JP2002095252A - 共振コンバータ - Google Patents

共振コンバータ

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JP2002095252A
JP2002095252A JP2000283342A JP2000283342A JP2002095252A JP 2002095252 A JP2002095252 A JP 2002095252A JP 2000283342 A JP2000283342 A JP 2000283342A JP 2000283342 A JP2000283342 A JP 2000283342A JP 2002095252 A JP2002095252 A JP 2002095252A
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P80/00Climate change mitigation technologies for sector-wide applications
    • Y02P80/10Efficient use of energy, e.g. using compressed air or pressurized fluid as energy carrier

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数に左
右されず定電圧制御を行なう。 【解決手段】 二次側電流Id21の大きさは、コンデン
サCr1の両端間電圧Vcr1次第である。このため、負荷
や第2のスイッチ素子Q2のオン・オフ周波数に応じ
て、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の振幅が変動
し、負荷が軽くなるかまたはスイッチ素子Q2のオン・
オフ周波数が低くなるに従って、共振電流Icr1ひいて
は二次側電流Id21のピーク値が増大する。なおこれ
は、第2の整流ダイオードD22を流れる二次側電流Id2
2にも言える。結果的に、負荷や各スイッチ素子Q1,
Q2のオン・オフ周波数に左右されず、出力電圧Voが
一定に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング損失
の低減を図った共振コンバータに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般にこの種の共振コ
ンバータにおいて、スイッチング素子のスイッチング損
失を低減させるための回路トポロジー(幾何学的構成)
が、例えば特開平8−66025号公報や特開平9−3
08243号公報などに開示されている。図11は、こ
うした複合共振コンバータの一例を示すもので、ここで
は直流電源1の一端と他端との間に接続したいずれもM
OS型FETからなるスイッチ素子Q1,Q2の直列回
路と、トランスTと、トランスTの一次巻線N1の一端
とスイッチ素子Q2のソースとの間に接続した共振用の
インダクタンスLrおよびコンデンサCrの直列回路
と、トランスTの各二次巻線N2a,N2bにそれぞれアノ
ードを接続するとともに、カソードどうしを接続したダ
イオードD3,D4と、ダイオードD3およびダイオー
ドD4の接続点とトランスTのセンタータップ間に接続
した平滑コンデンサCoとを備えている。また、スイッ
チ素子Q1,Q2のドレイン・ソース間には、コンデン
サCs1,Cs2が並列接続されるとともに、ダイオードD
1,D2が逆方向に並列接続される。なお、トランスT
は周知のように励磁インダクタンスLpと漏れインダク
タンスを有しており、この漏れインダクタンスを前記イ
ンダクタンスLrとして利用してもよい。また、ダイオ
ードD1,D2は、ここではスイッチ素子Q1,Q2の
ボディ(内蔵)ダイオードを利用している。
【0003】前記平滑コンデンサCoの両端には出力端
子2,2が接続されており、トランスTの二次巻線N2
a,N2bに誘起された電圧が、ダイオードD3,D4お
よび平滑コンデンサCoにより整流平滑され、出力端子
2,2に接続した負荷3に所定の直流出力電圧Voが供
給されるようになっている。また、4は出力電圧Voを
安定化させるための制御回路で、この制御回路4から各
スイッチ素子Q1,Q2のゲートには、僅かなデッドタ
イムすなわち双方がオフになる期間を有して交互にオン
パルスの駆動信号が供給される。なお、この駆動信号の
オンパルス幅は、コンデンサCrおよびインダクタンス
Lrの共振回路で決定される共振波形の半波長よりも長
く設定される。
【0004】次に、上記構成における回路動作を図12
の波形図を参照しながら説明する。なお図12におい
て、(a)はスイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧
Vgs1,(b)はスイッチ素子Q2のゲート・ソース間
電圧Vgs2,(c)はスイッチ素子Q1のドレイン・ソ
ース間電圧Vds1,(d)はスイッチ素子Q2のドレイ
ン・ソース間電圧Vds2,(e)はスイッチ素子Q1を
流れるドレイン電流Iq1,(f)はスイッチ素子Q2を
流れるドレイン電流Iq2,(g)はコンデンサCs1とコ
ンデンサCs2の合成電流Ics1+Ics2,(h)はスイッ
チ素子Q1,Q2の接続点からトランスTの一次側への
電流Irである。
【0005】前述のように、スイッチ素子Q1,Q2の
ゲートにはデッドタイムを有して交互にオンパルスの駆
動信号が与えられるため、図12の(a)および(c)
に示すように、スイッチ素子Q1,Q2は交互にオン・
オフを繰り返す。ここで、図12のt0〜t1のデッド
タイム期間における共振用コンデンサCS1,CS2の働き
により、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧V
ds1が図12(c)に示すようにゼロになったt1の時
点で、制御回路4からのオンパルスの駆動信号により、
図12(a)に示すようにスイッチ素子Q1にゲート・
ソース間電圧Vgs1が印加されると、直流電源1とスイ
ッチ素子Q1と一次巻線N1とインダクタンスLrとコ
ンデンサCrとによる閉回路が形成され、スイッチ素子
Q1および一次巻線N1には、図12(e)、(h)に
示す電流Iq1,Irが流れる。なお、スイッチ素子Q1
をオンした直後のt1〜t2の期間には、インダクタン
スLrとコンデンサCrとの共振回路から一次巻線N1
に向けて流れる負の共振電流Irが、ダイオードD1を
通って直流電源1側に戻される。t1〜t3の区間は、
比較的インダクタンス値の小さいインダクタンスLrと
コンデンサCrとの直列共振に基づく高い周波数の電流
波形が、スイッチ素子Q1を流れる電流Iq1およびトラ
ンスN1を流れる電流Irとして現れる。その後のt3
〜t4の区間は、トランスTの比較的大きい励磁インダ
クタンスLpとコンデンサCrとの共振に基づく低い周
波数の電流波形が、電流Iq1および電流Irとして現れ
る。
【0006】t4の時点で、スイッチ素子Q1のゲート
・ソース間電圧Vgs1がゼロになると、スイッチ素子Q
1を流れる電流Iq1は遮断され、それまで励磁インダク
タンスLpおよびインダクタンスLrに流れていた慣性
電流Irによって、今度はコンデンサCS2に蓄えられた
電荷が移動し、コンデンサCS2と一次巻線N1とインダ
クタンスLrとコンデンサCrとによる閉回路が形成さ
れる。これにより、コンデンサCS2の端子間電圧すなわ
ちスイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2
は、t4〜t5の区間で徐々に低下し、t5の時点でゼ
ロになる。一方、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース
間電圧Vds1は、直流電源1の入力電圧からスイッチ素
子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2を差し引いたも
のとなるため、図12(c)に示すようにt4〜t5の
区間でゼロから徐々に高くなり、スイッチ素子Q1のタ
ーンオフ時におけるゼロボルトスイッチングが達成され
る。また、スイッチ素子Q2のゲート・ソース間電圧V
gs2は、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vd
s2がゼロになったt5の時点で印加されるため、このス
イッチ素子Q2のターンオン時におけるゼロボルトスイ
ッチングも達成される。
【0007】t5の時点でコンデンサCS2の端子間電圧
がゼロになると、ダイオードD2が導通し、共振回路の
慣性電流はコンデンサCS2からダイオードD2に転流す
る。これにより、t5〜t6の期間にはスイッチ素子Q
2に図12(f)に示す電流Iq2が流れる。つまり、こ
のt5〜t6の期間においては、一次巻線N1とインダ
クタンスLrとコンデンサCrとダイオードD2とから
なる閉回路により電流(Ir,Iq2)が流れる。また、
スイッチ素子Q2のオン期間であるt5〜t7の区間に
は、コンデンサCrとインダクタンス素子Lrと一次巻
線N1とスイッチ素子Q2とによる閉回路が形成され、
スイッチ素子Q2および一次巻線N1には、図12
(e)、(h)に示す共振電流Iq2,Irが流れる。こ
のときの電流Iq2,Irは、t2〜t4の区間における
電流Iq1,Irと逆向きに流れる。
【0008】t7の時点でスイッチ素子Q2のゲート・
ソース間電圧Vgs2がゼロになると、スイッチ素子Q2
を流れる電流Iq2は遮断され、それまで励磁インダクタ
ンスLpおよびインダクタンスLrに流れていた慣性電
流Irが、コンデンサCS1およびコンデンサCS2に転流
し、図12(g)に示す電流Ics1+Ics2がt7〜t8
の期間に流れる。この結果、コンデンサCS1の端子間電
圧すなわちスイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧
Vds1は、t7〜t8の期間で徐々に低下し、t8の時
点でゼロになる。一方、スイッチ素子Q2のドレイン・
ソース間電圧Vds2は、コンデンサCs2が充電されるの
に伴ないゼロから徐々に高くなり、スイッチ素子Q2の
ターンオフ時におけるゼロボルトスイッチングが達成さ
れる。また、スイッチ素子Q1のゲート・ソース間電圧
Vgs1は、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧
Vds1がゼロになったt8の時点で印加されるため、こ
のスイッチ素子Q1のターンオン時におけるゼロボルト
スイッチングも達成される。
【0009】一方、図12には図示していないが、トラ
ンスTの二次巻線N2a,N2bには、一次巻線N1との巻
線比に応じた電圧がそれぞれ発生する。すなわち、一次
巻線N1のドット端子に電流が流れ込んでいる期間(図
12のt1〜t3の期間)では、ダイオードD3が導通
状態となる一方で、ダイオードD4が非導通状態とな
り、二次巻線N2aからダイオードD3を介して略正弦波
状の二次側電流が発生する。逆に、一次巻線N1のドッ
ト端子から電流が流れ出ている期間(図12のt5〜t
6’の期間)は、ダイオードD3が非導通状態となる一
方で、ダイオードD4が導通状態となり、二次巻線N2b
からダイオードD4を介して略正弦波状の二次側電流が
発生する。このようにトランスTの二次側電流が略正弦
波状に緩やかに立ち上がるので、各ダイオードD3,D
4の特にリカバリー電流が小さくなり、二次側電流の立
ち上がり時にダイオードD3,D4で発生するノイズを
小さくすることができる。
【0010】ところで上記の回路構成においては、ドラ
イブすなわちスイッチ素子Q1,Q2の出力端から見た
共振回路のインピーダンスは誘導性でなければならず、
各スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数は共振回
路の共振周波数よりも高くする必要がある。これをスイ
ッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fと負荷3に供
給する出力電力Pとの関係をあらわした図13で具体的
に説明すると、foはインダクタンスLrとコンデンサ
Crとにより決まる固有の直列共振周波数で、図13か
ら明らかなように、共振周波数foとスイッチ素子Q
1,Q2のオン・オフ周波数fが一致したとき(f=f
o)に、トランスTの二次側より最大電力Pmaxを取出
すことが可能になり、この共振周波数foの両側におい
て、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fに応
じて出力電力Pの供給量が変化する。しかし、前述のよ
うに共振回路のインピーダンスが誘導性、すなわちスイ
ッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fが共振周波数
foよりも高くないと、ゼロボルトスイッチングができ
なくなるので、実際には共振周波数foよりも高い周波
数領域のfaからfbまでが、スイッチ素子Q1,Q2
のオン・オフ周波数fの正常制御範囲とされ、出力電圧
Voを一定にする時に、faからfbの範囲でスイッチ
素子Q1,Q2のオン・オフ周波数fを可変している。
この場合、スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数
fを高くするほど(fbに近付けるほど)、一次巻線N
1の電圧の振幅が小さくなって、トランスTの二次側電
流ひいては出力電圧Voが小さくなり、逆に周波数を低
くするほど(faに近付けるほど)、一次巻線N1の電
圧の振幅が大きくなって、トランスTの二次側電流ひい
て出力電圧Voが大きくなる。
【0011】上記回路構成においては、トランスTの二
次側電流が略正弦波状となるため、ダイオードD3,D
4から発生するノイズを小さくできるという利点がある
反面、スイッチ素子Q1,Q2に対しゼロボルトスイッ
チングを行なうには、共振回路のインピーダンスはゼロ
ボルトスイッチングを満足するために誘導性でなければ
ならない制約があり、共振回路の共振周波数foよりも
高い周波数領域でスイッチ素子Q1,Q2をオン・オフ
動作させなければならない。また、負荷3やスイッチ素
子Q1,Q2のオン・オフ周波数fに依存して出力電圧
Voが変動するので、こうした負荷3やオン・オフ周波
数fに依存しない定電圧特性を有するスイッチング電源
装置を得ることができない。
【0012】さらに、トランスTの二次巻線N2a,N2b
にはセンタータップがあり、製造的に巻線作業の途中で
タップを設けるのは作りづらい上に、こうした構造のト
ランスTでは、コアが共通に用いられるために、一方の
アクティブな状態にある二次巻線N2aに電流が流れてい
ると、他方の本来動作する必要のないパッシブ層の二次
巻線N2aに渦電流が生じ、これが銅損となってコンバー
タ全体の効率低下を招く。また、一つのトランスTで全
パワーを負うことになるので、トランスTが大型化し、
軽薄短小を求める市場のニーズに応えられない。
【0013】そこで本発明は上記問題点に鑑み、トラン
スの二次側にある整流ダイオードから発生するノイズを
小さくしつつ、負荷やスイッチ素子のオン・オフ周波数
に左右されず定電圧制御を行なうことができ、しかもト
ランスの銅損を低減するとともに、トランスの小型化を
図ることができる共振コンバータを提供することをその
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の共振
コンバータは、前記目的を達成するために、直流電源の
両端間に接続する第1および第2のスイッチ素子の直列
回路と、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとか
らなる第1の直列共振回路と、第2のコンデンサと第2
のインダクタンスとからなる第2の直列共振回路と、一
次巻線および二次巻線どうしを直列接続した一対の第1
および第2のトランスと、前記第1および第2のトラン
スの各二次巻線の一端にそれぞれ接続する第1および第
2の整流ダイオードと、前記第1および第2のスイッチ
素子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、前記
第1の直列共振回路と前記第1のトランスの一次巻線と
の直列回路を前記第1のスイッチ素子の両端間に接続
し、前記第2の直列共振回路と前記第2のトランスの一
次巻線との直列回路を前記第2のスイッチ素子の両端間
に接続したものである。
【0015】また、本発明の請求項2の共振コンバータ
は、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからな
る第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,お
よび第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流
電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線
の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の
共振部と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスと
からなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻
線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路
を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランス
の二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続
した第2の共振部とを備え、前記第1および第2の整流
ダイオードの他端どうしを接続した第1の接続点と、前
記第1および第2のトランスの各二次巻線の他端どうし
を接続した第2の接続点との間に負荷を接続し、前記第
1および第2のスイッチ素子を位相差を有してオン,オ
フさせる制御手段を備えている。
【0016】また、本発明の請求項3の共振コンバータ
は、第1のコンデンサと第1のインダクタンスとからな
る第1の直列共振回路,第1のトランスの一次巻線,お
よび第2のスイッチ素子からなる第1の直列回路を直流
電源の両端間に接続し、前記第1のトランスの二次巻線
の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続した第1の
共振部と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスと
からなる第2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻
線,および第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路
を前記直流電源の両端間に接続し、前記第2のトランス
の二次巻線の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続
した第2の共振部と、前記第1および第2のスイッチ素
子を交互にオン・オフさせる制御手段とを備え、前記一
方のトランスのドライブ中に前記他方のトランスをリセ
ットするように、前記第1および第2のトランスの一次
巻線および二次巻線どうしを直列接続して構成される。
【0017】上記請求項1〜3の構成に共通して、第2
のスイッチ素子がオンすると、第1の直列共振回路を構
成する第1のコンデンサと第1のインダクタンスが共振
し、第1のトランスの二次巻線を介して第1の整流ダイ
オードを流れる二次側電流が略正弦波状に緩やかに立ち
上がる。同様に第1のスイッチ素子がオンすると、第2
の直列共振回路を構成する第2のコンデンサと第2のイ
ンダクタンスが共振し、トランスの二次巻線を介して第
2の整流ダイオードを流れる二次側電流が略正弦波状に
緩やかに立ち上がる。したがって、各整流ダイオードの
特にリカバリー電流が小さくなり、二次側電流の立ち上
がり時に各整流ダイオードで発生するノイズを小さくで
きる。
【0018】また、第1のインダクタンスと第1のコン
デンサとの共振時には、負荷電流を第1のトランスの一
次巻線側に換算した共振電流が第1のコンデンサに流
れ、それ以外の期間では第1のコンデンサが放電するた
め、第1の整流ダイオードを流れる二次側電流の大きさ
は、第1のコンデンサの両端間電圧次第で決まる。この
ため、負荷や第2のスイッチ素子のオン・オフ周波数に
応じて、第1のコンデンサの両端間電圧の振幅が変動
し、負荷が重くなるかまたはスイッチ素子のオン・オフ
周波数が低くなるに従って、第1のコンデンサを流れる
共振電流ひいては第1の整流ダイオードを流れる二次側
電流のピーク値が増大する。なおこれは、第2の整流ダ
イオードを流れる二次側電流にも言えることで、結果的
に負荷や各スイッチ素子のオン・オフ周波数に左右され
ず、出力電圧が一定に保たれる。したがって、各直列共
振回路のインピーダンスを誘導性にする必要がなく、特
に各スイッチ素子のオン・オフ周波数が各直列共振回路
の共振周波数より低い領域でも、定電圧制御を行なうこ
とができる。
【0019】さらに、いずれも2個のトランスを使用し
て、センタータップを設けない構成を採用しているの
で、銅損の悪化を防止し、コンバータ全体の効率向上を
図ることができる。また、特に請求項2の構成では、2
個のトランスから共通の負荷に電力を供給していること
から、トランス1個当たりが負うパワーの低減を図り、
トランスの小型化ひいては軽薄短小のニーズに応えるこ
とができる。
【0020】また特に請求項3の構成では、一方のトラ
ンスをドライブしている間に、他方のトランスをリセッ
トするように、各トランスを動作させることが可能にな
る。つまり、第1および第2のトランスには正負両方向
の電圧が印加されるため、各トランスを効率よく利用で
きる。
【0021】本発明の請求項4の共振コンバータは、前
記第1および第2のスイッチ素子が前記制御手段により
デッドタイムを有して交互にオン・オフされ、前記第1
および第2のトランスの各励磁インダクタンスの差電流
により、前記デッドタイム期間中に、前記第1のスイッ
チ素子の両端間に接続する第3のコンデンサと、前記第
2のスイッチ素子の両端間に接続する第4のコンデンサ
を充放電させるように構成している。
【0022】これにより、第2のスイッチ素子がオフし
てデッドタイム期間に移行すると、各励磁インダクタン
スの差電流により第4のコンデンサが充電され、第2の
スイッチ素子の両端間電圧がゼロから直流電源の入力電
圧に上昇する一方、第3のコンデンサが放電され、第1
のスイッチ素子の両端間電圧が直流電源の入力電圧から
ゼロに下降する。したがって、第2のスイッチ素子のタ
ーンオフ時におけるゼロボルトスイッチングを達成でき
るとともに、第1のスイッチ素子の両端間電圧がゼロに
なった後で、この第1のスイッチ素子をオンすれば、こ
こでもゼロボルトスイッチングが達成できる。なおこれ
は、第1のスイッチ素子がオフする際も同様のことが言
え、この場合は第1のスイッチ素子のターンオフおよび
第2のスイッチ素子のターンオン時のゼロボルトスイッ
チングが達成される。
【0023】また本発明の請求項5の共振コンバータ
は、前記第1のトランスの励磁インダクタンスの励磁電
流をIlp1とし、前記第2のトランスの励磁インダクタ
ンスの励磁電流をIlp2とし、前記直流電源の入力電圧
をVinとしたときに、次の数式4の関係が成立するよう
に構成したものである。
【0024】
【数4】
【0025】但し、第1のトランスの励磁インダクタン
スのインダクタンス値をLp1,第2のトランスの励磁イ
ンダクタンスのインダクタンス値をLp2,第1のコンデ
ンサの静電容量をCr1,第2のコンデンサの静電容量を
Cr2,第1のインダクタンスのインダクタンス値をLr
1,第2の励磁インダクタンスのインダクタンス値をLr
2としたときに、次の数式5のように、
【0026】
【数5】
【0027】とするならば、数式4のZoは次の数式6
で表せる。
【0028】
【数6】
【0029】このようにすると、第1および第2のスイ
ッチ素子Q1,Q2のゼロボルトスイッチングが確実に
達成される。
【0030】
【発明の実施形態】以下、添付図面に基づき、本発明に
おける共振コンバータの一実施例を説明する。
【0031】本実施例における新規な回路トポロジー
は、図1に示すように、2つのスイッチ素子Q1,Q2
を交互にオン・オフすることにより、ダイオードD21ま
たはダイオードD22より負荷RLに電力を供給する複合
共振コンバータで形成される。ここでは理解を容易にす
るために、ハーフブリッジ駆動を例として説明すると、
1は直流入力電圧Vinを供給する直流電源であり、これ
は例えば商用交流電源からの交流電圧を整流平滑回路に
より整流平滑する構成でもよい。この直流電源1の両端
間には、ここではいずれもMOS型FETからなるスイ
ッチ素子Q1,Q2の直列回路が接続される。各スイッ
チ素子Q1,Q2の出力両端間すなわちドレイン・ソー
ス間には、コンデンサCs1,Cs2がそれぞれ並列接続さ
れるとともに、ダイオードD1,D2がそれぞれ逆方向
に並列接続される。このコンデンサCs1,Cs2は、スイ
ッチ素子Q1,Q2の寄生容量を利用してもよいし、外
付けのコンデンサとしてもよい。また、ダイオードD
1,D2ついても、スイッチ素子Q1,Q2のボディ
(内蔵)ダイオードを利用してもよいし、スイッチ素子
Q1,Q2が例えばバイポーラトラジスタの場合は、外
付けのダイオードを利用してもよい。4は各スイッチ素
子Q1,Q2の制御端子であるゲートに接続する制御回
路であるが、この制御回路4は双方のスイッチ素子Q
1,Q2が共にオフになるデッドタイムを有しつつ、こ
れらの各スイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オフす
るように、各スイッチ素子Q1,Q2のゲートに所定の
駆動信号を供給するものである。
【0032】T1,T2は、いずれも一次側と二次側と
を絶縁する2個のトランスである。このトランスT1,
T2は同一特性を有し、その一次巻線N11,N12と二次
巻線N21,N22はいずれも直列に接続され、一次巻線N
11,N12および二次巻線N21,N22のいずれにもセンタ
ータップを有しない、いわゆる単巻トランスで構成され
る。そして、一方のトランスT1の一次巻線N11と、共
振用のコンデンサCr1およびインダクタンスLr1からな
る第1の直列共振回路51との直列回路が、一方のスイッ
チ素子Q1の両端間に接続されると共に、他方のトラン
スT2の一次巻線N12と、別の共振用のコンデンサCr2
およびインダクタンスLr2からなる第2の直列共振回路
52との直列回路が、他方のスイッチ素子Q2の両端間に
接続される。なお、インダクタンスLr1,Lr2は、トラ
ンスT1,T2の一次側の漏れインダクタンスを利用し
てもよいし。外付けのインダクタンス素子を利用しても
よい。また、各トランスT1,T2の一次巻線N11,N
12には、励磁インダクタンスLp1,Lp2が等価的に接続
される。この励磁インダクタンスLp1,Lp2は、一次巻
線N11,N12の抵抗分に対して並列接続される。
【0033】一方、前記直列共振回路51,52の出力回路
を構成するために、各トランスT1,T2のコアに電磁
的に結合された二次巻線N21,N22と、整流ダイオード
D21,D22および平滑コンデンサCoからなる出力整流
平滑回路53が設けられている。具体的には、トランスT
1の二次巻線N21の一端(ドット側端子)に整流ダイオ
ードD21のアノードを接続するとともに、別のトランス
T2の二次巻線の一端(ドット側端子)に整流ダイオー
ドD22のアノードを接続して、これらの整流ダイオード
D21,D22のカソードどうしを接続する。そして、この
整流ダイオードD21,D22の接続点と、トランスT1,
T2の二次巻線N21,N22の接続点との間に平滑ダイオ
ードCoを接続し、平滑ダイオードの両端間に発生する
出力電圧Voを負荷である抵抗RLに供給する構成とな
っている。なお、図1からも明らかなように、トランス
T1,T2の一次側は、一次巻線N11の非ドット端子と
一次巻線N12のドット端子が接続されるのに対して、ト
ランスT1,T2の二次側は、二次巻線N21の非ドット
側端子と二次巻線N22の非ドット側端子が接続される。
【0034】次に、上記構成について、その作用を図2
〜図6の各回路図と、図7〜図9の各波形図に基づき説
明する。なお、図2〜図6は、図7〜図9における〜
の各状態に対応した各素子の動作を示す回路図であ
る。また図7において、(A)はスイッチ素子Q1のゲ
ート・ソース間電圧Vgs1,(B)はスイッチ素子Q2
のゲート・ソース間電圧Vgs2,(C)はスイッチ素子
Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2,(D)はスイッ
チ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1,(E)は
スイッチ素子Q1を流れるドレイン電流Iq1,(F)は
スイッチ素子Q2を流れるドレイン電流Iq2,(G)は
整流ダイオードD22を流れるダイオード電流Id22,
(H)は整流ダイオードD21を流れるダイオード電流I
d21,(I)は励磁インダクタンスLp2を流れるトラン
スT2の励磁電流Ilp2,(J)は励磁インダクタンス
Lp1を流れるトランスT1の励磁電流Ilp1,(K)は
トランスT1の二次側に誘起される電圧Vn21である。
さらに図8および図9は、負荷である抵抗RLの値の違
いによる各部の波形を表したもので、図中Ilp1はトラ
ンスT1の励磁電流,Ilp2はトランスT2の励磁電
流,Icr1はコンデンサCr1を流れる電流,Vcr1はコン
デンサCr1の両端間電圧であり、これらの各電流および
電圧の正の向きは、図1に示すとおりである。
【0035】最初に、スイッチ素子Q2をオンする時点
t1から、順を追って説明する。図7のt0〜t1のデ
ッドタイム期間における共振用コンデンサCS1,CS2の
働きにより、スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電
圧Vds2が図7(C)に示すようにゼロになったt1の
時点で、制御回路4からのオンパルスの駆動信号によ
り、図7(B)に示すようにスイッチ素子Q2に所定の
ゲート・ソース間電圧Vgs2を印加する。スイッチ素子
Q2がオンした直後のt1〜t2の期間は、コンデンサ
CS2を放電した後にダイオードD2へ転流した電流が、
図7(F)に示すように、スイッチ素子Q2を流れる逆
向きの電流Iq2として流れるとともに、励磁インダクタ
ンスLp1のエネルギー放出に伴なう逆方向の励磁電流I
lp1によって、トランスT1の一次巻線N11に電流が流
れる。そして、このトランスT1の一次巻線N11に加わ
る電圧が、一次巻線N11と二次巻線N21との巻線比に出
力電圧Voの値を掛け合わせた値よりも大きくなると
(つまり二次巻線N21に誘起される電圧が出力電圧Vo
よりも大きくなると)、整流ダイオードD21がオンし、
図7(H)に示すように、ダイオード電流Id21が発生
する。また、前記励磁インダクタンスLp1の逆方向の励
磁電流Ilp1は、第1の直列共振回路51にも流れるため
に、この第1の直列共振回路51を構成するコンデンサC
r1が放電するとともに、第2の直列共振回路52から励磁
インダクタンスLp2にも電流が流れるため、第2の直列
共振回路52を構成するコンデンサCr2も放電し、励磁イ
ンダクタンスLp2にエネルギーが蓄えられる。したがっ
て、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1
は次第に減少する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆
方向の励磁電流Ilp2は次第に上昇する。また、インダ
クタンスLr1とコンデンサCr1が直列共振することによ
り、コンデンサCr1を流れる電流ICr1(図8および図
9参照)や、スイッチ素子Q2を流れる電流Iq2(図7
(F)参照)のみならず、トランスT1の二次巻線N22
より整流ダイオードD21を流れる電流(二次側電流)I
d21(図7(F)参照)も、半波正弦波状の電流波形と
なる。したがって、二次側電流Id21の立ち上がり時に
おいて、整流ダイオードD21で発生するノイズを小さく
できる。
【0036】次に、t2の時点でスイッチ素子Q2を流
れる逆向きの電流Iq2がゼロになると、図2に示す状態
に移行し、直流電源1→コンデンサCr1→インダクタ
ンスLr1→トランスT1の一次巻線N11→スイッチ素子
Q2→直流電源1に至る閉回路が形成され、コンデンサ
Cr1が充電される。このt2〜t3の期間は、インダク
タンスLr1とコンデンサCr1とによる直列共振が継続し
ているので、コンデンサCr1を流れる電流ICr1,スイ
ッチ素子Q2を流れる電流Iq2および整流ダイオードD
21を流れる二次側電流Id21は、引き続き半波正弦波状
に推移する。また、励磁インダクタンスLp1から放出す
るエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp1が、
第1の直列共振回路51からの共振電流とともに、トラン
スT1の一次巻線N11に流れ込む。さらに、スイッチ素
子Q2→第2の直列共振回路52→励磁インダクタンスL
p2→スイッチ素子Q2にも別の閉回路が形成され、コン
デンサCr2が放電するとともに、励磁インダクタンスL
p2にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダ
クタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は引き続き低下
する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電
流Ilp2は引き続き増加する。
【0037】やがて、コンデンサCr1を流れる電流ICr
1が逆転して、励磁インダクタンスLp1の逆方向の励磁
電流Ilp1と等しくなると(図8および図9参照)、ト
ランスT1の一次巻線N11ひいては二次巻線N21を流れ
る電流もゼロとなり、整流ダイオードD21はオフする。
そして、インダクタンスLr1とコンデンサCr1とによる
直列共振が停止し、図3に示す状態(t3〜t4の期
間)に移行する。
【0038】この状態では、各トランスT1,T2の
二次側の整流ダイオードD21,D22がいずれもオフにな
っており、各一次巻線N11,N12への電流もゼロになっ
ていることから、スイッチ素子Q2には、各励磁インダ
クタンスLp1,Lp2の励磁電流Ilp1,励磁電流Ilp2の
差電流Isが流れる。つまりこの場合、励磁電流Ilp1の
絶対値よりも励磁電流Ilp2の絶対値が大きいため、図
3に示すように、トランスT1,T2の一次巻線N11,
N12の接続点からスイッチ素子Q2に向けて差電流Is
が発生する。そして、引き続き励磁インダクタンスLp1
から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流
Ilp1によってコンデンサCr1は放電し、コンデンサCr
2の放電によって励磁インダクタンスLp2にエネルギー
が蓄えられる。
【0039】その後、スイッチ素子Q2がターンオフす
ると、図4に示す状態(t4〜t5の期間)に移行す
る。この状態は、双方のスイッチ素子Q1,Q2がオ
フするデッドタイム期間となっており、先程の励磁電流
Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isによって、コンデン
サCS2を充電する一方で、コンデンサCS1を放電する。
したがって、図7(C),(D)に示すように、スイッ
チ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2は、コンデ
ンサCS2を充電するに伴なってゼロから入力電圧Vinに
徐々に上昇する一方で、スイッチ素子Q1のドレイン・
ソース間電圧Vds1は、コンデンサCS1を放電するに伴
なって入力電圧Vinからゼロに徐々に下降する。スイッ
チ素子Q2をターンオフしたt4の時点では、スイッチ
素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds2がゼロになっ
ているので、ここでのゼロボルトスイッチングが達成さ
れる。なお、この状態では、最初に励磁インダクタン
スLp1から放出するエネルギーにより生じる逆方向の励
磁電流Ilp1によってコンデンサCr1が放電し、コンデ
ンサCr2の放電によって励磁インダクタンスLp2にエネ
ルギーが蓄えられるが、やがてコンデンサCS2,CS1の
充放電に伴ない、励磁インダクタンスLp1がエネルギー
を蓄え、励磁インダクタンスLp2がエネルギーを放出す
るようになる。したがって、ここからは励磁インダクタ
ンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が増加に転じ、励磁
インダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が減少に
転じる。
【0040】コンデンサCS1の放電が完了し、スイッチ
素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼロになる
と、ダイオードD1がオンし、このダイオードD1を差
電流Isが流れるようになる。この時点(t5)で、ス
イッチ素子Q1をオンすれば、スイッチ素子Q1のドレ
イン・ソース間電圧Vds1がすでにゼロボルトとなって
いるので、スイッチ素子Q1のターンオン時のゼロボル
トスイッチングが達成され、図5に示す状態(t5〜
t6の期間)に移行する。
【0041】状態は、前述のt1〜t2の時点でスイ
ッチ素子Q2がオンした状態と同じように動作する。す
なわち、コンデンサCS1を放電した後にダイオードD1
へ転流した電流が、図7(E)に示すように、スイッチ
素子Q1を流れる逆向きの電流Iq1として流れるととも
に、励磁インダクタンスLp2のエネルギー放出に伴なう
逆方向の励磁電流Ilp2によって、トランスT2の一次
巻線N12に電流が流れる。そして、このトランスT2の
一次巻線N12に加わる電圧が、一次巻線N12と二次巻線
N22との巻線比に出力電圧Voの値を掛け合わせた値よ
りも大きくなると、整流ダイオードD22がオンし、図7
(G)に示すように、ダイオード電流Id22が発生す
る。また、前記励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁
電流Ilp2は、スイッチ素子Q1から直流電源1を経由
して第2の直列共振回路52にも流れるために、コンデン
サCr2が放電するとともに、励磁インダクタンスLp1か
ら第1の直列共振回路51にも電流が流れてコンデンサC
r1が放電し、励磁インダクタンスLp1にエネルギーが蓄
えられる。したがって、励磁インダクタンスLp1の逆方
向の励磁電流Ilp1は次第に増加する一方で、励磁イン
ダクタンスLp2の逆方向の励磁電流Ilp2は次第に減少
する。また、インダクタンスLr2とコンデンサCr2が直
列共振することにより、コンデンサCr2を流れる電流I
Cr2や、スイッチ素子Q2を流れる電流Iq1のみなら
ず、トランスT1の二次巻線N22より整流ダイオードD
22を流れる電流(二次側電流)Id22も、半波正弦波状
の電流波形となる。したがって、この二次側電流Id22
の立ち上がり時においても、整流ダイオードD22で発生
するノイズを小さくできる。
【0042】次に、t6の時点でスイッチ素子Q1を流
れる逆向きの電流Iq1がゼロになると、図6に示す状態
(t6〜t0)に移行する。この状態は前記状態
に対応するものであり、直流電源1→スイッチ素子Q1
→トランスT2の一次巻線N12→インダクタンスLr2→
コンデンサCr2→直流電源1に至る閉回路が形成され、
コンデンサCr2が充電される。このt6〜t0の期間
は、インダクタンスLr2とコンデンサCr2とによる直列
共振が継続し、コンデンサCr2を流れる電流ICr2,ス
イッチ素子Q1を流れる電流Iq1および整流ダイオード
D22を流れる二次側電流Id22は、引き続き半波正弦波
状に推移する。また、励磁インダクタンスLp2から放出
するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp2
が、第1の直列共振回路51から直流電源1およびスイッ
チ素子Q1を経由して流れる共振電流とともに、トラン
スT2の一次巻線N12に流れ込む。さらに、スイッチ素
子Q1→励磁インダクタンスLp1→第1の直列共振回路
51→スイッチ素子Q1にも別の閉回路が形成され、コン
デンサCr1が放電するとともに、励磁インダクタンスL
p1にエネルギーが蓄えられる。したがって、励磁インダ
クタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1は引き続き増加
する一方で、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁電
流Ilp2は引き続き減少する。
【0043】やがて、コンデンサCr2を流れる電流ICr
2が逆転して、励磁インダクタンスLp2の逆方向の励磁
電流Ilp2と等しくなると、トランスT2の一次巻線N1
2ひいては二次巻線N22を流れる電流もゼロとなり、整
流ダイオードD22はオフする。そして、インダクタンス
Lr1とコンデンサCr1とによる直列共振は停止する。こ
うなると、各励磁インダクタンスLp1,Lp2の励磁電流
Ilp1,励磁電流Ilp2の差電流Isが流れるようになる
が、この場合は前述のスイッチ素子Q2の場合と逆方向
に差電流Isが流れる。その理由は、励磁電流Ilp2の絶
対値よりも励磁電流Ilp1の絶対値が大きいからであ
る。そして、引き続き励磁インダクタンスLp2から放出
するエネルギーにより生じる逆方向の励磁電流Ilp2に
よってコンデンサCr2は放電するとともに、励磁インダ
クタンスLp1からコンデンサCr1に流れ込む電流によっ
てコンデンサCr1は放電し、励磁インダクタンスLp1に
はエネルギーが蓄えられる。
【0044】その後、t0の時点でスイッチ素子Q1が
ターンオフすると、双方のスイッチ素子Q1,Q2がオ
フするデッドタイム期間となり、励磁電流Ilp1,励磁
電流Ilp2の差電流Isによって、コンデンサCS1を充電
する一方で、コンデンサCS2を放電する。したがって、
図7(C),(D)に示すように、スイッチ素子Q2の
ドレイン・ソース間電圧Vds1は、ゼロから入力電圧Vi
nに徐々に上昇し、スイッチ素子Q2のドレイン・ソー
ス間電圧Vds2は、入力電圧Vinからゼロに徐々に下降
する。スイッチ素子Q2をターンオフしたt0の時点で
は、スイッチ素子Q1のドレイン・ソース間電圧Vds1
がゼロになっているので、ここでのゼロボルトスイッチ
ングが達成される。なお、このt1〜t2の期間は、コ
ンデンサCS1,CS2の充放電に伴ない、励磁インダクタ
ンスLp2がエネルギーを蓄え、励磁インダクタンスLp1
がエネルギーを放出するようになり、励磁インダクタン
スLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が減少に転じ、励磁イ
ンダクタンスLp1の逆方向の励磁電流Ilp1が増加に転
じる。
【0045】そして、コンデンサCS2の放電が完了し、
スイッチ素子Q2のドレイン・ソース間電圧Vds1がゼ
ロになると、ダイオードD2がオンし、このダイオード
D2を差電流Isが流れるようになる。この時点(t
1)でスイッチ素子Q1をオンすれば、スイッチ素子Q
1のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達成さ
れ、1サイクルの動作が完了する。
【0046】ここで、上述の例えばスイッチ素子Q2の
オン・オフに伴なう動作について着目すると、インダク
タンスLr1とコンデンサCr1が直列共振している大部分
の期間は、その共振電流(ICr1)によってコンデンサ
Cr1を充電するが、それ以外の期間は、励磁インダクタ
ンスLp1を流れる励磁電流Ilp1によってコンデンサCr
1が放電するので、この励磁インダクタンスLp1を流れ
る励磁電流Ilp1とコンデンサCr1の放電電流(ICr1)
との値が等しくなる。このとき、コンデンサCr1の充電
時に蓄えられる電荷(図8および図9において、ICr1
がプラスの期間における電流と時間との面積分)と、放
電時に放出する電荷(ICr1がマイナスの期間における
電流と時間との面積分)は等しくなければならず、その
結果、励磁インダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1
は負方向にオフセットして、通常とは逆の方向に流れる
ようになる。これは、励磁インダクタンスLp1を流れる
励磁電流Ilp1にもいえることである。
【0047】また、インダクタンスLr1とコンデンサC
r1が直列共振している状態では、このインダクタンスL
r1とコンデンサCr1に発生する電圧の和をゼロと見なす
ことができるので、一周期の平均では直流分の電圧がコ
ンデンサCr1の両端間に加わることになる。したがっ
て、コンデンサCr1の両端間電圧は、スイッチ素子Q2
のデューティーDが0.5であるとすると、直流電源1
の入力電圧Vinの半値(Vin/2)を中心として変動す
るようになる。また出力電圧Voは、直列共振時におい
て第1の直列共振回路のインピーダンスがゼロであると
考えると、二次巻線N21の巻数n21に対する一次巻線N
12の巻数n11の比をn(=n11/n21)としたときに、
次の数式7にてあらわせる。
【0048】
【数7】
【0049】ここで、プッシュプル動作を行なうにはデ
ューティーDを0.5としなければならず、出力電圧V
oは次の数式8にてあらわせる。
【0050】
【数8】
【0051】つまり、図1の回路トポロジーを採用する
ことにより、出力電圧Voはスイッチ素子Q2のオン・
オフ周波数や負荷(抵抗RL)の状態に依存しないこと
が見出された。
【0052】インダクタンスLr1とコンデンサCr1が直
列共振する期間t1〜t3は、このインダクタンスLr1
とコンデンサCr1とによる直列共振によって、トランス
T1の二次側の整流ダイオードD21がオンし、略正弦波
状の二次側電流Id21が流れることから、二次側電流Id
21の大きさはコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1次第で
ある。図8は負荷である抵抗RLが0.35Ωである場
合の波形図を示し、図9は抵抗RLが0.15Ωである
場合の波形図を示しているが、この2つの図からも明ら
かなように、コンデンサCr1を充電する共振電流Icr1
は、負荷電流をトランスT1の一次側に換算したものが
流れるが、それ以外の期間ではコンデンサCr1が放電す
るため、負荷の抵抗値が小さくなる程、コンデンサCr1
の共振電流Icr1のピーク値が大きくなって、励磁イン
ダクタンスLp1を流れる励磁電流Ilp1の負方向へのオ
フセット量が増加する。また、共振電流Icr1のピーク
値が大きくなるのに伴なって、コンデンサCr1の両端間
電圧Vcr1の振幅も増大する。そして、図9に示すよう
に、両端間電圧Vcr1の下限ピーク値がゼロに達する
と、もはや電圧Vcr1を可変することはできなくなり、
充電時の共振電流Icr1ひいては二次側電流Id21をこれ
以上流すことができなくなる。したがって、コンデンサ
Cr1の両端間電圧Vcr1の下限ピークがゼロにならない
範囲では、二次側電流Id21が半波正弦波で完全にゼロ
になるまで、スイッチ素子Q2のオン時間を確保すれ
ば、負荷に応じてコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の
振幅を変動させ、コンデンサCr1を流れる共振電流Icr
1ひいては二次側電流Id21のピーク値を増加または減少
させて、出力電圧Voを一定に保つことができる。
【0053】また、スイッチ素子Q2のオン・オフ周波
数を低下させた場合は、コンデンサCr1の充放電に要す
る時間が増加して、コンデンサCr1の両端間電圧Vcr1
の下限値が低下するので、コンデンサCr1の共振電流I
cr1のピーク値が大きくなって、励磁インダクタンスLp
1を流れる励磁電流Ilp1の負方向へのオフセット量が増
加する。つまり、図10に示すように、スイッチ素子Q
2のオン・オフ周波数が低くなるほど、ダイオードD21
を流れる二次側電流Id21のピーク値が上昇するので、
二次側電流Id21(およびId22)の平均値としての負荷
電流は、周波数に拘わらず略一定となる。このため、コ
ンデンサCr1の両端間電圧Vcr1の下限ピークがゼロに
ならない範囲内において、二次側電流Id21が半波正弦
波で完全にゼロになるまで、スイッチ素子Q2のオン時
間を確保すれば、スイッチ素子Q2のオン・オフ周波数
を任意に変えても、出力電圧Voは略一定となる。なお
これは、スイッチ素子Q2のみならず、同様の動作を行
なうスイッチ素子Q1についても言えることである。こ
のように、負荷および周波数に拘らず出力電圧Voを略
一定にできることから、理論上は出力電圧Voを一定に
制御するフィードバック回路が不要になる。
【0054】そして、スイッチ素子Q1,Q2のオン・
オフ周波数に関わらず出力電圧Voが一定になるという
ことは、共振回路(直列共振回路51,52)の共振周波数
よりもスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数が低
い領域でも定電圧制御が可能になることを意味する。す
なわち、従来は図13に示すように、スイッチ素子Q
1,Q2のオン・オフ周波数fが共振周波数foよりも
低い領域では定電圧制御ができなかったが、本実施例の
回路トポロジーでは、直列共振回路51,52のインピーダ
ンスを誘導性にする必要がなく、この領域での定電圧制
御が可能となる。
【0055】上記図1の回路トポロジーでは、各コンデ
ンサCr1,Cr2を充放電する際の電流が、トランスT
1,T2の励磁インダクタンスLp1,Lp2の励磁電流I
lp1,励磁電流Ilp2の差電流Isと等しくなる。この場
合、ゼロボルトスイッチングが行われる条件は、次の数
式9にてあらわせる。
【0056】
【数9】
【0057】但し、第1の励磁インダクタンスのインダ
クタンス値をLp1,第2の励磁インダクタンスのインダ
クタンス値をLp2,第1のコンデンサの静電容量をCr
1,第2のコンデンサの静電容量をCr2,第1のインダ
クタンスのインダクタンス値をLr1,第2の励磁インダ
クタンスのインダクタンス値をLr2としたときに、次の
数式10のように、
【0058】
【数10】
【0059】とするならば、数式9のZoは次の数式1
1で表せる。
【0060】
【数11】
【0061】特に、励磁インダクタンスLp1,Lp2が漏
れインダクタンスLr1,Lr2よりも十分大きい場合は、
遷移時間をtaとすると、次の数式12で与えられる。
【0062】
【数12】
【0063】さらに、本実施例における回路トポロジー
は、同一特性の単巻線による2個のトランスT1,T2
を直列接続して用いているので、センタタップがない分
だけ各トランスT1,T2の作成が容易になるととも
に、センタタップを設けた場合に起こる銅損の悪化が防
止でき、コンバータ全体の効率向上を図ることができ
る。また、一方のトランスT1のドライブ中に、他方の
トランスT2をリセットするように、各トランスT1,
T2を動作させることができる。つまり、トランスT
1,T2には正負両方向の電圧が印加されるため、各ト
ランスT1,T2を効率よく利用できる。
【0064】以上のように本実施例では、直流電源1の
両端間に接続する第1のスイッチ素子Q1および第2の
スイッチ素子Q2の直列回路と、第1のコンデンサCr1
と第1のインダクタンスLr1とからなる第1の直列共振
回路51と、第2のコンデンサCr2と第2のインダクタン
スLr2とからなる第2の直列共振回路52と、一次巻線N
11,N12および二次巻線N21,N22どうしを直列接続し
た一対の第1のトランスT1および第2のトランスT2
と、この第1および第2のトランスT1,T2の各二次
巻線N21,N22の一端にそれぞれ接続する第1の整流ダ
イオードD21および第2の整流ダイオードD22と、第1
および第2のスイッチ素子Q1,Q2を交互にオン・オ
フさせる制御手段としての制御回路4とを備え、第1の
直列共振回路51とトランスT1の一次巻線N11との直列
回路を第1のスイッチ素子Q1の両端間に接続し、第2
の直列共振回路52とトランスT2の一次巻線N12との直
列回路を第2のスイッチ素子Q2の両端間に接続して構
成される。
【0065】この場合、第2のスイッチ素子Q2がオン
すると、第1のトランスT1の励磁インダクタンスLp1
からの励磁電流Ilp1により、第1の直列共振回路51を
構成する第1のコンデンサCr1と第1のインダクタンス
Lr1が共振し、トランスT1の二次巻線N21を介して第
1の整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21が略
正弦波状に緩やかに立ち上がる。同様に第1のスイッチ
素子Q1がオンすると、第2のトランスT2の励磁イン
ダクタンスLp2からの励磁電流Ilp2により、第2の直
列共振回路52を構成する第2のコンデンサCr2と第2の
インダクタンスLr2が共振し、トランスT2の二次巻線
N22を介して第2の整流ダイオードD22を流れる二次側
電流Id22が略正弦波状に緩やかに立ち上がる。したが
って、各整流ダイオードD21,D22の特にリカバリー電
流が小さくなり、二次側電流Id21,Id22の立ち上がり
時に各整流ダイオードD21,D22で発生するノイズを小
さくできる。
【0066】また、第1のインダクタンスLr1と第1の
コンデンサCr1との共振時には、負荷電流を第1のトラ
ンスT1の一次巻線N11側に換算した共振電流Icr1が
第1のコンデンサCr1に流れ、それ以外の期間では第1
のコンデンサCr1が放電するため、また、第1の整流ダ
イオードD21を流れる二次側電流Id21の大きさは、第
1のコンデンサCr1の両端間電圧Vcr1次第で決まる。
このため、負荷や第2のスイッチ素子Q2のオン・オフ
周波数に応じて、第1のコンデンサCr1の両端間電圧V
cr1の振幅が変動し、負荷が重くなるかまたはスイッチ
素子Q2のオン・オフ周波数が低くなるに従って、第1
のコンデンサCr1を流れる共振電流Icr1ひいては第1
の整流ダイオードD21を流れる二次側電流Id21のピー
ク値が増大する。なおこれは、第2の整流ダイオードD
22を流れる二次側電流Id22にも言えることで、結果的
に負荷や各スイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波数
に左右されず、出力電圧Voが一定に保たれる。したが
って、各直列共振回路51,52のインピーダンスを誘導性
にするようなスイッチ素子Q1,Q2のオン・オフ周波
数にする必要がなく、特に各スイッチ素子Q1,Q2の
オン・オフ周波数が各直列共振回路51,52の共振周波数
より低い領域でも、定電圧制御を行なうことができる。
【0067】さらに、本実施例では2個のトランスT
1,T2を使用して、センタータップを設けない構成を
採用しているので、銅損の悪化を防止し、コンバータ全
体の効率向上を図ることができる。
【0068】そして、上記の作用効果は、第1のコンデ
ンサCr1と第1のインダクタンスLr1とからなる第1の
直列共振回路51,第1のトランスT1の一次巻線N11,
および第2のスイッチ素子Q2からなる第1の直列回路
を直流電源1の両端間に接続し、トランスT1の二次巻
線N21の一端に第1の整流ダイオードD21の一端を接続
した第1の共振部と、第2のコンデンサCr2と第2のイ
ンダクタンスLr2とからなる第2の直列共振回路52,第
2のトランスT2の一次巻線N12,および第1のスイッ
チ素子Q1からなる第2の直列回路を直流電源1の両端
間に接続し、トランスT2の二次巻線N22の一端に第2
の整流ダイオードD22の一端を接続した第2の共振部と
を備え、整流ダイオードD21,D22の他端どうしを接続
した第1の接続点と、トランスT1,T2の各二次巻線
N21,N22の他端どうしを接続した第2の接続点との間
に負荷RLを接続し、第1および第2のスイッチ素子Q
1,Q2を位相差を有してオン,オフさせる制御手段と
しての制御回路4を備えていても達成される。そしてこ
の場合は特に、2個のトランスT1,T2から共通の負
荷RLに電力を供給していることから、トランス1個当
たりが負うパワーの低減を図り、トランスT1,T2の
小型化ひいては軽薄短小のニーズに応えることができ
る。
【0069】また、上述の第1および第2の共振部に加
え、第1および第2のスイッチ素子Q1,Q2を交互に
オン・オフさせる制御手段としての制御回路4を備え、
一方のトランスT1のドライブ中に他方のトランスT2
をリセットするように、トランスT1,T2の一次巻線
N11,N12および二次巻線N21,N22どうしを直列接続
した回路トポロジーを採用してもよい。この場合は特
に、一方のトランスT1をドライブしている間に、他方
のトランスT2をリセットするように、各トランスT
1,T2を動作させることが可能になり、第1および第
2のトランスT1,T2には正負両方向の電圧が印加さ
れるため、各トランスT1,T2を効率よく利用でき
る。
【0070】また、制御回路4により各スイッチ素子Q
1,Q2をデッドタイムを有して交互にオン・オフさ
せ、トランスT1,T2の各励磁インダクタンスLp1,
Lp2の差電流Isにより、第1および第2のスイッチ素
子Q1,Q2の両端間にそれぞれ接続する第3および第
4のコンデンサすなわちコンデンサCS1,CS2を、デッ
ドタイム期間中に充放電させるように構成している。
【0071】このようにすると、第2のスイッチ素子Q
2がオフしてデッドタイム期間に移行すると、各励磁イ
ンダクタンスLp1,Lp2の差電流Isにより第4のコン
デンサCs2が充電され、第2のスイッチ素子Q2の両端
間電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds2)がゼロから直
流電源1の入力電圧Vinに上昇する一方、第3のコンデ
ンサCs1が放電され、第1のスイッチ素子Q1の両端間
電圧(ドレイン・ソース間電圧Vds1)が直流電源1の
入力電圧Vinからゼロに下降する。したがって、第2の
スイッチ素子Q2のターンオフ時におけるゼロボルトス
イッチングを達成できるとともに、第1のスイッチ素子
Q1の両端間電圧がゼロになった後で、この第1のスイ
ッチ素子Q1をオンすれば、ここでもゼロボルトスイッ
チングが達成できる。なおこれは、第1のスイッチ素子
Q1がオフする際も同様のことが言え、この場合は第1
のスイッチ素子Q1のターンオフおよび第2のスイッチ
素子Q2のターンオン時のゼロボルトスイッチングが達
成される。
【0072】また、上記数式9の関係が成立するよう
に、本実施例の共振コンバータを構成すれば、第1およ
び第2のスイッチ素子Q1,Q2のゼロボルトスイッチ
ングが確実に達成される。
【0073】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可
能である。
【0074】
【発明の効果】本発明の請求項1の共振コンバータによ
れば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生
するノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子
のオン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうこ
とができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向
上を図ることができる。
【0075】本発明の請求項2の共振コンバータによれ
ば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生す
るノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子の
オン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうこと
ができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向上
を図ることができるとともに、トランスの小型化を図る
ことができる。
【0076】本発明の請求項3の共振コンバータによれ
ば、トランスの二次側にある整流ダイオードから発生す
るノイズを小さくできる。また、負荷やスイッチ素子の
オン・オフ周波数に左右されず定電圧制御を行なうこと
ができる。しかもトランスの銅損を低減して効率の向上
を図ることができるとともに、各トランスを効率よく利
用できる。
【0077】本発明の請求項4の共振コンバータによれ
ば、第1および第2のスイッチ素子のゼロボルトスイッ
チングを達成できる。
【0078】本発明の請求項5の共振コンバータによれ
ば、第1および第2のスイッチ素子のゼロボルトスイッ
チングを確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す共振コンバータの回路
図である。
【図2】同上図7〜図9に示す状態の回路動作をあら
わした回路図である。
【図3】同上図7〜図9に示す状態の回路動作をあら
わした回路図である。
【図4】同上図7〜図9に示す状態の回路動作をあら
わした回路図である。
【図5】同上図7〜図9に示す状態の回路動作をあら
わした回路図である。
【図6】同上図7〜図9に示す状態の回路動作をあら
わした回路図である。
【図7】同上各部の波形図である。
【図8】同上コンデンサCr1の下限ピークがゼロに達し
ていない状態の各部の波形図である。
【図9】同上コンデンサCr1の下限ピークがゼロに達し
た状態の各部の波形図である。
【図10】同上スイッチ素子のオン・オフ周波数が高い
場合と低い場合における二次側電流の波形図である。
【図11】従来例を示す共振コンバータの回路図であ
る。
【図12】従来例を示す各部の波形図である。
【図13】スイッチ素子のオン・オフ周波数と出力電力
との関係をあらわした特性曲線図である。
【符号の説明】 1 直流電源 4 制御回路(制御手段) 51 第1の直列共振回路 52 第2の直列共振回路 CS1 第3のコンデンサ CS2 第4のコンデンサ Cr1 第1のコンデンサ Cr2 第2のコンデンサ D21 第1の整流ダイオード D22 第2の整流ダイオード Lr1 第1のインダクタンス Lr2 第2のインダクタンス Lp1,Lp2 励磁インダクタンス N11,N12 一次巻線 N21,N22 二次巻線 T1 第1のトランス T2 第2のトランス Q1 第1のスイッチ素子 Q2 第2のスイッチ素子 RL 負荷

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の両端間に接続する第1および
    第2のスイッチ素子の直列回路と、第1のコンデンサと
    第1のインダクタンスとからなる第1の直列共振回路
    と、第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからな
    る第2の直列共振回路と、一次巻線および二次巻線どう
    しを直列接続した一対の第1および第2のトランスと、
    前記第1および第2のトランスの各二次巻線の一端にそ
    れぞれ接続する第1および第2の整流ダイオードと、前
    記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフさ
    せる制御手段とを備え、前記第1の直列共振回路と前記
    第1のトランスの一次巻線との直列回路を前記第1のス
    イッチ素子の両端間に接続し、前記第2の直列共振回路
    と前記第2のトランスの一次巻線との直列回路を前記第
    2のスイッチ素子の両端間に接続したことを特徴とする
    共振コンバータ。
  2. 【請求項2】 第1のコンデンサと第1のインダクタン
    スとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一
    次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列
    回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランス
    の二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続
    した第1の共振部と、 第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第
    2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および
    第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流
    電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線
    の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の
    共振部とを備え、 前記第1および第2の整流ダイオードの他端どうしを接
    続した第1の接続点と、前記第1および第2のトランス
    の各二次巻線の他端どうしを接続した第2の接続点との
    間に負荷を接続し、 前記第1および第2のスイッチ素子を位相差を有してオ
    ン,オフさせる制御手段を備えたことを特徴とする共振
    コンバータ。
  3. 【請求項3】 第1のコンデンサと第1のインダクタン
    スとからなる第1の直列共振回路,第1のトランスの一
    次巻線,および第2のスイッチ素子からなる第1の直列
    回路を直流電源の両端間に接続し、前記第1のトランス
    の二次巻線の一端に第1の整流ダイオードの一端を接続
    した第1の共振部と、 第2のコンデンサと第2のインダクタンスとからなる第
    2の直列共振回路,第2のトランスの一次巻線,および
    第1のスイッチ素子からなる第2の直列回路を前記直流
    電源の両端間に接続し、前記第2のトランスの二次巻線
    の一端に第2の整流ダイオードの一端を接続した第2の
    共振部と、 前記第1および第2のスイッチ素子を交互にオン・オフ
    させる制御手段とを備え、 前記一方のトランスのドライブ中に前記他方のトランス
    をリセットするように、前記第1および第2のトランス
    の一次巻線および二次巻線どうしを直列接続したことを
    特徴とする共振コンバータ。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2のスイッチ素子は前
    記制御手段によりデッドタイムを有して交互にオン・オ
    フされ、前記第1および第2のトランスの各励磁インダ
    クタンスの差電流により、前記デッドタイム期間中に、
    前記第1のスイッチ素子の両端間に接続する第3のコン
    デンサと、前記第2のスイッチ素子の両端間に接続する
    第4のコンデンサを充放電させるように構成したことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の共振コ
    ンバータ。
  5. 【請求項5】 前記第1のトランスの励磁インダクタン
    スの励磁電流をIlp1とし、前記第2のトランスの励磁
    インダクタンスの励磁電流をIlp2とし、前記直流電源
    の入力電圧をVinとしたときに、次の数式1の関係が成
    立するように構成したことを特徴とする請求項4記載の
    共振コンバータ。 【数1】 但し、第1のトランスの励磁インダクタンスのインダク
    タンス値をLp1,第2のトランスの励磁インダクタンス
    のインダクタンス値をLp2,第1のコンデンサの静電容
    量をCr1,第2のコンデンサの静電容量をCr2,第1の
    インダクタンスのインダクタンス値をLr1,第2の励磁
    インダクタンスのインダクタンス値をLr2としたとき
    に、 【数2】 とするならば、Zoは次の数式3で表せる。 【数3】
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