JP4353448B2 - 油圧制御機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速装置と組み合わせて用いられる油圧クラッチ式多段変速装置に対し、係合/非係合を切り換える為の作動油の油圧を制御する油圧制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業車等の車輌における走行系伝動機構を構成する油圧クラッチ式多段変速装置に対する作動油の油圧を調整する為に、該作動油の供給路となる油圧回路にディレイリリーフ弁を介挿することは、従前から行われている。
即ち、前記ディレイリリーフ弁を備えることによって、次に係合させる油圧クラッチに対する作動油の油圧を初期油圧から設定油圧まで漸増させることができ、これにより、次段の油圧クラッチの係合を緩やかに行い、変速時におけるショックの緩和やクラッチ板の過磨耗の防止等を図ることができる。
【0003】
ところで、走行時の車輌に掛かる負荷トルク(走行抵抗)は、一定ではなく、作業中であるか否かや積荷量の大小、さらには、路面状態等によって、変化する。例えば、平坦な舗装路を走行する場合等においては、車輌に掛かる負荷トルクが小さいし、一方、登り坂や非舗装路を走行する場合、若しくは、作業車の場合に作業を行いながら走行する際等においては、車輌に高負荷トルクが掛かる。
【0004】
斯かる高負荷トルク状態において、前記油圧式多段変速装置を変速する場合には、次に係合される油圧クラッチに対する作動油の油圧を早く係合可能油圧まで上昇させて、早く駆動力を伝達させないと、変速時における大きな速度変化や、場合によっては車輌のずり落ち、さらには、エンジンストール等の不都合が生じる恐れがある。
【0005】
また、高負荷トルク状態の場合には、次に係合される油圧クラッチへの切換時点において、該油圧クラッチに作用する作動油の油圧を高くしておかないと、該油圧クラッチが滑り、有効に駆動力の伝達を行えない恐れも生じる。
【0006】
このように、油圧クラッチ式多段変速装置の次に係合させる油圧クラッチに対する作動油の適性な油圧制御は、車輌に対する負荷トルクに応じて変動するものであるが、従来のディレイリリーフ弁を備えた油圧制御機構においては、斯かる観点からは十分な考慮がなされていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、無段変速装置と組み合わせて用いられる油圧クラッチ式多段変速装置に対し、係合/非係合を切り換える為の作動油の油圧を制御する油圧制御機構であって、次に係合させる油圧クラッチに対する作動油の油圧を初期油圧から設定油圧まで漸増させるディレイリリーフ弁を備えた油圧制御機構において、作動油の油圧を前記初期油圧から設定油圧まで漸増させる際の油圧制御を、車輌に対する負荷トルクに応じて、適切に行える油圧制御機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、油圧式無段変速装置と組み合わせて用いられる油圧クラッチ式多段変速装置係合/非係合を切り換える為の作動油の油圧を制御する油圧制御機構であって、前記多段変速装置に対する作動油の供給路となる作動油供給用油圧回路と、前記油圧回路に介挿されたディレイリリーフ弁とを備え、前記油圧回路は、作動油が供給されるチャージラインと、一端部が前記チャージラインに連通された油圧設定ラインと、一端部が前記チャージラインに連通された第1油圧制御ラインと、第2油圧制御ラインと、前記多段変速装置における複数の油圧クラッチのうち人為操作に応じて選択された一の油圧クラッチを前記チャージラインに流体接続させ且つ残りの油圧クラッチを油圧クラッチ用のドレンラインに流体接続させる切換弁と、前記切換弁が前記複数の油圧クラッチの何れか一の油圧クラッチを係合させる一の係合位置に位置している場合には前記第2油圧制御ラインを第2油圧制御ライン用のドレンラインに対して遮断し且つ前記切換弁が前記一の係合位置から他の油圧クラッチを係合させる他の係合位置に移動される間のみ前記第2油圧制御ラインを前記第2油圧制御ライン用ドレンラインに連通する解放機構とを備え、前記ディレイリリーフ弁は、スリーブと、前記スリーブの一端側開口を閉塞する蓋部材と、前記蓋部材と共働して前記スリーブの一端側に油圧制御室を画するように前記スリーブに軸線方向摺動自在に収納された制御ピストンと、前記スリーブの他端側に油圧設定室を画するように前記スリーブに軸線方向摺動自在に収納された弁体と、前記スリーブ内における前記制御ピストン及び前記弁体の間のバネ室に収納された油圧設定バネとを備え、前記油圧制御室は前記第2油圧制御ラインに流体接続され且つ前記蓋部材の連通孔に軸線方向摺動可能に挿入された摺動部材に形成された絞り溝を介して前記第1油圧制御ラインに流体接続され、前記油圧設定室は前記油圧設定ラインに流体接続されており、前記油圧設定室の圧力上昇に応じて前記弁体が前記油圧設定バネを圧縮させる方向へ移動すると油圧設定用ドレンラインに連通され且つ前記油圧設定室の圧力下降に応じて前記弁体が前記油圧設定バネの付勢力によって前記油圧設定室を縮小させる方向へ移動すると前記油圧設定用ドレンラインに対して遮断され、前記制御ピストンは、前記油圧制御室が初期油圧とされる際には前記油圧制御室側の初期油圧位置に位置し且つ前記油圧制御室の油圧が前記初期油圧から設定油圧まで上昇するに従って前記初期油圧位置から設定油圧位置まで前記油圧設定バネを圧縮させる方向へ移動し、前記摺動部材は、前記絞り溝が設けられた本体部と、前記本体部から延びる延在部であって、自由端部が前記制御ピストンに当接する延在部とを有し、前記ディレイリリーフ弁には、さらに、前記摺動部材と共に軸線方向に移動するように前記本体部に連結された油圧ピストンと、前記油圧ピストンを前記制御ピストンから離間する方向へ付勢する戻しバネとが設けられ、前記油圧ピストンは、前記無段変速装置における一対の油圧ラインのうちの高圧側の油圧ラインに流体接続されたHSTラインの油圧上昇に応じて前記戻しバネの付勢力に抗して前記制御ピストンに近接する方向へ移動するように、前記HSTラインの油圧を受けている油圧制御機構を提供する。
【0009】
好ましくは、前記絞り溝は、前記制御ピストンとは離間する側から前記制御ピストンに近接する側に向かうに従って幅狭とされる。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、本発明に係る油圧制御機構100の好ましい第1の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係る油圧制御機構が適用された車輌の伝動経路の模式図である。
【0011】
本実施の形態に係る油圧制御機構100は、駆動源200から駆動輪210に至る走行系動力伝達経路に、静油圧式無段変速装置10と組み合わせて用いられる油圧クラッチ式多段変速装置60の油圧クラッチに対する作動油の油圧を制御するものである。
なお、図1における符号300は、前記油圧クラッチ式多段変速装置の駆動軸231と出力軸310とを強制的に連結させる非常用クラッチであり、非常時に、無段変速装置の出力を直接に出力軸310へ伝達する際に使用される。
また、符号320は前記出力軸310に作動的に連結された前輪動力取出軸である。
【0012】
まず、前記静油圧式無段変速装置10及び油圧クラッチ式多段変速装置60について、主に図2を参照しつつ説明する。図2は、前記油圧制御機構100、前記静油圧式無段変速装置10及び多段変速装置60の油圧回路図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、前記静油圧式無段変速装置10は、駆動源100に作動的に連結されたポンプ軸11aを有する油圧ポンプ11と、モータ軸15aを有する油圧モータ15と、前記油圧ポンプ11及び油圧モータ15間を接続して閉回路を構成する一対の油圧ライン20とを備えている。
【0014】
前記油圧ポンプ11及び油圧モータ15は、少なくとも一方が斜板を有する可変容積型とされており、該斜板の操作に応じて、ポンプ軸11aの回転に対し、モータ軸15aの回転を無段階に変化させ得るようになっている。本実施の形態においては、油圧ポンプ11を斜板11bを有する可変容積型とし、油圧モータ15は固定容積型としている。
【0015】
前記多段変速装置60は、図1及び図2に示すように、駆動軸231及び従動軸232間において変速を行うパワーシフト装置70を複数個(本実施の形態においては、70a〜70cの3個)備えている。
【0016】
本実施の形態においては、前記駆動軸231として、モータ軸15aと同軸上に配され且つ該モータ軸15aに軸線周り相対回転不能に連結された中間軸を用いている。また、前記従動軸232として、前記ポンプ軸11aと同軸上に配された筒軸を用い、該筒軸内に、前記ポンプ軸11aと同軸上に配され且つ該ポンプ軸に軸線周り相対回転不能に連結されたPTO軸233を相対回転自在に挿通させ、これにより、PTO軸233を備える場合における車輌全体の小型化を図っている。
【0017】
各パワーシフト装置70a〜70cは、駆動軸231又は従動軸232の一方に支持される油圧クラッチ装置71a〜71cと、他方の軸に相対回転不能に支持される固定歯車72a〜72cとを備えている。
【0018】
前記油圧クラッチ装置71a〜71cは、それぞれ、前記他方の軸に相対回転不能とされ且つ軸方向摺動自在とされた油圧ピストンが内装されるハウジング部材73a〜73cと、前記他方の軸に相対回転自在且つ軸方向摺動不能に支持され、前記固定歯車72a〜72cと噛合するようにされた遊嵌歯車74a〜74cとを備えている。
【0019】
そして、前記ハウジング部材73a〜73c及び遊嵌歯車74a〜74cには、それぞれ、対応するクラッチ板(図示せず)が備えられている。さらに、前記クラッチ装置71a〜71cには、前記ハウジング部材73a〜73c及び遊嵌歯車74a〜74cのそれぞれのクラッチ板を互いに離間する方向へ付勢する付勢部材(図示せず)が備えられており、後述する第1速ライン〜第3速ラインのうちの何れか一の変速ラインに圧油が選択的に供給されることによって、該選択された変速ラインに連通するクラッチ装置が係合するようになっている。
【0020】
次に、本実施の形態に係る油圧制御機構100について説明する。
該油圧制御機構100は、前記多段変速装置に対する作動油の供給路となる作動油供給用油圧回路110と、該油圧回路に介挿されたディレイリリーフ弁150とを備えている。
【0021】
前記作動油供給用油圧回路110は、静油圧式無段変速装置10の作動油補給に用いられるチャージポンプ250から分流弁を経てその一部の圧油が供給されるチャージライン111と、一端部が該チャージラインに連通された油圧設定ライン112と、一端部が前記チャージラインに連通された第1油圧制御ライン113と、一端部が前記ディレイリリーフ弁150に連通された第2油圧制御ライン114と、入力側に前記チャージライン111の後端部が接続された切換弁120と、該切換弁に接続されたドレンライン115と、該切換弁の出力側と前記各クラッチ装置のそれぞれとの間に接続された第1速〜第3速ライン116a,116b,116cと、前記切換弁の移動に応じて、前記第2油圧制御ライン114をドレンライン117に連通/遮断する解放機構130とを備えている。
【0022】
前記切換弁120は、運転席の近傍に備えられる変速レバー270の操作に応じて、第1速段係合位置、第2速段係合位置、及び第3速段係合位置をとるようになっている(図2においては、切換弁が第1速段係合位置に位置している)。
【0023】
前記解放機構130は、第2油圧制御ライン114に介挿されたプッシュピン付きチェック弁131を備え、プッシュピン131aがチェック弁131bに向けて押動されると、第2油圧制御ライン114がドレンライン117に連通するようになっている。
【0024】
なお、前記プッシュピン131aは、常時、チェック弁131bから離間する方向へ付勢されており、これにより、プッシュピン131aがチェック弁131bに向けて押動された場合にのみ、第2油圧制御ライン114がドレンライン117に連通するようになっている。
【0025】
さらに、該解除機構130には、切換弁120の位置に応じて、前記プッシュピン131aを押動/非押動する押動部材132を備えている。
即ち、該押動部材132には、切換弁120の係合位置に対応した凹部132aと、切換弁の一の係合位置から他の係合位置への移行状態に対応した凸部132bとを有しており、切換弁120が何れかの係合位置に位置する場合には、前記プッシュピン131aを押動せず、切換弁120が一の係合位置から次段の係合位置へ移動される間のみ、前記プッシュピン131aを押動するようになっている。
【0026】
ここで、切換弁120の移動に伴う前記作動油供給用油圧回路110の油圧状態について、該切換弁120が(i)第1速段係合位置に位置する場合、(ii)第1速段係合位置から第2速段係合位置への移行途中に位置する場合、及び(iii)第2速段係合位置に位置する場合、を例に説明する。
【0027】
(i)切換弁が第1速段係合位置に位置している場合(図2に示す状態)
第1速ライン116aはチャージライン111に連通され、第2速ライン116bは絞り弁121を介してドレンライン115に連通され、第3速ライン116cはドレンライン115に連通される。
一方、前述のように、切換弁120が係合位置に位置している場合には、第2油圧制御ライン114は閉塞される。
従って、切換弁120が第1速段係合位置に位置する場合、第1速ライン116aの油圧は時間の経過に伴ってディレイリリーフ弁150によって設定される油圧まで上昇し、該設定油圧で維持される。
【0028】
(ii)切換弁が第1速段係合位置から第2速段係合位置への移行途中に位置する場合
前述のように、切換弁120が移行途中にある場合には、解放機構130によって、第2油圧制御ライン114がドレンライン117に連通される。従って、切換弁120の入力側に位置する油圧ライン、即ち、第2油圧制御ライン114、第1油圧制御ライン113、油圧設定ライン112及びチャージライン111の油圧は、初期油圧まで下降する。
一方、第1速ライン116aは、密閉状態となるので、実質的に前記設定油圧のまま維持される。
【0029】
(iii)切換弁が第2速段係合位置に位置する場合
第1速ライン116a及び第3速ライン116cは、絞り弁121を介して、ドレンライン115に連通され、第2速ライン116bはチャージライン111に連通される。
一方、前述のように、切換弁120が係合位置に位置している場合には、第2油圧制御ライン114は閉塞される。従って、切換弁120が第2速段係合位置に位置する場合、第2速ライン116bの油圧は時間の経過と共にディレイリリーフ弁150によって設定される油圧まで上昇し、該設定油圧に維持される。
なお、第1速ライン116aの油圧は、前記絞り弁121によって、徐々に下降する。
【0030】
次に、前記ディレイリリーフ弁150について説明する。図3〜図5に、前記ディレイリリーフ弁150付近の縦断面図を示す。図3〜図5は、それぞれ、車輌に対する負荷トルクが低い状態(低負荷トルク状態)、中程度の状態(中負荷トルク状態)及び高い状態(高負荷トルク状態)における場合の断面図である。
【0031】
図3〜図5に示されるように、前記ディレイリリーフ弁150は、バルブケーシング140に内嵌されたスリーブ151と、該スリーブ内の一端側に、第1油圧制御ライン113及び第2油圧制御ライン114に連通する油圧制御室151aを画するように、該スリーブ内に軸方向摺動自在に収納された制御ピストン152と、該スリーブの他端側に、油圧設定ライン112に連通され且つドレンライン118に選択的に連通/遮断される油圧設定室151bを画するように、該スリーブ内に軸方向摺動自在に収納された弁体153と、一端部が前記制御ピストン152に係止され且つ他端部が前記弁体153に係止されるように、前記スリーブ内における前記制御ピストン152及び弁体153間のバネ室151cに収納される油圧設定バネ154と、前記第1油圧制御ライン113から油圧制御室151aへ供給される作動油の油量を制限する絞り開口160aの開口径を、車輌に対する負荷トルクに応じて調整する絞り開口制御機構160とを備えている。
【0032】
ここで、ディレイリリーフ弁150の作用について、切換弁120が、第1速段係合位置から第2速段係合位置へ移動する場合を例に説明する。
【0033】
前述のように、切換弁120が第1速段係合位置に位置する場合には、チャージライン111は第1速ライン116aに連通され、且つ、第2油圧制御ライン114が閉塞される。従って、油圧設定ライン112に連通された油圧設定室151bの油圧は高圧となり、これにより、弁体153は油圧設定バネ154の付勢力に抗してバネ室151c側へ押動される。そして、弁体153が所定距離バネ室151c側へ押動されると、油圧設定室151bがドレンライン118に連通するようになっている。なお、図中、符号119は、バネ室151c開放用のドレンラインである。
【0034】
油圧設定室151bが油圧設定用ドレンライン118に連通されると、該油圧設定室151b内の油圧が低下するから、前記油圧設定バネ151cが弁体153を油圧設定室151b側へ押し戻し、油圧設定室151bと前記ドレンライン118とが遮断され、前記油圧回路の油圧が再度上昇する。なお、前記弁体153の油圧設定室側終端位置は、スリーブ151に内嵌されたリング部材155によって画される。
【0035】
このようにして、前記油圧回路100の油圧は、油圧設定バネ154の付勢力によって決められる設定油圧に維持されている。
【0036】
この状態から、切換弁120が第1速段係合位置から第2速段係合位置へ移動されると、前述のように、その移動途中において、第2油圧制御ライン114、第1油圧制御ライン113、油圧設定ライン112及びチャージライン111の油圧は、一旦、初期油圧まで下降する。
【0037】
これによって、第1油圧制御ライン113及び第2油圧制御ライン114に連通された油圧制御室151aの油圧も初期油圧まで下降するから、前記制御ピストン152は、前記油圧設定バネ154の付勢力によって油圧制御室側へ押動され、油圧制御室側の停止位置(以下、初期油圧位置という)に位置する(図3〜図5における実線)。なお、本実施の形態において、前記初期油圧位置は、リング部材157によって画されている。
【0038】
この後、切換弁120が第2速段係合位置に位置すると、第2油圧制御ライン114が閉塞されると共に、チャージライン111が第2速ライン116bに連通される。従って、係合されるべき第2速段油圧クラッチ71bに連通された第2速ライン116bの油圧が上昇し始める。
【0039】
この際、第1油圧制御ライン113及び第2油圧制御ライン114に連通された油圧制御室151aを画する制御ピストン152は、油圧の作用を受けて、油圧設定バネ154の付勢力に抗しながらバネ室151c側へ押動され、最終的に、バネ室側の停止位置(以下、設定油圧位置という)に位置する(図3〜図5における破線)。なお、本実施の形態において、前記設定油圧位置は、スリーブ151の内周面に形成された段部158によって画されている。
【0040】
即ち、制御ピストン152が初期油圧位置から設定油圧位置まで押動される間は、油圧設定室151bの油圧は、油圧設定バネ154の付勢力上昇に追従して上昇することになる。従って、第2速段油圧クラッチ71bが急激に係合することが防止され、これにより、変速時におけるショックの緩和や油圧クラッチの摩擦板の過磨耗の防止等が図られる。
【0041】
前記絞り開口制御機構160は、図3〜図5に示すように、スリーブ151の一端側開口を閉塞し、制御ピストン152との共働下に油圧制御室151aを形成すると共に、該油圧制御室151aと第1油圧制御ライン113とを連通する連通孔が形成された蓋部材161と、該蓋部材161の連通孔に、液密に且つスリーブ151の軸線方向に沿って摺動自在に挿入された摺動部材162と、一端部が、静油圧式無段変速装置10における前記一対の油圧ライン20のうち,高圧側の油圧ラインと連通されるように構成されたHSTライン163と、該HSTラインの油圧の作用によって前記摺動部材162を油圧制御室151a側へ押動する油圧ピストン164と、摺動部材162を油圧制御室側から離間する方向へ付勢する戻しバネ165とを有している。
【0042】
本実施の形態においては、前記絞り開口160aは、前記蓋部材161の連通孔内周面と摺動部材162外周面との間に形成されている。
図6に、前記蓋部材161及び摺動部材162の分解斜視図を示す。図6及び図3〜図5に示すように、本実施の形態においては、前記摺動部材162の外周面に、軸線方向に沿った絞り溝162aを形成し、該絞り溝162aを、摺動部材162の外方端部から内方端部に向かって、幅狭となるようにしている。
【0043】
前記HSTライン163は、図2に示すように、一端部がシャトル弁166を介して、前記一対の油圧ライン20に接続されており、これにより、高圧側の油圧ラインと連通されるようになっている。
【0044】
ところで、走行状態によって変化する車輌に対する負荷トルクは、HST10における一対の油圧ライン20のうち,高圧側油圧ラインの油圧と比例関係にある。即ち、車輌負荷トルクが大きい場合には、前記高圧側油圧ラインもより高圧となる。
【0045】
前述のように、前記油圧ピストン164は、前記HSTライン163の油圧によって、摺動部材162を戻しバネ165の付勢力に抗して油圧制御室側へ押動する。従って、該油圧ピストン164によって押動される摺動部材162は、図3〜図5に示すように、HSTライン163の油圧が高圧になるに従って、油圧制御室側に位置し、これにより、前記絞り開口160aの開口径が大きくなる。
【0046】
絞り開口160aの開口径が大きくなると、第1油圧制御ライン113から油圧制御室151aへの作動油の供給量が多くなり、その結果、油圧制御室151aの油圧上昇速度が速くなる。即ち、制御ピストン152は、より早く設定油圧位置まで押動され、係合される油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧も、より早く上昇する。
【0047】
このように、本実施の形態に係る油圧制御機構100においては、車輌に対する負荷トルクが大きくなるに従って、次に係合される油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧を速く上昇させ得るようになっている。
【0048】
以下、図7を参照しつつ、油圧クラッチ式多段変速装置60の変速時における,現在係合している油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化、及び次に係合される油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化について、第1速段から第2速段に変速する場合を例に説明する。
【0049】
切換弁120が第1速段係合位置に位置している場合には、第1速ライン116aはディレイリリーフ弁150で設定される設定油圧(Pmax)に維持される。
そして、時間t1で、切換弁120が第2速段係合位置へと移動されると、第1速ライン116aは絞り弁121を介してドレンライン115に連通されるから、該第1速ラインの油圧は、設定油圧から初期油圧へ、徐々に下降する(図7中のA部)。
【0050】
一方、第2速ライン116bはチャージライン111に連通される。なお、切換弁120の第1速段係合位置から第2速段係合位置への移行段階において、第2油圧制御ライン114、第1油圧制御ライン113、油圧設定ライン112及びチャージライン111の油圧は、初期油圧まで下降しているから、この段階(時間t1)において、第2速ライン116bの油圧は初期油圧である。
【0051】
この後、第2速ライン116bの油圧は、ディレイリリーフ弁150の作用によって、徐々に上昇し、ある時間経過後に、下降する第1速ライン116aの油圧を越え、第2速段油圧クラッチ装置71bが係合する。即ち、次に係合される油圧クラッチに連通された変速ラインの油圧が、現在係合している油圧クラッチに連通された変速ラインの油圧を越えた時点で、前記次に係合される油圧クラッチが係合することになる。
【0052】
この際、本実施の形態においては、前述のように、車輌に対する負荷トルクが大きくなるに従って、係合すべき油圧クラッチに連通される変速ライン(本例示においては第2速ライン)の油圧上昇の傾きが大きくなる。従って、図7に示すように、負荷トルクが大きくなるに従って、より早く第2速ライン116bの油圧が第1速油圧ライン116aの油圧よりも高くなり、第2油圧クラッチが係合する。
【0053】
さらに、次に係合させる油圧クラッチに切り換わる時点(即ち、次に係合される油圧クラッチに連通された変速ラインの油圧が、現在係合している油圧クラッチに連通された変速ラインの油圧を越えた時点)での油圧値をみると、高負荷トルク状態はP1、中負荷トルク状態はP2(<P1)、低負荷トルク状態はP3(<P2)となっており、車輌に対する負荷トルクが高くなるに従って、前記切換時点での油圧が高くなっている。
【0054】
従って、本実施の形態に係る油圧制御機構においては、高負荷トルクになるに従って、より大きな係合トルクで変速が行われることになり、これにより、切換時点において、車輌に負荷に対して適切な係合トルクを得ることができ、油圧クラッチのすべり等を有効に抑え、確実な変速を行うことが可能となる。
【0055】
このように、本実施の形態に係る油圧制御機構によれば、低負荷トルク状態の場合には次段に係合されるべき変速段のクラッチ装置の係合をゆっくりと行わせて変速時におけるショックの緩和やクラッチ板の過磨耗の防止等を図りつつ、高負荷トルク状態の場合には斯かる係合を早く且つ高い油圧で行わせることができ、変速時の速度変化の防止、及び確実な油圧クラッチの係合を図ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る油圧制御機構によれば、多段変速装置の変速時におけるクラッチ係合を、車輌に対する負荷トルクに応じて、理想的なタイミングで行うことが可能となる。
【0056】
実施の形態2.
以下に、本発明に係る油圧制御機構100′の好ましい第2の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。なお、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0057】
図8は、本実施の形態に係る油圧制御機構100′の油圧回路図である。また、図9〜図11は、本実施の形態に係る油圧制御機構100′におけるディレイリリーフ弁150′付近の縦断面図であり、それぞれ、低負荷トルク状態、中負荷トルク状態及び高負荷トルク状態における場合の断面図である。また、図12は、本実施の形態に係る油圧制御機構100′における,現在係合している油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化、及び次に係合される油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化を示す図である。
【0058】
本実施の形態に係る油圧制御機構100′は、車輌に対する負荷トルクに応じて絞り開口径を調整する代わりに、車輌に対する負荷トルクに応じて制御ピストン152が初期油圧時に位置する初期油圧位置を調整するものである。
即ち、本実施の形態に係る油圧制御機構100′のディレイリリーフ弁150′は、前記絞り開口制御機構160に代えて、制御ピストン初期油圧位置調整機構170を備えている。
【0059】
該制御ピストン初期油圧位置調整機構170は、図9〜図11に示すように、蓋部材161と、該蓋部材の連通孔に、液密に且つケーシングの軸線方向に沿って摺動自在に挿入された摺動部材171と、HSTライン163と、油圧ピストン164と、戻しバネ165とを有している。即ち、前記実施の形態1とは、摺動部材の形状のみが相違している。
【0060】
該摺動部材171は、軸線方向に沿って均一な幅の絞り溝171aが形成された本体部172と、該本体部の内方端部から延び、制御ピストン151に当接する延在部173とを有している。
【0061】
前述のように、HSTライン163の油圧が高圧になるに従って、摺動部材171は油圧制御室側に位置する。従って、作動油の油圧が初期油圧の場合に制御ピストン151が位置する初期油圧位置は、HSTライン163の油圧が高圧になるに従って、図9〜図11に示すように、設定油圧位置に近づく。
【0062】
より詳細には、車輌に対する負荷トルクが低負荷、中負荷、及び高負荷の場合における制御ピストンの有効ストローク(初期油圧位置から油圧設定位置までの距離)は、それぞれ、L1、L2(<L1)、L3(<L2)となる(図9〜図11参照)。
【0063】
従って、中負荷トルクの場合には、低負荷トルクの場合に比して、制御ピストン151の初期油圧位置が、(L1−L2)に相当する距離だけ、油圧設定位置に近接する。さらに、高負荷トルクの場合には、中負荷トルクの場合に比して、(L2−L3)に相当する距離だけ、油圧設定位置に近接する。
【0064】
この結果、図12に示すように、中負荷トルクの場合には、低負荷トルクの場合に比して、次段の変速ラインの油圧が、制御ピストンを(L1−L2)に相当する距離だけ移動させるに要する油圧値まで、油圧設定バネの付勢力を受けずに上昇することになる(図12におけるB部)。
【0065】
さらに、高負荷トルクの場合には、低負荷トルクの場合に比して、次段の変速ラインの油圧が、制御ピストン151を(L1−L3)に相当する距離だけ移動させるに要する油圧値まで、油圧設定バネの付勢力を受けずに上昇することになる(図12におけるC部)。
【0066】
その為、本実施の形態においても、前記実施の形態1におけると同様に、次段の変速ラインの油圧が、現在係合中の油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧を越えるまでの時間及びその時点での圧力値を、車輌に対する負荷トルクが大きくなるに従って、それぞれ、速くし、且つ、高くすることができる。
従って、本実施の形態においても、前記実施の形態1におけると同様の効果を得ることができる。
【0067】
実施の形態3.
以下に、本発明に係る油圧制御機構の好ましい第3の実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。なお、前記実施の形態1又は2におけると同一又は相当部材には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0068】
図13は、本実施の形態に係る油圧制御機構100″の油圧回路図である。また、図14〜図16は、本実施の形態に係る油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁150″付近の縦断面図であり、それぞれ、低負荷トルク状態、中負荷トルク状態及び高負荷トルク状態における場合の断面図である。また、図17は、本実施の形態に係る油圧制御機構における,現在係合している油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化、及び次に係合される油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧変化を示す図である。
【0069】
図13〜図16に示すように、本実施の形態に係る油圧制御機構100″は、車輌に対する負荷トルクに応じて、絞り開口径を調整すると共に、制御ピストンの初期油圧位置を調整するものである。
【0070】
即ち、本実施の形態に係る油圧制御機構100″は、前記絞り開口制御機構160と、制御ピストン初期油圧位置調整機構170とを備えてなるものである。
具体的には、前記実施の形態2において、摺動部材171に代えて、摺動部材171′を用いている。該摺動部材171′には、該摺動部材の外方端部から内方端部に向かって幅狭となる絞り溝162aが形成されている。
【0071】
斯かる油圧制御機構100″によれば、図17に示すように、次に係合させる油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧が、現在係合中の油圧クラッチに接続された変速ラインの油圧を越えるまでの時間及びその時点での圧力値を、車輌に対する負荷トルクが大きくなるに従って、それぞれ、前記実施の形態1及び2に比して、より速くし、且つ、より高くすることができる。
【0072】
このように、本実施の形態に係る油圧制御機構においては、多段変速装置の変速時におけるクラッチ係合を、車輌に対する負荷トルクに応じて、より理想的なタイミングで行うことが可能となる。
【0073】
なお、本発明は、前記実施の形態において説明した具体的な構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、HSTの高圧側ラインから取出した圧力を電気的に変換すると共に、ディレイリリーフ弁の絞り開口の開口径及び/又は制御ピストンの初期油圧位置を変更する部材を電磁ソレノイドで構成して、上記電流値の変動に応じて電磁ソレノイドに対する通電量を変化させることで、前記絞り開口の開口径及び/又は制御ピストンの初期油圧位置を変更するようにしても良い。
【0074】
又、前記実施の形態2及び3において、摺動部材と制御ピストンとを単一の部材で形成することも可能である。
【0075】
【発明の効果】
発明に係る油圧制御機構によれば、制御ピストンの初期油圧位置が、無段変速装置における油圧回路の油圧上昇に応じて、設定油圧位置に近づくように構成したので、車輌の負荷トルクが大きくなるに従って、油圧クラッチ式多段変速装置の変速を早く且つ高い係合圧力で行うことができ、該多段変速装置の変速時における急激な速度変化等を防止し、適切なタイミングでの変速が可能となり、乗り心地が快適になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る油圧制御機構が適用された車輌の伝動経路図である。
【図2】 図2は、本発明に係る油圧制御機構の第1の実施の形態の油圧回路図である。
【図3】 図3は、図2に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが軽負荷トルクの場合を示している。
【図4】 図4は、図2に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが中負荷トルクの場合を示している。
【図5】 図5は、図2に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが高負荷トルクの場合を示している。
【図6】 図6は、図2〜図5に示すディレイリリーフ弁における蓋部材及び摺動部材の分解斜視図である。
【図7】 図7は、前記実施の形態1に係る油圧制御機構における,油圧式多段変速装置の変速時の現在係合している油圧クラッチに連通する変速ライン及び次に係合される油圧クラッチに連通される変速ラインの油圧変化を示すグラフである。
【図8】 図8は、本発明に係る油圧制御機構の第2の実施の形態の油圧回路図である。
【図9】 図9は、図8に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが軽負荷トルクの場合を示している。
【図10】 図10は、図8に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが中負荷トルクの場合を示している。
【図11】 図11は、図8に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが高負荷トルクの場合を示している。
【図12】 図12は、前記実施の形態2に係る油圧制御機構における,油圧式多段変速装置の変速時の現在係合している油圧クラッチに連通する変速ライン及び次に係合される油圧クラッチに連通される変速ラインの油圧変化を示すグラフである。
【図13】 図13は、本発明に係る油圧制御機構の第3の実施の形態の油圧回路図である。
【図14】 図14は、図13に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが軽負荷トルクの場合を示している。
【図15】 図15は、図13に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが中負荷トルクの場合を示している。
【図16】 図16は、図13に示す油圧制御機構におけるディレイリリーフ弁の縦断面図であり、車輌に対する負荷トルクが高負荷トルクの場合を示している。
【図17】 図17は、前記実施の形態3に係る油圧制御機構における,油圧式多段変速装置の変速時の現在係合している油圧クラッチに連通する変速ライン及び次に係合される油圧クラッチに連通される変速ラインの油圧変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 無段変速装置
60 油圧クラッチ式多段変速装置
100 油圧制御機構
100′ 油圧制御機構
100″ 油圧制御機構
110 油圧回路
111 チャージライン
112 油圧設定ライン
113 第1油圧制御ライン
114 第2油圧制御ライン
117 第2油圧制御ライン用のドレンライン
118 油圧設定用のドレンライン
120 切換弁
130 解放機構
150 ディレイリリーフ弁
150′ ディレイリリーフ弁
150″ ディレイリリーフ弁
151 スリーブ
151a 油圧制御室
151b 油圧設定室
151c バネ室
152 制御ピストン
153 弁体
154 油圧設定バネ
160a 絞り開口
160a′絞り開口
161 蓋部材
163 HSTライン
164 油圧ピストン
165 戻しバネ
171 摺動部材
172 摺動部材の本体部
173 摺動部材の延在部

Claims (1)

  1. 油圧式無段変速装置と組み合わせて用いられる油圧クラッチ式多段変速装置係合/非係合を切り換える為の作動油の油圧を制御する油圧制御機構であって、
    前記多段変速装置に対する作動油の供給路となる作動油供給用油圧回路と、前記油圧回路に介挿されたディレイリリーフ弁とを備え、
    前記油圧回路は、作動油が供給されるチャージラインと、一端部が前記チャージラインに連通された油圧設定ラインと、一端部が前記チャージラインに連通された第1油圧制御ラインと、第2油圧制御ラインと、前記多段変速装置における複数の油圧クラッチのうち人為操作に応じて選択された一の油圧クラッチを前記チャージラインに流体接続させ且つ残りの油圧クラッチを油圧クラッチ用のドレンラインに流体接続させる切換弁と、前記切換弁が前記複数の油圧クラッチの何れか一の油圧クラッチを係合させる一の係合位置に位置している場合には前記第2油圧制御ラインを第2油圧制御ライン用のドレンラインに対して遮断し且つ前記切換弁が前記一の係合位置から他の油圧クラッチを係合させる他の係合位置に移動される間のみ前記第2油圧制御ラインを前記第2油圧制御ライン用ドレンラインに連通する解放機構とを備え、
    前記ディレイリリーフ弁は、スリーブと、前記スリーブの一端側開口を閉塞する蓋部材と、前記蓋部材と共働して前記スリーブの一端側に油圧制御室を画するように前記スリーブに軸線方向摺動自在に収納された制御ピストンと、前記スリーブの他端側に油圧設定室を画するように前記スリーブに軸線方向摺動自在に収納された弁体と、前記スリーブ内における前記制御ピストン及び前記弁体の間のバネ室に収納された油圧設定バネとを備え、
    前記油圧制御室は前記第2油圧制御ラインに流体接続され且つ前記蓋部材の連通孔に軸線方向摺動可能に挿入された摺動部材に形成された絞り溝を介して前記第1油圧制御ラインに流体接続され、
    前記油圧設定室は前記油圧設定ラインに流体接続されており、前記油圧設定室の圧力上昇に応じて前記弁体が前記油圧設定バネを圧縮させる方向へ移動すると油圧設定用ドレンラインに連通され且つ前記油圧設定室の圧力下降に応じて前記弁体が前記油圧設定バネの付勢力によって前記油圧設定室を縮小させる方向へ移動すると前記油圧設定用ドレンラインに対して遮断され、
    前記制御ピストンは、前記油圧制御室が初期油圧とされる際には前記油圧制御室側の初期油圧位置に位置し且つ前記油圧制御室の油圧が前記初期油圧から設定油圧まで上昇するに従って前記初期油圧位置から設定油圧位置まで前記油圧設定バネを圧縮させる方向へ移動し、
    前記摺動部材は、前記絞り溝が設けられた本体部と、前記本体部から延びる延在部であって、自由端部が前記制御ピストンに当接する延在部とを有し、
    前記ディレイリリーフ弁には、さらに、前記摺動部材と共に軸線方向に移動するように前記本体部に連結された油圧ピストンと、前記油圧ピストンを前記制御ピストンから離間する方向へ付勢する戻しバネとが設けられ、
    前記油圧ピストンは、前記無段変速装置における一対の油圧ラインのうちの高圧側の油圧ラインに流体接続されたHSTラインの油圧上昇に応じて前記戻しバネの付勢力に抗して前記制御ピストンに近接する方向へ移動するように、前記HSTラインの油圧を受けていることを特徴とする油圧制御機構。
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