JP4515990B2 - 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置 - Google Patents

4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4515990B2
JP4515990B2 JP2005277676A JP2005277676A JP4515990B2 JP 4515990 B2 JP4515990 B2 JP 4515990B2 JP 2005277676 A JP2005277676 A JP 2005277676A JP 2005277676 A JP2005277676 A JP 2005277676A JP 4515990 B2 JP4515990 B2 JP 4515990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
driving force
rear wheel
clutch
distribution device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005277676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007083969A (ja
Inventor
浩美 平瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2005277676A priority Critical patent/JP4515990B2/ja
Publication of JP2007083969A publication Critical patent/JP2007083969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4515990B2 publication Critical patent/JP4515990B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

この発明は、4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置に関し、さらに詳しくは、電子制御クラッチによって前後輪に駆動トルクを配分するトルクスプリット方式の前後輪駆動力配分装置に関する。
従来、4輪駆動車(AWD車)の4WDシステムに搭載される前後輪駆動力配分装置には、電子制御クラッチにより、走行状態に応じて前後輪に適切な駆動トルクを配分して、4輪を積極的にコントロールするように構成されたトルクスプリット方式の前後輪駆動力配分装置がある(例えば、特許文献1参照)。
このような前後輪駆動力配分装置は、直進時には、前輪偏重に駆動トルクを配分し、4輪駆動が必要となる車両状況、例えば、中速での旋回時や峠道の旋回時にあっては、電子制御によって湿式多板クラッチの伝達トルクを大きくして後輪に駆動トルクを適切に配分し、前輪の駆動力を少なくすることによって、アンダステアを少なくして走行安定性を高めるように構成されていた。
しかしながら、上記した従来の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置にあっては、4輪駆動での旋回時には、前後輪の回転数差によって2つあるアウトプット(プロペラシャフト)上に内部循環トルクが発生し、その分駆動トルクが損失して旋回性能を低下させてしまうという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、内部循環トルクをセンタデフによって開放、または吸収させることが考えられるが、旋回性能向上に必要な後輪を速く廻す手だてにはならない。
また、左右後輪の回転数を独立して制御する機構を組み込むことも考えられるが、機能的に大掛かりな機構となるために、コスト及び重量が増加してしまうという問題がある。
特開2000−335272号公報
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、トランスファ構造を大幅に変更することなく、内部循環トルクを吸収すると共に後輪を速く廻して旋回性能を向上させ、AWDとしての高い駆動力性能をより発揮することが可能な4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明は、変速機出力軸と平行に前輪側伝達軸が配置されると共に、前記変速機出力軸の同軸上に後輪側伝達軸が配置され、前記変速機出力軸、前記前輪側伝達軸及び前記後輪側伝達軸の間に備えられた4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置において、
前記前後輪駆動力配分装置は、前記変速機出力軸と前記後輪側伝達軸との間に同軸上に配置される駆動力伝達中間軸と、前記変速機出力軸と前記駆動力伝達中間軸とを断続可能に締結した第1の締結手段と、前記駆動力伝達中間軸の外周面に相対回転可能に設けられた回転軸と、前記回転軸を断続的に係止する第2の締結手段と、前記回転軸と前記駆動力伝達中間軸との間に設けられたプラネタリギヤと、前記プラネタリギヤのキャリヤと前記後輪側伝達軸との間に設けたワンウェイクラッチと、前記第1の締結手段と前記第2の締結手段を電子制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
上記目的を達成するため第2の発明は、第1の発明において、前記プラネタリギヤは、前記回転軸に取り付け固定されたサンギヤと、前記駆動力伝達中間軸に固定された前記キャリヤに支持され、前記サンギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記後輪側伝達軸に固定され、前記ピニオンギヤに噛み合うリングギヤとを備えて構成されていることを特徴とする。
第1、2の発明によれば、制御部は、4輪駆動が必要な旋回時にあっては、第1の締結手段を断続可能に制御すると共に、第2の締結手段を断続可能に回転を係止し、ワンウェイクラッチをフリー制御して後輪に駆動トルクを配分する。これにより、4輪駆動での旋回時に前後輪の回転数差によって発生する内部循環トルクは、第1の締結手段、或いはワンウェイクラッチのいずれかによって吸収されるので、駆動トルクの損失がなくなり、旋回性能を向上させることができる。
また、4輪駆動での旋回時には、前輪の駆動トルクを減少させ、後輪の駆動力を増大させるのでアンダステアが減少すると共に後輪が速く廻るので、旋回性能をさらに向上させることができる。その結果、AWDとしての高い駆動力性能を最大限に発揮することができるようになる。
さらに、トランスファ構造を大幅に変更する必要はなく、しかも軸方向に非常にコンパクトに構成できるので、従来の4WDシステムとほぼ同じ全長となり、後輪側伝達軸の位置、仕様とも現行生産品そのまま採用することができる。
上記目的を達成するため第3の発明は、第1の発明において、前記後輪への駆動トルクの配分率は、前記プラネタリギヤの歯数比に応じて設定されることを特徴とする。
第3の発明によれば、後輪への駆動トルクの配分率、すなわち駆動トルクのベクタリング量は、プラネタリギヤの歯数比に応じて設定される。これにより、第1の発明の作用効果に加えて、後輪の受け持つ駆動トルクの設定を容易に変化させることができる。
上記目的を達成するため第4の発明は、第1から3のいずれかの発明において、前記第1の締結手段は、前記変速機出力軸と前記駆動力伝達中間軸とをフリー、スリップ或いは直結可能とする湿式多板クラッチであることを特徴とする。
上記目的を達成するため第5の発明は、第1から4のいずれかの発明において、前記第2の締結手段は、前記回転軸をフリー、スリップ或いは直結可能とする湿式多板ブレーキクラッチであることを特徴とする。
第4、5の発明によれば、第1の締結手段、第2の締結手段をそれぞれ湿式多板クラッチ、湿式多板ブレーキクラッチとし、フリー、スリップ或いは直結可能に制御される。これにより、上記第3の発明で設定された歯車比を基に前後輪へのトルク配分を任意に変化させることができる。
4輪駆動での旋回時に前後輪の回転数差によって発生する内部循環トルクは、電子制御クラッチによって吸収されるので、駆動トルクの損失がなくなる。また4輪駆動での旋回時には、前輪の駆動トルクを減少させ、後輪の駆動力を増大させると共に後輪を速く廻すので、旋回性能が大幅に向上する。さらに、トランスファ構造を大幅に変更する必要はなく、しかも軸方向に非常にコンパクトに構成される。その結果、トランスファ構造を大幅に変更することなく、旋回性能を向上させ、AWDとしての高い駆動力性能を発揮することが可能な4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置が適用された4WDシステムの断面図、図2は、図1のスケルトン図、図3は、同例における前後輪駆動力配分装置の拡大断面図、図4は、図3のスケルトン図である。
まず、本発明の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置が適用された4WDシステムについて説明する。図1〜4に示されるように、4WDシステム100は、トルクコンバータ1、変速機入力軸としてのインプットシャフト2、オイルポンプ3、自動変速機部4、変速機出力軸としてのリダクションドライブシャフト5、前輪側伝達軸としてのドライブピニオンシャフト6、コントロールバルブボディ7、フロントディファレンシャルギヤ8、前後輪駆動力配分装置としてのトランスファ機構部(センタデフ)9、後輪側伝達軸としてのリヤドライブシャフト10を備えて構成されている。
トルクコンバータ1は、図1に示されるように、エンジンのクランク軸に連結された駆動側のインペラ11と、このインペラ11に対向配置されると共に自動変速機部4のインプットシャフト2に連結された被駆動側のタービン12と、これらインペラ11及びタービン12間を流れる流体(ATF)を整流するステータ13とを備えている。そして、インペラ11が流体中で回転することによってタービン12が回転し、エンジンから出力された駆動トルクを増幅してインプットシャフト2に伝達する。さらに、インペラ11には、油圧を発生するオイルポンプ3がポンプドライブ軸14を介して連結されている。そして、電子制御により油圧ポンプ3からの油圧がロックアップクラッチ15に供給されるとクランク軸とインプットシャフト2とが機械的に直結する。
自動変速機部4は、図1、2に示されるように、2組の単純プラネタリギヤ(フロントプラネタリギヤ16、リヤプラネタリギヤ17)、3組の多板クラッチ(ハイクラッチ18、ロークラッチ19、リバースクラッチ20)、2組の多板ブレーキ(2&4ブレーキ21、ロー&リバースブレーキ22)、ローワンウェイクラッチ23を備えて構成されている。そして、これら多板クラッチ18、19、23、ブレーキ21、22が、表1に示されたように、締結、解放されることによって、前進4段、後進1段の変速が行われる。
表1は、自動変速機部における変速位置と各クラッチ、ブレーキの作動の一例を示している。
Figure 0004515990
すなわち、D、3、2レンジの1速の加速時にあっては、図2に示されるように、ロークラッチ19を締結し、フロントプラネタリキャリヤ161とリヤインターナルギヤ17RRとを接続する。また、ローワンウェイクラッチ23を作用させ、リヤインターナルギヤ17RRが逆回転するのを防止する。これにより、駆動トルクは、インプットシャフト2、リヤサンギヤ17SR、リヤピニオンギヤ17CR、リヤプラネタリキャリヤ171、リダクションドライブシャフト5に伝達される。
D、3、2レンジの2速の加速時にあっては、ロークラッチ19を締結し、フロントプラネタリキャリヤ161とリヤインターナルギヤ17RRとを接続すると共に、2&4ブレーキ21を作用させ、フロントサンギヤ16SFを固定し、フロントプラネタリキャリヤ161及びこのフロントプラネタリキャリヤ161に接続したロークラッチ19を介してリヤインターナルギヤ17RRを正転させて、1速のときよりも増速させる。これにより、駆動トルクは、インプットシャフト2、リヤサンギヤ17SR、リヤピニオンギヤ17CR、リヤプラネタリキャリヤ171、リダクションドライブシャフト5に伝達されると共に、インプットシャフト2、リヤサンギヤ17SR、リヤピニオンギヤ17CR、リヤプラネタリキャリヤ171、フロントインターナルギヤ16RF、フロントピニオンギヤ16CF、フロントプラネタリキャリヤ161、ロークラッチ19、リヤインターナルギヤ17RRに伝達される。
D、3レンジの3速の加速時にあっては、ハイクラッチ18を締結し、フロントプラネタリキャリヤ161とリヤインターナルギヤ17RRとを接続すると共に、ロークラッチ19を作用させ、フロントプラネタリキャリヤ161とリヤインターナルギヤ17RRとを接続する。これにより、駆動トルクは、インプットシャフト2、ハイクラッチ18、フロントプラネタリキャリヤ161、ロークラッチ19、リヤインターナルギヤ17RRに伝達されると共に、インプットシャフト2からリヤサンギヤ17SRに伝達されて、リヤピニオンギヤ17CR、リヤプラネタリキャリヤ171、リダクションドライブシャフト5に伝達される。
Dレンジの4速の加速時にあっては、ハイクラッチ18を締結し、フロントプラネタリキャリヤ161とリヤインターナルギヤ17RRとを接続すると共に、2&4ブレーキ21を作用させ、フロントサンギヤ16SFを固定する。これにより、駆動トルクは、インプットシャフト2、ハイクラッチ18、フロントプラネタリキャリヤ161、フロントピニオンギヤ16CF、フロントインターナルギヤ16RF、リダクションドライブシャフト5に伝達される。
なお、1速の惰行時(コースティング)にあっては、リヤインターナルギヤ17RRが正回転するため、ローワンウェイクラッチ23がフリーになって空転し、逆駆動トルクを伝達しないのでエンジンブレーキは作用しない。また、2〜4速の惰行時にあっては、駆動力伝達にローワンウェイクラッチ23を介していないためエンジンに逆駆動トルクが伝達されエンジンブレーキが作用する。
Rレンジにあっては、リバースクラッチ20を締結させると共に、ロー&リバースブレーキ22を作用させてフロントプラネタリキャリヤ161を固定する。これにより、駆動トルクは、インプットシャフト2からリバースクラッチ20、フロントサンギヤ16SF(正転)、フロントピニオンギヤ16CF、フロントインターナルギヤ16RF(減速、且つ逆転)、リダクションドライブシャフト5に伝達される。
リダクションドライブシャフト5に伝達された駆動トルクは、図1に示されるように、リダクションドライブシャフト5の後部に設けられたリダクションギヤ24、リダクションドリブンギヤ25を介して、リダクションドライブシャフト2の下方に平行に配置されたドライブピニオンシャフト6に伝達される。そして、このドライブピニオンシャフト6に伝達された駆動トルクは、ドライブピニオンシャフト6の前部に設けられたハイポイドギヤ26を介してフロントディフアレンシャルギヤ8に伝達される。このドライブピニオンシャフト6の下方には、各クラッチ15、18〜20、23及びブレーキ21、22に作動油を給排油するためのコントロールバルブボディ7が配置されている。
また、この自動変速機部4の後部には、前輪偏重から直結AWDを経て後輪偏重に制御可能とされた前後輪駆動力配分装置としてのトランスファ機構部9が一体的に組み付けられている。このトランスファ機構部9は、従来の前輪偏重のトランスファ機構部とほぼ同様の全長を有するように形成されており、そのため、従来の4WDシステムとほぼ同じ全長、つまりリヤドライブシャフトの位置、仕様とも現行生産品とほぼ同じとされている。
トランスファ機構部9は、図1〜4に示されるように、リダクションドライブシャフト5とリヤドライブシャフト10との間に同軸上に配設される駆動力伝達中間軸27、トランスファ機能とトルクベクタリング量(駆動トルクの配分率)とをコントロールするトルクスプリット方式の湿式多板クラッチとしてのトランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28、トルクベクタリング用プラネタリギヤ29、プラネタリギヤ29を作動させる湿式多板ブレーキクラッチとしてのベクタリングブレーキクラッチ30、プラネタリギヤ29をリヤドライブシャフト10に直結するワンウェイクラッチとしてのプラネタリロックワンウェイクラッチ31、各種クラッチ28、30、31を電子制御する制御部32及び制御用回転センサ33〜35を備えて構成されている。
詳述すると、リダクションドライブシャフト5の後方には、駆動力伝達中間軸27が同軸上、且つリダクションドライブシャフト5及びリヤドライブシャフト10と相対回転可能となるように配設されている。この駆動力伝達中間軸27とリダクションドライブシャフト5との間には、車両状況に応じて駆動力伝達中間軸27とリダクションドライブシャフト5とをフリー、スリップ或いは直結可能とするトランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28が配設されている。
また、駆動力伝達中間軸27の後部には、プラネタリギヤ29のピニオンギヤ29Cを回転可能に支持するキャリヤ291が一体的に取り付け固定されている。このピニオンギヤ29Cに噛み合うサンギヤ29Sは、駆動力伝達中間軸27の外周面に相対回転可能に設けられた回転軸36の後部に一体的に取り付け固定されている。この回転軸36の前部には、車両状況に応じて回転軸36をフリー、スリップ或いは固定するベクタリングブレーキクラッチ30が配設されている。
ピニオンギヤ29Cに噛み合うインターナルギヤ29Rは、リヤドライブシャフト10の前部に一体的に取り付け固定されていると共に、このリヤドライブシャフト10の前部とキャリヤ291との間には、車両状況に応じてリヤドライブシャフト10とキャリヤ291とをフリー或いはロックさせるプラネタリロックワンウェイクラッチ31が配設されている。
制御部32は、図1に示されるように、クラッチ制御用の油圧発生装置としてのトランスファデューティソレノイド37、制御バルブとしてのトランスファコントロールバルブ38、電子制御用コントロールユニットとしてのECU39を備えて構成されている。
ECU39には、出力回転センサ33、前輪回転センサ34、後輪回転センサ35のほかに、タービンセンサ40、図示しないスロットル開度センサ、ATF油温センサ、レンジ信号、FWDスイッチ、ABS信号等の各種センサ、スイッチから出力される検出値及び出力値が入力される。ECU39は、これら検出値及び出力値に基づいて4輪駆動が必要な車両状況か否かを判断する。そして、4輪駆動が必要な状況、例えば、直線加速時、悪路や滑りやすい路面、中速での旋回時や峠道での旋回時等と判断すると、ECUは、その4輪駆動が必要な状況に応じて、トランスファデューティソレノイド37をデューティ制御し、パイロット圧をトランスファデューティ圧に調圧する。このトランスファデューティ圧は、トランスファコントロールバルブ38に作用する。
さらに、このトランスファコントロールバルブ38には、ライン圧が導かれており、このライン圧をトランスファデューティ圧の作用によってトランスファクラッチ圧に調圧する。そして、このトランスファクラッチ圧によって、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28、ベクタリングブレーキクラッチ30及びプラネタリロックワンウェイクラッチ31を各個別に制御することが可能とされている。なお、このECU38には、表2に示されるように、車両状況、すなわち車両直進時、車両旋回時に応じたクラッチ制御が予め記憶格納されている。
表2は、車両状況に応じたECU38のクラッチ制御の一例を示している。
Figure 0004515990
表2に示されるように、ECU38は、直進時の加速時にあっては、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28を直結、ベクタリングブレーキクラッチ30をフリー制御すると共に、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をロック制御する。これにより、直結AWD(F50:R50)状態とし、ベクタリング量を0とする。
また、ECU38は、直進時の通常走行時にあっては、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28をスリップ制御、ベクタリングブレーキクラッチ30をフリー制御すると共に、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をロック制御する。これにより、LSD効果を持たせた前輪偏重の状態とし、ベクタリング量を0とする。
さらに、ECU38は、直進時のコースティング時にあっては、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28を直結、ベクタリングブレーキクラッチ30をスリップ制御すると共に、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をフリー制御することによって、前輪偏重の状態とし、ベクタリング量を0とする。
さらにまた、ECU38は、高速直進時にあっては、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28、ベクタリングブレーキクラッチ30及びプラネタリロックワンウェイクラッチ31をいずれもフリー制御することによって、前輪駆動状態とする(F100:R0)。
一方、車両状況が峠道での旋回時にあっては、表2に示されるように、ECU38は、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28及びベクタリングブレーキクラッチ30をそれぞれ直結させると共に、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をフリー制御する。ここで、表3に示されるように、サンギヤ29Sの歯数Zs1を33、ピニオンギヤ29Cの歯数Zp1を28、インターナルギヤ29Rの歯数Zr1を89とすると、後輪が前輪よりも1.37倍(プラネタリギヤ29の歯数比で変更可能)の駆動トルクを受け持つことになる(F31.5:R68.5)。そして、このような車両状況にあっては、リダクションドライブシャフト5の回転数N1=1000とすると、リダクションギヤ24の回転数N5=1000、駆動力伝達中間軸27の回転数N2=1000、キャリヤ291の回転数N3=1179、リヤドライブシャフト10の回転数N4=1371が得られ、旋回性能向上に必要な後輪を速く廻すことができるようになる。
表3は、トランスファ機構部4におけるプラネタリギヤ29の歯数、ギヤ比及び各要素の回転数を示している。
Figure 0004515990
また、中速旋回時にあっては、ECU39は、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28の締結力をスリップ制御し、ベクタリングコントロールクラッチ30を直結させた状態で、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をフリー制御する。これにより、ベクタリング量は0〜37%の範囲内(F50:R50〜F31.5:R68.5)で変化させられる。
なお、通常旋回時にあっては、ECU39は、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28の締結力をスリップ制御し、ベクタリングコントロールクラッチ30をフリー制御した状態で、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をロック制御する。これにより、LSD効果を持たせた前輪偏重の状態とし、ベクタリング量を0とする。
かかる構成のトランスファ機構部9によれば、トルクスプリット方式の前後輪駆動力配分装置をベースとすることで基本は前輪偏重の駆動方式(F100:R0〜F50:R50)となるように構成されている。そして、ECU39が、車両状況に応じてトランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28及びベクタリングブレーキクラッチ30をそれぞれ直結させると共に、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をフリー制御すると、後輪が前輪の1.37倍の駆動トルクを受け持つようになる(F31.5:R68.5)。そして、その状態において、ECU39が、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ30をスリップ制御すると、ベクタリング量が変化する(F50:R50〜F31.5:R68.5)。これにより、普段は前輪偏重(FFベース、F100:R0〜F50:R50)で走行して燃費を向上させる一方で、4輪駆動が必要となる中速旋回時や峠道等の旋回時、特に登りの旋回時にあっては、トラクションが抜け気味の前輪の駆動力を減少させ、且つ後輪の駆動力を増加して後輪駆動重視の設定(F50:R50〜F31.5:R68.5)とすることにより、アンダステアを減少させ、トラクションを確保すると共に後輪を速く廻すことによって、旋回性能が大幅に向上する。その結果、AWDとしての高い駆動力性能を最大限に発揮することができるようになる。
以上述べたように本発明によれば、ECU39は、4輪駆動が必要な旋回時にあっては、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28をスリップ或いは直結制御すると共に、ベクタリングブレーキクラッチ30を直結制御し、プラネタリロックワンウェイクラッチ31をフリー制御して後輪に駆動トルクを配分する。これにより、4輪駆動での旋回時に前後輪の回転数差によって発生する内部循環トルクは、トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ28、或いはプラネタリロックワンウェイクラッチ31のいずれかによって吸収されるので、駆動トルクの損失がなくなり、旋回性能を向上させることができる。
また、4輪駆動での旋回時には、前輪の駆動トルクを減少させ、後輪の駆動力を増大させるのでアンダステアが減少すると共に後輪が速く廻るので、旋回性能をさらに向上させることができる。その結果、AWDとしての高い駆動力性能を最大限に発揮することができるようになる。
さらに、トランスファ構造を大幅に変更する必要はなく、しかも軸方向に非常にコンパクトに構成できるので、従来の4WDシステムとほぼ同じ全長となり、後輪側伝達軸の位置、仕様とも現行生産品そのまま採用することができる。
さらに、本発明によれば、後輪への駆動トルクの配分率、すなわち駆動トルクのベクタリング量は、プラネタリギヤ29の歯数比に応じて設定される。これにより、後輪の受け持つ駆動トルクの設定を容易に変化させることができる。
本実施形態に係る4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置が適用された4WDシステムの断面図である。 図1のスケルトン図である。 同例における前後輪駆動力配分装置の拡大断面図である。 図3のスケルトン図である。
符号の説明
5 リダクションドライブシャフト(変速機出力軸)
6 ドライブピニオンシャフト(前輪側伝達軸)
9 トランスファ機構部(前後輪駆動力配分装置)
10 リヤドライブシャフト
27 駆動力伝達軸
28 トランスファ&ベクタリングコントロールクラッチ(湿式多板クラッチ)
29 トルクベクタリング用プラネタリギヤ
291 キャリヤ
29S サンギヤ
29C ピニオンギヤ
29R インターナルギヤ
30 ベクタリングブレーキクラッチ(湿式多板ブレーキクラッチ)
31 プラネタリロックワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
32 制御部
39 ECU

Claims (4)

  1. 変速機出力軸と平行に前輪側伝達軸が配置されると共に、前記変速機出力軸の同軸上に後輪側伝達軸が配置され、前記変速機出力軸前記後輪側伝達軸の間に備えられた4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置において、
    前記前後輪駆動力配分装置は、
    前記変速機出力軸と前記後輪側伝達軸との間に同軸上に配置される駆動力伝達中間軸と、
    前記変速機出力軸と前記駆動力伝達中間軸とを断続可能に締結した第1の締結手段と、
    前記駆動力伝達中間軸の外周面に相対回転可能に設けられた回転軸と、
    前記回転軸を断続的に係止する第2の締結手段と、
    前記回転軸に取り付け固定されたサンギヤと、前記駆動力伝達中間軸に取り付け固定されたキャリヤに回転可能に支持され、前記サンギヤに噛み合うピニオンギヤと、前記後輪側伝達軸に固定され、前記ピニオンギヤに噛み合うリングギヤとを具備するプラネタリギヤと、
    前記キャリヤと前記後輪側伝達軸との間に設けたワンウェイクラッチと、
    前記第1の締結手段と前記第2の締結手段を電子制御する制御部とを備えたことを特徴とする4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  2. 前記後輪への駆動トルクの配分量は、前記プラネタリギヤの歯数比に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  3. 前記第1の締結手段は、前記変速機出力軸と前記駆動力伝達中間軸とをフリー、スリップ或いは直結可能とする湿式多板クラッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
  4. 前記第2の締結手段は、前記回転軸をフリー、スリップ或いは直結可能とする湿式多板ブレーキクラッチであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置。
JP2005277676A 2005-09-26 2005-09-26 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置 Expired - Fee Related JP4515990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277676A JP4515990B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005277676A JP4515990B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007083969A JP2007083969A (ja) 2007-04-05
JP4515990B2 true JP4515990B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=37971402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005277676A Expired - Fee Related JP4515990B2 (ja) 2005-09-26 2005-09-26 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4515990B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100925687B1 (ko) 2007-11-19 2009-11-10 현대자동차주식회사 사륜차량의 동력전달구조
KR101184639B1 (ko) 2010-12-20 2012-09-24 현대티앤에이(주) 지게차 및 건설장비 차량용 구동 액슬의 동력전달 연결 장치

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5583617A (en) * 1978-12-19 1980-06-24 Aisin Warner Ltd Four-wheel drive apparatus
JPS5793659U (ja) * 1980-11-27 1982-06-09
JPH05201264A (ja) * 1992-01-27 1993-08-10 Fuji Heavy Ind Ltd センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JPH068738A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Fuji Heavy Ind Ltd センターディファレンシャル装置付駆動装置
JPH10250395A (ja) * 1997-01-08 1998-09-22 Nissan Motor Co Ltd 4輪駆動車のトランスファ装置
JP2003080975A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Honda Motor Co Ltd 車両の前後輪駆動装置およびクラッチの切換方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5583617A (en) * 1978-12-19 1980-06-24 Aisin Warner Ltd Four-wheel drive apparatus
JPS5793659U (ja) * 1980-11-27 1982-06-09
JPH05201264A (ja) * 1992-01-27 1993-08-10 Fuji Heavy Ind Ltd センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JPH068738A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Fuji Heavy Ind Ltd センターディファレンシャル装置付駆動装置
JPH10250395A (ja) * 1997-01-08 1998-09-22 Nissan Motor Co Ltd 4輪駆動車のトランスファ装置
JP2003080975A (ja) * 2001-09-11 2003-03-19 Honda Motor Co Ltd 車両の前後輪駆動装置およびクラッチの切換方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007083969A (ja) 2007-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9428050B2 (en) Drive axle system having a clutching device
US8419577B2 (en) Propulsion system for all-wheel drive motor vehicles
US8388480B2 (en) Torque distributing drive mechanism for motorized vehicles
KR101014156B1 (ko) 차량 구동력 분배 장치
JP2772979B2 (ja) 4輪駆動車のトルク配分制御装置
JP2603879B2 (ja) 多段自動変速機付4輪駆動車
EP0424054B1 (en) A system for controlling torque distribution in a four wheel drive vehicle
JP4116146B2 (ja) デファレンシャル装置
JP4515990B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
US20040147357A1 (en) Multi-stage transmission
KR101177947B1 (ko) 자동 변속식 엔진 차량 변속기
JP2007127145A (ja) 車両用駆動力配分装置
JP4657269B2 (ja) トランスファ装置
JP2970913B2 (ja) 4輪駆動車のトルク配分制御装置
JP3126793B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JP4246301B2 (ja) 車両用4輪駆動装置
JP4346710B2 (ja) 車両の動力配分制御装置
JP7278684B2 (ja) 車両
JP4699852B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
JPS638026A (ja) 四輪駆動装置の制御方法
JP2009257383A (ja) 差動制限力制御装置
JP2007168653A (ja) 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
JPS6130934B2 (ja)
JPH05112151A (ja) センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車
KR100279985B1 (ko) 4륜구동 차량의 복합차동장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080728

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees