JPWO2006109774A1 - 化粧料、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の製造方法、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体を含み、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する化粧料を、効率的に、かつ、安定して得る。
フラーレンと、フラーレンの質量の3倍以上8倍未満の質量のγ−シクロデキストリンとを乳鉢に投入し、乳鉢中で粉砕混合する。得られる固体混合物に溶剤を加える。混合液に超音波振動を与える。超音波振動が与えられた混合液を濾過する。この濾液が、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液である。このフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液は、高濃度であっても細胞毒性が観測されず、また、活性酸素消去効果があった。このため、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体、または、その溶液は、化粧料として有用である。
フラーレンと、フラーレンの質量の3倍以上8倍未満の質量のγ−シクロデキストリンとを乳鉢に投入し、乳鉢中で粉砕混合する。得られる固体混合物に溶剤を加える。混合液に超音波振動を与える。超音波振動が与えられた混合液を濾過する。この濾液が、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液である。このフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液は、高濃度であっても細胞毒性が観測されず、また、活性酸素消去効果があった。このため、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体、または、その溶液は、化粧料として有用である。
Description
本発明は、フラーレンとγ−シクロデキストリンを含有する化粧料、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の製造方法、および、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法に関する。
フラーレンは水に溶けにくいため、フラーレンを官能基化することによって、または、フラーレンを包接することによって、水への溶解度を上げる研究が行われている。フラーレンを包接する物質として、γ―シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、または、水溶性カリックスアレーンなどが用いられてきた。
このうち、γ―シクロデキストリンは、C60の大きさに適した空孔を有し、C60とγ−シクロデキストリンが1:2である複合体(錯体)を形成する。このC60とγ―シクロデキストリンの複合体を水に溶かすと、高濃度の水溶液が得られる。C60とγ―シクロデキストリンの複合体を得る方法として、各種の方法が報告されている(非特許文献1、非特許文献2、および、非特許文献3参照)。
非特許文献1には、溶液中の反応によって、C60とγ―シクロデキストリンが1:2である水溶性の複合体が得られること、この場合、C60のトルエン溶液とγ―シクロデキストリンの水溶液とを混合して、2日間加熱する方法が優れていることが記載されている。
また、非特許文献2には、C60とγ―シクロデキストリンの混合物を、ボールミル中で20時間粉砕し、その後、脱イオン水を加えてさらに1時間粉砕することによって、得られた上澄み液中にC60とγ―シクロデキストリンの複合体が溶解していることが記載されている。
さらに、非特許文献3には、高速振動粉砕装置を利用して、C60とC60の4倍量のγ―シクロデキストリンの混合物を10分間高速振動粉砕し、得られた固体化合物に水を加えて濾過することによって、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の水溶液を調製することが記載されている。
吉田(Yoshida,Z)、他3名,"Molecular recognition of C60 with γ-cyclodextrin",Angewandte Chemie;International Edition in English,(ドイツ),1994年,第33巻,p.1597−1599
ブラウン(Braun,T)、他4名,"Mechanochemistry: a novel approach to the synthesis of fullerene compounds. Water soluble buckminsterfullerene-γ-cyclodextrin inclusion complexes via a solid-solid reaction",Solid State Ionics,(オランダ),1994年,第74巻,p.47−51
小松(Komatsu,K)、他3名,"Aqueous solubilization of crystalline fullerenes by supramolecular complexation with γ-cyclodextrin and sulfocalix[8]arene under mechanochemical high-speed vibration milling",Journal of the Chemical Society,Perkin transactions 1,(イギリス),1999年,p.2963−2966
しかしながら、非特許文献1に記載されている方法では、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の水溶液の濃度は、高くても8×10−5mol/Lであり、非特許文献2に記載されている方法では、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の水溶液の濃度は、1.5×10−4mol/Lである。なお、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の水溶液を濃縮すると不安定になることが知られているため、低濃度の水溶液を濃縮して高濃度にするのは好ましくない。
また、非特許文献3に記載されている方法では、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の水溶液の濃度が7×10−4mol/Lまで達するものの、C60とγ―シクロデキストリンの複合体の製造規模は、最大でも1g程度である。
さらに、非特許文献1、非特許文献2、および、非特許文献3では、得られたC60とγ―シクロデキストリンの複合体の生体適合性については、言及されていない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体を、効率的に、かつ、安定して得ることを目的とする。また、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する化粧料を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の化粧料は、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンが溶解している溶液を有効成分とするものである。この溶液は、少なくともフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体が溶解しており、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の濃度は、600ppm以上または3000ppm以下とすることができる。
この構成によれば、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制することができる。
本発明の第2の態様の化粧料は、凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、を有する調製方法によって得られる固体混合物を有効成分とするものである。
本発明の第3の態様の化粧料は、凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を加える添加工程と、添加工程によって得られる第1の混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、超音波処理工程によって得られる第2の混合液を濾過する工程と、を有する調製方法によって得られる溶液を有効成分とするものである。
第2または第3の態様の化粧料において、配置工程で配置するフラーレンおよびγ−シクロデキストリンは、粉体または塊の形状を有しており、この粉体または塊の数平均粒径は、1nm以上10nm以下であることが好ましく、1nm以上2nm以下であることがより好ましい。
第2または第3の態様の化粧料において、配置工程で配置するγ−シクロデキストリンの質量は、好ましくは配置工程で配置するフラーレンの質量の3倍以上8倍以下、より好ましくは5倍以上7倍以下とすることができる。
第2または第3の態様の化粧料において、凹面を有する部材は乳鉢で、凸面を有する部材は乳棒であってもよい。また、粉砕混合工程では、モース硬度6.5以上の凹面を有する部材とモース硬度6.5以上の凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧してもよい。
また、第1から第3の態様の化粧料において、フラーレンは、C60、C70、または、C60とC70の混合物を含んでいてもよい。
これらの構成によって、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する化粧料を容易に得ることができる。
本発明の第4の態様のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の製造方法は、凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、を有するものである。
本発明の第5の態様のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法は、凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を加える添加工程と、添加工程によって得られる第1の混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、超音波処理工程によって得られる第2の混合液を濾過する工程と、を有するものである。
これらの方法によれば、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体、または、この複合体の高濃度の溶液を、効率的に、かつ、安定して得られる。
本発明の第6の態様のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法は、凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を添加する溶剤添加工程と、溶剤添加工程によって得られる混合液を乾燥させる乾燥工程と、乾燥工程によって得られる固体混合物に溶剤を加える溶剤再添加工程と、溶剤再添加工程によって得られる混合液を乾燥させる再乾燥工程と、再乾燥工程により得られる固体混合物に水を添加する水溶化工程と、水溶化工程によって得られる混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、超音波処理工程によって得られる混合液を濾過する工程と、を有する。本発明の第6の態様において、溶剤再添加工程および再乾燥工程を2回以上繰り返してもよい。また、溶剤添加工程および溶剤再添加工程において、溶剤としてエタノールが用いられてもよい。
これらの方法によれば、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液を、より効率的に、かつ、安定的に高濃度化することができる。
これらの方法によれば、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液を、より効率的に、かつ、安定的に高濃度化することができる。
本発明によれば、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体が、効率的に、かつ、安定して得られる。また、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する化粧料が得られる。
本発明の実施の形態に係る化粧料の有効成分は、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンが溶解している溶液、または、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体である。フラーレンは、C60単体、C70単体、C60とC70の混合物、すなわち、フラライト、または、炭素原子数が70を超えるハイヤーフラーレンであってもよいし、C60、C70、フラライト、または、ハイヤーフラーレンを高純度で、例えば、99質量%以上含んだものであってもよい。
γ−シクロデキストリンは、D−グルコースが8単位からなる環状化合物である。γ−シクロデキストリンは、空洞直径が0.9nmから1.0nmであるため、D−グルコースが6単位からなるα−シクロデキストリン(空洞直径:0.6nm)、または、D−グルコースが7単位からなるβ−シクロデキストリン(空洞直径:0.7nmから0.8nm)と比べて、C60(直径:0.7nm)またはC70を包接するのに適している。このため、γ−シクロデキストリンは、フラライトと錯体を形成しやすく、フラライトを効率的に水溶化できる。
フラーレンおよびγ−シクロデキストリンを溶解する溶媒としては、純水、精製水、もしくは、イオン交換水等の水、グリセリン等の多価アルコール、もしくは、ラウリルアルコール等の高級アルコールなどのアルコール類、または、アジピン酸ジイソブチル、オレイン酸デシル、もしくは、クエン酸トリエチル等のエステル類が挙げられる。
一般に、フラーレンおよびγ−シクロデキストリンは、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体として溶解している。溶液中のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の濃度は、好ましくは30ppm以上、より好ましくは600ppm以上で、3000ppm以下である。
30ppm以上であれば、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する効果を発揮すると考えられる。600ppm以上であれば、後述するように、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制することができる。また、3000ppm以下であれば、後述するように、細胞毒性がほとんどない。なお、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の水溶液の濃度は、30ppm、600ppm、および、3000ppmが、それぞれ1×10−5mol/L、2×10−4mol/L、および、1×10−3mol/Lに相当する。
このフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体は、以下の調製方法によって得られる。すなわち、まず、フラーレンと、γ−シクロデキストリンとを凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に配置する。フラーレンおよびγ−シクロデキストリンは、粉体または塊の形状を有しており、この粉体または塊の数平均粒径は、好ましくは1nm以上10nm以下であり、より好ましくは1nm以上2nm以下である。なお、フラーレンとγ−シクロデキストリン以外の添加物が存在してもよい。また、γ−シクロデキストリンの質量は、好ましくはフラーレンの質量の3倍以上8倍以下、より好ましくは5倍以上7倍以下の質量である。
次に、凹面を有する部材と凸面を有する部材とでフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧しながら、凹面と凸面を相対的に移動させる。これにより、フラーレンおよびγ−シクロデキストリンは粉砕されると共に、徐々に均一化された混合物となる。この粉砕混合工程においては、モース硬度6.5以上の凹面を有する部材とモース硬度6.5以上の凸面を有する部材を用い、フラーレンおよびγ−シクロデキストリンを押圧するのが好ましい。
凹面を有する部材および凸面を有する部材としては、それぞれ乳鉢および乳棒が挙げられる。更に、使用できる乳鉢としては、鋳鉄製のもの、メノウ等のSiO2を主成分とするもの、または、炭化タングステンを主材料とした合金等の超硬質合金製のものが挙げられる。乳棒も、乳鉢と同じ材料のものが使用できる。この混合時間は、数十分、典型的な例では、約10分程度でよい。従来の方法の数十時間と比べて、はるかに短い時間で、しかも、複雑な、または、高価な装置を用いることなくフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体を得ることができる。
また、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液を得るには、更に以下の工程を行う。すなわち、上述の粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を加える。次に、溶剤を加えて得られる第1の混合液に超音波振動を与える。次に、この超音波処理によって得られる第2の混合液を濾過する。濾過して得られる濾液がフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の溶液である。
第1の混合液に超音波振動を与える方法としては、第1の混合液中に超音波振動子を入れ、この超音波振動子によって超音波を発振する方法、または、底面もしくは壁面の外側に超音波振動子が設けられた容器内の液体中に、第1の混合液が入った容器を入れ、この超音波振動子によって超音波を発振する方法などが挙げられる。第1の混合液に超音波振動を与える時間は、数分間、例えば、約5分間とすることができる。
(実施例1:C60とγ−シクロデキストリンの複合体および複合体溶液の製造)
純度99.5%のバックミンスターフラーレンC60(Aldrich社製)10mgと、γ−シクロデキストリン(Wako社製)70mgを乳鉢に入れ、この乳鉢中で乳棒を用いて約5分間混合した。その結果、黄土色の固体混合物が得られた。次に、濃度が20g/Lとなるように、この固体混合物に純水を添加した。純水は、Millipore社製のMilli−Q Academicによって製造されたものを用いた(以下、この方法によって得られた純水を「Milli−Q水」ということがある)。
純度99.5%のバックミンスターフラーレンC60(Aldrich社製)10mgと、γ−シクロデキストリン(Wako社製)70mgを乳鉢に入れ、この乳鉢中で乳棒を用いて約5分間混合した。その結果、黄土色の固体混合物が得られた。次に、濃度が20g/Lとなるように、この固体混合物に純水を添加した。純水は、Millipore社製のMilli−Q Academicによって製造されたものを用いた(以下、この方法によって得られた純水を「Milli−Q水」ということがある)。
次に、この固体混合物にMilli−Q水を添加して得られた混合液に、ブランソン社製の超音波振動装置(BRANSONIC 5510J-MH)を用いて、約5分間超音波振動を与えた。以下の実施例においても、この超音波振動装置を用いた。その後、この超音波振動が与えられた混合液を濾過した。得られた濾液は、無色透明からわずかに赤紫色を呈する水溶液であった。
(実施例2:C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液中のC60含有量分析)
実施例1の方法で得られた固体混合物40mgに、Milli−Q水2mLを加え、約5分間超音波振動を与えた。得られた混合液を、シリンジフィルター(Millipore社製のSterile Millex Filter Unit 孔径0.22μm)を用いて濾過した。得られた濾液、すなわち、C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液を濃度が1/5となるようにMilli−Q水で希釈した。この希釈水溶液の吸収スペクトルをUV/可視分光計(日本分光社製、Ubest−30型)によって測定した。この吸収スペクトルを図1に示す。
実施例1の方法で得られた固体混合物40mgに、Milli−Q水2mLを加え、約5分間超音波振動を与えた。得られた混合液を、シリンジフィルター(Millipore社製のSterile Millex Filter Unit 孔径0.22μm)を用いて濾過した。得られた濾液、すなわち、C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液を濃度が1/5となるようにMilli−Q水で希釈した。この希釈水溶液の吸収スペクトルをUV/可視分光計(日本分光社製、Ubest−30型)によって測定した。この吸収スペクトルを図1に示す。
図1に示すように、この水溶液は、C60に特徴的な紫外可視吸収を有しており、C60が溶解していることが確認された。また、λmax=332nmにおけるC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の吸光度が希釈前で2.112であったことから、C60とγ−シクロデキストリンの複合体中のC60の含有量は、4.06×10−5mol/Lと算出された。なお、この水溶液には、過剰のγ−シクロデキストリンも含まれている。
このC60の含有量の算出は、Lambert Beer法に基づく。すなわち、吸光度のOD値Aと、モル吸光係数ε(L/mol・cm)および濃度C(mol/L)との関係式:A=εCL(Lは光路長(cm))に従って算出した。なお、この算出には、λmax=332nmにおけるC60のシクロヘキサン溶液の既知のモル吸光係数ε=5.19×104L/mol・cmを用いた。
フラーレンとしてC60単体を用いたが、C70単体、または、C60とC70の混合物であるフラライトを用いても、同様な方法によって、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体を極めて簡易に得ることができる。なお、可視光吸収がほとんどないC60とγ−シクロデキストリンの複合体は、一般に可視光吸収により活性酸素種が発生する可能性が指摘されている他のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体と比べて、皮膚に塗布する化粧料として極めて好適と考えられる。
(実施例3:フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の生体適合性)
本実施例では、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の生体適合性を細胞レベルから検証した。まず、DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)−10%FBS(Fetal Bovine Serum)培地を用い、ヒト皮膚角化細胞(HaCaT)を播種後24時間培養した。次に、各種濃度のフラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液、および、ビタミンC水溶液をこの培地に投与し、24時間培養した。次に、各種試料投与24時間後の生細胞生存率を測定した。なお、生細胞生存率の測定は、市販のWST−1試薬(同仁化学研究所製)を用いた。この結果を図2のグラフに示す。
本実施例では、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の生体適合性を細胞レベルから検証した。まず、DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)−10%FBS(Fetal Bovine Serum)培地を用い、ヒト皮膚角化細胞(HaCaT)を播種後24時間培養した。次に、各種濃度のフラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液、および、ビタミンC水溶液をこの培地に投与し、24時間培養した。次に、各種試料投与24時間後の生細胞生存率を測定した。なお、生細胞生存率の測定は、市販のWST−1試薬(同仁化学研究所製)を用いた。この結果を図2のグラフに示す。
グラフ縦軸は、ミトコンドリア脱水素酵素によって還元されて生じた黄色ホルマザリンの450nmにおける吸光度を吸光プレートリーダーで測定し、その吸光度から算出した細胞生存率(Activity of Mitochondrial Dehydrogenase(A450))を示す。また、グラフ横軸のγ−CD/Fullerene、および、Ascorbic acidは、それぞれフラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液、および、ビタミンC水溶液を示す。また、グラフ横軸の数値は、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液、および、ビタミンC水溶液の濃度を示す。なお、「Control」は対照データ、すなわち、濃度0のときのデータである。
図2に示すように、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液では、3000ppm(1×10−3mol/L)の高濃度でも生細胞生存率に影響を及ぼさないことが分かった。これに対して、300ppmを超えるビタミンC水溶液では、細胞毒性が顕著に観測された。なお、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体に代えて、C60またはC70とγ−シクロデキストリンの複合体を用いた場合でも同様に、高濃度における生細胞生存率への影響がほとんどない。
(実施例4:フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の活性酸素発生の抑制)
本実施例では、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の紫外線B波(UVB)照射に伴う活性酸素発生の抑制効果について検証した。すなわち、細胞に紫外線B波を照射し細胞内にパーオキシド・過酸化水素を発生させて、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体が、発生したパーオキシド・過酸化水素の活性酸素を消去する量を測定および評価した。
本実施例では、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の紫外線B波(UVB)照射に伴う活性酸素発生の抑制効果について検証した。すなわち、細胞に紫外線B波を照射し細胞内にパーオキシド・過酸化水素を発生させて、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体が、発生したパーオキシド・過酸化水素の活性酸素を消去する量を測定および評価した。
この測定は、以下の手順で行った。まず、ヒト皮膚角化細胞(HaCaT)に、レドックス指示薬としてのCDCFH−DA(6−carboxy−2',7'−dichlorodihydrofluorescein diacetate)、および、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体(γ−CD/Fullerene)溶液(濃度:200μmol/L(600ppm))、もしくは、市販の化粧品に含有される安定型ビタミンC(Asc2PNa:sodium L−ascorbyl−2−phosphate)溶液(濃度:100μmol/L)を導入し培養した。
次に、この培養されたHaCaTに、紫外線B波を20J/cm2で照射し、CDCFH−DAが酸化されて発する蛍光の強度を、蛍光プレートリーダー装置(Millipore/Perceptive社製の2350型)で計測した。なお、20J/cm2の紫外線B波を照射した場合、細胞内部に生じるパーオキシド・過酸化水素の量は照射後4分で最大値となり、その後すぐに減少することから、速やかに計測操作を行った。この結果を図3に示す。グラフ縦軸の数値は、「Control」、すなわち、γ−CD/FullereneおよびAsc2PNaを導入しなかったときの蛍光の強度を100%とした相対的な蛍光の強度を示している。
図3に示すように、ヒト皮膚角化細胞(HaCaT)にあらかじめフラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液を投与しておくと、あらかじめAsc2PNaを投与しておいた場合と同様に、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液中の細胞内で発生する活性酸素量が約60%に減少することが観察された。すなわち、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体は、Asc2PNaと同等以上の活性酸素消去効果があることが分かった。
したがって、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体は、化粧料としての用途が有用であると考えられる。なお、フラライトとγ−シクロデキストリンの複合体に代えて、C60またはC70とγ−シクロデキストリンの複合体を用いた場合でも同様に、活性酸素消去効果がある。
以上より、本実施の形態に係るフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の簡易な製造方法は、極めて単純かつ実用性の高い手法である。また、この製造方法によって得られたフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体水溶液は、生体適合濃度範囲内において紫外線B波照射に対する酸化ストレス抑制効果を発揮した。したがって、この製造方法が化粧料としてのフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の適用性を具現化すると考えられる。
(実施例5:C60とγ−シクロデキストリンの複合体および複合体溶液の製造)
純度99.5%のバックミンスターフラーレンC60(Aldrich社製)10mgと、γ−シクロデキストリン(Wako社製)70mgを乳鉢に入れ、この乳鉢中で乳棒を用いて約5分間混合した。得られた茶色の固体粉末混合物に、エタノール(約20mL)を加えて混練した後、室温〜50度程度で一昼夜乾燥させた。得られた灰黒色の固体混合物を粉砕し、エタノール(約20mL)を加えて再混練した後、室温〜50℃程度で一昼夜放置しエタノールを留去した。なお、上述した一連の粉砕・エタノール混練・乾燥作業をさらに繰り返してもよいし、エタノールを留去するために50〜60℃程度の乾燥器内で乾燥させてもよい。最終的に得られた黄土色〜淡紫色の固体混合物に純水(Milli−Q水)を添加し、20g/Lの濃度の混合液を得た。得られた混合液に、超音波振動装置を用いて、約5分間超音波振動を与えた。超音波処理が施された褐色の混合液をシリンジフィルタ(0.22μm)で濾過した。得られた濾液は、淡紫色〜僅かに赤紫色を呈する水溶液であった。
純度99.5%のバックミンスターフラーレンC60(Aldrich社製)10mgと、γ−シクロデキストリン(Wako社製)70mgを乳鉢に入れ、この乳鉢中で乳棒を用いて約5分間混合した。得られた茶色の固体粉末混合物に、エタノール(約20mL)を加えて混練した後、室温〜50度程度で一昼夜乾燥させた。得られた灰黒色の固体混合物を粉砕し、エタノール(約20mL)を加えて再混練した後、室温〜50℃程度で一昼夜放置しエタノールを留去した。なお、上述した一連の粉砕・エタノール混練・乾燥作業をさらに繰り返してもよいし、エタノールを留去するために50〜60℃程度の乾燥器内で乾燥させてもよい。最終的に得られた黄土色〜淡紫色の固体混合物に純水(Milli−Q水)を添加し、20g/Lの濃度の混合液を得た。得られた混合液に、超音波振動装置を用いて、約5分間超音波振動を与えた。超音波処理が施された褐色の混合液をシリンジフィルタ(0.22μm)で濾過した。得られた濾液は、淡紫色〜僅かに赤紫色を呈する水溶液であった。
本実施例では、フラーレンとしてC60単体を用いたが、C70単体、または、C60とC70の混合物であるフラライトを用いても、同様な方法によって、フラーレンとγ−シクロデキストリンの高濃度複合体水溶液を極めて簡易に得ることができる。
(C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液中のC60含有量分析)
実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液をMilli−Q水で1/20に希釈した。この希釈水溶液の吸収スペクトルをUV/可視分光計(日本分光社製、Ubest V-550型)によって測定した。この吸収スペクトルを図4に示す。
実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液をMilli−Q水で1/20に希釈した。この希釈水溶液の吸収スペクトルをUV/可視分光計(日本分光社製、Ubest V-550型)によって測定した。この吸収スペクトルを図4に示す。
図4に示すように、この複合体水溶液は、C60に特徴的な紫外可視吸収を有しており、C60が水溶化していることが確認された。また、複合体水溶液のλmax=332nmにおける吸光度は1.6879であった。λmax=332nmにおけるC60シクロヘキサン中の既知のモル吸光係数ε=5.19×104L/mol・cmを用いると、C60とγ−シクロデキストリンの複合体中のC60の含有量は、65.0×10−5mol/Lと算出された。なお、この水溶液には、過剰のγ−シクロデキストリンも含まれている。
(過酸化水素水添加によるC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の色変化)
上述したように、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液(65.0×10−5mol/L)は淡紫色〜僅かに赤紫色を呈する。C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液が淡紫色〜僅かに赤紫色を呈するのは、C60とγ−シクロデキストリンの複合体が高濃度であることに起因する。C60とγ−シクロデキストリンの複合体が呈する色は、C60がラジカルを消去することに伴って変化する。このため、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液は、ラジカルの存在あるいはラジカル消去を示す試薬として用いることができる。
上述したように、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液(65.0×10−5mol/L)は淡紫色〜僅かに赤紫色を呈する。C60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液が淡紫色〜僅かに赤紫色を呈するのは、C60とγ−シクロデキストリンの複合体が高濃度であることに起因する。C60とγ−シクロデキストリンの複合体が呈する色は、C60がラジカルを消去することに伴って変化する。このため、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液は、ラジカルの存在あるいはラジカル消去を示す試薬として用いることができる。
以下、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液に過酸化水素水を添加したときの色の経時変化を調べた結果を説明する。具体的には、実施例5の方法で得られたC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液に過酸化水素水を一滴添加し、C60の特徴的な吸収ピーク(波長:332nm)の強度をモニターした。なお、参考として、図5および図6に、それぞれ、過酸化水素水滴下前の実施例5に係るC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液および過酸化水素水の200〜900nmの波長領域における吸収スペクトルを示す。図5および図6から分かるように、波長332nmの吸収スペクトルはC60特有の吸収波長である。図7は、過酸化水素水滴下後の実施例5に係るC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液における吸収ピーク(波長:332nm)の経時変化を示す。図7からわかるように、実施例5に係るC60とγ−シクロデキストリンの複合体水溶液の波長332nmにける吸光度は過酸化水素水滴下後に単調に減少している。これは、C60が滴下された過酸化水素水に起因するラジカルを消去することにともない、C60が分解した結果であると考えられる。
本発明によれば、フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体が、効率的に、かつ、安定して得られる。また、生体が紫外線を照射されることによって発生する活性酸素量を抑制する化粧料が得られる。
Claims (18)
- 少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンが溶解している溶液を有効成分とする化粧料。
- 前記溶液は、少なくともフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体が溶解しており、前記フラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の濃度は、600ppm以上3000ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
- 凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、
前記凹面を有する部材と前記凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧しながら、前記凹面と前記凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、
を有する調製方法によって得られる固体混合物を有効成分とする化粧料。 - 凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、
前記凹面を有する部材と前記凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧しながら、前記凹面と前記凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を加える添加工程と、
前記添加工程によって得られる第1の混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、
前記超音波処理工程によって得られる第2の混合液を濾過する工程と、
を有する調製方法によって得られる溶液を有効成分とする化粧料。 - 前記配置工程で配置するフラーレンおよびγ−シクロデキストリンは、粉体または塊の形状を有しており、この粉体または塊の数平均粒径は、1nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項3または4記載の化粧料。
- 前記配置工程で配置するフラーレンおよびγ−シクロデキストリンは、粉体または塊の形状を有しており、この粉体または塊の数平均粒径は、1nm以上2nm以下であることを特徴とする請求項4または5記載の化粧料。
- 前記配置工程で配置する前記γ−シクロデキストリンの質量は、前記配置工程で配置する前記フラーレンの質量の3倍以上8倍以下であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の化粧料。
- 前記配置工程で配置する前記γ−シクロデキストリンの質量は、前記配置工程で配置する前記フラーレンの質量の5倍以上7倍以下であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載の化粧料。
- 前記凹面を有する部材は乳鉢で、前記凸面を有する部材は乳棒であることを特徴とする請求項3から8のいずれか1項記載の化粧料。
- 前記粉砕混合工程において、モース硬度6.5以上の凹面を有する部材とモース硬度6.5以上の凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧することを特徴とする請求項3から9のいずれか1項記載の化粧料。
- 前記フラーレンは、C60を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の化粧料。
- 前記フラーレンは、C70を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の化粧料。
- 凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、
前記凹面を有する部材と前記凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧しながら、前記凹面と前記凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、
を有することを特徴とするフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体の製造方法。 - 凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、
前記凹面を有する部材と前記凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧しながら、前記凹面と前記凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を加える添加工程と、
前記添加工程によって得られる第1の混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、
前記超音波処理工程によって得られる第2の混合液を濾過する工程と、
を有することを特徴とするフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法。 - 凹面を有する部材の凹面と凸面を有する部材の凸面との間に、少なくともフラーレンおよびγ−シクロデキストリンを配置する配置工程と、
前記凹面を有する部材と前記凸面を有する部材とで前記フラーレンおよび前記γ−シクロデキストリンを押圧しながら、前記凹面と前記凸面を相対的に移動させる粉砕混合工程と、
前記粉砕混合工程で得られる固体混合物に溶剤を添加する溶剤添加工程と、
前記溶剤添加工程によって得られる混合液を乾燥させる乾燥工程と、
前記乾燥工程によって得られる固体混合物に溶剤を加える溶剤再添加工程と、
前記溶剤再添加工程によって得られる混合液を乾燥させる再乾燥工程と、
前記再乾燥工程により得られる固体混合物に水を添加する水溶化工程と、
前記水溶化工程によって得られる混合液に超音波振動を与える超音波処理工程と、
前記超音波処理工程によって得られる混合液を濾過する工程と、
を有することを特徴とするフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法。 - 前記溶剤再添加工程および再乾燥工程を2回以上繰り返すことを特徴とする請求項15に記載のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法。
- 前記溶剤添加工程および前記溶剤再添加工程において、前記溶剤としてエタノールが用いられることを特徴とする請求項15または16に記載のフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液の製造方法。
- ラジカル種の存在を示す試薬として用いられることを特徴とする請求項13から17のいずれかに記載の複合体溶液の製造方法によって製造されたフラーレンとγ−シクロデキストリンの複合体溶液。
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