JP2005141048A - トナー製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トナー画像にトナーブリスターを発生させることなく、良好な画像を形成することが可能なトナーを安定して製造するトナー製造方法を提供。
【解決手段】 水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、加圧環境下で該フィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、加圧環境下で該フィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、トナー製造方法に関し、特に、加圧環境下でフィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有するトナー製造方法に関する。
近年、機械的粉砕により製造されたトナーに代わり、湿式で造粒して製造されたトナーが小粒径化、粒径分布のシャープ化、離型剤を多量導入するのに有利なため注目されている。湿式で造粒して製造する具体的なトナーの製造方法としては、乳化会合法、懸濁重合法、分散重合法、さらには別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等がある。
水系媒体中での重合工程を経てトナー粒子を形成する乳化会合法による重合トナーは、製造工程でトナー粒子の粒径や形状を制御できるので、小粒径で粒径分布がシャープであり、かつ、個々のトナー粒子の形状が揃った粒子表面に角のない丸みを帯びたトナーが得られる(例えば、特許文献1参照。)。
この様な粒径と形状の揃ったトナーには高解像の画像形成が期待されるため、例えば1200dpi(dpiとは1インチ(2.54cm)あたりのドット数を表す)という微小なドット画像を形成するデジタル方式の画像形成への採用検討が盛んになりつつある。
湿式で造粒するトナーは、水系媒体中または有機溶媒中でトナー粒子を形成させ、トナー粒子分散液とした後、濾過装置の様な固液分離装置に代表される分離手段を用いてトナー粒子分散液からトナー粒子を分離し、その後必要に応じ外添剤を添加して得られる。
トナー粒子を分散させていた分散液中には、界面活性剤、トナー粒子より脱離した遊離離型剤粒子またはその分解物粒子等の不純物が含有されている。そのため、トナー粒子を分散液より分離する時に、これらの不純物がトナー粒子に残存しない様によく洗浄することが必要である。
トナー粒子から水溶性不純物や可溶性不純物の除去を目的として、遠心分離により固体粒子と水系媒体とを分離しながら、分離液(濾液)の電気伝導度が特定値以下になるまで洗浄水の供給を行ってトナー粒子の洗浄を行う技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、攪拌翼とフィルターとを備えた容器内に水系媒体を除去したトナー粒子を投入し、洗浄液を加えて攪拌した後、加圧環境下でトナー粒子を濾過して不純物の除去を行う技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、トナー粒子分散液の固液分離を行うことにより、フィルターの目詰まりが発生する。すなわち、トナー粒子分散液の固液分離を行うと、不溶性の塩、トナー粒子からの遊離した着色剤や離型剤等の不溶性の不純物、トナー超微粒子等がフィルターの目に詰まって目詰まりを起こす。そして、フィルターが目詰まりを発生させるたびに新しいフィルターに交換する必要があるが、交換の工数とコストがかかり、トナー粒子分散液の固液分離を迅速かつ効率よく低コストで実施することは難しかった。
とりわけ、特許文献3のように加圧環境下でトナー粒子の濾過を続けていく場合は、フィルターの目詰まりは促進され、短い周期でトナー粒子表面からの不純物除去が難しくなり、最終的には不純物の除去ができなくなる。
事実、フィルターの目詰まりを考慮せずに、上記特許文献に開示された再生方法を経て得られたトナーを用いて画像形成を行うと、画像上の高濃度部分に白い粒状の「トナーブリスター」と呼ばれる画像欠陥が発生していた。トナーブリスターとは、トナー粒子内に残存した不純物が水和物となり、定着工程の加熱により水和物が蒸気となってトナー画像上より排出される結果、トナー画像が破壊されて、画像上の高濃度部分に白い粒状の画像欠陥が発生する現象のことを云う。
この様に、トナー粒子分散液を固液分離する時にトナー粒子表面から不純物を完全に除去させる技術は画像欠陥のない良好なトナー画像形成を行う上で達成すべき課題となっていたが、この課題を解決する技術はこれまで確立されていなかった。
特開2000−214629号公報
特開2000−292976号公報
特開2001−249490号公報
本発明は、上記問題を鑑み提案されたものであり、トナー製造工程でトナー粒子表面より不純物を十分除去して作製されたトナーにより、トナーブリスターによる画像欠陥を発生させない、良好な画像形成が可能なトナーの得られるトナー製造方法を提供することを目的とする。
本発明の課題は下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、加圧環境下で該フィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
(請求項2)
前記固液分離を固液分離面を形成するフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項3)
前記固液分離を行う工程で、フィルターの目詰まりを検知手段により検知し、その検知結果に基づいてフィルターの再生を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
(請求項4)
前記フィルターを再生する工程で、再生が物理的方法で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
(請求項5)
前記トナー製造方法で製造されるトナーが、乳化会合法で製造されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
(請求項1)
水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、加圧環境下で該フィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
(請求項2)
前記固液分離を固液分離面を形成するフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
(請求項3)
前記固液分離を行う工程で、フィルターの目詰まりを検知手段により検知し、その検知結果に基づいてフィルターの再生を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
(請求項4)
前記フィルターを再生する工程で、再生が物理的方法で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
(請求項5)
前記トナー製造方法で製造されるトナーが、乳化会合法で製造されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
本発明のトナー製造方法は、加圧環境下でフィルターを用いトナー粒子分散液の固液分離を行う工程で、該固液分離をトナー粒子によって固液分離面を形成するフィルターを用いて行うとともに、該フィルターの再生を行うことにより、トナーブリスターによる画像欠陥を発生させることのない高画質のトナー画像を形成することができるトナーを安定して得られることを可能にした。
また、このような固液分離工程を採用することにより、該フィルターを再生により繰り返し使用することが可能にして、トナー粒子分散液の固液分離作業の効率を大幅に向上させることが可能になった。
本発明は、トナー粒子分散液を加圧環境下でフィルターを用いて固液分離を行う工程と、フィルターを再生する工程を有するトナー製造方法に関する。
本発明者等は、効率の良いトナー粒子分散液の固液分離技術を検討していくうちに加圧環境下で固液分離を行って形成されるトナーケーキでは、それを形成するトナー粒子間で、水分が十分に流れていける空隙が確保されていることが、トナーブリスターによる画像欠陥を発生させることのない安定したトナーを得る上で重要な条件であることに気付いた。また、トナー粒子間に空隙を形成させておいてもフィルターが頻繁に目詰まりを起こすようでは、不純物を含有した水分がトナーケーキ内に滞留しやすくなりトナー性能を阻害する要因となるので、フィルターの目詰まりを効率よく解除できるようにすることを検討し、本発明を見出したのである。
すなわち、フィルターの目詰まり状態を検知する検知手段を付けた固液分離装置を用い、検知手段で検知された値が特定の数値に達した時に、該フィルターに物理的な作用を加えてフィルターに付着した不純物を除去する工程を加えることで、トナーブリスターによる画像欠陥を発生させない安定したトナーが得られ、加圧環境下で固液分離を行うことでこの課題を解消できることを見出したのである。
このように、本発明はフィルターの目詰まり状態を常に検知しながらトナー粒子分散液の固液分離を行えるようにしたことで、トナーケーキ内に水分を滞留させずにトナー粒子間に洗浄水が均質に通過できるようにしてトナーケーキの形成を行えることを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
最初に、本発明のトナー製造方法で行われる固液分離のしくみについて説明する。
図1は、トナーケーキ中のトナー粒子が粗の状態で積み重なり、トナー粒子間に洗浄水が均質に流れる空隙が形成されている状態を示す概略図である。
図1において、11はフィルター、12はトナーケーキ、13はトナー粒子分散液、14は固液分離面を形成するメッシュ、15は補強用メッシュ、16はトナー粒子、17は固液分離面、18は液滴、10は目(細孔)を示す。
図1に示すトナーケーキ12は、トナー粒子16が粗の状態で積み重なって形成されており、トナー粒子間に洗浄水が均質に流れる空隙を形成している。この状態で形成されたトナーケーキより得られるトナーで画像形成を行うとトナーブリスターのない良好なトナー画像が形成される。
一方、図2は、トナーケーキ中のトナー粒子が密の状態で積み重なり一部が凝集体を形成し、トナー粒子間に洗浄水を均質に流せるような空隙が形成されてない状態を示す概略図である。
図2において、11はフィルター、12はトナーケーキ、13はトナー粒子分散液、14は固液分離面を形成するメッシュ、15は補強用メッシュ、16はトナー粒子、17は固液分離面、18は液滴、19は凝集体、10は目(細孔)を示す。
図2に示すトナーケーキ12は、トナー粒子16が密な状態で積み重なって一部が凝集体を形成しており、トナー粒子間に洗浄水が均質に流れるような空隙がないのでトナー粒子表面に付着している不純物を洗浄水で洗い流しにくい。この状態で形成されたトナーケーキより得られるトナーで画像形成を行うとトナーブリスターによる画像欠陥が発生し易く、良好なトナーが得られにくい。
本発明のトナー製造方法は、図1に示すようなトナー粒子間に隙間が形成されて洗浄水が良く流れる状態で固液分離が行えるようにフィルターの目詰まり状態を各種検知手段により検知し、その検知結果に基づいてフィルターを再生するこにより安定した固液分離を行えるようにした。
すなわち、トナー粒子間に空隙を設け、且つ、加圧した状態で固液分離を行うと、加圧状態とすることで、ちょうどいきよいよく流れる谷川の水が川底の岩にくっついたコケをはがして流していくように空隙を流れていくからである。
本発明のトナー製造方法では、図1に示すようなメカニズムの固液分離を行えるようにすることで、トナー粒子表面に付着した不純物の除去を効率よく行えるようにしている。なお、このような固液分離を達成させる具体的な手段については後述する。
次に、固液分離装置について説明する。
本発明で用いられる固液分離装置としては、トナー粒子分散液からトナー粒子をフィルターを用いて加圧環境下で固液分離してトナーケーキを形成し、そのトナーケーキを洗浄することができ、使用したフィルターを再生できるチャンバー型加圧容器を用いた装置を挙げることができる。具体的には、加圧固液分離機「リーフフィルターCFR」、「カスケードフィルター」(石川島播磨重工業株式会社製)、加圧濾過機「SN型 自動ケーキ掻き取り式」(日本化学機械製造株式会社製)等を挙げることができるが、これらの中で「リーフフィルターCFR」、「SN型 自動ケーキ掻き取り式」がトナーケーキ中から不純物の除去がしやすく、且つ良好な生産性が得られ好ましい。
図3は、チャンバー型加圧容器にフィルターを1枚装着するタイプの固液分離装置の一例を示す概略図である。
図4は、チャンバー型加圧容器にフィルターを多数枚装着するリーフタイプの固液分離装置の一例を示す概略図である。
図3、4において、302はチャンバー(本体)、303はフィルター、304はトナー粒子分散液の供給パイプ、305は圧送ポンプ、308は洗浄水および流体の供給パイプ、310はトナーケーキ排出口、311は濾液排出口を示す。
次に、本発明で用いられる固液分離装置について具体的に説明する。
図5は、目詰まり検知装置、トナーケーキ洗浄装置、フィルター再生装置、トナーケーキ排出装置等が装着されたフィルターが単層タイプのチャンバー型固液分離装置の一例を示す断面図である。
図5において、301は固液分離装置、302はチャンバー(本体)、303はフィルター、304はトナー粒子分散液の供給パイプ、305は圧送ポンプ、306は温風送風パイプ、307は掻き取り羽根昇降装置、308は洗浄水および流体の供給パイプ、309はノズル付きトナーケーキ掻き取り羽根、310はトナーケーキ排出口、311は濾液排出口、312は排出用ポンプ、313は流量計、314はノズル、351はトナー粒子分散液タンク、352は洗浄水タンク、353は流体保管タンク、354は温風発生装置を示す。
図5に示す固液分離装置301は、通常加圧濾過機といわれているタイプのもので、チャンバー(本体)302に、フィルター303、ノズル付きトナーケーキ掻き取り羽根309、掻き取り羽根昇降装置307が取り付けられている。トナーケーキ排出用羽根309にはフィルター再生用の流体の噴射ノズル314が装着されている。
スタート時にはトナー粒子分散液の供給パイプ304から常圧〜弱加圧でトナー粒子分散液351が供給されフィルターに固液分離面が形成される。その後、圧送ポンプ305で加圧されたトナー粒子分散液を供給して、加圧環境下でトナーケーキを形成していく。分離液(濾液)は液の排出口311から排出する。排出口311から排出される濾液(分散液)の排出量を流量計313を用いて計測し、流量が管理値を越えた時点でトナー粒子分散液の供給を停止し、固液分離を中断する。
なお、固液分離面が形成させる時の条件は、常圧〜20kPaが好ましい。この範囲で固液分離を行うことにより均一な固液分離面が形成される。
固液分離面が形成された後、固液分離を続けてトナーケーキを形成させる時の加圧環境は、10〜150kPaが好ましく、20〜100kPaがより好ましい。この範囲で固液分離を行って得られたトナーケーキにはトナー粒子間に洗浄水が均質に流れる空隙が形成されている。
その後トナーケーキを洗浄するため、洗浄水タンク352からパイプ308を通して洗浄水が供給される。トナーケーキを洗浄した洗浄水は濾液排水口311から排出する。
洗浄後のトナーケーキは、温風発生装置354で発生した温風を温風送風パイプ306から送り乾燥した後、ノズル付きトナーケーキ掻き取り用羽根309を回転させて掻き落として、トナーケーキ排出口310から排出する。
トナーケーキを掻き落とした後のフィルター303は、ノズル付きトナーケーキ掻き取り用羽根309に取り付けられたノズル314から再生用流体353を噴射して再生する。その後フィルターは温風により乾燥され、最初の工程に戻りトナー粒子分散液の送液を再スタートする。
次に、本発明のトナー製造方法について説明する。
本発明のトナー製造方法は、水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子をトナー粒子分散液とした後、図5に記載の固液分離装置を用い、加圧環境下でフィルターを用いて固液分離してトナーケーキとし、それを洗浄してトナー粒子表面から不純物を除去してトナー粒子を作製し、その後用いたフィルターを再生するという工程を繰り返して行う。本発明では、前記工程を繰り返し、多数回再生したフィルターを用いてトナーを製造することを特徴としている。
生産性の点でも、フィルターが目詰まりしたまま固液分離を続けると、フィルターの目詰まりが進み固液分離能力が低下し生産性が落ち、フィルターを交換することになり、交換時間のロス、交換コストの問題があった。
本発明では、例えば、フィルターの目詰まりを、目詰まり検知手段や固液分離した処理量等により判断し、フィルターの目詰まりが進む前にフィルターの再生を行うので、トナーケーキの洗浄に用いる洗浄水の使用量が少なく短時間で行え、且つ、フィルターの再生に要する再生水の使用量が少なく短時間で行える。その結果、固液分離の時間稼働率を上げることができ、フィルターの繰り返し使用可能回数も伸ばせるのでコストダウンが可能となる。なお、固液分離の時間稼働率は、前記式1から求めることができる。
次に、トナー製造プロセスについて説明する。
図6は、本発明に係るトナー製造プロセスの一例を示す図である。
加圧環境が設定可能な固液分離装置を用いて、図6に記載のトナー製造プロセスの順に従い具体的に説明する。
1.トナー粒子分散液を固液分離装置への常圧送液を指示する。
2.トナー粒子分散液を常圧で固液分離し、規定量の濾液が排出されたのを検知し、トナー粒子分散液の加圧送液にてフィルターに固液分離面を形成する。
3.トナー粒子分散液を加圧送液する。
4.目詰まり検知手段で、目詰まり状態を判断する。
5.目詰まりしていないと判断すれば、トナー粒子分散液のさらなる加圧送液を指示する。
6.目詰まりと判断した時点で、トナー粒子分散液の送液を止め、トナーケーキの洗浄を指示する。
7.トナーケーキの排出を指示する。
8.排出完了の信号でフィルターの再生を指示する。
9.1の工程にもどり、トナー製造を続行を指示する。
図7は、本発明に好ましく用いられるトナー製造フローの一例を示す図である。
図7に示すフローに従って各工程を説明する。タンク7にストックしてあるトナー粒子分散液351を固液分離装置301へ送液し、トナー粒子分散液の供給量と濾液排出口311からの排出液量のバランスを見ながら固液分離装置301の操作を続ける。排出量が定められた値を下回った時点でトナー粒子分散液の供給を停止して固液分離を完了し、トナーケーキの水洗浄・脱水した後、ノズル付きトナーケーキ掻き取り用羽根309によりトナーケーキをケーキ排出口310から取り出す。取り出されたトナーケーキはストックタンク705に蓄えられ、好ましくは解碎処理された後乾燥装置706へ送られ、温風715により乾燥された後、サイクロン707でトナー粒子が回収され、トナー粒子ストックタンク708へ蓄えられる。
図8は、本発明により好ましく用いられるトナー製造フローの一例を示す図である。
図8に示すフローは、タンクにストックしてあるトナー粒子分散液351を、デカンター702で濃縮した後、調液タンク703に送液する。デカンター702では水より比重の小さい不純物はあらかじめ除去される。調整タンク703では希釈液711が加えられ、濃縮された液中のトナー粒子を再分散するとともに固液分離に適する濃度に調整すると同時に水溶性不純物をこの再分散液中に溶解させる。再分散されたトナー粒子分散液固液分離装置301へ投入され、以降は図7と同じ操作を行う。
乾燥装置としては、フラッシュジェットドライヤー、流動床乾燥装置、スプレードライヤー、真空凍結乾燥装置、加圧乾燥装置等を挙げることができるが、これらの中の2種以上の乾燥装置を直列に配置して乾燥することが好ましい。
乾燥処理されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下である。
次に、本発明で用いられるフィルターについて説明する。
上記固液分離装置に装着するフィルターは、トナー粒子によって固液分離面を形成して固液分離ができ、再生して再使用できるものが好ましく、具体的には、メッシュを有するフィルター、スクリーンを有するフィルター、多孔質部材を有するフィルター、プレートを有するフィルター等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
本発明に好ましく用いられるフィルターについて詳細に説明する。
1.メッシュを有するフィルター
本発明で云うメッシュとは、ワイヤーに代表されるような金属製或いは有機材料製等の線状部材(以後、単にワイヤーとも云う)を織りあげて作製したものである。
本発明で云うメッシュとは、ワイヤーに代表されるような金属製或いは有機材料製等の線状部材(以後、単にワイヤーとも云う)を織りあげて作製したものである。
具体的には、線状部材である縦線(メッシュの長い方の線)と横線(メッシュの幅になる方の線)を規則的に配列し織ったもので、織り方としては、公知の平織、綾織、平畳織、綾畳織、むしろ織等が挙げられるが、これらの中では、精度、取り扱いやすさ等の点で綾畳織が好ましい。
本発明に用いられるメッシュを有するフィルターの例としては、固液分離面を形成するメッシュに、保護する目的や補強する目的で他のメッシュをシンタリングと呼ばれる熱結合処理を行って一体化加工して作製したものを挙げることができる。
ワイヤの材質としては、耐圧強度が有り、他の層と熱結合により一体化加工できるものなら特に限定されず、金属製ワイヤとしてはステンレス(316L、SUS904L)、ニッケル等を用いることができるが、これらの中ではステンレスの316Lが加工性、耐圧強度の点で好ましい。また、有機材料製のワイヤーの材質としては、ケブラーに代表される高張力、高弾性の繊維材料が好ましく、フィルター自体の質量を軽減させる利点を有していいる。
図9は、メッシュを有するフィルターの一例を示す概念図と断面図である。
図9において、20は固液分離面を形成するメッシュ(綾畳織り)、21はそのメッシュの縦線、22はそのメッシュの横線、100はフィルター、101は固液分離面を形成するメッシュを保護するためのメッシュ、102は固液分離面を形成するメッシュを、103、104、105は固液分離面を形成するメッシュを補強するためのメッシュを示す。
2.スクリーンを有するフィルター
本発明で云うスクリーンとは、線状部材(以下、ワイヤーロッドとも云う)をサポートロッド上に並列配置したもので、スリット状に開口した間隙があるスクリーンである。
本発明で云うスクリーンとは、線状部材(以下、ワイヤーロッドとも云う)をサポートロッド上に並列配置したもので、スリット状に開口した間隙があるスクリーンである。
ワイヤーロッドの断面形状としては、逆三角形、半円形、円形等が挙げられるがこれらの中では逆三角形が好ましい。また、サポートロッドの形状としては、三角形、雨滴型、円形等が挙げられるが雨滴型がワイヤーロッドを溶接しやすく好ましい。
ワイヤロッドおよびサポートロッドの材質としては、特に限定されないが耐圧強度が有り、溶着加工できるものなら特に限定されず、ステンレス(316L、SUS904L)、ニッケル等を用いることができるが、これらの中ではステンレスの316Lが耐圧強度および溶着加工性の点で好ましい。
図10は、スクリーンを有するフィルターの一例を示す概念図と断面図である。
図10において、30はスクリーン、31はワイヤーロッド、32はサポートロッド、33はスリット状の開口(目開きに該当)、34はワイヤーロッドの幅を示す。
3.多孔質部材を有するフィルター
本発明で云う多孔質部材とは、ステンレス金属粉末等の金属粉末同士を焼結加工して作製したもので、焼結した金属粉末と金属粉末の空隙に多数の連続した細孔を有している。
本発明で云う多孔質部材とは、ステンレス金属粉末等の金属粉末同士を焼結加工して作製したもので、焼結した金属粉末と金属粉末の空隙に多数の連続した細孔を有している。
多孔質部材を有するフィルターの具体例としては、金属粉末と金属粉末とが接点で焼結され強固な一体となった多孔質部材をまず作製し、該多孔質部材に補強メッシュを溶着して形成したものを挙げることができる。なお、細孔の大きさは、多孔質部材の作製に用いた金属粉末の大きさと作製時の圧力と温度により決まる。
図11は、多孔質部材を有するフィルターの一例を示す概念図と断面図である。
図11において、40は多孔質部材、41は金属粉、42は細孔(目)、43は補強メッシュ、44はフィルターを示す。
4.プレートを有するフィルター
本発明で云うプレートとは、機械的あるいは化学的に金属板や樹脂板に貫通した細孔を設けたものである。
本発明で云うプレートとは、機械的あるいは化学的に金属板や樹脂板に貫通した細孔を設けたものである。
プレートを有するフィルターの具体例としては、ステンレス板、樹脂フィルム、樹脂板等を化学的エッチングあるいは機械的加工により貫通した細孔を設けたプレートに補強メッシュを溶着して形成したものを挙げることができる。
図12は、プレートを有するフィルターの一例を示す概念図と断面図である。
図12において、50はプレート、51はステンレス板、52は細孔(目)、53は補強メッシュを示す。
固液分離面が形成されるフィルターの目開き(以下、細孔、間隙、空隙の大きさとも云う)は、2〜45μmで、好ましくは5〜35μmである。
固液分離面が形成されるフィルターの目開きは、トナー粒子の個数平均粒径の0.2〜20倍が好ましく、0.5〜10倍がより好ましい。前記メッシュの目開きは、トナー粒子の個数平均粒径より20倍程度まで大きくても、固液分離開始とともに目にトナー粒子が相互に支え合ってブリッジを形成しながらパッキングされて固液分離面が形成されるのでトナー粒子がフィルターを通過して流出することは無い。なお、トナー粒子の個数平均粒径は良好なトナー画質を得るために3〜8μmが好ましい。
次に、トナーケーキの洗浄について説明する。
固液分離されて形成されたトナーケーキは、チャンバー内に装着されたノズルから噴射される洗浄水、あるいはチャンバーに再度満たした洗浄水により加圧環境下で洗浄される。上記方法によりトナー粒子間を効率よく洗浄水が通り抜けつつトナー粒子表面を洗浄するため、トナー粒子表面に付着している不純物が洗い流され除去される。
その結果、現像転写特性に優れたトナーが製造でき、トナーロット間差が生じることなく常に高い解像度で画像が形成できる。さらに、トナーの転写率が高まり、トナーの消費量が低減できるとともに、ユーザーにとっては煩雑な転写残トナー回収ボックスの交換頻度を下げることができる。
洗浄水による洗浄は、濾液の電気伝導度が50μS/cm以下になるまで続けられる。濾液の電気伝導度が50μS/cm以下になるまで洗浄すると、トナー粒子に付着している不純物の残存量が低減され好ましい。さらに、濾液の電気伝導度が10μS/cm以下になるまで洗浄を続けると、トナー粒子に付着する不純物の量がさらに低減されより好ましい。
濾液の電気伝導度は、通常の電気伝導度計により測定することができ、測定器としの一例として「CM−10P」(東亜電波工業株式会社製)を挙げることができる。
洗浄に用いられる水としては、特に限定されないが、濾液の電気伝導度を50μS/cm以下とするためには、5μS/cm以下の電気伝導度の水を用いることが好ましい。さらに、磁気や超音波を用いて水のクラスタを小さくすることにより洗浄性能を高めた水を用いても良い。
洗浄に用いられる洗浄水の供給量は、トナーケーキの固形分に対して30倍以上使用されるが、本発明の方法ではそれ以下でも十分な洗浄ができる。
本発明では、フィルターを再生する工程を有することを特徴としているが、フィルターの再生はフィルターの目詰まり状態を検知して行うことが好ましい。
フィルターの目詰まり状態は、固液分離中にフィルターを固液分離装置か取り出して観察できないので、間接的な検知手段により検知した値から推測することが好ましい。
フィルターの目詰まり状態を検知し、検知結果に基づいてフィルターを再生することで、良好な固液分離能力を維持し続けることが可能である。
フィルターの目詰まり状態を検知し、検知結果に基づいてトナーケーキの洗浄と物理的方法でフィルターの再生を行うので、トナーケーキの洗浄に用いる洗浄水の使用量が少なく短時間で行え、且つ、フィルターの再生に要する再生水の使用量が少なく短時間で行える。その結果、固液分離装置の時間稼働率を上げることができ、フィルターの繰り返し使用可能回数も伸ばすことが可能となる。
ここで、固液分離装置の時間稼働率とは、下記式1で求めた値であり、固液分離装置の時間稼働率の値は大きいほど生産性が良く好ましい。
式1
固形分離の時間稼働率(%)=固液分離装置の稼働時間/(固液分離装置の稼働時 間+フィルターの再生或いは交換時間)×100
本発明に係るフィルターは、固液分離を行うことにより目埋まりしたトナー超微粒子や不純物(例えば、副反応物、添加剤)等を除去し、再生して再使用する。
固形分離の時間稼働率(%)=固液分離装置の稼働時間/(固液分離装置の稼働時 間+フィルターの再生或いは交換時間)×100
本発明に係るフィルターは、固液分離を行うことにより目埋まりしたトナー超微粒子や不純物(例えば、副反応物、添加剤)等を除去し、再生して再使用する。
目詰まりしたフィルターの再生は物理的方法により行うことが好ましい。具体的な物理的方法としては、高圧流体、ブラシ、超音波、ブラスト、これらを少なくとも2つの方法以上を組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
次に、目詰まりしたフィルターの再生する方法をより具体的に説明する。
1.高圧流体による再生方法
例えば、ノズルヘッドから水、蒸気、エアー等の流体をフィルターに吹き付ける。
例えば、ノズルヘッドから水、蒸気、エアー等の流体をフィルターに吹き付ける。
2.ブラシによる再生方法
例えば、回転するブラシやスクレーパーをフィルターに接触させる。
例えば、回転するブラシやスクレーパーをフィルターに接触させる。
3.超音波による再生方法
例えば、水を満たしトレイ中に超音波発振器を投入し、超音波を発振する。
例えば、水を満たしトレイ中に超音波発振器を投入し、超音波を発振する。
4.ブラストによる再生方法
例えば、氷ペレット、ドライアイスペレット、樹脂粒子、金属粒子等のブラストをフィルターに吹き付ける。
例えば、氷ペレット、ドライアイスペレット、樹脂粒子、金属粒子等のブラストをフィルターに吹き付ける。
なお、流体を噴射するノズルのヘッド形状は、具体的にフラット(扇型)、フルコーン(円形全面型)、ホロコーン(円錐型)、ソリッド(直進型)を挙げることができるが、これらの中でフラット(扇型)、ソリッド(直進型)が再生効率の観点から好ましい。
次に、本発明に係るトナーの製造について説明する。
本発明に係るトナーは、水系媒体中または有機溶媒中でトナー粒子を形成させ、トナー粒子分散液とした後に、トナー粒子によって固液分離面を形成できるフィルターにより固液分離してトナー粒子からなるトナーケーキを形成し、トナーケーキからトナー超微粒子や不純物を洗浄して除去し、乾燥してトナー粒子を調製し、トナー粒子に必要に応じ外添剤を添加混合して製造することができる。
水系媒体、有機溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、またはこれらを混合したものを挙げることができるが特に限定されるものではない。トナーの製造にはこれらの中から適したものを選ぶことができる。
トナー粒子分散液の製造方法は、公知の製造方法により作製することができ、具体的には、乳化会合法、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法、連続式乳化分散法等を挙げることができるが特に限定されるものではない。
以下、乳化会合法によるトナー粒子分散液の製造方法について説明する。
乳化重合によるトナー粒子分散液の製造方法は、水系媒体中でトナー粒子を形成させる方法で、例えば特開2002−351142号公報等に開示されている。
また、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に開示される樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させてトナー粒子分散液を製造する方法を挙げることができる。
具体的には、水中で樹脂粒子を乳化剤を用いて分散させた後、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加えて塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、トナー粒子分散液調製するものである。なお、ここにおいて凝集剤と同時にアルコールなど水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
固液分離装置としては、図8に記載の固液分離装置を用いた。
《フィルターの作製》
本発明に係るフィルターの線状部材としては、SUS316Lの金属ワイヤーを用いた。
本発明に係るフィルターの線状部材としては、SUS316Lの金属ワイヤーを用いた。
「フィルター1」は、表1に記載の金属ワイヤー径を用い、固液分離面を形成するメッシュを綾畳織り、それ以外のメッシュを平織りで作製し、それらを熱結合(シンタリング)により一体化加工して作製した。一体化加工したフィルターを、図5に記載に装着できるよう加工して作製した。
「フィルター2」は、不織布(岡田帆布株式会社製、通気量192ml/cm2・min)を図5に記載に装着できるよう加工して作製した。
表1に、上記で作製した「フィルター1」、「フィルター2」の目開き等を示す。
《トナーの製造》
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
〈トナー粒子分散液1の作製(乳化会合法の例)〉
(ラテックス(1HML)の調製)
(1)核粒子の調製(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコにアニオン系界面活性剤
式(101)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、フラスコ内の温度を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)9.2gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン70.1g、n−ブチルアクリレート19.9g、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第一段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の分散液)を調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
(2)中間層の形成(第二段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン105.6g、n−ブチルアクリレート30.0g、メタクリル酸6.2g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル5.6gからなる単量体混合液に離型剤として、下記式で表される化合物(以下、「例示化合物(19)」と云う。)98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
例示化合物(19)
CH3(CH2)20COOCH2C(CH2OCO(CH2)20CH3)3
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
CH3(CH2)20COOCH2C(CH2OCO(CH2)20CH3)3
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(101))1.6gをイオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック株式会社製)により、前記例示化合物(19)の単量体溶液を8時間混合分散させて284nmの分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5.1gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液とイオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第二段重合)を行い、ラテックス(高分子量樹脂からなる樹脂粒子の表面が中間分子量樹脂により被覆された構造の複合樹脂粒子の分散液)を得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
前記「ラテックス(1HM)」を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物(19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
(3)外層の形成(第三段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)7.4gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン300g、n−ブチルアクリレート95g、メタクリル酸15.3g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル10.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第三段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(高分子量樹脂からなる中心部と、中間分子量樹脂からなる中間層と、低分子量樹脂からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液)を得た。このラテックスを「ラテックス(1HML)」とする。
この「ラテックス(1HML)」を構成する複合樹脂粒子は、138,000、80,000及び13,000にピーク分子量(重量)を有するものであり、また、この複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。
(トナー粒子分散液の作製)
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
アニオン系界面活性剤(ドデシル硫酸ナトリウム)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、「C.I.ピグメントブルー15:3」420.0g徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、「着色剤粒子の分散液」を調製した。
「ラテックス(1HML)」420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと、「着色剤粒子の分散液」166gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6〜60分間かけて90℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。その状態で、「コールターカウンター TA−II」(コルターカウンター株式会社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.4μmになった時点で、塩化ナトリウム80.4gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度98℃にて2時間加熱攪拌することにより、粒子の融着を完結させた。
その後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.5に調整し、「トナー粒子分散液1」を作製した。
〈トナー粒子分散液2の作製(懸濁重合法の例)〉
スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、「C.I.ピグメントブルー15:3」10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g、パラフィンワックス(mp=70℃)20gを混合し、60℃に加温し、「TKホモミキサー」(特殊機化工業株式会社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解させ、「重合性単量体組成物4」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、「TKホモミキサー」にて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた「懸濁液4」を調製した。この「懸濁液4」に上記「重合性単量体組成物4」を添加し、「TKホモミキサー」にて10000rpmで20分間攪拌し、「重合性単量体組成物4」を造粒した。その後、反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、「トナー粒子分散液2」を作製した。
スチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、「C.I.ピグメントブルー15:3」10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g、パラフィンワックス(mp=70℃)20gを混合し、60℃に加温し、「TKホモミキサー」(特殊機化工業株式会社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解させ、「重合性単量体組成物4」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、「TKホモミキサー」にて13000rpmで攪拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた「懸濁液4」を調製した。この「懸濁液4」に上記「重合性単量体組成物4」を添加し、「TKホモミキサー」にて10000rpmで20分間攪拌し、「重合性単量体組成物4」を造粒した。その後、反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、「トナー粒子分散液2」を作製した。
〈トナー粒子分散液3の作製(溶解懸濁法の例)〉
(顔料分散液の調製)
ポリエステル樹脂 50質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
C.I.ピグメントブルー15:3 50質量部
酢酸エチル 100質量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えた容器を、サンドミル分散機に装着した。容器周りを冷却しながら、高速攪拌モードで8時間分散し、その後酢酸エチルで希釈して顔料濃度15質量%の「顔料分散液3」を調製した。
(顔料分散液の調製)
ポリエステル樹脂 50質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
C.I.ピグメントブルー15:3 50質量部
酢酸エチル 100質量部
上記材料組成の分散液に、ガラスビーズを加えた容器を、サンドミル分散機に装着した。容器周りを冷却しながら、高速攪拌モードで8時間分散し、その後酢酸エチルで希釈して顔料濃度15質量%の「顔料分散液3」を調製した。
(微粒子化ワックスの分散液の調製)
パラフィンワックス(融点:85℃) 15質量部
トルエン 85質量部
上記材料を攪拌羽根を装着し、容器周りに熱媒を循環させる機能を持った分散機に投入した。毎分83回転で攪拌しながら徐々に温度を上げてゆき、最後に100℃に保ったまま3時間攪拌した。次に攪拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。このワックス分散液を高圧乳化機「APVゴーリンホモジナイザ」(APVゴーリン株式会社製)を用い、圧力550×105Paで再度分散を行った。同時にワックス粘度を測定したところ0.69μmであった。調製した微粒子ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が15質量%になるように酢酸エチルで希釈して「微粒子化ワックスの分散液3」を作製した。
パラフィンワックス(融点:85℃) 15質量部
トルエン 85質量部
上記材料を攪拌羽根を装着し、容器周りに熱媒を循環させる機能を持った分散機に投入した。毎分83回転で攪拌しながら徐々に温度を上げてゆき、最後に100℃に保ったまま3時間攪拌した。次に攪拌を続けながら毎分約2℃の割合で室温まで冷却し、微粒子化したワックスを析出させた。このワックス分散液を高圧乳化機「APVゴーリンホモジナイザ」(APVゴーリン株式会社製)を用い、圧力550×105Paで再度分散を行った。同時にワックス粘度を測定したところ0.69μmであった。調製した微粒子ワックスの分散液は、ワックスの質量濃度が15質量%になるように酢酸エチルで希釈して「微粒子化ワックスの分散液3」を作製した。
(油相の調製)
ポリエステル樹脂 85質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
顔料分散液5(顔料濃度 15質量%) 50質量部
微粒子化ワックスの分散液5(ワックス濃度 15質量%) 33質量部
酢酸エチル 32質量部
上記材料組成中のポリエステル樹脂が十分に溶解したことを確認した後に、この溶液をホモミキサー「エースホモジナイザー」(日本精機株式会社製)に投入し、毎分16000回転で2分間攪拌し、均一な「油相5」を調製した。
ポリエステル樹脂 85質量部
(Tg:60℃、軟化点:98℃、重量平均分子量:9500)
顔料分散液5(顔料濃度 15質量%) 50質量部
微粒子化ワックスの分散液5(ワックス濃度 15質量%) 33質量部
酢酸エチル 32質量部
上記材料組成中のポリエステル樹脂が十分に溶解したことを確認した後に、この溶液をホモミキサー「エースホモジナイザー」(日本精機株式会社製)に投入し、毎分16000回転で2分間攪拌し、均一な「油相5」を調製した。
(水相の調製)
炭酸カルシウム(平均粒径:0.03μm) 60質量部
純水 40質量部
上記材料をボールミルで4日間攪拌して得られた炭酸カルシウム水溶液を「水相(炭酸カルシウム水溶液)5」とした。「レーザ回折/散乱粒度分布測定装置A−700」(堀場製作所製)を用いて炭酸カルシウムの平均粒径を測定すると約0.08μmであった。
炭酸カルシウム(平均粒径:0.03μm) 60質量部
純水 40質量部
上記材料をボールミルで4日間攪拌して得られた炭酸カルシウム水溶液を「水相(炭酸カルシウム水溶液)5」とした。「レーザ回折/散乱粒度分布測定装置A−700」(堀場製作所製)を用いて炭酸カルシウムの平均粒径を測定すると約0.08μmであった。
カルボキシメチルセルロース 2質量部
純水 98質量部
上記材料をボールミルで攪拌して得られたカルボキシメチルセルロースの水溶液を「水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5」とした。
純水 98質量部
上記材料をボールミルで攪拌して得られたカルボキシメチルセルロースの水溶液を「水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5」とした。
(球形粒子の調製)
油相5 55質量部
水相(炭酸カルシウム水溶液)5 15質量部
水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5 30質量部
上記材料を「コロイドミル」(日本精機株式会社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分9400回転で40分間乳化を行った。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温4,000Paの減圧下で3時間脱溶媒を行った。
油相5 55質量部
水相(炭酸カルシウム水溶液)5 15質量部
水相(カルボキシメチルセルロース水溶液)5 30質量部
上記材料を「コロイドミル」(日本精機株式会社製)に投入し、ギャップ間隔1.5mm、毎分9400回転で40分間乳化を行った。次に上記乳化物を、ロータリーエバポレータに投入、室温4,000Paの減圧下で3時間脱溶媒を行った。
その後12mol/Lの塩酸をpH2になるまで加え、炭酸カルシウムをトナー表面から除去した。その後、10mol/Lの水酸化ナトリウムをpH10になるまで加え、さらに超音波洗浄槽中で攪拌しながら1時間攪拌を継続し「トナー粒子分散液3」を作製した。
〈フィルターを用いた固液分離工程〉
図5に記載の固液分離装置を使用し、表1に記載の「フィルター」をセットし、上記で作製した「トナー粒子分散液1〜3」を、50kPaの加圧環境で固液分離してトナーケーキを形成した。
図5に記載の固液分離装置を使用し、表1に記載の「フィルター」をセットし、上記で作製した「トナー粒子分散液1〜3」を、50kPaの加圧環境で固液分離してトナーケーキを形成した。
固液分離は表2に記載の設定基準排出量以下になった時点で終了し、形成されたトナーケーキを洗浄水で濾液の電気伝導度が5μm/cmになるまで洗浄し、次で機内のスクレーパーで掻き落し、機内から排出して容器に保管した。なお、目詰まりしたフィルターは下記のフィルターの再生方法により再生し、繰り返し使用した。
上記工程を繰り返し、フィルターを再使用して20ロットのトナーケーキを作製した。
上記で作製されたトナーケーキは「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業株式会社製)に少しずつ供給し、トナー粒子の水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー粒子1〜9」を作製した。
なお、トナー粒子7、9は、常圧のため固液分離に長時間を要し、1ロットで作製を終了した。
〈外添剤の混合〉
上記で作製した「トナー粒子1〜9」100質量部に、それぞれ疎水性ルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS(ヘキサメチレンジシラン)処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー1〜9」を作製して「実施例1〜6」および「比較例1〜3」とした。
上記で作製した「トナー粒子1〜9」100質量部に、それぞれ疎水性ルチル型酸化チタン(体積平均粒径=20nm、n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8質量部、球形単分散シリカ(ゾルゲル法で得られたシリカゾルにHMDS(ヘキサメチレンジシラン)処理を行い、乾燥、粉砕処理を施した粒子径D50=127nm)1.8質量部を混合し、「ヘンシェルミキサー」(周速30m/s)(三井三池化工株式会社製)で15分間ブレンドを行った。その後、目開き45μmのフィルターを用いて粗粒を除去し、「トナー1〜9」を作製して「実施例1〜6」および「比較例1〜3」とした。
《現像剤の調製》
上記で作製した「トナー1〜9」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜9」を調製した。
上記で作製した「トナー1〜9」のそれぞれに、体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%の「現像剤1〜9」を調製した。
《フィルターの再生》
トナーケーキを排出した後、フラット型ノズル(扇型)から表2に記載のフィルター再生用流体を噴射して、フイルターに目詰まりしたトナー超微粒子や不純物を除去した。その後、温風を吹き込み全体を乾燥してフィルターの再生を完了した。
トナーケーキを排出した後、フラット型ノズル(扇型)から表2に記載のフィルター再生用流体を噴射して、フイルターに目詰まりしたトナー超微粒子や不純物を除去した。その後、温風を吹き込み全体を乾燥してフィルターの再生を完了した。
フィルターのライフ(繰り返し使用できるフィルターの再生回数(n回))は、固液分離スタート時の排出量が、フィルター新品の排出量の70%なった時点をとする。
表2に、固液分離に用いたトナー粒子分散液、フィルター、固液分離条件、フィルター再生用流体、固液分離を終了する設定基準排出量等を示す。
《評価》
〈実写評価〉
電子写真方式を採用した市販のカラー画像形成装置「コニカ9331」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行い、下記の評価項目について評価を行った。なお、トナー性能の差を明瞭にするため4色用の現像ユニット全てに黒トナーが使用できるよう改造して評価した。
〈実写評価〉
電子写真方式を採用した市販のカラー画像形成装置「コニカ9331」(コニカ株式会社製)の現像器に上記トナーと現像剤をセットしプリントを行い、下記の評価項目について評価を行った。なお、トナー性能の差を明瞭にするため4色用の現像ユニット全てに黒トナーが使用できるよう改造して評価した。
(トナーブリスター)
トナーブリスター評価は、各トナーの2ロット目を用い、転写材上のトナー付着量が、1.6mg/cm2となるようプロセスを調整してプリント画像を形成した。
トナーブリスター評価は、各トナーの2ロット目を用い、転写材上のトナー付着量が、1.6mg/cm2となるようプロセスを調整してプリント画像を形成した。
この画像に直径0.1〜0.5mm程度の穴、すなわちトナーブリスターがあるかどうかを顕微鏡を用いて観察し、評価した。
評価基準
◎ トナーブリスターが全く無く問題なし
○ 4cm2あたり1〜2個のトナーブリスターが存在するが、目視では凝視しなければ判らない程度のため実用上問題なし
× 4cm2あたり3個以上の明瞭なトナーブリスターが存在し実用上問題有り。
◎ トナーブリスターが全く無く問題なし
○ 4cm2あたり1〜2個のトナーブリスターが存在するが、目視では凝視しなければ判らない程度のため実用上問題なし
× 4cm2あたり3個以上の明瞭なトナーブリスターが存在し実用上問題有り。
(解像度のロット間ばらつき)
解像度のロット間ばらつきは、各トナーの20ロットを同一のキャリアと画像形成装置で600dpi(dpiとは1インチ(2.54cm)あたりのドット数を表す)モードで画像をプリントし解像度のロット間ばらつきを評価した。
解像度のロット間ばらつきは、各トナーの20ロットを同一のキャリアと画像形成装置で600dpi(dpiとは1インチ(2.54cm)あたりのドット数を表す)モードで画像をプリントし解像度のロット間ばらつきを評価した。
1mmあたり8.0本の白黒パターンを主走査方向で印字し、画像濃度において1mmあたり1本の周波数解析の基準ピーク値に対するサンプル周波数解析のピーク値を求め、以下の評価基準で評価した。
評価基準
◎ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが無く優良
○ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが2バッチ以下で良好
△ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以下でかろうじて実用可能
× 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以上存在し、実用上問題有り。
◎ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが無く優良
○ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが2バッチ以下で良好
△ 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以下でかろうじて実用可能
× 基準ピーク値に対する比が50%未満であるバッチが1バッチ以上存在し、40〜50%であるバッチが8バッチ以上存在し、実用上問題有り。
(トナー転写率)
画素率25%の画像をプリントし、500mlに改造した転写残トナー回収ボックスが転写残トナーでいっぱいになるまでのプリント枚数をチェクし、トナー転写率の評価を行った。
画素率25%の画像をプリントし、500mlに改造した転写残トナー回収ボックスが転写残トナーでいっぱいになるまでのプリント枚数をチェクし、トナー転写率の評価を行った。
◎:10万プリントのプリントを行ってもトナー回収ボックスがいっぱいにならずトナー回収ボックス交換不要(トナー転写率非常に良好)
○:8〜10万プリントでトナー回収ボックスがいっぱいになりトナー回収ボックス交換
×:8万プリント未満でトナー回収ボックスがいっぱいになりトナー回収ボックス交換(トナー転写率悪い)。
○:8〜10万プリントでトナー回収ボックスがいっぱいになりトナー回収ボックス交換
×:8万プリント未満でトナー回収ボックスがいっぱいになりトナー回収ボックス交換(トナー転写率悪い)。
〈洗浄水の使用量〉
洗浄水の使用量は、トナーケーキを洗浄時、分離液(濾液)の電気伝導度が5μS/cmまで低下させるのに要した洗浄水の使用量を、固液分離装置に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量に対する質量比(洗浄水使用量/固液分離装置に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量)で評価した。
洗浄水の使用量は、トナーケーキを洗浄時、分離液(濾液)の電気伝導度が5μS/cmまで低下させるのに要した洗浄水の使用量を、固液分離装置に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量に対する質量比(洗浄水使用量/固液分離装置に投入したトナー粒子分散液中のトナー粒子量)で評価した。
尚、電気伝導度の測定は「CM−10P」(東亜電波工業株式会社製)を使用して行った。
評価基準
◎ 10倍量未満は使用量が極めて少なく優良
○ 10〜30倍量は使用量が少なく良好
× 30倍量以上は使用量が多く、生産性が悪いため実用的でない。
◎ 10倍量未満は使用量が極めて少なく優良
○ 10〜30倍量は使用量が少なく良好
× 30倍量以上は使用量が多く、生産性が悪いため実用的でない。
〈固液分離装置の時間稼働率〉
前記式1により固液分離装置の時間稼働率を求め評価した。
前記式1により固液分離装置の時間稼働率を求め評価した。
評価基準
◎ 時間稼働率が90%以上で生産性が優良
○ 時間稼働率が71〜89%で生産性が良好
× 稼働率が70%以下で生産性が悪いため実用的でない。
◎ 時間稼働率が90%以上で生産性が優良
○ 時間稼働率が71〜89%で生産性が良好
× 稼働率が70%以下で生産性が悪いため実用的でない。
〈フィルターのライフ(使用可能回数または使用可能時間)〉
フィルターを高圧水で洗浄しても分散液の排出量が、フィルター新品の排出量と比較して70%に低下したとき、フィルターのライフとした。ライフの評価は、ライフに到達するまでのフィルターの再生回数(時間)で行った。
フィルターを高圧水で洗浄しても分散液の排出量が、フィルター新品の排出量と比較して70%に低下したとき、フィルターのライフとした。ライフの評価は、ライフに到達するまでのフィルターの再生回数(時間)で行った。
◎ 再生回数が150回以上でフィルターのライフが特に長く優良
○ 再生回数が100〜149回でフィルターのライフが長く優良
△ 再生回数が50〜99回でフィルターのライフが長く良好
× 再生回数が49回以下でフィルターのライフが短く実用的でない。
○ 再生回数が100〜149回でフィルターのライフが長く優良
△ 再生回数が50〜99回でフィルターのライフが長く良好
× 再生回数が49回以下でフィルターのライフが短く実用的でない。
表3に、トナーブリスター、解像度のロット間ばらつき、トナー転写率、洗浄水の使用量、固液分離装置の時間稼働率、フィルターのライフの評価結果を示す。
表3から明らかなように、本発明のトナー製造方法で作製した「トナー1〜6」は比較例の「トナー7〜9」と比較して、トナーリスターの発生が少なく、解像度のロット間ばらつきが少なく、トナー転写率も良く長期間安定して良好な画像を得ることができ、且つ洗浄水の使用量も少なく、固液分離の時間稼働率も高く、フィルターのライフも長く優れた効果を有する。
301 固液分離装置
302 チャンバー(本体)
303 フィルター
304 トナー粒子分散液の供給パイプ
305 圧送ポンプ
306 温風送風パイプ
307 掻き取り羽根昇降装置
308 洗浄水および流体の供給パイプ
309 ノズル付きトナーケーキ掻き取り羽根
310 トナーケーキ排出口
311 濾液排出口
312 排出用ポンプ
313 流量計
314 ノズル
351 トナー粒子分散液タンク
352 洗浄水タンク
353 流体保管タンク
354 温風発生装置
302 チャンバー(本体)
303 フィルター
304 トナー粒子分散液の供給パイプ
305 圧送ポンプ
306 温風送風パイプ
307 掻き取り羽根昇降装置
308 洗浄水および流体の供給パイプ
309 ノズル付きトナーケーキ掻き取り羽根
310 トナーケーキ排出口
311 濾液排出口
312 排出用ポンプ
313 流量計
314 ノズル
351 トナー粒子分散液タンク
352 洗浄水タンク
353 流体保管タンク
354 温風発生装置
Claims (5)
- 水系媒体中または有機溶媒中で形成したトナー粒子を含有するトナー粒子分散液を、フィルターを用いて固液分離する工程を有するトナー製造方法において、加圧環境下で該フィルターによる固液分離を行う工程と、該フィルターを再生する工程とを有することを特徴とするトナー製造方法。
- 前記固液分離を固液分離面を形成するフィルターを用いて行うことを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
- 前記固液分離を行う工程で、フィルターの目詰まりを検知手段により検知し、その検知結果に基づいてフィルターの再生を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー製造方法。
- 前記フィルターを再生する工程で、再生が物理的方法で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
- 前記トナー製造方法で製造されるトナーが、乳化会合法で製造されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003378065A JP2005141048A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナー製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003378065A JP2005141048A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナー製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005141048A true JP2005141048A (ja) | 2005-06-02 |
Family
ID=34688572
Family Applications (1)
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JP2003378065A Pending JP2005141048A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | トナー製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005141048A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007310256A (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 |
-
2003
- 2003-11-07 JP JP2003378065A patent/JP2005141048A/ja active Pending
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