JP2002293993A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物

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JP2002293993A
JP2002293993A JP2001103306A JP2001103306A JP2002293993A JP 2002293993 A JP2002293993 A JP 2002293993A JP 2001103306 A JP2001103306 A JP 2001103306A JP 2001103306 A JP2001103306 A JP 2001103306A JP 2002293993 A JP2002293993 A JP 2002293993A
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rubber
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tire
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Akihiro Mine
章弘 峯
Takao Wada
孝雄 和田
Izumi Saiwaki
泉 斎脇
Hiroshi Daito
洋 大東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高レベルでのグリップ性能と耐摩耗性、とく
に激しい走行コンディションでの耐摩耗性とのバランス
を満たすタイヤ用ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 ゴム成分100重量部に対して、オイル
50〜200重量部を含むタイヤ用ゴム組成物であっ
て、前記ゴム成分のうち5〜60重量%がSIBRであ
るタイヤ用ゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ用ゴム組成
物に関し、とくに耐摩耗性およびグリップ性能を向上さ
せうるタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】とくにサーキット、舗装路面などで高速
での走行を要求されるレース用タイヤ、なかでも、ラリ
ー、モトクロスなど砂利の上を激しく走行するタイヤに
は、高度のグリップ性能および耐摩耗性が要求される。
従来、このグリップ性能を向上させるために、ガラス転
移温度(Tg)の高いポリマーを使用する方法、カーボ
ンの粒子径を細かくする方法、カーボンおよびオイルを
多量に配合する方法、または、これらの組み合せなどが
行なわれてきた。
【0003】しかしながら、Tgの高いポリマーを使用
する方法では、ゴムの硬度(Hs)の温度依存性が大き
くなり、とくに低温で硬くなる。また、耐摩耗性が劣る
という問題がある。また、微粒子カーボンを使用する方
法では、グリップ性能は向上するが、ある一定量以上を
配合すると、分散性が低下し、耐摩耗性も劣る。また、
カーボンおよびオイルを増量させる方法では、グリップ
性能は向上するが、耐摩耗性に劣り、加工性も低い。
【0004】以上のように、高レベルでのグリップ性能
と耐摩耗性のバランスを満たすタイヤ用ゴム組成物は、
今だ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高レ
ベルでのグリップ性能と耐摩耗性、とくに激しい走行コ
ンディションでの耐摩耗性とのバランスを満たすタイヤ
用ゴム組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来のタイヤ用ゴム組成
物では、グリップ性能と耐摩耗性の高レベルでのバラン
スを満足させることはできなかった。通常、レース用の
ゴム組成物では、ゴム成分としてスチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)のみを使用するが、今回、スチレン−ブ
タジエンゴム(SBR)に、スチレン−イソプレン−ブ
タジエンゴム(SIBR)、とくにはSIBRと天然ゴ
ム(NR)を配合することで、耐摩耗性とグリップ性能
のバランスを向上させ、さらにはウェットグリップ性能
もよく、Hsの温度依存性が小さいゴム組成物を発明す
るに至った。
【0007】すなわち、ゴム成分100重量部に対し
て、オイル50〜200重量部を含むタイヤ用ゴム組成
物であって、前記ゴム成分のうち5〜60重量%がスチ
レン−イソプレン−ブタジエンゴムであるタイヤ用ゴム
組成物、および、前記ゴム成分が、5〜45重量%のス
チレン−イソプレン−ブタジエンゴム、5〜45重量%
の天然ゴム、および、10〜90重量%のスチレン−ブ
タジエンゴムからなる前記のタイヤ用ゴム組成物に関す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のゴム組成物は、ゴム成分
およびオイルからなる。
【0009】前記ゴム成分は、SIBRを必須成分とし
て含有する。SIBRのTgの上限は、−10℃、とく
には−35℃であることが好ましい。SIBRのTgが
−10℃をこえると耐摩耗性が満たされない傾向があ
る。また、Tgの下限は−80℃、とくには−65℃で
あることが好ましい。Tgが−80℃未満ではグリップ
性能が満たされない傾向がある。
【0010】SIBRの含有量の上限は、ゴム成分中6
0重量%、好ましくは50重量%、より好ましくは45
重量%である。SIBRの含有量が60重量%をこえる
と、目的とする耐摩耗性とグリップ性能のバランスの向
上効果が得られない。また、SIBRの含有量の下限
は、ゴム成分中5重量%、好ましくは20重量%であ
る。SIBRの含有量が5重量%未満では、グリップ性
能と耐摩耗性の向上効果が小さい。
【0011】前記ゴム成分は、NRを含むことが好まし
い。NRの含有量の上限は、ゴム成分中45重量%、さ
らには30重量%であることが好ましい。NRの含有量
が45重量%をこえるとグリップ性能が満たされない傾
向がある。また、NRの含有量の下限は、ゴム成分中5
重量%、さらには10重量%であることが好ましい。
【0012】前記NRの代わりにイソプレンゴム(I
R)を用いても、NRを配合した場合と同様の効果を得
ることができる。また、NRとIRを併用することもで
きる。
【0013】前記ゴム成分は、SBRを含むことが好ま
しい。SBRのTgの上限は、0℃であることが好まし
い。SBRのTgが0℃をこえると耐摩耗性が低下する
傾向がある。また、Tgの下限は−60℃であることが
好ましい。Tgが−60℃未満ではグリップ性能が満た
されない傾向がある。
【0014】SBRの含有量の上限は、ゴム成分中90
重量%、さらには80重量%であることが好ましい。S
BRの含有量が90重量%をこえると、グリップ性能と
耐磨耗性の両立が図れない傾向がある。SBRの含有量
の下限は、ゴム成分中10重量%、さらには20重量%
であることが好ましい。SBRの含有量が10重量%未
満ではグリップ性能が満たされない傾向がある。
【0015】さらに前記ゴム成分は、SIBR、NR、
IR、SBRのほかに、ブタジエンゴム(BR)、エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプ
レンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)、ブチルゴム(IIR)などを含有すること
ができる。
【0016】前記オイルとしては、ゴム業界で通常用い
られている芳香族系プロセス油、パラフィン系プロセス
油、ナフテン系プロセス油などを用いることができ、と
くに耐摩耗性とグリップ性能のバランスの点で、芳香族
系プロセス油が好ましい。
【0017】前記オイルの含有量の上限は、前記ゴム成
分100重量部に対して、200重量部、好ましくは1
50重量部である。オイルの含有量が200重量部をこ
えると作業性が低下する。また前記オイルの含有量の下
限は、前記ゴム成分100重量部に対して、50重量部
である。オイルの含有量が50重量部未満ではグリップ
性能が不充分となる。
【0018】特開平3−290415号公報などには、
SIBRを添加することにより、グリップ性能、転がり
抵抗および耐摩耗性のバランスを向上させる技術が開示
されている。しかし、本発明のゴム組成物では、SIB
Rを配合し、さらに多量のオイルを併用することによっ
て、とくにレーシング走行での耐アブレージョン摩耗
(単なるライフという意味での摩耗ではなく、激しい走
行にともなう摩耗外観のこと)性、およびグリップ性能
のバランスを高度に改善することができ、従来の二律背
反性能を克服することができた点で、著しい効果があ
る。さらには、ウェット性能、Hsの温度依存性も改善
することができる。また、SIBRにNRを適切な比率
でブレンドすることで、前記の効果がさらに顕著とな
る。
【0019】本発明のゴム組成物には、充填剤としてカ
ーボンブラックを配合することができる。カーボンブラ
ックとしては、とくに限定はないが、たとえば、SA
F、ISAF、HAFなどがあげられる。
【0020】カーボンブラックのチッ素吸着比表面積
(N2SA)の上限は300m2/g,下限は80m2
gであることが好ましい。N2SAが300m2/gをこ
えるとカーボンブラックの分散性が低く、耐摩耗性が劣
る傾向があり、80m2/g未満ではグリップ性能が不
充分となる傾向がある。
【0021】カーボンブラックの配合量の上限は、前記
ゴム成分100重量部に対して200重量部、さらには
150重量部であることが好ましい。カーボンブラック
の配合量が200重量部をこえるとカーボンブラックの
分散性が低く、耐摩耗性が劣る傾向がある。また、カー
ボンブラックの配合量の下限は、前記ゴム成分100重
量部に対して30重量部、さらには50重量部であるこ
とが好ましい。カーボンブラックの配合量が30重量部
未満ではグリップ性能が不充分となる傾向がある。
【0022】本発明のゴム組成物は、さらに充填剤とし
てシリカを含むことができる。シリカとしては、とくに
制限はないが、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シ
リカ(含水ケイ酸)などを使用することができ、湿式法
シリカが好ましく用いられる。とくに好適な湿式法シリ
カとしては、たとえば、デグッサ社製のウルトラジルV
N3(商品名)、日本シリカ工業(株)製のニップシー
ルVN3 AQ(商品名)などがあげられる。シリカの
配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して、上限を
150重量部とすることが好ましい。
【0023】本発明のゴム組成物は、シリカと併用し
て、シランカップリング剤を含むことができる。シラン
カップリング剤としては、従来からタイヤの分野におい
て用いられているものであればとくに制限はないが、た
とえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テト
ラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリル
プロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキ
シシランなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、ま
たは任意に組み合わせて用いることができる。なかで
も、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という
点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テト
ラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ランを用いることが好ましく、さらに、加工性という点
から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラ
スルフィドを用いることがとくに好ましい。シランカッ
プリング剤の配合量は、前記シリカ100重量部に対し
て、上限が15重量部、下限が1重量部であることが好
ましい。
【0024】本発明のゴム組成物は、前記成分のほか
に、たとえば、硫黄、過酸化物などの加硫剤;加硫促進
剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫助剤;老化防止
剤;ワックスなどを、本発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて適宜配合することができる。
【0025】本発明のゴム組成物は、とくにタイヤのト
レッドとして用いることが好ましい。タイヤは通常の方
法によって製造することができる。すなわち、必要に応
じて各種薬品を配合させた本発明のゴム組成物を未加硫
の段階でトレッド用部材に押出し加工し、タイヤ成型機
上で通常の方法で貼り付け形成して未加硫タイヤを形成
する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱・加圧してタ
イヤを得る。このようにして得られたタイヤは、耐摩耗
性、グリップ性能などに優れる。
【0026】
【実施例】以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。とくに、以下の実施例では充填剤としてカーボンブ
ラックを配合したが、場合によりシリカを配合すること
もできる。
【0027】実施例1〜7および比較例1〜2 (各種薬品の説明) SIBR:グッドイヤー ケミカル社製のブテンSIB
Rフレックス2550(Tg−30℃) NR:RSS#3 油展SBR:日本ゼオン(株)製のN9521(SBR
100重量部に対し、油展分37.5重量部) カーボンブラック:三菱化学(株)のSAF(N2SA
142m2/g、DBP吸油量116ml/100g) プロセスオイル:出光興産(株)製のダイアナプロセス
PS32 ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワッ
クス 老化防止剤:フレキシス社製のサントフレックス13 ステアリン酸:日本油脂(株)製の桐 亜鉛華:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2号 硫黄:軽井沢化学(株)製の粉末硫黄 加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーN
【0028】(加硫ゴムサンプルの調製)表1に示す配
合にしたがって、硫黄と加硫促進剤以外の成分を、
(株)神戸製鋼所製1.7Lバンバリーミキサーを用い
て、4分間混練りした。ここで、プロセスオイルは、油
展SBRの油展分との合計が、ゴム成分(SIBR、N
RおよびSBR)100重量部に対して70重量部とな
るように配合した。つぎに、得られた混練り物に硫黄と
加硫促進剤を加えて二軸ローラーにて80℃で約4分間
練り込んだ。得られた混合物を170℃で12分間加硫
することにより、加硫ゴムサンプルを調製した。
【0029】(試験方法) (0℃におけるtanδ)前記加硫ゴムサンプルより、
試験片を作製し、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクト
ロメーターを用い、周波数10Hz、動歪み2%の条件
下で、0℃における損失正接(tanδ)を測定した。
比較例1のtanδを100として、各配合例のtan
δを指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ
性能が良好である。
【0030】(Hsの温度依存性)0℃および100℃
におけるHs(Hs@0℃およびHs@100℃)を測
定し、これらの差(ΔHs=Hs@0℃−Hs@100
℃)を求めた。比較例1のΔHsの逆数を100とし、
各配合例のΔHsの逆数を指数表示した。指数が大きい
方が、ΔHs小さく、ゴム組成物の温度依存が小さいた
め、様々な路面コンディションに適応でき、走行にとも
なう性能変化いわゆる熱ダレも小さい。
【0031】(破断強度TB)JIS K6301にし
たがい、引張試験を25℃で行ない、破断強度(TB
を測定した。比較例1のTBを100とし、各配合例の
Bを指数表示した。指数が大きいほど、摩耗外観に優
れ、耐カットチップ性能が良好であり、耐摩耗性がよ
い。
【0032】(グリップ性能)各ゴム組成物をトレッド
に用いて、サイズ195/65R15のラリータイヤを
試作し、実車評価した。評価コースは、1周約2.5k
mの一般ダートトラック用コースを5周とした。周回タ
イムの平均値の逆数を、比較例1の場合を100として
指数表示した。指数が大きい方が、グリップ性能が高
い。
【0033】(耐摩耗性)前記のダートトラック用コー
スを5周走行したのちのタイヤ摩耗外観を目視で観測
し、評点をつけた。比較例1のタイヤの摩耗外観を3点
とし、各配合例を5点満点で評価した。点数が高い方
が、耐摩耗性がよい。
【0034】(試験結果)結果を表1に示す。
【0035】実施例1〜4のように、SBRの一部をS
IBRに置換していくことで、0℃におけるtanδ、
Hsの温度依存性およびTBが向上し、実車タイヤ評価
でもグリップ性能と耐摩耗性のバランスが改善された。
実施例4のようにSIBRを60重量部まで添加する
と、効果の向上しろは小さくなった。
【0036】また、実施例5〜7のようにSIBRと同
時にNRを添加することで、その効果はさらに顕著なも
のとなった。
【0037】SBRの一部を、SIBRを用いずにNR
のみで置換した比較例2では、0℃におけるtanδが
低下し、実車タイヤ評価でもグリップ性能が低下した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】一般乗用車、自動二輪車に加えて高性能
タイヤあるいは競技用のレーシングタイヤの性能を改善
することができる。とくに、ラリー、モトクロスなどの
レーシング走行用のタイヤにおいて、耐摩耗性(耐カッ
トチップ性能含む)とグリップ性能のバランスを向上さ
せることができ、さらには、ウェット性能を改善するこ
とができ、Hsの温度依存性が小さいため、どのような
コンディションでも優れた性能を発揮させることができ
る。
【0040】ラリー、モトクロスなどに使用されるタイ
ヤの場合、硬質ダート、軟質ダート、舗装路、泥ねい路
など走行路面の状況がさまざまであり、Hsの温度依存
性の小さいことがとくに有効であり、高度に耐摩耗性と
グリップ性能のバランスが改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎脇 泉 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 (72)発明者 大東 洋 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC013 AC02W AC033 AC063 AC073 AC08X AC093 AE034 AE054 BB153 BB183 FD010 FD024 FD026 FD030 FD140 FD150 FD200 GN01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム成分100重量部に対して、オイル
    50〜200重量部を含むタイヤ用ゴム組成物であっ
    て、前記ゴム成分のうち5〜60重量%がスチレン−イ
    ソプレン−ブタジエンゴムであるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゴム成分が、5〜45重量%のスチ
    レン−イソプレン−ブタジエンゴム、5〜45重量%の
    天然ゴム、および、10〜90重量%のスチレン−ブタ
    ジエンゴムからなる請求項1記載のタイヤ用ゴム組成
    物。
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