JP5543095B2 - 刈取収穫機 - Google Patents

刈取収穫機 Download PDF

Info

Publication number
JP5543095B2
JP5543095B2 JP2008263841A JP2008263841A JP5543095B2 JP 5543095 B2 JP5543095 B2 JP 5543095B2 JP 2008263841 A JP2008263841 A JP 2008263841A JP 2008263841 A JP2008263841 A JP 2008263841A JP 5543095 B2 JP5543095 B2 JP 5543095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
continuously variable
operated
clutch
turning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008263841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010088389A (ja
Inventor
裕治 加藤
誠二 法田
孝広 内
天 奥山
繁樹 林
山中  之史
博 池田
良實 宮野
幹夫 岡田
幸宏 稲目
智士 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2008263841A priority Critical patent/JP5543095B2/ja
Priority to KR1020090020970A priority patent/KR101065563B1/ko
Priority to CN 200910137708 priority patent/CN101574032B/zh
Publication of JP2010088389A publication Critical patent/JP2010088389A/ja
Priority to KR1020100135148A priority patent/KR101603347B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP5543095B2 publication Critical patent/JP5543095B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)

Description

本発明は、コンバイン等の刈取収穫機における走行伝動系及び刈取伝動系の構造に関する。
刈取収穫機の一例であるコンバインでは、特許文献1に開示されているような走行伝動系及び刈取伝動系を備えたものがある。
特許文献1では、エンジン(特許文献1の図2の8)の動力が静油圧式無段変速装置(特許文献1の図2の7)に伝達され、静油圧式無段変速装置の出力軸(特許文献1の図2の7b)の動力が、走行伝動系及び刈取伝動系に並列的に分岐されている。走行伝動系の動力が副変速装置(特許文献1の図2の10)を介して、走行装置(特許文献1の図1及び図2の1)に伝達されるのであり、刈取伝動系の動力が刈取変速装置(特許文献1の図2の15)を介して、刈取部(特許文献1の図1及び図2の2)に伝達される。
刈取収穫機では一般に、機体の走行速度と刈取部の作動速度とが同調する状態(機体の走行速度が低速になると刈取部の作動速度も低速になり、機体の走行速度が高速になると刈取部の作動速度も高速になる状態)が好ましい。従って、特許文献1において刈取変速装置を所定の変速位置に固定しておけば、静油圧式無段変速装置を操作することにより、機体の走行速度と刈取部の作動速度とが同調する状態となる(副変速装置は一般に、路上や畦等での移動走行用として高速位置が備えられ、圃場での刈取作業用として低速位置が備えられており、刈取作業中において副変速装置を高速位置に操作することはなく、副変速装置は低速位置に固定されている)。
特開2004−187506号公報
刈取収穫機では、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを前進側及び後進側に無段変速自在に構成して、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを操作することにより、機体の前進及び後進の操作を行い、機体の走行速度の操作を行うように構成されたものが多い。これにより、圃場での刈取作業において作物の倒伏が激しい部分に達した場合、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを低速側に操作して、機体の走行速度を低速に操作する。
しかしながら、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを低速側に操作することは、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプの吐出量を少なくすることなので、機体の走行速度が低速になると同時に駆動力(トルク)も小さくなる。これにより、走行抵抗の大きな軟弱な圃場において、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを低速側に操作すると、駆動力(トルク)が不足する状態になることが考えられる。
本発明は、刈取収穫機において静油圧式無段変速装置を備えた場合、駆動力(トルク)の低下を避けながら、機体の走行速度を低速にすることができるように構成することを目的としている。
本発明の特徴は、
エンジンの動力が伝達される静油圧式無段変速装置を備え、前記静油圧式無段変速装置を伝動上手側の油圧ポンプと伝動下手側の油圧モータとを備えて構成して、前記油圧ポンプを、変速操作具の操作によって無段階に変速自在なように構成し、記油圧モータを、複数の操作位置に変速自在に且つ前記複数の操作位置を任意に変更及び記憶自在に構成するとともに、前記複数の操作位置のいずれか1つを選択する選択手段を備え、前記油圧モータの動力を走行伝動系及び刈取伝動系に並列的に分岐させて、前記走行伝動系の動力を走行装置に伝達するように構成し、前記刈取伝動系の動力を刈取部に伝達するように構成して、前記刈取伝動系に刈取変速装置を備えてある点にある
油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作することは、静油圧式無段変速装置の油圧モータのプランジャのストロークを小さなものにすることなので、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプから油圧モータに作動油が十分に供給されても、静油圧式無段変速装置の油圧モータはあまり回転しなくてもよいことになる。これにより、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作した場合、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプの吐出量が確保されていれば、静油圧式無段変速装置の油圧モータから伝動下手側に、十分な駆動力(トルク)を備えた低速の動力が伝達されることになる。
本発明によると、エンジンの動力が、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ及び油圧モータ、走行伝動系を介して走行装置に伝達されるのであり、静油圧式無段変速装置の油圧モータが変速自在に構成されている。
これにより、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプの吐出量が確保された状態で、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作すると、十分な駆動力(トルク)を備えた低速の動力が走行装置に伝達されることになるので、走行抵抗の大きな軟弱な圃場であっても、駆動力(トルク)が不足することなく低速の機体の走行速度を得ることができる。
また、本発明によると、静油圧式無段変速装置の油圧モータの動力を走行伝動系及び刈取伝動系に並列的に分岐させて、走行伝動系の動力を走行装置に伝達するように構成し、刈取伝動系の動力を刈取部に伝達するように構成している。
これにより、静油圧式無段変速装置の油圧モータを操作すると、静油圧式無段変速装置の油圧モータで変速された動力が走行装置及び刈取部に並列的に伝達されるので、特許文献1と同様に機体の走行速度と刈取部の作動速度とが同調する状態が得られる。
圃場での刈取作業において作物の倒伏が激しい部分に達した場合、機体の走行速度を十分に低速にする必要がある。
これにより、上述したように、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作して、機体の走行速度を十分に低速にすると、刈取部の作動速度も十分に低速になって(刈取部の作動速度が低速になり過ぎて)、刈取部での安定した刈り取りが行えないことがある(刈取部では一定以上の作動速度が確保されていないと、安定した刈り取りが行えないことがある)。
本発明によると、刈取伝動系に刈取変速装置を備えているので、上述したように、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作して、機体の走行速度を十分に低速にした場合、刈取変速装置を高速側に操作することにより、刈取部の作動速度が低速になり過ぎる状態を避けることができる(刈取部での作動速度を一定以上に確保することができる)。
明によると、刈取収穫機において静油圧式無段変速装置を備えた場合、静油圧式無段変速装置の油圧モータを変速自在に構成することにより、駆動力(トルク)の低下を避けながら、機体の走行速度を低速にすることができるようになって、刈取収穫機の走行性能を向上させることができた。
本発明によると、機体の走行速度と刈取部の作動速度とが同調するように構成した場合、機体の走行速度を十分に低速にしても、刈取部の作動速度が低速になり過ぎる状態を避けることができるようになって(刈取部での作動速度を一定以上に確保することができるようになって)、圃場での刈取作業において作物の倒伏が激しい部分に達した状態での刈取性能の向上を図ることができた。
本発明において、
前記選択手段により選択された操作位置が所定位置よりも高速であれば、前記刈取変速装置を低速側に操作し、前記選択手段により選択された操作位置が所定位置よりも低速であれば、前記刈取変速装置を高速側に操作するアクチュエータを備えてあると好適である
〔参考形態〕
[1]
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1で支持された機体の前部に刈取部2が昇降自在に支持され、機体の前部の右側に運転部3が備えられて、機体の後部の左側に脱穀装置4が備えられ、機体の後部の右側にグレンタンク5が備えられて、刈取収穫機の一例である自脱型のコンバインが構成されている。
図2に示すように、運転部3の下側にエンジン6が備えられ、機体の前部の左右中央付近にミッションケース8が備えられて、静油圧式無段変速装置7がミッションケース8の右側部の上部に連結されており、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aとエンジン6の出力軸6aとに亘って、テンションクラッチ機能を備えたベルト伝動機構9が接続されている。
図2に示すように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bがミッションケース8に挿入され、スプライン構造により低速ギヤ10(伝動軸12)に連結されており、伝動軸12に高速ギヤ11が固定されている。出力軸13に低速ギヤ14及び高速ギヤ15が相対回転自在に外嵌されて、低速ギヤ10,14及び高速ギヤ11,15が咬合しており、シフト部材16がスプライン構造により出力軸13にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。出力軸13と刈取部2の入力軸2aとに亘って、テンションクラッチ機能を備えたベルト伝動機構17が接続されている。
図2に示すように、シフト部材16を低速ギヤ14に咬合させると(低速位置)、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が低速ギヤ10,14及びシフト部材16を介して低速状態で刈取部2に伝達され、シフト部材16を高速ギヤ15に咬合させると(高速位置)、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が高速ギヤ11,15及びシフト部材16を介して高速状態で刈取部2に伝達される。以上のように、低速ギヤ10,14及び高速ギヤ11,15、シフト部材16等により、高低2段に変速自在な刈取変速装置18が構成されている。
[2]
次に、ミッションケース8の伝動系(直進系)の構造について説明する。
図2に示すように、伝動軸20に伝動ギヤ19が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ19が低速ギヤ10に咬合しており、シフト部材21がスプライン構造により伝動軸20にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。伝動軸20に伝動ギヤ22,23が固定されており、伝動軸20の端部に多板摩擦式の駐車ブレーキ24が備えられている。
図2に示すように、通常はシフト部材21は伝動ギヤ19に咬合しており、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が低速ギヤ10及び伝動ギヤ19を介して、伝動軸20に伝達されている。故障等による機体の牽引時において、シフト部材21を伝動ギヤ19から離間させることにより、右及び左の走行装置1と静油圧式無段変速装置7とをシフト部材21の位置で遮断することができるのであり、静油圧式無段変速装置7の抵抗を受けることなく機体を牽引することができる。
図2に示すように、伝動軸26に伝動ギヤ25が固定されて、伝動ギヤ22,25が咬合している。伝動軸26に右及び左の出力ギヤ27が相対回転自在に外嵌され、右及び左の出力ギヤ27の右及び左側に、右及び左の咬合部28がスプライン構造により伝動軸26にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。右及び左の車軸29が備えられ、右及び左の車軸29に固定された右及び左の伝動ギヤ30が、右及び左の出力ギヤ27に咬合しており、右及び左の車軸29の端部に右及び左の走行装置1のスプロケット1a(図1参照)が連結されている。
図2に示すように、伝動軸26に固定された受け部材31と右の咬合部28との間にバネ32が備えられ、伝動ギヤ25と左の咬合部28との間にバネ32が備えられて、右及び左の咬合部28がバネ32により右及び左の出力ギヤ27の咬合側に付勢されている。右の出力ギヤ27と右の咬合部28との間に右の油室が形成され、左の出力ギヤ27と左の咬合部28との間に左の油室が形成されており、右及び左の油室に作動油を供給することにより、バネ32に抗して右及び左の咬合部28を右及び左の出力ギヤ27から離間させることができる。
図2に示すように、右の出力ギヤ27と右の咬合部28との間で咬合式の右のサイドクラッチ33が構成され、左の出力ギヤ27と左の咬合部28との間で咬合式の左のサイドクラッチ33が構成されている。右(左)の咬合部28が右(左)の出力ギヤ27に咬合することにより、右(左)のサイドクラッチ33が伝動状態となり、右(左)の咬合部28が右(左)の出力ギヤ27から離間することにより、右(左)のサイドクラッチ33が遮断状態となる。
以上の構造により図2に示すように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が、低速ギヤ10、伝動ギヤ19、伝動軸20、伝動ギヤ22,25、伝動軸26、右及び左の咬合部28、右及び左の出力ギヤ27、右及び左の伝動ギヤ30、右及び左の車軸29を介して、右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進する。
[3]
次に、ミッションケース8の伝動系(旋回系)の構造について説明する。
図2に示すように、伝動軸34に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ35が、右の咬合部28の外周部のギヤ部に咬合しており、伝動軸34と伝動ギヤ35との間に緩旋回クラッチ36が備えられている。緩旋回クラッチ36は摩擦多板式に構成されて遮断状態に付勢されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
図2に示すように、伝動軸26に旋回クラッチケース37が相対回転自在に外嵌されており、伝動軸34に固定された伝動ギヤ38と旋回クラッチケース37の外周部のギヤ部とが咬合している。旋回クラッチケース37は左右対称に構成されており、旋回クラッチケース37と右の出力ギヤ27との間に右の旋回クラッチ39が備えられ、旋回クラッチケース37と左の出力ギヤ27との間に左の旋回クラッチ39が備えられている。右及び左の旋回クラッチ39は摩擦多板式に構成されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作される。この場合、右及び左の旋回クラッチ39において、摩擦板が互いに密になるように配置されており、作動油が排出されても右及び左の旋回クラッチ39が半伝動状態となるように構成されている。
これにより、図2に示すように、緩旋回クラッチ36が伝動状態に操作されると、伝動軸26の動力が右の咬合部28、伝動ギヤ35、緩旋回クラッチ36、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力として、旋回クラッチケース37に伝達される。緩旋回クラッチ36の伝動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力が右又は左の出力ギヤ27に伝達される。
図2に示すように、伝動軸34の左側にブレーキ40が備えられている。ブレーキ40は摩擦多板式に構成されて、作動油が供給されることで制動状態に操作され、作動油が排出されることで解除状態に操作される。
これにより図2に示すように、ブレーキ40が制動状態に操作されると、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、旋回クラッチケース37が制動状態となる。ブレーキ40の制動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、右又は左の出力ギヤ27が制動状態となる。
図2に示すように、伝動軸34に伝動ギヤ41が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ23,41が咬合しており、伝動軸34と伝動ギヤ41との間に、逆転クラッチ42が備えられている。逆転クラッチ42は摩擦多板式に構成されて遮断状態に付勢されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
これにより、図2に示すように、逆転クラッチ42が伝動状態に操作されると、伝動軸20の動力が伝動ギヤ23,41、逆転クラッチ42、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、伝動軸26と逆方向の動力として、旋回クラッチケース37に伝達される。逆転クラッチ42の伝動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、伝動軸26と逆方向の動力が右又は左の出力ギヤ27に伝達される。
[4]
次に、静油圧式無段変速装置7の油圧回路構造について説明する。
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7はアキシャルプランジャ型式の油圧ポンプ7P及び油圧モータ7Mを備え、油圧ポンプ7P及び油圧モータ7Mを一対の油路7cで接続して構成されている。静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにチャージポンプ44が接続されて、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aによりチャージポンプ44が駆動される。
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の油路7cに亘ってバイパス油路83が接続され、チャージポンプ44から延出されたチャージ油路45がバイパス油路83に接続されており、チャージ油路45にフィルタ49が備えられている。バイパス油路83においてチャージ油路45が接続される部分と静油圧式無段変速装置7の油路7cとの間に、逆止弁84及び絞り部85、リリーフ弁86が備えられており、リリーフ弁86のリリーフ圧が、静油圧式無段変速装置7の全体として許容される最高圧力に設定されている。ミッションケース8とは別に備えられたオイルタンク46と、チャージポンプ44とに亘って、供給油路47が接続されており、供給油路47にフィルタ48が備えられている。
図5に示すように、チャージ油路45にリリーフ弁50が接続されて、リリーフ弁50が静油圧式無段変速装置7を収容するケース51に接続されている。ケース51とオイルタンク46とに亘って油路52が接続され、油路52にオイルクーラー53が備えられている。供給油路47におけるチャージポンプ44及びフィルタ48の間の部分と、油路52におけるケース51及びオイルクーラー53の間の部分とに亘って、油路54が接続されており、油路54に開閉弁55が備えられている。開閉弁55は閉位置に付勢されており、油路52の圧力が所定低圧に達すると開くパイロット式に構成されている。
以上の構造により、オイルタンク46の作動油が、フィルタ48、供給油路47、チャージポンプ44、チャージ油路45を介して静油圧式無段変速装置7の油路7cに供給されて、余剰の作動油がリリーフ弁50を介してケース51に排出される。静油圧式無段変速装置7の各部からの作動油がケース51に排出されるのであり、ケース51の作動油が油路52及びオイルクーラー53を通過してオイルタンク46に戻される。
この場合、図5に示すように、オイルクーラー53の流路抵抗等により油路52の圧力(背圧)が上昇して所定低圧を越えると、開閉弁55が開位置に操作され、油路52の作動油が供給油路47に供給されて、油路52及びオイルクーラー53での圧力の上昇が抑えられる。
[5]
次に、静油圧式無段変速装置7の操作構造について説明する。
図4及び図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pは中立位置N、前進側F及び後進側Rに無段階に変速自在に構成されている。運転部3に備えられた変速レバー43と静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pの斜板とが、連係リンク80を介して機械的に連係されており、変速レバー43により静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pの斜板を操作して、静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pを中立位置N、前進側F及び後進側Rに操作する。
図4及び図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mは、最低速位置L及び最高速位置Hの範囲で無段階に変速自在に構成されて、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板を操作する操作シリンダ56が備えられている。チャージ油路45から油路57が分岐して、操作シリンダ56を高速側に作動させる油室56aに油路57が接続されており、操作シリンダ56を低速側に付勢するバネ56bが備えられている。電磁操作型式の圧力制御弁58が油路57に備えられており、操作シリンダ56の油室56aの圧力が上昇すると、操作シリンダ56のバネ56bに抗して操作シリンダ56が高速側に作動するのであり、操作シリンダ56の油室56aの圧力が下降すると、操作シリンダ56のバネ56bにより操作シリンダ56が低速側に作動する。
図4に示すように、変速レバー43の上部の握り部43aにおいて、変速レバー43の握り部43aの横面部の下部に、走行変速スイッチ81か備えられている。走行変速スイッチ81は、中立位置、上方の高速位置及び下方の低速位置に操作自在に構成されたレバースイッチ型式やシーソースイッチ型式に構成されて、中立位置に付勢されており、走行変速スイッチ81の操作信号が制御装置79に入力されている。静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置を検出するポテンショメータ82が備えられて、ポテンショメータ82の検出値が制御装置79に入力されており、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置を表示する表示部87が運転部3に備えられている。
これにより、走行変速スイッチ81の操作に基づいて、制御装置79により圧力制御弁58が操作され、操作シリンダ56が作動する。
図4に示すように、走行変速スイッチ81が高速位置に操作されると、圧力制御弁58により操作シリンダ56に油室56aに作動油が供給されて、操作シリンダ56が高速側に作動し、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが高速側に操作される。走行変速スイッチ81が中立位置に操作されると、その時点で圧力制御弁58により操作シリンダ56が停止し、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの操作が停止して、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置が表示部87に表示される。
図4に示すように、走行変速スイッチ81が低速位置に操作されると、圧力制御弁58により操作シリンダ56に油室56aの作動油が排出されて、操作シリンダ56が低速側に作動し、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが低速側に操作される。走行変速スイッチ81が中立位置に操作されると、その時点で圧力制御弁58により操作シリンダ56が停止し、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの操作が停止して、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置が表示部87に表示される。
このように、走行変速スイッチ81を高速及び低速位置に操作することによって、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mを高速側及び低速側に無段階に操作することができる。
静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板が、事前に設定された低速の設定位置を越えて高速側に操作されると、刈取変速装置18がアクチュエータ(図示せず)により低速位置に自動的に操作される。静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板が低速の設定位置を越えて低速側に操作されると、刈取変速装置18がアクチュエータにより高速位置に自動的に操作される。
前述の静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板が低速の設定位置を越えて低速側に操作され、刈取変速装置18が高速位置に操作された状態が、圃場での刈取作業において作物の倒伏が激しい部分に達した場合に対応する。
[6]
次に、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)、右及び左の旋回クラッチ39、緩旋回クラッチ36、ブレーキ40、逆転クラッチ42に作動油を給排操作する油圧ユニット59について説明する。
図2及び図3に示すように、油圧ユニット59がミッションケース8の左側部の下部に連結されている。静油圧式無段変速装置7の入力軸7aに油圧ポンプ60が接続され、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにより油圧ポンプ60が駆動されるように構成されており、油圧ポンプ60から延出された油路61が油圧ユニット59に接続されている。
図3に示すように、ミッションケース8と油圧ポンプ60とに亘って供給油路62が接続されて、供給油路62にオイルクーラー63が備えられており、供給油路62における油圧ポンプ60とオイルクーラー63との間の部分にフィルタ64が備えられている。供給油路62におけるミッションケース8側の部分と、供給油路62におけるオイルクーラー63及びフィルタ64の間の部分とに亘って、バイパス油路65が接続されており、バイパス油路65の流路抵抗が、オイルクーラー63の流路抵抗よりも小さなものとなっている。
これにより、図3に示すように、ミッションケース8に貯留された潤滑油が作動油として、オイルクーラー63及びバイパス油路65に分かれて通過し、合流してフィルタ64を通過して油圧ポンプ60に供給される。油圧ポンプ60の作動油が油路61を介して油圧ユニット59に供給されるのであり、後述するように油圧ユニット59の各部から排出された作動油がミッションケース8に戻される。
図3に示すように、油圧ユニット59の内部に右旋回制御弁67、左旋回制御弁68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70、第2リリーフ弁76、比例制御弁71、旋回切換制御弁72、パイロット操作弁73,74が備えられている。油圧ポンプ60の油路61が油圧ユニット59に接続され、油路61に接続された油路66に右及び左旋回制御弁67,68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70が並列的に接続されている。
図3に示すように、右旋回制御弁67が右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に接続されており、左旋回制御弁68が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に接続されている。右及び左旋回制御弁67,68は供給位置67a,68a及び排出位置67b,68bに操作自在な電磁操作式に構成されて、排出位置67b,68bに付勢されている。アンロード弁70は遮断位置70a及び排出位置70bに操作自在な電磁操作式に構成されて、遮断位置70aに付勢されている。
図3に示すように、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)から分岐した油路75に、第2リリーフ弁76が接続され、油路75に比例制御弁71及び旋回切換制御弁72が直列的に接続されており、旋回切換制御弁72が緩旋回クラッチ36、ブレーキ40及び逆転クラッチ42に接続されている。比例制御弁71は電磁操作式に構成されて、作動油の圧力制御が可能である。旋回切換制御弁72は、緩旋回位置72a、信地旋回位置72b及び超信地旋回位置72cに操作自在なパイロット操作式に構成されており、緩旋回位置72aに付勢されている。この場合、第1リリーフ弁69のリリーフ圧が比較的高い値に設定され、第2リリーフ弁76のリリーフ圧が比較的低い値に設定されている。
図3に示すように、油路75から分岐したパイロット作動油を旋回切換制御弁72に供給して信地旋回位置72bに操作するように、パイロット操作弁73が構成され、油路75から分岐したパイロット作動油を旋回切換制御弁72に供給して超信地旋回位置72cに操作するように、パイロット操作弁74が構成されている。油圧ユニット59とミッションケース8との連結面(合わせ面)に、ドレン油路(図示せず)が形成されており、右旋回制御弁67、左旋回制御弁68、第1リリーフ弁69、アンロード弁70、第2リリーフ弁76、比例制御弁71、旋回切換制御弁72、パイロット操作弁73,74の作動油がドレン油路を介してミッションケース8に戻される。
右及び左旋回制御弁67,68、アンロード弁70、比例制御弁71、パイロット操作弁73,74は、後述する[7][8][9][10]に記載のように、制御装置79によって操作される。
[7]
次に、操向レバー77による直進状態について説明する。
図1及び図4に示すように、右及び左に操作自在な操向レバー77が運転部3に備えられ、操向レバー77の操作位置が制御装置79に入力されており、操向レバー77は直進位置N、右及び左第1旋回位置R1,L1、右及び左第2旋回位置R2,L2に操作自在に構成されている。旋回モードスイッチ78が運転部3に備えられて、旋回モードスイッチ78の操作位置が制御装置79に入力されており、旋回モードスイッチ78は緩旋回位置、信地旋回位置及び超信地旋回位置を備えている。
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78の操作位置に関係なく、操向レバー77が直進位置Nに操作されると、右及び左旋回制御弁67,68が排出位置67b,68bに操作され、アンロード弁70が排出位置70bに操作される。これにより、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)、右及び左の旋回クラッチ39から作動油が排出され、右及び左のサイドクラッチ33(右及び左の咬合部28)が伝動状態に操作されて、右及び左の旋回クラッチ39が半伝動状態に操作される。比例制御弁71により緩旋回及び逆転クラッチ36,42が遮断状態に操作され、ブレーキ40が解除状態に操作される。
図2及び前項[2]に記載のように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7bの動力が、低速ギヤ10、伝動ギヤ19、伝動軸20、伝動ギヤ22,25、伝動軸26、右及び左の咬合部28、右及び左の出力ギヤ27、右及び左の伝動ギヤ30、右及び左の車軸29を介して、右及び左の走行装置1に伝達されて、機体は直進する。
[8]
次に、操向レバー77による緩旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78が緩旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が緩旋回位置72aに操作される。これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。
図2に示すように、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)の動力が、左の出力ギヤ27及び左の旋回クラッチ39から、右の旋回クラッチ39を介して右の出力ギヤ27に伝達され、伝動軸26と同方向で伝動軸26より少し低速の動力が右の出力ギヤ27に伝達される。これにより、機体は緩やかに右に向きを変える。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(緩旋回位置72a)を介して、緩旋回クラッチ36に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71により緩旋回クラッチ36の作動圧が昇圧操作される。
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71により緩旋回クラッチ36の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸26の動力が右の咬合部28、伝動ギヤ35、緩旋回クラッチ36、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、伝動軸26と同方向で伝動軸26よりも低速の動力として右の出力ギヤ27に伝達される。
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と緩旋回クラッチ36からの動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、緩旋回クラッチ36の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力が緩旋回クラッチ36からの動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより緩旋回クラッチ36の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、緩旋回クラッチ36の作動圧が高圧になると、図2に示すように、緩旋回クラッチ36からの動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、緩旋回クラッチ36からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。この状態において、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動されるよりも、緩旋回クラッチ36からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される方が、右の出力ギヤ27が低速で駆動されることになり、機体は右に緩旋回する。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われて、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に緩旋回する。
[9]
次に、操向レバー77による信地旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように、旋回モードスイッチ78が信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が信地旋回位置72bに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、前項[8]に記載と同様に機体は緩やかに右に向きを変える。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(信地旋回位置72b)を介して、ブレーキ40に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71によりブレーキ40の作動圧が昇圧操作される。
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71によりブレーキ40の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、右の出力ギヤ27に制動力が掛かる。
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と、ブレーキ40の制動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、ブレーキ40の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力がブレーキ40の制動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより、ブレーキ40の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、ブレーキ40の作動圧が高圧になると、図2に示すように、ブレーキ40の制動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、ブレーキ40の制動力により右の出力ギヤ27が制動状態となり、機体は右に信地旋回する。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われて、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に信地旋回する。
[10]
次に、操向レバー77による超信地旋回状態について説明する。
図2,3,4に示すように旋回モードスイッチ78が超信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が超信地旋回位置72cに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、前項[8]に記載と同様に機体は緩やかに右に向きを変える。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、前述のように右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されアンロード弁70が遮断位置70aに操作されるのと同時に、比例制御弁71及び旋回切換制御弁72(超信地旋回位置72c)を介して、逆転クラッチ42に作動油が供給され始めるのであり、操向レバー77が右第1旋回位置R1から右第2旋回位置R2に操作されるほど、比例制御弁71により逆転クラッチ42の作動圧が昇圧操作される。
図2,3,4に示すように、操向レバー77の操作位置に基づいて比例制御弁71により逆転クラッチ42の作動圧が昇圧操作されるのに伴って、伝動軸20の動力が伝動ギヤ23,41、逆転クラッチ42、伝動軸34、伝動ギヤ38、旋回クラッチケース37及び右の旋回クラッチ39を介して、伝動軸26と逆方向の動力として右の出力ギヤ27に伝達される。
この場合、図2に示すように、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力と、逆転クラッチ42からの動力とが、同時に右の出力ギヤ27に伝達される状態となるので、逆転クラッチ42の作動圧が低圧の範囲では、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力が逆転クラッチ42からの動力に打ち勝って、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。これにより逆転クラッチ42の作動圧が低圧の範囲では、機体は緩やかに右に向きを変える。
次に操向レバー77の操作位置が右第2旋回位置R2に接近し、逆転クラッチ42の作動圧が高圧になると、図2に示すように、逆転クラッチ42からの動力が左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)からの動力に打ち勝って、逆転クラッチ42からの動力により右の出力ギヤ27が駆動される。この状態において、左の出力ギヤ27に対して、右の出力ギヤ27が逆方向に駆動されて、機体は右に超信地旋回する。
図2,3,4に示すように、操向レバー77が左第1旋回位置L1に操作されると、左旋回制御弁68が供給位置68aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)及び左の旋回クラッチ39に作動油が供給され、左のサイドクラッチ33(左の咬合部28)が遮断状態に操作されて、左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。これと同時に前述と同様な操作が行われて、機体は緩やかに左に向きを変える。操向レバー77が左第1旋回位置L1から左第2旋回位置L2に操作されると、前述と同様な操作が行われて、機体は左に超信地旋回する。
[発明の実施形態]
前述の[参考形態]のように、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mを高速側及び低速側に無段階に操作するのではなく、操作シリンダ56により静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mを、複数の操作位置(例えば5つの操作位置)に操作するように構成する。
この場合、運転者の好みに応じて、複数の操作位置を任意に変更及び記憶することができるように構成し、選択手段としての操作スイッチ(図示せず)を操作することにより、複数の操作位置のうちの一つを選択できるように構成する。
事前に設定された低速の設定位置と選択された操作位置とが比較されて、選択された操作位置が低速の所定位置よりも高速側であると、刈取変速装置18がアクチュエータ(図示せず)により低速位置に自動的に操作され、選択された操作位置が低速の所定位置よりも低速側であると、刈取変速装置18がアクチュエータにより高速位置に自動的に操作されるように構成する。
[第2参考形態]
操作シリンダ56により静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mを、移動走行用の高速位置、刈取作業用の中速位置、及び倒伏が激しい作物を刈り取る倒伏刈取作業用の低速位置の3位置に操作するように構成してもよい。
この場合、刈取変速装置18を操作するアクチュエータ(図示せず)、刈取部2に伝達される動力を伝動及び遮断自在な刈取クラッチ(図示せず)、及び刈取クラッチを操作するアクチュエータ(図示せず)、変速レバー43の握り部43a(図4参照)に備えられた走行変速スイッチ(図示せず)及び刈取変速スイッチ(図示せず)を備えて、刈取変速装置18及び刈取クラッチが以下のように自動的に操作されるように構成してもよい。
図6に示すように、移動走行状態、標準刈取状態及び低速刈取状態が、制御装置79において設定されている。
移動走行状態は静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが高速位置に操作され、刈取クラッチが遮断状態に操作され、刈取変速装置18が低速位置に操作された状態である。標準刈取状態は静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが中速位置に操作され、刈取クラッチが伝動状態に操作され、刈取変速装置18が低速位置に操作された状態である。低速刈取状態は、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが低速位置に操作され、刈取クラッチが伝動状態に操作され、刈取変速装置18が高速位置に操作された状態である。
図6に示すように、移動走行状態が設定された状態において、走行変速スイッチが押し操作されると、標準刈取状態が設定され、標準刈取状態が設定された状態において、走行変速スイッチが押し操作されると、移動走行状態が設定される。このように、走行変速スイッチが押し操作される毎に、移動走行状態及び標準刈取状態が交互に設定される。
この場合、移動走行状態が設定された状態において、刈取変速スイッチが押し操作されても、この押し操作が無視されて移動走行状態が維持される。走行変速スイッチが押し操作されることにより、標準刈取状態が設定された状態において、刈取変速スイッチが押し操作されると、低速刈取状態が設定される。
図6に示すように、標準刈取状態が設定された状態において、刈取変速スイッチが押し操作されると、低速刈取状態が設定される。低速刈取状態が設定された状態において刈取変速スイッチが押し操作されると、標準刈取状態が設定される。このように刈取変速スイッチが押し操作される毎に、標準刈取状態及び低速刈取状態が交互に設定される。
この場合、低速刈取状態が設定された状態において、走行変速スイッチが押し操作されても、この押し操作が無視されて低速刈取状態が維持される。刈取変速スイッチが押し操作されることにより、標準刈取状態が設定された状態において、走行変速スイッチが押し操作されると、移動走行状態が設定される。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施形態]において、以下の構成を備えてもよい。
図4及び図7に示すように、走行変速スイッチ81及び圧力制御弁58により操作シリンダ56に油室56aに作動油を給排操作する場合、操作シリンダ56の油室56aの圧力が最低圧力B1及び最高圧力B2の範囲で操作される。静油圧式無段変速装置7に負荷が掛からない無負荷状態において、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置と、操作シリンダ56の油室56aの圧力との関係(A1)が事前に把握されており、操作シリンダ56の油室56aの最低圧力B1が、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7M(斜板)の最低速位置Lに対応し、操作シリンダ56の油室56aの最高圧力B2(リリーフ弁50(図5参照)によって設定される)が、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7M(斜板)の最高速位置Hに対応している。
図7に示すように、操作シリンダ56の油室56aの圧力が所定の圧力に維持された状態(静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板が所定の圧力に対応する位置に操作された状態)において、静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷が大きくなると、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板が負荷により低速側に変位する。これにより、静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷に応じて、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置と、操作シリンダ56の油室56aの圧力との関係(A2,A3等)が事前に把握されている。
図7に示すように、操作シリンダ56の油室56aの圧力を所定の圧力に維持した状態で、ポテンショメータ82(図4参照)により静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置を検出することにより、現在の状態がどの関係(A1,A2,A3等)に基づくものであるかを判断して、静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷を検出することができる。図5に示すリリーフ弁86が開く負荷も、事前に把握されている。
前述のように、操作シリンダ56に油室56aの圧力と、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置とにより、静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷を検出した場合、静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷が、リリーフ弁86が開く負荷よりも少し小さい負荷に達するまでは、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mの斜板の位置は変更されない。静油圧式無段変速装置7に掛かる負荷が、リリーフ弁86が開く負荷よりも少し小さい負荷に達すると、操作シリンダ56により静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mが低速側に操作されて、リリーフ弁86が開く状態が回避される。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施形態][発明の実施の第1別形態]において、図8に示すように、静油圧式無段変速装置7の出力軸7b(油圧モータ7M)に、無段変速型式の変速装置88(ベルト式無段変速装置やトロイダルコア式無段変速装置等)を接続してもよい。
これにより、図8に示すように、静油圧式無段変速装置7の油圧モータ7Mを操作するのではなく、静油圧式無段変速装置7の出力軸7b(油圧モータ7M)の動力を変速装置88に伝達し、変速装置88を操作して、変速装置88の動力を伝動軸12から刈取変速装置18及び伝動軸20に伝達するように構成する。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明の実施形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、刈取変速装置18を無段変速型式(静油圧式無段変速装置やベルト式無段変速装置、トロイダルコア式無段変速装置等)に構成してもよい。
コンバインの全体側面図 ミッションケースの縦断正面図 油圧ユニットの油圧回路構造を示す図 変速レバー、操向レバー、旋回モードスイッチ、油圧ユニット、操作シリンダ及び圧力制御弁の関係を示す図 静油圧式無段変速装置の油圧回路構造を示す図 第2参考形態において、移動走行状態、標準刈取状態及び低速刈取状態を示す図 発明の実施の第1別形態において、静油圧式無段変速装置の油圧モータの斜板の位置と操作シリンダの油室の圧力との関係を示す図 発明の実施の第2別形態において、静油圧式無段変速装置及び変速装置の付近の縦断正面図
1 走行装置
2 刈取部
6 エンジン
7 静油圧式無段変速装置
7P 静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ
7M 静油圧式無段変速装置の油圧モータ
18 刈取変速装置
88 変速装置

Claims (2)

  1. エンジンの動力が伝達される静油圧式無段変速装置を備え、前記静油圧式無段変速装置を伝動上手側の油圧ポンプと伝動下手側の油圧モータとを備えて構成して、
    前記油圧ポンプを、変速操作具の操作によって無段階に変速自在なように構成し、
    記油圧モータを、複数の操作位置に変速自在に且つ前記複数の操作位置を任意に変更及び記憶自在に構成するとともに、前記複数の操作位置のいずれか1つを選択する選択手段を備え、
    記油圧モータの動力を走行伝動系及び刈取伝動系に並列的に分岐させて、前記走行伝動系の動力を走行装置に伝達するように構成し、
    前記刈取伝動系の動力を刈取部に伝達するように構成して、前記刈取伝動系に刈取変速装置を備えてある刈取収穫機。
  2. 前記選択手段により選択された操作位置が所定位置よりも高速であれば、前記刈取変速装置を低速側に操作し、前記選択手段により選択された操作位置が所定位置よりも低速であれば、前記刈取変速装置を高速側に操作するアクチュエータを備えてある請求項1に記載の刈取収穫機。
JP2008263841A 2008-05-09 2008-10-10 刈取収穫機 Active JP5543095B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008263841A JP5543095B2 (ja) 2008-10-10 2008-10-10 刈取収穫機
KR1020090020970A KR101065563B1 (ko) 2008-05-09 2009-03-12 예취 수확기
CN 200910137708 CN101574032B (zh) 2008-05-09 2009-04-27 收割收获机
KR1020100135148A KR101603347B1 (ko) 2008-05-09 2010-12-27 예취 수확기

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008263841A JP5543095B2 (ja) 2008-10-10 2008-10-10 刈取収穫機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010088389A JP2010088389A (ja) 2010-04-22
JP5543095B2 true JP5543095B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=42251763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008263841A Active JP5543095B2 (ja) 2008-05-09 2008-10-10 刈取収穫機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5543095B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55162524U (ja) * 1979-05-11 1980-11-21
JP2843731B2 (ja) * 1993-02-02 1999-01-06 株式会社クボタ コンバインの駆動構造
JP2004138166A (ja) * 2002-10-18 2004-05-13 Yanmar Agricult Equip Co Ltd 作業車
JP2004187506A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Kubota Corp 刈取収穫機の刈取変速構造
JP2005125830A (ja) * 2003-10-21 2005-05-19 Yanmar Co Ltd コンバイン
JP4882373B2 (ja) * 2005-12-28 2012-02-22 井関農機株式会社 コンバイン
JP2007292168A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Iseki & Co Ltd トラクタの車速制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010088389A (ja) 2010-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5024306A (en) Propelling drive control apparatus for working vehicle
JP5249888B2 (ja) 刈取収穫機の走行変速装置
JP5543095B2 (ja) 刈取収穫機
JP5108699B2 (ja) 刈取収穫機
JP5285444B2 (ja) コンバインの走行制御装置
JP5143680B2 (ja) コンバイン
JP5215122B2 (ja) 作業車の走行変速構造
KR101603347B1 (ko) 예취 수확기
JP5215196B2 (ja) 作業車の走行制御装置
JP2011094703A (ja) 刈取収穫機の走行変速装置
JP4960935B2 (ja) 作業車の走行伝動構造
KR100506435B1 (ko) 예취 수확기
JP5134557B2 (ja) コンバインの走行制御装置
JP3963834B2 (ja) 刈取収穫機の走行伝動構造
JP4474793B2 (ja) 走行装置
JP3801543B2 (ja) コンバインの伝動構造
JP5069698B2 (ja) 刈取収穫機
JP4820351B2 (ja) コンバインの走行変速構造
JP2004066859A (ja) 収穫機の駆動構造
JP2009232782A (ja) 刈取収穫機の走行変速構造
JP2007297050A (ja) 作業機の操向構造
JP2010159804A (ja) 作業車の走行制御装置
JP5400347B2 (ja) コンバイン
JP5255550B2 (ja) 刈取収穫機の走行変速装置
JP3926222B2 (ja) コンバインの伝動構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5543095

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150