JP4354044B2 - 内視鏡観察システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡観察システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡観察下における手術においては、体腔内に内視鏡を挿入するとともに、内視鏡に取り付けられた撮像手段であるTVカメラによって撮像された観察像をモニタにて観察しながら処置を行なう。この場合、術者は、一般に、手術器具を手に保持しているため、内視鏡を術部で確実に保持するために内視鏡保持具を使用する。
【0003】
前記内視鏡保持具は、例えば特開平8−131456号公報、米国特許(USP)第5540649号、特開平6−261911号公報等に開示されており、内視鏡を術者の所望する位置および方向から術部へ導くことができるように、3次元的な自由度を有している。術者は、前記内視鏡保持具により内視鏡を任意の位置および方向に移動させたり、内視鏡自体をその挿入方向の中心軸回り(内視鏡の長手方向の中心軸回り)に回転させたりすることによって、内視鏡の観察対象を変更する。
【0004】
また、内視鏡の中には、それ1つで複数の方向の観察が可能なタイプのものがある(特開平10−211162号公報等参照)。このようなタイプの内視鏡は、観察方向を切り換えるための手段を備えており、例えば、観察方向がその長手軸方向(挿入方向)に設定される直視状態と、観察方向がその長手軸方向に対して所定の角度をなす側方に設定される側視状態とに切り換え可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内視鏡による側視観察下においては、術者は、内視鏡の先端側前方の状態を観察することができないため、内視鏡を誤って軸方向に移動させてしまい(あるいは、軸方向の移動に気が付かずに)、内視鏡の先端によって生体を傷付けてしまう場合がある。
【0006】
こうした事態は、特に、複数の方向の観察が可能な内視鏡において、その観察方向が直視から側視に変更された場合に生じ易く、また、そのような内視鏡を内視鏡保持具によって保持する場合にも生じ易い。例えば、内視鏡保持具がフリーに動作できる状態下で、術者や助手が誤って内視鏡保持具に触れたり、内視鏡の先端側前方の状態を観察することができない側視観察に切り換えた状態で、術者等が不用意に内視鏡保持具を介して内視鏡を動かしてしまうと、内視鏡が軸方向前方に移動して、内視鏡の先端が生体に突き当たってしまう場合がある。
【0007】
また、内視鏡の先端が生体に突き当たると、内視鏡はその反作用として軸方向手元側(内視鏡を生体内から押し出そうとする押し出し方向)に力を受けるが、内視鏡保持具によって内視鏡が保持されて内視鏡保持具に対して内視鏡が移動できない状態では、内視鏡に作用する前記押し出し方向の力は内視鏡保持具が移動されない限り逃がされることはなく、その場合には、内視鏡を軸方向前方に移動させる力が生体にそのまま作用し、生体が損傷を受けてしまうことになる。
【0008】
こうした問題は、従来技術において考慮されておらず、したがって、従来技術をもって解決することはできない。すなわち、例えば前記特開平8−131456号公報の技術では、内視鏡の観察可能状態を検出して内視鏡保持具の動きを制限しているだけであり、内視鏡の観察方向が変更された場合、それに応じて内視鏡保持具の動きを適切に制限することができない。また、前記USP5540649号の技術では、内視鏡の繰り出しや回転によって観察位置を移動できるにもかかわらず、内視鏡保持具の動きを制限する手段がないため、術者は細心の注意を払って内視鏡の位置決めを行なわなければならない。また、前記特開平6−261911号公報の技術では、内視鏡保持具の動きの制限を選択的に行なうことができるが、選択方法は術者に任されており、術者は細心の注意を払って動きの制限を選択しなければならない。また、この技術では、内視鏡が保持具に摺動自在に取り付けられている。しかし、内視鏡は術者が意図的に操作しなければ摺動できないように固定されているため、術者は、不意の操作による術部への損傷を防ぐため、細心の注意を払って保持具および内視鏡の操作を行なわなければならない。
【0009】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、内視鏡の観察方向の変更に応じて内視鏡の保持状態を適切に制御でき、内視鏡の移動に伴う生体組織の損傷を防止することができる内視鏡観察システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の内視鏡観察システムは、複数の方向の観察が可能でありその観察方向を選択して観察可能な内視鏡と、
前記内視鏡の観察方向を変更する手段と、
体内を観察可能な状態で設置した前記内視鏡を空間内で複数の方向へ移動可能に保持するとともに、前記空間内で内視鏡を任意の位置に位置決め固定する機能を有する内視鏡保持具と、
前記内視鏡の観察方向を検出する観察方向検出手段と、
前記観察方向検出手段の検出結果に基づいて前記内視鏡が選択した観察視野方向とは異なる向きへの移動に制限を加えるように前記内視鏡保持具による内視鏡の保持状態を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1〜図5は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示されるように、本実施形態に係る医療用観察システムは、鏡体1を有する手術用顕微鏡と、手術用顕微鏡とともに使用される内視鏡観察システムとから構成されている。前記内視鏡観察システムは、内視鏡としての硬性鏡10と、硬性鏡10を保持する内視鏡保持具11と、硬性鏡10および内視鏡保持具11を操作するためのフットスイッチ15と、硬性鏡10の視野方向を制御するための視野変更制御部16と、内視鏡保持具11を制御するための内視鏡保持具制御部14とを備えている。
【0015】
手術用顕微鏡の鏡体1は、図示しない架台に取り付けられており、3次元空間の所望の位置に位置決めされている。鏡体1の位置を検知するために、鏡体1の外面には、公知のナビゲーション用のマーカ9が設けられている。立体観察が行なえるように、鏡体1には、対物レンズ2と、一対の変倍光学系3a,3bと、一対の結像光学系(結像レンズ)4a,4bと、一対の接眼光学系(接眼レンズ)5a,5bとからなる立体観察光学系が設けられている。
【0016】
結像光学系4a,4bと接眼光学系5a,5bとの間には一対のミラー6a,6bが設けられている。これらのミラー6a,6bは、図2に示されるように、全反射部33と半反射部34とを有しており、ソレノイド32a,32bにより、図中実線で示される位置と破線で示される位置との間で回動される。なお、図2には、簡単のため、片側の光路のみが示されている。
【0017】
また、硬性鏡10の観察画像を手術用顕微鏡の視野内に投影するために、手術用顕微鏡の観察光軸と直交するミラー6a,6bの光軸上には、結像レンズ7a,7bと液晶モニター8a,8bとが設けられている。
【0018】
図1に示されるように、硬性鏡10は、内視鏡保持具11により、3次元空間の所望の位置に位置決めされている。内視鏡保持具11は、6つの自由度を有するアーム13と、アーム13の先端に設けられ且つ硬性鏡10を保持する内視鏡保持部12とを備えている。アーム13は、複数のアーム部が支軸a〜fを介して互いに回動可能に連結されることによって構成されている。各支軸a〜fには図示しない電磁ブレーキが内蔵されており、各電磁ブレーキは内視鏡保持具制御部14に接続されている。
【0019】
また、フットスイッチ15は、硬性鏡10の観察方向を切り換える観察方向変更手段を構成する観察方向切り換えスイッチ(SW)15aと、前記電磁ブレーキによる制動状態を解除してアーム13の自由な動作を許容するためのアーム解除スイッチ(SW)15bとを有している。また、フットスイッチ15は、内視鏡保持具制御部14と視野変更制御部16とにそれぞれ接続されている。
【0020】
硬性鏡10の手元側には、硬性鏡10の位置検出に利用されるナビゲーション用のマーカ17と、撮像手段としてのTVカメラヘッド18とが取り付けられている。TVカメラヘッドはカメラコントロールユニット(以下、CCUという。)19に接続され、CCU19は画像変換手段20に接続され、画像変換手段20はモニタ21とミキサ22a,22bとにそれぞれ接続されている。
【0021】
また、視野変更制御部16は、内視鏡保持具制御部14と、画像変換手段20と、ナビゲーション用ワークステーション(以下、WSという。)23とにそれぞれ接続されている。WS23は、WS用モニタ24と、公知のナビゲーション用デジタイザ25と、ミキサ22a,22bとにそれぞれ接続されている。
【0022】
硬性鏡10および内視鏡保持部12の詳細が図3に示されている。図示のように、内視鏡保持部12は、硬性鏡10が挿通可能な取付孔を有する保持部本体12aと、硬性鏡10を保持部本体12aに所定の力量で固定するための重さ出し機構26とからなる。また、硬性鏡10は、その手元側に、ストッパ27を有している。このストッパ27は、硬性鏡10が保持部本体12aの前記取付孔内に挿通された際に、保持部本体12aの上端と当接して、保持部本体12aの下端からの硬性鏡10の突出量を規制する。
【0023】
重さ出し機構26は、保持部本体12aに螺着され且つその先端が保持部本体12aの前記取付孔に挿通される硬性鏡10の外面に当て付けられるビス26aからなる。ビス26aは、保持部本体12aに対する捩じ込み量(締め付け量)が調整されることにより、硬性鏡10の外面に対するその先端の圧接度合が調整される。すなわち、重さ出し機構26は、ストッパ27と協働して硬性鏡10を保持部本体12aに対して支持するとともに、ビス26aによる調整操作によって硬性鏡10の移動力量(操作力量)の重さを調整して、硬性鏡10に所定の力量以上の力が加わった時にのみ硬性鏡10の引き抜き方向(図中に矢印Aで示される軸方向)への移動または回転(硬性鏡10の長手中心軸を中心とする図中矢印Bで示される方向の回転)を許容する。
【0024】
また、硬性鏡10の先端部には、直視用対物レンズ28と側視用対物レンズ29とが配設されている。直視用対物レンズ28の中心を通る光軸と側視用対物レンズ29の中心を通る光軸との交点付近には、観察方向を直視と側視との間で切り換えるための可動ミラー30が設けられている。可動ミラー30は、視野変更制御部16によって制御されるアクチュエータ31により、図中実線で示される位置と破線で示される位置との間で回動される。
【0025】
次に、上記構成の医療用観察システムの作用について説明する。
【0026】
手術用顕微鏡のみを使用して術部を観察する場合には、鏡体1を所望の位置に位置決めして接眼レンズ5a,5bを覗くだけで良い。通常、ソレノイド32a,32bはOFF状態にあり、ミラー6a,6bは図中破線で示される位置にあるため、図示しない光源から照射された光束は、対物レンズ2を通じて鏡体1内に入射し、変倍光学系3a,3bと結像レンズ4a,4bと接眼レンズ5a,5bとを経由して、術者の眼に導かれる。したがって、術者は術部を立体的に観察することができる。
【0027】
手術用顕微鏡と硬性鏡10とを併用する場合には、まず、フットスイッチ15のアーム解除SW15bをONして、内視鏡保持具11のアーム13のロック状態を解除する。この場合、アーム解除SW15bからのON信号は内視鏡保持具制御部14に伝達され、内視鏡保持具制御部14はアーム13の支軸a〜fに内蔵された図示しない6つの電磁ブレーキを解除する。したがって、術者は、内視鏡保持具11に保持された硬性鏡10を軽い力で移動させることができる。
【0028】
次に、内視鏡保持具11に保持された硬性鏡10を3次元空間内の所望の位置に位置決めする。この時、観察方向切り換えSW15aがONされていない状態(OFF状態)では、硬性鏡10に内蔵された可動ミラー30は、図中破線で示される位置にある。そのため、硬性鏡10は直視状態となっている。すなわち、硬性鏡10の観察方向はその長手軸方向(挿入方向)に設定されている。したがって、直視用対物レンズ28に入射した光束は、TVカメラヘッド18の図示しない撮像素子上に結像し、電気信号に変換される。この電気信号は、CCU19に伝達されて規格化された映像信号に変換された後、CCU19から画像変換手段20へと出力される。
【0029】
また、観察方向切り換えSW15aがONされていない状態(OFF状態)では、硬性鏡10が直視状態である旨の信号が視野変更制御部16からWS23および画像変換手段20に出力される。画像変換手段20は、直視状態である旨の信号を受け取ると、CCU19からの映像信号をそのままモニタ21およびミキサ22a,22bに出力する。
【0030】
一方、デジタイザ25は、手術用顕微鏡の鏡体1に設けられたマーカ9および硬性鏡10に設けられたマーカ17を撮影している。デジタイザ25で撮影されたマーカ9,17はWS23で画像処理され、これによって、顕微鏡観察位置および硬性鏡10の先端位置が演算される。すなわち、顕微鏡視野内における硬性鏡10の先端位置および硬性鏡10の挿入方向が演算される。WS23は、顕微鏡視野内の液晶モニタ8a,8bの硬性鏡10の先端位置に対応する位置を起点に、直視状態である旨の信号に基づいて、硬性鏡10の挿入方向に矢印マーカ画像を作成する。矢印マーカ画像は、WS23からミキサ22a,22bへ出力される。ミキサ22a,22bは、入力された矢印マーカ画像をベースに、画像変換手段20からの硬性鏡画像を左1/4部分にスーパーインポーズする。この時の合成された画像が図4の(c)に示されている。この画像はミキサ22a,22bから液晶モニタ8a,8bに入力される。
【0031】
この状態で、図示しない入力手段を介してソレノイド32a,32bがONされると、ミラー6a,6bが図中実線で示される位置に移動し、液晶モニタ8a,8bに入力された画像が顕微鏡視野内で観察可能となる。すなわち、液晶モニタ8a,8bに入力された図4の(c)に示される画像は、結像レンズ7aを介してミラー6a,6bで反射され、接眼レンズ5a,5bを通じて術者に観察される。この場合、液晶モニタ8a,8bの左1/4に投影された硬性鏡画像は、ミラー6a,6bの全反射部33によって反射され、術者の眼に導かれる。残りの3/4は、半反射部34で反射され、顕微鏡光学像と重像されて術者の眼に導かれる。したがって、術者は、図4の(d)に示された像を顕微鏡によって観察することができ、これにより、硬性鏡10の先端が顕微鏡視野の死角に入った場合でも、硬性鏡10の先端位置および観察方向を把握しながら硬性鏡10の位置決めを行なうことができる。
【0032】
このようにして硬性鏡10の位置決めが終了したら、アーム解除SW15bをOFFする。この信号は内視鏡保持具制御部14に伝達され、アーム13の支軸a〜fに内蔵された図示しない電磁ブレーキがロックされる。これにより、硬性鏡10の位置決め状態がロックされる。
【0033】
次に、硬性鏡10によって側視観察を行なう場合には、フットスイッチ15の観察方向切り換えSW15aをONする。このON信号は視野変更制御部16に伝達され、これにより、視野変更制御部16は、アクチュエータ31に駆動信号を出力するとともに、内視鏡保持具制御部14と画像変換手段20とWS23とに対して側視状態である旨の信号を出力する。
【0034】
内視鏡保持具制御部14は、視野変更制御部16から側視状態である旨の信号が入力されている間、アーム解除SW15bの入力を受け付けない。すなわち、側視状態の時にアーム解除SW15bを操作しても、電磁ブレーキのロック状態は維持され(解除されず)、硬性鏡10を現在の位置から移動させることはできない。
【0035】
また、アクチュエータ31は、視野変更制御部16から駆動信号を受け取ると、可動ミラー30を図3に実線で示される位置へ移動させる。これにより、側視用対物レンズ29からの入射光束による像がTVカメラヘッド18によって撮像されてCCU19で映像信号に変換される。
【0036】
また、画像変換手段20は、視野変更制御部16から側視状態である旨の信号を受け取ると、CCU19からの映像信号を画像変換する。すなわち、側視用対物レンズ29から入射した光束は、一回反射でTVカメラヘッド18に撮像されるため、鏡像となる。そのため、画像変換手段20は、この鏡像を補正すべく画像変換を行ない、変換した画像をモニタ21およびミキサ22a,22bに出力する。
【0037】
また、WS23は、視野変更制御部16から側視状態である旨の信号を受け取ると、顕微鏡視野内における硬性鏡10の先端位置、硬性鏡10の挿入方向、硬性鏡10の観察方向をそれぞれ演算する。そして、WS23は、この演算結果に基づいて、顕微鏡視野内の硬性鏡10の先端位置に適合する位置を起点に、硬性鏡10の観察方向に矢印マーカ画像を作成する。この矢印マーカ画像は、直視状態の時と同様に、ミキサ22a,22bで硬性鏡10の画像と合成される。合成された画像が図4の(a)に示されている。したがって、術者は、図4の(b)に示された像を顕微鏡によって観察することができる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、硬性鏡10が直視状態にある時にのみ、内視鏡保持具11を介して硬性鏡10を移動させることができるようになっている。すなわち、本実施形態において、視野変更制御部16は、フットスイッチ15の観察方向切り換えSW15aのON/OFF状態を検知して硬性鏡10の観察方向を検出する観察方向検出手段を構成しており、観察方向切り換えSW15aからON信号を受け取らない時すなわち硬性鏡10が直視状態にある時には内視鏡保持具制御部14に信号を出力せず、また、観察方向切り換えSW15aからON信号を受け取った時すなわち硬性鏡10が側視状態にある時には内視鏡保持具制御部14にその旨の信号を出力する。一方、内視鏡保持具制御部14は、視野変更制御部16からの出力信号を受け取らない時には、フットスイッチ15のアーム解除SW15bからのON信号に基づいて、内視鏡保持具11のアーム13に設けられた電磁ブレーキのロック状態を解除して硬性鏡10の自由な移動を許容するとともに、視野変更制御部16から出力信号を受け取った時には、その信号に基づいて、内視鏡保持具11のアーム13に設けられた電磁ブレーキのロック状態を解除不可能とし、硬性鏡10のそれ以上の動きを阻止する。つまり、本実施形態では、視野変更制御部16によって硬性鏡10の観察方向が検出されるとともに、その検出結果により内視鏡保持具制御部14が内視鏡保持具11による硬性鏡10の保持状態を制御するようになっている。
【0039】
このように、硬性鏡10が直視状態にある時に硬性鏡10の移動を可能とし、硬性鏡10が側視状態にある時には硬性鏡10の移動を不可能とする制御形態を採用すれば、硬性鏡10の先端側前方の状態が把握できない側視状態下で硬性鏡10を不用意に動かして硬性鏡10によって患部を傷付けてしまう(硬性鏡10の軸方向の移動に術者が気付かず、硬性鏡10の先端によって術部を損傷させてしまう)といった事態を回避することができる。
【0040】
また、本実施形態では、内視鏡保持具11がフリー状態にある場合(硬性鏡10が直視状態で、アーム13が電磁ブレーキ解除状態にある場合)、硬性鏡10に所定の力量以上の力が加わると、重さ出し機構26によって硬性鏡10の引き抜き方向への移動が許容されるようになっている。したがって、硬性鏡10に不用意な力(具体的には、軸方向の力)を加えてしまった場合でも、硬性鏡10によって術部を傷付けてしまうことがない。すなわち、硬性鏡10に軸方向の力が作用して、硬性鏡10の先端が術部に突き当たった場合には、その反作用として硬性鏡10が引き抜き方向に力を受けるが、この力を重さ出し機構26によって逃がしてやることにより、術部が硬性鏡10の先端によって圧迫されて損傷を受けることが防止される。
【0041】
また、本実施形態では、硬性鏡10の観察方向を顕微鏡視野内に表示させることができるようになっている。したがって、顕微鏡視野内における硬性鏡10の観察点の把握が容易となり、手術の効率アップが可能となる。
【0042】
なお、本実施形態においては、WS23が作成する矢印マーカ画像に硬性鏡10の仮想像を重ねても良い。すなわち、例えば検出した観察方向に応じて、図5の(a)または(b)のような矢印マーカと硬性鏡仮想像とを作成し、この画像を顕微鏡視野に投影すれば、図5の(c)または(d)のような顕微鏡像を得ることができる。このような画像によれば、硬性鏡10の先端が死角になった場合でも、硬性鏡10の先端位置の把握がさらに容易となり、手術をよりスムーズに行なうことができる。
【0043】
図6および図7は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
本実施形態において、硬性鏡40は、第1の実施形態と同一の内視鏡保持具11に取り付けられている。硬性鏡40の先端には、直視用対物レンズ41と側視用対物レンズ42とが第1の実施形態と同様に設けられている。直視用対物レンズ41の直ぐ後ろには、直視用シャッタ部材43が設けられている。側視用対物レンズ42の直ぐ後ろには、側視用シャッタ部材44が設けられている。直視用シャッタ部材43および側視用シャッタ部材44は、シャッタ制御手段45に接続されている。直視用対物レンズ41および側視用対物レンズ42の各光軸の交点には、直視用対物レンズ41および側視用対物レンズ42からの各光束をTVカメラヘッド18へ導くハーフプリズム46が設けられている。
【0045】
シャッタ制御手段45には、第1の実施形態と同様の視野変更制御部16およびタイミングジェネレータ(以下、TGという。)47が接続されている。TG47はCCU19および像分割手段48に接続されている。
【0046】
CCU19の図示しない映像信号出力端子は、像分割手段48に接続されている。像分割手段48は、TG47の入力に同期してCCU19からの映像信号をフレーム毎に分割して第1および第2の出力端子から出力する。前記第1の出力端子はミキサ49に直結されており、前記第2の出力端子は画像変換手段20を介してミキサ49に接続されている。また、ミキサ49の出力端子は、モニタ21および第1の実施形態と同様のミキサ22a,22bに接続されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0047】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0048】
硬性鏡40が直視状態の場合(観察方向切り換えSW15aがONされていない場合)、シャッタ制御手段45は、TG47のタイミングに同期して、直視用シャッタ部材43および側視用シャッタ部材44を制御する。すなわち、シャッタ制御手段45は、一定周期で、「直視用シャッタ部材43…ON;側視用シャッタ部材44…OFF」の状態と「直視用シャッタ部材43…OFF;側視用シャッタ部材44…ON」の状態とを切り換える。シャッタ部材43,44はONの場合に光を透過し、OFFの場合に光を遮光する。これによって、TVカメラヘッド18では、一定周期で直視像と側視像とが交互に撮影される。CCU19は、TG47のタイミングに同期して撮影された画像を映像信号として出力する。CCU19から出力された映像信号は、像分割手段48において、TG47のタイミングに同期して2つの画像に分割される。すなわち、「直視用シャッタ部材43…ON;側視用シャッタ部材44…OFF」の状態(タイミング)で撮影された直視画像の映像信号は、像分割手段48の第1の出力端子からミキサ49に出力される。また、「直視用シャッタ部材43…OFF;側視用シャッタ部材44…ON」の状態(タイミング)で撮影された側視画像の映像信号は、像分割手段48の第2の出力端子から画像変換手段20に入力され、第1の実施形態と同様に一回反射の鏡像が正立像に補正された後、ミキサ49に出力される。
【0049】
像分割手段48の第1および第2の出力端子からミキサ49に出力された信号は、ミキサ49で合成され、モニタ21の左右に図6に示される如く表示される。また、ミキサ49の別の出力端子は第1の実施形態と同様のミキサ22a,22bにも接続されているため、鏡体1の液晶モニター8a,8bにもモニタ21と同様の画像が表示される。この時の顕微鏡視野内の画像が図7に示されている。顕微鏡像に重像されている矢印画像は、第1の実施形態と同様に作成されるが、本実施形態の場合は、硬性鏡40の直視方向と側視方向とが同時に観察されるため、その両方の観察方向が同時に表示される。
【0050】
このように、術者は、直視状態と側視状態とを同時に観察しながら、内視鏡保持具11の固定状態を解除して、硬性鏡40の位置決めを行なう。
【0051】
次に、術者が側視方向を詳細に観察する場合には、フットスイッチ15の観察方向切り換えSW15aをONする。この信号は視野変更制御部16へ送られ、視野変更制御部16はシャッタ制御手段45に側視方向の観察をする旨の信号を出力する。これによって、シャッタ制御手段45は、直視用シャッタ部材43をOFFに、側視用シャッタ部材44をONする。すなわち、TVカメラヘッド18は側視用対物レンズ42の画像のみを撮像する。TVカメラヘッド18で撮像された側視画像は、CCU19で映像信号に変換され、像分割手段48およびミキサ49を介してモニタ21に表示される。
【0052】
この他の作用は第1の実施形態と同様であり、顕微鏡視野には図4の(b)に示されるような像が観察される。無論、この状態では、内視鏡保持具11の動作はロックされている。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、直視状態では、直視像と側視像とを同時に観察しながら硬性鏡40の位置決めを行なえるため、位置決め作業がより効率的に行なえる。
【0054】
図8は本発明の第3の実施形態を示している。なお、なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
本実施形態において、内視鏡保持具11のアーム13の先端には、内視鏡保持部60が設けられている。内視鏡保持部60には、硬性鏡61が挿入されて取り付けられている。内視鏡保持部60の内視鏡挿通穴69は、その内径が硬性鏡61の挿入部の外径と略同一の小径穴部69aと、その内径が小径穴部69aのそれよりも大きい大径穴部69bとからなる。また、内視鏡保持部60には、大径穴部69bの近傍に、永久磁石62が埋め込まれている。
【0056】
硬性鏡61の挿入部の外周面にはストッパ部材63が嵌合されている。このストッパ部材63が内視鏡挿通穴69の段差部すなわち大径穴部69bの奥端面に係合することにより、硬性鏡61が軸方向で位置決めされる。なお、ストッパ部材63は、磁石に吸着する材料、例えば鉄等によって形成されている。また、硬性鏡61はステンレス製である。なお、その他の構成は第1の実施形態と同一である。
【0057】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0058】
硬性鏡61を内視鏡保持部60に挿入すると、硬性鏡63に嵌合されたストッパ部材63が内視鏡挿通穴69の段差部(大径穴部69bの奥端面)に係合して永久磁石62により固定される。この状態で、術者が、硬性鏡61を位置合わせするために、硬性鏡61の軸方向に不用意な力を加えると、硬性鏡61はその先端が生体に突き当たって引き抜き方向Aに力を受ける。永久磁石62は所定の力量でストッパ部材63を固定しているため、これを超える力量の引き抜き方向の力が硬性鏡61に作用すると、ストッパ部材63は内視鏡保持部60の大径穴部69bから外れる。したがって、硬性鏡61は引き抜き方向に移動することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、構造が簡単となり、安価に製造できる。
【0060】
図9は本発明の第4の実施形態を示している。なお、なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
本実施形態において、内視鏡保持具11のアーム13の先端には内視鏡保持部70が設けられている。内視鏡保持部70には、硬性鏡71が挿入されて取り付けられている。内視鏡保持部70の内視鏡挿通穴79は、その内径が硬性鏡71の挿入部の外径と略同一の小径穴部79aと、その内径が小径穴部79aのそれよりも大きい大径穴部79bとからなる。また、内視鏡保持部70には、大径穴部79bの近傍に、電磁石72が埋め込まれている。この電磁石72は電流調節部73に接続されている。
【0062】
硬性鏡71の挿入部の外周面にはストッパ部材63が嵌合されている。このストッパ部材63が内視鏡挿通穴79の段差部すなわち大径穴部79bの奥端面に係合することにより、硬性鏡71が軸方向で位置決めされる。
【0063】
硬性鏡71の先端部には、少なくとも1つの方向(本実施形態では少なくとも軸方向)から加えられた外力を検出する外力検出手段としての複数の圧力センサ74が設けられている。これらの圧力センサ74は電流調節部73に接続されている。なお、その他の構成は第1の実施形態と同一である。
【0064】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0065】
術者が硬性鏡71を使用する際は、電流調節部73から所定の電流が電磁石72に供給される。電磁石72は、この電流により所定の磁力を発生し、ストッパ部材63を強固に固定する。これによって、硬性鏡71は内視鏡保持部70に強固に固定される。
【0066】
術者が硬性鏡71を位置決めする際に不用意な力を加えた場合、硬性鏡71の先端に設けられた圧力センサ74が生体組織に触れて出力を発生する。圧力センサー74の出力は電流調節部73に伝達される。電流調節部73は、圧力センサ74からの出力を受けると、電磁石72に出力する電流値を所定の電流値よりも小さくする。これによって、電磁石72の磁力は弱くなる。したがって、硬性鏡71が引き抜き方向の力を受けた場合に、硬性鏡71は容易に内視鏡保持部60から外れ、引き抜き方向に移動する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、圧力センサ74によって非常に軟らかい組織に対しても適用が可能となる。また、硬性鏡の種類によって固定力を調節できるため汎用性が高い。なお、本実施形態においては、圧力センサ74の出力を受けた場合の電流調節部73の電流出力をゼロにしても、同様の効果が得られる。
【0068】
図10は本発明の第5の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0069】
本実施形態において、内視鏡保持具11のアーム13の先端には、内視鏡保持部80が設けられている。内視鏡保持部80の内視鏡挿通穴89には、硬性鏡10が挿入されて取り付けられている。また、内視鏡保持部80にはエンコーダ81が内蔵されている。エンコーダ81は、円筒形状に形成されており、円筒の中空部内に挿入された硬性鏡10の回転角度を検出する。硬性鏡10は、第1の実施の形態と同様、直視と側視の各状態に切り換え可能である。
【0070】
エンコーダ81は観察角度検出部(観察方向検出手段)82に接続されている。観察角度検出部82は内視鏡保持具制御部14に接続されている。視野変更制御部16は、第1の実施形態と同様、内視鏡保持具制御部14に接続されている。内視鏡保持具制御部14は、第1の実施の形態と同様、アーム13の各支軸a〜軸fに内蔵された図示しない電磁ブレーキに接続されている。なお、その他の構成は第1の実施形態と同一である。
【0071】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0072】
術者は、硬性鏡10が直視状態においてアーム解除SW15bをONすることにより、第1の実施形態と同様に硬性鏡10の全体の位置決めを行なうことができる。また、術者は、観察方向切り換えSWをONすることにより、硬性鏡10の観察方向を側視状態に切り換えることができる。この時、視野変更制御部16は、側視状態である旨の信号を内視鏡保持具制御部14に出力する。また、この時、エンコーダ81は硬性鏡10の回転角度を出力し、観察角度検出部82はこの出力を基に硬性鏡10が例えば上方を観察していることを検出する。具体的には、観察角度検出部82は、上方または下方を観察していることを検出した際には、上下方向観察信号を内視鏡保持具制御部14に出力する。同様に、術者が硬性鏡10を回転させて右方または左方を観察している際には、観察角度検出部82は、その旨を検知し、左右方向観察信号を内視鏡保持具制御部14に出力する。
【0073】
内視鏡保持具制御部14は、側視状態である旨の信号および上下方向観察信号を受け取っている場合は、アーム解除SW15bがONされると、軸aの電磁ブレーキのみを解除する。これにより、内視鏡保持具11は軸aのみフリーとなるため、硬性鏡10の先端は図中実線で示される方向(上下方向)にのみ移動可能となる。また、内視鏡保持具制御部14は、側視状態である旨の信号および左右方向観察信号を受け取っている場合には、アーム解除SW15bがONされると、軸bの電磁ブレーキのみを解除する。これにより、内視鏡保持具11は軸bのみフリーとなるため、硬性鏡10の先端は図中破線で示される方向(左右方向)にのみに移動可能となる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、側視状態の時であっても、硬性鏡の移動を観察方向にのみ許容するため、観察の自由度が増し、手術がスムーズに行なえる。
【0075】
図11および図12は本発明の第6の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0076】
本実施形態において、手術用顕微鏡の鏡体1には、第1の実施形態と同様、結像レンズ4a,4bと、接眼レンズ5a,5bと、結像レンズ7a,7bと、液晶モニタ8a,8bとが設けられている。
【0077】
顕微鏡用結像レンズ4a,4bの光軸と液晶モニタ用結像レンズ7a,7bの光軸との交点で且つ結像点の付近には、ミラー90が設けられている。ミラー90はその1/4が切り欠かれている。フットスイッチ15のアーム解除SW15bは、内視鏡保持具制御部14に直接に接続されておらず、モータ制御部91を介して接続されている。また、観察方向切り換えSW15aはモータ制御部91に接続されている。
【0078】
モータ制御部91はモータ92に接続されている。モータ92の回転軸にはラックピニオン機構93のピニオンギアが取り付けられている。また、ラックピニオン機構93のラックはミラー90に取り付けられており、これにより、ミラー90は反射面方向に摺動可能となっている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0079】
次に、上記構成の作用について説明する。
【0080】
硬性鏡10が直視状態である場合、ミラー90は図11の(b)に示す位置にあり、顕微鏡視野は図12の(b)に示す如きになる。この状態で、術者は、硬性鏡10の位置決めを行なう。硬性鏡10が直視状態の時は、アーム解除SW15bの信号はモータ制御部91を介してそのまま内視鏡保持具制御部14に送られる。これによって、硬性鏡10がフリーで移動される。
【0081】
次に、術者が硬性鏡10を側視状態に切り換える場合は、フットスイッチ15の観察方向切り換えSW15aをONする。これにより、硬性鏡10の視野は側視方向に切り換わる。同時に、観察方向切り換えSW15aからのON信号はモータ制御部91にも伝達され、モータ92が駆動される。これによって、ラックピニオン機構93を介してミラー90が図12の(a)の位置へと移動される。この時、WS23は、矢印マーカ画像の代わりに図12の(a)に示す内視鏡キャラクタ画像を作成して出力する。内視鏡キャラクタ画像には、顕微鏡視野内における硬性鏡10の向きが硬性鏡10のイメージで作成され、観察方向が矢印で示される。ミキサ22a,22bは適宜作用し、硬性鏡10の画像および内視鏡キャラクタ画像を合成する。顕微鏡像は、ミラー90の1/4切り欠き部のみを通過して観察される。この時の顕微鏡視野は図12の(a)の如きになる。
【0082】
ここで、術者が硬性鏡10の観察位置を移動する場合は、フットスイッチ15のアーム解除SW15bをONする。アーム解除SW15bの信号はモータ制御部91へ伝達される。これにより、モータ制御部91はモータ92を駆動する。モータ92によってラックピニオン機構93が駆動され、ミラー90が図11の(b)に示す位置に待避される。この後、モータ制御部91から内視鏡保持具制御部14へアーム解除信号が出力される。ここで、術者が硬性鏡10を直視状態にすれば、硬性鏡10の移動がフリーで行なわれる。
【0083】
以上のように、本実施形態によれば、硬性鏡観察時に、硬性鏡を移動しようとした場合、観察視野が顕微鏡画像に切り換わるため、術者は容易に硬性鏡を目的部位に導くことができ、手術の効率が向上する。
【0084】
なお、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。
【0085】
1.内視鏡と、内視鏡を所定の自由度で保持する保持具と、内視鏡の観察方向を変更する手段とを有する医療用観察システムにおいて、
内視鏡の観察方向を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果に基づいて保持具の自由度を制限する制限手段とを設けたことを特徴とする医療用観察システム。
【0086】
(第1項の効果)内視鏡の観察方向を変更しても、保持具に適切な動きの制限を与えることができる。したがって、手術をスムーズに行なえる。
【0087】
2.前記検出手段が内視鏡が直視状態であることを検出した場合のみ、前記保持具の移動が可能であることを特徴とする第1項に記載の医療用観察システム。
【0088】
3.前記制限手段は、前記検出手段の検出結果に関わらず、保持具の少なくとも一つの方向の動きに対しては制限を加えないことを特徴とする第1項に記載の医療用観察システム。
【0089】
4.前記動きの制限を加えない方向は、内視鏡の軸線方向であることを特徴とする第3項に記載の医療用観察システム。
【0090】
5.内視鏡を保持する内視鏡保持具において、
前記内視鏡保持具の内視鏡取り付け部が、少なくとも一つの方向に対して所定の力量で内視鏡の固定が解除される取り付け手段であることを特徴とする内視鏡保持具。
【0091】
(第5項の効果)
不意な力を与えても安全である。
【0092】
6.内視鏡の固定が解除される方向は、内視鏡の軸線方向であることを特徴とする第5項に記載の内視鏡保持具。
【0093】
7.前記取り付け手段がマグネットであることを特徴とする第5項または第6項に記載の内視鏡保持具。
【0094】
8.手術用顕微鏡と、内視鏡と、内視鏡の移動状態を検出する検出部と、手術用顕微鏡像と内視鏡像を切り換えて観察可能な表示部とを有する医療用観察システムにおいて、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記表示部を手術用顕微鏡像に切り換える制御部を有することを特徴とする医療用観察システム。
【0095】
(第8項の効果)
内視鏡保持具を移動する際に、術者が瞬時に周囲の状況を把握できる。したがって、顕微鏡観察下での内視鏡の操作性を向上できる。
【0096】
9.前記表示部が手術用顕微鏡像および内視鏡像を切り換えて表示する際には、他方の画像を子画面表示することを特徴とする第8項に記載の医療用観察システム。
【0097】
10.前記手術用顕微鏡像は光学像であることを特徴とする第8項または第9項に記載の医療用観察システム。
【0098】
11.前記内視鏡は保持具に保持されており、前記検出部は保持具の状態を検出する手段であることを特徴とする第8項ないし第10項のいずれか1項に記載の医療用観察システム。
【0099】
12.前記内視鏡は保持具に保持されており、前記検出部は保持具への操作入力を検出する手段であることを特徴とする第11項に記載の医療用観察システム。
【0100】
13.手術用顕微鏡と、内視鏡と、内視鏡先端位置及び手術用顕微鏡観察位置を検出するナビゲーション装置と、内視鏡の観察方向を検出する検出部とを有する医療用観察システムにおいて、
ナビゲーション装置により内視鏡先端が手術用顕微鏡視野内に導かれたことを検出した際に、前記検出部の検出結果に基づいて少なくとも内視鏡の観察方向を手術用顕微鏡視野と関連づけて表示することを特徴とした医療用観察システム。
【0101】
(第13項の効果)
手術用顕微鏡と内視鏡を同時に使用する手術において、手術用顕微鏡の死角を観察する際に内視鏡の観察位置および観察方向を容易に把握できる。これに対して、特開平9−140665号公報、特開平9−253038号公報、特開平10−234663号公報等に開示されている従来技術にあっては、内視鏡の観察位置および方向をMRI像、内視鏡像(再構築像を含む)に表示しているため、顕微鏡視野内で観察した場合に視野内の内視鏡との相関を掴みづらいという欠点がある。
【0102】
14.前記関連づけは、内視鏡の観察方向を、前記手術用顕微鏡の光学像に重ね合わせて表示することを特徴とする第13項に記載の医療用観察システム。
【0103】
15.前記内視鏡の観察方向を示すキャラクターを、前記手術用顕微鏡の視野内に表示することを特徴とする第13項または第14項に記載の内視鏡観察システム。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、内視鏡の観察方向の変更に応じて或いは内視鏡に不意な力が作用した際に内視鏡の保持状態を適切に制御でき、内視鏡の移動に伴う生体組織の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る観察システムを概略的に示す全体構成図である。
【図2】図1の観察システムを構成する内視鏡とその保持部の要部拡大図である。
【図3】図1の観察システムを構成する手術用顕微鏡の鏡体内部の要部を示す斜視図である。
【図4】(a)および(c)は矢印マーカ画像と内視鏡との合成画像、(b)および(d)は前記合成画像が投影された顕微鏡視野内における像である。
【図5】(a)および(b)は矢印マーカと内視鏡仮想像の合成画像、(c)および(d)は前記合成画像を含む内視鏡像が投影された顕微鏡視野内における像である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る観察システムの要部構成図である。
【図7】図6の観察システムによって得られる顕微鏡視野内における像である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る観察システムを構成する内視鏡とその保持部の要部拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る観察システムを構成する内視鏡とその保持部の要部拡大図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る観察システムの要部構成図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る観察システムの要部構成図である。
【図12】図11の観察システムによって得られる顕微鏡視野内における像である。
【符号の説明】
10,40,61,71…硬性鏡(内視鏡)
11…内視鏡保持具
12,60,70,80…内視鏡保持部
14…内視鏡保持具制御部(制御手段)
15a…観察方向切り換えSW(観察方向変更手段)
16…視野変更制御部(観察方向検出手段)
82…観察角度検出部(観察方向検出手段)

Claims (1)

  1. 複数の方向の観察が可能でありその観察方向を選択して観察可能な内視鏡と、
    前記内視鏡の観察方向を変更する手段と、
    体内を観察可能な状態で設置した前記内視鏡を空間内で複数の方向へ移動可能に保持するとともに、前記空間内で内視鏡を任意の位置に位置決め固定する機能を有する内視鏡保持具と、
    前記内視鏡の観察方向を検出する観察方向検出手段と、
    前記観察方向検出手段の検出結果に基づいて前記内視鏡が選択した観察視野方向とは異なる向きへの移動に制限を加えるように前記内視鏡保持具による内視鏡の保持状態を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内視鏡観察システム。
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