JP2012224864A - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性能、氷雪上性能、ウエットグリップ性能をバランス良く得られるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びそれをトレッドに用いたスタッドレスタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを含み、前記ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量が30質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記アロマオイルの含有量が12〜85質量部、前記シリカの含有量が12〜85質量部であり、前記シリカ及び前記カーボンブラックの合計100質量%中の該シリカの含有量が45質量%以上であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物及びスタッドレスタイヤに関する。
スパイクタイヤによる粉塵公害を防止するために、スパイクタイヤの使用を禁止することが法制化され、寒冷地では、スパイクタイヤに代わってスタッドレスタイヤが使用されるようになった。スタッドレスタイヤは、一般路面に比べ氷雪上路面で路面凹凸が大きく、材料面及び設計面での工夫がなされており、例えば、低温特性に優れたジエン系ゴムを配合し、軟化効果を高めるために軟化剤を増量したゴム組成物が提案されている。ここで、軟化剤としては、低温特性を高めるために、一般にミネラルオイルが配合されることが多い。
しかしながら、低温特性を改善する目的でミネラルオイルを増量すると、一般に耐摩耗性能が悪化する。このような問題を解決する手法として、ミネラルオイルをアロマオイルに変更する方法が考えられるが、低温特性が低下し、充分満足できる氷雪上性能を得ることは難しい。これに対し、アロマオイルとシリカを併用することで耐摩耗性能を低下させることなく、低温特性を改善できるが、性能は未だ不十分である。また、氷雪上性能や耐摩耗性能の他に、ウエットグリップ性能の向上も望まれている。
例えば、特許文献1には、天然ゴム、ブタジエンゴム、シリカ及びアロマオイルなどを含むトレッド用ゴム組成物が開示されているが、耐摩耗性能及び氷雪上性能(低温特性)を両立するとともに、ウエットグリップ性能も向上するという点では未だ改善の余地がある。
特開平6−240052号公報
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性能、氷雪上性能、ウエットグリップ性能をバランス良く得られるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びそれをトレッドに用いたスタッドレスタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを含み、前記ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量が30質量%以上であり、前記ゴム成分100質量部に対して、前記アロマオイルの含有量が12〜85質量部、前記シリカの含有量が12〜85質量部であり、前記シリカ及び前記カーボンブラックの合計100質量%中の該シリカの含有量が45質量%以上であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記ゴム組成物は、トレッドに使用されることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物をトレッドに用いたスタッドレスタイヤに関する。
本発明によれば、天然ゴム、ブタジエンゴム、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを特定量含むスタッドレスタイヤ用ゴム組成物であるので、これをトレッドに使用することにより、耐摩耗性能、氷雪上性能、ウエットグリップ性能がバランス良く優れたスタッドレスタイヤを提供できる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを含む。また、ゴム成分中に天然ゴム及びブタジエンゴムを特定量以上含み、アロマオイル及びシリカも特定量含む。更に、シリカ及びカーボンブラック中のシリカ量も特定量以上である。従って、耐摩耗性能、氷雪上性能、ウエットグリップ性能をバランス良く改善できる。
本発明では、ゴム成分として、天然ゴム及びブタジエンゴムが併用される。これにより、低温特性を改善し、氷雪上性能を向上できる。特にブタジエンゴムは、氷上性能の確保のための重要な成分である。
天然ゴム(NR)としては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、天然ゴム(NR)には、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムも含まれる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ブタジエンゴム(BR)としては、シス含量が80質量%以上のものを用いることが好ましい。これにより、耐摩耗性を高めることができる。シス含量は、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
また、BRは、25℃における5%トルエン溶液粘度が30cps以上のものが好ましい。30cps未満であると、加工性が大幅に悪化し、また耐摩耗性も悪化するおそれがある。該トルエン溶液粘度は、好ましくは100cps以下、より好ましくは70cps以下が好ましい。100cpsを超えると、かえって加工性が悪化するおそれがある。
更に、加工性の改善と耐摩耗性の改善を両立できる点から、Mw/Mnが3.0〜3.4のBRを使用することが好ましい。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
ゴム成分100質量%中のNR含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上である。30質量%未満であると、破断強度が大幅に低下し、耐摩耗性能の確保が困難となるおそれがある。該NR含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。80質量%を超えると、低温特性が低下し、スタッドレスタイヤに必要な氷上性能を確保できないおそれがある。
ゴム成分100質量%中のBR含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。10質量%以上含むことにより、スタッドレスタイヤとして必要な氷上性能を発揮することができる。該BR含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。80質量%を超えると、加工性の大幅な悪化、薬品のブリードによる白化が発生するおそれがある。
ゴム成分100質量%中のNR及びBRの合計含有量は、30質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%が最も好ましい。NR及びBRの合計量が多いほど低温特性に優れ、必要な氷上性能を発揮できる。
本発明の効果を阻害しない範囲で他のゴム成分を配合してもよい。他のゴム成分としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などが挙げられる。
本発明では、比較的多量のアロマオイルが使用される。ミネラルオイルの場合、低温特性に優れるため、氷雪上性能は確保できるが、耐摩耗性能が悪化する。そこで、ミネラルオイルを減量することで耐摩耗性能は確保できても、低温特性の低下による氷雪上性能の低下が起こり、背反性能である氷雪上性能と耐摩耗性能を両立できない。これに対して、アロマオイルは多量に配合しても耐摩耗性能の低下が少ないため、氷雪上性能と耐摩耗性能の両立が可能となる。更に、多量のシリカ、カーボンブラックとともに配合することにより、更に高いレベルで氷雪上性能と耐摩粍性能を両立できるとともに、良好なウエットグリップ性能も得ることができる。
本発明において、アロマオイルとしては、例えば、ASTM D2140に準拠して求められた芳香族系炭化水素の質量百分率が15質量%以上のものが好適に使用される。即ち、プロセスオイルは、その分子構造的に芳香族系炭化水素(C)、パラフィン系炭化水素(C)、ナフテン系炭化水素(C)を含有し、その含有比率C(質量%)、C(質量%)、C(質量%)に応じてアロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイルに大別されるところ、本発明では、C含有比率が15質量%以上のものが好ましく、17質量%以上のものがより好ましい。また、アロマオイル中のC含有比率は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
アロマオイルの市販品としては、例えば、出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58、ジャパンエナジー(株)社製のプロセスNC300Sなどが挙げられる。
アロマオイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、12質量部以上、好ましくは15質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは45質量部以上、最も好ましくは60質量部以上である。アロマオイルの含有量が多いほど軟化効果が得られ、低温特性が高められるため、氷雪上性能を改善できる。該アロマオイルの含有量は、好ましくは85質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。85質量部を超えると、加工性の悪化、耐摩耗性能の低下、老化物性の低下などのおそれがある。
本発明のゴム組成物は、比較的多量のシリカを含有する。シリカをアロマオイルとともに配合することにより、耐摩耗性能及び氷雪上性能を両立できるとともに、スタッドレスタイヤの弱点とされていたウエットグリップ性能を同時に向上できる。シリカとしては、例えば、湿式法で製造されたシリカ、乾式法で製造されたシリカなどが挙げられるが、特に制限はない。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは120m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。80m/g未満であると、破断強度が大幅に悪化し、耐摩耗性能の確保が困難となるおそれがある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは220m/g以下、更に好ましくは180m/g以下である。250m/gを超えると、配合したゴムの粘度が大幅に上昇し、加工性が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは12質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは45質量部以上である。12質量部配合することにより、スタッドレスタイヤとして必要な氷雪上性能を発揮できる。また、該シリカの含有量は、好ましくは85質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。85質量部を超えると、加工性及び作業性が悪化し、フィラー増量による低温特性の低下のおそれがある。
上記ゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン等のニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロロ系等が挙げられる。なかでも、安価である点、入手が容易な点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部未満では、シランカップリング剤の添加効果が充分得られないおそれがある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部を超えると、補強性及び耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明では、カーボンブラックが配合される。これにより、補強性が付与される。また、アロマオイル及びシリカとともに、NR及びBRに配合することで、耐摩耗性能、氷雪上性能、ウエットグリップ性能をバランス良く向上できる。カーボンブラックとしては特に限定されず、SAF、ISAF、HAF、FF、GPFなどが挙げられる。
カーボンブラックとしては、平均粒子径が31nm以下及び/又はDBP吸油量が100ml/100g以上のものが好ましい。このようなカーボンブラックを配合することによって、必要な補強性を付与し、ブロック剛性、耐偏摩耗性、破壊強度を確保することもできる。また、本発明の効果も良好に得られる。
カーボンブラックの平均粒子径が31nmを超えると、破断強度が大幅に悪化し、耐摩耗性能の確保が困難になるおそれがある。該平均粒子径は、より好ましくは25nm以下、更に好ましくは23nm以下である。また、上記平均粒子径は、好ましくは15nm以上、より好ましくは19nm以上である。15nm未満であると、配合したゴムの粘度が大幅に上昇し、加工性が悪化するおそれがある。本発明において平均粒子径は数平均粒子径であり、透過型電子顕微鏡により測定される。
カーボンブラックのDBP吸油量(ジブチルフタレート吸油量)が100ml/100g未満であると、補強性が低く、耐摩耗性能の確保が困難となるおそれがある。上記DBP吸油量は、より好ましくは105ml/100g以上、更に好ましくは110ml/100g以上である。また、上記DBP吸油量は、好ましくは160ml/100g以下、より好ましくは150ml/100g以下である。160ml/100gを超えると、カーボン自体の製造が困難である。
なお、カーボンブラックのDBP吸油量は、JIS K6217−4の測定方法によって求められる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは110m/g以上である。80m/g未満であると、破断強度が大幅に悪化し、耐摩耗性能の確保が困難になるおそれがある。また、該カーボンブラックのNSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。200m/gを超えると、配合したゴムの粘度が大幅に上昇し、加工性が悪化するおそれがある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましく5質量部以上である。2質量部未満では、耐候性、耐オゾン性が大幅に劣るおそれがある。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは15質量部以下である。50質量部を超えると、低温特性が悪化し、スタッドレスタイヤに必要な氷上性能が確保できないおそれがある。
シリカ及びカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有量は、45質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上である。45質量%未満であると、本発明の目的である氷上性能と耐摩耗性能の両立を達成することができないおそれがある。また、シリカ及びカーボンブラックの合計100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは93質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。95質量%を超えると、耐候性、耐オゾン性が大幅に劣るおそれがある。
上記ゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、他の充填剤、ステアリン酸、酸化防止剤、老化防止剤、酸化亜鉛、過酸化物、硫黄、含硫黄化合物等の加硫剤、加硫促進剤等を含有してもよい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)が好ましく、なかでも、TBBS及びDPGの併用が特に好ましい。
本発明のゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッドに好適に用いることができる。また、トラック・バス用等にも適用することが出来るが、特に、雪上や氷上での操縦安定性が重要である乗用車用スタッドレスタイヤに用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物を用い、通常の方法でスタッドレスタイヤを製造することができる。すなわち、前記ゴム組成物を用いてトレッドなどの各タイヤ部材を作製し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成型機上にて加熱加圧することにより製造することができる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス1,4結合量97質量%、ML1+4(100℃)40、25℃における5%トルエン溶液粘度48cps、Mw/Mn3.3)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:120m/g、平均粒子径:23nm、DBP吸油量:115ml/100g)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
ミネラルオイル:出光興産(株)製のPS−32(パラフィン系プロセスオイル)
アロマオイル:ジャパンエナジー(株)製のプロセスオイルNC300S(芳香族系炭化水素(C)量:29質量%)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精蝋(株)製のオゾエースワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
実施例1〜4及び比較例1〜6
バンバリーミキサーを用いて、表1の工程1に示す配合量の薬品を投入して、排出温度が約150℃となるよう5分間混練りした。その後、工程1により得られた混合物に対して、工程2に示す配合量の硫黄及び加硫促進剤を加え、オープンロールを用いて、約80℃の条件下で3分間混練りして、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で10分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物(加硫ゴムシート)を作製した。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材と貼り合わせ、170℃で15分間加硫することにより、試験用スタッドレスタイヤを作製した。
以下に示す方法により、加硫ゴムシート、試験用スタッドレスタイヤを評価した。
(1)硬度
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従って、タイプAデュロメーターにより、前記加硫ゴムシートの硬度を0℃にて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
前記加硫ゴムシートから、所定サイズの試験片を作製し、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、初期歪10%、動歪0.5%、周波数10Hz及び振幅±0.25%、昇温速度2℃/分の条件下で測定した温度−100〜100℃のtanδの温度分散曲線から、tanδピーク温度を測定し、その温度をTgとした。
(3)引張試験
前記加硫ゴム組成物から試験片を切り出し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じ、3号ダンベルを用いて引張試験を実施し、各配合の破断強度(TB)を測定した。TBが大きい程、強度が優れることを示す。比較例1を100として指数表示した。
(4)氷雪上性能
前記試験用スタッドレスタイヤを用いて、下記の条件で雪氷上で実車性能を評価した。なお、スタッドレスタイヤとして、195/65R15サイズのDS−2パターンの乗用車用スタッドレスタイヤを製造し、これらのタイヤを国産2000ccのFR車に装着した。試験場所は住友ゴム工業株式会社の北海道名寄テストコースで行い、氷上気温は−1〜−6℃、雪上気温は−2〜−10℃であった。
制動性能(氷上制動停止距離):時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。比較例1をリファレンスとして、下記式により指数表示した。
(制動性能指数)=(比較例1の制動停止距離)/(各配合の停止距離)×100
指数が大きいほど、制動性能が良好であることを示す。
(5)ウエットグリップ性能
前記試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を用いて、ウエットアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行い、この際におけるグリップ性能(グリップ感、ブレーキ性能、トラクション性能)について、フィーリング評価を行った。フィーリング評価は、比較例1を100として基準とし、明らかに性能が向上したとテストドライバーが判断したものを120、これまでで全く見られなかった良いレベルであるものを140とするような評点付けをした。
(6)耐摩耗性能
前記試験用スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝探さを測定した。測定値からタイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記式により指数化した。
(耐摩耗性指数)=(1mm溝深さが減るときの走行距離)/(比較例1のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
指数が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
上記各試験の評価結果を表1に示す。
Figure 2012224864
実施例では、低いTgを示し、氷雪上性能に優れているとともに、良好な破断強度を示し、耐摩耗性能にも優れていた。更に、ウエットグリップ性能にも優れていた。一方、アロマオイルに代えてミネラルオイルを配合している比較例1〜2では、耐摩耗性能やウエットグリップ性能が劣っていた。シリカ及びアロマオイルを多量に配合しすぎた比較例3では、氷雪上性能や耐摩耗性能の低下が見られた。
充填剤中のシリカ量が少ない比較例4では、氷雪上性能やウエットグリップ性能が劣っていた。また、シリカ量が少ない比較例5でもこれらの性能が劣っていた。シリカ量及びアロマオイル量が少ない比較例6では、耐摩耗性能やウエットグリップ性能が劣っていた。

Claims (9)

  1. 天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを含み、
    前記ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量が30質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記アロマオイルの含有量が45〜85質量部、前記シリカの含有量が30〜85質量部であり、
    前記シリカ及び前記カーボンブラックの合計100質量%中の該シリカの含有量が45質量%以上であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. 天然ゴム及びブタジエンゴムを含むゴム成分、アロマオイル、シリカ及びカーボンブラックを含み、
    前記ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量が30質量%以上であり、
    前記ゴム成分100質量部に対して、前記アロマオイルの含有量が45〜85質量部、前記シリカの含有量が30〜85質量部であり、
    前記シリカ及び前記カーボンブラックの合計100質量%中の該シリカの含有量が45質量%以上であるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(ただし、ゴム成分100質量部に対して、ポリスチレン換算重量平均分子量が2×10〜50×10である(メタ)アクリレート系(共)重合体を3〜30質量部含有するスタッドレスタイヤ用ゴム組成物、及びゴム成分100質量部に対して、ダイポーラー窒素を含む部分Q、及び酸素又は硫黄を含む4〜6の窒素含有複素環部分Bを有する化合物を0.1〜30質量部含有すると共に、有機短繊維及び微粒子含有有機短繊維を含有し、その合計量が1〜5質量部の範囲で含まれるスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を除く)。
  3. 前記ゴム成分100質量%中、前記天然ゴムの含有量が30〜80質量%、前記ブタジエンゴムの含有量が10〜70質量%である請求項1又は2記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記シリカのチッ素吸着比表面積が80〜250m/g、前記カーボンブラックのチッ素吸着比表面積が80〜200m/gである請求項1〜3のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記カーボンブラックは、平均粒子径が31nm以下及び/又はDBP吸油量が100ml/100g以上のものである請求項1〜4のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記カーボンブラックの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、2〜50質量部である請求項1〜5のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  7. スルフェンアミド系加硫促進剤及び/又はグアニジン系加硫促進剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  8. トレッドに使用される請求項1〜7のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに用いたスタッドレスタイヤ。
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