JPH05201264A - センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 - Google Patents

センターディファレンシャル装置付4輪駆動車

Info

Publication number
JPH05201264A
JPH05201264A JP3564192A JP3564192A JPH05201264A JP H05201264 A JPH05201264 A JP H05201264A JP 3564192 A JP3564192 A JP 3564192A JP 3564192 A JP3564192 A JP 3564192A JP H05201264 A JPH05201264 A JP H05201264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
speed
differential device
torque
planetary gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3564192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3126793B2 (ja
Inventor
Toshio Kobayashi
利雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP3564192A priority Critical patent/JP3126793B2/ja
Publication of JPH05201264A publication Critical patent/JPH05201264A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3126793B2 publication Critical patent/JP3126793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多段の自動変速機に複数の摩擦係合要素とプ
ラネタリギヤを備えたセンターディファレンシャル装置
を組合わせた駆動系において、これらを有機的に組合わ
せて、自動変速機の最高速段よりギヤ比の小さい変速段
を容易に増設し、且つセンターディファレンシャル装置
によるトルク配分、差動機能、差動制限機能、トルク配
分制御の機能を備える。 【構成】 自動変速機30に連結されるセンターディフ
ァレンシャル装置50を、プラネタリギヤ60、接断用
の油圧多板クラッチ51、差動制限用の油圧多板クラッ
チ52、第5速用ブレーキ53により構成する。そして
これらのクラッチ51,52、ブレーキ53を選択的に
係合して、差動機能、不等トルク配分機能、自動変速機
の最高速段よりギヤ比の小さい増速段、前後輪のトルク
配分制御機能を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段の自動変速機にプ
ラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置を組合
わせた4輪駆動車に関し、詳しくは、センターディファ
レンシャル装置を前後輪へのトルク配分機能、差動制限
機能、更に自動変速機の変速段とを組合わせて増速段を
得る場合のパワートレーンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、4輪駆動車のイージドライブ化と
して、あらゆる路面を安全に走行可能にするため、自動
変速機にベベルギヤ式、またはプラネタリギヤ式のセン
ターディファレンシャル装置を組合わせたシステムが提
案されている。この場合に、自動変速機は油圧制御シス
テム、車両の走行状態を検出する各種センサ類を具備す
ることから、センターディファレンシャル装置の前後輪
出力要素に油圧多板クラッチを用い、このクラッチ油圧
を自動変速機の油圧−電子制御系等により可変制御す
る。そしてクラッチトルクにより前後輪のトルク配分を
変化し、駆動性能、操縦性、安定性を向上し、更に制動
時の安定性、ABSの制御性の向上を図ることが考えら
れている。
【0003】従来、上記センターディファレンシャル装
置付4輪駆動車に関しては、例えば特開昭63−176
728号公報の先行技術があり、シンプルプラネタリギ
ヤ式のセンターディファレンシャル装置を有し、サンギ
ヤとリングギヤとの噛合いピッチ円径の比に応じて前後
輪へのトルク配分を不等にする。またサンギヤ、リング
ギヤ、キャリヤの2つの要素の間に、差動制限用の油圧
多板クラッチを設けることが示されている。
【0004】多段の自動変速機に関しては、例えば特開
平1−188747号公報の先行技術があり、前進4段
後進1段を得る2組のプラネタリギヤを有する主変速機
に、1組のシンプルプラネタリギヤの複変速機を組合わ
せ、前進5段後進1段の変速段を得ることが示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術の前者のものにあっては、センターディファレンシャ
ル装置と油圧多板クラッチにより前後輪へのトルク配分
機能と、差動機能を有するにすぎない。このため変速機
が自動変速機であって、その最高速段よりギヤ比の小さ
いオーバドライブの高速段を得る場合には、自動変速機
に更に副変速機を追加する必要があり、変速機全体の大
型化、全長の長大化を招く。
【0006】また後者のものにあっては、主変速機に副
変速機を組合わせて前進5段の変速段を得る構成である
から、これをベースにして4輪駆動化する場合には、前
者のようなセンターディファレンシャル装置と油圧多板
クラッチを追加する必要がある。このため変速機全体が
益々大型化し、全長の長大化を招き、車載性が著しく悪
化するばかりか、2輪駆動の5速自動変速機との互換性
が無くなる等の問題がある。
【0007】そこでセンターディファレンシャル装置の
入出力要素と固定要素を選択して所定のギヤ比を得るよ
うに構成し、このギヤ比単独または自動変速機の所定の
変速段と組合わせることで、自動変速機の最高速段より
ギヤ比の小さい変速段をコンパクトに増設することが望
まれる。またセンターディファレンシャル装置を増速機
に利用すると、前後輪へのトルク配分機能や差動制限機
能を失うおそれがあるが、この条件でもトルク配分と差
動制限の機能を確保するように工夫する必要がある。
【0008】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、多段の自動変速機に複数の摩擦係合要素とプラネタ
リギヤを備えたセンターディファレンシャル装置を組合
わせた駆動系において、これらを有機的に組合わせて、
自動変速機の最高速段よりギヤ比の小さい変速段を容易
に増設し、且つセンターディファレンシャル装置による
トルク配分、差動機能、差動制限機能、トルク配分制御
の機能を備えることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、多段の自動変速機に複数の摩擦係合要素とプ
ラネタリギヤを備えたセンターディファレンシャル装置
が連結される駆動系において、プラネタリギヤのキャリ
ヤに自動変速機の出力軸を連結し、リングギヤを前後輪
の一方へ連結し、且つサンギヤに第2の摩擦係合要素を
設けて所定の増速ギヤ比を得るように構成され、更にサ
ンギヤと前後輪の他方への伝動要素との間に接断用の第
3の摩擦係合要素が設けられ、伝動要素とリングギヤ側
との間に差動制限用の第1の摩擦係合要素が設けられる
ものである。
【0010】
【作用】上記構成に基づき、自動変速機からの変速動力
がセンターディファレンシャル装置におけるプラネタリ
ギヤのキャリヤに入力し、このとき第3の摩擦係合要素
を係合することで、リングギヤとサンギヤから前後輪へ
所定の比率でトルク配分して4輪駆動走行する。また第
2の摩擦係合要素によりサンギヤを固定すると、プラネ
タリギヤが増速機として機能し、自動変速機の所定の変
速段と組合わせるかもしくは単独で使用することで、例
えば第5速に変速制御される。そしてこれらの場合にお
いて、更に第1の摩擦係合要素に差動制限トルクを生じ
ることで、差動制限すると共に前後輪のトルク配分が可
変制御されるようになる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、本発明が適用されるセンターディ
ファレンシャル装置付4輪駆動車として、エンジン、自
動変速機を車両前後方向に縦置き配置した実施例の駆動
系について説明する。先ずトルクコンバータケース1、
ディファレンシャルケース2の後部にトランスミッショ
ンケース3が接合し、トランスミッションケース3の後
部にトランスファケース4およびエクステンションケー
ス6が接合し、トランスミッションケース3の下部には
オイルパン5が取付けられる。
【0012】符号10はエンジンであり、このエンジン
10のクランク軸11がトルクコンバータケース1内部
のロックアップクラッチ12を備えたトルクコンバータ
13に連結し、トルクコンバータ13からの入力軸14
がトランスミッションケース3内部の自動変速機30に
入力する。自動変速機30からの変速機出力軸15は入
力軸14と同軸上に出力し、この変速機出力軸15がト
ランスファケース4内部のセンターディファレンシャル
装置50に同軸上に連結する。
【0013】トランスミッションケース3内部におい
て、入、出力軸14,15に対しフロントドライブ軸1
6が平行配置され、このフロントドライブ軸16の後端
はセンターディファレンシャル装置50に一対のリダク
ションギヤ17,18を介して連結し、フロントドライ
ブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部のフ
ロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝動
構成される。一方、センターディファレンシャル装置5
0の後部からリヤドライブ軸20、プロペラ軸21、リ
ヤディファレンシャル装置22等を介して後輪に伝動構
成される。
【0014】自動変速機30は、2組のフロントプラネ
タリギヤ31、リヤプラネタリギヤ32により前進4段
と後進1段を得る構成である。即ち、入力軸14がリヤ
プラネタリギヤ32のサンギヤ32aに、フロントプラ
ネタリギヤ31のリングギヤ31bおよびリヤプラネタ
リギヤ32のキャリア32cが変速機出力軸15に連結
する。そしてフロントプラネタリギヤ31のキャリア3
1cと一体的な連結要素33と、リングギヤ32bとの
間に、第1のワンウエイクラッチ34、フォワードクラ
ッチ35が直列的に設けられ、連結要素33と固定部材
であるケース側との間に、第2のワンウエイクラッチ3
6、ローリバースブレーキ37が並列的に設けられる。
連結要素33とリングギヤ32bとの間には、オーバラ
ンニングクラッチ38がバイパスして設けてある。
【0015】また、サンギヤ31aと一体的な連結要素
39には、バンドブレーキ40が設けられ、入力軸14
と一体的な連結要素41およびキャリア31cと一体的
な連結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けら
れる。更に連結要素39と41との間には、リバースク
ラッチ44が設けられている。
【0016】この自動変速機30の構成により、Dレン
ジまたは3レンジと2レンジの1速ではフォワードクラ
ッチ35が係合し、加速の場合は両ワンウエイクラッチ
34,36の作用で連結要素33と共にリングギヤ32
bをロックすることで、入力軸14からサンギヤ32
a,キャリア32cを介して変速機出力軸15に動力伝
達する。この際、惰行時は第1のワンウエイクラッチ3
4がフリーになり、オーバランニングクラッチ38を係
合して第1のワンウエイクラッチ34のフリー回転を規
制しても、第2のワンウエイクラッチ36がフリーにな
ってエンジンブレーキは作用しない。1レンジの1速で
は、ローリバースクラッチ37の係合でオーバランニン
グクラッチ38を介してリングギヤ32bを常にロック
するため、エンジンブレーキが作用する。
【0017】Dレンジまたは3レンジと2レンジの2速
では、上記フォワードクラッチ35とバンドブレーキ4
0とが係合し、このバンドブレーキ40によりサンギヤ
31aをロックする。そこでキャリア31cとリングギ
ヤ32bとが、連結要素33、フォワードクラッチ3
5、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、1
速時よりもリングギヤ32bが回転する分だけ増速した
動力が出力する。この際、減速時にオーバランニングク
ラッチ38の係合により連結要素33とリングギヤ32
bとを連結状態に保つことで、エンジン側に逆駆動力が
伝達してエンジンブレーキが作用する。
【0018】Dレンジまたは3レンジの3速では、フォ
ワードクラッチ35とハイクラッチ43とが係合し、こ
のハイクラッチ43により入力軸14が連結要素41,
32、キャリア31c、連結要素33、フォワードクラ
ッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介してリン
グギヤ32bに連結する。このため、リヤプラネタリギ
ヤ32は一体化して、入力軸14と変速機出力軸15と
は直結する。この際、減速時にオーバランニングクラッ
チ38の結合で第1のワンウエイクラッチ34の空転を
規制することで、2速と同様にエンジンブレーキが作用
する。
【0019】Dレンジの4速では、上述に加えてバンド
ブレーキ40の係合でサンギヤ31aをロックする。こ
のため、フロントプラネタリギヤ31でハイクラッチ4
3によりキャリア31cに入力した動力でリングギヤ3
1bを増速することになり、これが変速機出力軸15に
伝達する。この場合は、第1、第2のワンウエイクラッ
チ34,36を介しないため常にエンジンブレーキが作
用する。
【0020】Rレンジでは、リバースクラッチ44の結
合でサンギヤ31aに入力軸14の動力が入力する。ま
た、ローリバースクラッチ37の係合で連結要素33と
共にキャリア31cをロックするため、フロントプラネ
タリギヤ31でリングギヤ31bに逆転してギヤ比の大
きい動力が出力し、この逆転動力が変速機出力軸15に
伝達して後進速になる。こうして、自動変速機30にお
いて前進4段後進1段の変速段が得られる。
【0021】一方、自動変速機30の前方にはオイルポ
ンプ45が設置され、トルクコンバータ13のポンプイ
ンペラ側のドライブ軸46で常に駆動される。オイルパ
ン5にはコントロールバルブボデー47が収容され、上
述の各クラッチ、ブレーキに給排油して選択的に係合す
るようになっている。
【0022】また、この場合の自動変速機30におい
て、フロントプラネタリギヤ31のサンギヤとリングギ
ヤの歯数比α1、リヤプラネタリギヤ32の同様の歯数
比α2とすると、第1速ないし第4速のギヤ比i1〜i
4、後進速のギヤ比irは以下のようになる。 i1=1+(1/α2) i2=(α1+α2+α1・α2)/(1+α1)α2 i3=1.0 i4=1/(1+α1) ir=1/α1 そこで、α1=0.44、α2=0.56とすると、i
1=2.785、i2=1.545、i3=1.0、i
4=0.694、ir=2.272になる。
【0023】図2においてセンターディファレンシャル
装置50について詳細に説明する。センターディファレ
ンシャル装置50は、1組のプラネタリギヤ60、2組
の油圧多板クラッチ51,52と第5速用ブレーキ53
を備える。プラネタリギヤ60は、サンギヤ61、ピニ
オン62、リングギヤ63、ピニオン62を支持するキ
ャリヤ64から成り、キャリヤ64に変速機出力軸15
が連結して変速機動力が入力され、リングギヤ63にリ
ヤドライブ軸20が連結して常に後輪側に伝動構成され
る。
【0024】またプラネタリギヤ60にリダクションド
ライブギヤ17が隣接して同軸上に配置され、サンギヤ
61からの連結部材65が接断用の油圧多板クラッチ5
1を介しリダクションドライブギヤ17に連結して、前
輪側へも伝動構成される。このプラネタリギヤ60では
サンギヤ61を固定することで増速ギヤ比を得ることが
できることから、連結部材65に第5速用ブレーキ53
が設けられる。更にリダクションドライブギヤ17と一
体的な連結部材66がプラネタリギヤ60の外側にバイ
パスして配設され、この連結部材66が差動制限用の油
圧多板クラッチ52を介してリヤドライブ軸20に連結
される。
【0025】このセンターディファレンシャル装置50
の構成により、油圧多板クラッチ51を係合することで
4輪駆動車になり、このときプラネタリギヤ60のピニ
オン62の遊星回転により旋回時の前後輪の回転差を吸
収する差動機能を有する。この場合に、小径のサンギヤ
61と大径のリングギヤ63との径の比に基づいて、後
輪トルクTrと前輪トルクTfが、Tr>Tfの後輪偏
重の基準トルク配分比に設定される。また、後輪スリッ
プ等に応じて油圧多板クラッチ52に差動制限トルクを
生じることで、差動制限機能と、前後輪のトルク配分制
御機能とを有する。
【0026】ここで、センターディファレンシャル装置
50のトルク配分について説明する。センターディファ
レンシャル装置50への入力トルクをTi、サンギヤ6
1のフロント側トルクをTf、サンギヤ61の噛合いピ
ッチ円半径をRs、リングギヤ63のリヤ側トルクをT
r、そのリングギヤ63の噛合いピッチ円半径をRrと
すると、次式が成立つ。 Ti=Tf+Tr・・・・・・(1) Tf:Tr=Rs:Rr・・・(2) このことから、サンギヤ61の噛合いピッチ円半径とリ
ングギヤ63の噛合いピッチ円半径により、フロント側
トルクTf及びリヤ側トルクTrの基準トルク配分比を
自由に設定することができる。ここでRs,Rrは、各
歯数Zs,Zrに置き換えることができ、例えばZs=
34,Zr=90とすると、 Tf=34/(34+90)=0.274 Tr=90/(34+90)=0.726 となり、後輪偏重の基準トルク配分比に設定される。
【0027】次に、センターディファレンシャル装置5
0の増速機としての機能について説明する。第5速用ブ
レーキ53によりサンギヤ61を固定した場合に、サン
ギヤ61の歯数Zs、リングギヤ63の歯数Zrとする
と、増速ギヤ比ipは以下の式で示される。 ip=1/{(Zs/Zr)+1} そこで、Zs=34、Zr=90とすると、ip=0.
725になる。従って、この増速ギヤ比ipを単独で使
用するか、または自動変速機30の所定の変速段と組合
わせて使用することで、自動変速機30の最高速段より
ギヤ比の小さい変速段を得ることが可能になる。ここで
この実施例の自動変速機30の最高速段、即ち第4速の
ギヤ比i4は0.694であるから、この第4速と組合
わせることにより第5速を増設することができ、この第
5速のギヤ比i5は以下のようになる。 i5=i4・ip=0.503
【0028】一方、この増速機能を発揮する場合は、リ
ダクションドライブギヤ17以降の前輪側がフリーにな
って、後輪による2輪駆動になる。この場合に油圧多板
クラッチ52に差動制限トルクを生じることで、4輪駆
動の場合と同様の差動制限機能と、前後輪のトルク配分
制御機能とを有する。
【0029】これらの油圧多板クラッチ51,52及び
第5速用ブレーキ53は、例えば専用のバルブボデーで
油圧制御される。即ち、自動変速機30で前進4段後進
1段に変速される場合は、第5速用ブレーキ53を解放
して油圧多板クラッチ51を係合し、このとき後輪スリ
ップ等に応じて油圧多板クラッチ52に差動制限トルク
を生じる。また、第4速で車速が設定値より上昇する
と、逆に第5速用ブレーキ53を係合して油圧多板クラ
ッチ51を解放し、この場合も油圧多板クラッチ52に
差動制限トルクを生じるようになっている。
【0030】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、エンジン10の動力はトルクコンバータ1
3、入力軸14を介して自動変速機30に入力し、2組
のフロントプラネタリギヤ31とリヤプラネタリギヤ3
2の作動、クラッチ44,43,35,38,36,3
4とブレーキ40,37の選択的係合により、Dレンジ
にシフトすると前進速の第1速ないし第4速に自動変速
され、Rレンジにシフトする場合は後進速になる。そし
てこの変速動力が、変速機出力軸15からセンターディ
ファレンシャル装置50におけるプラネタリギヤ60の
キャリヤ64に入力する。
【0031】この場合に油圧多板クラッチ51が係合し
て、プラネタリギヤ60のサンギヤ61がリダクション
ドライブギヤ17以降の前輪に連結する。そこで、プラ
ネタリギヤ60の基準トルク配分比により、リングギヤ
63から大トルクの動力が、リヤドライブ軸20以降の
後輪に伝達し、同時にサンギヤ61から小トルクの動力
が、リダクションドライブギヤ17、リダクションドリ
ブンギヤ18、フロントドライブ軸16、フロントディ
ファレンシャル装置19を介して前輪に伝達して、後輪
偏重の4輪駆動走行になる。このトルク配分では、オー
バステア気味になって回頭性、操縦性等が良好になる。
この4輪駆動走行の旋回時には、プラネタリギヤ60ピ
ニオン62が遊星回転して、旋回時に生じる前後輪の回
転数差が吸収され、自由に旋回可能になる。
【0032】次いで、滑り易い路面走行時には、基準ト
ルク配分が後輪偏重のトルク配分のため通常は後輪が先
にスリップし、この場合に油圧多板クラッチ52の差動
制限トルクTcがスリップ状態に応じて、図3(b)の
実線のように制御される。すると、プラネタリギヤ60
に対して、リダクションドライブギヤ17の連結部材6
6と油圧多板クラッチ52による他の伝動系路がバイパ
スして構成される。そして高回転の後輪側のリヤドライ
ブ軸20から低回転の前輪側のリダクションドライブギ
ヤ17に、差動制限トルクTcに応じてトルクバイパス
する。そこで、図3(a)の実線の点P1から点P2に
向かうように前輪寄りにトルク配分制御されて後輪スリ
ップが防止されて、走破性を向上する。このとき差動制
限トルクTcが最大になると、リヤドライブ軸20とリ
ダクションドライブギヤ17の直結によりプラネタリギ
ヤ60はロックして直結式4輪駆動になり、前後輪の輪
荷重配分に相当したトルク配分になる。
【0033】一方、第4速の走行条件より更に高速にな
ると、この第4速状態で油圧多板クラッチ51を解放し
てリダクションドライブギヤ17以降の前輪側が分離さ
れ、第5速用ブレーキ53を係合してプラネタリギヤ6
0のリングギヤ63が所定の増速ギヤ比で回転される。
このため自動変速機30の第4速の動力が、更にプラネ
タリギヤ60で大幅に増速されてリヤドライブ軸20以
降の後輪に伝達し、第4速よりギヤ比の小さい第5速に
変速制御される。そこで第5速の後輪による2輪駆動走
行になり、燃費の良い状態で高速走行することが可能に
なる。
【0034】このとき、走行状態や後輪スリップの状況
等に応じて油圧多板クラッチ52の差動制限トルクTc
が、図3(b)の破線のように制御されると、リヤドラ
イブ軸20から油圧多板クラッチ52、連結部材66を
介してリダクションドライブギヤ17以降の前輪にもト
ルク伝達される。そこで、後輪スリップを防止すると共
に、前後輪のトルク配分が図3(a)の破線の点P3か
ら点P2に向かうように制御されて4輪駆動走行にな
る。
【0035】以上、前進4段の4輪駆動車の自動変速機
30とセンターディファレンシャル装置50の各変速段
におけるクラッチ、ブレーキの動作、ギヤ比の例、前後
輪のトルク配分をまとめて示すと、表1のようになる。
【表1】 この表1において、○印はクラッチ,ブレーキの係合動
作を、◎印は油圧多板クラッチ52による差動制限とト
ルク配分の状態をそれぞれ示す。
【0036】以上、本発明の実施例について説明した
が、エンジン、自動変速機を横置き配置したレイアウト
にも同様に適応することができる。自動変速機は実施例
に限定されず、3速や2速の場合にも適用し得る。ま
た、第5速のギヤ比は任意に定めることができ、第5速
以外の変速段にすることもできる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
センターディファレンシャル装置付4輪駆動車におい
て、センターディファレンシャル装置がプラネタリギヤ
と3組の摩擦係合要素により、差動機能、不等トルク配
分機能以外に増速機能を有するように構成されるので、
この増速ギヤ比を単独で使用したり、または自動変速機
の変速段のギヤ比と組合わせることにより、変速段を容
易に増設することができ、走行性能、燃費等を大幅に向
上することが可能になる。
【0038】また通常の4輪駆動走行、及び増速機能を
発揮した走行のいずれにおいても、摩擦係合要素のトル
ク制御により差動制限し、同時に前後輪のトルク配分を
制御するように構成されるので、4輪駆動車の種々の性
能を更に向上することができる。更にこのような種々の
機能を、プラネタリギヤと3組の摩擦係合要素による最
小限の要素で構成されるので、構造も非常に簡素化して
コンパクトになり、車載性等の良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンターディファレンシャル装置
付4輪駆動車として、縦置き配置の実施例の全体の構成
を示すスケルトン図である。
【図2】センターディファレンシャル装置の構成を示す
説明図である。
【図3】差動制限トルクによる前後輪のトルク配分状態
を示す図である。
【符号の説明】
15 変速機出力軸 17 リダクションドライブギヤ(伝動要素) 30 自動変速機 50 センターディファレンシャル装置 51 油圧多板クラッチ(第3の摩擦係合要素) 52 油圧多板クラッチ(第1の摩擦係合要素) 53 第5速用ブレーキ(第2の摩擦係合要素) 60 プラネタリギヤ 61 サンギヤ 63 リングギヤ 64 キャリヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多段の自動変速機に複数の摩擦係合要素
    とプラネタリギヤを備えたセンターディファレンシャル
    装置が連結される駆動系において、プラネタリギヤのキ
    ャリヤに自動変速機の出力軸を連結し、リングギヤを前
    後輪の一方へ連結し、且つサンギヤに第2の摩擦係合要
    素を設けて所定の増速ギヤ比を得るように構成され、更
    にサンギヤと前後輪の他方への伝動要素との間に接断用
    の第3の摩擦係合要素が設けられ、伝動要素とリングギ
    ヤ側との間に差動制限用の第1の摩擦係合要素が設けら
    れることを特徴とするセンターディファレンシャル装置
    付4輪駆動車。
  2. 【請求項2】 上記第2の摩擦係合要素は単独で係合し
    て増速段の2輪駆動に制御され、第3の摩擦係合要素は
    単独で係合してプラネタリギヤにより前後輪へ所定比率
    のトルクを配分した4輪駆動に制御され、これらの第2
    または第3の摩擦係合要素の係合状態で更に第1の摩擦
    係合要素のトルクを変化して差動制限とトルク配分制御
    されることを特徴とする請求項1記載のセンターディフ
    ァレンシャル装置付4輪駆動車。
  3. 【請求項3】 上記自動変速機のいずれか1つの変速段
    のギヤ比と、プラネタリギヤの増速ギヤ比との組合わ
    せ、もしくはプラネタリギヤの増速ギヤ比単独で、少な
    くとも1つ以上の増速段が増設されることを特徴とする
    請求項1記載のセンターディファレンシャル装置付4輪
    駆動車。
JP3564192A 1992-01-27 1992-01-27 センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 Expired - Fee Related JP3126793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3564192A JP3126793B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 センターディファレンシャル装置付4輪駆動車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3564192A JP3126793B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 センターディファレンシャル装置付4輪駆動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05201264A true JPH05201264A (ja) 1993-08-10
JP3126793B2 JP3126793B2 (ja) 2001-01-22

Family

ID=12447506

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3564192A Expired - Fee Related JP3126793B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 センターディファレンシャル装置付4輪駆動車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3126793B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083969A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
EP1953026A1 (en) 2007-01-31 2008-08-06 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Power transfer system for four-wheel drive vehicles
JP2009168245A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Zf Friedrichshafen Ag 印刷機械用の無段変速装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2017272753B9 (en) * 2016-05-31 2021-12-16 Kao Corporation Method for cleaning clothing

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083969A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
JP4515990B2 (ja) * 2005-09-26 2010-08-04 富士重工業株式会社 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
EP1953026A1 (en) 2007-01-31 2008-08-06 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Power transfer system for four-wheel drive vehicles
JP2009168245A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Zf Friedrichshafen Ag 印刷機械用の無段変速装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3126793B2 (ja) 2001-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4624154A (en) Drive unit for motor vehicle
JP2603879B2 (ja) 多段自動変速機付4輪駆動車
JP2004505216A (ja) 車両トランスミッション装置
KR100204960B1 (ko) 차량용자동변속기의파워트레인
US5295919A (en) Power transmitting system for a four-wheel drive motor vehicle
JP2675413B2 (ja) 4輪駆動装置
US5205797A (en) Torque distribution control system for a four-wheel drive motor vehicle
JP2883897B2 (ja) 多段自動変速機付4輪駆動車
US4653347A (en) Planetary gear train of automatic transmission
JPS6334342B2 (ja)
KR100204956B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 파워 트레인
JP3126793B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
US5823909A (en) Multiple speed automatic transaxle for a motor vehicle
KR101177947B1 (ko) 자동 변속식 엔진 차량 변속기
JPS6128531B2 (ja)
JP3126770B2 (ja) 多段自動変速機付車両
JP4515990B2 (ja) 4輪駆動車の前後輪駆動力配分装置
JP3047306B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JP3157222B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JPH068738A (ja) センターディファレンシャル装置付駆動装置
JP3172972B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JP3172974B2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車
JPH05112151A (ja) センターデイフアレンシヤル装置付4輪駆動車
JPH0228023A (ja) 車両の4輪駆動装置
JP2557407Y2 (ja) センターディファレンシャル装置付4輪駆動車

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071102

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees