JP4360171B2 - トナー製造方法 - Google Patents
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Description
粒子分散液、16はトナー粒子、18は液滴を示す。
固形分離の時間稼働率=固液分離時間/(固液分離時間+トナーケーキ洗浄時間+ フィルター再生時間)×100
図3は、本発明に係るトナー製造プロセスの一例を示す図である。
2.フィルターから排出され分離液の脱水圧力を圧力センサー等で検知
3.固液分離する装置のトナー粒子分散液の液面レベルを光学センサ、超音波サンサあるいはマイクロ波センサ等で検知
ここで「分離液」とは、固液分離に適する濃度にトナー粒子を分散するための液で、トナー粒子形成で用いたトナー粒子分散液の分散液(例えば、水系媒体、有機溶媒)でも良く、新たに加えた希釈液でも良く特に限定されるものではない。
(トナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離してトナーケーキの形成、トナーケーキの洗浄)
本発明では、トナー粒子分散液をフィルターを用いて固液分離してトナーケーキを形成し、このトナーケーキを洗浄水またはアルコールで洗浄する。
(トナーケーキの掻き取りと排出)
水により洗浄されて不純物が除去されたトナーケーキは、図7に示す回転円筒型脱水機704の回転円筒(バスケット)を高速回転させて脱水する。その後、回転円筒脱水機に取り付けられたまたは挿入されたスクレーパーで脱水されたトナーケーキがフイルター表面から掻き取られ、吸引パイプまたは排出口から排出されて次工程の乾燥装置706へ搬送される。
(フィルターの再生)
本発明では、トナー粒子や不純物により目詰まりしたフィルターを、高圧ジェット流の流体により再生することを特徴としている。
F=0.0238×P1/2×Q
式中 P:30〜100×10-3Pa
Q:5〜20L/min
ノズルとフィルター表面の「距離」は、1〜35cmが好ましい。この距離範囲内から高圧ジェット流をフィルター表面に噴射すれば、フィルターを痛めずに効率よく目詰まりしているものを除去でき好適である。
回転円筒型脱水機にセットするフィルターとして下記のものを準備した。
メッシュの材料はSUS316Lの金属ワイヤーを用いた。固液分離面を形成するフィルターのメッシュは綾畳織り、それ以外のメッシュは平織りで作製した。ワイヤーの径は表1に記載のワイヤー径のものを用いた。作製したメッシュを熱結合により一体化加工した後、バスケットに装着できる寸法に加工して「フィルター1」を作製した。
雨滴型形状のサポートロッド(SUS製)に逆三角形のワイヤーロッド(SUS製)をスリット状間隙(目開きに該当)が10μmに成るよう溶着したスクリーンを有する「フィルター2」を作製した。
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
CH3(CH2)20COOCH2C(CH2OCO(CH2)20CH3)3
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
トナー粒子は、図5の流量計が装着された回転円筒型脱水機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)に、表1に記載の「フィルター」をセットした装置を用い、上記で作製した「トナー粒子分散液1」を固液分離してトナーケーキを形成した。固液分離は表2に記載のフィルター再生条件に設定し、設定基準排出量以下になった時点で中断し、形成されたトナーケーキは回転円筒型脱水機内で洗浄し、次で機内に挿入されたスクレーパーで掻き落し、機内から排出して容器に保管した。その後、トナーケーキを「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に少しずつ供給し、トナー粒子の水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子1〜9」を作製した。
トナーケーキを排出した後、前記回転円筒型脱水機に設置されている高圧ジェット再生装置のノズル形状、流体の種類、F値を表2に記載のように変更し、ノズルとフィルターの距離=20cm、流体の温度=88℃の条件で噴射して、フイルターに目詰まりしたトナー微粒子や不純物を除去した。その後、前記ノズルからの熱風で回転円筒型脱水機全体を乾燥してフィルターの再生を完了した。
上記で作製した「トナー粒子1〜9」100質量部に、それぞれルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー1〜9」を作製し、「実施例1〜8」および「比較例1」とした。
上記で作製した「トナー1〜9」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜9」を調製した。
〈実写評価〉
電子写真方式を採用した市販の画像形成装置「コニカ9331」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行い、下記の評価項目について評価をおこなった。なお、画像濃度は「マクベスRD−918型濃度計」(マクベス社製)を用いて行った。
転写材上のトナー付着量が、1.6mg/cm2となるようプロセスを調整してプリント画像を形成した。この画像に直径0.1〜0.5mm程度の穴、すなわちトナーブリスターがあるかどうかを顕微鏡を用いて観察し、評価した。
◎ トナーブリスターが全く無く問題なし
○ 4cm2あたり1〜2個のトナーブリスターが存在するが、目視では凝視しなければ判らない程度のため実用上問題なし
△ 4cm2あたり3〜5個のトナーブリスターが存在するが、目視では凝視しなければ判らない程度のため実用上問題なし
× 4cm2あたり6個以上の明瞭なトナーブリスターが存在し実用上問題有り。
20バッチの各トナーを同一のキャリアと画像形成装置で600dpi(dpiとは1インチ(2.54cm)あたりのドット数を表す)モードで画像をプリントし解像度のロット間ばらつきを評価した。
◎ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが無く優良。
△ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以下でかろうじて実用可能
× 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以上存在し、実用上問題有り。
固液分離装置を稼働してトナー粒子生産している時間をトナーの洗浄とフィルターの再生で装置が停止していいる時間と固液分離装置を稼働してトナー粒子生産している時間との和で割った値を固液分離装置の時間稼働率として評価した。
◎ 時間稼働率が90%以上で生産性が優良
○ 時間稼働率が71〜89%で生産性が良好
× 稼働率が70%以下で生産性が悪いため実用的でない。
302 バスケット
303 バスケット回転装置
304 トナーケーキ洗浄装置
305 液の供給パイプ
306 フィルター再生装置
307−1 コーン型ノズルヘッド
307−2 ビーム型ノズルヘッド
308 分離液の排出口
309 フィルター
310 トナーケーキ排出口
401 流量計
601 高圧ジェト流供給パイプ
704 回転円筒型脱水機
Claims (7)
- 水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを有する回転円筒型脱水機を用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、該固液分離に用いられたフィルターを高圧ジェット流のノズルとフィルター表面の距離が1〜35cmの範囲で且つF値が15〜53Nである高圧ジェット流により再生するものであり、前記高圧ジェット流を構成する流体の温度が、前記トナー粒子の形成で用いた離型剤の融点よりも高いことを特徴とするトナー製造方法。
- 前記固液分離を固液分離面を形成するフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
- 前記再生が、フィルターの目詰まりを検知手段により検知し、その検知結果に基づいてフィルターの再生を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
- 前記高圧ジェット流は、コーン型ノズルから噴射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 前記高圧ジェット流は、ビーム型ノズルから噴射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 前記高圧ジェット流を構成する流体が、エアー、水、有機溶剤、酸化合物、アルカリ化合物、洗浄剤のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 前記高圧ジェット流を構成する流体が、エアー、水、有機溶剤、酸化合物、アルカリ化合物、洗浄剤の少なくとも2つ以上を組み合わせて含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
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