JP2883897B2 - 多段自動変速機付4輪駆動車 - Google Patents

多段自動変速機付4輪駆動車

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    • B60K17/00Arrangement or mounting of transmissions in vehicles
    • B60K17/34Arrangement or mounting of transmissions in vehicles for driving both front and rear wheels, e.g. four wheel drive vehicles
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、多段自動変速機を備えたセンターディファ
レンシャル装置付の4輪駆動車に関し、詳しくは、複合
プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置を用
い、前後輪のトルク配分機能や差動機能の他に、多段自
動変速機の最低変速段よりもギヤ比の大きい変速段を得
る場合のパワートレインに関する。
【従来の技術】
一般に、センターディファレンシャル装置付4輪駆動
車として、多段自動変速機にセンターディファレンシャ
ル装置を組合せたものが出現しており、自動変速機の出
力側にベベルギヤ又はプラネタリギヤ式のセンターディ
ファレンシャル装置が配設されている。 また、自動変速機には、油圧制御系や車両の走行状態
を検出する各種センサ類を備えていることから、センタ
ーディファレンシャル装置に対する差動制限装置に油圧
多板クラッチを用い、マイクロコンピュータ等から成る
制御装置により自動変速用油圧制御系を介して油圧多板
クラッチに供給する油圧を制御して、油圧多板クラッチ
のトルクを可変に制御し、差動制限の度合いにより前後
輪へのトルク配分を制御することで、駆動力や操縦性・
安定性の向上、制動時の安定性、アンチロックブレーキ
システムの制御性の向上などを図っている。 ここで、センターディファレンシャル装置付4輪駆動
車に関し、例えば特開昭63−176728号公報(第1の先行
例)には、シンプルプラネタリギヤのセンターディファ
レンシャル装置を有し、サンギヤとリングギヤのピッチ
円径の比に応じて前後輪を不等トルク配分制御すること
が開示されている。 また、同公報には、サンギヤ、リングギヤ及びキャリ
アの2つの要素の間に差動制限用の油圧多板クラッチ
(差動制限装置)を配設することが開示されている。 また、多段自動変速機に関し、例えば、特公昭53−32
466号公報(第2の先行例)には、前進3段後進1段を
得る2組のプラネタリギヤに複合プラネタリギヤから成
る第1の副変速機を追加して第4速のオーバドライブ段
を得ることが開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記第1の先行例においては、センターディ
ファレンシャル装置と差動制限装置を構成する油圧多板
クラッチとが動力分配装置本来の前後輪へのトルク配分
と差動制限機構としか用いられていないため、主変速機
が自動変速機でその最低変速段よりもギヤ比の大きい減
速比を得ようとすると、主変速機に副変速機を追加する
必要があり、変速機全体の大型化を招く。 また、第2の先行例においては、前進4段であり、更
に前進段を増やす場合はプラネタリギヤ等から構成され
る第2の副変速機を追加する必要があり、しかもセンタ
ーディファレンシャル装置付の4輪駆動化を図ろうとす
ると、自動変速機全体の大型化を招き、車載性が著しく
悪化する。 本発明は、上記事情に鑑み、多段自動変速機、該多段
変速機からの出力を前後輪の駆動軸に配分する複合プラ
ネタリギヤ式センターディファレンシャル装置、及び差
動制限装置等によるパワートレインを工夫し、多段自動
変速機単独での最低変速段よりギヤ比の大きい極低速変
速段を得て、センターディファレンシャル装置による駆
動力配分および旋回時の差動機能、差動制限装置による
差動制限機能、駆動力配分機能をも備え、軽量かつコン
パクトな多段変速機付の4輪駆動装置を得ることが可能
な多段自動変速機付4輪駆動車を提供することを目的と
する。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、多
段自動変速機の変速機出力軸から動力を伝達される第1
のサンギヤと、前後輪の何れか一方に出力する第1の出
力軸に係合される第2のサンギヤと、上記第1のサンギ
ヤと第2のサンギヤにそれぞれ噛み合い、且つ同軸上に
直列配置され一体に構成された一対のピニオンと、上記
ピニオンを第1と第2のサンギヤの周りに回転可能に支
持すると共に前後輪の駆動軸の何れか他方に出力する第
2の出力軸へ伝動するキャリアとからなる複合プラネタ
リギヤ式センターディファレンシャル装置を有し、該セ
ンターディファレンシャル装置により多段自動変速機か
らの出力を前後輪の駆動軸に配分する多段自動変速機付
4輪駆動車において、上記第2のサンギヤは、内部に軸
方向に伸びる潤滑油路と該潤滑油路から軸周に向けて径
方向に伸びる潤滑油路を有する中間軸に形成され、上記
中間軸の外周に、上記第1の出力軸と上記第2のサンギ
ヤとの結合に介在し、上記第1の出力軸と上記第2のサ
ンギヤとの結合を選択的に解除する第1の油圧多板クラ
ッチを設け、上記ピニオンの何れか一方と係合すると共
に回動可能に支持されるリングギヤを設け、該リングギ
ヤに連結してリングギヤと変速機の固定部材とを選択的
に係合する油圧多板式のブレーキを、上記第1の油圧多
板クラッチの外周に同心に配設し、第1の油圧多板クラ
ッチによって上記第1の出力軸と上記第2のサンギヤと
の結合を解除すると共に上記ブレーキを動作させてリン
グギヤを変速機の固定部材に固定することにより、上記
センターディファレンシャル装置を上記多段自動変速機
の変速機出力軸から第2の出力軸への変速歯車装置とし
て選択的に用い、上記第1の出力軸と上記第2の出力軸
との間に、該第1の出力軸と第2の出力軸との間の動力
を伝達可能にすると共に、その間の動力配分を制御する
差動制限装置を配設したことを特徴とする。 請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におい
て、上記変速歯車装置として選択された複合プラネタリ
ギヤ式センターディファレンシャル装置と、上記多段自
動変速機の所定の変速段との組合せにより、上記多段自
動変速機の単独での最低変速段よりギヤ比の大きい極低
速変速段を得るよう設定すると共に、上記差動制限装置
を第2の油圧多板クラッチにより構成し、該第2の油圧
多板クラッチを上記センターディファレンシャル装置の
キャリアと第1の出力軸との間に配設し、第2の油圧多
板クラッチにより第2の出力軸から第1の出力軸に動力
伝達して、第1と第2の出力軸の双方に動力を伝達する
ことを特徴とする。
【作用】
請求項1記載の発明では、複合プラネタリギヤ式セン
ターディファレンシャル装置のピニオンの何れか一方に
係合するリングギヤと自動変速機の固定部材との間に設
けたブレーキを開放してリングギヤを回転可能とし、且
つ、第1の油圧多板クラッチにより第1の出力軸と第2
のサンギヤとを結合することによって、センターディフ
ァレンシャル装置から前輪と後輪に動力伝達され、多段
自動変速機の最低変速段より減速比の小さい増速の変速
段の範囲でセンターディファレンシャル装置付4輪駆動
になり、前後輪間で所定を比率を有する動力配分がなさ
れ、第1の出力軸と第2の出力軸との間に配設した差動
制限装置によって、前後輪間のトルク配分が制御され
る。また、第1の油圧多板クラッチにより第1の出力軸
と第2のサンギヤとの結合を解除し、ブレーキによりリ
ングギヤと自動変速機の固定部材とを固定することによ
って、センターディファレンシャル装置は変速歯車装置
として作用し、多段自動変速機の所定の変速段とセンタ
ーディファレンシャル装置から得られる変速段の組合せ
で、第2の出力軸の変速段が設定される。これにより、
第2の出力軸の変速段を、多段自動変速機単独での最低
変速段よりギヤ比の大きい極低速変速段を得るよう設定
することが可能となる。さらに、第1の出力軸と第2の
出力軸との間に配設した差動制限装置により動力伝達す
ることで、この変速段においても差動制限装置による伝
達トルク制御によって前後輪の駆動力配分が制御可能な
フルタイム4輪駆動が実現される。そして、第1の出力
軸と第2のサンギヤとの結合、リングギヤの固定に、そ
れぞれ第1の油圧多板クラッチ、油圧多板式のブレーキ
を用い、これらを同心配置するので、変速機の全長を短
縮することが可能となり、また、内部に軸方向に伸びる
潤滑油路と該潤滑油路から軸周に向けて径方向に伸びる
潤滑油路により、中間軸によって供給される潤滑油を、
内側に配置した第1の油圧多板クラッチと外側に配置し
たブレーキとで用いることができて、これらに対する潤
滑性を良好に保つことが可能となる。 請求項2記載の発明では、変速歯車装置として選択さ
れた複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル
装置と、多段自動変速機の所定の変速段との組合せによ
って、多段自動変速機の単独での最低変速段よりギヤ比
の大きい極低速変速段を得ると共に、差動制限装置を第
2の油圧多板クラッチにより構成し、第2の油圧多板ク
ラッチを、センターディファレンシャル装置のキャリア
と第1の出力軸との間に配設する。そして、第2の油圧
多板クラッチにより第2の出力軸から第1の出力軸に動
力伝達して、第1の出力軸と第2の出力軸の双方に動力
を伝達する。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。 第1図ないし第3図は、本発明が適用される多段自動
変速機付4輪駆動車として、エンジン、自動変速機等の
駆動ユニットを車両前後方向に縦置き配置した例を示
す。 先ず、第1図に基づいて、多段自動変速機付4輪駆動
車の駆動系を説明する。同図に示すように、トルクコン
バータケース1、ディファレンシャルケース2の後部に
トランスミッションケース3が接合し、トランスミッシ
ョンケース3の後部にトランスファケース4及びエクス
テンションケース6が接合し、トランスミッションケー
ス5の下部にオイルパン5が取付けられている。 また、エンジン10のクランク軸11がトルクコンバータ
ケース1内部のロックアップクラッチ12を備えたトルク
コンバータ13に連結し、トルクコンバータ13からの入力
軸14がトランスミッションケース3内部の多段自動変速
機30に入力する。そして、自動変速機30からの変速機出
力軸15が、入力軸14と同軸上に出力して、トランスファ
ケース4内部の複合プラネタリギヤ式センターディファ
レンシャル装置50に同軸上に連結する。 また、トランスミッションケース3内部において、
入,出力軸14,15に対し、前輪への出力軸(第2の出力
軸)としてフロントドライブ軸16が平行配置され、この
フロントドライブ軸16の後端はセンターディファレンシ
ャル装置50に一対のリダクションギヤ17,18を介して連
結し、フロントドライブ軸16の前端はディファレンシャ
ルケース2内部のフロントディファレンシャル装置19を
介して前輪に伝動構成される。 一方、複合プラネタリギヤ式センターディファレンシ
ャル装置50の後部に油圧多板クラッチ装置60が設けら
れ、油圧多板クラッチ装置60から後輪への出力軸(第1
の出力軸)としてリヤドライブ軸20が、プロペラ軸21、
リヤディファレンシャル装置22等を介して後輪に伝動構
成される。 多段自動変速機30は、2組のフロントプラネタリギヤ
31、リヤプラネタリギヤ32により前進4段と後進1段を
得る構成である。すなわち、入力軸14がリヤプラメタリ
ギヤ32のサンギヤ32aに連結し、フロントプラネタリギ
ヤ31のリングギヤ31b及びリヤプラネタリギヤ32のキャ
リア32cが変速機出力軸15に連結する。そして、フロン
トプラネタリギヤ31のキャリア31cと一体的な連結要素3
3と、リヤプラネタリギヤ32のリングギヤ32bとの間に、
第1のワンウエイクラッチ34、フォワードクラッチ35が
直列的に設けられ、また、連結要素33と固定部材である
トランスミッションケース3側との間に、第2のワンウ
エイウラッチ36、ローリバースブレーキ37が並列的に設
けられている。さらに、連結要素33とリヤプラネタリギ
ヤ32のリングギヤ32bとの間には、オーバランニングク
ラチ38がバイパスして設けられている。 また、フロントプラネタリギヤ31のサンギヤ31aと一
体的な連結要素39には、バンドブレーキ40が設けられ、
入力軸14と一体的な連結要素と、キャリア31cと一体的
な連結要素42との間には、ハイクラッチ43が設けられて
いる。 ここで、多段自動変速機30の変速段と、各クラッチ,
ブレーキの係合関係を第1表に示す。 ドライブ(D)レンジ、3レンジ、或いは2レンジの
第1速では、フォワードクラッチ35が係合し、加速の場
合は、第1,第2のワンウエイクラッチ34,36の作用によ
り連結要素33とリヤプラネタリギヤ32のリングギヤ32b
をロックすることで、入力軸14からリヤプラネタリギヤ
32のサンギヤ32a、キャリア32cを介して変速機出力軸15
に動力伝達する。また、第1速における惰行時は、第1
のワンウエイクラッチ34がフリーになり、このとき、オ
ーバランニングクラッチ38を係合して第1のワンウエイ
クラッチ34のフリー回転を規制しても、第2のワンウエ
イクラッチ36がフリーとなって、エンジンブレーキが作
用しない。 これに対し、1レンジの第1速では、ローリバースブ
レーキ37の係合でオーバランニングクラッチ38を介して
リヤプラネタリギヤ32のリングギヤ32bを常にロックす
るため、エンジンブレーキが作用する。 また、Dレンジ、3レンジ、或いは2レンジの第2速
では、フォワードクラッチ35とバンドブレーキ40が係合
し、バンドブレーキ40の係合によりフロントプラネタリ
ギヤ31のサンギヤ31aをロックする。そこで、フロント
プラネタリギヤ31のキャリア31cとリヤプラネタリギヤ3
2のリングギヤ32bとが、連結要素33、フォワードクラッ
チ35、第1のワンウエイクラッチ34を介して回転し、第
1速のときよりも、リングギヤ32bが回転する分だけ、
増速した動力が出力する。また、第2速における減速時
は、オーバランニングクラッチ38の係合によりリングギ
ヤ32bと連結要素33とを連結状態に保つことで、エンジ
ン10側に逆駆動力が伝達してエンジンブレーキが作用す
る。 Dレンジ、或いは3レンジの第3速では、フォワード
クラッチ35とハイクラッチ43とが係合し、ハイクラッチ
43の係合により入力軸14が、連結要素41,42、フロント
プラネタリギヤ31のキャリア31c、連結要素33、フォワ
ードクラッチ35、第1のワンウエイクラッチ34を介して
リヤプラネタリギヤ32のリングギヤ32bに連結する。こ
のため、リヤプラネタリギヤ32が一体化して、入力軸14
と変速機出力軸15とが直結する。また、第3速における
減速時は、オーバランニングクラッチ38の係合により第
1のワンウエイクラッチ34の空転を規制することで、第
2速と同様に、エンジンブレーキが作用する。 Dレンジの第4速では、上述に加えて、バンドブレー
キ40の係合によりフロントプラネタリギヤ31のサンギヤ
31aをロックする。このため、フロントプラネタリギヤ3
1でハイクラッチ43によりキャリア31cに入力した動力で
リングギヤ31bを増速することになり、これが変速機出
力軸15に伝達する。この場合は、第1,第2のワンウエイ
クラッチ34,36を介さないため、減速時は常にエンジン
ブレーキが作用する。 リバース(R)レンジでは、リバースクラッチ44の係
合によりフロントプラネタリギヤ31のサンギヤ31aに入
力軸14の動力が入力する。また、ローリバースブレーキ
37の係合により連結要素33と共にフロントプラネタリギ
ヤ31のキャリア31cをロックするため、フロントプラネ
タリギヤ31でリングギヤ31bに逆転してギヤ比の大きい
動力が出力して、これが変速機出力軸15に伝達し後進速
となる。 こうして、多段自動変速機30において、前進4段後進
1段の変速段が得られる。 一方、多段自動変速機30の前方にはオイルポンプ45が
設置され、トルクコンバータ13のポンプインペラ側のド
ライブ軸46で常に駆動される。また、オイルパン5には
コントロールバルブボディー47が収容され、上述の各ク
ラッチ、ブレーキに給排油して、これら各クラッチ、ブ
レーキを選択的に係合するようになっている。 次に、第2図に基づいて、複合プラネタリギヤ式セン
ターディファレンシャル装置50及び油圧多板クラッチ装
置60について説明する。 変速機出力軸15の後方に中間軸23を介してリヤドライ
ブ軸(第1の出力軸)20が同軸上に配置され、これらは
ブッシュ28、スラストベアリング25により回転自在に嵌
合する。また、変速機出力軸15には、前輪側のリダクシ
ョンギヤ17がブッシュ28等を介して勘合し、トランスミ
ッションケース3に対しボールベアリング26で支持して
回転自在に設けられ、これら変速機出力軸15、リダクシ
ョンギヤ17及び中間軸23の間に、複合プラネタリギヤ式
センターディファレンシャル装置50が同軸上に配置され
る。 尚、中間軸23内部の中央には、変速機出力軸15から潤
滑油が供給されて、軸方向に伸びる潤滑油路23aが設け
られ、さらに、中間軸23に、この潤滑油路23aから中間
軸23の周囲に配設された油圧多板クラッチやギヤに潤滑
油を供給する潤滑油路23bが軸周の該当部位に向けて径
方向に複数設けられている。 複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装
置50は、変速機出力軸15に形成された第1のサンギヤ51
と、中間軸23に形成された第2のサンギヤ53とを有し、
同軸上に直列配置され一体に構成された第1,第2のピニ
オン52,54が第1,第2のサンギヤ51,53に噛み合う。ま
た、キャリア55が左右のフランジ55a,55bをアーム55cに
より一体化してなり、一方のフランジ55aをリダクショ
ンギヤ17に結合し、他方のフランジ55bを中間軸23に対
しボールベアリング26で支持して設置される。そして、
このキャリア55の左右のフランジ55a,55bに架設された
ピニオン軸56で、第1,第2のピニオン52,54をニードル
ベアリング27を介して支持するのであり、こうして、複
合プラネタリギヤ式のセンターディファレンシャル装置
50が構成される。 これにより、複合プラネタリギヤ式センターディファ
レンシャル装置50は、第1のサンギヤ51に入力する動力
を、第1,第2のサンギヤ51,53と第1,第2のピニオン52,
54との歯車諸元によるトルク配分比で、キャリア55と第
2のサンギヤ53に伝達して、前後輪へ不等トルク配分す
る機能を備える。 また、複合プラネタリギヤ式センターディファレンシ
ャル装置50は、第1,第2のピニオン52,54の遊星回転に
より、旋回時の旋回半径の差によって生じる前輪側のフ
ロントドライブ軸(第2の出力軸)16にリダクションギ
ヤ17,18を介して係合するキャリア55と、後輪側のリヤ
ドライブ側(第1の出力軸)20に中間軸23および油圧多
板クラッチ装置60の第1の油圧多板クラッチ61を介して
係合する第2のサンギヤ53との回転数差を吸収する差動
機能を有する。 ここで、第3図に基づいて、センターディファレンシ
ャル装置50の不等トルク配分機能について説明する。 第1のサンギヤ51の入力トルクをTi、その噛合いピッ
チ半径をrs1、キャリア55のフロント側トルクをTF、第
1,第2のピニオン52,54の噛合いピッチ半径をrp1,rp2、
第2のサンギヤ53側のリヤ側トルクをTR、その噛合いピ
ッチ半径をrs2とすると、 Ti=TF+TR …(1) rs1+rp1=rs2+rp2 …(2) が成立する。 また、第1のサンギヤ51と第1のピニオン52との噛合
点に作用する接線方向荷重Pは、キャリア55に作用する
接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ53と第2のピニオン
54との噛合点に作用する接線方向荷重P2との和に等し
い。 P=P1+P2 P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) P2=TR/rs2 ∴Ti/rs1=TF/(rs1+rp1)+TR/rs2 …(3) 上記(1),(2)式を(3)式に代入して整理する
と、 TF=(1−rp1・es2/rs1・rp2)×Ti TR=(rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti となる。これにより、第1,第2のサンギヤ51,53と第1,
第2のピニオン52,54との噛合いピッチ半径により、フ
ロント側トルクTF及びリヤ側トルクTRの基準トルク配分
比を自由に設定し得ることがわかる。 ここで、第1のサンギヤ51、第1,第2のピニオン52,5
4、第2のサンギヤ53の各噛合いピッチ半径rs1、rp1、r
P2、rs2は、各歯数Zs1、Zp1、Zp2、Zs2に置換えること
ができ、Zp1=Zp2=18、Zs1=27、Zs2=18とすると、 TF:TR=40:60 になる。従って、十分に後輪偏重の基準トルク配分比に
設定し得る。 次に、油圧多板クラッチ装置60について説明する。 複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装
置50を構成する第2のサンギヤ53が形成された中間軸23
が、トルク伝達用の第1の油圧多板クラッチ61を介し
て、キャリア55が差動制限とトルク移動用の第2の油圧
多板クラッチ62を介して、それぞれリヤドライブ軸(第
1の出力軸)20に伝動構成される。 すなわち、本実施例においては、第2の油圧多板クラ
ッチ62によって差動制限装置が構成される。 一方、センターディファレンシャル装置50による差動
機能を阻止して、キャリア55を減速回転させ、自動変速
機出力軸15からの出力を更に減速し、多段自動変速機30
単独での最低変速段よりギヤ比の大きい極低速変速段を
得るために、第1のピニオン52もしくは第2のピニオン
54に噛合うリングギヤ57と、リングギヤ57を変速機の固
定部材としてトランスファケース4に固定する油圧多板
式のブレーキ63とを備える。 尚、本実施例においては、リングギヤ57は、第1のピ
ニオン52に噛合う。 すなわち、複合プラネタリギヤ式センターディファレ
ンシャル装置50の第1のピニオン52に噛合うリングギヤ
57を配設することによって、シンプルプラネタリギヤを
構成し、このリングギヤ57をブレーキ63により変速機の
固定部材としてトランスファケース4に固定すること
で、所定の減速ギヤ比を得る。 トルク伝達用の第1の油圧多板クラッチ61は、ドラム
61aが中間軸23に結合し、ハブ61bがリヤドライブ軸20の
フランジ20aに結合している。ドラム61aには油圧室61c
とピストン61dとが設けられ、ドラム61aとハブ61bとの
間に交互に設けられているクラッチドライブプレート61
eとクラッチドリブンプレート61fを押圧して係合または
開放するようになっている。 また、差動制限とトルク移動用の第2の油圧多板クラ
ッチ62は、ドラム62aがエエクステンションケース6の
ボス部6aに回転自在に設置され、更にキャリア55と一体
の連結部材64にスプライン結合し、ハブ62bがリヤドラ
イブ軸20の先端フランジ20aに一体結合する。ドラム62a
には油圧室62cとピストン62dとが設けられ、ドラム62a
とハブ62bとの間に交互に設けられているクラッチドラ
イブプレート62eとクラッチドリブンプレート62fとを押
圧することで前後輪間が係合状態となり、差動制限トル
クまたは伝達トルクが生じる。 油圧多板式ブレーキ63は、第1の油圧多板クラッチ61
の外周に同心に配設されており、トランスファケース4
と、リングギヤ57と一体のハブ63bとの間に交互にクラ
ッチドライブプレート63eとクラッチドリブンプレート6
3fが設けられ、エクステンションケース6の内部後端に
油圧室63dとピストン63dとが設けられている。そして、
ピストン63dにより押圧部材63gを介してクラッチドライ
ブプレート63eとクラッチドリブンプレート63fとを押圧
し、ハブ63bと共にリングギヤ57をロックまたはフリー
にする。 これら第1,第2の油圧多板クラッチ61,62、ブレーキ6
3は、コントロールバルブボディー47で多段自動変速機3
0の変速制御等と共に油圧制御される。 そこで、自動変速機30で前進4段後進1段に変速され
る場合は、上述の第1表に示すように、ブレーキ63を開
放し、第1の油圧多板クラッチ61が係合してセンターデ
ィファレンシャル装置付4輪駆動車となり、このとき第
2の油圧多板クラッチ62の係合により、前後輪のスリッ
プ等に応じて差動制限トルクを得る。 また、多段自動変速機30単独での第1速よりギヤ比の
大きい極低速変速段を得るときには、第1の油圧多板ク
ラッチ61を開放して、リヤドライブ軸(第1の出力軸)
20と第2のサンギヤ53との結合を解除し、ブレーキ63の
係合によりリングギヤ57と自動変速機の固定部材とを固
定して、リングギヤ57をロックすることによって、セン
ターディファレンシャル装置50の差動機能を阻止し、キ
ャリア55を減速回転する変速ギヤに用い、センターディ
ファレンシャル装置50を変速歯車装置として作用させ
る。 そして、このとき、多段自動変速機30の所定の変速段
によるギヤ比とセンターディファレンシャル装置30から
得られる減速ギヤ比との組合せで、極低速変速段のギヤ
比(変速比)が設定される。これにより、多段自動変速
機30単独での最低変速段よりギヤ比の大きい極低速変速
段を得るよう設定することが可能となる。 尚、本実施例においては、極低速変速段を得るときに
は、第1表に示すように、例えば、多段自動変速機30を
第2速に変速制御する。そして、このとき第2速のギヤ
比をi2、さらに、第1の油圧多板クラッチ61を開放しブ
レーキ63の係合によりリングギヤ57をロックすることに
よってセンターディファレンシャル装置50を変速歯車装
置として作用させたときにセンターディファレンシャル
装置50から得られるギヤ比をipとすると、極低速変速段
のギヤ比iELは、 iEL=i2・ip となる。 ここで、センターディファレンシャル装置50の歯車諸
元に上述のものを用い、リングギヤ57の歯数ZLを、ZL=
63とすると、センターディファレンシャル装置50を変速
歯車装置として作用させたときにセンターディファレン
シャル装置50から得られるギヤ比ipは、 ip=1+(63/27)=3.333 になる。 そこで、例えば、第2表に示すように、第2速のギヤ
比i2を、i2=1.545とすると、 iEL=i2・ip=1.545×3.333=5.149 となり、多段自動変速機30単独による第1速のギヤ比
(=2.785)よりギヤ比の大きい極低速変速段が適正な
ギヤ比間隔で得られる。 そして、この極低速変速段においては、第2の油圧多
板クラッチ62を係合することで伝達トルクを得て、前後
輪への駆動力配分が制御可能な4輪駆動となる。 以上の多段自動変速機30と複合プラネタリギヤ式セン
ターディファレンシャル装置50の、極低速変速段、Dレ
ンジとRレンジの各変速段におけるクラッチ、ブレーキ
の動作を、第1表にまとめて示す。第1表において、○
印は各クラッチ,ブレーキの係合動作を示し、また、●
印は第2の油圧多板クラッチ62による差動制限トルクの
発生を示し、◎印は第2の油圧多板クラッチにより前後
輪への駆動力配分制御を行い、第2の油圧多板クラッチ
62による伝達トルク状態を示す。 また、各変速段におけるギヤ比、ギヤ比の実例、前後
輪のトルク配分比を、第2表にまとめて示す。 第2表において、α1はフロントプラネタリギヤ31の
サンギヤ31aの歯数Zfsとリングギヤ31bの歯数Zfrとの比
であり、α1=Zfs/Zfr、α2はリヤプラネタリギヤ32
のサンギヤ32aの歯数Zrsとリングギヤ32bの歯数Zrrとの
比であり、α2=Zrs/Zrrである。 尚、フロントプラネタリギヤ31の各要素の回転数の関
係は、次式のようになる。 Nfr+α1・Nfs=(1+α1)・Nfc また、リヤプラネタリギヤ32の各要素の回転数の関係
は、次式のようになる。 Nrr+α1・Nrs=(1+α1)・Nrc ここで、Nfrはフロントプラネタリギヤ31のリングギ
ヤ31bの回転数、Nfsはサンギヤ31aの回転数、Nfcはキャ
リア31cの回転数であり、Nrrはリヤプラネタリギヤ32の
リングギヤ32bの回転数、Nrsはサンギヤ32aの回転数、N
rcはキャリア32cの回転数である。 次に、本実施例の作用について説明する。 先ず、エンジン10の動力は、トルクコンバータ13、入
力軸14を介して多段自動変速機30に入力し、2組のフロ
ントプラネタリギヤ31とリヤプラネタリギヤ32の作動、
各クラッチ44,43,35,34,38,36及び各ブレーキ40,37の選
択的係合により、前進の場合に、第1速ないし第4速に
自動変速され、Rレンジにシフトの場合に後進速とな
る。そして、この変速動力が、変速機出力軸15から複合
プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置50の
第1のサンギヤに入力する。 通常の第1速から第4速のときには、油圧多板クラッ
チ装置60における第1の油圧多板クラッチ61が係合し
て、複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル
装置50の第2のサンギヤ53が中間軸23、第1の油圧多板
クラッチ61を介してリヤドライブ軸(第1の出力軸)20
に連結し、センターディファレンシャル装置50で前後輪
へ駆動力配分される4輪駆動車になる。 そこで、上述のように、センターディファレンシャル
装置50の各歯車諸元により、例えば、フロント側トルク
TFとリヤ側トルクTRとの配分比が、TF:TR=40:60に設定
されていることで、変速機出力軸15からの変速動力の40
%がキャリア55に、60%が第2のサンギヤ23に配分して
出力される。 そして、キャリア55の動力は、リダクションギヤ17,1
8、フロントドライブ軸(第2の出力軸)16、フロント
ディファレンシャル装置19を介して前輪に伝達する。ま
た、第2のサンギヤ53の動力は、中間軸23、第1の油圧
多板クラッチ61、リヤドライブ軸(第1の出力軸)20、
プロペラ軸21、リヤディファレンシャル装置22を介して
後輪に伝達し、後輪偏重の4輪駆動走行になる。この後
輪偏重のトルク配分ではオーバステア気味になって、回
頭性、操縦性等が良好となる。 また、旋回時には、複合プラネタリギャ式センターデ
ィファレンシャル装置50の第1,第2のピニオン52,54の
遊星回転により、旋回時や前後輪の有効径の差によって
生じる前後輪の回転数差が吸収され、自由に旋回可能と
なる。 また、滑り易い路面の走行時には、基準トルク配分が
後輪偏重のトルク配分のため、通常、後輪が先にスリッ
プし、スリップ状態に応じた差動制限トルクTCが第2の
油圧多板クラッチ62に生じる(第3図参照)。すると、
センターディファレンシャル装置50のキャリア55と第2
のサンギヤ53との間に、連結部材64と第2の油圧多板ク
ラッチ62とにより伝動系路がバイパスして形成され、高
回転の第2のサンギヤ53の後輪側から低回転のキャリア
55の前輪側に、差動制限トルクTCに応じて駆動トルクが
バイパスする。これによって、この時には前輪寄りにト
ルク配分制御されて、スリップが防止され、走破性が向
上する。 尚、この場合に差動制限トルクTCが最大になると、第
2のサンギヤ53とキャリア55との直結によりセンターデ
ィファレンシャル装置50はロックして直結となり、前後
輪の輪荷重配分に相当したトルク配分になる。 これにより、図示しない制御装置により走行状態に応
じ第2の油圧多板クラッチ62に供給する油圧を制御して
差動制限トルクTCを制御することで、後輪偏重のトルク
配分と直結による輪荷重配分に相当したトルク配分との
間で、トルク配分を可変に制御することが可能となる。 一方、急坂道の登降坂、悪路走行時等、極低速変速段
に変速されたときは、多段自動変速機30が第2速の状態
となり、同時に、第1の油圧多板クラッチ61の開放によ
りリヤドライブ軸(第1の出力軸)20と第2のサンギヤ
53との結合が解除されると共に、ブレーキ63の係合によ
りリングギヤ57がロックし、複合プラネタリギヤ式セン
ターディファレンシャル装置50の第1のサンギヤ51、第
1のピニオン52、及び、リングギヤ57によりシンプルプ
ラネタリギヤが構成されてえ、センターディファレンシ
ャル装置50が減速歯車機構として作用する。 そして、多段自動変速機30により第2速による動力
が、更にセンターディファレンシャル装置50で大幅に減
速されて、キャリア55、リダクションギヤ17,18、フロ
ントドライブ軸(第2の出力軸)16等を介して前輪に伝
達され、多段自動変速機30単独の第1速よりもギヤ比の
大きい状態で駆動力を増大することが可能となる。 また、このとき、走行状態や前輪スリップの状況等に
応じ第2の油圧多板クラッチ62を制御して、第2の油圧
多板クラッチ62による伝達トルクTD(第3図参照)を可
変制御することで、前輪側のフロントドライブ軸(第2
の出力軸)16にリダクションギヤ17,18を介して係合す
るキャリア55から、連結部材64、第2に油圧多板クラッ
チ62、リヤドライブ軸(第1の出力軸)20を介して後輪
にもトルク移動可能となり、この場合においても、駆動
力配分を制御可能な4輪駆動走行とすることが可能とな
る。 さらに、このときには、第2の油圧多板クラッチ62を
直結することで、前後輪の輪荷重配分相当のトルク配分
まで制御可能である。そして、走行状態や前輪のスリッ
プ時などに、第2の油圧多板クラッチ62による伝達トル
クTDに応じて後輪にトルク伝達され、前後輪へのトルク
配分によりスリップが防止されて、走破性が向上する。 また、本実施例における油圧多板クラッチ装置60の配
置構成において、内部に軸方向に伸びる潤滑油路23a
と、この潤滑油路23aから軸周に向けて径方向に伸びる
潤滑油路23bとを有する中間軸23の外周に、トルク伝達
用の第1の油圧多板クラッチ61を設け、さらに、リング
ギヤ57を選択的に固定する油圧多板式ブレーキ63を、第
1の油圧多板クラッチ61の外周に同心に配設しているの
で、中間軸23によって供給される潤滑油を、内側に配置
した第1の油圧多板クラッチ61と外側に配置した油圧多
板式ブレーキ63とで用いることが可能となり、これらに
対する潤滑性が良好に保たれる。 また、差動制限装置を構成する第2の油圧多板クラッ
チ62を、センターディファレンシャル装置50のキャリア
55とリヤドライブ軸(第1の出力軸)20との間に、第1
の油圧多板クラッチ61と油圧多板式ブレーキ63とに隣接
して配置するので、これら第1,第2の油圧多板クラッチ
61,62、及び油圧式ブレーキ63をまとめて配置して、油
圧多板クラッチ装置60をコンパクトに実現でき、ひいて
は軽量、コンパクトな多段自動変速機付の4輪駆動ユニ
ットを得ることが可能となる。 尚、本実施例においては、エンジン、自動変速機等の
駆動ユニットを縦置き配置した例につき説明したが、本
発明はこれに限定されず、駆動ユニットを横置き位置し
たものにも適用され得る。 また、本実施例においては、第1の出力軸として、後
輪側のリヤドライブ軸20を複合プラネタリギヤ式センタ
ーディファレンシャル装置50の第2のサンギヤ53に係合
し、第2の出力軸として、前輪側のフロントドライブ軸
16をキャリア55に係合するようにしているが、逆に、前
輪側のフロントドライブ軸16を第1の出力軸として第2
のサンギヤ53に係合し、後輪側のリヤドライブ軸20を第
2の出力軸としてキャリアに係合するようにしてもよい
ことは勿論である。 更に、本実施例においては、差動制限装置として油圧
多板クラッチ62を採用しているが、本発明はこれに限定
されず、差動制限装置として、前後輪の回転速度差に応
じて差動制限トルクが発生するビスカスカップリングや
油圧式カップリング等を用いてもよい。 すなわち、本発明は、上記の実施例に限定されず、そ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、
複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置
のピニオンの何れか一方に係合するリングギヤと自動変
速機の固定部材との間に設けたブレーキを開放してリン
グギヤを回転可能とし、且つ、第1の油圧多板クラッチ
により第1の出力軸と第2のサンギヤとを結合すること
で、センターディファレンシャル装置から前輪と後輪に
動力伝達され、多段自動変速機の最低変速段より減速比
の小さい増速の変速段の範囲で、センターディファレン
シャル装置付4輪駆動とすることができる。そして、こ
のときには、前後輪間で所定の比率を有する動力配分が
なされ、第1の出力軸と第2の出力軸との間に配設した
差動制限装置によって、前後輪間のトルク配分を制御す
ることができる。 また、第1の油圧多板クラッチにより第1の出力軸と
第2のサンギヤとの結合を解除し、ブレーキによりリン
グギヤと自動変速機の固定部材とを固定することで、セ
ンターディファレンシャル装置を変速歯車装置として用
い、多段自動変速機の所定の変速段のギヤ比とセンター
ディファレンシャル装置から得られるギヤ比の組合せ
で、第2の出力軸の変速比が設定される。これにより、
多段自動変速機単独での最低変速段よりギヤ比の大きい
極低速変速段を得ることができる。そして、このときに
は、第1の出力軸と第2の出力軸との間に配設した差動
制限装置により動力伝達することで、この変速段におい
ても差動制限装置による伝達トルク制御によって前後輪
の駆動力配分が制御可能なフルタイム4輪駆動を実現す
ることができる。 従って、多段自動変速機単独での最低変速段よりギヤ
比の大きい極低速変速段を得て、センターディファレン
シャル装置による駆動力配分および旋回時の差動機能、
差動制限装置による差動制限機能、駆動力配分機能をも
備えることができる。 さらに、第1の出力軸と第2のサンギヤとの結合、リ
ングギヤの固定に、それぞれ第1の油圧多板クラッチ、
油圧多板式のブレーキを用い、これらを同心配置するの
で、変速機の全長を短縮することが可能となり、軽量か
つコンパクトな多段変速機付の4輪駆動装置を得ること
ができる。 また、内部に軸方向に伸びる潤滑油路と該潤滑油路か
ら軸周に向けて径方向に伸びる潤滑油路により、中間軸
によって供給される潤滑油を、内側に配置した第1の油
圧多板クラッチと外側に配置したブレーキとで用いるこ
とができて、これらに対する潤滑性を良好に保つことが
できる。 請求項2記載の発明によれば、変速歯車装置として選
択された複合プラネタリギヤ式センターディファレンシ
ャル装置と、多段自動変速機の所定の変速段との組合せ
によって、多段自動変速機の単独での最低変速段よりギ
ヤ比の大きい極低速変速段を得るので、上記請求項1記
載の発明の効果に加え、所望とするギア比の極低速変速
段を容易に得ることができ、また、多段変速機単独によ
る最低変速段よりギヤ比の大きい極低速変速段を適正な
ギヤ比間隔で設定することができる。 また、差動制限装置を第2の油圧多板クラッチにより
構成し、第2の油圧多板クラッチを、センターディファ
レンシャル装置のキャリアと第1の出力軸との間に配設
し、第2の油圧多板クラッチにより、第2の出力軸から
第1の出力軸に動力伝達して、第1の出力軸と第2の出
力軸の双方に動力を伝達するので、これら第1,第2の油
圧多板クラッチ、及び油圧式ブレーキをまとめて配置し
て、これらから構成される油圧多板クラッチ装置をコン
パクトに実現することができ、ひいては更に軽量、コン
パクトな多段自動変速機付の4輪駆動装置を得ることが
できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は、本発明の一実施例を示し、第1
図は多段自動変速機付4輪駆動車の駆動系として縦置き
配置の全体構成を示すスケルトン図、第2図はセンター
ディファレンシャル装置と油圧多板クラッチ装置の要部
拡大断面図、第3図はトルク配分状態,差動制限と直結
用伝達トルクの流れを示す説明図である。 4……トランスファケース(変速機の固定部材) 15……変速機出力軸 16……フロントドライブ軸(第2の出力軸) 20……リヤドライブ軸(第1の出力軸) 23……中間軸 23a,23b……潤滑油路 30……多段自動変速機 50……複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャ
ル装置 51……第1のサンギヤ 52……第1のピニオン 53……第2のサンギヤ 54……第2のピニオン 55……キャリア 57……リングギヤ 60……油圧多板クラッチ装置 61……第1の油圧多板クラッチ 62……第2の油圧多板クラッチ(差動制限装置) 63……ブレーキ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多段自動変速機の変速機出力軸から動力を
    伝達される第1のサンギヤと、前後輪の何れか一方に出
    力する第1の出力軸に係合される第2のサンギヤと、上
    記第1のサンギヤと第2のサンギヤにそれぞれ噛み合
    い、且つ同軸上に直列配置され一体に構成された一対の
    ピニオンと、上記ピニオンを第1と第2のサンギヤの周
    りに回転可能に支持すると共に前後輪の駆動軸の何れか
    他方に出力する第2の出力軸へ伝動するキャリアとから
    なる複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル
    装置を有し、該センターディファレンシャル装置により
    多段自動変速機からの出力を前後輪の駆動軸に配分する
    多段自動変速機付4輪駆動車において、 上記第2のサンギヤは、内部に軸方向に伸びる潤滑油路
    と該潤滑油路から軸周に向けて径方向に伸びる潤滑油路
    を有する中間軸に形成され、 上記中間軸の外周に、上記第1の出力軸と上記第2のサ
    ンギヤとの結合に介在し、上記第1の出力軸と上記第2
    のサンギヤとの結合を選択的に解除する第1の油圧多板
    クラッチを設け、 上記ピニオンの何れか一方と係合すると共に回動可能に
    支持されるリングギヤを設け、該リングギヤに連結して
    リングギヤと変速機の固定部材とを選択的に係合する油
    圧多板式のブレーキを、上記第1の油圧多板クラッチの
    外周に同心に配設し、第1の油圧多板クラッチによって
    上記第1の出力軸と上記第2のサンギヤとの結合を解除
    すると共に上記ブレーキを動作させてリングギヤを変速
    機の固定部材に固定することにより、上記センターディ
    ファレンシャル装置を上記多段自動変速機の変速機出力
    軸から第2の出力軸への変速歯車装置として選択的に用
    い、 上記第1の出力軸と上記第2の出力軸との間に、該第1
    の出力軸と第2の出力軸との間の動力を伝達可能にする
    と共に、その間の動力配分を制御する差動制限装置を配
    設したことを特徴とする多段自動変速機付4輪駆動車。
  2. 【請求項2】上記変速歯車装置として選択された複合プ
    ラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置と、上
    記多段自動変速機の所定の変速段との組合せにより、上
    記多段自動変速機の単独での最低変速段よりギヤ比の大
    きい極低速変速段を得るよう設定すると共に、上記差動
    制限装置を第2の油圧多板クラッチにより構成し、該第
    2の油圧多板クラッチを上記センターディファレンシャ
    ル装置のキャリアと第1の出力軸との間に配設し、第2
    の油圧多板クラッチにより第2の出力軸から第1の出力
    軸に動力伝達して、第1と第2の出力軸の双方に動力を
    伝達することを特徴とする請求項1記載の多段自動変速
    機付4輪駆動車。
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