JP4179120B2 - トナー製造方法 - Google Patents
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Description
1.
水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、該フィルターによりトナー粒子によって形成された固液分離面で固液分離を行う工程と、該フィルターを高圧ジェット流、ブラシ、超音波、洗浄剤、ブラストによるフィルター再生方法のうちいずれかを用いて再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
2.
前記フィルターを再生する工程では、高圧ジェット流、ブラシ、超音波、洗浄剤、ブラストによるフィルター再生方法のうち少なくとも2つ以上を組み合わせてフィルターの再生を行うことを特徴とする前記1に記載のトナー製造方法。
本発明で云うメッシュとは、ワイヤーに代表されるような金属製或いは有機材料製等の線状部材(以後、単にワイヤーとも云う)を織りあげて作製したものである。
本発明で云うスクリーンとは、線状部材(以下、ワイヤーロッドとも云う)をサポートロッド上に並列配置したもので、スリット状に開口した間隙があるスクリーンである。
本発明で云う多孔質部材とは、ステンレス金属粉末等の金属粉末同士を焼結加工して作製したもので、焼結した金属粉末と金属粉末の空隙に多数の連続した細孔を有している。
本発明で云うプレートとは、機械的あるいは化学的に金属板や樹脂板に貫通した細孔を設けたものである。
固形分離の時間稼働率=固液分離時間/(固液分離時間+トナーケーキ洗浄時間+ フィルター再生時間)×100
(トナー製造プロセス)
図7は、本発明に係るトナー製造プロセスの一例を示す図である。
(固液分離装置)
本発明に係るフィルターを用いて、トナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離してトナーケーキの形成するための固液分離装置としては、特に限定されず、フィルタープレス、加圧葉状脱水機、加圧ヌッチェ、回転円筒型脱水機、回転円板型脱水機等を挙げることができるが、これらの中では回転円筒型脱水機がトナーケーキ中から不純物の除去がしやすく、且つ良好な生産性が得られ好ましい。
(トナー粒子分散液を固液分離してトナーケーキの形成、トナーケーキの洗浄)
本発明では、トナー粒子分散液を本発明に係るフィルターを用いて固液分離してトナーケーキを形成し、このトナーケーキを水またはアルコールで洗浄する。
(トナーケーキの掻き取りと排出)
水により洗浄されて不純物が除去されたトナーケーキは、図7〜10に示す回転円筒型脱水機の回転円筒(バスケット)を高速回転させて脱水する。その後、回転円筒脱水機に取り付けられたまたは挿入されたスクレーパーで脱水されたトナーケーキが本発明に係るフイルター表面から掻き取られ、吸引パイプまたは排出口から排出されて次工程の乾燥装置706へ搬送される。
(フィルターの再生)
本発明に係るフィルターは、トナー微粒子や不純物(例えば、副反応物、添加剤)等により目詰まりしたものを除去し、再生して再使用される。
固液分離装置(例えば、回転円筒型脱水機)に取り付けられた、又は挿入された高圧ジェットノズルからの高圧ジェット流(例えば、水やエアー)による方法。
固液分離装置(例えば、回転円筒型脱水機)に取り付けられた、又は挿入されたブラシをフィルターに表面に接触させて回転して行う方法。
固液分離装置(例えば、回転円筒型脱水機)に取り付けられた、又は挿入されたノズルから洗浄剤をフィルター表面に吹く付けて行う方法。
固液分離装置(例えば、回転円筒型脱水機)に取り付けられたままの、又は取り外したフィルターに超音波をかけて行う方法。
固液分離装置(例えば、回転円筒型脱水機)に取り付けられた、又は挿入されたブラストノズルからブラストによる方法。
上記再生方法を2つの以上組み合わせて行う方法。
トナー粒子によって固液分離面を形成できるフィルターにより固液分離してトナー粒子からなるトナーケーキを形成し、トナーケーキからトナー微粒子や不純物を洗浄して除去し、乾燥してトナー粒子を調製し、トナー粒子に必要に応じ外添剤を添加混合するトナー製造方法による得ることができる。
本発明に係るフィルターの材料としては、SUS316Lの金属ワイヤーを用いた。
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
CH3(CH2)20COOCH2C(CH2OCO(CH2)20CH3)3
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
上記で作製した「トナー粒子分散液1」を表1に記載の「フィルター」が装着された前記回転円筒型脱水機に液供給パイプから100L供給し、固液分離してトナーケーキを形成した。トナーケーキは回転円筒型脱水機内で洗浄水でかけ洗いし、脱水した後、機内に挿入されたスクレーパーにより掻き落し、機内から排出して容器に保管した。なお、目詰まりしたフィルターは下記のフィルターの再生方法により再生し、繰り返し使用した。
トナー粒子は、図7の流量計が装着された回転円筒型脱水機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械株式会社製)に、表1に記載の「フィルター」をセットした装置を用い、上記で作製した「トナー粒子分散液1」を固液分離してトナーケーキを形成した。
トナーケーキを排出した後、前記回転円筒型脱水機に設置されている高圧ジェット再生装置のノズル(扇型)から高圧水(70×105Pa)を10分間噴射して、フイルターに目詰まりしたトナー微粒子や不純物を除去した。その後、前記ノズルからの熱風で回転円筒型脱水機全体を乾燥してフィルターの再生を完了した。
上記で作製した「トナー1、3、4」100質量部に、それぞれルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー1、3、4」を作製して「実施例1」および「比較例1、2」とした。
上記で作製した「トナー1、3、4」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1、3、4」を調製した。
〈実写評価〉
電子写真方式を採用した市販の画像形成装置「コニカ9331」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行い、下記の評価項目について評価を行った。なお、画像濃度は「マクベスRD−918型濃度計」(マクベス社製)を用いて行った。
トナーブリスター評価は、各トナーの2ロット目を用い、転写材上のトナー付着量が、1.6mg/cm2となるようプロセスを調整してプリント画像を形成した。
◎ トナーブリスターが全く無く問題なし
○ 4cm2あたり1〜2個のトナーブリスターが存在するが、目視では凝視しなければ判らない程度のため実用上問題なし
× 4cm2あたり3個以上の明瞭なトナーブリスターが存在し実用上問題有り。
トナーロット間の解像度ばらつきは、各トナーの20ロットを同一のキャリアと画像形成装置で600dpi(dpiとは1インチ(2.54cm)あたりのドット数を表す)モードで画像をプリントし解像度のロット間ばらつきを評価した。
◎ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが無く優良
○ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが2バッチ以下で良好
△ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以下でかろうじて実用可能
× 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以上存在し、実用上問題有り。
洗浄水の使用量は、回転円筒型脱水機でトナーケーキを洗浄時、分離液(濾液)の電気伝導度が10μS/cmまで低下させるのに要した洗浄水の使用量を、回転円筒型脱水機に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量に対する質量比(洗浄水使用量/回転円筒型脱水機に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量)で評価した。
◎ 10倍量未満は使用量が極めて少なく優良
○ 10〜30倍量は使用量が少なく良好
× 30倍量以上は使用量が多く、生産性が悪いため実用的でない。
固液分離装置を稼働してトナー粒子生産している時間をトナーの水洗浄とフィルターの再生で装置が停止している時間(あるいは、フィルターを新品と交換している時間)と固液分離装置を稼働してトナー粒子生産している時間との和で割った値を固液分離装置の時間稼働率として評価した。
◎ 時間稼働率が90%以上で生産性が優良
○ 時間稼働率が71〜89%で生産性が良好
× 稼働率が70%以下で生産性が悪いため実用的でない。
フィルターを高圧ジェット水で洗浄しても分散液の排出量が、フィルター新品の排出量と比較して70%に低下したとき、フィルターのライフとした。ライフの評価は、ライフに到達するまでのフィルターの再生回数(時間)で行った。
○ 再生回数が100〜51回でフィルターのライフが長く優良
△ 再生回数が50〜20回でフィルターのライフが長く良好
× 再生回数が19回以下でフィルターのライフが短く実用的でない。
302 バスケット
303 バスケット回転装置
304 トナーケーキを水洗浄
305 液の供給パイプ
306 フィルター再生装置
307 再生用高圧ジェット水ノズルヘッド
308 分離液の排出口
309 フィルター
310 トナーケーキ排出口
401 流量計
601 洗浄水供給パイプ
704 回転円筒型脱水機
Claims (2)
- 水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、該フィルターによりトナー粒子によって形成された固液分離面で固液分離を行う工程と、該フィルターを高圧ジェット流、ブラシ、超音波、洗浄剤、ブラストによるフィルター再生方法のうちいずれかを用いて再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
- 前記フィルターを再生する工程では、高圧ジェット流、ブラシ、超音波、洗浄剤、ブラストによるフィルター再生方法のうち少なくとも2つ以上を組み合わせてフィルターの再生を行うことを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
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