JP4352103B2 - 1,3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセリドの分別方法 - Google Patents

1,3−ジ飽和−2−不飽和トリグリセリドの分別方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,3位に飽和脂肪酸残基、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)に富んだ油脂の分別製造方法、特にカカオ脂の代用脂(CBE)として優れるハードバターの分別製造方法に関するものである。本発明は、又、1,3位に飽和脂肪酸残基、2位にリノロイル基(リノール酸残基)を有するトリグリセリド(XLX型油脂)に富んだ油脂の分別製造方法、特にチョコレートの硬度調整剤として優れるハードバターの分別製造方法に関するものである。
(発明の背景)
カカオ脂をはじめとするハードバターは、チョコレートを主とした製菓、製パンなどの食品および医薬品、化粧品などに広く用いられている。これらのハードバターは、1,3−ジパルミトイル−2−オレオイルグリセリン(POP)、2位にオレオイル基を有しパルミトイル基とステアロイル基を各1基づつ有するトリグリセリド(POS)及び1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセリン(SOS)などの分子内に1つの不飽和結合を有するトリグリセリド類を主成分としている。又、チョコレートの硬度調整剤として優れる1,3−ジステアロイル−2−リノロイルグリセリン(SLS)などの分子内に2つの不飽和結合を有するトリグリセリド類も知られている。
一般的に、このようなトリグリセリドは、この成分を含む天然の油脂、例えばパーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂などの油脂またはその分画油として得ることができる。
又、パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂などの油脂の分画油としてではなくて、特定の油脂に1,3選択性リパーゼを作用させ、エステル交換反応を利用して製造する方法が提案されている(特許文献1〜5)。
上記いずれの方法も最終製品を得るのに分画操作を行なっている(特許文献6〜16)。しかしながら、1,3位に飽和脂肪酸残基、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)に富んだ油脂のより効率的で、より工業的に適した分別製造方法が望まれている。
特開昭55−071797 特公平03−069516 特公平06−009465 WO96/10643 WO03/000832 WO2005/063952 WO2004/029185 特許01338696 特許02013113 特許02042375 特開昭63−258995 特許02056898 特開平02−080495 特許03588902 特開平11−080776 特開2004−123839
本発明は、1,3位に飽和脂肪酸残基、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)に富んだ油脂の、より効率的で工業的に適した分別製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、1,3位に飽和脂肪酸残基、2位にリノロイル基(リノール酸残基)を有するトリグリセリド(XLX型油脂)に富んだ油脂の、より効率的で工業的に適した分別製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、純度が高いXOX型油脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、特に、カカオ脂の代用脂として優れた特性を有するハードバターの工業的に適した製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、又、飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリドや飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリドの含有量の少ない油脂組成物を効率的に製造する方法を提供する。
本発明は、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を特定量含有するトリグリセリドを、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルの存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させると、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を特定量含有するトリグリセリドを、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルの存在下で、加熱溶解し、次いで攪拌しながら冷却して晶析させると、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂に富んだ固形状のトリグリセリドに、特定量の脂肪酸低級アルキルを添加し、次いで、破砕し、圧搾濾過して固形分を得ると、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が更に向上したトリグリセリドが得られるとの知見に基づいてなされたのである。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を特定量含有するトリグリセリドを、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルの存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去し、さらに晶析させると、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたのである。
すなわち、本発明は、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させ、固液分離することを特徴とするXOX型油脂に富んだトリグリセリドの製造方法を提供する。
本発明は、又、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を2位にリノロイル基を有するトリグリセリド(XLX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させ、固液分離することを特徴とするXLX型油脂に富んだトリグリセリドの製造方法を提供する。
本発明は、又、上記製造方法における固液分離前の晶析物100質量部当り1〜50質量部の脂肪酸低級アルキルエステルを添加後、破砕、もしくは破砕後、添加し、圧搾濾過して固形分を得ることを特徴とするXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が更に向上したトリグリセリドの製造方法を提供する。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂に富んだ固形状トリグリセリドを、該トリグリセリド100質量部当り1〜50質量部の脂肪酸低級アルキルエステルを添加後、破砕、もしくは破砕後、添加し、圧搾濾過して固形分を得ることを特徴とするXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が向上したトリグリセリドの製造方法を提供する。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却してXXX型油脂および/またはXX型ジグリセリドを晶析除去し、さらに攪拌冷却してXOX型油脂及び/又はXLX型油脂を晶析させ、固液分離することを特徴とするXXX型油脂およびXX型ジグリセリドが少ないXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が向上したトリグリセリドの製造方法を提供する。
本発明は、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去することを特徴とする、XXX型油脂及び/又はXX型ジグリセリドの濃度を低減させた油脂の製造方法を提供する。
本発明によれば、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を特定量含有するトリグリセリドに対して、脂肪酸低級アルキルエステルが存在することで、脂肪酸低級アルキルエステル未存在下で得られる結晶多形(XOX型油脂の場合はγ型またはβ'型など)よりも安定な結晶多形(XOX型油脂の場合はβ型)が得られるため、XOX型油脂(又はXLX型油脂)に富んだ油脂の晶析時間を短縮でき、晶析して得られた固形分の安定性および収率が向上するとの利点が得られ、またより安定な多形の結晶は大きく硬くなりやすい為に、ろ過性の良好な結晶が得られるとともに流動性が向上する。特に攪拌を行って晶析を行うと流動性が著しく向上し、圧搾ろ過機への送液が容易となるとともに、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂の純度が向上する。さらに、固形状の晶析ケーキの破砕効率が向上する。又、圧搾ろ過前に脂肪酸低級アルキルエステルが存在することにより、晶析ケーキの流動性が著しく向上し、圧搾ろ過機への送液が容易となるとともに、得られる固形部に存在する液状部の脂肪酸低級アルキルエステルの割合が増える。その後、脂肪酸低級アルキルエステルを除去することで油脂中のXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の純度が向上するとの利点が得られる。さらに、XXX型油脂およびXX型ジグリセリドを除去した後にXOX型油脂を晶析させることで、チョコレートの結晶に悪影響を及ぼすXXX型油脂、XX型グリセリドを除去できるだけでなく、ろ過性の良好なXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の結晶を作り、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂の純度が向上するとの利点が得られる。従って、本発明の製造方法は、カカオ脂の代用脂(CBE)として優れるハードバターの分別製造として極めて好適に使用することができる。
さらに、本発明の技術を利用して、飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリドや飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリドの含有量の少ない油脂組成物を効率的に製造することができるので、油脂組成物の曇り防止性が向上し、特に低温特性に優れたサラダ油などを効率的に製造することができる。
本発明で用いる1位及び3位に飽和脂肪酸残基を、2位にオレオイル基及び/又はリノロイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂及び/又はXLX型油脂)を20〜60質量%含有するトリグリセリドにおける飽和脂肪酸残基としては、炭素数16から22の飽和脂肪酸残基であるのが好ましく、さらにステアロイル基、パルミトイル基、ベヘノイル基であるのが好ましく、特に1位及び3位の両方がステアロイル基であるのが好ましい。
本発明で用いるトリグリセリドは、XOX型油脂を30〜60質量%(さらに35〜55質量%)含有するのが好ましく、特にSOS 30〜50質量%、SOO 20〜50質量%及びOOO 3〜15質量%含有するものが好ましい。ここで、Sはステアロイル基、Oはオレオイル基である。
本発明で用いるトリグリセリドは、例えば、2位にオレオイル基を有するトリグリセリドを脂肪酸低級アルキルエステル(脂肪酸自体を用いる場合も含む)とエステル交換反応を行い、次いで蒸留して得られた蒸留残渣であってもよい。より具体的には、トリオレオイルグリセリン、シア脂低融点部分(例えば、ヨウ素価70〜80)、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックローリノレン菜種油、ハイオレイック紅花油、パーム油、パーム分画油などの原料油脂に、脂肪酸低級アルキルエステルを加え、1,3選択性リパーゼ、例えば、リゾプス系リパーゼ、アスペルギルス系リパーゼ、ムコール系リパーゼ、パンクレアチックリパーゼ、米ヌカリパーゼなどを作用させて、エステル交換反応を行い、次いで蒸留し、未反応原料や副生するオレイン酸などの脂肪酸やその低級アルキルエステルを除いて得ることができる。
ここで用いる脂肪酸低級アルキルエステルとしては、炭素数16から22の飽和脂肪酸の低級アルコールエステルが好ましく、特に、炭素数1〜6のアルコールとのエステルが好ましい。特に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましく、このなかでもエタノールが好ましい。
2位にオレオイル基を有するトリグリセリド対脂肪酸低級アルキルエステルの使用比率(モル比)は、1/2以下であるのが好ましく、特に、1/2〜1/30であるのが好ましい。
本発明で用いる1位及び3位に飽和脂肪酸残基を、2位にリノロイル基を有するトリグリセリド(XLX型油脂)を20〜60質量%含有するトリグリセリドにおける飽和脂肪酸残基としては、炭素数16から22の飽和脂肪酸残基であるのが好ましく、さらにステアロイル基、パルミトイル基、ベヘノイル基であるのが好ましく、特に1位及び3位の両方がステアロイル基であるのが好ましい。
本発明で用いるトリグリセリドは、XLX型油脂を30〜60質量%(さらに35〜55質量%)含有するのが好ましく、特にSLS 30〜50質量%、SLL 20〜50質量%及びLLL 3〜15質量%含有するものが好ましい。ここで、Sはステアロイル基、Lはリノロイル基である。
XLX型油脂は、2位にオレオイル基を有するトリグリセリドの代わりに、2位にリノロイル基を有するトリグリセリドを用い、XOX型油脂について述べたのと同様の方法により製造することができる。
1,3選択性リパーゼとしては、リゾプス属のリゾプス デレマー(Rhizopus delemar)及びリゾプス オリザエ(Rhizopus oryzae)が好ましい。
これらのリパーゼとしては、ロビン社の商品:ピカンターゼR8000や、天野エンザイム社の商品:リパーゼF−AP15等が挙げられるが、最も適したリパーゼとしては Rhizopus oryzae由来、天野エンザイム社の商品:リパーゼDF“Amano”15−K(リパーゼDともいう)が挙げられる。このものは粉末リパーゼである。なお、このリパーゼDF“Amano”15−Kについては従来はRhizopus delemar由来の表記であった。
ここで、使用するリパーゼとしては、リパーゼの培地成分等を含有したリパーゼ含有水溶液を乾燥して得られたものでもよい。粉末リパーゼとしては、球状で、水分含量が10質量%以下であるものを用いるのが好ましい。特に、リパーゼ粉末の90質量%以上が粒径1〜100μmであるのが好ましい。又、pHが6〜7.5に調整されてなるリパーゼ含有水溶液を噴霧乾燥して製造されるものが好ましい。
上記リパーゼを大豆粉末を用いて造粒し、粉末化した造粒粉末リパーゼ(粉末リパーゼともいう)を用いるのも好ましい。
ここで、大豆粉末としては、脂肪含有量が5質量%以上である大豆粉末を用いるのが好ましい。脂肪含有量が5質量%以上である大豆粉末としては、脂肪含有量が10質量%以上であるのが好ましく、さらに15質量%以上であるのが好ましく、一方、25質量%以下であるのが好ましい。特に脂肪含有量が18〜23質量%である大豆粉末が好ましい。
ここで、脂肪としては脂肪酸トリグリセリド及びその類縁体があげられる。大豆の脂肪含量は、ソックスレー抽出法などの方法により容易に測定することができる。
このような大豆粉末として、全脂大豆粉を用いることができる。また大豆粉末の原料として豆乳を用いることもできる。大豆粉末は、大豆を常法により粉砕して製造することができ、その粒径は0.1〜600μm程度であるのが好ましい。粒径は、粉末リパーゼの粒径の測定方法と同様の方法により測定することができる。
リパーゼに対する大豆粉末の使用量は、質量基準で0.1〜200倍の量であるのが好ましく、0.1〜20倍の量であるのがより好ましく、0.1〜10倍の量が最も好ましい。
粉末リパーゼは、水分含量が10質量%以下であるのが好ましく、特に、1〜8質量%であるのが好ましい。粉末リパーゼの粒径は任意とすることができるが、粉末リパーゼの90質量%以上が粒径1〜100μmであるのが好ましい。平均粒径は10〜80μmが好ましい。又、粉末リパーゼの形状は球状であるのが好ましい。
粉末リパーゼの粒径は、例えば、HORIBA社の粒度分布測定装置(LA−500)を用いて測定することができる。
エステル交換反応においては、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド及び/又はXLX型油脂と飽和脂肪酸低級アルキルエステルを含有する原料に、上記リパーゼを添加して、常法でエステル交換反応を行うことができる。この場合、原料100質量部当り、リパーゼを0.01〜10質量部(好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部)添加し、35〜100℃の温度(好ましくは35〜80℃、より好ましくは40〜60℃)で、0.1〜50時間(好ましくは0.5〜30時間、より好ましくは1〜20時間)エステル交換反応を行うのが好ましい。反応はバッチ式で行うのが好ましい。反応温度は反応基質である油脂が溶解する温度で酵素活性を有する温度であれば何度でもかまわない。最適な反応時間は、酵素添加量、反応温度などにより変化する。
エステル交換反応後、蒸留して、未反応原料や副生するオレイン酸やその低級アルキルエステルを除いて、本発明で原料として用いる1位及び3位に飽和脂肪酸残基を、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)及び/又は2位にリノロイル基を有するトリグリセリド(XLX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%含有するトリグリセリドを得る。
本発明では、エステル交換反応を行なう際に脂肪酸低級アルキルエステルを過剰量使用し、蒸留により、脂肪酸低級アルキルエステルが、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)(及び/又はXLX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%含有するトリグリセリドを含む蒸留残渣に1〜30質量%(好ましくは4〜25質量%、より好ましくは7〜23質量%)残存するようにしてもよく、又、蒸留により未反応原料(脂肪酸低級アルキルエステルを含む)や副生するオレイン酸やその低級アルキルエステルをできるだけ除き、ここに新たに脂肪酸低級アルキルエステルを、2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)(及び/又はXLX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%、好ましくは30〜60質量%含有するトリグリセリド中に1〜30質量%(好ましくは4〜25質量%、より好ましくは7〜23質量%)となるように添加してもよい。
ここで新たに添加する脂肪酸低級アルキルエステルは特に限定されるものではないが、炭素数16から22の脂肪酸の低級アルコールエステルが好ましく、特に、飽和脂肪酸と炭素数1〜6のアルコールとのエステルが好ましい。特に、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましく、このなかでもエタノールが好ましい。
本発明では、このようにして調製した、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルを含有するトリグリセリドを、全体が均一に溶ける温度(例えば、50℃以上、好ましくは50〜70℃)に加熱して溶解させ、溶解後直ちに又は所定の時間(例えば、0.5〜2時間)その温度に保持した後、室温以下(例えば、26℃以下、好ましくは、15〜26℃、更に好ましくは18〜22℃)に冷却して、XOX型油脂に富んだ固形分を晶析させ、これを固液分離することにより、XOX型油脂に富んだトリグリセリドを製造するのが好ましい。また、XOX型油脂に富んだ固形部を晶析するために室温以下に冷却する前に、所定の温度(例えば26〜35℃、好ましくは26〜28℃)に所定の時間(例えば0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間)保持することが好ましい。
尚、XLX型油脂については、冷却温度を20℃以下、好ましくは、5〜15℃とするのがよい。
上記加熱溶解から冷却工程においては、攪拌及び/又は静置して行うことができる。この方法により、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の含有量が65質量%以上、好ましくは70質量%以上のものが得られる。この方法によると、特に、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)に富んだ油脂の晶析時間を短縮でき、晶析して得られた固形分の安定性および収率が向上するとともに、非常にろ過性の良い結晶が得られるのでXOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の純度が向上するとの利点が得られる。また、脂肪酸低級アルキルエステルを含有させて攪拌して冷却する方法では、流動性がある晶析物が得られ、結晶もろ過性が良好である。そのため、固液分離が良好になり、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の含有量も向上させることができる利点が得られる。
本発明では、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルを含有するトリグリセリドを、加熱溶解させ、冷却して、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)に富んだ固形分を晶析させるが、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)がほとんど結晶化していない温度(例えば、26〜35℃、好ましくは26〜28℃)でXXX型油脂やXX型ジグリセリドを結晶化させて、分別除去し、更に室温以下(例えば、25℃以下)に冷却、もしくは再度加熱(例えば、50℃以上、好ましくは50〜70℃)した後に室温以下(例えば25℃以下)に冷却して、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)に富んだ固形分を晶析させ、これを固液分離することにより、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)に富んだトリグリセリドを製造するのが好ましい。また、XXX型油脂やXX型ジグリセリドを分別除去した後に、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)に富んだ固形部を晶析するために室温以下に冷却する前に、所定の温度(例えば26〜35℃、好ましくは26〜28℃)に所定の時間(例えば0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間)保持することが好ましい。脂肪酸低級アルキルエステルを含有させて実施するこの方法により、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の含有量が高く、晶析して得られた固形分の安定性が向上するだけでなく、チョコレートの結晶性に悪影響のあるXXX型油脂やXX型ジグリセリドを減少させることができる利点が得られる。
また本発明では、上記方法にてXXX型油脂やXX型ジグリセリドを減少させた所望の油脂を、従来法により、アセトンなどを用いる溶剤分別法を利用して、所望の油脂成分を分別してもよい。この溶剤分別法では、アセトンの他、エタノールやヘキサンを用いることができる。
本発明では、固液分離前の晶析物100質量部当り1〜50質量部(好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜50質量部、最も好ましくは、15〜50質量部)の脂肪酸低級アルキルエステルを添加後、破砕、もしくは破砕後、添加し、圧搾濾過して固形分を得ることにより、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の濃度を更に向上させることができる。
この時、固液分離前の晶析物は、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させたものが好ましい。
この方法において、破砕は脂肪酸低級アルキルエステルの存在下、例えば、金網や市販のジューサーなどを用い、例えば、室温以下の温度(好ましくは20〜27℃)で、破砕するのが好ましい。次いで、圧搾濾過は、例えば、パーム油等の分別濾過等で使用する圧搾ろ過機などを用い、室温以下の温度(好ましくは20〜27℃)で行なうのがよい。又、この後に行なう任意工程である精製工程は、常法(例えば、水蒸気蒸留など)により行なうことができ、最終製品にする前に脂肪酸低級アルキルエステルを除去することができる。このようにして、XOX型油脂(及び/又はXLX型油脂)の含有量が75質量%以上、好ましくは80質量%以上のものを得ることができる。
更に、圧搾濾過して固形分を得た後、固形分中の脂肪酸低級アルキルエステルを除去する等の精製する工程を加えることが好ましい。また、必要に応じて、脱色、脱臭等の通常行なう油脂の精製を行ってもよい。
本発明の方法により得られるXOX型油脂の含有量が向上した油脂は、特にカカオ脂の代用脂(CBE)として優れるハードバターとして、好適に用いることができる。また、本発明の方法により得られるXLX型油脂の含有量が向上した油脂は、特にチョコレートの硬度調整剤として優れるハードバターとして、好適に用いることができる。
チョコレート製品は、上記のハードバターとカカオ脂とを混合した油脂成分および糖成分とからなる。上記ハードバターは油脂成分中に10質量%以上、好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上含まれていることが好ましい。糖成分としては通常チョコレートに使用されるものであれば何でもかまわない。例えば、ショ糖、果糖、あるいはこれらの混合物をあげることができる。ソルビトールなどの糖アルコールを用いても良い。また、通常のチョコレート製品に含まれる任意の成分についても含ませることができる。これらの例としては、乳化剤(通常レシチン)、香料、脱脂粉乳、全脂粉乳などがあげられる。
本発明では、又、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%(好ましくは、30〜60質量%)含有するトリグリセリドを、脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去することにより、XXX型油脂及び/又はXX型ジグリセリドの濃度を低減させた油脂を製造することができる。この方法は、上述した、特定量の脂肪酸低級アルキルエステルを含有するトリグリセリドを、加熱溶解させ、冷却して、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂に富んだ固形分を晶析させるが、XOX型油脂及び/又はXLX型油脂がほとんど結晶化していない温度(例えば、26〜35℃、好ましくは26〜28℃)でXXX型油脂やXX型ジグリセリドを結晶化させて、分別除去する方法に準じて行なうことができる。この方法により、XXX型油脂やXX型ジグリセリドの含有量の少ない油脂組成物を効率的に製造することができるので、油脂組成物の曇り防止性が向上し、特に低温特性に優れたサラダ油などを効率的に製造することができる。
次に本発明を実施例により詳細に説明する。
粉末リパーゼ組成物1の調製
天野エンザイム社の商品:リパーゼDF“Amano”15−K(リパーゼDともいう)の酵素溶液(150000U/ml)に、予めオートクレーブ滅菌(121℃、15分)を行い、室温程度に冷やした脱臭全脂大豆粉末脂肪含有量が23質量%、商品名:アルファプラスHS−600、日清コスモフーズ(株)社製)10%水溶液を攪拌しながら3倍量加え、0.5N NaOH溶液でpH7.8に調整後、噴霧乾燥(東京理科器械(株)社、SD−1000型)を行い、粉末リパーゼ組成物1を得た。
実施例1
ハイオレイックヒマワリ油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)1200gに、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)1800gを混合し、粉末リパーゼ組成物1を0.5質量%添加し、40℃で7時間攪拌反応させた。ろ過処理により酵素粉末を除去し、反応物1-1を2987g得た。得られた反応物1-1(2980g)を薄膜蒸留にかけ、蒸留温度140℃にて反応物から所定量を超えた量の脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチルエステル含量が8.8質量%である蒸留残渣1-1を1290g得た(表1)。尚、脂肪酸エチルエステルおよびTAG組成の分析は、GLC法により行なった。
蒸留残渣1-1、930gを50℃にて完全溶解後、25℃にて固化させケーキ1-1を得た。固化状況の結晶多形をXRDにて測定した。結果を表2と3に示す。
ケーキ1-1(320g)をジューサー(象印社製)に投入し破砕した後、加圧ろ過(圧搾圧力3.3kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部1-1(102g)及び液状部1-1(207g)を得た。結果を表4に示す。
比較例1
実施例1にて得た蒸留残渣1-1(360g)を蒸留温度200℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が痕跡量%である蒸留残渣1-2を320g得た(表1)。
蒸留残渣1-2(320g)を50℃にて完全溶解後、25℃にて固化させケーキ1-2を得た。固化状況の結晶多形をXRDにて測定した。結果を表2と3に示す。
ケーキ1-2(320g)をジューサー(象印社製)に投入し破砕した後、加圧ろ過(圧搾圧力3.3kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部1-2(62g)及び液状部1-2(248g)を得た。結果を表4に示す。
表1 TAG組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。尚、XOX/(XXO+OXX)は銀の付いた陽イオン交換基を結合したカラムを使用したHPLC法により分析した。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)脂肪酸エチルエステル含量は、全成分中の脂肪酸エチルエステルの質量%を示す。
表2 晶析状況
Figure 0004352103
*1)β化率は、X線回折測定による各d値の強度を用いて以下に定義した値である。
β化率=4.6Å強度/(4.6Å強度+3.8Å強度)×100
表3 晶析ケーキ融点
Figure 0004352103
*2)DSCの融解ピークトップ温度
表4 固液分離結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
実施例2
ハイオレイックヒマワリ油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)14000gに、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)21000gを混合し、粉末リパーゼ組成物1を0.3質量%添加し、40℃で20時間攪拌反応させた。ろ過処理により酵素粉末を除去し、反応物2-1を34354g得た。得られた反応物2-1(34300g)を薄膜蒸留にかけ、蒸留温度140℃にて反応物から脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が2.9質量%である蒸留残渣2-1を13714g得た(表5)。
得られた蒸留残渣2-1(11417g)にステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)2101gを混合し、脂肪酸エチル含量が18.3質量%である晶析原料2-1を13518g得た。得られた晶析原料2-1(12500g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて3時間冷却し、圧搾ろ過(圧搾ろ過2、圧搾圧力7kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部2-1(450g)及び液状部2-1(11859g)を得た。得られた液状部2-1(3664g)を攪拌を行いながら、27℃にて2.5時間、次いで20℃にて4時間冷却後、圧搾ろ過(圧搾ろ過3、圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部2-2(1458g)及び液状部2-2(2191g)を得た(表5、7)。得られた固形部2-2を蒸留温度200℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、定法により精製を行い、ハードバター2-1を得た。得られたハードバター2-1を用い、チョコレートの評価を行なったが、製造時の粘度や型抜け等やチョコレートの口どけ等に特に問題はなかった。
実施例3
実施例2の方法で得られた晶析原料2-1を(1000g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて2.5時間、次いで20℃にて4時間冷却後、圧搾ろ過(圧搾ろ過4、圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部3-1(410g)及び液状部3-1(568g)を得た(表5、8)。得られた固形部3-1を蒸留温度200℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、定法により精製を行い、ハードバター3-1を得た。得られたハードバター3-1を用い、チョコレートの評価を行なった結果、十分な品質であった。また、実施例2のハードバター2-1を用いたチョコレートは、製造時の粘度が低く、やや型抜けが良かった。また、チョコレートの口どけ等は実施例2の方が、より良好であった。
実施例4
実施例2の方法で得た液状部2-1(4000g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて2.5時間、次いで20℃にて4時間冷却後、圧搾ろ過(圧搾ろ過5、圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部4-1(1568g)及び液状部4-1(2352g)を得た(表6、9)。
実施例5
実施例2の方法で得た液状部2-1(3000g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃まで冷却後、1℃/時間の速度で20℃まで冷却後、20℃で1時間保持し、圧搾ろ過(圧搾ろ過6、圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部5-1(1147g)及び液状部5-2(1793g)を得た(表6、9)。
比較例2
実施例2の方法で得た蒸留残渣2-1(1000g)を蒸留温度200℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が痕跡量%である蒸留残渣2-2を982g得た。得られた蒸留残渣2-2(950g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて3時間冷却し、圧搾ろ過(圧搾ろ過7、圧搾圧力7kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を試みたが、非常に粘性が高くなり、ろ過性が悪く、固液分離が困難であったため分離を中止した。再度、50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて2.5時間、次いで20℃にて4時間冷却後、圧搾ろ過(圧搾ろ過8、圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を試みたが、ろ過性が悪く、固液分離が困難であったため分離を中止した(表5、8)。
表5 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎◎:液状。◎:流動性が非常に高く、液状に近い。
▲:やや流動性はあるが、粘性が高く、ろ過が困難な状態。
表6 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎:流動性が非常に高く、液状に近い。
▲:やや流動性はあるが、粘性が高く、ろ過が困難な状態。
表7 組成分析結果
Figure 0004352103

注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)SS-DAG含量は、全成分中のジステアロイルグリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
表8 組成分析結果
Figure 0004352103

注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)SS-DAG含量は、全成分中のジステアロイルグリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
表9 組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)SS-DAG含量は、全成分中のジステアロイルグリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例6
実施例1の方法で得たケーキ1-1(200g)に31.7℃の液状のステアリン酸エチル60gを加え、ジューサー(象印社製)に投入し破砕した後、圧搾ろ過(圧搾圧力3.3kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部6-1(100g)及び液状部6-1(160g)を得た。得られた固形部6-1(100g)を200℃にて水蒸気蒸留を行い、ハードバター6-1を81g得た。
実施例7
実施例1の方法で得たケーキ1-1(200g)をジューサー(象印社製)で破砕し、31.7℃の液状のステアリン酸エチル40gを加え、混合し、圧搾ろ過(圧搾圧力3.3kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部7-1(96g)及び液状部7-1(144g)を得た。得られた固形部7-1(96g)を200℃にて水蒸気蒸留を行い、ハードバター7-1を80g得た。
実施例8
実施例1の方法で得たケーキ1-1(200g)をジューサー(象印社製)に投入し破砕した後、圧搾ろ過(圧搾圧力3.3kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部8-1(66g)及び液状部8-1(134g)を得た。
結果を表10及び11に示す。
表10 圧搾ろ過前のケーキの流動性
Figure 0004352103
◎:流動性が非常に高く、液状に近い。○:流動性あり。△:やや流動性あり。
×:流動性なし。
表11 TAG組成
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例9
パームオレイン(ISF社製、ヨウ素価56)900gにパルミチン酸エチル(商品名:エチルパルミテート、(株)井上香料製造所製)100gを混合し、晶析原料9-1を1000g得た。得られた晶析原料9-1(1000g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、10℃にて3時間冷却し、圧搾ろ過(第1圧搾ろ過:圧搾圧力7kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部9-1(22g)及び液状部9-1(958g)を得た。得られた液状部9-1(940g)を攪拌を行いながら、ゆっくりと5℃まで冷却し、圧搾ろ過(第2圧搾ろ過:圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部9-2(414g)及び液状部9-2(507g)を得た(表12及び13)。
表12 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎◎:液状。◎:流動性が非常に高く、液状に近く、容易にろ過可能。
表13 組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例10
パームオレイン(ISF社製、ヨウ素価65)950gにパルミチン酸エチル(商品名:エチルパルミテート、(株)井上香料製造所製)50gを混合し、晶析原料10-1を1000g得た。得られた晶析原料10-1(1000g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、ゆっくりと−5℃まで冷却し、圧搾ろ過(第1圧搾ろ過:圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部10-1(196g)及び液状部10-1(784g)を得た(表14と15)。
表14 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎◎:液状。◎:流動性が非常に高く、液状に近く、容易にろ過可能。
表15 組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)XX-DAG含量は、全成分中のジ飽和グリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例11
ハイオレイックヒマワリ油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)6000gに、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)9000gを混合し、粉末リパーゼ組成物1を0.3質量%添加し、40℃で20時間攪拌反応させた。ろ過処理により酵素粉末を除去し、反応物11-1を14700g得た。得られた反応物11-1(14500g)を薄膜蒸留にかけ、蒸留温度140℃にて反応物から脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が3.5質量%である蒸留残渣11-1を5795g得た(表17)。
得られた蒸留残渣11-1(5000g)に留出物11-1(906g)を混合し、脂肪酸エチル含量が18.3質量%である晶析原料11-1を5906g得た。得られた晶析原料11-1(2001g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、27℃にて3時間冷却し、圧搾ろ過(第1圧搾ろ過:圧搾圧力7kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部11-1(450g)及び液状部11-1(1904g)を得た(表16及び17)。得られた液状部11-1(1845g)を薄膜蒸留にかけ、蒸留温度140℃にて反応物から脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が5.2質量%である蒸留残渣11-2を1389g得た。得られた蒸留残渣11-2(1351g)を蒸留温度20℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が痕跡量%である蒸留残渣11-3を1227g得た。得られた蒸留残渣11-3(1197g)にアセトン(4788g)を加え、溶解した後、5℃に冷却し得られた固形部をろ別し固形部11-2(555g)、液状部11-2(651g)を得た。得られた固形部11-2(530g)、定法によりアセトン除去及び精製を行いハードバター11-1(500g)を得た(表18と19)。
表16 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎◎:液状。◎:流動性が非常に高く、液状に近く、容易にろ過可能。
表17 組成分析結果
Figure 0004352103
表18 組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)SS-DAG含量は、全成分中のジステアロイルグリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例12
上記ハードバター11-1を用い、表19の配合にて、混合、レファイン、コンチングを以下の装置を用いて行なった後、50℃→29℃→32℃のテンパリングを行いチョコレートを試作し評価を行った。
製造時の粘度や型抜けなどに特に問題はなかった。得られたチョコレートは20℃にて1週間保存した後にスナップ性、艶、口溶けの評価を行った。その結果、ハードバター11-1を用いたチョコレート1は、口どけが良くかつスナップ性に優れていた。
(チョコレート試作使用機器)
混合:万能混合攪拌機((株)ダルトン製5DM−L)
レファイン:3本ローラーミル((株)ビューラー製SDY300型)
コンチング:万能混合攪拌機((株)ダルトン製5DM−L)
表19 チョコレートの配合(重量%)
Figure 0004352103
(チョコレート評価結果)
上記方法で製造したチョコレートの型からの剥離性、スナップ性、艶、口溶けを評価した。評価結果を表20に示した。
表20 板チョコレートの評価結果
Figure 0004352103
10人のパネラーによる官能試験によって評価した。判定基準は以下のとおりである。
<判定基準>
スナップ性 ◎:きわめて良好なスナップ性を持つ
○:良好なスナップ性を持つ
△:スナップ性に劣る
口溶け ◎:口どけがきわめて良好である
○:口どけが良好である
△:口どけが悪い
艶 ◎:きわめて良好
○:良好だが一部にくもりがみられる
△:艶がない
剥離性 ◎:冷却後15分ではがれる
○:冷却後20分ではがれる
△:はがれない
実施例13
ハイリノールサフラワー油(日清オイリオグループ(株)製)1600gに、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)2400gを混合し、粉末リパーゼ組成物1を0.3質量%添加し、40℃で20時間攪拌反応させた。ろ過処理により酵素粉末を除去し、反応物13-1を3920g得た。得られた反応物13-1(3900g)を薄膜蒸留にかけ、蒸留温度140℃にて反応物から脂肪酸エチルを除去し、脂肪酸エチル含量が3.7質量%である蒸留残渣13-1を1555g得た(表22)。
得られた蒸留残渣13-1(1500g)に留出物13-1(261g)を混合し、脂肪酸エチル含量が18.0質量%である晶析原料13-1を1761g得た。得られた晶析原料13-1(1700g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、23℃にて3時間冷却し、圧搾ろ過(第1圧搾ろ過:圧搾圧力7kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部13-1(35g)及び液状部13-1(1624g)を得た。得られた液状部13-1(1600g)を攪拌を行いながら、ゆっくりと10℃まで冷却し、圧搾ろ過(第2圧搾ろ過:圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部13-2(627g)及び液状部13-2(941g)を得た(表21と22)。
表21 圧搾ろ過前の流動性
Figure 0004352103
◎◎:液状。◎:流動性が非常に高く、液状に近く、容易にろ過可能。
表22 組成分析結果
Figure 0004352103

注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドの比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2)SS-DAG含量は、全成分中のジステアロイルグリセリンの質量%を示す。
GLCにより測定を行なった。
注3) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。
実施例14
ハイオレイックヒマワリ油(商品名:オレインリッチ、昭和産業(株)製)320g、パーム油中融点画分(ISF社製、ヨウ素価45)380g、ステアリン酸エチル(商品名:エチルステアレート、(株)井上香料製造所製)180g、パルミチン酸エチル(商品名:エチルパルミテート、(株)井上香料製造所製)120gを混合し、粉末リパーゼ組成物1を0.5質量%添加し、50℃で16時間攪拌反応させた。ろ過処理により酵素粉末を除去し、反応物14-1を997g得た。
得られた反応物14-1(997g)を50℃にて完全溶解後、攪拌を行いながら、23℃にて3時間冷却し、減圧ろ過にて固液分離を行い、固形部14-1(168g)及び液状部14-1(805g)を得た。得られた液状部14-1(805g)を攪拌を行いながら、ゆっくりと12.5℃まで冷却し、圧搾ろ過(第1圧搾ろ過:圧搾圧力30kgf/cm2、日清オイリオ自作加圧ろ過機使用)にて固液分離を行い、固形部14-2(180g)及び液状部14-2(632g)を得た(表23)。得られた固形部14-2を蒸留温度200℃にて水蒸気蒸留を行い、脂肪酸エチルを除去し、さらに定法により精製を行い、ハードバター14-1を得た。
表23 組成分析結果
Figure 0004352103
注1)TAG組成は、全トリグリセリド中の各トリグリセリドの組成を示す。
XOX/(XXO+OXX)は、2つの飽和脂肪酸残基および1つのオレオイル基を有するトリグリセリドの内、1位及び3位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリドと2位に飽和脂肪酸残基を有するトリグリセリド比である。
P:パルミチン酸残基、S:ステアリン酸残基、O:オレイン酸残基、L:リノール酸残基、tr:微量(trace)
注2) 脂肪酸エチル含量は、全成分中の脂肪酸エチルの質量%を示す。

Claims (12)

  1. 1位及び3位に飽和脂肪酸残基を2位にオレオイル基を有するトリグリセリド(XOX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させ、固液分離することを特徴とするXOX型油脂に富んだトリグリセリドの製造方法。
  2. XOX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドが、2位にオレオイル基を有するトリグリセリドをアルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステルとエステル交換反応を行い、次いで蒸留して得られた蒸留残渣である請求項1記載の製造方法。
  3. 1及び3位の飽和脂肪酸残基が、炭素数16から22の飽和脂肪酸残基である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. XOX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで攪拌しながら冷却して晶析させ、固液分離することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. トリグリセリドとして、XOX型油脂を全トリグリセリド中に30〜60質量%含有するトリグリセリドを用いる請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 1位及び3位に飽和脂肪酸残基を2位にリノロイル基を有するトリグリセリド(XLX型油脂)を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して晶析させ、固液分離することを特徴とするXLX型油脂に富んだトリグリセリドの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法における固液分離前の晶析物100質量部当り1〜50質量部のアルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステルを添加後、破砕、もしくは破砕後、添加し、圧搾濾過して固形分を得ることを特徴とするXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が更に向上したトリグリセリドの製造方法。
  8. XOX型油脂及び/又はXLX型油脂に富んだ固形状トリグリセリドを、該トリグリセリド100質量部当り1〜50質量部のアルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステルを添加後、破砕、もしくは破砕後、添加し、次いで圧搾濾過して固形分を得ることを特徴とするXOX型油脂及び/又はXLX型油脂の濃度が向上したトリグリセリドの製造方法。
  9. XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去することを特徴とする、XXX型油脂及び/又はXX型ジグリセリドの濃度を低減させた油脂の製造方法。
  10. XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去し、さらに攪拌冷却してXOX型油脂及び/又はXLX型油脂を晶析させ、固液分離することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  11. XOX型油脂及び/又はXLX型油脂を全トリグリセリド中に20〜60質量%含有するトリグリセリドを、アルキル基の炭素数が1〜6である脂肪酸低級アルキルエステル1〜30質量%の存在下で、加熱溶解し、次いで冷却して飽和脂肪酸残基のみからなるトリグリセリド(XXX型油脂)及び/又は飽和脂肪酸残基のみからなるジグリセリド(XX型)を晶析除去し、さらに溶剤分別によりXOX型油脂及び/又はXLX型油脂を晶析させ、固液分離することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  12. 得られた固形分を精製する工程を含む請求項1〜11のいずれか1項記載の製造方法。
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