JP4354557B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、耐摩耗性や転がり抵抗特性を低下させることなく湿潤路面上における制動性および操縦安定性など(以下、ウェットスキッド性能ともいう)を向上させ、さらに走行によるウェットスキッド性能の低下を抑制し、導電性、加工性を改善したタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年の自動車の高速化にともない、タイヤに要求される特性は年々厳しくなってきており、高速走行時のウェット路面における諸性能もその1つとしてあげられる。
【0003】
前記高速走行時のウェット路面での制動性能や操縦安定性などの諸性能を向上させるには、路面とのグリップ力を高めること、タイヤトレッドパターンのブロック剛性を大きくして、コーナリング時のブロック変形を防止し、コーナリング特性をよくすること、タイヤトレッドに形成された溝部の変形を防止して排水をスムーズに行ない、ハイドロプレーニングを防止することなどがあげられる。
【0004】
最近ではこのような要求特性に対して、ハイスチレンSBRにシリカを配合することによって、湿潤路面でのグリップ性能を高めている。
【0005】
しかし、前記のようなタイヤトレッド用ゴム組成物は、路面温度が15℃以下の低温域でのグリップ力を高めることはできるが、15℃をこえる高温域でのウェット路面またはセミウェット(半乾き)路面では、充分なグリップ力を発現できないといわれている。さらに、シリカを配合したゴム組成物は、走行を重ねるとゴムの剛性が低下し、大幅にグリップ力が低下することが判明している。また一方で、シリカ配合ゴム組成物は、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不充分であるとゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押し出しなどの加工性に劣るなどの問題を生じるほか、導電性がわるいという問題がある。
【0006】
これらの問題を解決することを企図とした技術またはそれに類似する技術として、たとえば特開平7−149950号公報、特開平8−59894号公報、特開平8−59893号公報、特開平9−255814号公報などには、水酸化アルミニウムを使用することによりウェットスキッド性能が改善されることが記載されている。
【0007】
しかし、これらの技術では走行を重ねることによる性能の低下を改善するには不充分である。
【0008】
また、特開平10−59713号公報や特開平10−53003号公報などでは、アルミ化合物を使用することにより性能改善をはかっているが、耐摩耗性や導電性の問題を改善するには不充分である。
【0009】
したがって、前記従来の技術においては、走行を重ねることによるグリップ力などの性能を低下させることなく、加工性、導電性、ウェットスキッド性能を向上させることのできるタイヤトレッド用ゴム組成物は未だに存在しないのが現状である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの諸問題を改善すべく鋭意検討を重ねた結果、耐摩耗性および転がり抵抗特性を低下させることなく、シリカ配合ゴム組成物に見られるウェットスキッド性能の低下を改善することができる方法を開発するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(A)ガラス転移温度が−70〜0℃で、スチレン単位量が15〜60重量%(以下、%という)および1,2−ジエン単位(1,2−結合しており、ビニル基などのC=C結合を有するジエン単位をいう)量が15〜70%である芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの弾性共重合体30〜100%と、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムよりなる群からえらばれる少なくとも1種のエラストマー0〜70%とからなるゴム成分100重量部(以下、部という)、
(B)平均粒子径が0.1〜10μmでBET比表面積が20m2/g以上である水酸化アルミニウム5〜30部および
(C)チッ素吸着比表面積(以下、N2SAともいう)が70〜300m2/gであるカーボンブラック10〜100部
からなり、かつ、全フィラーに対する前記水酸化アルミニウムの割合が5〜30%であるタイヤトレッド用ゴム組成物(請求項1)、
さらに、前記ゴム成分100部に対して、シリカとカーボンブラックの合計量が45〜165部となるようにN2SAが100〜300m2/gのシリカ35〜150部、ゴム用軟化剤30〜200部およびシリカに対して3〜20%のシランカップリング剤を含有する請求項1記載の組成物(請求項2)および
前記シランカップリング剤が、一般式(1):
3−Si−Cn2nA (1)
(式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基または塩素原子を表わし、3個のYは同じでも異なっていてもよい、nは1〜6の整数、Aは−Smn2n−Si−Y3基(mは1〜9の整数、nは前記と同じ)、ニトロソ基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、塩素原子およびイミド基よりなる群からえらばれた基である)
で表わされる化合物である請求項2記載の組成物(請求項3)
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるタイヤトレッド用ゴム組成物は、ガラス転移温度(Tg)が−70〜0℃で、スチレン単位量が15〜60%および1,2−ジエン単位量が15〜70%であり、のこりが1,4−ジエン単位(1,4−結合しているジエン単位をいう)である芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの弾性共重合体30〜100%と、前記弾性共重合体以外のエラストマー0〜70%とからなるゴム成分を基体とする組成物である。
【0013】
前記弾性共重合体のTgは0℃以下であるが、Tgが0℃をこえる場合には、弾性が不足し、冬期などに脆化特性が低下する。なお、前記弾性共重合体が芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの共重合体であるため、Tgの下限は−70℃より低くすることは困難である。好ましいTgは、グリップ特性の点から−50〜−10℃程度である。
【0014】
前記弾性共重合体におけるスチレン単位量は15〜60%、さらには25〜60%であるのが、グリップ性能と耐摩耗性の向上という点から好ましい。該スチレン単位量が15%未満になると、充分なグリップ性能が得られず、逆に60%をこえると、耐摩耗性が低下し、ゴムが硬くなりすぎてグリップ性能が低下するため好ましくない。
【0015】
前記弾性共重合体における1,2−ジエン単位量は15〜70%、さらには18〜65%であるのが、グリップ性能と耐摩耗性の向上という点から好ましい。該1,2−ジエン単位量が15%未満になると、充分なグリップ性能が得られず、逆に70%をこえると、耐摩耗性が低下するため好ましくない。
【0016】
前記共役ジエンとしては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどがあげられる。これらのうちではブタジエン、イソプレンが、共架橋性、強度の点から好ましい。
【0017】
前記弾性共重合体の具体例としては、たとえばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBR)などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、SBR、SIBRが、グリップ特性の点から好ましい。
【0018】
前記弾性共重合体は、前記芳香族ビニル化合物と前記共役ジエンとを、常法により溶液重合または乳化重合させることによって得られる。
【0019】
前記弾性共重合体以外のエラストマーとしては、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムが、耐摩耗性、脆化特性の点から好ましい。
【0020】
前記ゴム成分にしめる前記弾性共重合体の割合が30%未満になり、弾性共重合体以外のエラストマーが70%をこえる場合には、ウェットスキッド性能と耐摩耗性の両立が困難となる。なお、好ましい弾性共重合体の割合は30〜70%、したがって、弾性共重合体以外のエラストマーの割合は30〜70%である。
【0021】
本発明に使用される水酸化アルミニウムは、ウエットスキッド性能を改善し、かつ、耐摩耗性の低下を抑制するために使用される成分である。
【0022】
前記水酸化アルミニウムの平均粒子径は、0.1〜10μm、さらには0.1〜5μmであるのが、ウエットスキッド性能改善効果と耐摩耗性とのバランスの点から好ましい。該平均粒子径が0.1μmより小さいと、グリップ力の向上が望めない割に混練作業性が低下し、10μmをこえると、耐摩耗性が低下するので好ましくない。
【0023】
前記水酸化アルミニウムのBET比表面積は、20m2/g以上、さらには30〜500m2/g、ことには50〜350m2/g、とくには70〜350m2/gであるのが、グリップ性能改善効果と耐摩耗性とのバランスの点から好ましい。該BET比表面積が20m2/g未満になると、グリップ性能改善効果が小さくなり、耐摩耗性が低下し、逆に500m2/gをこえると、分散性が低下する傾向が生じる。
【0024】
前記水酸化アルミニウムとしては、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)のほかに、アルミナ水和物(Al23・3H2O)とよばれているものも使用することができる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が、ウエット性能改善効果の点から好ましい。
【0025】
前記水酸化アルミニウムの配合量は、前記ゴム成分100部に対して5〜30部、さらには10〜20部であるのが、ウェットスキッド性能や走行による性能低下に対する改善効果と耐摩耗性とのバランスの点から好ましい。該配合量が5部未満になると、ウェットスキッド性能や走行による性能低下に対する改善効果が小さくなり、逆に30部をこえると、耐摩耗性が低下するため好ましくない。
【0026】
さらに、本発明のゴム組成物に使用される全フィラー、すなわち前記水酸化アルミニウムとその他のフィラーとの合計に対する前記水酸化アルミニウムの割合は、5〜30%、さらには10〜20%であるのが、転がり抵抗特性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能および導電性のバランスの点から好ましい。該配合割合が5%未満になると、転がり抵抗特性、ウェットスキッド性能の改善効果が小さくなり、逆に30%をこえると、耐摩耗性や導電性が低下するため好ましくない。
【0027】
前記その他のフィラーとしては、後述するカーボンブラック、後述するシリカ、その他ゴム組成物の配合に一般に使用されるものである炭酸カルシウム、クレー、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、前記水酸化アルミニウム以外の水酸化アルミニウムがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】
本発明に使用されるカーボンブラックは、加工性、分散性を向上させるとともにゴム成分を補強して耐摩耗性を向上させるなどのために使用される成分である。
【0029】
前記カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、70〜300m2/g、さらには100〜250m2/gであるのが、分散性、発熱性および耐摩耗性のバランスの点から好ましい。該N2SAが70m2/g未満になると、分散性改良効果や補強効果が小さくなり、逆に300m2/gをこえると、分散性が低下し、発熱性が増大し、耐摩耗性が低下するため好ましくない。
【0030】
前記カーボンブラックの具体例としては、たとえばHAF、ISAF、SAFなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
前記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100部に対して10〜100部、さらには20〜80部であるのが、加工性、分散性、耐摩耗性およびウエット性能改善効果のバランスの点から好ましい。該配合量が10部未満になると、耐摩耗性などの補強効果が小さくなり、逆に100部をこえると、充填剤の分散が不充分となり、発熱性や作業性が低下し、逆にウエット性能改善効果が小さくなるため好ましくない。
【0032】
本発明のゴム組成物は、さらに、所定のシリカ、ゴム用軟化剤およびシランカップリング剤を含有させてさせて用いてもよい。
【0033】
前記シリカは、転がり抵抗の低減をはかるとともにゴム成分を補強するために使用される成分である。
【0034】
前記シリカのN2SAは、100〜300m2/g、さらには130〜280m2/gであるのが、分散性と補強効果のバランスの点から好ましい。該N2SAが100m2/g未満になると、補強効果が小さくなる傾向が生じやすく、逆に300m2/gをこえると、分散性が低下して発熱が増大する傾向が生じやすい。
【0035】
前記シリカの具体例としては、たとえば乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、湿式法シリカが、転がり抵抗特性の向上という点から好ましい。
【0036】
前記シリカの配合量は、前記ゴム成分100部に対して35〜150部であるのが、グリップ力および加工性の点から好ましい。該配合量が35部未満になると、グリップ力が不充分となり、逆に150部をこえると、混練作業性(加工性)が低下し、シリカを用いる効果が小さくなる傾向がある。
【0037】
さらに、前記シリカと前記カーボンブラックとの合計量は、前記ゴム成分100部に対して45〜165部であるのが、分散性や作業性と補強効果とのバランスの点から好ましい。該合計量が45部未満になると、耐摩耗性などの補強効果が小さくなる傾向が生じやすく、逆に165部をこえると、分散性が低下して発熱性や作業性が低下する傾向が生じやすくなる。
【0038】
前記ゴム用軟化剤は、混練作業を容易にし、加工性を向上させ、さらにグリップなどのウエット性能を改善するために使用される成分である。
【0039】
前記ゴム用軟化剤の具体例としては、たとえばパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、特殊プロセスオイルなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルが、グリップ特性の点から好ましい。
【0040】
前記ゴム用軟化剤の配合量は、前記ゴム成分100部に対して30〜200部、さらには50〜200部、とくには50〜100部であるのが、グリップ特性と加工性とのバランスの点から好ましい。該配合量が30部未満になると、前記効果が充分に得られず、逆に200部をこえると、作業性が低下する傾向が生じやすくなる。
【0041】
前記シランカップリング剤は、とくにシリカとゴム成分との結合を強め、耐摩耗性を向上させるために使用される成分である。
【0042】
本発明に好適に使用できるシランカップリング剤としては、たとえば一般式(1):
3−Si−Cn2nA (1)
(式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基または塩素原子を表わし、3個のYは同じでも異なっていてもよい、nは1〜6の整数、Aは−Smn2n−Si−Y3基(mは1〜9の整数、nは前記と同じ)、ニトロソ基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、塩素原子およびイミド基よりなる群からえらばれた基である)
で表わされる化合物があげられる。
【0043】
前記シランカップリング剤の具体例としては、たとえばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、カップリング剤添加効果とコストの両立の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが好ましい。
【0044】
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカの3〜20%、さらには4〜15%であるのが、シリカの分散効果の点から好ましい。該配合量が3%未満になると、前記シランカップリング剤添加効果が充分に得られず、逆に20%をこえると、コストがあがる割に前記効果が得られず好ましくない。
【0045】
なお、本発明のゴム組成物には、前記以外にもゴム工業で通常に使用されている硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤などの添加剤を配合することができる。
【0046】
【実施例】
つぎに、本発明の組成物を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
なお、実施例および比較例で使用した原料および評価方法を以下にまとめて示す。
【0048】
SBR−A:旭化成工業(株)製のTUFDENE−3330(SBR、オイル(ゴム用軟化剤)含量:ゴム成分100部に対して37.5部、ガラス転移温度:−20℃、スチレン単位量:30%、1,2−ブタジエン単位量:30%)
SBR−B:旭化成工業(株)製のTUFDENE−1530(オイル(ゴム用軟化剤)含量:ゴム成分100部に対して37.5部、ガラス転移温度:−48℃、スチレン単位量:18%、1,2−ブタジエン単位量:13%)
BR150B:宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(ブタジエンゴム)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN110(N2SA:130m2/g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(N2SA:210m2/g)
水酸化アルミニウムA:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(平均粒子径:0.6μm、BET比表面積:6.5m2/g)
水酸化アルミニウムB:住友化学工業(株)製のUF−ATH 250(平均粒子径:2.5μm、BET比表面積:250m2/ g)
水酸化アルミニウムC:特開平10−59713号公報に記載の合成方法により合成したもの(平均粒子径:2μm、BET比表面積:60m2/g)
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー社製のJOMOプロセスX140(ゴム用軟化剤)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N′−ジフェニル・グアニジン)
【0049】
(摩耗試験)
170℃で20分間加硫して得られた加硫ゴムを用いて、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機により、40℃、負荷加重2kg、スリップ率20%、落砂量20g/minおよび試験時間5分間の測定条件で試験を行なった。
【0050】
評価は各配合の容積損失を計算し、実施例1〜6および比較例1〜8については比較例1、実施例7〜12および比較例9〜14については比較例9の指数が100となるように、下記計算式で指数表示した。指数が大きいものほど耐摩耗性に優れることを示す。
【0051】
摩耗指数=比較例1または比較例9の損失量/各配合の損失量×100
【0052】
(ウェットスキッド試験)
170℃で20分間加硫して得られた加硫ゴムを用いて、スタンレー社製のポータブルスキッドテスターにより、ASTM E303−83の方法にしたがい、40℃で試験を行なった。
【0053】
評価は各配合の測定値を、実施例1〜6および比較例1〜8については比較例1、実施例7〜12および比較例9〜14については比較例9の指数が100となるように、下記計算式で指数表示した。指数が大きいものほどウェットスキッド性能に優れることを示す。
【0054】
ウェットスキッド指数=各配合の測定値/比較例1または比較例9の測定値×100
【0055】
(加工性)
JIS K6300に定められたムーニー粘度の測定法にしたがい、130℃で測定した。ムーニー粘度ML(1+4)が低いほど加工性が良好であることを示す。
【0056】
(導電性)
170℃で20分間加硫して得られた加硫ゴムシートを、ロール軸に平行な方向に切り取って、図1に示すようなゴム試験片(a=1mm、b=20mm、L=70mmおよびA≧100mm)を作製した。ここで、1はゴム試験片、2は電極、aはゴム試験片の厚さ、bはゴム試験片の幅、Lは電極間の距離およびAはゴム試験片の総長を示す。なお、電極2は、ゴム試験片1の表面に絶縁製テープを貼り付けたのち、所定の間隔をあけて導電性ペーストを塗布することにより作製した。
【0057】
得られた試験片を23±2℃で48時間保持したのち、電極間の抵抗値Rを同温度で測定し、体積固有抵抗値(Rv)を、Rv=(a×b×R)/Lの式から算出した。
【0058】
(実車試験)
195/65R15の乗用車用タイヤを試作し、1周800mのウェットハンドリング路(アスファルト路面)での走行時のフィーリングを1周目、3周目、10周目と10点法(10(良好)→1(わるい))で評価した。なお、実施例1〜6および比較例1〜8については比較例1、実施例7〜12および比較例9〜14については比較例9のタイヤの1周目のフィーリングを5点とし、基準とした。
【0059】
実施例1〜6および比較例1〜8
表1〜3記載の主要成分の表1〜3記載の量と老化防止剤2部、ステアリン酸2部および酸化亜鉛4部とを配合した組成物を、BR型バンバリーで混練りした。ついで硫黄1.5部、加硫促進剤A 1部および加硫促進剤B 1.5部を加えて8インチロールで均一に混合してゴム組成物(タイヤトレッド用グリーンゴム組成物)を調製し、加工性の評価を行なった。
【0060】
また、前記タイヤトレッド用グリーンゴム組成物から所定の方法で加硫ゴムを得、摩耗試験、ウェットスキッド試験および導電性の評価を行なった。
【0061】
つぎに、前記グリーンゴム組成物からトレッド部を形成した所定のタイヤを試作し、実車試験を行なった。
【0062】
結果を表1〜3に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004354557
【0064】
【表2】
Figure 0004354557
【0065】
【表3】
Figure 0004354557
【0066】
実施例7〜12および比較例9〜14
表4〜5記載の主要成分の表4〜5記載の量を用いた以外は実施例1〜6および比較例1〜8と同様にして、摩耗試験、ウェットスキッド試験および実車試験を行なった。
【0067】
結果を表4〜5に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0004354557
【0069】
【表5】
Figure 0004354557
【0070】
【発明の効果】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を用いることにより、耐摩耗性を低下させることなくウェットスキッド性能を向上させることができ、さらに走行によるウェットスキッド性能の低下を抑制することができる。また、組成物の導電性、加工性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜6および比較例1〜8で導電性の評価に用いるゴム試験片の説明図である。
【符号の説明】
1 ゴム試験片
2 電極
a ゴム試験片の厚さ
b ゴム試験片の幅
L 電極間の距離
A ゴム試験片の総長

Claims (4)

  1. (A)ガラス転移温度が−70〜0℃で、スチレン単位量が15〜60重量%および1,2−ジエン単位量が15〜70重量%である芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの弾性共重合体30〜100重量%と、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムよりなる群からえらばれる少なくとも1種のエラストマー0〜70重量%とからなるゴム成分100重量部、
    (B)平均粒子径が0.1〜10μmでBET比表面積が20m2/g以上である水酸化アルミニウム5〜30重量部および
    (C)チッ素吸着比表面積が70〜300m2/gであるカーボンブラック10〜100重量部
    からなり、かつ、全フィラーに対する前記水酸化アルミニウムの割合が5〜30重量%であるタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. さらに、前記ゴム成分100重量部に対して、シリカとカーボンブラックとの合計量が45〜165重量部となるようにチッ素吸着比表面積が100〜300m2/gのシリカ35〜150重量部、ゴム用軟化剤30〜200重量部およびシリカに対して3〜20重量%のシランカップリング剤を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 前記シランカップリング剤が、一般式(1):
    3−Si−Cn2nA (1)
    (式中、Yは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基または塩素原子を表わし、3個のYは同じでも異なっていてもよい、nは1〜6の整数、Aは−Smn2n−Si−Y3基(mは1〜9の整数、nは前記と同じ)、ニトロソ基、メルカプト基、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、塩素原子およびイミド基よりなる群からえらばれた基である)
    で表わされる化合物である請求項2記載の組成物。
  4. 前記ゴム成分(A)が、
    前記芳香族ビニル化合物と共役ジエンとの弾性共重合体30〜70重量%と、
    前記ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴムよりなる群からえらばれる少なくとも1種のエラストマー30〜70重量%とからなるゴム成分である請求項1記載のゴム組成物。
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