JP5215196B2 - 作業車の走行制御装置 - Google Patents
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Description
ちなみに、この特許文献1は、エンジンが、作業車としてのコンバインに搭載されて、そのエンジンの動力が、刈取処理部(刈取装置)及び脱穀装置に伝達されており、エンジンの回転数は、走行負荷、及び、刈取処理部の負荷や脱穀装置の負荷の増減に応じて変化することになる。
即ち、静油圧式無段変速装置の可変容量型の油圧ポンプを低速側に操作することは、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプの吐出量を少なくすることなので、機体の走行速度が低速になると同時に、走行用の駆動力(トルク)も小さくなる。これにより、走行抵抗の大きな軟弱な作業地において、静油圧式無段変速装置の油圧ポンプを低速側に操作すると、走行用の駆動力(トルク)が不足する状態になることが考えられる。
前記静油圧式無段変速装置に、容量変更可能かつ人為操作可能な、油圧ポンプと、油圧モータと、が備えられ、
前記油圧モータにおける容量変更用の操作部が設定目標位置から低速側に移動するのを高速側に移動操作する操作力にて保持する保持手段と、
前記保持手段の操作力を変更調整する操作力調整手段と、
前記操作部の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の検出情報に基づいて、前記操作部を設定目標位置に維持させるように前記操作力調整手段の作動を制御する制御手段が設けられ、
前記制御手段が、前記操作部が前記設定目標位置よりも低速側に移動しても、設定上限値を超えて前記保持手段の操作力を増加させない形態で前記操作力調整手段の作動を制御するように構成され、且つ、前記操作部が前記設定目標位置よりも低速側に移動した場合には、前記設定上限値を低下させるように構成され、
前記設定目標位置として、異なる位置となる複数の設定目標位置が定められ、
前記複数の設定目標位置のいずれかを選択する選択手段が設けられ、
前記制御手段が、前記複数の設定目標位置のうちで、前記選択手段にて選択された設定目標位置に前記操作部を維持させるように前記操作力調整手段の作動を制御するように構成され、
前記設定上限値が、前記複数の設定目標位置の夫々に対して、低速側の設定目標位置ほど低くする状態で定められ、
前記制御手段は、前記操作部が前記複数の設定目標位置のうちの高速側の設定目標位置から低速側の設定目標位置に移動すると、その低速側の設定目標位置に対して定められた設定上限値に設定上限値を変更し、且つ、前記操作部が低速側の設定目標位置よりも高速側の設定目標位置側に復帰すると、高速側の設定目標位置に対して定められた設定上限値に戻すように構成されている点にある。
そして、制御手段が、操作部の位置を検出する位置検出手段の検出情報に基づいて、操作部を設定目標位置に維持させるように、保持手段の操作力を変更調整する操作力調整手段の作動の制御することにより、走行負荷が増減しても、操作部が設定目標位置に維持されることになる。
さらに、制御手段が、操作部が設定目標位置よりも低速側に移動しても、設定上限値を超えて保持手段の操作力を増加させない形態で操作力調整手段の作動を制御することになるため、走行負荷が増加して、保持手段の操作力を設定上限値にまで増加させた状態において、さらに走行負荷が増加すると、操作部が低速側に移動して、可変容量型の油圧モータの回転速度が、操作部を設定目標位置に位置させるときの回転速度よりも低速側に操作されることになる。
つまり、走行負荷が増大したときに、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作する構成としては、例えば、油圧モータの駆動トルクを検出するトルク検出手段の検出情報に基づいて、操作部を低速側に操作するアクチュエータを作動させるように構成することが考えられるが、駆動トルクを検出してアクチュエータを作動させるには、応答遅れが生じるものとなる。
これに対して、本第1特徴構成によれば、制御手段が、操作部が設定目標位置よりも低速側に移動しても、設定上限値を超えて保持手段の操作力を増加させない形態で操作力調整手段の作動を制御することにより、走行負荷が増加したときに、特別な操作を行うことなしに、可変容量型の油圧モータの回転速度を低速側にするものであるから、応答遅れを生じることなく、走行負荷が増大したときに、静油圧式無段変速装置の油圧モータを低速側に操作することを的確に行えるものとなる。
そして、操作部を異なる複数の設定目標位置に維持させることによって、油圧モータの回転速度を高低に変更することができるものであるから、地面の硬軟等の走行条件によって、走行速度を変更することができ、しかも、低速側の設定目標位置を選択すれば、大きな走行用の駆動力(トルク)を得ることができるものとなる。
つまり、複数の設定目標位置のうちの低速側の設定目標位置を設定するときとは、地面が軟弱である等により、大きな走行用の駆動力(トルク)を必要とするときであるため、油圧モータを低速で回転させるにしても、エンジンに大きな負荷を掛ける状態が生じ易いものであるが、複数の設定目標位置の夫々に対する設定上限値が、低速側の設定目標位置ほど低くする状態で定められているから、油圧モータの駆動のためにエンジンに大きな負荷が掛かることを極力回避できるものとなる。
前記保持手段が、操作力が供給される油圧の圧力にて変更される油圧シリンダであり、
前記操作力調整手段が、前記油圧シリンダに供給する油圧の圧力を変更調整する電磁比例弁であり、
前記制御手段が、前記保持手段の操作力に対応する前記電磁比例弁に通電する電流値を前記設定上限値に対応する設定上限電流値に超えて増加させない形態で前記電磁比例弁に通電する電流値を制御するように構成されている点にある。
前記エンジンが、作業車としてのコンバインに搭載されて、そのエンジンの動力が、刈取処理部及び脱穀装置に伝達されている点にある。
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1で支持された機体の前部に、刈取処理部としての刈取部2が昇降自在に支持され、機体の前部の右側に運転部3が備えられて、機体の後部の左側に脱穀装置4が備えられ、機体の後部の右側にグレンタンク5が備えられて、作業車の一例である自脱型のコンバインが構成されている。
図2に示すように、伝動軸20に伝動ギヤ19が相対回転自在に外嵌されて、伝動ギヤ19が低速ギヤ10に咬合しており、シフト部材21がスプライン構造により伝動軸20にスライド及び一体回転自在に外嵌されている。伝動軸20に伝動ギヤ22,23が固定されており、伝動軸20の端部に多板摩擦式の駐車ブレーキ24が備えられている。
図2に示すように、伝動軸34に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ35が、右の咬合部28の外周部のギヤ部に咬合しており、伝動軸34と伝動ギヤ35との間に緩旋回クラッチ36が備えられている。緩旋回クラッチ36は摩擦多板式に構成されて遮断状態に付勢されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
これにより図2に示すように、ブレーキ40が制動状態に操作されると、伝動軸34及び伝動ギヤ38を介して、旋回クラッチケース37が制動状態となる。ブレーキ40の制動状態において、右又は左のサイドクラッチ33が遮断状態に操作され、右又は左の旋回クラッチ39が伝動状態に操作されると、右又は左の出力ギヤ27が制動状態となる。
図2及び図3に示すように、油圧ユニット59がミッションケース8の左側部の下部に連結されている。静油圧式無段変速装置7の入力軸7aに油圧ポンプ60が接続され、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにより油圧ポンプ60が駆動されるように構成されており、油圧ポンプ60から延出された油路61が油圧ユニット59に接続されている。
右及び左旋回制御弁67,68、アンロード弁70、比例制御弁71、パイロット操作弁73,74は、図4に示すように、制御手段としての制御装置79によって、後述の如く操作される。
図1及び図4に示すように、右及び左に操作自在な操向レバー77が運転部3に備えられ、操向レバー77の操作位置を検出する操作位置検出センサーQの検出情報が制御装置79に入力されており、操向レバー77は直進位置n、右及び左第1旋回位置R1,L1、右及び左第2旋回位置R2,L2に操作自在に構成されている。ダイヤル操作型式の旋回モードスイッチ78が運転部3に備えられ、旋回モードスイッチ78の操作情報が制御装置79に入力されており、旋回モードスイッチ78は緩旋回位置、信地旋回位置及び超信地旋回位置を備えている。
図2〜4に示すように、旋回モードスイッチ78が緩旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が緩旋回位置72aに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。
図2〜4に示すように、旋回モードスイッチ78が信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が信地旋回位置72bに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、機体は緩やかに右に向きを変える。
図2〜4に示すように、旋回モードスイッチ78が超信地旋回位置に操作されると、パイロット操作弁73,74により旋回切換制御弁72が超信地旋回位置72cに操作される。
これにより、操向レバー77が右第1旋回位置R1に操作されると、右旋回制御弁67が供給位置67aに操作されて、アンロード弁70が遮断位置70aに操作され、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)及び右の旋回クラッチ39に作動油が供給されて、右のサイドクラッチ33(右の咬合部28)が遮断状態に操作され、右の旋回クラッチ39が伝動状態に操作される。この場合、左の旋回クラッチ39が半伝動状態であるので、機体は緩やかに右に向きを変える。
図5に示すように、静油圧式無段変速装置7はアキシャルプランジャ型式の可変容量型の油圧ポンプ7P及びアキシャルプランジャ型式の可変容量型の油圧モータ7Mを備え、油圧ポンプ7P及び油圧モータ7Mを一対の油路7cで接続して構成されている。静油圧式無段変速装置7の入力軸7aにチャージポンプ44が接続されて、静油圧式無段変速装置7の入力軸7aによりチャージポンプ44が駆動される。
図4及び図5に示すように、静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pは中立状態、前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成され、中立位置N、前進側F及び後進側Rに操作自在な変速レバー43(油圧ポンプ操作具に相当)が運転部3に備えられ、変速レバー43と静油圧式無段変速装置7の油圧ポンプ7Pの斜板7Paとが、連係リンク80を介して機械的に連係されている。尚、例示はしないが、操作された変速レバー43をその位置で保持するための摩擦式保持機構が設けられている。
図4に示すように、変速レバー43の上部の握り部43aにおいて、変速レバー43の握り部43aの横面部の下部に、走行変速スイッチ81が備えられており、変速レバー43の握り部43aの後面部の上部に、刈取変速スイッチ82か備えられている。走行変速スイッチ81及び刈取変速スイッチ82は、戻り側(突出側)に復帰付勢された押しボタン型式に構成されており、走行変速スイッチ81及び刈取変速スイッチ82の操作信号が制御装置79に入力される。
油圧モータ7Mの斜板7Maの位置として、操作シリンダ56のピストンの位置を検出するポテンショメータ89(位置検出手段に相当)が備えられて、ポテンショメータ89により操作シリンダ56のピストンの位置を検出することにより、油圧モータ7Mの斜板7Maの位置が検出されて、ポテンショメータ89の検出値Pが制御装置79に入力される。
説明を加えると、操作シリンダ56は、油圧モータ7Mの斜板7Maを高速側に移動操作する操作力が供給される油圧にて変更される油圧シリンダであり、圧力制御弁58が、操作シリンダ56に供給する油圧の圧力を変更調整するように構成されている。
標準刈取状態は、静油圧式無段変速装置7における油圧モータ7Mの斜板7Maが刈取作業用の中速位置Mに操作され、刈取クラッチ17及び脱穀クラッチ4Aが伝動状態に操作され、刈取変速装置18が低速位置に操作された状態であり、表示部87に中速位置Mが表示される。
低速刈取状態は、静油圧式無段変速装置7における油圧モータ7Mの斜板7Maが倒伏刈取作業用の低速位置Lに操作され、刈取クラッチ17及び脱穀クラッチ4Aが伝動状態に操作され、刈取変速装置18が高速位置に操作された状態であり、表示部87に低速位置Lが表示される。この低速刈取状態は、倒伏が激しい作物を刈り取るときに選択されることになる。
移動走行状態が設定された状態において走行変速スイッチ81が押し操作されると、標準刈取状態が設定され、標準刈取状態が設定された状態において走行変速スイッチ81が押し操作されると、移動走行状態が設定される。このように、走行変速スイッチ81が押し操作される毎に、移動走行状態及び標準刈取状態が交互に設定される。
この場合、移動走行状態が設定された状態において刈取変速スイッチ82が押し操作されても、この押し操作が無視されて移動走行状態が維持される。走行変速スイッチ81が押し操作されることにより、標準刈取状態が設定された状態において刈取変速スイッチ82が押し操作されると、低速刈取状態が設定される。
この場合、低速刈取状態が設定された状態において走行変速スイッチ81が押し操作されても、この押し操作が無視されて低速刈取状態が維持される。刈取変速スイッチ82が押し操作されることにより、標準刈取状態が設定された状態において走行変速スイッチ81が押し操作されると、移動走行状態が設定される。
そして、制御装置79が、複数の設定目標位置のうちで、走行変速スイッチ81及び刈取変速スイッチ82にて設定された目標位置に油圧モータ7Mの斜板7Maを維持させるように、圧力制御弁58に通電する電流値を制御するように構成されている。
説明を加えると、圧力制御弁58に通電する電流値は、操作シリンダ56により油圧モータ7Mの斜板7Maを高速側に移動操作する操作力に対応するものであり、図4に示すように、圧力制御弁58に通電される電流値aを検出する電流検出センサーD、及び、圧力制御弁58の駆動回路93が設けられている。
そして、油圧モータ7Mの斜板7Maを維持する設定目標位置としての、高速位置H、中速位置M、及び、低速位置Lの夫々に対応して、前記設定上限値に対応する設定上限電流値A1、A2、及び、A3が、低速側の設定目標位置ほど低くする状態で設定され、制御装置79が、電流検出センサーDの検出情報に基づいて、圧力制御弁58に通電する電流値aを設定上限電流値A1、A2、及び、A3を超えて増加させない形態で圧力制御弁58に通電する電流値aを制御するように構成されている。
つまり、油圧モータ7Mの斜板7Maを高速位置Hに維持するときに、走行負荷が増加して、設定上限電流値A1に対応する操作力にては、油圧モータ7Mの斜板7Maを高速位置Hに維持できなくなると、油圧モータ7Mの斜板7Maが高速位置Hよりも低速側に移動することになり、走行速度が低速になり、エンジン6の負荷が増大するのを抑制することになる。
同様に、油圧モータ7Mの斜板7Maを中速位置Hに維持するときに、走行負荷が増加して、設定上限電流値A2に対応する操作力にては、油圧モータ7Mの斜板7Maを中速位置Mに維持できなくなると、油圧モータ7Mの斜板7Maが中速位置Hよりも低速側に移動することになり、走行速度が低速になり、エンジン6の負荷が増大するのを抑制することになる。
ちなみに、油圧モータ7Mの斜板7Maの設定目標位置としての高速位置Hは、斜板7Maの高速側への移動限度よりも少し低速側の位置に定められている。
説明を加えると、制御装置79は、移動走行状態が選択されているときに、油圧モータ7Mの斜板7Maが設定目標位置としての高速位置Hから低速側の中速位置Mに移動すると、設定上限電流値A1をその低速側の中速位置Mに対して定められた設定上限電流値A2に変更するように構成されている。そして、制御装置79は、油圧モータ7Mの斜板7Maが中速位置Mよりも高速位置H側に復帰すると、設定上限電流値A2を高速位置Hに対応する設定上限電流値A1に戻すように構成されている。
説明を加えると、図4に示すように、エンジン6の回転数Eを検出する回転数センサー90が備えられており、回転数センサー90の検出値E1が制御装置79に入力されている。運転部3に、ボリューム等にて構成されるダイヤル操作型式のアクセル操作具91が備えられて、アクセル操作具91の操作位置情報が制御装置79に入力されている。アクセル操作具91は無負荷状態でのエンジン6の回転数E2を設定するものであり、詳述はしないが、アクセル操作具91の操作位置情報に基づいてエンジン6の電子ガバナ(図示せず)が操作されるように構成されている。
そして、制御装置79は、アクセル操作具91によって設定された無負荷状態でのエンジン6の回転数E2と、回転数センサー90により検出されるエンジン6の回転数E1との差(走行負荷に相当)を求めて、その差が設定値E3よりも大きいと電動モータ55により変速レバー43を低速側に操作して、静油圧式無段変速装置7における油圧ポンプ7Pの斜板7Paを低速側に操作するように構成されている。
図7は、メインフローを示すものであり、電源が投入されると、先ず初期設定を行うことになる(#1)。この初期設定において、移動走行状態を設定する。
初期設定を行うと、次に、移動走行状態であるか否かを判別し(#2)、移動走行状態であるときには、走行変速スイッチ81が操作されたか否か、つまり、走行変速スイッチ81がONになったか否かを判別し(#3)、走行変速スイッチ81が操作されていなければ、刈取りクラッチ17及び脱穀クラッチ4Aを遮断状態とし、刈取変速装置18を低速にする移動走行状態用処理(#4)、及び、静油圧式無段変速装置7における油圧モータ7Mの斜板7Maを高速位置Hに維持する高速操作処理(#5)を実行する。
次に、エンジン6の負荷が過大のときには、静油圧式無段変速装置7における油圧ポンプ7Pの斜板7Paを電動モータ55により減速側に操作する減速操作処理を実行し(#6)、その後、#2の移動走行状態であるか否かを判別する処理に戻ることになる。
#9にて刈取変速スイッチ82がONになったことを判別すると、低速刈取状態への変更であるとして、刈取りクラッチ17及び脱穀クラッチ4Aを伝動状態とし、刈取変速装置18を高速にする低速刈取状態用処理(#13)、及び、静油圧式無段変速装置7における油圧モータ7Mの斜板7Maを低速位置Lに維持する低速操作処理(#14)を実行し、その後、#6の減速操作処理に移行する。
先ず、操作シリンダ56のピストンの位置を検出するポテンショメータ89の検出値Pが高速位置Hに対応する位置であるか否かを判別し(#21)、検出値Pが高速位置Hに対応する位置である場合には、メインフローに戻ることになる。
#21にて検出値Pが高速位置Hに対応する位置でないことを判別した場合には、検出値Pが高速位置Hに対応する位置よりも高速側であるか否かを判別し(#22)、高速側であることを判別すると、現在の目標電流値Aから設定量αを減算した値を新たな目標電流値Aとして設定し(#23)、電流検出センサーDにて検出される電流値aが新たな目標電流値Aになるように駆動回路93に対して電流増減指令を指令する電流制御処理を実行し(#24)、その後、メインフローに戻ることになる。
また、#26にて目標電流値Aが高速位置Hに対応する設定上限電流値A1よりも小でないこと判別した場合は、現在の目標電流値Aを設定上限電流値A1に設定して、#24の電流制御処理に移行することになる。
また、#29にて目標電流値Aが中速位置Mに対応する設定上限電流値A2よりも小でないこと判別した場合は、現在の目標電流値Aを設定上限電流値A2に設定して、#244の電流制御処理に移行することになる。
先ず、操作シリンダ56のピストンの位置を検出するポテンショメータ89の検出値Pが中速位置Mに対応する位置であるか否かを判別し(#41)、検出値Pが中速位置Mに対応する位置である場合には、メインフローに戻ることになる。
#41にて検出値Pが中速位置Mに対応する位置でないことを判別した場合には、検出値Pが中速位置Mに対応する位置よりも高速側であるか否かを判別し(#42)、高速側であることを判別すると、現在の目標電流値Aから設定量αを減算した値を新たな目標電流値Aとして設定し(#43)、電流検出センサーDにて検出される電流値aが新たな目標電流値Aになるように駆動回路93に対して電流増減指令を指令する電流制御処理を実行し(#44)、その後、メインフローに戻ることになる。
また、#45にて目標電流値Aが中速位置Mに対応する設定上限電流値A2よりも小でないこと判別した場合は、現在の目標電流値Aを設定上限電流値A2に設定して、#44の電流制御処理に移行することになる。
先ず、操作シリンダ56のピストンの位置を検出するポテンショメータ89の検出値Pが低速位置Lに対応する位置であるか否かを判別し(#61)、検出値Pが低速位置Lに対応する位置である場合には、メインフローに戻ることになる。
#61にて検出値Pが低速位置Lに対応する位置でないことを判別した場合には、検出値Pが低速位置Lに対応する位置よりも高速側であるか否かを判別し(#62)、高速側であることを判別すると、現在の目標電流値Aから設定量αを減算した値を新たな目標電流値Aとして設定し(#63)、電流検出センサーDにて検出される電流値aが新たな目標電流値Aになるように駆動回路93に対して電流増減指令を指令する電流制御処理を実行し(#64)、その後、メインフローに戻ることになる。
また、#65にて目標電流値Aが低速位置Lに対応する設定上限電流値A3よりも小でないこと判別した場合は、#67にて現在の目標電流値Aを設定上限電流値A3に設定して、#64の電流制御処理に移行することになる。
アクセル操作具91によって設定された無負荷状態でのエンジン6の回転数E2と、回転数センサー90により検出されるエンジン6の回転数E1との差(走行負荷に相当)を求めて、その差が設定値E3よりも大きいか否かを判別し(#80)、大きくないと判別した場合には、メインフローに戻ることになる。
この設定量減速操作処理としては、詳述はしないが、変速レバー43の位置を検出する位置検出手段の検出情報に基づいて、変速レバー43を現在位置から設定量減速した位置に移動させるように電動モータ55を作動させることになる。
以下、本発明の別実施形態について説明する。
例えば、操作部を高速側に移動されるための駆動回転体と、その駆動回転体と操作部とを伝達力を変更調整自在な摩擦伝動機構を用いて連動連結して、摩擦伝動機構の伝達力を変更調整することにより、操作部を高速側に移動する操作力を変更調整できるように構成して実施できる。
そして、保持手段の操作力を変更調整する操作力調整手段は、保持手段の構成に応じて種々変更される。
4 脱穀装置
6 エンジン
7 静油圧式無段変速装置
7M 静油圧式無段変速装置の油圧モータ
7Ma 操作部(斜板)
46 保持手段(油圧シリンダ)
48 操作力調整手段(電磁比例弁)
79 制御手段
81,82 選択手段
89 位置検出手段
Claims (3)
- エンジンの動力が伝達される走行用の静油圧式無段変速装置を備えた作業車の走行制御装置であって、
前記静油圧式無段変速装置に、容量変更可能かつ人為操作可能な、油圧ポンプと、油圧モータと、が備えられ、
前記油圧モータにおける容量変更用の操作部が設定目標位置から低速側に移動するのを高速側に移動操作する操作力にて保持する保持手段と、
前記保持手段の操作力を変更調整する操作力調整手段と、
前記操作部の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段の検出情報に基づいて、前記操作部を設定目標位置に維持させるように前記操作力調整手段の作動を制御する制御手段が設けられ、
前記制御手段が、前記操作部が前記設定目標位置よりも低速側に移動しても、設定上限値を超えて前記保持手段の操作力を増加させない形態で前記操作力調整手段の作動を制御するように構成され、且つ、前記操作部が前記設定目標位置よりも低速側に移動した場合には、前記設定上限値を低下させるように構成され、
前記設定目標位置として、異なる位置となる複数の設定目標位置が定められ、
前記複数の設定目標位置のいずれかを選択する選択手段が設けられ、
前記制御手段が、前記複数の設定目標位置のうちで、前記選択手段にて選択された設定目標位置に前記操作部を維持させるように前記操作力調整手段の作動を制御するように構成され、
前記設定上限値が、前記複数の設定目標位置の夫々に対して、低速側の設定目標位置ほど低くする状態で定められ、
前記制御手段は、前記操作部が前記複数の設定目標位置のうちの高速側の設定目標位置から低速側の設定目標位置に移動すると、その低速側の設定目標位置に対して定められた設定上限値に設定上限値を変更し、且つ、前記操作部が低速側の設定目標位置よりも高速側の設定目標位置側に復帰すると、高速側の設定目標位置に対して定められた設定上限値に戻すように構成されている作業車の走行制御装置。 - 前記保持手段が、操作力が供給される油圧の圧力にて変更される油圧シリンダであり、
前記操作力調整手段が、前記油圧シリンダに供給する油圧の圧力を変更調整する電磁比例弁であり、
前記制御手段が、前記保持手段の操作力に対応する前記電磁比例弁に通電する電流値を前記設定上限値に対応する設定上限電流値に超えて増加させない形態で前記電磁比例弁に通電する電流値を制御するように構成されている請求項1に記載の作業車の走行制御装置。 - 前記エンジンが、作業車としてのコンバインに搭載されて、そのエンジンの動力が、刈取処理部及び脱穀装置に伝達されている請求項1又は2のいずれか1項に記載の作業車の走行制御装置。
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