したグリシジル基含有フェニルシルセスキオキサンとO-ニトロベンジルエステル基を有したカルボン酸140g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート356g、触媒としてテトラエチルアンモニウムブロミド1.17gを三つ口フラスコに仕込み、90℃にて2時間加熱撹拌し、茶褐色の粘ちょうな液体で、O-ニトロベンジルエステル基を有したフェニルシルセスキオキサン(本樹脂)を収率80%で合成した。
【0035】
実施例2
(1)本樹脂を用いたパターニング実験
O-ニトロベンジルエステル基を有したフェニルシルセスキオキサンのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を用いてガラス基板にスピンコートした後、70℃で15分間乾燥することで厚さ0.3μmの膜を形成させた。これにマスクを介して紫外線(248nm)を照射し、3%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて現像することで明瞭なパターニング(ラインアンドスペース0.3μm)を得ることができ、本樹脂がポジ型の現像性を有することを確認した。
【0036】
(2)本樹脂を用いた2層レジストパターニング実験
シリコンウエハー上に厚さ1μmのクレゾールノボラック系の下層レジスト膜と実施例1で合成した厚さ0.1μmのO-ニトロベンジルエステル基を有したフェニルシルセスキオキサンの上層ポジ型レジスト膜をスピンコートにより形成させ、遠紫外 (193nm)エキシマレーザーにて露光した後、2%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて現像することで上層部に明瞭なパターニング(ラインアンドスペース0.1μm)の形成が可能であった。その後O2-RIE処理により下層レジストをエッチングし、次いでCF4-RIE処理により上層レジストを除去することでシリコンウエハー上に幅0.1μmでアスペクト比10のクレゾールノボラック系の明瞭なパターニングが形成できた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のシリコーン感光性樹脂及びこれを含む組成物は耐プラズマ性に優れたレジストを与えるため電子デバイスの精密パターニングを可能とする。また、PDPの障壁材としても優れる。
Claims (5)
- ポリオルガノシルセスキオキサンの分子鎖末端の全部又は一部に、下記一般式(2)で表わされるトリオルガノシリル基含有基が結合しているケイ素含有感光性樹脂であって、ポリオルガノシルセスキオキサンの主鎖が下記一般式(3)で表わされ、且つ、平均の繰り返し数が2〜5000であることを特徴とするケイ素含有感光性樹脂。
ArOOC-R1(COOR2) n -CO-R3-Si(CH 3 ) 2 − (2)
(但し、式中Arはo-ニトロベンジル基を示し、R1は多価カルボン酸の残基を示し、また、R2はH又はo-ニトロベンジル基を示し、R3は2価の有機基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
−(R4 2 Si 2 O 3 ) n − (3)
(但し、式中R4は、1価のアルキル基又はアリール基を示し、nは繰り返し数を示す。) - ポリオルガノシルセスキオキサンが、ラダー型、篭形及び片末端が篭形に閉じたラダー型構造から選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが800〜100,000である請求項1記載のケイ素含有感光性樹脂。
- 主鎖が下記一般式(3)で表わされ、平均の繰り返し数が2〜5000であるシラノール基を有しないポリオルガノシルセスキオキサンと、下記式(A)で表わされる末端変性剤とを、アルカリ金属触媒の存在下で反応させ、末端に官能基Xを有するポリオルガノシルセスキオキサンを得て、次にこれと、o−ニトロベンジルアルコールと多価カルボン酸又はその酸無水物を反応させて得られた酸性エステルとを、第4級アンモニウム塩触媒の存在下で反応させることを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサンの分子鎖末端の全部又は一部に下記一般式(2)で表わされるトリオルガノシリル基含有基が結合しているケイ素含有感光性樹脂の製造方法。
ArOOC-R1(COOR2) n -CO-R3-Si(CH 3 ) 2 − (2)
(但し、式中Arはo-ニトロベンジル基を示し、R1は多価カルボン酸の残基を示し、また、R2はH又はo-ニトロベンジル基を示し、R3は2価の有機基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
−(R4 2 Si 2 O 3 ) n − (3)
(但し、式中R4は、1価のアルキル基又はアリール基を示し、nは繰り返し数を示す。)
X−Si(CH 3 ) 2 −O−Si(CH 3 ) 2 −X (A)
(但し、式中Xは主鎖ポリオルガノシルセスキオキサンの末端OH基又は末端に生じるOM基(Mはアルカリ金属)と反応可能な官能基である。) - 式(A)において、Xがエポキシ基含有基である請求項3に記載のケイ素含有感光性樹脂の製造方法。
- 請求項1又は2に記載のケイ素含有感光性樹脂に、光増感剤を配合したことを特徴とする感光性樹脂組成物。
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