JP4352444B2 - 共振コンバータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチング損失の低減を図った共振コンバータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般にこの種の共振コンバータにおいて、スイッチング素子のスイッチング損失を低減させるための回路トポロジー(幾何学的構成)が、例えば特開平8−66025号公報や特開平9−308243号公報などに開示されている。図11は、こうした複合共振コンバータの一例を示すもので、ここでは直流電源1の一端と他端との間に接続したいずれもMOS型FETからなるスイッチ素子Q1,Q2の直列回路と、トランスTと、トランスTの一次巻線N1の一端とスイッチ素子Q2のソースとの間に接続した共振用のインダクタンスLrおよびコンデンサCrの直列回路と、トランスTの各二次巻線N2a,N2bにそれぞれアノードを接続するとともに、カソードどうしを接続したダイオードD3,D4と、ダイオードD3およびダイオードD4の接続点とトランスTのセンタータップ間に接続した平滑コンデンサCoとを備えている。また、スイッチ素子Q1,Q2のドレイン・ソース間には、コンデンサCs1,Cs2が並列接続されるとともに、ダイオードD1,D2が逆方向に並列接続される。なお、トランスTは周知のように励磁インダクタンスLpと漏れインダクタンスを有しており、この漏れインダクタンスを前記インダクタンスLrとして利用してもよい。また、ダイオードD1,D2は、ここではスイッチ素子Q1,Q2のボディ(内蔵)ダイオードを利用している。
【0003】
前記平滑コンデンサCoの両端には出力端子2,2が接続されており、トランスTの二次巻線N2a,N2bに誘起された電圧が、ダイオードD3,D4および平滑コンデンサCoにより整流平滑され、出力端子2,2に接続した負荷3に所定の直流出力電圧Voが供給されるようになっている。また、4は出力電圧Voを安定化させるための制御回路で、この制御回路4から各スイッチ素子Q1,Q2のゲートには、僅かなデッドタイムすなわち双方がオフになる期間を有して交互にオンパルスの駆動信号が供給される。なお、この駆動信号のオンパルス幅は、コンデンサCrおよびインダクタンスLrの共振回路で決定される共振波形の半波長よりも長く設定される。
【0004】
次に、上記構成における回路動作を図12の波形図を参照しながら説明する。なお図12において、(a)はスイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1,(b)はスイッチ素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2,(c)はスイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1,(d)はスイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2,(e)はスイッチ素子Q1を流れるドレイン電流Iq1,(f)はスイッチ素子Q2を流れるドレイン電流Iq2,(g)はコンデンサCs1とコンデンサCs2の合成電流Ics1+Ics2,(h)はスイッチ素子Q1,Q2の接続点からトランスTの一次側への電流Irである。
【0005】
前述のように、スイッチ素子Q1,Q2のゲートにはデッドタイムを有して交互にオンパルスの駆動信号が与えられるため、図12の(a)および(c)に示すように、スイッチ素子Q1,Q2は交互にオン・オフを繰り返す。ここで、図12のt0〜t1のデッドタイム期間における共振用コンデンサCS1,CS2の働きにより、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1が図12(c)に示すようにゼロになったt1の時点で、制御回路4からのオンパルスの駆動信号により、図12(a)に示すようにスイッチ素子Q1にゲート・ソース間電圧Vgs1が印加されると、直流電源1とスイッチ素子Q1と一次巻線N1とインダクタンスLrとコンデンサCrとによる閉回路が形成され、スイッチ素子Q1および一次巻線N1には、図12(e)、(h)に示す電流Iq1,Irが流れる。なお、スイッチ素子Q1をオンした直後のt1〜t2の期間には、インダクタンスLrとコンデンサCrとの共振回路から一次巻線N1に向けて流れる負の共振電流Irが、ダイオードD1を通って直流電源1側に戻される。t1〜t3の区間は、比較的インダクタンス値の小さいインダクタンスLrとコンデンサCrとの直列共振に基づく高い周波数の電流波形が、スイッチ素子Q1を流れる電流Iq1およびトランスN1を流れる電流Irとして現れる。その後のt3〜t4の区間は、トランスTの比較的大きい励磁インダクタンスLpとコンデンサCrとの共振に基づく低い周波数の電流波形が、電流Iq1および電流Irとして現れる。
【0006】
t4の時点で、スイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1がゼロになると、スイッチ素子Q1を流れる電流Iq1は遮断され、それまで励磁インダクタンスLpおよびインダクタンスLrに流れていた慣性電流Irによって、今度はコンデンサCS2に蓄えられた電荷が移動し、コンデンサCS2と一次巻線N1とインダクタンスLrとコンデンサCrとによる閉回路が形成される。これにより、コンデンサCS2の端子間電圧すなわちスイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、t4〜t5の区間で徐々に低下し、t5の時点でゼロになる。一方、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1は、直流電源1の入力電圧からスイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2を差し引いたものとなるため、図12(c)に示すようにt4〜t5の区間でゼロから徐々に高くなり、スイッチ素子Q1のターンオフ時におけるゼロボルトスイッチングが達成される。また、スイッチ素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2は、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2がゼロになったt5の時点で印加されるため、このスイッチ素子Q2のターンオン時におけるゼロボルトスイッチングも達成される。
【0007】
t5の時点でコンデンサCS2の端子間電圧がゼロになると、ダイオードD2が導通し、共振回路の慣性電流はコンデンサCS2からダイオードD2に転流する。これにより、t5〜t6の期間にはスイッチ素子Q2に図12(f)に示す電流Iq2が流れる。つまり、このt5〜t6の期間においては、一次巻線N1とインダクタンスLrとコンデンサCrとダイオードD2とからなる閉回路により電流(Ir,Iq2)が流れる。また、スイッチ素子Q2のオン期間であるt5〜t7の区間には、コンデンサCrとインダクタンス素子Lrと一次巻線N1とスイッチ素子Q2とによる閉回路が形成され、スイッチ素子Q2および一次巻線N1には、図12(e)、(h)に示す共振電流Iq2,Irが流れる。このときの電流Iq2,Irは、t2〜t4の区間における電流Iq1,Irと逆向きに流れる。
【0008】
t7の時点でスイッチ素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2がゼロになると、スイッチ素子Q2を流れる電流Iq2は遮断され、それまで励磁インダクタンスLpおよびインダクタンスLrに流れていた慣性電流Irが、コンデンサCS1およびコンデンサCS2に転流し、図12(g)に示す電流Ics1+Ics2がt7〜t8の期間に流れる。この結果、コンデンサCS1の端子間電圧すなわちスイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1は、t7〜t8の期間で徐々に低下し、t8の時点でゼロになる。一方、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、コンデンサCs2が充電されるのに伴ないゼロから徐々に高くなり、スイッチ素子Q2のターンオフ時におけるゼロボルトスイッチングが達成される。また、スイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1は、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼロになったt8の時点で印加されるため、このスイッチ素子Q1のターンオン時におけるゼロボルトスイッチングも達成される。
【0009】
一方、図12には図示していないが、トランスTの二次巻線N2a,N2bには、一次巻線N1との巻線比に応じた電圧がそれぞれ発生する。すなわち、一次巻線N1のドット端子に電流が流れ込んでいる期間(図12のt1〜t3の期間)では、ダイオードD3が導通状態となる一方で、ダイオードD4が非導通状態となり、二次巻線N2aからダイオードD3を介して略正弦波状の二次側電流が発生する。逆に、一次巻線N1のドット端子から電流が流れ出ている期間(図12のt5〜t6’の期間)は、ダイオードD3が非導通状態となる一方で、ダイオードD4が導通状態となり、二次巻線N2bからダイオードD4を介して略正弦波状の二次側電流が発生する。このようにトランスTの二次側電流が略正弦波状に緩やかに立ち上がるので、各ダイオードD3,D4の特にリカバリー電流が小さくなり、二次側電流の立ち上がり時にダイオードD3,D4で発生するノイズを小さくすることができる。
【0010】
ところで上記の回路構成においては、ドライブすなわちスイッチ素子Q1,Q2の出力端から見た共振回路のインピーダンスは誘導性でなければならず、各スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数は共振回路の共振周波数よりも高くする必要がある。これをスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fと負荷3に供給する出力電力Pとの関係をあらわした図13で具体的に説明すると、foはインダクタンスLrとコンデンサCrとにより決まる固有の直列共振周波数で、図13から明らかなように、共振周波数foとスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fが一致したとき(f=fo)に、トランスTの二次側より最大電力Pmaxを取出すことが可能になり、この共振周波数foの両側において、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fに応じて出力電力Pの供給量が変化する。しかし、前述のように共振回路のインピーダンスが誘導性、すなわちスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fが共振周波数foよりも高くないと、ゼロボルトスイッチングができなくなるので、実際には共振周波数foよりも高い周波数領域のfaからfbまでが、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fの正常制御範囲とされ、出力電圧Voを一定にする時に、faからfbの範囲でスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fを可変している。この場合、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fを高くするほど(fbに近付けるほど)、一次巻線N1の電圧の振幅が小さくなって、トランスTの二次側電流ひいては出力電圧Voが小さくなり、逆に周波数を低くするほど(faに近付けるほど)、一次巻線N1の電圧の振幅が大きくなって、トランスTの二次側電流ひいて出力電圧Voが大きくなる。
【0011】
上記回路構成においては、トランスTの二次側電流が略正弦波状となるため、ダイオードD3,D4から発生するノイズを小さくできるという利点がある反面、スイッチ素子Q1,Q2に対しゼロボルトスイッチングを行なうには、共振回路のインピーダンスはゼロボルトスイッチングを満足するために誘導性でなければならない制約があり、共振回路の共振周波数foよりも高い周波数領域でスイッチ素子Q1,Q2をオン・オフ動作させなければならない。また、負荷3やスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fに依存して出力電圧Voが変動するので、こうした負荷3やオン・オフ周波数fに依存しない定電圧特性を有するスイッチング電源装置を得ることができない。
【0012】
さらに、トランスTの二次巻線N2a,N2bにはセンタータップがあり、製造的に巻線作業の途中でタップを設けるのは作りづらい上に、こうした構造のトランスTでは、コアが共通に用いられるために、一方のアクティブな状態にある二次巻線N2aに電流が流れていると、他方の本来動作する必要のないパッシブ層の二次巻線N2aに渦電流が生じ、これが銅損となってコンバータ全体の効率低下を招く。また、一つのトランスTで全パワーを負うことになるので、トランスTが大型化し、軽薄短小を求める市場のニーズに応えられない。
【0013】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生するノイズを小さくしつつ、負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうことができ、しかもトランスの銅損を低減するとともに、トランスの小型化を図ることができる共振コンバータを提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の共振コンバータは、前記目的を達成するために、直流電源の両端間に接続する第1および第2のスイッチ素子の直列回路と、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路と、一次巻線および二次巻線どうしを直列接続した一対の第1および第2のトランスと、前記第1および第2のトランスの各二次巻線の一端にそれぞれ接続する第1および第2の整流ダイオードと、前記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、前記第1の直列共振回路と前記第1のトランスの一次巻線との直列回路を前記第1のスイッチ素子の両端間に接続し、前記第2の直列共振回路と前記第2のトランスの一次巻線との直列回路を前記第2のスイッチ素子の両端間に接続したものである。
【0015】
また、本発明の請求項2の共振コンバータは、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の共振部と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の共振部とを備え、前記第1および第2の整流ダイオードの他端どうしを接続した第1の接続点と、前記第1および第2のトランスの各二次巻線の他端どうしを接続した第2の接続点との間に負荷を接続し、前記第1および第2のスイッチ素子を位相差を有してオン,オフさせる制御手段を備えている。
【0016】
また、本発明の請求項3の共振コンバータは、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の共振部と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の共振部と、前記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、前記一方のトランスのドライブ中に前記他方のトランスをリセットするように、前記第1および第2のトランスの一次巻線および二次巻線どうしを直列接続して構成される。
【0017】
上記請求項1〜3の構成に共通して、第2のスイッチ素子がオンすると、第1の直列共振回路を構成する第1のコンデンサと第1のインダクタンスが共振し、第1のトランスの二次巻線を介して第1の整流ダイオードを流れる二次側電流が略正弦波状に緩やかに立ち上がる。同様に第1のスイッチ素子がオンすると、第2の直列共振回路を構成する第2のコンデンサと第2のインダクタンスが共振し、トランスの二次巻線を介して第2の整流ダイオードを流れる二次側電流が略正弦波状に緩やかに立ち上がる。したがって、各整流ダイオードの特にリカバリー電流が小さくなり、二次側電流の立ち上がり時に各整流ダイオードで発生するノイズを小さくできる。
【0018】
また、第1のインダクタンスと第1のコンデンサとの共振時には、負荷電流を第1のトランスの一次巻線側に換算した共振電流が第1のコンデンサに流れ、それ以外の期間では第1のコンデンサが放電するため、第1の整流ダイオードを流れる二次側電流の大きさは、第1のコンデンサの両端間電圧次第で決まる。このため、負荷や第2のスイッチ素子のオン・オフ周波数に応じて、第1のコンデンサの両端間電圧の振幅が変動し、負荷が重くなるかまたはスイッチ素子のオン・オフ周波数が低くなるに従って、第1のコンデンサを流れる共振電流ひいては第1の整流ダイオードを流れる二次側電流のピーク値が増大する。なおこれは、第2の整流ダイオードを流れる二次側電流にも言えることで、結果的に負荷や各スイッチ素子のオン・オフ周波数に左右されず、出力電圧が一定に保たれる。したがって、各直列共振回路のインピーダンスを誘導性にする必要がなく、特に各スイッチ素子のオン・オフ周波数が各直列共振回路の共振周波数より低い領域でも、定電圧制御を行なうことができる。
【0019】
さらに、いずれも2個のトランスを使用して、センタータップを設けない構成を採用しているので、銅損の悪化を防止し、コンバータ全体の効率向上を図ることができる。また、特に請求項2の構成では、2個のトランスから共通の負荷に電力を供給していることから、トランス1個当たりが負うパワーの低減を図り、トランスの小型化ひいては軽薄短小のニーズに応えることができる。
【0020】
また特に請求項3の構成では、一方のトランスをドライブしている間に、他方のトランスをリセットするように、各トランスを動作させることが可能になる。つまり、第1および第2のトランスには正負両方向の電圧が印加されるため、各トランスを効率よく利用できる。
【0021】
本発明の請求項4の共振コンバータは、前記第1および第2のスイッチ素子が前記制御手段によりデッドタイムを有して交互にオン・オフされ、前記第1および第2のトランスの各励磁インダクタンスの差電流により、前記デッドタイム期間中に、前記第1のスイッチ素子の両端間に接続する第3のコンデンサと、前記第2のスイッチ素子の両端間に接続する第4のコンデンサを充放電させるように構成している。
【0022】
これにより、第2のスイッチ素子がオフしてデッドタイム期間に移行すると、各励磁インダクタンスの差電流により第4のコンデンサが充電され、第2のスイッチ素子の両端間電圧がゼロから直流電源の入力電圧に上昇する一方、第3のコンデンサが放電され、第1のスイッチ素子の両端間電圧が直流電源の入力電圧からゼロに下降する。したがって、第2のスイッチ素子のターンオフ時におけるゼロボルトスイッチングを達成できるとともに、第1のスイッチ素子の両端間電圧がゼロになった後で、この第1のスイッチ素子をオンすれば、ここでもゼロボルトスイッチングが達成できる。なおこれは、第1のスイッチ素子がオフする際も同様のことが言え、この場合は第1のスイッチ素子のターンオフおよび第2のスイッチ素子のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達成される。
【0023】
また本発明の請求項5の共振コンバータは、前記第1のトランスの励磁インダクタンスの励磁電流をIlp1とし、前記第2のトランスの励磁インダクタンスの励磁電流をIlp2とし、前記直流電源の入力電圧をVinとしたときに、次の数式4の関係が成立するように構成したものである。
【0024】
【数4】
Figure 0004352444
【0025】
但し、第1のトランスの励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp1,第2のトランスの励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp2,第1のコンデンサの静電容量をCr1,第2のコンデンサの静電容量をCr2,第1のインダクタンスのインダクタンス値をLr1,第2の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLr2としたときに、次の数式5のように、
【0026】
【数5】
Figure 0004352444
【0027】
とするならば、数式4のZoは次の数式6で表せる。
【0028】
【数6】
Figure 0004352444
【0029】
このようにすると、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2のゼロボルトスイッチングが確実に達成される。
【0030】
【発明の実施形態】
以下、添付図面に基づき、本発明における共振コンバータの一実施例を説明する。
【0031】
本実施例における新規な回路トポロジーは、図1に示すように、2つのスイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オフすることにより、ダイオードD21またはダイオードD22より負荷RLに電力を供給する複合共振コンバータで形成される。ここでは理解を容易にするために、ハーフブリッジ駆動を例として説明すると、1は直流入力電圧Vinを供給する直流電源であり、これは例えば商用交流電源からの交流電圧を整流平滑回路により整流平滑する構成でもよい。この直流電源1の両端間には、ここではいずれもMOS型FETからなるスイッチ素子Q1,Q2の直列回路が接続される。各スイッチ素子Q1,Q2の出力両端間すなわちドレイン・ソース間には、コンデンサCs1,Cs2がそれぞれ並列接続されるとともに、ダイオードD1,D2がそれぞれ逆方向に並列接続される。このコンデンサCs1,Cs2は、スイッチ素子Q1,Q2の寄生容量を利用してもよいし、外付けのコンデンサとしてもよい。また、ダイオードD1,D2ついても、スイッチ素子Q1,Q2のボディ(内蔵)ダイオードを利用してもよいし、スイッチ素子Q1,Q2が例えばバイポーラトラジスタの場合は、外付けのダイオードを利用してもよい。4は各スイッチ素子Q1,Q2の制御端子であるゲートに接続する制御回路であるが、この制御回路4は双方のスイッチ素子Q1,Q2が共にオフになるデッドタイムを有しつつ、これらの各スイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オフするように、各スイッチ素子Q1,Q2のゲートに所定の駆動信号を供給するものである。
【0032】
T1,T2は、いずれも一次側と二次側とを絶縁する2個のトランスである。このトランスT1,T2は同一特性を有し、その一次巻線N11,N12と二次巻線N21,N22はいずれも直列に接続され、一次巻線N11,N12および二次巻線N21,N22のいずれにもセンタータップを有しない、いわゆる単巻トランスで構成される。そして、一方のトランスT1の一次巻線N11と、共振用のコンデンサCr1およびインダクタンスLr1からなる第1の直列共振回路51との直列回路が、一方のスイッチ素子Q1の両端間に接続されると共に、他方のトランスT2の一次巻線N12と、別の共振用のコンデンサCr2およびインダクタンスLr2からなる第2の直列共振回路52との直列回路が、他方のスイッチ素子Q2の両端間に接続される。なお、インダクタンスLr1,Lr2は、トランスT1,T2の一次側の漏れインダクタンスを利用してもよいし。外付けのインダクタンス素子を利用してもよい。また、各トランスT1,T2の一次巻線N11,N12には、励磁インダクタンスLp1,Lp2が等価的に接続される。この励磁インダクタンスLp1,Lp2は、一次巻線N11,N12の抵抗分に対して並列接続される。
【0033】
一方、前記直列共振回路51,52の出力回路を構成するために、各トランスT1,T2のコアに電磁的に結合された二次巻線N21,N22と、整流ダイオードD21,D22および平滑コンデンサCoからなる出力整流平滑回路53が設けられている。具体的には、トランスT1の二次巻線N21の一端(ドット側端子)に整流ダイオードD21のアノードを接続するとともに、別のトランスT2の二次巻線の一端(ドット側端子)に整流ダイオードD22のアノードを接続して、これらの整流ダイオードD21,D22のカソードどうしを接続する。そして、この整流ダイオードD21,D22の接続点と、トランスT1,T2の二次巻線N21,N22の接続点との間に平滑ダイオードCoを接続し、平滑ダイオードの両端間に発生する出力電圧Voを負荷である抵抗RLに供給する構成となっている。なお、図1からも明らかなように、トランスT1,T2の一次側は、一次巻線N11の非ドット端子と一次巻線N12のドット端子が接続されるのに対して、トランスT1,T2の二次側は、二次巻線N21の非ドット側端子と二次巻線N22の非ドット側端子が接続される。
【0034】
次に、上記構成について、その作用を図2〜図6の各回路図と、図7〜図9の各波形図に基づき説明する。なお、図2〜図6は、図7〜図9における▲1▼〜▲5▼の各状態に対応した各素子の動作を示す回路図である。また図7において、(A)はスイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧Vgs1,(B)はスイッチ素子Q2のゲート・ソース間電圧Vgs2,(C)はスイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2,(D)はスイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1,(E)はスイッチ素子Q1を流れるドレイン電流Iq1,(F)はスイッチ素子Q2を流れるドレイン電流Iq2,(G)は整流ダイオードD22を流れるダイオード電流Id22,(H)は整流ダイオードD21を流れるダイオード電流Id21,(I)は励磁インダクタンスLp2を流れるトランスT2の励磁電流Ilp2,(J)は励磁インダクタンスLp1を流れるトランスT1の励磁電流Ilp1,(K)はトランスT1の二次側に誘起される電圧Vn21である。さらに図8および図9は、負荷である抵抗RLの値の違いによる各部の波形を表したもので、図中Ilp1はトランスT1の励磁電流,Ilp2はトランスT2の励磁電流,Icr1はコンデンサCr1を流れる電流,Vcr1はコンデンサCr1の両端間電圧であり、これらの各電流および電圧の正の向きは、図1に示すとおりである。
【0035】
最初に、スイッチ素子Q2をオンする時点t1から、順を追って説明する。図7のt0〜t1のデッドタイム期間における共振用コンデンサCS1,CS2の働きにより、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2が図7(C)に示すようにゼロになったt1の時点で、制御回路4からのオンパルスの駆動信号により、図7(B)に示すようにスイッチ素子Q2に所定のゲート・ソース間電圧Vgs2を印加する。スイッチ素子Q2がオンした直後のt1〜t2の期間は、コンデンサCS2を放電した後にダイオードD2へ転流した電流が、図7(F)に示すように、スイッチ素子Q2を流れる逆向きの電流Iq2として流れるとともに、励磁インダクタンスLp1のエネルギー放出に伴なう逆方向の励磁電流Ilp1によって、トランスT1の一次巻線N11に電流が流れる。そして、このトランスT1の一次巻線N11に加わる電圧が、一次巻線N11と二次巻線N21との巻線比に出力電圧Voの値を掛け合わせた値よりも大きくなると(つまり二次巻線N21に誘起される電圧が出力電圧Voよりも大きくなると)、整流ダイオードD21がオンし、図7(H)に示すように、ダイオード電流Id21が発生する。また、前記励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は、第1の直列共振回路51にも流れるために、この第1の直列共振回路51を構成するコンデンサCr1が放電するとともに、第2の直列共振回路52から励磁インダクタンスLp2にも電流が流れるため、第2の直列共振回路52を構成するコンデンサCr2も放電し、励磁インダクタンスLp2にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は次第に減少する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は次第に上昇する。また、インダクタンスLr1とコンデンサCr1が直列共振することにより、コンデンサCr1を流れる電流ICr1(図8および図9参照)や、スイッチ素子Q2を流れる電流Iq2(図7(F)参照)のみならず、トランスT1の二次巻線N22より整流ダイオードD21を流れる電流(二次側電流)Id21(図7(F)参照)も、半波正弦波状の電流波形となる。したがって、二次側電流Id21の立ち上がり時において、整流ダイオードD21で発生するノイズを小さくできる。
【0036】
次に、t2の時点でスイッチ素子Q2を流れる逆向きの電流Iq2がゼロになると、図2に示す状態▲1▼に移行し、直流電源1→コンデンサCr1→インダクタンスLr1→トランスT1の一次巻線N11→スイッチ素子Q2→直流電源1に至る閉回路が形成され、コンデンサCr1が充電される。このt2〜t3の期間は、インダクタンスLr1とコンデンサCr1とによる直列共振が継続しているので、コンデンサCr1を流れる電流ICr1,スイッチ素子Q2を流れる電流Iq2および整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21は、引き続き半波正弦波状に推移する。また、励磁インダクタンスLp1から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp1が、第1の直列共振回路51からの共振電流とともに、トランスT1の一次巻線N11に流れ込む。さらに、スイッチ素子Q2→第2の直列共振回路52→励磁インダクタンスLp2→スイッチ素子Q2にも別の閉回路が形成され、コンデンサCr2が放電するとともに、励磁インダクタンスLp2にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は引き続き低下する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は引き続き増加する。
【0037】
やがて、コンデンサCr1を流れる電流ICr1が逆転して、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1と等しくなると(図8および図9参照)、トランスT1の一次巻線N11ひいては二次巻線N21を流れる電流もゼロとなり、整流ダイオードD21はオフする。そして、インダクタンスLr1とコンデンサCr1とによる直列共振が停止し、図3に示す状態▲2▼(t3〜t4の期間)に移行する。
【0038】
この状態▲2▼では、各トランスT1,T2の二次側の整流ダイオードD21,D22がいずれもオフになっており、各一次巻線N11,N12への電流もゼロになっていることから、スイッチ素子Q2には、各励磁インダクタンスLp1,Lp2の励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isが流れる。つまりこの場合、励磁電流Ilp1の絶対値よりも励磁電流Ilp2の絶対値が大きいため、図3に示すように、トランスT1,T2の一次巻線N11,N12の接続点からスイッチ素子Q2に向けて差電流Isが発生する。そして、引き続き励磁インダクタンスLp1から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp1によってコンデンサCr1は放電し、コンデンサCr2の放電によって励磁インダクタンスLp2にエネルギーが蓄えられる。
【0039】
その後、スイッチ素子Q2がターンオフすると、図4に示す状態▲3▼(t4〜t5の期間)に移行する。この状態▲3▼は、双方のスイッチ素子Q1,Q2がオフするデッドタイム期間となっており、先程の励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isによって、コンデンサCS2を充電する一方で、コンデンサCS1を放電する。したがって、図7(C),(D)に示すように、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、コンデンサCS2を充電するに伴なってゼロから入力電圧Vinに徐々に上昇する一方で、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1は、コンデンサCS1を放電するに伴なって入力電圧Vinからゼロに徐々に下降する。スイッチ素子Q2をターンオフしたt4の時点では、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2がゼロになっているので、ここでのゼロボルトスイッチングが達成される。なお、この状態▲3▼では、最初に励磁インダクタンスLp1から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp1によってコンデンサCr1が放電し、コンデンサCr2の放電によって励磁インダクタンスLp2にエネルギーが蓄えられるが、やがてコンデンサCS2,CS1の充放電に伴ない、励磁インダクタンスLp1がエネルギーを蓄え、励磁インダクタンスLp2がエネルギーを放出するようになる。したがって、ここからは励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が増加に転じ、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が減少に転じる。
【0040】
コンデンサCS1の放電が完了し、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼロになると、ダイオードD1がオンし、このダイオードD1を差電流Isが流れるようになる。この時点(t5)で、スイッチ素子Q1をオンすれば、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1がすでにゼロボルトとなっているので、スイッチ素子Q1のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達成され、図5に示す状態▲4▼(t5〜t6の期間)に移行する。
【0041】
状態▲4▼は、前述のt1〜t2の時点でスイッチ素子Q2がオンした状態と同じように動作する。すなわち、コンデンサCS1を放電した後にダイオードD1へ転流した電流が、図7(E)に示すように、スイッチ素子Q1を流れる逆向きの電流Iq1として流れるとともに、励磁インダクタンスLp2のエネルギー放出に伴なう逆方向の励磁電流Ilp2によって、トランスT2の一次巻線N12に電流が流れる。そして、このトランスT2の一次巻線N12に加わる電圧が、一次巻線N12と二次巻線N22との巻線比に出力電圧Voの値を掛け合わせた値よりも大きくなると、整流ダイオードD22がオンし、図7(G)に示すように、ダイオード電流Id22が発生する。また、前記励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は、スイッチ素子Q1から直流電源1を経由して第2の直列共振回路52にも流れるために、コンデンサCr2が放電するとともに、励磁インダクタンスLp1から第1の直列共振回路51にも電流が流れてコンデンサCr1が放電し、励磁インダクタンスLp1にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は次第に増加する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は次第に減少する。また、インダクタンスLr2とコンデンサCr2が直列共振することにより、コンデンサCr2を流れる電流ICr2や、スイッチ素子Q2を流れる電流Iq1のみならず、トランスT1の二次巻線N22より整流ダイオードD22を流れる電流(二次側電流)Id22も、半波正弦波状の電流波形となる。したがって、この二次側電流Id22の立ち上がり時においても、整流ダイオードD22で発生するノイズを小さくできる。
【0042】
次に、t6の時点でスイッチ素子Q1を流れる逆向きの電流Iq1がゼロになると、図6に示す状態▲5▼(t6〜t0)に移行する。この状態▲5▼は前記状態▲1▼に対応するものであり、直流電源1→スイッチ素子Q1→トランスT2の一次巻線N12→インダクタンスLr2→コンデンサCr2→直流電源1に至る閉回路が形成され、コンデンサCr2が充電される。このt6〜t0の期間は、インダクタンスLr2とコンデンサCr2とによる直列共振が継続し、コンデンサCr2を流れる電流ICr2,スイッチ素子Q1を流れる電流Iq1および整流ダイオードD22を流れる二次側電流Id22は、引き続き半波正弦波状に推移する。また、励磁インダクタンスLp2から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp2が、第1の直列共振回路51から直流電源1およびスイッチ素子Q1を経由して流れる共振電流とともに、トランスT2の一次巻線N12に流れ込む。さらに、スイッチ素子Q1→励磁インダクタンスLp1→第1の直列共振回路51→スイッチ素子Q1にも別の閉回路が形成され、コンデンサCr1が放電するとともに、励磁インダクタンスLp1にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は引き続き増加する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は引き続き減少する。
【0043】
やがて、コンデンサCr2を流れる電流ICr2が逆転して、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2と等しくなると、トランスT2の一次巻線N12ひいては二次巻線N22を流れる電流もゼロとなり、整流ダイオードD22はオフする。そして、インダクタンスLr1とコンデンサCr1とによる直列共振は停止する。こうなると、各励磁インダクタンスLp1,Lp2の励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isが流れるようになるが、この場合は前述のスイッチ素子Q2の場合と逆方向に差電流Isが流れる。その理由は、励磁電流Ilp2の絶対値よりも励磁電流Ilp1の絶対値が大きいからである。そして、引き続き励磁インダクタンスLp2から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp2によってコンデンサCr2は放電するとともに、励磁インダクタンスLp1からコンデンサCr1に流れ込む電流によってコンデンサCr1は放電し、励磁インダクタンスLp1にはエネルギーが蓄えられる。
【0044】
その後、t0の時点でスイッチ素子Q1がターンオフすると、双方のスイッチ素子Q1,Q2がオフするデッドタイム期間となり、励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isによって、コンデンサCS1を充電する一方で、コンデンサCS2を放電する。したがって、図7(C),(D)に示すように、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds1は、ゼロから入力電圧Vinに徐々に上昇し、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、入力電圧Vinからゼロに徐々に下降する。スイッチ素子Q2をターンオフしたt0の時点では、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼロになっているので、ここでのゼロボルトスイッチングが達成される。なお、このt1〜t2の期間は、コンデンサCS1,CS2の充放電に伴ない、励磁インダクタンスLp2がエネルギーを蓄え、励磁インダクタンスLp1がエネルギーを放出するようになり、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が減少に転じ、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が増加に転じる。
【0045】
そして、コンデンサCS2の放電が完了し、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼロになると、ダイオードD2がオンし、このダイオードD2を差電流Isが流れるようになる。この時点(t1)でスイッチ素子Q1をオンすれば、スイッチ素子Q1のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達成され、1サイクルの動作が完了する。
【0046】
ここで、上述の例えばスイッチ素子Q2のオン・オフに伴なう動作について着目すると、インダクタンスLr1とコンデンサCr1が直列共振している大部分の期間は、その共振電流(ICr1)によってコンデンサCr1を充電するが、それ以外の期間は、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1によってコンデンサCr1が放電するので、この励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1とコンデンサCr1の放電電流(ICr1)との値が等しくなる。このとき、コンデンサCr1の充電時に蓄えられる電荷(図8および図9において、ICr1がプラスの期間における電流と時間との面積分)と、放電時に放出する電荷(ICr1がマイナスの期間における電流と時間との面積分)は等しくなければならず、その結果、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1は負方向にオフセットして、通常とは逆の方向に流れるようになる。これは、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1にもいえることである。
【0047】
また、インダクタンスLr1とコンデンサCr1が直列共振している状態では、このインダクタンスLr1とコンデンサCr1に発生する電圧の和をゼロと見なすことができるので、一周期の平均では直流分の電圧がコンデンサCr1の両端間に加わることになる。したがって、コンデンサCr1の両端間電圧は、スイッチ素子Q2のデューティーDが0.5であるとすると、直流電源1の入力電圧Vinの半値(Vin/2)を中心として変動するようになる。また出力電圧Voは、直列共振時において第1の直列共振回路のインピーダンスがゼロであると考えると、二次巻線N21の巻数n21に対する一次巻線N12の巻数n11の比をn(=n11/n21)としたときに、次の数式7にてあらわせる。
【0048】
【数7】
Figure 0004352444
【0049】
ここで、プッシュプル動作を行なうにはデューティーDを0.5としなければならず、出力電圧Voは次の数式8にてあらわせる。
【0050】
【数8】
Figure 0004352444
【0051】
つまり、図1の回路トポロジーを採用することにより、出力電圧Voはスイッチ素子Q2のオン・オフ周波数や負荷(抵抗RL)の状態に依存しないことが見出された。
【0052】
インダクタンスLr1とコンデンサCr1が直列共振する期間t1〜t3は、このインダクタンスLr1とコンデンサCr1とによる直列共振によって、トランスT1の二次側の整流ダイオードD21がオンし、略正弦波状の二次側電流Id21が流れることから、二次側電流Id21の大きさはコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1次第である。図8は負荷である抵抗RLが0.35Ωである場合の波形図を示し、図9は抵抗RLが0.15Ωである場合の波形図を示しているが、この2つの図からも明らかなように、コンデンサCr1を充電する共振電流Icr1は、負荷電流をトランスT1の一次側に換算したものが流れるが、それ以外の期間ではコンデンサCr1が放電するため、負荷の抵抗値が小さくなる程、コンデンサCr1の共振電流Icr1のピーク値が大きくなって、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1の負方向へのオフセット量が増加する。また、共振電流Icr1のピーク値が大きくなるのに伴なって、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の振幅も増大する。そして、図9に示すように、両端間電圧Vcr1の下限ピーク値がゼロに達すると、もはや電圧Vcr1を可変することはできなくなり、充電時の共振電流Icr1ひいては二次側電流Id21をこれ以上流すことができなくなる。したがって、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の下限ピークがゼロにならない範囲では、二次側電流Id21が半波正弦波で完全にゼロになるまで、スイッチ素子Q2のオン時間を確保すれば、負荷に応じてコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の振幅を変動させ、コンデンサCr1を流れる共振電流Icr1ひいては二次側電流Id21のピーク値を増加または減少させて、出力電圧Voを一定に保つことができる。
【0053】
また、スイッチ素子Q2のオン・オフ周波数を低下させた場合は、コンデンサCr1の充放電に要する時間が増加して、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の下限値が低下するので、コンデンサCr1の共振電流Icr1のピーク値が大きくなって、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1の負方向へのオフセット量が増加する。つまり、図10に示すように、スイッチ素子Q2のオン・オフ周波数が低くなるほど、ダイオードD21を流れる二次側電流Id21のピーク値が上昇するので、二次側電流Id21(およびId22)の平均値としての負荷電流は、周波数に拘わらず略一定となる。このため、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の下限ピークがゼロにならない範囲内において、二次側電流Id21が半波正弦波で完全にゼロになるまで、スイッチ素子Q2のオン時間を確保すれば、スイッチ素子Q2のオン・オフ周波数を任意に変えても、出力電圧Voは略一定となる。なおこれは、スイッチ素子Q2のみならず、同様の動作を行なうスイッチ素子Q1についても言えることである。このように、負荷および周波数に拘らず出力電圧Voを略一定にできることから、理論上は出力電圧Voを一定に制御するフィードバック回路が不要になる。
【0054】
そして、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数に関わらず出力電圧Voが一定になるということは、共振回路(直列共振回路51,52)の共振周波数よりもスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数が低い領域でも定電圧制御が可能になることを意味する。すなわち、従来は図13に示すように、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fが共振周波数foよりも低い領域では定電圧制御ができなかったが、本実施例の回路トポロジーでは、直列共振回路51,52のインピーダンスを誘導性にする必要がなく、この領域での定電圧制御が可能となる。
【0055】
上記図1の回路トポロジーでは、各コンデンサCr1,Cr2を充放電する際の電流が、トランスT1,T2の励磁インダクタンスLp1,Lp2の励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isと等しくなる。この場合、ゼロボルトスイッチングが行われる条件は、次の数式9にてあらわせる。
【0056】
【数9】
Figure 0004352444
【0057】
但し、第1の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp1,第2の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp2,第1のコンデンサの静電容量をCr1,第2のコンデンサの静電容量をCr2,第1のインダクタンスのインダクタンス値をLr1,第2の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLr2としたときに、次の数式10のように、
【0058】
【数10】
Figure 0004352444
【0059】
とするならば、数式9のZoは次の数式11で表せる。
【0060】
【数11】
Figure 0004352444
【0061】
特に、励磁インダクタンスLp1,Lp2が漏れインダクタンスLr1,Lr2よりも十分大きい場合は、遷移時間をtaとすると、次の数式12で与えられる。
【0062】
【数12】
Figure 0004352444
【0063】
さらに、本実施例における回路トポロジーは、同一特性の単巻線による2個のトランスT1,T2を直列接続して用いているので、センタタップがない分だけ各トランスT1,T2の作成が容易になるとともに、センタタップを設けた場合に起こる銅損の悪化が防止でき、コンバータ全体の効率向上を図ることができる。また、一方のトランスT1のドライブ中に、他方のトランスT2をリセットするように、各トランスT1,T2を動作させることができる。つまり、トランスT1,T2には正負両方向の電圧が印加されるため、各トランスT1,T2を効率よく利用できる。
【0064】
以上のように本実施例では、直流電源1の両端間に接続する第1のスイッチ素子Q1および第2のスイッチ素子Q2の直列回路と、第1のコンデンサCr1と第1のインダクタンスLr1とからなる第1の直列共振回路51と、第2のコンデンサCr2と第2のインダクタンスLr2とからなる第2の直列共振回路52と、一次巻線N11,N12および二次巻線N21,N22どうしを直列接続した一対の第1のトランスT1および第2のトランスT2と、この第1および第2のトランスT1,T2の各二次巻線N21,N22の一端にそれぞれ接続する第1の整流ダイオードD21および第2の整流ダイオードD22と、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オフさせる制御手段としての制御回路4とを備え、第1の直列共振回路51とトランスT1の一次巻線N11との直列回路を第1のスイッチ素子Q1の両端間に接続し、第2の直列共振回路52とトランスT2の一次巻線N12との直列回路を第2のスイッチ素子Q2の両端間に接続して構成される。
【0065】
この場合、第2のスイッチ素子Q2がオンすると、第1のトランスT1の励磁インダクタンスLp1からの励磁電流Ilp1により、第1の直列共振回路51を構成する第1のコンデンサCr1と第1のインダクタンスLr1が共振し、トランスT1の二次巻線N21を介して第1の整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21が略正弦波状に緩やかに立ち上がる。同様に第1のスイッチ素子Q1がオンすると、第2のトランスT2の励磁インダクタンスLp2からの励磁電流Ilp2により、第2の直列共振回路52を構成する第2のコンデンサCr2と第2のインダクタンスLr2が共振し、トランスT2の二次巻線N22を介して第2の整流ダイオードD22を流れる二次側電流Id22が略正弦波状に緩やかに立ち上がる。したがって、各整流ダイオードD21,D22の特にリカバリー電流が小さくなり、二次側電流Id21,Id22の立ち上がり時に各整流ダイオードD21,D22で発生するノイズを小さくできる。
【0066】
また、第1のインダクタンスLr1と第1のコンデンサCr1との共振時には、負荷電流を第1のトランスT1の一次巻線N11側に換算した共振電流Icr1が第1のコンデンサCr1に流れ、それ以外の期間では第1のコンデンサCr1が放電するため、また、第1の整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21の大きさは、第1のコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1次第で決まる。このため、負荷や第2のスイッチ素子Q2のオン・オフ周波数に応じて、第1のコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の振幅が変動し、負荷が重くなるかまたはスイッチ素子Q2のオン・オフ周波数が低くなるに従って、第1のコンデンサCr1を流れる共振電流Icr1ひいては第1の整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21のピーク値が増大する。なおこれは、第2の整流ダイオードD22を流れる二次側電流Id22にも言えることで、結果的に負荷や各スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数に左右されず、出力電圧Voが一定に保たれる。したがって、各直列共振回路51,52のインピーダンスを誘導性にするようなスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数にする必要がなく、特に各スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数が各直列共振回路51,52の共振周波数より低い領域でも、定電圧制御を行なうことができる。
【0067】
さらに、本実施例では2個のトランスT1,T2を使用して、センタータップを設けない構成を採用しているので、銅損の悪化を防止し、コンバータ全体の効率向上を図ることができる。
【0068】
そして、上記の作用効果は、第1のコンデンサCr1と第1のインダクタンスLr1とからなる第1の直列共振回路51,第1のトランスT1の一次巻線N11,および第2のスイッチ素子Q2からなる第1の直列回路を直流電源1の両端間に接続し、トランスT1の二次巻線N21の一端に第1の整流ダイオードD21の一端を接続した第1の共振部と、第2のコンデンサCr2と第2のインダクタンスLr2とからなる第2の直列共振回路52,第2のトランスT2の一次巻線N12,および第1のスイッチ素子Q1からなる第2の直列回路を直流電源1の両端間に接続し、トランスT2の二次巻線N22の一端に第2の整流ダイオードD22の一端を接続した第2の共振部とを備え、整流ダイオードD21,D22の他端どうしを接続した第1の接続点と、トランスT1,T2の各二次巻線N21,N22の他端どうしを接続した第2の接続点との間に負荷RLを接続し、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2を位相差を有してオン,オフさせる制御手段としての制御回路4を備えていても達成される。そしてこの場合は特に、2個のトランスT1,T2から共通の負荷RLに電力を供給していることから、トランス1個当たりが負うパワーの低減を図り、トランスT1,T2の小型化ひいては軽薄短小のニーズに応えることができる。
【0069】
また、上述の第1および第2の共振部に加え、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オフさせる制御手段としての制御回路4を備え、一方のトランスT1のドライブ中に他方のトランスT2をリセットするように、トランスT1,T2の一次巻線N11,N12および二次巻線N21,N22どうしを直列接続した回路トポロジーを採用してもよい。この場合は特に、一方のトランスT1をドライブしている間に、他方のトランスT2をリセットするように、各トランスT1,T2を動作させることが可能になり、第1および第2のトランスT1,T2には正負両方向の電圧が印加されるため、各トランスT1,T2を効率よく利用できる。
【0070】
また、制御回路4により各スイッチ素子Q1,Q2をデッドタイムを有して交互にオン・オフさせ、トランスT1,T2の各励磁インダクタンスLp1,Lp2の差電流Isにより、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2の両端間にそれぞれ接続する第3および第4のコンデンサすなわちコンデンサCS1,CS2を、デッドタイム期間中に充放電させるように構成している。
【0071】
このようにすると、第2のスイッチ素子Q2がオフしてデッドタイム期間に移行すると、各励磁インダクタンスLp1,Lp2の差電流Isにより第4のコンデンサCs2が充電され、第2のスイッチ素子Q2の両端間電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds2)がゼロから直流電源1の入力電圧Vinに上昇する一方、第3のコンデンサCs1が放電され、第1のスイッチ素子Q1の両端間電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds1)が直流電源1の入力電圧Vinからゼロに下降する。したがって、第2のスイッチ素子Q2のターンオフ時におけるゼロボルトスイッチングを達成できるとともに、第1のスイッチ素子Q1の両端間電圧がゼロになった後で、この第1のスイッチ素子Q1をオンすれば、ここでもゼロボルトスイッチングが達成できる。なおこれは、第1のスイッチ素子Q1がオフする際も同様のことが言え、この場合は第1のスイッチ素子Q1のターンオフおよび第2のスイッチ素子Q2のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達成される。
【0072】
また、上記数式9の関係が成立するように、本実施例の共振コンバータを構成すれば、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2のゼロボルトスイッチングが確実に達成される。
【0073】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。
【0074】
【発明の効果】
本発明の請求項1の共振コンバータによれば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生するノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうことができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向上を図ることができる。
【0075】
本発明の請求項2の共振コンバータによれば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生するノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうことができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向上を図ることができるとともに、トランスの小型化を図ることができる。
【0076】
本発明の請求項3の共振コンバータによれば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生するノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうことができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向上を図ることができるとともに、各トランスを効率よく利用できる。
【0077】
本発明の請求項4の共振コンバータによれば、第1および第2のスイッチ素子のゼロボルトスイッチングを達成できる。
【0078】
本発明の請求項5の共振コンバータによれば、第1および第2のスイッチ素子のゼロボルトスイッチングを確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す共振コンバータの回路図である。
【図2】同上図7〜図9に示す状態▲1▼の回路動作をあらわした回路図である。
【図3】同上図7〜図9に示す状態▲2▼の回路動作をあらわした回路図である。
【図4】同上図7〜図9に示す状態▲3▼の回路動作をあらわした回路図である。
【図5】同上図7〜図9に示す状態▲4▼の回路動作をあらわした回路図である。
【図6】同上図7〜図9に示す状態▲5▼の回路動作をあらわした回路図である。
【図7】同上各部の波形図である。
【図8】同上コンデンサCr1の下限ピークがゼロに達していない状態の各部の波形図である。
【図9】同上コンデンサCr1の下限ピークがゼロに達した状態の各部の波形図である。
【図10】同上スイッチ素子のオン・オフ周波数が高い場合と低い場合における二次側電流の波形図である。
【図11】従来例を示す共振コンバータの回路図である。
【図12】従来例を示す各部の波形図である。
【図13】スイッチ素子のオン・オフ周波数と出力電力との関係をあらわした特性曲線図である。
【符号の説明】
1 直流電源
4 制御回路(制御手段)
51 第1の直列共振回路
52 第2の直列共振回路
CS1 第3のコンデンサ
CS2 第4のコンデンサ
Cr1 第1のコンデンサ
Cr2 第2のコンデンサ
D21 第1の整流ダイオード
D22 第2の整流ダイオード
Lr1 第1のインダクタンス
Lr2 第2のインダクタンス
Lp1,Lp2 励磁インダクタンス
N11,N12 一次巻線
N21,N22 二次巻線
T1 第1のトランス
T2 第2のトランス
Q1 第1のスイッチ素子
Q2 第2のスイッチ素子
RL 負荷

Claims (5)

  1. 直流電源の両端間に接続する第1および第2のスイッチ素子の直列回路と、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路と、一次巻線および二次巻線どうしを直列接続した一対の第1および第2のトランスと、前記第1および第2のトランスの各二次巻線の一端にそれぞれ接続する第1および第2の整流ダイオードと、前記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、前記第1の直列共振回路と前記第1のトランスの一次巻線との直列回路を前記第1のスイッチ素子の両端間に接続し、前記第2の直列共振回路と前記第2のトランスの一次巻線との直列回路を前記第2のスイッチ素子の両端間に接続したことを特徴とする共振コンバータ。
  2. 第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の共振部と、
    第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の共振部とを備え、
    前記第1および第2の整流ダイオードの他端どうしを接続した第1の接続点と、前記第1および第2のトランスの各二次巻線の他端どうしを接続した第2の接続点との間に負荷を接続し、
    前記第1および第2のスイッチ素子を位相差を有してオン,オフさせる制御手段を備えたことを特徴とする共振コンバータ。
  3. 第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の共振部と、
    第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の共振部と、
    前記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、
    前記一方のトランスのドライブ中に前記他方のトランスをリセットするように、前記第1および第2のトランスの一次巻線および二次巻線どうしを直列接続したことを特徴とする共振コンバータ。
  4. 前記第1および第2のスイッチ素子は前記制御手段によりデッドタイムを有して交互にオン・オフされ、前記第1および第2のトランスの各励磁インダクタンスの差電流により、前記デッドタイム期間中に、前記第1のスイッチ素子の両端間に接続する第3のコンデンサと、前記第2のスイッチ素子の両端間に接続する第4のコンデンサを充放電させるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の共振コンバータ。
  5. 前記第1のトランスの励磁インダクタンスの励磁電流をIlp1とし、前記第2のトランスの励磁インダクタンスの励磁電流をIlp2とし、前記直流電源の入力電圧をVinとしたときに、次の数式1の関係が成立するように構成したことを特徴とする請求項4記載の共振コンバータ。
    Figure 0004352444
    但し、第1のトランスの励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp1,第2のトランスの励磁インダクタンスのインダクタンス値をLp2,第1のコンデンサの静電容量をCr1,第2のコンデンサの静電容量をCr2,第1のインダクタンスのインダクタンス値をLr1,第2の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLr2としたときに、
    Figure 0004352444
    とするならば、Zoは次の数式3で表せる。
    Figure 0004352444
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