JP4360925B2 - 外用組成物 - Google Patents

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JP4360925B2 JP2004019081A JP2004019081A JP4360925B2 JP 4360925 B2 JP4360925 B2 JP 4360925B2 JP 2004019081 A JP2004019081 A JP 2004019081A JP 2004019081 A JP2004019081 A JP 2004019081A JP 4360925 B2 JP4360925 B2 JP 4360925B2
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Description

この出願の発明は、抗酸化剤組成物と化粧品組成物、並びに皮膚処方薬組成物等の外用
組成物に関するものである。
近年、フラーレンをはじめとするカーボンナノ構造体が炭素材料の新しい展望を拓くも
のとして注目されており、電子材料や電極材料はもとより、その医療、医学への応用や健
康増進等を目的とした応用への関心が高まっている。
たとえばこれまでにも、分散性および着色性の向上を目的としてフラーレンまたはフラ
ーレン混合物をメーキャップ用化粧品に配合すること(特許文献1)や、フラーレンの紫
外線吸収効果を利用してサンケア用化粧品組成物とすること(特許文献2)、フラーレン
を光増感剤としてウイルスを光学的に不活性する方法(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、このようなフラーレン等の利用についての検討は端初についたばかりで
あって、その作用機序や化学的構成と作用効果との相関性については実際的にはほとんど
解明されていないのが実情である。実際、たとえば上記の諸提案においても、これらの点
は検討されていないため、フラーレン等の応用については依然として多くの課題が残され
ている。
特開平6−192039号公報 特開平9−278625号公報 特開平9−322767号公報
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来技術の限界を克服して、フラーレンと
その類縁体について、生体適合性の諸応用の分野への適用を可能とし、新しい機能を実現
するための技術的手段を提供することを課題としている。また、特に、この出願の発明に
おいては、化粧品や外用性の皮膚処方薬等としての応用のための手段を提供することも課
題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、ポリビニルピロリドン包接フラーレンを有効成分として含有することを特徴とする外用組成物を提供する。
第2には、ポリビニルピロリドン包接フラーレンのフラーレンは、C 60 フラーレン、C 70 フラーレンもしくはその両者を含むフラーレン混合物であることを特徴とする上記の外用組成物を提供する。
第3には、ポリビニルピロリドン包接フラーレンの濃度が、フラーレン濃度に換算して3−7.5ppmであることを特徴とする上記の外用組成物を提供する。
第4には、以下に記載された成分のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする上記の外用組成物を提供する。
<1>非イオン界面活性剤
<2>アスコルビン酸又はその誘導体あるいはその塩類
<3>紫外線防御剤
第5には、肌の美白、色素沈着の改善、ニキビの治療、シワの改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治療、赤ら顔の治療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ、または皮膚のキメの改善の有効成分としてポリビニルピロリドン包接フラーレンを含有することを特徴とする上記の外用組成物を提供する。
以上のとおりの、この出願の発明によって、従来技術の限界を克服して、フラーレンと
その類縁体について、生体適合性の諸応用の分野への適用を可能とし、新しい機能を実現
するための技術的手段を提供し、また、特に、化粧品や外用性の皮膚処方薬等としての応
用のための手段を提供することができる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態につ
いて説明する。
この出願の発明の抗酸化組成物、そして化粧品組成物並びに皮膚組成物等の外用組成物
においては、有効成分あるいは有用成分は、前記のとおりのフラーレン類であって、フラ
ーレン、フラーレン含酸素誘導体、並びに有機化合物により修飾もしくは包接された前記
のフラーレンまたはフラーレン含酸素誘導体、そしてそれらの塩類のうちの少なくとも1
種からなるものである。
このフラーレン類のうちのフラーレンについては、C60、C70あるいはこれらの混
合物をはじめとして各種のものであってよい。たとえばこの出願の発明のフラーレンには
、メチレン鎖等のアルキレン鎖を介して複数のフラーレンが結合したものや、アルキレン
鎖が、フラーレン骨格の異なる位置の炭素原子に結合するもの等であってもよい。フラー
レン60の誘導体としては、フラーレン分子一個に対して修飾基が1個から40個結合し
ていればよく、たとえばフラーレン70の誘導体としては、フラーレン分子一個に対して
修飾基が1個から50個結合していればよく、この修飾基は、各々独立に水酸基またはそ
の水酸基と無機もしくは有機酸とのエステル基または糖との配糖体基、もしくは水酸基と
ケトンとのケタール基もしくはアルデヒドとのアセタール基であればよく、このフラーレ
ン修飾化合物またはその塩及びそこから選択される少なくとも一種であればよい。さらに
この出願の発明のフラーレンは、C60フラーレン、C70フラーレン又はナノチューブ
フラーレンでもよく、それらから選択させる一種以上の混合物でも良い。また、フラーレ
ンの末生成物であるカーボンブラック(フラーレン類を含むすす)が残存したフラーレン
でもよく、フラーレン中のカーボンブラックの濃度が0〜98%重量のものであればよい
また、フラーレン含酸素誘導体については、フラーレン骨格の炭素原子に直接的に、あ
るいはアルキレン鎖等の炭素鎖を介して酸素原子が結合するものが考慮される。たとえば
水酸化率が50/モル・フラーレン以下程度の−OH基が直接結合した水酸化フラーレン
等が例示される。
たとえば以上のようなフラーレンまたはフラーレン導体を修飾もしくは包接する有機化
合物としては、有機オリゴマー、有機ポリマーおよび包接化合物または包接錯体が形成可
能なシクロデキストリン(CD)やクラウンエーテルもしくはそれらの類縁化合物の1種
または2種以上のものが好適なものとして例示される。
有機オリゴマーや有機ポリマーとしては、たとえば、カルボン酸エステル類、アルコー
ル類、糖類、多糖類、多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール
、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、等のポリアルキレングリコール又
は多価アルコール類の重合体、デキストラン、プルラン、デンプン、ヒドロキシエチルデ
ンプン及びヒドロキシプロピルデンプンのようなデンプン誘導体を含む非イオン性水溶性
高分子、アルギン酸、ヒアルロン酸、キトサン、キチン誘導体、並びにこれらの高分子の
アニオン性又はカチオン性誘導体及びこれらの高分子グリセリン及び脂肪酸類、油類、炭
酸プロピレン、ラウリルアルコール、エトキシル化ひまし油、ポリソルベート類、及びこ
れらのエステル類又はエーテル類、及びこれらの重合体、及びこれらのポリエステル重合
体類、ポリビニルピロリドン等のピロリドン重合体類、不飽和アルコール重合体類のエス
テル類またはエーテル類およびポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合
体等のものがフラーレン又はその誘導体に結合したものが好ましく、それらの一種以上の
混合物であってもよい。なかでも、ポリエチレングリコール(PEG)等のポリアルキレ
ングリコール、PVP、等の各種のものが好ましいものとして例示される。PEG、PV
P等のポリマーの場合には、その平均分子量については、一般的には、2000〜100
,000程度が好ましい、フラーレンまたはフラーレン含酸素誘導体との比率としては、
モル比として10/1以下程度とする事が考慮される。
たとえば以上のとおりの有効成分、有用成分としてのフラーレン類とともに、この出願
の発明においては、炭素数10以上の長鎖カルボン酸、またはそのエステルもしくは塩を
含有することが有効でもある。さらには、後述のとおりの油剤、界面活性剤、顔料、保湿
剤、賦形剤や基剤、細胞賦活剤等を配合してもよい。
フラーレン含有の外用組成物に水分を含む場合のそのpHは、フラーレン、フラーレン
誘導体、フラーレン包接化合物、又はその塩類の原体のpHにより異なるが、通常pHが
3から10の範囲にあればフラーレン及びその誘導体を安定に配合することができるので
好ましい。
フラーレン、フラーレン誘導体、フラーレン包接化合物、又はその塩類の原体の20℃
、0.5%重量水溶液のpHを測定し小数点以下の数字を四捨五入した数字をn(nは0
から14までの整数)とするとき、nが3から10の場合は、安定な外用組成物のpHは
、n±2の範囲でかつpH3から10の範囲でpHを調整するとよい。また、フラーレン
、フラーレン誘導体、フラーレン修飾または包接化合物、又はその塩類の原体の20℃、
0.5%重量水溶液のpHの四捨五入した数字をnとするとき、nが3以下の場合は、安
定なフラーレン外用剤のpHは3から4の範囲とし、nのpHが10以上の場合はpH9
から10とするのがよい。いずれにしても安定なフラーレン含有外用組成物のpHは3か
ら10の範囲とするのが好ましい。
この出願の発明について、さらに以下のとおり、後述の実施例に対応してのその活性や
、考慮される組成構成等について詳しく説明する。
<A>フラーレン類による活性
1.遷移金属イオンによって発生するヒドロキシルラジカルを消去する活性
過酸化水素と硫酸第一鉄を混合すると、いわゆるFenton反応が引き起こされて活性酸素
の1種であるヒドロキシルラジカルが発生するが、これは人体でも随所で同様に引き起こ
されてDNA・蛋白質・脂質に酸化的傷害を与えて細胞死を引き起こすと考えられる。こ
の反応で発生したヒドロキシルラジカルをこの出願の発明のフラーレン類は効率的に消去
することができる。実際、この発明のフラーレン類のヒドロキシルラジカル消去活性はプ
ロビタミンCであるアスコルビン酸−2−0−リン酸エステルと同等またはそれ以上であ
る。
この出願の発明のフラーレン類によるヒドロキシルラジカル消去活性は遷移金属イオン
によって発生するヒドロキシルラジカルに対する消去活性に限らず、広く生体内や皮膚内
の各種条件で発生するヒドロキシルラジカルを消去する。
ヒドロキシルラジカル消去活性はヒドロキシルラジカルによって引き起こされるDNA
切断・DNA損傷・細胞膜破綻・細胞死を防御する作用をもたらす。
2.酸素反応によって発生するスーパーオキシドアニオンラジカルを消去する活性
皮膚血流の停滞や皮膚傷害の過程でスーパーオキシドアニオンラジカルは発生してDN
A・蛋白質・脂質に酸化的傷害を与えて細胞死を引き起こすと考えられる。スーパーオキ
シドアニオンラジカルについてはヒポキサンチンとキサンチンオキシダーゼを混合して発
生させるが、この出願の発明のフラーレン類はこれを効率的に消去することができる。
この出願のフラーレン類のスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性はプロビタミン
Cであるアスコルビン酸−2−0−リン酸エステルを凌駕する。
この出願のフラーレン類によるスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性は酸素反応
によって発生するスーパーオキシドアニオンに対する消去活性に限らず、広く生体内や皮膚内の各種条件で発生するスーパーオキシドアニオンラジカルを消去する。
スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性はスーパーオキシドアニオンラジカルによ
って引き起こされるDNA切断・DNA損傷・細胞膜破綻・細胞死を防御する作用をもた
らす。
3.紫外線によって皮膚細胞に発生するパーオキシド/過酸化水素を抑制する活性
皮膚は、太陽光線を照射されると、光線の中の紫外線(B波)によって細胞内部にパー
オキシド/酸化水素が発生したりDNA切断やDNA損傷や細胞膜破綻を受けて細胞死を
引き起こす。
照射前に予めこの出願の発明のフラーレン類を処方しておくと、パーオキシド/過酸化
水素の発生量が顕著に抑制される。この出願の発明のフラーレン類のパーオキシド/過酸
化水素消去活性はプロビタミンCであるアスコルビン酸−2−0−リン酸エステルと同等
またはそれ以上である。
パーオキシド/過酸化水素は細胞膜を透過すると共に残存寿命が長いので、細胞傷害を
引き起こす主因となるが、この出願の発明のフラーレン類は、紫外線によるパーオキシド
/過酸化水素だけに限らず、広く生体内や皮膚内の各種条件で発生するパーオキシド/過
酸化水素を消去する。
この出願のフラーレン類のパーオキシド/過酸化水素消去活性はパーオキシド/過酸化
水素によって引き起こされるDNA切断・DNA損傷・細胞膜破綻・細胞死を防御する作
用をもたらす。
4.過酸化脂質によって皮膚細胞に発生するパーオキシド/過酸化水素を抑制する活性
皮膚に存在する脂質は常時、酸化を受けやすく、この結果、皮膚細胞死を引き起こす原
因になっているが、特に、角質層の脂質であるセラミドやスクワレンは酸化を受けてヒド
ロペルオキシドに変換されて細胞死を引き起こす。
予めこの出願の発明のフラーレン類を処方しておくと、パーオキシド/過酸化水素の発
生量が顕著に抑制される。この出願の発明のフラーレン類のパーオキシド/過酸化水素消
去活性はプロビタミンCであるアスコルビン酸−2−0−リン酸エステルと同等またはそ
れ以上である。
この出願の発明のフラーレン類は、過酸化脂質によるパーオキシド/過酸化水素だけに
限らず、広く生体内や皮膚内の各種条件で発生するパーオキシド/過酸化水素を消去する
この出願の発明のフラーレン類のパーオキシド/過酸化水素消去活性はパーオキシド/
過酸化水素によって引き起こされるDNA切断・DNA損傷・細胞膜破綻・細胞死を防御
する作用をもたらす。
5.各種美肌効果および皮膚防護効果
フラーレン誘導体は各種の活性酸素を消去する活性があるので、活性酸素によって引き
起こされたり助長されたり修復妨害される紫外線傷害・過酸化脂質傷害・虚血再
傷害・メラニン生成・シワ/くすみ/たるみ形成・セルライト形成を防御する各種の美肌
効果を示す。
外用組成物としての適用によって、肌の美白、色素沈着の改善、ニキビの治療、シワの
改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治療、赤ら顔の治
療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ、皮膚のキメの
改善の治療効果が劇的に増強される。
そして、この出願の発明では、外用組成物そのものとしては抗酸化活性を示さず安定に
保ち、皮膚に塗布吸収された後はじめてその抗酸化力を効率よく発揮し、様々な皮膚障害
に対し明確な改善、治療効果を発現する。
このため、この出願の発明の外用組成物は、肌の美白、ニキビの改善、シワの改善、肌
荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の改善、赤ら顔の改善、抜け
毛の治療、育毛促進、やけどの改善、肌の殺菌、肌の殺ダニ、肌のキメの改善等の明確な
治療効果を発揮することができる。
つまり、美肌効果だけに止まらず、あらゆる皮膚炎症・皮下炎症を防御したり創傷治癒
を促進する皮膚防護効果にも有効である。中でも細菌感染症、細菌類カビ類及びウイルス
感染症、寄生虫感染症、熱傷、日焼け、擦過傷、打撲傷、噛傷等の創傷による炎症に効果
的である。
<B>外用剤としてのフラーレン類の投与方法
1.投与量
この出願の発明のフラーレン類の濃度は0.00001%から30%重量濃度であれば
よいが使用感的側面から好ましくは5%以下が良い。皮膚に投与する場合外用組成物の量
は皮膚面積1平方メートル当たり液体0.001〜20mL好ましくは0.01〜5.0
mLを外用塗布、湿布または粉霧するのがのぞましい。
2.投与形態
皮膚外用組成物の形態の例としては、特に限定されず、たとえば、水溶剤、軟膏、乳液
、クリーム、ジェル剤、パック、浴剤、洗浄剤、パップ剤、分散液等のあらゆる外用剤の
形態を取ることができ、その剤型についても特に制限はなく、固型状、ペースト状、ムー
ス状、ジェル状、粉末状、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、多層状とすることが
できる。特に水溶液、乳剤、軟膏剤、ジェル剤、水溶製剤、美容液、パック剤については
、これらの剤を外用した後に加湿導入器、振動導入器、イオン導入器、音波導入器、電磁
波導入器を用いることによりフラーレン類の皮膚への浸透を促進することができより大き
な効果を発揮できる。
塗布方法は、液剤の場合、スプレー、貼布、湿布、ディッピング、マスク等物理的に可
能な全ての方法を用いることができる。
<C>フラーレン類を含有する外用剤
この出願の発明の抗酸化組成物、そして外用組成物は、基本的に従来より知られている
化粧品や外用薬剤を構成する各種成分との組合わせとして実現される。
以下にまず、これら成分一般について概説する。
1.油剤
この出願の発明のフラーレン類はオイル類、好ましくは天然オイル、より好ましくはオ
レンジオイル、ビーバーオイル、オリーブオイル、パインオイルから選択される一種又は
二種以上のオイル類を含有するオイルに分散させて生体、特に皮膚に投与することが好ま
しい。
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油で
あるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、
脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等、いずれの
油剤も使用することができる。たとえば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィ
ン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロク
リスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリ
ラロウ、鯨ロウ等のロウ類;牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚
脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油;ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン
、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、P
OEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪
酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のラノリン誘
導体;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレ
ン酸、オレイン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、
12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類が挙げられる。
油剤としては、また、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコ
ール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイル
アルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール
、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトス
テロール、シトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステ
アリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール;アジピン酸ジイソ
ブチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−ジ−2−ヘプチルウンデシル、
モノイソステアリン酸−N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイ
ソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール
、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、
テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデ
シルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシ
ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチル
ヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン
酸ブチル、セパシン酸ジイソプロピル、セパシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル
、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パ
ルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキ
システアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリ
スチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン
酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リン
ゴ酸ジイソステアリル等のエステル油が挙げられる。等に、油剤として、アセトグリセラ
イド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソ
パルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン
酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセ
ライド等のグリセライド油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、
メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラ
ハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変
性シリコーン;高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーン
油等のシリコーン系油剤;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフル
オロオクタン等のフッ素系油剤が挙げられる。
2.界面活性剤
この出願の発明のフラーレン類の製剤/化粧品にはカプリル酸モノグリセリドおよび/
またはカプリン酸モノグリセリドを含有することもでき、さらに、ラウリン酸モノグリセ
リドを配合することもできる。カプリル酸モノグリセリド、カプリン酸モノグリセリドお
よびラウリン酸モノグリセリド(以下、単にグリセリドともいう)は、いずれも食品添加
物;グリセリン脂肪酸エステルに指定され、その安全性が確認されており、食しても何ら
問題のない食品用乳化剤である。
この出願の発明のフラーレン類は水に分散させるために乳化剤を添加することもできる
。たとえば、乳化剤としては、HLBが10以上のポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レイン酸エステル等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル若しくはポリグリセ
リン脂肪酸エステルのようなノニオン系界面活性剤、または、ラウリル硫酸ナトリウム等
のアニオン系界面活性剤を用いることもできる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤が用いら
れる。アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタ
ノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と
脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸
エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホ
ルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エ
ステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル
塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アル
キルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、
N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール
脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル酸四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩
、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフ
ィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチ
レンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオ
キシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エー
テル、糖アミド等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
金属セッケンとしては、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、
ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシ
ウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられ
る。
3.顔料
この出願の発明のフラーレン類の多くは有色なので化粧品として適宜顔料を配合して違
和感のない色調に調整することは望ましい。有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタ
ン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系
顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルト
バイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コ
バルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化した
顔料、天然色素をレーキ化した顔料、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げら
れる。パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビ
スマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタ
ン被覆着色雲母等が挙げられる。金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパ
ーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色2
02号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤
色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色2
02号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201
号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201
号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられる。天然色
素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げら
れる。上記した無機粉体、有機粉体、顔料、タール色素等の粉体は、複合化したり、油剤
やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なってもよい。
4.保湿剤
プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール等の
多価アルコールは、皮膚の保湿および刺激を緩和するために添加される。保湿剤としては
、アルカリ単純温泉水、深層水、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、
ヘパラン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸などのムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲ
ン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質またはそれらの誘導体並びにそれらの塩、大
豆及び卵由来のリン脂質、糖脂質、セラミド、ムチン、ハチミツ、エリスリトール、マル
トース、マルチトール、キシリトール、キシロース、ペンタエリスリトール、フルクトー
ス、デキストリン及びその誘導体、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、トレハ
ロース、ブドウ糖等の糖類、尿素、アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニ
ン、イソロイシン、オルチニン、グルタミン、グリシン、グルタミン酸及びその誘導体並
びにそれらの塩、システイン、シスチン、シトルリン、スレオニン、セリン、チロシン、
トリプトファン、テアニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリ
ン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、リジ
ンなどのアミノ酸及びそれらの誘導体又はそれらの塩などが挙げられる。
更に保湿剤として、D−パンテノール、アボカド抽出物、アーモンド油、イナゴマメ抽
出物、イネ抽出物、イチゴ抽出物、ウイキョウ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン
抽出物、オリーブ油、オドリコソウ抽出物、カカオ脂、カラスムギ抽出物、キズタ抽出物
、クマザサ抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、
ゲンチアナ抽出物、ゴボウ抽出物、コボタンヅル抽出物、ゴマ抽出物、サボテン抽出物、
サボンソウ抽出物、ショウガ抽出物、ジオウ抽出物、シア脂、シモツケ抽出物、センキュ
ウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ツバキ抽出物、トウモロコシ抽
出物、トウチュウカソウ抽出物、トルメンチラ抽出物、ドクダミ抽出物、パクモンドウ抽
出物、ハウチマメ抽出物、ハマメリス抽出物、ハッカ抽出物、ミドリハッカ抽出物、セイ
ヨウハッカ抽出物、パセリ抽出物、バラ抽出物、ヒマワリ抽出物、ヒノキ抽出物、ヘチマ
抽出物、プルーン抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ボラージ油、ボタン抽出物、ホ
ホバ油、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マロニエ抽出物、マカデミアナ
ッツ油、マルメロ抽出物、ムラサキ抽出物、メドウホーム油、メリッサ抽出物、ヤグルマ
ソウ抽出物、ユリ抽出物、ユズ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンドウ抽出
物、ワレモコウ抽出物及びリンゴ抽出物等が挙げられる。上記に挙げた保湿剤は、一種又
は二種以上を適宜選択して配合することができる。
5.賦形剤・基剤
ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミ
ン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸
エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂
肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂
肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビ
トールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイト
クレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土
鉱物等が挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン
、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリ
エチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グ
アーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、アルゲコロイド、トラントガム
、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子;キサンタンガム、デキス
トラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子;カゼイン、アルブミン、ゼラ
チン等の動物系高分子;デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピ
ルデンプン等のデンプン系高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボ
キシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子
;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高
分子;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシ
ビニルポリマー等のビニル系高分子;ポリオキシエチレン系高分子;ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレン共重合体系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリ
レート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子;ポリエチレンイミン、カチオンポリ
マー、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また
、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状
等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、
無機粉体、有機粉体、顔料などいずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体
としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白
雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、含硫ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金
属塩、ヒドロキシアパタイト、パーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼ
オライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウ
ム、窒化ホウ素、窒化ボロン等が挙げられる。
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダ
ー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミン
パウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポ
リメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、
6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビ
ニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等が
挙げられる。
6.細胞賦活剤
この出願の発明のフラーレン類を生体や皮膚に投与して薬効を促進するためには投与対
象である細胞を賦活するための薬剤を同時投与することは好ましい。細胞賦活剤としては
、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニ
ル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックG
MP、フラビンアデニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサン
チン及びそれらの誘導体であるカフェイン、テオフェリン並びにそれらの塩等の核酸関連
物質、幼牛血液抽出液、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、トリ等の卵成分、鶏冠抽出物、
貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれら
の誘導体、ヘモグロビン又はその分解物、ラクトフェリン又はその分解物、イカスミ等の
軟体動物抽出物、魚肉抽出物等、哺乳類、鳥類、貝類、昆虫類、魚類、軟体動物類、甲殻
類等の動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物等の発酵代謝
産物から選ばれる微生物由来の抽出物が挙げられる。
更に細胞賦活剤としては、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸
レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール、トレチノイン、カロ
チン等のカロチノイド等のビタミンA類、チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩
)、リボフラビン類(リボフラビン、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリ
ドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノ
コバラミン、葉酸類、ニコチン酸類(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリ
ン類等のビタミンB類、アンズ抽出物、イチョウ抽出物、オタネニンジン抽出物、オオム
ギ抽出物、オレンジ抽出物、キュウリ抽出物、キウイ抽出物、シイタケ抽出物、スギナ抽
出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、トウガラシ抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン
抽出物、ブクリョウ抽出物、モモ抽出物、レタス抽出物、レモン抽出物、霊芝抽出物、ロ
ーズマリー抽出物、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、エンドウ豆抽出物、エ
イジツ抽出物、オウゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン
抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、リノール酸を含有する植物油、サイシン抽
出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプ
クカ抽出物、ソウハクヒ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、トウキ抽出物、糖蜜抽出物、ビ
ャクレン抽出物、ブナノキ抽出物、ブドウ種子抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ
抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物及び羅
漢果抽出物、さらには、アカネ、アカブドウ、アカメガシワ、アケビ、アサ、アサガオ、
アズキ、アセンヤク、アマチャ、アマチャヅル、イタドリ、イチジク、イチョウ、イラン
イラン、ウツボグサ、ウメ、ウワウルシ、ウンシュウミカン、エゾウコギ、エビスグサ、
エンジュ、エンドウ、オオバコ、オクラ、オグルマ、オニグルミ、オミナエシ、オランダ
イチゴ、カキ、カキドウシ、カシュウ、カシュー、カノコソウ、カラスウリ、カリン、ガ
ラナ、キキョウ、キク、キササゲ、ギシギシ、ギムネマ・シルベスタ、キンミズヒキ、グ
アバ、クコ、クズ、クスノキ、クリ、ケイケットウ、ゲッケイジュ、ケイヒ、ゴショイチ
ゴ、コショウ、コーヒー、ゴマノハグサ、コロンボ、サザンカ、サンショウ、サフラン、
サクラ、ザクロ、サンズコン、サンペンズ、シオン、ショウブ、スイカ、ステビア、スモ
モ、セイヨウキズタ、セイヨウナシ、セイヨウノコギリソウ、セイヨウネズ、セイヨウワ
サビ、セキショウ、セリ、セネガ、センナ、ダイオウ、ダイダイ、タマリンド、タラノキ
、タンポポ、チコリ、チョウジ、チョウセンゴミシ、チョレイ、ツキミソウ、ツボクサ、
ツユクサ、ツルナ、テウチグルミ、トウガン、トチュウ、トロロアオイ、ナズナ、ナツミ
カン、ナンテン、ニガキ、ノゴギリソウ、パイナップル、ハイビスカス、パパイヤ、バジ
ル、ハス、ハダカムギ、ヒオウギ、ピーナツ、ヒキオコシ、ヒシ、ピスタチオ、ヒバ、ヒ
メマツタケ、ビャクシ、ビワ、フキタンポポ、フシノキ、フジバカマ、ブルーベリー、ボ
ウフウ、ホオズキ、ホオノキ、ボケ、マイカイ、マオウ、マンゴー、マンネンタケ、ミシ
マサイコ、ミソハギ、ミツバ、ミモザ、メリロート、メロン、モクレン、モモルディカ・
グロスベノリィ、モロヘイヤ、モヤシ、ヤクチ、ヤクモソウ、グルマソウ、ヤシ、ヤシ
ャジツ、ヤドリギ、ヤナギタデ、ヤマゴボウ、ヤマモモ、ユズリハ、ヨモギ、ライムギ、
ラン、リュウガン、リンゴ、レイシ、レンギョウ等の抽出物、ヒノキチオール、セファラ
ンチン等の植物由来の抽出物、α−及びγ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸及びそれ
らの誘導体、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、グリコール酸、コハク
酸、乳酸、サリチル酸等の有機酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等が挙げられる。
上記に挙げた細胞賦活剤は一種又は二種以上を適宜選択して配合することができる。
ビタミンとしては、フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタ
ミンK類、エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類、ビオチン、カルチニン、フ
ェルラ酸等が挙げられる。血行促進剤としては、ノニル酸ワレニルアミド、カプサイシン
、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、α−ボルネオール、イノシトールヘキ
サニコチネート、シクランテレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ペラ
パミル、γ−オリザノール等が挙げられる。皮膚収斂剤としてはタンニン酸等、抗脂漏剤
としてはチアントロール等、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリ
ジン、アルギニン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒ
ドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体
並びにそれらの塩、あるいはピロリドンカルボン酸等のアミノ酸誘導体またはその誘導体
等が挙げられる。核酸関連物質としては、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リ
ン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸から選ばれるアデニル酸誘導体及びそれ
らの塩、リボ核酸及びその塩、サイクリックAMP、サイクリックGMP、フラビンアデ
ニンヌクレオチド、グアニン、アデニン、シトシン、チミン、キサンチン及びそれらの誘
導体であるカフェイン、デオフィリン並びにそれらの塩、ホルモンとしては、エストラジ
オール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
7.アスコルビン酸
この出願の発明の外用組成物においては、アスコルビン酸またはその誘導体が好適に使
用される。
なかでも、次式
Figure 0004360925
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に水酸基またはその水酸基と無機もしくは有
機酸とのエステル基または糖との配糖体基、もしくはその水酸基のうち隣接した2個の水
酸基とケトンとのケタール基もしくはアルデヒドとのアセタール基を意味する。ただしR
1及びR2とは、同時に水酸基であることはない。)で表される化合物またはその塩及びそ
こから選択される少なくとも一種であればよい。
アスコルビン酸そのものを使用することもでき、アスコルビン酸としてはL体、D体ま
たはDL体のいずれでも良く、無機酸または有機酸とのエステル、糖との配糖体、あるい
はアスコルビン酸の水酸基のうち隣接した2個の水酸基とケトン結合したケタールまたは
アルデヒドと結合したアセタールであってもよい。
この場合の無機酸としては、リン酸、ジリン酸、トリリン酸、硫酸などが挙げられ好ま
しくはリン酸である。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ステアリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸などが挙げられ、パルミチン酸などの高級脂肪酸が特
に好ましい。糖としては、グルコース、スクロース、フラクトースなどであり、特にグル
コースが好ましい。ケトンとしてはアセトン、メチルエチルケトンが挙げられ、アルデヒ
ドとしてはアセトアルデヒド、プロピンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどを挙げること
ができる。塩とする時は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどを挙げ
ることができ、ナトリウム塩、マグネシウム塩が特に好ましい。
このようなアスコルビン酸誘導体の具体例としては、例えばアスコルビン酸2−リン酸
、アスコルビン酸2−二リン酸、アスコルビン酸2−三リン酸、アスコルビン酸2−ポリ
リン酸、アスコルビン酸2−リン酸ジエステル、アスコルビン酸2−リン酸6−パルミチ
ン酸、アスコルビン酸2−リン酸6−ミリスチン酸、アスコルビン酸2−リン酸6−ステ
アリン酸、アスコルビン酸2−リン酸6−オレイン酸、アスコルビン酸2−グルコシド、
アスコルビン酸2−グルコシド6−パルミチン酸、アスコルビン酸2−グルコシド6−ミ
リスチン酸、アスコルビン酸2−グルコシド6−ステアリン酸、アスコルビン酸2−グル
コシド6−オレイン酸、アスコルビン酸2−硫酸などのアスコルビン酸エステル類、L−
アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビ
ン酸硫酸エステル等の誘導体等であり、これらの塩であるナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等でも良い。更
に具体的には、パルミチン酸L−アスコルビン酸、ジパルミチン酸L−アスコルビン酸、
イソパルミチン酸L−アスコルビン酸、ジイソパルミチン酸L−アスコルビン酸、テトラ
イソパルミチン酸L−アスコルビン酸、ステアリン酸L−アスコルビン酸、ジステアリン
酸L−アスコルビン酸、イソステアリン酸L−アスコルビン酸、ジイソステアリン酸L−
アスコルビン酸、ミリスチン酸L−アスコルビン酸、ジミリスチン酸L−アスコルビン酸
、イソミリスチン酸L−アスコルビン酸、ジイソミリスチン酸L−アスコルビン酸、オレ
イン酸L−アスコルビン酸、ジオレイン酸L−アスコルビン酸2−エチルヘキサン酸L−
アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸リ
ン酸エステルカリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、L−アスコル
ビン酸リン酸エステルカルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステルアルミニウム、L
−アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカリウム、
L−アスコルビン酸硫酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルカルシ
ウム、L−アスコルビン酸硫酸エステルアルミニウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、
L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸カ
ルシウム、L−アスコルビン酸アルミニウム等であり、およびこれらのナトリウム塩、カ
リウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、アルキル置換アン
モニウム塩、ヒドロキシアルキル置換アンモニウム塩等が挙げられる。
また、これらアスコルビン酸誘導体がポリマー鎖に結合している形状でもよい。水溶性
等の製剤上の利便性と誘導体の化学的安定性、さらに効果の点から、特にアスコルビン酸
2−リン酸およびアスコルビン酸2−グルコシド、および特にこれらの上記塩類が好まし
い。
8.pH調整剤としては、保存安定化剤又はキレート効果を有する有機酸又はその塩が
好適に例示される。これらは、エリソルビン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン
、トコフェロールおよびその誘導体、ポルフィリン、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫
酸水素ナトリウム、無水亜硫酸ナトリウム、没食子酸及びその誘導体、アラニン、エチレ
ンジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ク
エン酸及びその塩、グルコン酸、酒石酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン
酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、その配合量は、外用組成物
の全重量に対して0.01%から50%重量の範囲で、好ましくは0.1%から5%重量
の範囲で添加すればよい。塩としては、特に限定されないがその皮膚に対する安全性から
遷移金属以外の金属が望ましく特にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムが
望ましい。
9.活性酸素消去剤
この出願の発明のフラーレン類の活性酸素消去活性を助長するために、別の活性酸素消
去剤を同時投与することは好ましい。活性酸素消去剤としては、スーパーオキサイドディ
スムターゼ、マンニトール、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン
、クエルセチン、クエルシトリン、カテキン、カテキン誘導体、ルチン、ルチン誘導体、
タウリン、チオタウリン、卵殻膜抽出物、没食子酸、没食子酸誘導体、酵母抽出物、霊芝
抽出物、ヤシャジツ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ボタンピ抽出物、メリッサ抽出物、
パセリ抽出物及びジコッピ抽出物、レチノール及びその誘導体(パルミチン酸レチノール
、酢酸レチノール等)、レチナール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のビタミンA
類;チアミン類(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩等)、リボフラビン類(リボフラビン
、酢酸リボフラビン等)、ピリドキシン類(塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノ
エート等)、フラビンアデニンヌクレオチド、シアノコパラミン、葉酸類、ニコチン酸類
(ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等)、コリン類等のビタミンB類;エルゴカル
シフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;トコ
フェロール及びその誘導体(dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコ
フェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェ
ロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等)、ユビキノン類等のビタミンE類;ジブ
チルヒドロキシトルレン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
10.その他の配合剤
この出願の発明のフラーレン類を含有する外用組成物またはその希釈液を保存する目的
で、エタノールのような防腐剤を添加することができる。また、クエン酸、フマル酸、コ
ハク酸、乳酸等の有機酸のようなpH調節剤やNaOH、KOHを添加し、pHを調整す
ることもできる。
いずれにしても、この出願の発明のフラーレン類を含有する外用組成物には、薬理効果
を損なわない範囲で、通常、外用剤等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、
温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類
、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤
、塩類、PH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂
剤、抗脂漏剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、
ビタミン類等を適宜一種又は二種以上添加することができる。
また紫外線防御剤として、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケ
イ皮酸イソプロピル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメト
キシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイ
ソプロピルケイ皮酸メチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤−2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブ
チル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル
、パラアミノ安息香酸アミル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸−2−エチルヘキ
シル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピ
レングリコール、サリチル酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニ
ル、サリチル酸アミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチ
ル酸カリウム等のサリチル酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4′−メトキシジベンゾ
イルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、
4−t−ブチル−4′−ヒドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線
吸収剤;メンチル−O−アミノベンゾエート、2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−硫
酸、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カン
フル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチル
−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線
吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化セリウム等が挙げられる。これらの金属酸化物はシリカ被覆されたものでも
よい。紫外線防御剤の配合量としては0.001から50%重量であればよく好ましくは
0.01から10%である。
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カ
リウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン
、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビ
ス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール及びチアントール、
イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。PH調整剤としては、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。清涼剤としては、L−メント
ール、カンフル等が挙げられる。
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム
等、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、3−サクシニルオキシグリチ
ルレチン酸二ナトリウム等のグリチルリチン酸、若しくはグリチルレチン酸及びそれらの
誘導体並びにそれらの塩、メフェナム酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロ
フェン、ケトプロフェン、アラントイン、グアイアズレン、パンテトン酸カルシウム、D
−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチル
エーテル等のパンテノール及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロン酸
、ジクロフェナクナトリウム、トラネキサム酸等が挙げられる。配合量としては0.00
1から10%重量であり、より好ましくは0.01から5%重量である。
抗酸化剤としては、スーパーオキシドディスムターゼ、マンニトール、ヒスチジン、ト
リプトファン、ビリルビン、クエルセチン、クエルシトリン、ポリフェノール、プロアン
トシアニジン、トコトリエノール、カテキン、カテキン誘導体、ルチン及びその誘導体、
没食子酸及びその誘導体等、ユビキノン、アスタキサンチン、カロチン、及びその他のパ
ルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、レチナール及び
その誘導体、デヒドロレチナール、カロチン、リコピン、アスタキサンチン等のカロチノ
イド、カロチノイド類;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラ
ビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート等のピリドキシン類、フラビン
アデニンヌクレオチド、シアノコパラミン、葉酸類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベン
ジル等のニコチン酸類、コリン類等のビタミンB類;エルゴカルシフェロール、コレカル
シフェロール、ジヒドロキシスタナール等のビタミンD類;dl−α(β、γ)−トコフ
ェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リ
ノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェ
ロール及びその誘導体、ユビキノン類等のビタミンE類;ジブチルヒドロキシトルエン及
びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
<D>フラーレン類含有の安定外用剤
この出願の発明の外用組成物をより実際的に外用剤として適用する場合、前記のとおり
の成分、すなわち、
<1>非イオン界面活性剤
<2>アスコルビン酸またはその誘導体、もしくは塩
<3>紫外線防御剤
のうちの少くとも1種以上を含有させることが好ましい。そして、より好ましくは、<1
>非イオン界面活性剤は、組成物全体の0.01重量%〜50重量%の範囲とし、以下の
ものから選択された1種または2種以上とすることである。すなわち、POEソルビタン
モノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノラウレート
、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソ
ルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオ
レエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、
POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOE
グリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、PO
Eラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル等
のPOEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPセチルエーテル等のPOE・PO
Pアルキルエーテル類、テトラPOE・テトラPOEエチレンジアミン縮合物類、POE
ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体、POEミツロウ・ラノリン誘導体、ラウリン酸モノ
エタノールアミド等のアルカノールアミド類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステ
ル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニル
フェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレ
イルリン酸、ポリグリセリン脂肪酸エステルより選ばれる少なくとも一種である。
また、<2>アスコルビン酸類については、組成物全体量に対して0.01重量%〜2
0重量%、さらには0.1〜10重量%の範囲とし、前記の式(1)で表わされる化合物
およびその塩から選択された1種又は2種以上とすることである。
<3>紫外線防御剤については、組成物の全体量に対して0.01重量%〜50重量%
の範囲とし、以下のものから選択された1種または2種以上とすることである。すなわち
、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラ
メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エ
チルヘキサン酸グリセリル、メトキシケイ皮酸オクチル、ジイソプロピルケイ皮酸メチル
等のケイ皮酸系紫外線吸収剤−2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン−5−硫酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ
安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸ブチル、パラジメチルアミノ
安息香酸2−エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸アミ
ル等の安息香酸系紫外線吸収剤、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸トリエタ
ノールアミン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル
酸メチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸アミル、サ
リチル酸ベンジル、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸カリウム等のサリチル
酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン、4−イソプロ
ピルジベンゾイルメタン、4−メトキシジベンゾイルメタン、4−t−ブチル−4′−ヒ
ドロキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、メンチル−O−ア
ミノベンゾエート−2−フェニル−ベンズイミダゾル−5−硫酸−2−フェニル−5−メ
チルベンゾキサゾール、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル−2−エチルヘキシル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート−2−エチル−2−シアノ−3,3′−
ジフェニルアクリレート−2−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、アントラニル酸メンチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチ
ル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸
化亜鉛及びこれらの金属酸化物のシリカ被覆物である。
そして、安定組成物とするためには、この出願の発明においては、以下のものの1種ま
たは2種以上のものを、組成物全体に対して、0.01重量%〜10重量%の範囲におい
て、<4>保存安定剤またはキレート効果を有する有機酸またはその塩類として配合する
ことが好ましい。すなわち、エリソルビン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、
トコフェロールおよびその誘導体、ポルフィリン、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸
水素ナトリウム、無水亜硫酸ナトリウム、没食子酸及びその誘導体、アラニン、エチレン
ジアミンヒドロキシエチル三酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、クエ
ン酸及びその塩、グルコン酸、酒石酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸
ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
このような安定化組成物においては、水性のものとしてはpH値を前記のとおり3〜1
0の範囲とすることが特に好適である。
フラーレンの抗酸化力を外用組成物に応用使用すると、通常は、フラーレンの強い抗酸
化力によりフラーレンが酸化されやすく外用組成物に配合しても製剤中で不安定になりや
すい。
つまり、フラーレンの強い抗酸化力により外用組成物中で還元性を発揮し急速に酸化さ
れる。その結果として皮膚に投与されたときに抗酸化力が減少し、弱まり、又は失活し十
分な効果を発揮できないことがある。
また、フラーレンを外用剤として塗布しても、その有効成分が酸化分解され、一部のフ
ラーレンが皮膚上で紫外線などの影響によりフリーラジカルに変化することから抗酸化剤
としての効果が不十分であり外用剤としての改善、治療効果を充分に発揮できず防御や予
防的効果に留まってしまうことがある。
このような懸念に対し、上記の組成物においては良好な安定性が実現されることになる

<E>効果の増強された外用剤
さらにこの出願の発明においては、より実際に好適外用剤のための組成物として、以下
の成分のうち少なくても1種を含有することにより、肌の美白、色素沈着の改善、ニキビ
の治療、シワの改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治
療、赤ら顔の治療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ
、皮膚のキメの改善の効果が増強されたフラーレン外用組成物が提供される。
すなわち、
<5>組成物全体量に対して0.01重量%〜20重量%の美白成分であって、システイ
ン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイ
リチン、胎盤抽出物、ハイドロキノン及びその誘導体、レゾルシン及びその誘導体、グル
タチオンから選ばれる少なくとも一種である。
<6>組成物全体に対して0.001重量%〜10重量%の範囲の抗炎症成分としての、
グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、メフェナム
酸、フェニルブタゾン、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、アラントイ
ン、グアイアズレン、パンテノール及びその誘導体並びにそれらの塩、ε−アミノカプロ
ン酸、ジクロフェナクナトリウム、トラネキサム酸から選ばれる少なくとも一種である。
<7>組成物全体に対して0.001重量%〜10重量%の範囲の抗酸化成分としての、
スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ヒスチジン、トリプトファン、ビリ
ルビン、クエルセチン、クエルシトリン、ポリフェノール、プロアントシアニジン、トコ
トリエノール、カテキン、カテキン誘導体、ルチン及びその誘導体、没食子酸及びその誘
導体、ユビキノン、アスタキサンチン、カロチン、及びその他のカロチノイド類及びそれ
らの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタ
ミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンE類及びそれらの誘導体並びに
それらの塩、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる
少なくとも一種である。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの出願の発明について説明する。もちろん
、以下の例によって発明が限定されることはない。
<A>有効成分の活性試験−その1
次の(A)〜(G)の試料を調製した。
F1:C60フラーレン、C70フラーレンを含むMIXフラーレン(平均分子量74
4/粉体)
F2:C60フラーレン(分子量720/粉体)
F3:PEG修飾フラーレン(平均分子量20,000/70mg/ml(純水溶液)
、PEG:分子量5200:修飾比率1−4mol/mol fullerene、MIXフラーレ
ン:744、MIXフラーレン濃度:2mg/ml)
F4:PVP包接フラーレン(平均分子量40,000/70mg/ml(純水溶液)
、PVP:分子量40,000、MIXフラーレン:744、MIXフラーレン濃度:0
.3mg/ml)
F5:CD包接フラーレン(平均分子量1235/4.8mg/ml(純水溶液)、ga
mma−CD(シクロデキストン):分子量1297:混合比率4mol/mol fullerene、MIXフラーレン:分子量744、MIXフラーレン濃度:0.3mg/ml)
F6:水酸化フラーレン:平均分子量958.7/粉体(水溶性固体)、水酸化率14
OH group/molecule
F7:MIXフラーレン/イソステアリン酸:平均分子量744/5mg/g(溶媒の
イソステアリン酸:分子量284)
<1> 上記の試料について、次の表1の指示に従って、1.5mlエッペンチューブに
取り、H22添加後、30秒反応させ、その後ESRにて測定し、ESRトラッピング法
によるフラーレン類のヒドロキシラジカル消去活性を評価した。試験では、不安定なヒド
ロキシルラジカルを付加体として安定化するスピントラップ剤としてDMPOを添加する
と、電子スピン共鳴装置(日本電子株式会社製造、JES−FR30型)で1:2:2:
1の特徴的なクワルテットを呈する電子スピン共鳴スペクトルが見られるので、この強度
を比較内部標準として添加した常磁性スペクトルを呈する酸化マンガンの強度との比率で
ヒドロキシルラジカル量の算定を行なった。
Figure 0004360925
なお、試料F6,7については、70% Ethanolで溶解可能な最大量を0.2%に希釈
して用いた。また、DMSOはヒドロキシラジカルの捕捉剤であり、Ethanolにもヒドロ
キシラジカルの消去活性が認められている。
試験の結果を、ドロキシルラジカル残存量:Relative Signal Intensity(DMPO−
OH/MnO)として評価すると、次の表2のとおり例示することができる。
Figure 0004360925
たとえば、この表2のとおり、3種類のフラーレン類(F3、F6、F7)に顕著なヒ
ドロキシルラジカル消去活性が認められ、いずれも市販化粧品に頻用されている既存のプ
ロビタミンC(A2P:Ascorbic Acid2-Phosphate Na)をやや凌駕し、または同等であっ
た。
<2> また、各試料を次の表3の指示に従って、1.5mlエッペンチューブに取り、
XOD添加後、30秒反応させ、その後ESRにて測定することにより、ESRスピント
ラッピングによるスーパーオキシド消去活性について評価した。試験方法はヒドロキシル
ラジカルの場合に準じスピントラップ剤DMPOを添加すると電子スピン共鳴装置(日本
電子株式会社製造、JES−FR30型)でやや微細な1:1:1:1のクワルテットを
呈する電子スピン共鳴スペクトルが見られるので、この強度を比較内部標準として添加し
た常磁性スペクトルを呈する酸化マンガンの強度との比率でスーパーオキシドアニオンラ
ジカル量を算定することにより行った。
Figure 0004360925
なお、F6、F7については、前記と同様に、70% Ethanolで溶解可能な最大量を0
.2%に希釈して用いた。
試験の結果を、スーパーオキシドアニオンラジカル残存量:Relative SignalIntensity
(DMPO−OOH/MnO)として評価すると、次の表4のとおり例示することができ
る。
Figure 0004360925
たとえば、この表4のとおり、2種類のフラーレン類(F3、F4)に顕著なスーパーオキシドアニオン消去活性が認められ、いずれも市販化粧品に頻用されている既存のプロビタミンC(A2P)を大きく凌駕し、このうちの1種(F3)は、前記のとおりのヒドロキシルラジカル消去活性も併有していた。また他の2種類(F5、F6)についてもプロビタミンCに比べて同等もしくはそれ以上の消去活性を有していた。
<3> 各種試料について、UVBに対する抗酸化効果をヒトの主要な細胞である角化細
胞を用いて評価した。試験方法としては酸化還元指示薬としてCDCFH−DAを細胞内
部に負荷しておき、これが紫外線照射によって生じたパーオキシド/過酸化水素によって
酸化されると、蛍光を発生するので、蛍光強度を蛍光プレートリーダー装置(Millipore
/Perceptive社製造、2350型)で計測する。
皮膚は太陽光線を照射されると、光線の中のUVB波によって細胞内部にパーキシド/
過酸化水素が発生したりDNA切断やDNA損傷や細胞膜破綻を受けて細胞死を引き起こ
す。
そこで、皮膚紅斑を形成させ始める40mJ/cm2の線量でUVB波をヒト皮膚表皮
角化細胞に照射すると、照射後4分で細胞内のパーオキシド/過酸化水素が最大値となる
ことが確認されているので、照射前に予め試料を添加して抗酸化効果を評価した。
その結果を図1に例示した。3種類(F4、F5、F6)のフラーレン類に既存のプロ
ビタミンC(Asc2P−Na)と同等の皮膚細胞内パーオキシド・過酸化水素消去活性
、つまり抗酸化効果が認められた。
<4> 各試料について、過酸化脂質(変質油)誘発による皮膚細胞細胞内パーオキシド
・過酸化水素に対する消去活性を評価した。
皮膚に存在する脂質は常時、酸化を受けやすく、この結果、皮膚細胞死を引き起こす原
因になっているが、特に、角質層の脂質であるセラミドやスクワレンは酸化を受けてヒド
ロペルオキシドに変換されて細胞死を引き起こす。
ヒドロペルオキシドの一種であるt−BuOOH(tert-butylhydroperoxide)を、40
−70%の細胞死を引き起こす濃度の140−250μMでヒト皮膚表皮角化細胞に添加
すると、添加後150分で細胞内のパーオキシド/過酸化水素が最大値となることが発明
者によって確認されている。そこで、添加前に予め試料を添加してパーオキシド/過酸化
水素消去活性を評価した。
試験方法としては、酸化還元指示薬としてCDCFH−DAを細胞内部に負荷しておき
、これがt−BuOOHを添加して生じたパーオキシド/過酸化水素によって酸化される
と、蛍光を発生するので、蛍光強度を蛍光プレートリーダー装置(Millipore/Perceptiv
e社製造、2350型)で計測することとした。
その結果を図2に例示した。
ヒト皮膚角化細胞に細胞殺傷力のある過酸化糖質モデル物質のt−BuOOHを細胞に
添加すると、細胞内にパーオキシド・過酸化水素が生じるが、1種類のフラーレン類(F
4)に既存プロビタミンCを凌駕する消去活性を認めた。このものフラーレンは、紫外線
・スーパーオキシドアニオンラジカルに対しても防御活性を認めた検体試料である。
<B>有効成分の活性試験−その2
まず、以下の方法により、公知文献に従ってPVP(ポロビニルピロリドン)修飾複合
化フラーレンを調製した。
Figure 0004360925
ここで、PVP分子量60000との表記は、重量平均分子量(粘度測定法)60,0
00のものを示している。すなわち、たとえば、具体的には、まず、トルエン(1.0m
l)に溶解した混合フラーレン(C60:C70=3.5.:1mol/mol)(0.8m
g)の攪拌溶液を、PVP分子量60000(100mg)のクロロホルム溶液に室温に
おいて添加した。十分に混合した後に、溶媒を減圧下に蒸発させた。残査を2.0mlの
Milli−Q水に溶解し、懸濁液を共沸蒸留してトルエンを留去した。
水溶液製品を得た。さらにこれを濾過し、減圧乾燥して固形物(粉末)を得た。
同様にして、重量平均分子量8,000のPVP分子量8000により修飾複合化した
フラーレンも調製した。
<1> 以上の方法により調製されたPVP.フラーレンをヒト皮膚化細胞(HaCa
T)へ投与した場合の効果を、WST−1法による細胞生存率測定により評価した。WS
T−1法は、生細胞内のミトコンドリア脱水素酵素によって還元されて発色する水溶性ホ
ルマザンを生じるWST−1試薬(テトラゾリウム塩)を用い、ミトコンドリア脱水素酵
素により還元され生じた黄色ホルマザンを吸光プレートリーダ(450nm)によって測
定する方法である。
添付した図3は、PVP分子量8000フラーレン水溶液を、t−BuOOHを添加す
る3時間前に予め投与した場合の結果を例示したものであり、図4は、PVP.分子量6
0000のフラーレンの場合の結果を例示したものである。
たとえばこのような細胞生存率の検証から、細胞死防御効果をもたらす最適投与濃度は
、PVP.分子量8000(分子量8,000)の場合には、100−250μM(0.
08−0.12wt/wt%)、フラーレン濃度に換算して4−6ppmであり、PVP
分子量60000(分子量60,000)の場合には、10−25μM(0.06−0.15wt/wt%)、フラーレン濃度に換算して3−7.5ppmであることが確認された。
図5は、過酸化脂質モデル剤t−BuOOHによるヒト皮膚角化細胞(HaCaT)の
細胞変化に対するPVPフラーレンの防御効果を、PVP.分子量60000の場合につ
いて見たものである。防御効果が顕著に確認される。
図6は比較のために、ビタミンC(L−アスコルビン酸)の場合についての測定結果を
示したものであるが、このようなビタミンCと対比すると、たとえばPVP分子量600
00のフラーレン複合体の場合、ビタミンCの約10倍の細胞死防御効果が実現されるこ
とが確認される。
<2> 図7は、PVP.分子量60000を用いた場合の、前投与、そして全投与の場
合の、UV光照射時の細胞死抑制効果(細胞生存率)を評価した結果を示したものである
ここで、前投与とは、UV照射前にフラーレン複合体を投与し直前にこれを除去した状
態を、全投与とは、測定中もフラーレン複合体を除去しなかった状態を示している。測定
は、上記<1>と同様に、WST−1法によるものである。
PVPフラーレン複合体によって全投与時に、そして、UVB照射においては、前投与
でも顕著な効果が実現されていることがわかる。
<C>外用組成物とその効果
1)組成物の構成
前記<A>におけるフラーレン類を用いて、以下の通りの組成物を調製した。
発明のローション1
F1 0.1%
クエン酸 1.0%
L−アスコルビン酸2−リン酸Na 1%
POEソルビタンモノオレエート 0.5%
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.2%
キサンタンガム 0.1%
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
発明のローション2
F3 0.1%
クエン酸 1.0%
キサンタンガム 0.2%
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
発明のローション3
F4 0.1%
L−アスコルビン酸2−リン酸Na 0.5%
キサンタンガム 0.1%
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
発明のローション4
F5 0.1%
POEソルビタンモノオレエート 0.6%
キサンタンガム 0.1%
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
発明のローション5
F6 0.1%
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.1%
キサンタンガム 0.1%
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
発明の化粧水1:
(処方)(以下重量%で示す。)
(1)F 1:0.5,(2)1,3−ブチレングリコール 5.5,(3)ポリオキ
シエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2 モノラウリン酸エステル 5.0,(
4)エチルアルコール 8.0,(5)ウーロン茶抽出物(*1)1.0,(6)海藻抽
出物(*2)1.0,(7)リン酸L−アスコルビン酸マグネシウム(*3)0.5,(
8)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム(*4)1.0
,(9)ε−アミノカプロン酸(*5)0.2,(10)防腐剤 適量,(11)香料
適量,(12)精製水 残量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
*1 丸善製薬社製 *2 一丸ファルコス社製 *3 和光純薬社製 *4
メルク社製 *5 シグマ社製(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
発明の化粧水2:
(処方)(以下重量%で示す。)
(1)F 2:0.5,(2)1,3−ブチレングリコール 6.5,(3)ポリオキ
シエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.2 モノラウリン酸エステル 3.5,(
4)エチルアルコール 8.0,(5)ウーロン茶抽出物(*1)1.0,(6)海藻抽
出物(*2)1.0,(7)リン酸L−アスコルビン酸マグネシウム(*3)0.5,(
8)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム(*4)1.0
,(9)ε−アミノカプロン酸(*5)0.2,(10)防腐剤 適量,(11)香料
適量,(12)精製水 残量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
*1 丸善製薬社製 *2 一丸ファルコス社製 *3 和光純薬社製 *4
メルク社製 *5 シグマ社製
発明の乳液:
(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.)ソルビタン 1.0 モノステアレート
7.0,(2)ポリオキシエチレン(60E.O.)ソルビット 0.5 テトラオレエ
ート 2.0,(3)グリセリルモノステアレート 1.0,(4)ステアリン酸 0.
5,(5)ベヘニルアルコール 0.5,(6)F4:6.0,(7)ホホバ油(*1)
1.0,(8)テトライソパルミチン酸L−アスコルビン酸(*2)2.0,(9)大麦
抽出物(*3)0.1,(10)ニンジン抽出物(*4)0.1,(11)D−パンテ
ノール(*5)0.1,(12)パルミチン酸レチノール(*6)0.01,(13)防
腐剤 0.1,(14)カルボキシビニルポリマー 0.1,(15)水酸化ナトリウム
0.05,(16)エチルアルコール 5.0,(17)精製水 残量,(18)香料
適量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
*1 高級アルコール工業社製 *2 日本サーファクタント社製 *3 テクノーブル
社製 *4 丸善製薬社製 *5 シグマ社製 *6 日本ロシュ社製
発明のクリーム:
(処方)(%)
(1)ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート 2.0,(2)グリセ
リンモノステアレート(自己乳化型)5.0,(3)ステアリン酸 5.0,(4)ベヘ
ニルアルコール(*1) 0.5,(5)スクワラン 15.0,(6)イソオクタン酸
セチル 5.0,(7)1,3−ブチレングリコール 5.0,(8)F7:1.0,(
9)シラカバ抽出物(*2)0.1,(10)ユキノシタ抽出物(*3)0.2,(11
)L−アスコルビン酸2−リン酸ナトリウム(*4)1.0,(12)パラメトキシケイ
皮酸2−エチルヘキシル(*5)5.0,(13)リボフラビン(*6)0.05,(1
4)システイン(*7)0.1,(15)精製水 残量,(16)防腐剤 適量,(17
)香料
適量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
*1 成和化成社製 *2 丸善製薬社製 *3 一丸ファルコス社製 *4
シグマ社製 *5 BASF社製 *6 シグマ社製 *7 システイン(和光純薬社製
)を1.0mg/mlになるように水で希釈して用いた。
発明のゲル軟膏:
(処方)(%)
(1)ステアリン酸 18.0,(2)セタノール 4.0,(3)トリエタノールア
ミン 2.0,(4)F5:1.0,(5)イラクサ抽出物(*1)0.05,(6)サ
ンザシ抽出物(*2)0.05,(7)ボダイジュ抽出物(*3)0.05,(8)N,
N′−ジアセチルシスチンジメチル(*4)0.01,(9)トラネキサム酸(*5)0
.2,(10)精製水 残量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整した。)
*1 丸善製薬社製 *2 丸善製薬社製 *3 丸善製薬社製 *4 シグマ社製 *
5 シグマ社製
発明の日焼け止め乳液:
(処方)(%)
(1)ステアリン酸 2.0,(2)セタノール 1.0,(3)モノオレイン酸ポリ
オキシエチレンソルビタン(20E.O.)0.5,(4)セスキオレイン酸ソルビタン
0.5,(5)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(*1)8.0,(6)2−
エチルヘキサン酸セチル 12.0,(7)1,3−ブチレングリコール 10.0,(
8)カルボキシビニルポリマー 0.2,(9)トリエタノールアミン 0.5,(10
)ペパーミント抽出物(*2)0.02,(11)F4:0.1,(12)カンゾウ抽出
物(*3)0.02,(13)胎盤抽出物(*4)0.3,(14)酢酸dl−α−トコ
フェロール(*5)0.2,(15)精製水 残量,(16)防腐剤 適量,(17)酸
化チタン 3.0,(18)香料 適量(クエン酸1%とNaOHでpHは7±1に調整
した。)
*1 丸善製薬社製 *2 一丸ファルコス社製 *3 丸善製薬社製 *4 ニチレイ
社製 *5 エーザイ社製
2)安定性試験
上記のローション1から5を使用して45℃、3ヶ月間の安定性試験を行なった結果、
安定性試験前と終了後のローションの過酸化水素添加後のESRトラッピング法によるヒ
ドロキシラジカル消去活性を測定しその残存活性を%で示した結果を以下に示す。
(ヒドロキシラジカル消去活性の残存率)
発明のローション1 91%
発明のローション2 87%
発明のローション3 94%
発明のローション4 84%
発明のローション5 81%
以上の結果よりこの発明のフラーレン外用組成物の高い活性が維持されていることが確
認された。
3)効果試験
美容皮膚科に訪れた患者のうち、肌の美白、色素沈着の改善、ニキビの治療、シワの改
善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治療、赤ら顔の治療
、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ、皮膚のキメの改
善を訴える患者、15才から75才の男女各グループ20人づつを選び、以下の処方の発
明のローション6の製剤を使用するグループとプラセボのグループの2グループに分け、
59日から97日間朝晩二回患部に塗布してその結果をスコアに基づきアンケート調査し
た。その結果を表2にまとめた。
(評価基準)
〔スコア〕〔状態〕
0:著効が認められる 1:効果あり 2:ごくわずか効果が認められる 3:効果な

上記評価基準に従い、それぞれの評点が1点以下である患者が20人中何人いたかを数
え、以下の判定基準に従って判定した。
(判定基準)
<判 定><内 容>著 効 20人中、評点1点以下の患者が16人以上である
有 効 20人中、評点1点以下の患者が12〜14人である。
やや有効 20人中、評点1点以下の患者が8〜10人である。
無 効 20人中、評点1点以下の患者が6人以下である。
発明のローション6:
F4 0.1%
クエン酸 1.0%
L−アスコルビン酸2−リン酸Na 0.8%
POEソルビタンモノオレエート 0.5%
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.2%
キサンタンガム 0.1%
グラブリジン
グリチルリチン酸
ニコチン酸アミド
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
プラセボローション:
クエン酸 1.0%
L−アスコルビン酸2−リン酸Na 1%
POEソルビタンモノオレエート 0.5%
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.1%
キサンタンガム 0.1%
グラブリジン
グリチルリチン酸
ニコチン酸アミド
NaOH(pHを8に調整)
精製水 残量
Figure 0004360925
この結果、この出願の発明のフラーレン含有外用組成物において肌の美白、色素沈着の
改善、ニキビの治療、シワの改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮
小、瘢痕の治療、赤ら顔の治療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、
皮膚の殺ダニ、皮膚のキメの改善の全ての対象疾患において優れた効果が認められた。
UVB照射に対する抗酸化活性の評価結果を例示した図である。 t−BuOOHに対する抗酸化活性の評価結果を例示した図である。 PVP.分子量8000の場合のt−BuOOHに対する細胞死防御効果を示した図である。 PVP分子量60000の場合のt−BuOOHに対する細胞死防御効果を示した図である。 PVP分子量60000の上記効果を示した写真である。 比較としてのビタミンCの場合のt−BuOOHに対する細胞死防御効果を示した図である。 UV照射に対しての前投与、全投与の場合の細胞死防御効果を示した図である。

Claims (5)

  1. ポリビニルピロリドン包接フラーレンを有効成分として含有することを特徴とする外用組成物。
  2. ポリビニルピロリドン包接フラーレンのフラーレンは、C 60 フラーレン、C 70 フラーレンもしくはその両者を含むフラーレン混合物であることを特徴とする請求項1の外用組成物。
  3. ポリビニルピロリドン包接フラーレンの濃度が、フラーレン濃度に換算して0.3−18ppmであることを特徴とする請求項1または2の外用組成物。
  4. 以下に記載された成分のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの外用組成物。
    <1>非イオン界面活性剤
    <2>アスコルビン酸又はその誘導体あるいはその塩類
    <3>紫外線防御剤
  5. 肌の美白、色素沈着の改善、ニキビの治療、シワの改善、肌荒れの改善、油肌の改善、乾燥肌の改善、毛穴の縮小、瘢痕の治療、赤ら顔の治療、抜け毛の治療、育毛促進、やけどの治療、皮膚の殺菌、皮膚の殺ダニ、または皮膚のキメの改善の有効成分としてポリビニルピロリドン包接フラーレンを含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの外用組成物。
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