JP4346710B2 - 車両の動力配分制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪間、或いは左右輪間の動力配分を油圧式クラッチにより制御する車両の動力配分制御装置に関し、特に油圧式クラッチとオイルポンプとが離間されオイルポンプからの油圧を油圧配管を介して油圧式クラッチに供給する車両の動力配分制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、凹凸が大きい路面や、急な斜面を横切るときや、スプリットμ路走行等での駆動力の確保および走行安定性や運動性能を向上させるため、様々な種類の差動制限装置が開発され実用化されている。さらに、最近では、前後輪間、或いは左右輪間のトルク配分を積極的に制御し、車両の走行安定性を向上させる技術が種々提案され、実用化されている。
【0003】
このような、前後輪間の動力配分制御、或いは左右輪間の動力配分制御等では、油圧多板式クラッチがその制御に比較的多く採用されている。例えば、4輪駆動車における後輪側の左右輪間の動力配分制御を行うものとして、特開平5−208621号公報においては、後輪側に配分された駆動力が入力される入力軸と左右輪への出力軸との間に、それぞれの出力軸を増速する変速機構と、この変速機構の連結を行う油圧式多板クラッチを設けている。そして、この油圧式多板クラッチを作動させるために、オイルポンプ、油圧調整弁、油圧ライン等からなる油圧回路を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記先行例のように、特に後輪側で左右の動力配分制御を行う場合、オイルポンプ、油圧調整弁、油圧ライン等からなる油圧回路を後輪のディファレンシャルキャリア内に形成すると、ディファレンシャルキャリアが大型化して、後輪側の重量増加を招き、車両の最低地上高や重量バランスが悪くなる。
【0005】
このため、油圧回路のオイルポンプ、油圧調整弁はトランスミッションケース側に配設して、トランスミッションケース側から油圧配管を介して油圧式多板クラッチの作動油圧室まで連結することが考えられる。このような構造にすれば、トランスミッションケース内のオイルを、動力配分制御装置のオイルとして共用することができ効率も良い。
【0006】
しかしながら、油圧配管が何等かの原因で損傷した場合、動力配分制御装置のオイルポンプによるオイルの送出によって、トランスミッションのオイルまで、大量に漏れ出ることになってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、油圧発生手段から油圧式クラッチ手段に油圧を供給する油圧配管が何等かの原因で損傷した場合であっても、制御側の油圧ラインのオイルが漏れ出ることを確実に防止して、オイル漏れによる不具合を最小限に止めることができる車両の動力配分制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、伝達容量可変な油圧式クラッチ手段に供給する油圧を可変制御して、左右輪間と前後輪間との少なくとも一方を動力配分制御すると共に、上記油圧式クラッチ手段と油圧発生手段とが離間して油圧配管を介して接続される車両の動力配分制御装置において、上記油圧発生手段を内装するケースに、上記油圧発生手段からの制御油圧ラインと油圧配管を構成する上記油圧式クラッチ手段側の被制御油圧ラインとを切り離して上記制御油圧を伝達自在なシリンダを設け、上記シリンダ内にピストンをスライド自在に挿通し、該ピストンを境として上記制御油圧ラインに連通する第1油圧室と上記被制御油圧ラインに連通する第2油圧室を設け、上記第2油圧室は上記被制御油圧ラインの配管と接続する構成としたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記ピストンは、両端の外周にシールリングを装着したことを特徴とする。
【0010】
すなわち、請求項1記載の発明では、油圧発生手段による制御油圧が、制御油圧ライン、油圧発生手段を内装するケース内のシリンダ、ピストンを介して、油圧配管を構成する被制御油圧ラインに伝達し、油圧式クラッチ手段に供給される。そして、制御油圧に応じて油圧式クラッチ手段により左右輪間と前後輪間との少なくとも一方が動力配分制御される。ここで、何等かの原因で油圧配管が損傷しても、油圧発生手段からの制御油圧ラインと、油圧配管を構成する被制御油圧ラインは、油圧発生手段を内装するケースに配設されたシリンダ、ピストンにより区画されてオイルが分離されるため、油圧発生手段からのオイルの漏れが防止される。
【0011】
また、請求項2記載の発明のように、ピストンには、両端の外周にシールリングを装着することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の一形態を説明する。
【0013】
先ず、図2に基づいて、本発明が適用される4輪駆動車の駆動系について説明する。同図において、符号1はエンジンで、車両前部に配置されている。エンジン1からの駆動力は、エンジン1の後部に一体的に連設する変速機2からトランスミッション出力軸2aを介して、センターディファレンシャル装置3に伝達され、このセンターディファレンシャル装置3にて、後輪側と前輪側とへ所定のトルク配分比にて分配される。
【0014】
センターディファレンシャル装置3から後輪側へ分配された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン6を介してリヤディファレンシャル装置7に入力される。また、センターディファレンシャル装置3から前輪側へ分配された駆動力は、トランスファドライブギヤ8、トランスファドリブンギヤ9、フロントドライブ軸10を介してフロントディファレンシャル装置11に入力される。上記変速機2、センターディファレンシャル装置3、及びフロントディファレンシャル装置11等は、一体的にケース12内に設けられている。
【0015】
上記リヤディファレンシャル装置7に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸13rlを介して左後輪14rlに、後輪右ドライブ軸13rrを介して右後輪14rrにそれぞれ伝達される。また、フロントディファレンシャル装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13flを介して左前輪14flに、前輪右ドライブ軸13frを介して右前輪14frにそれぞれ伝達される。
【0016】
上記センターディファレンシャル装置3は、上記ケース12内後方に設けられており、回転自在に収納したキャリヤ16の前方からトランスミッション出力軸2aが回転自在に挿入され、後方からリヤドライブ軸4が回転自在に挿入されている。
【0017】
トランスミッション出力軸2aの後端部には、大径の第1のサンギヤ17が軸着され、後輪への出力を行うリヤドライブ軸4の前端部には、小径の第2のサンギヤ18が軸着されており、キャリヤ16内に第1のサンギヤ17と第2のサンギヤ18が格納されている。
【0018】
そして、第1のサンギヤ17が小径の第1のピニオン19と噛合して第1の歯車列が形成され、第2のサンギヤ18が大径の第2のピニオン20と噛合して第2の歯車列が形成されている。第1のピニオン19と第2のピニオン20は一体に形成されており、複数対(例えば3対)のピニオンが、キャリヤ16に回転自在に軸支されている。また、キャリヤ16は、前端にトランスファドライブギヤ8が連結されて、このキャリヤ16から前輪への出力が行われる。
【0019】
すなわち、センターディファレンシャル装置3は、トランスミッション出力軸2aからの駆動力が第1のサンギヤ17に伝達され、第2のサンギヤ18からリヤドライブ軸4へ出力すると共に、キャリヤ16からトランスファドライブギヤ8,トランスファドリブンギヤ9を経てフロントドライブ軸10へ出力するリングギヤのない複合プラネタリギヤ式に構成されている。
【0020】
そして、複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置3は、第1,第2のサンギヤ17,18、及びこれらサンギヤ17,18の周囲に複数個配置される第1,第2のピニオン19,20の歯数を適切に設定することで差動機能を有する。
【0021】
また、第1,第2のサンギヤ17,18と第1,第2のピニオン19,20との噛み合いピッチ円半径を適宜設定することで、基準トルク配分が前後50:50の等トルク配分、或いは、前後どちらかに偏重した不等トルク配分が可能となる。
【0022】
更に、第1,第2のサンギヤ17,18と第1,第2のピニオン19,20とを、例えば、斜歯歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列の捩れ角を異にして、スラスト荷重を相殺させることなくスラスト荷重を残留させてピニオン端面間に摩擦トルクを生じさせ、又、第1,第2のピニオン19,20とこれら第1,第2のピニオン19,20を軸支するキャリヤ16の軸部の表面に、噛合いによる分離,接線荷重の合成力が作用して摩擦トルクが生じるように設定し、入力トルクに比例した差動制限トルクを得ることでセンターディファレンシャル装置3自身で差動制限機能を有したものとなる。
【0023】
また、上記センターディファレンシャル装置3のキャリヤ16と上記リヤドライブ軸4との間には、油圧式多板クラッチによるトランスファクラッチ21が配設されており、このトランスファクラッチ21の締結力を制御することで、前後輪のトルク配分が、直結による4WDからセンターディファレンシャル装置3によるトルク配分比の範囲で可変制御することが可能となっている。
【0024】
一方、上記リヤディファレンシャル装置7は、左右輪間の差動機能と動力配分機能を有するもので、ベベルギヤ式の差動機構部22と、3つの歯車列からなる歯車機構部23と、油圧式クラッチ手段として2つの油圧式多板クラッチ24a,24bからなるクラッチ機構部24とから主に構成されており、これらはディファレンシャルキャリア25内に一体的に収容されている。
【0025】
そして、上記ドライブピニオン6は、差動機構部22のディファレンシャルケース26の外周に設けられたファイナルギヤ27と噛合され、センターディファレンシャル装置3から後輪側に配分された駆動力を伝達する。
【0026】
上記差動機構部22は、ディファレンシャルケース26に固定したピニオンシャフト28に回転自在に軸支されたディファレンシャルピニオン(ベベルギヤ)29と、これに噛み合う左右のサイドギヤ(ベベルギヤ)30L,30Rをディファレンシャルケース26内に収容して構成され、これらサイドギヤ30L,30Rには後輪左右ドライブ軸13rl,13rrの端部が、ディファレンシャルケース26内でそれぞれ軸着されている。
【0027】
すなわち、差動機構部22は、ドライブピニオン6の回転によりディファレンシャルケース26がサイドギヤ30L,30Rと同一軸芯上で回転されて、ディファレンシャルケース26内部に形成した歯車機構により左右輪間の差動を行う構成となっている。
【0028】
歯車機構部23は、差動機構部22を挟み、その左右に分割構成されており、ディファレンシャルケース26の左輪側に第1の歯車23z1が固着され、後輪右ドライブ軸13rrには第2の歯車23z2と第3の歯車23z3とが軸着されて、これら第1,第2,第3の歯車23z1,23z2,23z3は、同一回転軸芯上に配設されている。
【0029】
これら第1,第2,第3の歯車23z1,23z2,23z3は、同一回転軸芯上に配設された第4,第5,第6の歯車23z4,23z5,23z6と噛合され、これら第4,第5,第6の歯車23z4,23z5,23z6の回転軸芯に配設されたトルクバイパス軸31の左輪側端部には、第4の歯車23z4が軸着されている。
【0030】
また、上記トルクバイパス軸31の右輪側端部には、左右後輪間の動力配分を行う油圧式クラッチ手段として、クラッチ機構部24の油圧式多板クラッチからなる第2のデフコントロールクラッチ24bが配設されている。そして、トルクバイパス軸31は、第2のデフコントロールクラッチ24bを介して(トルクバイパス軸31をクラッチハブ側、第6の歯車23z6の軸部側をクラッチドラム側として)、第2のデフコントロールクラッチ24bの左側に配置された第6の歯車23z6と連結自在になっている。
【0031】
さらに、トルクバイパス軸31の、差動機構部22と第5の歯車23z5の間の位置には、クラッチ機構部24の油圧式多板クラッチからなる第1のデフコントロールクラッチ24aが配設されている。そして、トルクバイパス軸31は、第1のデフコントロールクラッチ24aを介して(トルクバイパス軸31をクラッチハブ側、第5の歯車23z5の軸部側をクラッチドラム側として)、第1のデフコントロールクラッチ24aの右側に配置された第5の歯車23z5と連結自在になっている。
【0032】
そして、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6の歯車23z1,23z2,23z3,23z4,23z5,23z6のそれぞれの歯数z1,z2,z3,z4,z5,z6は、例えば、82,78,86,46,50,42に設定されており、第1,第4の歯車23z1,23z4の歯車列((z4/z1)=0.56)を基準として、第2,第5の歯車23z2,23z5の歯車列((z5/z2)=0.64)が増速、第3,第6の歯車23z3,23z6の歯車列((z6/z3)=0.49)が減速の歯車列となっている。
【0033】
このため、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bを共に開放した場合、ドライブピニオン6からの駆動力は、そのまま差動機構部22を経て後輪左右ドライブ軸13rl,13rrに等配分される。これに対し、第1のデフコントロールクラッチ24aのみを締結作動させると、ドライブピニオン6からディファレンシャルケース26に伝達された駆動力の一部が、第1の歯車23z1、第4の歯車23z4、トルクバイパス軸31、第1のデフコントロールクラッチ24a、第5の歯車23z5、第2の歯車23z2を経て、後輪右ドライブ軸13rrにバイパスされる。これにより、左後輪14rlに対して右後輪14rrのトルク配分が大きくなり車両の左旋回性が向上する。
【0034】
逆に、第2のデフコントロールクラッチ24bのみを締結作動させると、後輪右ドライブ軸13rrに配分された駆動力の一部が、第3の歯車23z3、第6の歯車23z6、第2のデフコントロールクラッチ24b、トルクバイパス軸31、第4の歯車23z4、第1の歯車23z1を経て、ディファレンシャルケース26に戻される。その結果、右後輪14rrに対し左後輪14rlのトルク配分が大きくなり車両の右旋回性が向上する。
【0035】
また、ケース12内において、センターディファレンシャル装置3のキャリヤ16のトランスファドライブギヤ8には、中間歯車32を介してオイルポンプ駆動ギヤ33が噛合されている。更に、このオイルポンプ駆動ギヤ33の支持軸33aが、油圧発生手段としてのオイルポンプ34のポンプ駆動軸34aの一端に、ワンウェイクラッチ35aを介して連設されている。又、ポンプ駆動軸34aの他端に、電動モータ36がワンウェイクラッチ35bを介して連設されている。
【0036】
上記ワンウェイクラッチ35aは、オイルポンプ駆動ギヤ33の支持軸33aとポンプ駆動軸34aとの関係で、このポンプ駆動軸34aの回転が上記支持軸33aの回転を上回ったとき空転し、一方、ワンウェイクラッチ35bは、ポンプ駆動軸34aと電動モータ36との関係で、ポンプ駆動軸34aの回転が電動モータ36の回転を上回ったとき空転する。
【0037】
ここで、図1に示すように、オイルポンプ34は、その吐出圧を調圧弁37により調圧し、トランスファクラッチ21、及び、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bを作動するための制御油圧を供給する。
【0038】
また、低車速時等、トランスミッション出力軸2aの回転数が低く、オイルポンプ34による必要吐出圧を得られないときに、後述の制御装置60によって電動モータ36を作動し、電動モータ36によりオイルポンプ34を駆動して、必要吐出圧を確保する。
【0039】
次に、各クラッチ21,24a,24bに対する油圧供給系について、図1に基づいて説明する。ケース12の下部の設けられたオイルパン38内のオイルをオイルポンプ34により送出し、必要以上のオイルがチェック弁39を介してオイルパン38に戻される。また、オイルポンプ34から吐出されたオイルは、調圧弁37により調圧され、油圧制御バルブユニット40の第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40b、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに供給される。そして、運転状態に応じ制御装置60により各リニアソレノイド弁40c,40a,40bを電流制御することで、各クラッチ21,24a,24bに供給する制御油圧が生成される。
【0040】
尚、調圧弁37の調圧作用による余剰オイルは、変速機2各部のトランスミッションやトランスファの潤滑に用いられる。
【0041】
ここで、各クラッチ21,24a,24bに供給する制御油圧を生成するオイルポンプ34や油圧制御バルブユニット40は前輪側のケース12内に収容されており、車両前方に位置するのに対し、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bは後輪側のディファレンシャルキャリア25内に収容され、車両後方に位置する。このため、図3に示すように、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bと第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bは、車体下部を引回して配設された油圧配管41,42を介して連通構成される。
【0042】
従って、油圧配管41,42が何等かの原因で損傷すると、オイルポンプ34によるオイルの送出によって、変速機2等のケース12側のオイルまでが、油圧配管41,42の損傷箇所から、大量に漏れ出ることになってしまう。
【0043】
この対策として、本実施の形態においては、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bと第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室とを連通する油圧ラインを、それぞれオイルポンプ34や油圧制御バルブユニットを収容するケース12側の制御側油圧ライン43a,43bと油圧配管41,42を含む被制御側油圧ライン44a,44bとに区画し、且つ、制御側油圧ライン43a,43bの制御油圧を被制御側油圧ライン44a,44bに伝達可能な区画手段45a,45bを、油圧発生源としてのオイルポンプ34を内装するケース12側に配設する。
【0044】
すなわち、ディファレンシャルキャリア25側において、ディファレンシャルキャリア25内に収納されたリヤディファレンシャル装置7、各歯車、及び、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bは、リヤディファレンシャルキャリア25内に貯溜された潤滑油により潤滑される。そして、オイルポンプ34により送出されるケース12側のオイルは、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bによって調圧された制御油圧により、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの作動に用いられるに過ぎない。
【0045】
従って、制御油圧さえ伝達可能であれば、ケース12側の制御側油圧ライン43a,43bと、油圧配管41,42を含むデフコントロールクラッチ24a,24b側の被制御側油圧ライン44a,44bとを、完全に切離すことが可能である。
【0046】
このため、区画手段45a,45bは、図4に示すように、ケース12の油圧配管41,42との接続部、すなわち制御側油圧ライン43a,43bと被制御側油圧ライン44a,44bとの接続部にシリンダ46を形成し、両端外周にシールリング47を装着したピストン48をシリンダ46内にスライド自在に挿通し、シリンダ46の開口端に液密なキャップ49を装着して構成される。これにより、ピストン48を境として制御側油圧ライン43a,43bに連通する第1油圧室50と、被制御側油圧ライン44a,44bに連通する第2油圧室51とが構成される。そして、ピストン48によって、ケース12側の制御側油圧ライン43a,43bと、油圧配管41,42を含むデフコントロールクラッチ24a,24b側の被制御側油圧ライン44a,44bとが区画され、且つ、制御側油圧ライン43a,43bの制御油圧を被制御側油圧ライン44a,44bに伝達することが可能となる。
【0047】
尚、第2油圧室51のピストン48とキャップ49との間には、ピストン48を第1の油圧室50側に付勢するコイルスプリング52が介装されており、このコイルスプリング52の付勢力は制御油圧に対し十分に低い値に設定されている。
【0048】
すなわち、オイルポンプ34から送出されたオイルが調圧弁37を介してそれぞれ第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bに至り、各リニアソレノイド弁40a,40bにより調圧された所定制御油圧のオイルが制御側油圧ライン43a,43bを介して各区画手段45a,45bの第1の油圧室50に供給される。また、各第2の油圧室51から、油圧配管41,42を含む被制御側油圧ライン44a,44bを介して第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に至るまで、予めオイルが充填されている。
【0049】
従って、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bの調圧作用により、制御側油圧ライン43a,43bを介して各区画手段45a,45bの第1の油圧室50に供給されるオイルによる制御油圧が上昇すると、コイルスプリング52の付勢力に抗してピストン48が第2の油圧室51側にスライドし、ピストン48によりオイルが遮断されているものの、ピストン48を介して制御側油圧ライン43a,43bからの制御油圧が、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44a,44bに伝達し、この制御油圧が第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に至ることで、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bが締結作動する。
【0050】
また逆に、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bにより、制御側油圧ライン43a,43bのオイルがドレインされて、各区画手段45a,45bの第1の油圧室50内のオイルによる制御油圧が低下すると、コイルスプリング52の付勢力によりピストン48が第1の油圧室50側にスライドして、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44a,44b、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に至る制御油圧が開放されて低下し、これにより第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bが開放する。
【0051】
また、油圧配管41,42が何等かの原因で損傷しても、区画手段45a,45bのピストン48により、ケース12側の制御側油圧ライン43a,43bと、油圧配管41,42を含むデフコントロールクラッチ24a,24b側の被制御側油圧ライン44a,44bとが区画されて完全に切離されているため、油圧配管41,42の損傷箇所からは、油圧配管41,42中の最低限のオイルが漏れるに過ぎず、ケース12側のオイルが漏れるのを未然に防止することが可能となる。
【0052】
次に、制御装置60による制御系について説明する。制御装置(以下、「TCU」と略称する)60は、マイクロコンピュータと、A/D変換器や駆動回路等の各種周辺回路とから構成され、入力ポートに、運転状態を検出するため、各車輪の車輪速をそれぞれ検出する車輪速センサ61fl,61fr,61rl,61rr、舵角センサ62、前後加速度センサ63、横加速度センサ64、ヨーレートセンサ65、スロットル開度センサ66、エンジン回転数センサ67、変速機油温センサ68、シフト位置(手動変速機の変速段)を検出するシフト位置センサ69(自動変速機搭載車の場合は、レンジ位置を検出するインヒビタスイッチやレンジ位置センサを採用する)、クラッチペダルの踏込みを検出するクラッチペダルスイッチ70(自動変速機搭載車の場合は不要)、ブレーキペダルの踏込みを検出するブレーキスイッチ71が接続されている。
【0053】
また、TCU60の出力ポートに、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40b、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40c、電動モータ36等が接続されている。
【0054】
そして、TCU60は、各センサ,スイッチ類により検出される運転状態に応じて、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40b、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40c、電動モータ36等に対する制御電流値の演算を行い、この制御電流値による制御電流を各リニアソレノイド弁40a,40b,40c、電動モータ36に出力して、前後輪間の動力配分制御、左右後輪間の動力配分制御、電動モータ36によるオイルポンプ34の作動制御等の各種制御を行う。
【0055】
ここで、TCU60による前後輪間の動力配分制御、左右後輪間の動力配分制御、電動モータ36によるオイルポンプ34の作動制御について簡単に説明する。
【0056】
前後輪間の動力配分制御は、例えば、本出願人による特開平8−2274号公報に詳述されており、車速V、舵角θ、実ヨーレートγを用いて車両の横運動の運動方程式に基づき、前後輪のコーナリングパワーを非線形域に拡張して推定し、高μ路での前後輪の等価コーナリングパワーに対する推定した前後輪のコーナリングパワーの比を基に、路面状況に応じて路面摩擦係数μを推定する。
【0057】
そして、この路面摩擦係数μに基づいて予め設定されたマップを参照し、ベースとなるクラッチトルクVTDout0を求める。さらに、このベースクラッチトルクVTDout0に対し、センターディファレンシャル装置3に入力される入力トルクTi(エンジン回転数Neとギヤ比iから演算)、スロットル開度θthおよび実ヨーレートγ、ヨーレート偏差Δγ、横加速度Gyを基に補正を加え、前後輪間動力配分の基本クラッチ締結力FOtbの基となる制御出力トルクVTDout を演算する。そして、この制御出力トルクVTDout を、さらに舵角θで補正して、舵角感応クラッチトルクとしてトランスファクラッチ21における基本クラッチ締結力FOtbとして定める。そして、このクラッチ締結力FOtbを得るための制御油圧を生成するに適正なトランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに対する制御電流値を演算し、この制御電流値による制御電流をトランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに出力して、前後輪間の動力配分制御を行う。
【0058】
本実施の形態のおいては、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに対する制御電流値が低下するに従い、リニアソレノイド弁40cにより調圧される制御油圧が上昇し、この制御油圧によってトランスファクラッチ21の締結力が増加する。また逆に、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに対する制御電流値が上昇するに従い、リニアソレノイド弁40cにより調圧される制御油圧が低下して、トランスファクラッチ21の締結力が減少される。
【0059】
そして、この制御油圧に応じてトランスファクラッチ21が締結作動し、センターディファレンシャル装置3に対する差動制限力となって付与される。
【0060】
また、左右輪間の動力配分制御について説明すると、TCU60は、車速V,ハンドル角θ,実ヨーレートγ,スロットル開度θth,前後加速度Gx,横加速度Gy,ギヤ位置,及びシフト位置等に基づいて、路面状況(低μ路走行状態か否か等)、及び、車両の走行状態(高速か低速か・急旋回か否か・高負荷走行か低負荷走行か(加速状態か)・スリップ状態の有無等)を、予めメモリしておいたマップ、計算式等により求める。
【0061】
そして、路面状況及び車両の走行状態に基づいて、予めメモリされたマップ、演算式等により、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bから動作対象とするクラッチを選択すると共に、該当するデフコントロールクラッチに供給する制御油圧の油圧値を演算する。そして、動作対象とするデフコントロールクラッチに対応するリニアソレノイド弁(40a,40bの何れか)を選択し、演算した制御油圧値を得るに適正なリニアソレノイド弁に対する制御電流値を演算し、この制御電流値による制御電流を該当するリニアソレノイド弁に出力して、左右輪間の動力配分制御を行う。
【0062】
すなわち、路面状況や車両の走行状態により左旋回性の向上が要求されるときには、第1のデフコントロールクラッチ24aに対応して第1のリニアソレノイド弁40aが選択され、第1のリニアソレノイド弁40aによる制御油圧によって第1のデフコントロールクラッチ24aが係合する。また、右旋回性の向上が要求されるときには、第2のデフコントロールクラッチ24bに対応して第2のリニアソレノイド弁40bが選択され、第2のリニアソレノイド弁40bによる制御油圧によって第2のデフコントロールクラッチ24bが係合する。
【0063】
また、本実施の形態においては、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bに対する制御電流値が低下するに従い、リニアソレノイド弁40a,40bにより調圧される制御油圧が上昇し、この制御油圧によって第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bによるバイパストルクが増加する。また逆に、リニアソレノイド弁40a,40bに対する制御電流値が上昇するに従い、リニアソレノイド弁40a,40bにより調圧される制御油圧が低下して、デフコントロールクラッチ24a,24bによるバイパストルクが減少される。
【0064】
また、電動モータ36によるオイルポンプ34の作動制御について説明すると、低車速時、或いは変速機2の後進段(リバースレンジ)が選択されている時、トランスミッション出力軸2aの回転数が低く、オイルポンプ34による必要吐出圧が得られないため、電動モータ36を作動し、電動モータ36によりオイルポンプ34を駆動して、必要吐出圧を確保する。
【0065】
このとき、センターディファレンシャル装置3のトランスファドライブギヤ8から中間歯車32を介してのオイルポンプ駆動ギヤ33の回転数が、電動モータ36の回転数よりも低く、従って、ワンウェイクラッチ35bにより電動モータ36とオイルポンプ駆動軸34aとが連結し、ワンウェイクラッチ35aの空転によりオイルポンプ34に対するエンジン1からの動力伝達が遮断され、電動モータ36によりオイルポンプ34を駆動することが可能となる。
【0066】
そして、車速Vが上昇し、所定車速以上で、トランスミッション出力軸2aの回転数上昇に伴いセンターディファレンシャル装置3側からの駆動によりオイルポンプ34による必要吐出圧が得られる状態となったとき、電動モータ36を停止する。この時には、オイルポンプ駆動ギヤ33と電動モータ36との回転数の大小関係が逆転するため、ワンウェイクラッチ35bが空転して電動モータ36とオイルポンプ34が遮断され、ワンウェイクラッチ35aによりオイルポンプ駆動ギヤ33とオイルポンプ駆動軸34aとが連結し、センターディファレンシャル装置3からの駆動力によりオイルポンプ34を駆動することが可能となる。
【0067】
又、アイドル状態のときは電動モータ36を停止し、非アイドル状態での発進時には、電動モータ36に高速側の設定値(例えば、14A)による電流を通電し、電動モータ36によってオイルポンプ34を高回転で運転させる。その結果、発進と同時にクラッチ圧(制御油圧)が素早く立ち上がり、低μ路、スプリットμ路での発進性を確保することが可能となる。又、アイドル状態時には、電動モータ36を停止するため、バッテリ負担が軽減される。更に、不要なモータ電流の消費が抑制されるので、燃費が向上する。
【0068】
また、油温が低い状態ではオイルの粘度が高く、発進時に電動モータ36を高速回転させても油圧を早期に立ち上げることは難しいため、アイドル状態であっても低油温時には、電動モータ36を低速で回転させることで、トランスファクラッチ21、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの各油圧室に、クラッチ21,24a,24bを作動させることのない程度の予圧を与えておく。その結果、低油温の状態であっても、発進時には制御油圧を素早く立ち上げることが可能となり、制御性が向上する。
【0069】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
エンジン1による駆動力は、変速機2からトランスミッション出力軸2aを経てセンターディファレンシャル装置3の第1のサンギヤ17に入力される。
【0070】
そして、第1,第2のピニオン19,20から第2のサンギヤ18と、第1,第2のピニオン19,20を支持するキャリヤ16とに分配されて伝達し、第2のサンギヤ18の動力は、リヤドライブ軸4を介して後輪側に伝達される。また、キャリヤ16の動力は、トランスファドライブギヤ8,トランスファドリブンギヤ9,フロントドライブ軸10を介して前輪側に伝達され、4輪駆動で走行する。
【0071】
そこで、例えば、前輪側回転数NFと後輪側回転数NRが等しいNF=NRの直進走行の場合は、センターディファレンシャル装置3において第2のサンギヤ18とキャリヤ16とが同一方向に等速回転することで、第1,第2のピニオン19,20は遊星回転しなくなり一体化して回転する。
【0072】
こうして、第1,第2のピニオン19,20とキャリヤ16とが一体化することで両者の間には摩擦トルク等が生じない状態になる。そして、このとき、第1のサンギヤ17のセンターディファレンシャル入力トルクTiに対するキャリヤ16の前輪側トルクと、第2のサンギヤ18の後輪側トルクとのトルク配分は、センターディファレンシャル装置3の歯車諸元が等トルク配分に設定されていれば、この等トルク配分機能の歯車諸元による基準トルク配分となり等トルク配分される。また、不等トルク配分に歯車諸元が設定されていれば、この不等トルク配分機能の歯車諸元による基準トルク配分に前後輪間のトルク配分が設定される。
【0073】
一方、前輪側回転数NFが後輪側回転数NRより大きくなるNF>NRの旋回または前輪側スリップ時には、センターディファレンシャル装置3の第1,第2のピニオン19,20が遊星回転し、差動機能を有する歯車諸元により差動作用する。このため旋回時には、前後輪の回転数差が吸収されて、滑らかに旋回することになる。
【0074】
そして、このとき第1,第2のピニオン19,20の遊星回転に伴い、その捩れ角の違いによるスラスト荷重が、第1,第2のピニオン19,20の一方の端面の部分に作用する。また、ギヤ噛合い点の分離,接線荷重の合成力が第1,第2のピニオン19,20とこれら第1,第2のピニオン19,20を軸支するキャリヤ16の軸部の部分に作用して、両者によりピニオン回転と反対方向の摩擦トルクが発生し、これに基づく差動制限トルクがセンターディファレンシャル装置3自身の差動制限トルクとして生じるようになる。
【0075】
そして、この条件では、差動制限トルクがキャリア16の回転を損うように作用することで、差動制限トルクが後輪側に移動して、トルク配分は基準トルク配分より後輪偏重になる。このため、旋回時の回頭性、操縦性が向上する。また、前輪スリップ時には、前輪側トルクの減少により、そのスリップが防止される。
【0076】
逆に、後輪側回転数NRが前輪側輪回転数NFより大きいNR>NFの後輪スリップ時には、センターディファレンシャル装置3の第1,第2のピニオン19,20が前後輪の回転数差により遊星回転して摩擦トルクを発生する。この条件では、差動制限トルクがキャリヤ16の回転を促すように作用して前輪側に移動するようになり、このため基準トルク配分より前輪側に多いトルク配分になって後輪側トルクが減少し、これにより後輪スリップが防止される。
【0077】
尚、上記遊星歯車機構による差動制限トルクは、入力トルクに対し比例的に生じるため、前後輪のトルクの大小に対して常に同じ割合になり、差動制限機能が常に一定の割合で発揮される。
【0078】
また、センターディファレンシャル装置3による前後輪間の動力配分機能を最大限に活用するため、TCU60による前後輪間の動力配分制御が行われる。すなわち、上述のように、TCU60は、車両の走行状態や路面状況に応じた前後輪間の動力配分を得るに適正なトランスファクラッチ21によるクラッチ締結力を演算し、このクラッチ締結力を得るための制御油圧を生成するに適正な制御電流値による制御電流をトランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cに出力する。
【0079】
これにより、オイルポンプ34から吐出し調圧弁37を経て調圧されたオイルが、トランスファクラッチ制御用リニアソレノイド弁40cによって所定の制御油圧に調圧されてトランスファクラッチ21に供給される。そして、トランスファクラッチ21によるクラッチ締結力によって、センターディファレンシャル装置3に対し差動制限力が付与されて、車両の走行状態や路面状況に応じた適切な前後輪間の動力配分量が得られる。
【0080】
一方、上記センターディファレンシャル装置3により分配された後輪側への駆動力は、リヤドライブ軸4からプロペラシャフト5、ドライブピニオン6を経てリヤディファレンシャル装置7に入力され、ファイナルギヤ27を介してディファレンシャルケース26に入力される。
【0081】
まず、差動機構部22の作用について説明すると、ディファレンシャルケース26が回転されピニオンシャフト28が回転されると、左右輪間に回転差が無い場合には、このピニオンシャフト28に回転自在に設けたディファレンシャルピニオン29がピニオンシャフト28に対して回転せず、このピニオンシャフト28と一体になって公転し、左右のサイドギヤ30L,30Rを等速で回転させ、後輪左右ドライブ軸13rl,13rrに駆動力を伝達する。
【0082】
そして、左右輪間に回転差が生じた場合に、ディファレンシャルピニオン29がピニオンシャフト28に対して回転し、左右輪間の回転差を許容して左右輪間に駆動力を伝達する。
【0083】
次に、歯車機構部23とクラッチ機構部24の作用について説明すると、ディファレンシャルケース26の回転により、このディファレンシャルケース26に固設された第1の歯車23z1が回転し、この第1の歯車23z1に噛合された第4の歯車23z4が回転され、この第4の歯車23z4と回転軸芯上に一体のトルクバイパス軸31が回転される。
【0084】
このトルクバイパス軸31の回転により、トルクバイパス軸31上に一体に設けられた第1のデフコントロールクラッチ24aを構成するクラッチハブと、第2のデフコントロールクラッチ24bを構成するクラッチハブも回転される。
【0085】
また、後輪右ドライブ軸13rrの回転と共に、この後輪右ドライブ軸13rrに固設された第2,第3の歯車23z2,23z3が回転され、これら第2,第3の歯車23z2,23z3と噛合されている第5,第6の歯車23z5,23z6が回転される。
【0086】
そして、第5の歯車23z5の回転により、第5の歯車23z5の回転軸に一体に設けられた第1のデフコントロールクラッチ24aを構成するクラッチドラムが回転されまた、第6の歯車23z6の回転により、第6の歯車23z6の回転軸に一体に設けられた第2のデフコントロールクラッチ24bを構成するクラッチドラムが回転される。
【0087】
一方、上述の如く制御されたオイルポンプ34からは、調圧弁37で調圧された油圧が、ケース12内の油圧制御バルブユニット40を構成する第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bに供給される。
【0088】
そして、上述のように、TCU60は、車両の走行状態及び路面状況に応じ、左右後輪間での最適な駆動力配分量を演算し、この駆動力配分量を得るに適正な制御電流値による制御電流を第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bに出力する。
【0089】
すなわち、TCU60は、右旋回にとき、第1のデフコントロールクラッチ24aを開放すると共に、車両の運転状態及び路面状況に応じ、第2のデフコントロールクラッチ24bを所定締結力によって接続すべく左右後輪間の動力配分を制御する。
【0090】
このため、TCU60は、第1のデフコントロールクラッチ24aに供給する制御油圧(クラッチ油圧)を調圧する第1のリニアソレノイド弁40aに対し、第1のデフコントロールクラッチ24aを開放するため制御油圧をドレインするに適正な制御電流値による制御電流を出力し、また、第2のデフコントロールクラッチ24bに供給する制御油圧(クラッチ油圧)を調圧する第2のリニアソレノイド弁40bに対し、車両の走行状態や路面状況に応じた左右後輪間の動力配分を得るに適正な第2のデフコントロールクラッチ24bによるクラッチ締結力を演算して、このクラッチ締結力を得るための制御油圧を生成するに適正な制御電流値による制御電流を出力する。
【0091】
そして、TCU60からの制御電流に応じ、第1のリニアソレノイド弁40aにより制御側油圧ライン43aにオイルがドレインされて、区画手段45aの第1の油圧室50内のオイルによる制御油圧が低下し、コイルスプリング52の付勢力によりピストン48が第1の油圧室50側にスライドして、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44a、第1のデフコントロールクラッチ24aの油圧室に至る制御油圧が開放されて低下し、これにより第1のデフコントロールクラッチ24aが開放する。
【0092】
また、TCU60からの制御電流に応じ、第2のリニアソレノイド弁40bの調圧作用により、制御側油圧ライン43bを介して区画手段45bの第1の油圧室50に供給されるオイルによる制御油圧が上昇し、コイルスプリング52の付勢力に抗してピストン48が第2の油圧室51側にスライドし、ピストン48を介して制御側油圧ライン43bからの制御油圧が、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44bに伝達し、この制御油圧が第2のデフコントロールクラッチ24bの油圧室に至ることで、第2のデフコントロールクラッチ24bが所望とするクラッチ締結力により締結作動(滑り接続)する。
【0093】
その結果、第2のデフコントロールクラッチ24bの締結により、後輪右ドライブ軸13rrの駆動力の一部、すなわち右輪側への駆動トルクの一部が、前述の歯車機構部23における各歯車列のギヤ比の設定により、第3の歯車23z3、第6の歯車23z6、第2のデフコントロールクラッチ24b、トルクバイパス軸31、第4の歯車23z4、第1の歯車23z1を介して、ディファレンシャルケース26から後輪左ドライブ軸13rlに移行される。これにより、右旋回のときには、外輪側の左後輪14rlの駆動トルクが、内輪側の右後輪14rrの駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上する。
【0094】
一方、左旋回のときには、外輪側の右後輪14rrの駆動トルクを、内輪側の左後輪14rlの駆動トルクよりも大きくすることで旋回性能を向上する。
【0095】
このため、左旋回のとき、TCU60は、車両の運転状態及び路面状況に応じ第1のデフコントロールクラッチ24aを所定締結力によって接続すると共に、逆に、第2のデフコントロールクラッチ24bを開放すべく左右後輪間の動力配分を制御する。
【0096】
このとき、TCU60は、第1のデフコントロールクラッチ24aに供給する制御油圧(クラッチ油圧)を調圧する第1のリニアソレノイド弁40aに対し、車両の走行状態や路面状況に応じた左右後輪間の動力配分を得るに適正な第1のデフコントロールクラッチ24aによるクラッチ締結力を演算して、このクラッチ締結力をえるための制御油圧を生成するに適正な制御電流値による制御電流を出力する。また、第2のデフコントロールクラッチ24bに供給する制御油圧(クラッチ油圧)を調圧する第2のリニアソレノイド弁40bに対しては、第2のデフコントロールクラッチ24bを開放するため制御油圧をドレインするに適正な制御電流値による制御電流を出力する。
【0097】
そして、TCU60からの制御電流に応じ、第1のリニアソレノイド弁40aの調圧作用により、制御側油圧ライン43aを介して区画手段45aの第1の油圧室50に供給されるオイルによる制御油圧が上昇し、コイルスプリング52の付勢力に抗してピストン48が第2の油圧室51側にスライドし、ピストン48を介して制御側油圧ライン43aからの制御油圧が、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44aに伝達し、この制御油圧が第1のデフコントロールクラッチ24aの油圧室に至ることで、第1のデフコントロールクラッチ24aが所望とするクラッチ締結力により締結作動(滑り接続)する。
【0098】
また、TCU60からの制御電流に応じ、第2のリニアソレノイド弁40bにより制御側油圧ライン43bのオイルがドレインされて、区画手段45bの第1の油圧室50内のオイルによる制御油圧が低下し、コイルスプリング52の付勢力によりピストン48が第1の油圧室50側にスライドして、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44b、第2のデフコントロールクラッチ24bの油圧室に至る制御油圧が開放されて低下し、これにより第2のデフコントロールクラッチ24bが開放する。
【0099】
その結果、第1のデフコントロールクラッチ24aの締結により、ディファレンシャルケース26の伝達された駆動力の一部が、前述の歯車機構部23における各歯車列のギヤ比の設定により、第1の歯車23z1、第4の歯車23z4、トルクバイパス軸31、第1のデフコントロールクラッチ24a、第5の歯車23z5、第2の歯車23z2を介して、ディファレンシャルケース26から後輪右ドライブ軸13rrに直接パイパスされ移行される。これにより、左旋回のときには、外輪側の右後輪14rrの駆動トルクが、内輪側の左後輪14rlの駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上する。
【0100】
ところで、オイルポンプ34近傍のケース12内の第1、第2のリニアソレノイド弁40a,40bから制御側油圧ライン43a,43b、区画手段45a,45bを経て、車体下部を引回して配設された油圧配管41、42を含む被制御側油圧ラインを介し、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に付加される各制御油圧(クラッチ油圧)は、区画手段45a,45bにおいて、以下のように伝達される。
【0101】
第1、第2のリニアソレノイド弁40a,40bにより調圧されて生成された制御油圧(クラッチ油圧)は、制御側油圧ライン43a,43bを介して区画手段45a,45bの各第1油圧室50に伝達し、この油圧に応じ、コイルスプリング52の付勢力に抗してピストン48がスライド変位する。そして、ピストン48の移動量に応じ第2油圧室51の体積が可変され、この体積変化に応じた油圧が被制御側油圧ライン44a,44bを介して第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に伝達され、制御油圧に応じたクラッチ締結力により第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bが締結作動する。
【0102】
また、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bにより制御側油圧ライン43a,43bのオイルがドレインされることで、第1,第2の区画手段45a,45bの各第1油圧室50内のオイルによる制御油圧が低下し、スプリング52の付勢力により、ピストン48が第1の油圧室50側にスライドして、第2の油圧室51、被制御側油圧ライン44a,44b、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧室に至る油圧が開放されて低下し、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bが開放する。
【0103】
そして、各区画手段45a,45bにおける第1の油圧室50と第2の油圧室51は、ピストン48及びピストン48両端の外周に装着されたシールリング47により完全に分離される。このため、オイルポンプ34、第1,第2のリニアソレノイド弁40a,40bからのケース12側の制御側油圧ライン43a,43bと、油圧配管41,42を含むデフコントロールクラッチ24a,24b側の被制御側油圧ライン44a,44bとが完全に切離される。
【0104】
従って、制御油圧を生成するオイルポンプ34や油圧制御バルブユニット40を内装したケース12側と、制御油圧供給対象の第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bを内装したデファレンシャルキャリア25とが離間し、油圧配管41,42を介して、これらが接続されている場合、何等かの原因で油圧配管41,42が損傷(破損)したとしても、被制御側油圧ライン44a,44bの最小限のオイルが油圧配管41,42から漏れるに過ぎず、変速機2、オイルポンプ34や油圧制御バルブユニット40を内装したケース側のオイルについては全く影響を受けず、これら油圧発生源側からのオイル漏れは確実に防止される。これにより、油圧配管41,42が損傷したとしても、少なくとも車両走行を継続することが可能となり、リンプホーム機能が与えられる。
【0105】
特に、自動変速機搭載車において、自動変速機のATFオイルをデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧源として用いる場合、油圧配管41,42が破損したとしても、自動変速機側のATFオイルが油圧配管41,42の破損箇所から漏れ出ることが解消され、自動変速機側のダメージを解消することが可能となる。
【0106】
尚、本実施の形態においては、変速機2、オイルポンプ34や油圧制御バルブユニット40を内装したケース12と、左右後輪間の動力配分を行う第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bを内装したデファレンシャルキャリア25とが離間し、これらを油圧配管41,42を介して接続した場合について説明したが、本発明は、これに限定されず、例えば、センターデファレンシャル装置3がケース12と別体で構成され、油圧発生源を内装するケース側と前後輪間の動力配分を行うトランスファクラッチが装着されたセンターディファレンシャル装置とが離間し、これらを油圧配管を介して接続する場合においても、適用することが可能である。また、左右前輪間の動力配分を行う場合において、油圧発生源を内装するケース側とデフコントロールクラッチを内装するフロントデファレンシャルキャリアとが離間し、これらを油圧配管により接続する場合においても、本発明を適用できる。
【0107】
すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々のものに適用され得る。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、発明によれば、油圧発生手段を内装するケースに配設されたシリンダ、ピストンにより、油圧発生手段側の油圧制御ラインと油圧配管を構成する油圧式クラッチ手段側の被制御油圧制御ラインとが切り離されてシリンダ、ピストンを介して油圧制御ラインから被制御油圧ラインに制御油圧を伝達するので、油圧発生手段を内装するケース側と、制御油圧供給対象の油圧式クラッチ手段とが離間し、油圧配管を介して、これらが接続されている場合に、何等かの原因で油圧配管が損傷しても、油圧発生手段側の制御油圧ラインと、油圧配管を構成する被制御油圧ラインは、油圧発生手段を内装するケースに配設されたシリンダ、ピストンにより区画されてオイルが分離されるため、油圧発生手段を内装したケース側のオイルについては全く影響を受けず、これら油圧発生手段側からのオイル漏れを確実に防止することができる。これにより、油圧配管が損傷したとしても、少なくとも車両走行を継続することが可能となり、リンプホーム機能を与えることができる。
【0109】
また、油圧ラインの油圧発生手段側近傍にシリンダを設け、このシリンダ内にスライド自在なピストンを配設するので、シリンダ内のスライド自在なピストンによって、油圧発生手段側の制御油圧ラインと油圧配管を構成する被制御油圧ラインとを確実に区画して、ピストンを介して制御油圧を油圧式クラッチ手段に確実に伝達することができ、簡単な構成で実現することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧系の回路図
【図2】車両の動力伝達系を示す全体概略図
【図3】油圧配管の構成を示す斜視図
【図4】区画手段の断面図
【符号の説明】
12 ケース
24a,24b 第1、第2のデフコントロールクラッチ(油圧式クラッチ手段)
34 オイルポンプ(油圧発生手段)
40a,40b 第1,第2のリニアソレノイド弁
41、42 油圧配管
43a,43b 制御側油圧ライン
44a,44b 被制御側油圧ライン
45a,45b 区画手段
46 シリンダ
48 ピストン

Claims (2)

  1. 伝達容量可変な油圧式クラッチ手段に供給する油圧を可変制御して、左右輪間と前後輪間との少なくとも一方を動力配分制御すると共に、上記油圧式クラッチ手段と油圧発生手段とが離間して油圧配管を介して接続される車両の動力配分制御装置において、
    上記油圧発生手段を内装するケースに、上記油圧発生手段からの制御油圧ラインと油圧配管を構成する上記油圧式クラッチ手段側の被制御油圧ラインとを切り離して上記制御油圧を伝達自在なシリンダを設け、
    上記シリンダ内にピストンをスライド自在に挿通し、該ピストンを境として上記制御油圧ラインに連通する第1油圧室と上記被制御油圧ラインに連通する第2油圧室を設け、上記第2油圧室は上記被制御油圧ラインの配管と接続する構成としたことを特徴とする車両の動力配分制御装置。
  2. 上記ピストンは、両端の外周にシールリングを装着したことを特徴とする請求項1記載の車両の動力配分制御装置。
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