JP4699852B2 - 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置 - Google Patents

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Description

この発明は、4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置に関し、さらに詳しくは、後輪寄りに設定されたトルク配分を油圧多板式の差動制限装置によって直結4WDのトルク配分の間まで可変制御する電子制御4WD方式の前後輪駆動力配分装置に関する。
従来、4輪駆動車(AWD車)の4WDシステムには、図7、8に示されるように、複合遊星歯車式のセンタディフアレンシャル装置(センタデフ)1によって設定された後輪寄りのトルク配分(例えば、F45:R55)を、油圧多板式の差動制限装置(LSD)2の差動制限によって、直結4WDのトルク配分(F50:R50)の間まで連続可変制御する不等&可変トルク配分電子制御4WD方式の前後輪駆動力配分装置3がある(例えば、特許文献1参照)。
このような前後輪駆動力配分装置3によると、自動変速機部4からの駆動トルクは、インタミディトシャフト5の第1サンギヤ6から第1ピニオンギヤ7を介して前輪側の出力要素であるキャリヤ8と、第1ピニオンギヤ7と一体形成された第2ピニオンギヤ9を介して後輪側の出力要素である第2サンギヤ10とに一定の比率(後輪偏重)で配分される。キャリヤ8に伝達された駆動トルクは、キャリヤ8からリダクションドライブギヤ11、リダクションドリブンギヤ12を介して前輪を駆動するためのドライブピニオンシャフト13に伝達される。一方、第2サンギヤ10に伝達された駆動トルクは、後輪を駆動するためのリヤドライブシャフト14に伝達される。そして、センタデフ1の前後輪出力要素であるキャリヤ8と第2サンギヤ10とに回転差が生じた場合には、キャリヤ8と第2サンギヤ10との間においてセンタデフ1と並列に配置されたLSD2を差動制限させて、低速回転側の駆動トルクを増大させるように構成されていた。つまり、後輪回転速度が前輪回転速度よりも高い場合には、後輪側の駆動トルクの一部が第2サンギヤ10からLSD2を介してキャリヤ8に伝達され、また、前輪回転速度が後輪回転速度よりも高い場合には、前輪側の駆動トルクの一部がキャリヤ8からLSD2を介して第2サンギヤ10に伝達されるように構成されていた。
しかしながら、上記した従来の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置にあっては、次のような問題がある。すなわち、車両の運動性能、特に旋回性能をさらに向上させるには、後輪側の駆動トルクを増大し、前輪よりも後輪を速く廻すことよってアンダステアを低減させる必要がある。後輪を速く廻すには、初期設定された後輪寄りのトルク配分比(イニシャルトルク配分比)をより後輪偏重とすればよいが、それには、現行のサンギヤ、ピニオンギヤ比を変更しなければ対処することはできないという問題がある。
そして、サンギヤ、ピニオンギヤ比を変更する場合、現行の前後輪駆動力配分装置をそのまま流用することはできず、新たな前後輪駆動力配分装置を採用しなければならないため、車両コストが上昇してしまうという問題が発生する。
特許2528003号公報
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、現行のトランスファ構造を大幅に変更することなく、後輪側へのトルク配分比を増大させ、後輪の強制増速を図ることによって、車両の運動性能をさらに向上させることができる4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明は、複数のサンギヤ互いに並列に一体形成された複数のピニオンギヤとによって構成された複合遊星歯車式のセンタディフアレンシャル装置と、前記センタディフアレンシャル装置によって設定されたトルク配分を直結4WDのトルク配分の間まで可変制御する油圧多板式の差動制限装置とを備えた4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置において、
前記前後駆動力配分装置は、前記複数のピニオンギヤのうちいずれか1つに噛み合うインターナルギヤと、前記インターナルギヤをフリー、スリップ及び固定可能とする締結手段と、前記締結手段を作動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、車両状況に応じて前記締結手段を作動させてインターナルギヤをスリップ或いは固定することを特徴とする。
上記目的を達成するため第2の発明は、第1の発明において、前記制御手段は、前記締結手段を作動させて前記インターナルギヤをスリップ或いは固定する状態にあっては、前記差動制限装置をフリー或いはスリップ制御することを特徴とする。
上記目的を達成するため第3の発明は、第1または第2の発明において、前記インターナルギヤは、前記複数のピニオンのうち、車両前方側のピニオンに噛み合うように設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するため第4の発明は、第1から第3の何れかの発明において、前記インターナルギヤは、前記複数のピニオンのうち、車両後方側のピニオンに噛み合うように設けられていることを特徴とする。
上記目的を達成するため第5の発明は、第1から第4の何れかの発明において、前記制御手段は、前記締結手段を締結制御するための油圧を発生させる油圧アクチュエータと、前記油圧式アクチュエータの発生する油圧を車両状況に応じて調圧制御する制御部とを備えていることを特徴とする。
第1乃至5の発明によれば、制御手段の制御部は、車両状況に応じて後輪側の駆動トルクを増大させる必要がある場合には、直ちにインターナルギヤがスリップ或いは固定するように締結手段を作動制御すると共に、差動制限装置をフリー或いはスリップ制御する。スリップ或いは固定されたインターナルギヤに噛み合っているピニオンギヤは、自転しながら公転するのに伴ってインターナルギヤに噛み合っていない他方のサンギヤを強制増速させる。すると、前輪側へ伝達される駆動トルクの一部が後輪側に伝達されて、後輪へのトルク配分(トルクベクタリング)が増大して後輪が強制増速される。これにより、車両旋回時には後輪が前輪よりも前に出ようとするようになり、ハンドルの切れ角に応じた旋回性能を大幅に向上させることができる。しかも、現行のサンギヤ、ピニオンギヤ比を変更することなく、現行の前後輪駆動力配分装置をそのまま流用することができるので、低コストに車両性能を大幅に向上させることができる。さらに、軸方向に非常にコンパクトに構成できるので、従来の4WDシステムとほぼ同じ全長となり、後輪側伝達軸の位置、仕様とも現行生産品そのまま採用することができる。さらには、インターナルギヤが噛み合うピニオンギヤは、車両前方側或いは後方側のどちらか1つを選択することができるので、後輪の増減速、トルクベクタリング量の設定を容易に行うことができる。さらにまた、トルクベクタリング時にあっては、差動制限装置をフリー或いはスリップ制御するので、トルク配分機能へ干渉することがない。その結果、現行のトランスファ構造を大幅に変更することなく、後輪側へのトルク配分比を増大させ、後輪の強制増速を図ることによって、車両の運動性能をさらに向上させることができる4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置を提供することができる。
前後駆動力配分装置に、複数のプラネタリギヤのうちいずれか1つに噛み合うインターナルギヤと、このインターナルギヤをフリー、スリップ及び固定可能とする締結手段と、後輪側の駆動トルクを増大させる必要がある場合には、インターナルギヤがスリップ或いは固定するように締結手段を作動制御する制御手段とを設けた。これにより、インターナルギヤがスリップ或いは固定制御されると、前輪側へ伝達される駆動トルクの一部が後輪側に伝達されて、後輪へのトルク配分が増大し、後輪の強制増速が行われる。その結果、現行のトランスファ構造を大幅に変更することなく、後輪へのトルク配分比を増大し、後輪の強制増速を図ることによって、車両の運動性能をさらに向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る前後輪駆動力配分装置の断面図、図2は、図1のスケルトン図、図3は、センタデフ時における駆動トルクの伝達状態を示した図、図4は、トルクベクタリングモード時における駆動トルクの伝達状態を示した図である。
まず、本発明が適用された前後輪駆動力配分装置について説明する。本前後輪駆動力配分装置(以下、トランスファ機構部という)20は、図1、2に示されるように、自動変速機部4後方のトランスファ室に配設され、後輪寄りのトルク配分となるようにサンギヤ、ピニオンギヤ比が設定された複合遊星歯車式のセンタデフ21と、車両状況に応じて差動制限することによって、後輪寄りのトルク配分を直結4WDのトルク配分の間まで連続可変制御するLSD22とを備えて構成されている。
なお、従来とほぼ同様の構成部材については、同一の符号が付されている。
また、このトランスファ機構部20と共に4WDシステムを構成する構成部材、例えば、トルクコンバータ、変速機入力軸としてのインプットシャフト、オイルポンプ、自動変速機部、変速機出力軸としてのリダクションドライブシャフト、ドライブピニオンシャフト、コントロールバルブボディ、フロントディファレンシャルギヤ、リヤドライブシャフト等については、特許2528003号公報に詳述されているので、ここでの説明は省略する。
トランスファ機構部20は、自動変速機部4からのリダクションドライブシャフト15の同軸上に、回転可能に配置されたインタミディトシャフト23と、このインタミディトシャフト23の後部に一体的に設けられた第1サンギヤ24と、この第1サンギヤ24に噛み合う第1ピニオンギヤ25と、この第1ピニオンギヤ25に並列して一体的に設けられた第2ピニオンギヤ26と、これら第1及び第2ピニオンギヤ25、26を回転可能に支持する前輪側の出力要素であるキャリヤ27と、第2ピニオンギヤ26に噛み合うようにリヤドライブシャフト14の前部に設けられた後輪側の出力要素である第2サンギヤ28とを備えて構成されている。
キャリヤ27の前部には、インタミディトシャフト23に相対回転可能に支持されたリダクションドライブギヤ11が一体的に連なっている。このリダクションドライブギヤ11は、自動変速機部4からのリダクションドライブシャフト15の下方側に平行に配置されたドライブピニオンシャフト13の後部のドリブンギヤ12に噛み合わされるように構成されている。これにより、キャリヤ27に伝達された駆動トルクは、キャリヤ27からリダクションドライブギヤ11、リダクションドリブンギヤ12を介して前輪を駆動するためのドライブピニオンシャフト13に伝達される。一方、第2サンギヤ28に伝達された駆動トルクは、後輪を駆動するためのリヤドライブシャフト14に伝達される。
また、キャリヤ27の後部と第2サンギヤ28との間には、キャリヤ27と第2サンギヤ28とをフリー、締結(スリップ及び直結)可能とするLSD22がセンタデフ21と並列となるように配置されている。このLSD22は、後述する制御手段34のECU37によって差動制限を行うように設定されており、このLSD22が差動制限を行うと、高速回転側の駆動トルクの一部が低速回転側に伝達されて、低速回転側の駆動トルクを増大させるようになっている。例えば、後輪回転速度が前輪回転速度よりも高い場合には、後輪側の駆動トルクの一部が第2サンギヤ28からLSD22を介してキャリヤ27に伝達される。また、前輪回転速度が後輪回転速度よりも高い場合には、前輪側の駆動トルクの一部がキャリヤ27からLSD22を介して第2サンギヤ28に伝達される。
サンギヤ、ピニオンギヤ比は、表1に示されるように、前後輪の回転速度差がほとんど無く、且つLSD22による差動制限がない場合、自動変速機部4から出力された駆動トルクを前輪約45%、後輪約55%に分配するように予め設定されている。
Figure 0004699852
さらに、このトランスファ機構部20には、第1ピニオンギヤ25に噛み合うインターナルギヤ29が回転可能に配設されていると共に、このインターナルギヤ29とケーシング30との間には、インターナルギヤ29をフリー、スリップ及び固定可能とする締結手段としてのベクタリングブレーキクラッチ31が配設されている。さらに、このベクタリングブレーキクラッチ31の車両前方側には、ベクタリングブレーキクラッチ31をピストン32を介して作動させるためのブレーキピストン33が配設されていると共に、このブレーキピストン33を作動制御する制御手段34が備えられている。
なお、インターナルギヤ29のスラスト力受けは、一方をベクタリングブレーキクラッチ31のリテーニングプレートを流用して受けさせると共に、他方をキャリヤ27で受けさせる構造が用いられている。
また、ブレーキピストン33は、遠心油圧を発生させないケース固定タイプが用いられている。また、このブレーキピストン33の構成に代えて、電磁式ブレーキピストンを用いることが可能である。
制御手段34は、図1に示されるように、ベクタリングブレーキクラッチ制御用アクチュエータとしてのデューティソレノイド35、制御バルブとしてのコントロールバルブ36、電子制御ユニットとしてのECU37を備えて構成されている。
ECU37には、前輪回転センサ38、後輪回転センサ39、スロットル開度センサ40、ステアリング舵角センサ41、ポジションセンサ42、エンジン制御ユニット43やその他の図示しない車載センサ及び車載スイッチから出力される検出値及び出力値が入力される。ECU37は、これらの入力された検出値及び信号、例えば、アクセル開度、燃料噴射量、ステアリング舵角量、路面μ推定値、前後輪回転差、変速段等に基づいて、後輪側駆動トルクの増大が必要な車両状況か否かを判断する。そして、後輪側駆動トルクの増大が必要な状況、例えば、車両旋回時と判断すると、ECU37は、その後輪側駆動トルクの増大が必要な状況に応じて、デューティソレノイド35をデューティ制御し、パイロット圧をデューティ圧に調圧する。このデューティ圧は、コントロールバルブ36に作用する。
さらに、このコントロールバルブ36にはライン圧が導かれており、このライン圧をデューティ圧の作用によってクラッチ圧に調圧する。そして、このクラッチ圧によってブレーキピストン33を作動させることによって、ベクタリングブレーキクラッチ31をフリー、スリップ及び直結制御することが可能とされている。
なお、このECU37は、図示しないトランスファデューティソレノイド及びトランスファコントロールバルブによって、LSD22をフリー、スリップ及び直結制限するように構成されている。また、このECU37は、ベクタリングブレーキクラッチ31をスリップ或いは直結制御する状態にあっては、LSD22をフリー或いはスリップ制御するように予め設定されている。
かかる構成のトランスファ機構部20によれば、図3に示されるように、トルクベクタリングを行わない場合、ECU37は、ベクタリングブレーキクラッチ31をフリー制御して内部循環トルクを吸収させ、且つ自動変速機部4からの駆動トルクを、インタミディエトシャフト23の第1サンギヤ24から第1ピニオンギヤ25を介して前輪側の出力要素であるキャリヤ27と後輪側の出力要素である第2サンギヤ28とにイニシャルトルク配分比に応じて配分する。そして、その状態にあっては、第1及び第2のサンギヤ24、28、第1及び第2のピニオンギヤ25、26、キャリヤ27、インターナルギヤ29は、LSD22或いは前後のタイヤグリップ力によって、インタミディエトシャフト23及びリヤプロペラシャフト14の軸線上において一体となって回転する。
そして、後輪側の駆動トルクの増大が必要な車両状況の場合にあっては、ECU37は、図4に示されるように、ベクタリングブレーキクラッチ31をスリップ或いは直結制御してインターナルギヤ29をケーシング30に固定する。すると、第1サンギヤ24からの駆動トルクは第1ピニオンギヤ25に伝達されるが、インターナルギヤ29が固定されているために、第1ピニオンギヤ25は自転しながら第1サンギヤ24の廻りを公転する。すると、この第1ピニオンギヤ25を支持するキャリヤ27も第1ピニオンギヤ25の公転速度で回転することになる。また、第1ピニオンギヤ25と第2ピニオンギヤ26とは一体形成されているため、第2ピニオンギヤ26に噛み合っている第2サンギヤ28が強制増速される。これにより、第2サンギヤ28が強制増速されるため、リヤドライブシャフト14も強制増速されることとなり、フロント出力回転より第2ピニオンギヤ26の歯数/第2サンギヤ28の歯数だけ増速される。このとき、LSD22は、フリー状態或いは必要に応じてスリップ制御でトルクベクタリングを行う。これにより、後輪へのトルクベクタリングが行われることで、車両旋回時に後輪が前輪より前に出ようとするため、ハンドル切れ角に応じて旋回性能が向上する。
以上述べたように本発明によれば、ECU37は、車両状況に応じて後輪側の駆動トルクを増大させる必要がある場合には、インターナルギヤ29がスリップ或いは固定するようにベクタリングブレーキクラッチ31を作動制御すると共に、LSD22をフリー或いはスリップ制御する。スリップ或いは固定されたインターナルギヤ29に噛み合っている第1ピニオンギヤ25は、自転しながら公転するのに伴ってインターナルギヤ29に噛み合っていない第2ピニオンギヤ26を介して第2サンギヤ28を強制増速させる。すると、前輪側へ伝達される駆動トルクの一部が後輪側に伝達されて、後輪へのトルク配分率の増大が行われる。これにより、車両旋回時に後輪が前輪よりも前に出ようとするようになり、ハンドルの切れ角に応じた旋回性能を大幅に向上させることができる。しかも、現行のサンギヤ、ピニオンギヤ比を変更することなく、現行の前後輪駆動力配分装置をそのまま流用することができるうえに、イニシャルトルク配分比よりもさらに後輪偏重とすることができるので、低コストに車両性能を大幅に向上させることができる。さらには、軸方向に非常にコンパクトに構成できるので、従来の4WDシステムとほぼ同じ全長となり、後輪側伝達軸の位置、仕様とも現行生産品そのまま採用することができる。さらに、トルクベクタリング時にあっては、LSD22をフリー或いはスリップ制御するので、トルク配分機能へ干渉することがない。
その結果、現行のトランスファ構造を大幅に変更することなく、後輪側へのトルク配分比の増大を図ることによって、車両の運動性能をさらに向上させることができる4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置を提供することができる。
なお、上述した構成にあっては、インターナルギヤ29を車両前方側の第1ピニオンギヤ25に噛み合うように設けたが、これに限定されるものでなく、図5、6に示されるように、インターナルギヤ29を車両後方側の第2ピニオンギヤ26に噛み合わせるように構成することが可能である。
図5は、同例とは異なる前後輪駆動力配分装置の断面図、図6は、図5のスケルトン図である。
インターナルギヤ29を第2ピニオンギヤ26に噛み合わせた場合にあっては、図5に示されるように、ベクタリングブレーキクラッチ31を作動させるためのブレーキピストン33は、LSD22の後方側に付設された取り付けケース44の内部に配置されている。ブレーキピストン33からベクタリングブレーキクラッチ31に向かって延びるピストン32には、ベクタリングブレーキクラッチ31を作動させる際に、他の構成部材との干渉を回避するため適宜折り曲げ加工が施されている。
なお、サンギヤ、ピニオンギヤ比は、表2に示されるように、前後輪の回転速度差がほとんど無く、且つLSD22による差動制限がない場合、自動変速機部4から出力された駆動トルクを前輪約45%、後輪約55%に分配するように予め設定されている。
Figure 0004699852
かかる構成のトランスファ機構部20によれば、後輪側の駆動トルクの増大が必要な車両状況の場合にあっては、ECU37は、ベクタリングブレーキクラッチ31をスリップ或いは直結制御してインターナルギヤ29をケーシング30に固定する。すると、第1サンギヤ24からの駆動トルクは第1ピニオンギヤ25に伝達され、この第1ピニオンギヤ25と一体となって第2ピニオンギヤ26が回転するが、インターナルギヤ29が固定されているために、第2ピニオンギヤ26は自転しながら第2サンギヤ28の廻りを公転する。すると、第2ピニオンギヤ26を支持するキャリヤ27も第2ピニオンギヤ26の公転速度で回転することになり、第2ピニオンギヤ26に噛み合っている第2サンギヤ28が強制増速される。これにより、第2サンギヤ28が強制増速されるため、リヤドライブシャフト14も強制増速される。このとき、LSD22は、フリー状態或いは必要に応じてスリップ制御でトルクベクタリングを行う。これにより、後輪へのトルクベクタリングが行われることで、車両旋回時に後輪が前輪より前に出ようとするため、ハンドル切れ角に応じて旋回性能が向上する。また、インターナルギヤ29が噛み合うピニオンギヤを第2ピニオンギヤ26とすることによって、第1ピニオンギヤ25に噛み合わせた場合よりも、後輪の増減速、トルクベクタリング量の設定幅を広げることができる。
本実施形態に係る4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置の断面図である。 図1のスケルトン図である。 センタデフ時における駆動トルクの伝達状態を示した図である。 トルクベクタリングモード時における駆動トルクの伝達状態を示した図である。 同例とは異なる前後輪駆動力配分装置の断面図である。 図5のスケルトン図である。 従来の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置の断面図である。 図7のスケルトン図である。
符号の説明
20 トランスファ機構部(前後輪駆動力配分装置)
21 センタデフ(センタディフアレンシャル装置)
22 LSD(電子制御油圧多板クラッチ)
24 第1サンギヤ
25 第1ピニオンギヤ
26 第2ピニオンギヤ
27 キャリヤ
28 第2サンギヤ
29 インターナルギヤ
30 ケーシング
31 ベクタリングブレーキクラッチ(締結手段)
33 ブレーキピストン
34 制御手段
35 デューティソレノイド(ベクタリングブレーキクラッチ制御用アクチュエータ)
36 コントロールバルブ(制御バルブ)
37 ECU(電子制御ユニット)

Claims (5)

  1. 複数のサンギヤ互いに並列に一体形成された複数のピニオンギヤとによって構成された複合遊星歯車式のセンタディフアレンシャル装置と、前記センタディフアレンシャル装置によって設定されたトルク配分を直結4WDのトルク配分の間まで可変制御する油圧多板式の差動制限装置とを備えた4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置において、
    前記前後駆動力配分装置は、
    前記複数のピニオンギヤのうちいずれか1つに噛み合うインターナルギヤと、
    前記インターナルギヤをフリー、スリップ及び固定可能とする締結手段と、
    前記締結手段を作動制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、車両状況に応じて前記締結手段を作動させて前記インターナルギヤをスリップ或いは固定することを特徴とする4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  2. 前記制御手段は、前記締結手段を作動させて前記インターナルギヤをスリップ或いは固定する状態にあっては、前記差動制限装置をフリー或いはスリップ制御することを特徴とする請求項1に記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  3. 前記インターナルギヤは、前記複数のピニオンのうち、車両前方側のピニオンに噛み合うように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  4. 前記インターナルギヤは、前記複数のピニオンのうち、車両後方側のピニオンに噛み合うように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  5. 前記制御手段は、前記締結手段を締結制御するための油圧を発生させる油圧アクチュエータと、前記油圧式アクチュエータの発生する油圧を車両状況に応じて調圧制御する電子制御部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
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