JP4944660B2 - 車両用駆動力配分装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクを左右の車輪の回転軸に任意の比率で配分する車両用駆動力配分装置に関する。
従来の車両用駆動力配分装置として、特許文献1に記載のものが知られている。この従来の車両用駆動力配分装置は、トルク伝達手段を具備している。このトルク伝達手段は、複数の3連ピニオン部材と、キャリヤ部材と、第1〜第3サンギヤと、増速用の油圧クラッチと、減速用の油圧クラッチと、を備えている。
前記複数の3連ピニオン部材の各々は、第1〜第3ピニオンを一体に備えている。前記キャリヤ部材は、前記複数の3連ピニオン部材を回転自在に支持する。前記第1〜第3サンギヤは、前記第1〜第3ピニオンにそれぞれ噛合している。前記増速用の油圧クラッチは、前記第3サンギヤをケーシングに結合する。前記減速用の油圧クラッチは、前記キャリヤ部材を前記ケーシングに結合する。
従来の車両用駆動力配分装置は、前記増速用の油圧クラッチ及び前記減速用の油圧クラッチを選択的に締結することにより左右の車輪の間でトルクを伝達するようになっている。この場合に、従来の車両用駆動力配分装置においては、前記増速用の油圧クラッチ及び前記減速用の油圧クラッチの油圧を制御する油圧制御部が駆動力配分指示信号を受けたときに初めて油圧加圧指示信号を生成して配分機構部に与えて前記増速用の油圧クラッチ及び前記減速用の油圧クラッチを選択的に締結させる。
特許第3104157号公報
しかしながら、従来の車両用駆動力配分装置においては、油圧制御部が駆動力配分指示信号を受けたときに初めて油圧加圧指示信号を生成して配分機構部に与え、かつ、配分機構部の動作の開始に所定の時間が必要であるため、応答性が悪いという問題がある。
例えば、従来の車両用駆動力配分装置が、左右の駆動力の配分制御を行うための油圧クラッチと、前記油圧クラッチに対し加える油圧を制御する油圧制御部と、前記配分機構部である油圧回路と、前記油圧クラッチに対しプリロード圧を加えるリターンスプリングと、を具備しているものを例として説明する。
前記油圧制御部は、駆動力配分指示信号を受けたときに初めて図9(a)の特性線C1に示す油圧加圧指示信号を生成して油圧回路(配分機構部)に与える。この油圧加圧指示信号は、指示の油圧を示すものである。この場合に、リターンスプリングが油圧クラッチに対しプリロード圧を常に加えているため、油圧回路(配分機構部)による油圧は、図9(b)の特性線D1に示すように前記駆動力配分指示信号を受けたときから時間tdだけ遅延して立ち上がることになる。このため、リターンスプリングを具備する従来の車両用駆動力配分装置においては、応答性が悪いという問題がある。
本発明の目的は、応答性を向上させることができる車両用駆動力配分装置を提供することにある。
本発明の第1のものに係る車両用駆動力配分装置は、ドライバの操作の情報、車両の挙動動作の情報、又は、カーナビゲーション装置からの情報に基づいて駆動力の配分制御を予知する配分制御予知手段と、前記配分制御予知手段による前記予知を受けたときに駆動力の配分制御の準備をする配分制御準備手段と、駆動力の配分制御を行うための油圧クラッチと、前記油圧クラッチに対しプリロード圧を加えるリターンスプリングと、を具備し、前記配分制御準備手段は、前記配分制御予知手段による前記予知を受けたときに前記油圧クラッチに前記プリロード圧又は当該プリロード圧未満であって当該プリロード圧に近い圧を加える構成を採る。
本発明の第1のものによれば、駆動力の配分制御を予知し、駆動力の配分制御の準備を
するため、応答性を向上させることができる。
また、ドライバの操作の情報、車両の挙動動作の情報、又は、カーナビゲーション装置からの情報に基づいて左右の駆動力の配分制御を予知し、駆動力の配分制御の準備をするため、応答性を向上させることができる。
また、駆動力の配分制御を予知し、油圧クラッチにプリロード圧又は当該プリロード圧未満であって当該プリロード圧に近い圧を加えるため、応答性を向上させることができる。
本発明によれば、応答性を向上させることができる車両用駆動力配分装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るフロントエンジン・フロントドライブ車の動力伝達系を示すスケルトン図である。図2は、本発明の一実施の形態に係るピニオン及びサンギヤの歯数の関係を示す図である。図3は、本発明の一実施の形態に係る車両用駆動力配分装置における右旋回時の作用を説明するための図である。図4は、本発明の一実施の形態に係る車両用駆動力配分装置における左旋回時の作用を説明するための図である。
図1に示すように、車体前部に横置きに搭載したエンジンEの右端にトランスミッションMが接続されている。これらのエンジンE及びトランスミッションMの後部にトルク伝達手段Tが配設される。トルク伝達手段Tの左端及び右端から左右に延出する左車軸AL及び右車軸ARには、それぞれ左前輪WFL及び右前輪WFRが接続される。
トルク伝達手段Tは、差動装置Dを具備する。差動装置Dは、トランスミッションMから延びる入力軸1に設けた入力ギヤ2に噛合する外歯ギヤ3から駆動力が伝達される。差動装置Dは、ダブルピニオン式の遊星歯車機構よりなる。すなわち、差動装置Dは、リングギヤ4と、サンギヤ5と、アウタプラネタリギヤ6と、プラネタリキャリヤ8と、を具備する。
リングギヤ4は、外歯ギヤ3と一体に形成されている。サンギヤ5は、リングギヤ4の内部に同軸に配設されている。アウタプラネタリギヤ6は、リングギヤ4に噛合している。プラネタリキャリヤ8は、サンギヤ5に噛合するインナプラネタリギヤ7を、それらが相互に噛合する状態で支持している。
差動装置Dは、そのリングギヤ4が入力要素として機能するとともに、一方の出力要素として機能するサンギヤ5が左出力軸9Lを介して左前輪WFLに接続されている。また、差動装置Dは、他方の出力要素として機能するプラネタリキャリヤ8が右出力軸9Rを介して右前輪WFRに接続される。左出力軸9L及び右出力軸9Rは、本実施の形態における回転軸を構成する。
キャリヤ部材11は、左出力軸9Lの外周に回転自在に支持されている。キャリヤ部材11は、円周方向に90°間隔で配置された4本のピニオン軸12を備えている。3連ピニオン部材16は、第1ピニオン13、第2ピニオン14及び第3ピニオン15を一体に形成されている。3連ピニオン部材16は、各ピニオン軸12にそれぞれ回転自在に支持される。3連ピニオン部材16の数Nは、実施の形態では4個であるが、その数は4個に限定されず2個以上であれば良い(N=2、3、4、5、6…)。
第1サンギヤ17は、左出力軸9Lの外周に回転自在に支持されて前記第1ピニオン13に噛合している。第1サンギヤ17は、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8に連結される。また、第2サンギヤ18は、左出力軸9Lの外周に固定されている。第2サンギヤ18は、第2ピニオン14に噛合している。更に、第3サンギヤ19は、左出力軸9Lの外周に回転自在に支持されている。第3サンギヤ19は、第3ピニオン15に噛合している。
実施の形態における第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数は、以下のとおりである。
第1ピニオン13の歯数Z=17、第2ピニオン14の歯数Z=17、第3ピニオン15の歯数Z=34、第1サンギヤ17の歯数Z=32、第2サンギヤ18の歯数Z=28、第3サンギヤ19の歯数Z=32である。
なお、相互に噛合する第1ピニオン13及び第1サンギヤ17のモジュールを一致させ、相互に噛合する第2ピニオン14及び第2サンギヤ18のモジュールを一致させ、かつ、相互に噛合する第3ピニオン15及び第3サンギヤ19のモジュールを一致させれば、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19のモジュールを全て一致させる必要はない。
図2から明らかなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14及び第3ピニオン15の歯数は、それらの最小歯数をZminとすると、Zminの倍数であるZmin、2Zmin、3Zmin、4Zmin、5Zmin…の何れかとなるように設定される。即ち、実施の形態では前記最小歯数Zminは第1ピニオン13の歯数Z及び第2ピニオン14の歯数ZのZmin=17であり、かつ、第3ピニオン15の歯数Zは2Zmin=34となるように設定される。
第1ピニオン13、第2ピニオン14及び第3ピニオン15の歯数を上述の如く設定することにより、3連ピニオン部材16(図1参照)の第1、第2、第3ピニオン13、14、15のそれぞれの歯の位相を円周方向に揃えることができる。
また、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数は、3連ピニオン部材16(図1参照)の数Nに基づいて、Nの倍数であるN、2N、3N、4N、5N…の何れかとなるように設定される。即ち、実施の形態ではN=4であり、第1サンギヤ17の歯数Z及び第3サンギヤ19の歯数Zは8N=32に設定されるとともに、第2サンギヤ18の歯数Zは7N=28に設定される。
第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数を上述のように設定することにより、第1、第2、第3サンギヤ17、18、19の円周方向に90°離間した4つの位置、即ち、4本の3連ピニオン部材16(図1参照)が噛合する位置において、第1、第2、第3サンギヤ17、18、19のそれぞれの歯の位相を一致させることができる。その結果、第1、第2、第3ピニオン13、14、15の歯の位相をそれぞれ異ならせた複数種類の3連ピニオン16を製造する必要がなくなり、4個の3連ピニオン16に同一部材を使用することが可能となる。
そして、第1サンギヤ17及びプラネタリキャリヤ8(図1参照)は、第1ピニオン13を右出力軸9R(図1参照)に連結する第1連結手段を構成する。第2サンギヤ18は、第2ピニオン14を左出力軸9L(図1参照)に連結する第2連結手段を構成する。
第3サンギヤ19は、増速用の油圧クラッチCa(図1参照)を介してケーシング20(図1参照)に結合可能である。第3サンギヤ19及び増速用の油圧クラッチCaは、第3連結手段を構成するもので、増速用の油圧クラッチCaの係合によってキャリヤ部材11の回転速度を増速する。
キャリヤ部材11(図1参照)は、減速用の油圧クラッチCd(図1参照)を介してケーシング20(図1参照)に結合可能である。減速用の油圧クラッチCdは、本発明の第4連結手段を構成するもので、その係合によってキャリヤ部材11の回転速度を減速する。
そして、図3に示すように、前記減速用の油圧クラッチCd及び増速用の油圧クラッチCaは、車速V、操舵角θ、駆動力配分指示信号DDI及び駆動力の配分制御の予知又は終了判断のための情報CTDが入力される電子制御ユニット23により油圧回路24を介して制御される。
次に、前記の構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する(適宜図1〜図4参照)。
車両の直進走行時には減速用の油圧クラッチCd及び増速用の油圧クラッチCaが共に非係合状態とされる。これにより、キャリヤ部材11及び第3サンギヤ19の拘束が解除され、左車軸9L、右車軸9R、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8及びキャリヤ部材11は全て一体となって回転する。このとき、図1に太い矢印で示したように、エンジンEのトルクは差動装置Dから左右の前輪WFL、WFRに均等に伝達される。
さて、車両の右旋回時には、図3に示すように、電子制御ユニット23及び油圧回路24を介して減速用の油圧クラッチCdが係合し、キャリヤ部材11をケーシング20に結合して停止させる。このとき、左前輪WFLと一体の左出力軸9Lと、右前輪WFRと一体の右出力軸9R即ち、差動装置Dのプラネタリキャリヤ8とは、第2サンギヤ18、第2ピニオン14、第1ピニオン13及び第1サンギヤ17を介して連結されているため、左前輪WFLの回転速度NLは右前輪WFRの回転速度NRに対して次の(1)式の関係で増速される。
Figure 0004944660
上述のようにして、左前輪WFLの回転速度NLが右前輪WFRの回転速度NRに対して増速されると、図3に太い矢印で示したように、旋回内輪である右前輪WFRのトルクの一部を旋回外輪である左前輪WFLに伝達することができる。
なお、キャリヤ部材11を減速用の油圧クラッチCdにより停止させる代わりに、減速用の油圧クラッチCdの係合力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転速度を減速すれば、その減速に応じて左前輪WFLの回転速度NLを右前輪WFRの回転速度NRに対して増速し、旋回内輪である右前輪WFRから旋回外輪である左前輪WFLに任意のトルクを伝達することができる。
一方、車両の左旋回時には、図4に示すように、電子制御ユニット23及び油圧回路24を介して増速用の油圧クラッチCaが係合し、第3ピニオン15が第3サンギヤ19を介してケーシング20に結合される。その結果、左出力軸9Lの回転速度に対してキャリヤ部材11の回転速度が増速され、右前輪WFRの回転速度NRは左前輪WFLの回転速度NLに対して次の(2)式の関係で増速される。
Figure 0004944660
上述のようにして、右前輪WFRの回転速度NRが左前輪WFLの回転速度NLに対して増速されると、図4に太い矢印で示したように、旋回内輪である左前輪WFLのトルクの一部を旋回外輪である右前輪WFRに伝達することができる。この場合にも、増速用の油圧クラッチCaの係合力を適宜調整してキャリヤ部材11の回転速度を増速すれば、その増速に応じて右前輪WFRの回転速度NRを左前輪WFLの回転速度NLに対して増速し、旋回内輪である左前輪WFLから旋回外輪である右前輪WFRに任意のトルクを伝達することができる。
(1)式及び(2)式を比較すると明らかなように、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数を前述の如く設定したことにより、右前輪WFRから左前輪WFLへの増速率(約1.143)と、左前輪WFLから右前輪WFRへの増速率(約1.167)とを略等しくすることができる。
そして、第1ピニオン13、第2ピニオン14、第3ピニオン15、第1サンギヤ17、第2サンギヤ18及び第3サンギヤ19の歯数を前記した条件を満たすように設定したうえで、(1)式及び(2)式の増速率が1.05〜1.20の範囲に収まるように設定すれば、減速用の油圧クラッチCd及び増速用の油圧クラッチCaの係合力を調整することにより、車両の通常の走行条件における左右前輪WFL、WFR間のトルク配分を自由に行うことが可能である。
即ち、車両の中低速走行時には旋回外輪に旋回内輪よりも大きなトルクを伝達して旋回性能を向上させ、また高速走行時には前記中低速走行時に比べて旋回外輪に伝達されるトルクを小さめにして走行安定性能を向上させることが可能である。
次に、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニット23、油圧回路24、増速用の油圧クラッチCa及びリターンスプリングについて、図5を参照して説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニット、油圧回路、増速用の油圧クラッチ及びリターンスプリングの構成を示す図である。
図5に示すように、増速用の油圧クラッチCaは、複数の摩擦係合部材25と、油圧ピストン26と、リターンスプリング27を具備している。複数の摩擦係合部材25は、キャリヤ部材28と増速機構ケース29との間に配置されている。油圧ピストン26は、複数の摩擦係合部材25を相互に当接させる。リターンスプリング27は、油圧ピストン26を戻し方向に所定のプリロード圧で付勢する。
キャリヤ部材28は、増速機構ケース29及び連結機構ケース30にそれぞれボールベアリング31等を介して回転自在に支持されている。油圧ピストン26の戻し方向側には、増速機構ケース29に油圧室32が設けられている。油圧回路24は、油圧室32に油を注入又は排出して油圧により油圧ピストン26を移動させる。この油圧ピストン26の移動により複数の摩擦係合部材25の係合力が制御される。
次に、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニット23について、図6〜図8を参照して説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの構成を示すブロック図である。図7は、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの制御動作を説明するためのフロー図である。図8は、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの制御動作の具体的な1例を説明するための特性図である。
図6に示すように、電子制御ユニット23は、車両の主制御部(図示せず)から車速V、操舵角θ、駆動力配分指示信号DDI及び駆動力の配分制御の予知又は終了判断のための情報CTDを受けて油圧回路24を制御する。電子制御ユニット23は、油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油圧室32(図5参照)に油を注入又は排出させることにより油圧室32の油圧を制御する。これにより、油圧ピストン26(図5参照)が移動されて複数の摩擦係合部材25(図5参照)の係合力が制御される。
図6に示すように、電子制御ユニット23は、配分制御予知部231、配分制御準備部232及び配分制御部233を具備している。配分制御予知部231の出力端子は、配分制御準備部232の入力端子に接続されている。配分制御準備部232の出力端子は、油圧回路24の入力端子に接続されている。配分制御部233の出力端子は、油圧回路24の入力端子に接続されている。
配分制御予知部231は、駆動力の配分制御の予知又は終了判断のための情報CTDを受けてこの情報CTDに基づいて、左右の駆動力の配分制御を予知する。この情報CTDは、ドライバの操作の情報、車両の挙動動作の情報、又は、カーナビゲーション装置からの情報である。前記ドライバの操作の情報としては、アクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作、操舵トルクセンサーが検出するトルク又はウインカー操作等の情報が挙げられる。前記車両の挙動動作の情報としては、ヨーレート又はスリップ角等の情報が挙げられる。カーナビゲーション装置からの情報としては、道路の曲率又は天候などの情報が挙げられる。配分制御予知部231は、例えば、カーナビゲーション装置からの情報でカーブを検出したとき、ステアリングが切られたとき、操舵トルクが大きくなったとき、ウインカーがONされたとき、又は、ヨーレートが増大したときに、駆動力の配分制御を予知する。
配分制御準備部232は、配分制御予知部231による前記予知を受けたときに駆動力の配分制御の準備をする。配分制御準備部232は、駆動力の配分制御の準備として、油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油圧室32(図5参照)に油を注入させることにより油圧室32の油圧をプリロード圧とする。配分制御部233は、車速V、操舵角θ、駆動力配分指示信号DDIを受けこれらに基づいて油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油圧室32に油を注入又は排出させることにより油圧室32の油圧を制御する。
次に、本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニット23の制御動作を図5及び図6と共に図7を参照してより詳細に説明する。
図7に示すように、ステップST101において、配分制御予知部231は、情報CTDに基づいて、左右の駆動力の配分制御を予知する。ステップST101において左右の駆動力の配分制御の予知がなされたときに(ステップST101→Yes)、配分制御準備部232は、駆動力の配分制御の準備を行う(ステップST102)。このときに、配分制御準備部232は、油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油を油圧室32に注入させることにより油圧室32の油圧を前記プリロード圧とする。
次に、配分制御部233は、車速V、操舵角θ、駆動力配分指示信号DDIに対応して油圧加圧指示信号を生成し、この油圧加圧指示信号に基づいて駆動力の配分制御を行う(ステップST103)。次に、配分制御部233は、情報CTDに基づいて駆動力の配分制御が終了かを判断する(ステップST104)。配分制御部233は、情報CTDに基づいて、ハンドルが中立位置に戻ったとき、又は、カーナビゲーション装置からの情報で直線道路を検出したとき、駆動力の配分制御が終了であると判断する。ステップST104において駆動力の配分制御が終了でないときには(ステップST104→No)、ステップST103に戻って駆動力の配分制御が行われる。また、ステップST104において駆動力の配分制御が終了であるときには(ステップST104→Yes)、ステップST105において配分制御部233は駆動力の配分制御の準備を解除してからステップST101に戻る。ステップST105における駆動力の配分制御の準備を解除するとは、配分制御部233が油圧回路24を制御して、この油圧回路24による油圧室32の前記プリロード圧を解除して油圧を0にすることである。
本発明の一実施の形態においては、電子制御ユニット23は、左右の駆動力の配分制御を予知したときに、駆動力配分指示信号DDIを受ける前に、油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油を油圧室32に注入させることにより油圧室32の油圧を前記プリロード圧とする。このため、駆動力配分指示信号DDIに応答して生成される油圧加圧指示信号が図8(a)の特性線A1で示されるときに、油圧室32の油圧は図8(b)の特性線B1で示されるように変化する。前記油圧加圧指示信号は、指示の油圧を示すものである。したがって、油圧室32の油圧は、駆動力配分指示信号DDIを受けたと同時に立ち上がることになる。
なお、図7に示すステップST102において、電子制御ユニット23は、油圧回路24を制御して、この油圧回路24により油を油圧室32に注入させることにより油圧室32の油圧を前記プリロード圧未満であって当該プリロード圧に近い圧としてもよい。このプリロード圧に近い圧とは、例えば、当該プリロード圧未満であって当該プリロード圧の80%以上の圧である。
また、減速用の油圧クラッチCdも、増速用の油圧クラッチCaと同じように構成され、かつ、前記と同様に電子制御ユニット23によって制御される。
以上、本発明の一実施の形態を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明は、左右の駆動輪間のトルク伝達用に限定されず、四輪駆動車両における前後の駆動輪間のトルク伝達用としても用いることができ、更に非駆動輪間の動力伝達装置としても用いることができる。
本発明は、応答性を向上させることができる効果を有し、車両用駆動力配分装置に有用である。
本発明の一実施の形態に係るフロントエンジン・フロントドライブ車の動力伝達系を示すスケルトン図である。 本発明の一実施の形態に係るピニオン及びサンギヤの歯数の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る車両用駆動力配分装置における右旋回時の作用を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る車両用駆動力配分装置における左旋回時の作用を説明するための図である。 本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニット、油圧回路、増速用の油圧クラッチ及びリターンスプリングの構成を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの制御動作を説明するためのフロー図である。 本発明の一実施の形態に係る電子制御ユニットの制御動作の具体的な1例を説明するための特性図である。 従来の車両用駆動力配分装置の制御動作の具体的な1例を説明するための特性図である。
符号の説明
8 プラネタリキャリヤ(第1連結手段)
L 左出力軸(回転軸)
R 右出力軸(回転軸)
11 キャリヤ部材
13 第1ピニオン
14 第2ピニオン
15 第3ピニオン
16 3連ピニオン部材
17 第1サンギヤ(第1連結手段)
18 第2サンギヤ(第2連結手段)
19 第3サンギヤ(第4連結手段)
20 ケーシング(固定部材)
23 電子制御ユニット
24 油圧回路
25 摩擦係合部材
26 油圧ピストン
27 リターンスプリング
28 キャリヤ部材
32 油圧室
231 配分制御予知部(配分制御予知手段)
232 配分制御準備部(配分制御準備手段)
233 配分制御部
Ca 増速用の油圧クラッチ(第3連結手段)
Cd 減速用の油圧クラッチ(第4連結手段)
T トルク伝達手段

Claims (1)

  1. ドライバの操作の情報、車両の挙動動作の情報、又は、カーナビゲーション装置からの情報に基づいて駆動力の配分制御を予知する配分制御予知手段と、
    前記配分制御予知手段による前記予知を受けたときに駆動力の配分制御の準備をする配分制御準備手段と、
    駆動力の配分制御を行うための油圧クラッチと、
    前記油圧クラッチに対しプリロード圧を加えるリターンスプリングと、
    を具備し、
    前記配分制御準備手段は、前記配分制御予知手段による前記予知を受けたときに前記油圧クラッチに前記プリロード圧又は当該プリロード圧未満であって当該プリロード圧に近い圧を加えることを特徴とする車両用駆動力配分装置。
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