JP2000142163A - 車両の動力配分装置 - Google Patents

車両の動力配分装置

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JP2000142163A
JP2000142163A JP32864398A JP32864398A JP2000142163A JP 2000142163 A JP2000142163 A JP 2000142163A JP 32864398 A JP32864398 A JP 32864398A JP 32864398 A JP32864398 A JP 32864398A JP 2000142163 A JP2000142163 A JP 2000142163A
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oil passage
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hydraulic
oil
clutch
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JP32864398A
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Hosei Suzuki
歩誠 鈴木
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単で消費電力も小さく、両クラッチが同時
に係合或いは結合する不具合や意図と反対側のクラッチ
に油圧が働く不具合を確実に回避する。 【解決手段】 油圧源34からの入力油路37に第1の
出力油路38aと第2の出力油路38bとを連通し、第
1,第2の出力油路38a,38bにTCU50からの
出力信号に応じ作動油圧を可変する第1,第2の制御弁
41a,41bをそれぞれ介装し、第1の出力油路38
aに遮断自在な第1の検出油路39aを接続して第1の
検出油路39aを通じ得られる第1の作動油圧で作動し
て作動の際に入力油路37を遮断する第1の切換弁42
と、第2の出力油路38bに第2の検出油路39bを接
続して第2の検出油路39bを通じ得られる第2の作動
油圧で作動して作動の際に第1の検出油路39aを第1
の出力油路38aから第1の切換弁42に連通させる第
2の切換弁43とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前後輪間、或いは
左右輪間の動力配分を一対の油圧式クラッチで制御する
もので、特に一対の油圧式クラッチを作動させる油圧回
路を改良した車両の動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、凹凸が大きい路面や、急な斜面を
横切るときや、スプリットμ路走行等での駆動力の確保
および走行安定性や運動性能を向上させるため、様々な
種類の差動制限装置が開発され実用化されている。さら
に、最近では、前後輪間、或いは左右輪間のトルク配分
を積極的に制御し、車両の走行安定性や運動性能を向上
させる技術が提案され、実用化されている。
【0003】このような、前後輪間、或いは左右輪間の
動力配分装置では、動力配分に油圧式多板クラッチが多
く採用され、特に左右輪間の動力配分には、一対の油圧
式多板クラッチ(左輪側に多くトルク配分する油圧式多
板クラッチと右輪側に多くトルク配分する油圧式多板ク
ラッチ)を用いたものが多い。この配分範囲の異なる一
対の油圧式多板クラッチで動力配分を行うものでは、油
圧式多板クラッチが同時に係合或いは結合してしまう
と、駆動系がインターロック状態となる虞があり、さら
に機構の損傷を招く虞があるため、一対の油圧式多板ク
ラッチの同時係合或いは結合は、確実に回避することが
重要である。
【0004】そこで、例えば、特開平5−208619
号公報では、4輪駆動車における左右後輪間の動力配分
を行う一対の油圧式多板クラッチを作動する油圧回路
を、油圧源からの油圧を所要の作動油圧に調整する1つ
の比例弁(電磁油圧調整弁)と、スプールの態位により
左側又は右側クラッチの油圧室のいずれか一方を電磁油
圧調整弁の出力側と連通させる1つの2モード切換弁
(電磁切換弁)とを備えて構成し、これら電磁油圧調整
弁と電磁切換弁とをコントローラで制御することで、一
対の油圧式多板クラッチに対して所要の作動油圧を出力
させるようにした技術が開示されている。この技術によ
れば、制御系の誤動作時およびバルブのスティック時で
あっても、左右両方の油圧式多板クラッチが同時に係合
或いは結合するような不具合を確実に回避できるように
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術では、1つの電磁油圧調整弁と1つの電磁切換弁
とで所要の作動油圧を得るようになっているため、コン
トローラによる2つの弁の動作を組み合わせフェイル時
も考慮した複雑な制御が必要で、また、1つの電磁油圧
調整弁と1つの電磁切換弁とに通電して制御するため消
費電力が大きいという問題がある。さらに、上記先行技
術では、電磁油圧調整弁が誤動作した場合は、左右どち
らのクラッチに対する作動油圧も異常となり、また、電
磁切換弁が故障し作動しなくなった場合は、意図した側
とは反対側のクラッチに油圧が働くことがあり操縦安定
性が悪化する可能性がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、簡単で消費電力も小さく、また、制御系の誤動作時
およびバルブのスティック時であっても、左右両方の油
圧式多板クラッチが同時に係合或いは結合するような不
具合や、意図した側と反対側のクラッチに油圧が働くよ
うな不具合を確実に回避することができる車両の動力配
分装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明による車両の動力配分装置は、
動力配分を設定する制御手段からの出力信号に応じて油
圧源と接続した油圧回路を作動させ、この油圧回路から
第1の作動油圧を出力して第1の油圧式トルク伝達手段
を作動し第1の配分範囲での動力配分を行う一方、第2
の作動油圧を出力して第2の油圧式トルク伝達手段を作
動し第2の配分範囲での動力配分を行わせ、左右輪間の
動力配分と前後輪間の動力配分の少なくとも一方を行う
車両の動力配分装置において、上記油圧回路は、上記油
圧源からの油圧を導入する入力油路に、上記第1の作動
油圧を出力する第1の出力油路と上記第2の作動油圧を
出力する第2の出力油路とを連通して形成し、上記第1
の出力油路に設けて上記制御手段からの出力信号に応じ
上記第1の作動油圧を可変する第1の制御弁と、上記第
2の出力油路に設けて上記制御手段からの出力信号に応
じ上記第2の作動油圧を可変する第2の制御弁と、上記
第1の出力油路に遮断自在な第1の検出油路を接続して
該第1の検出油路を通じ得られる上記第1の作動油圧で
作動して作動の際に上記入力油路を遮断する第1の切換
弁と、上記第2の出力油路に第2の検出油路を接続して
該第2の検出油路を通じ得られる上記第2の作動油圧で
作動して作動の際に上記第1の検出油路を上記第1の出
力油路から上記第1の切換弁に連通させる第2の切換弁
とを備えたものである。
【0008】上記請求項1記載の車両の動力配分装置
は、左右輪間の動力配分と前後輪間の動力配分の少なく
とも一方の動力配分が制御手段で設定されて油圧回路に
信号出力される。すると、油圧回路は、第1の配分範囲
での動力配分を行う場合は第1の作動油圧で第1の油圧
式トルク伝達手段を作動する一方、第2の配分範囲での
動力配分を行う場合は第2の作動油圧で第2の油圧式ト
ルク伝達手段を作動する。油圧回路では、第1の配分範
囲での動力配分を行う場合、第1の制御弁が制御手段か
らの出力信号に応じて動作され、第1の出力油路で第1
の作動油圧を第1の油圧式トルク伝達手段を作動させる
ように可変する。また、制御手段により第2の制御弁
は、第2の出力油路で第2の作動油圧が第2の油圧式ト
ルク伝達手段を作動させないように保持される。また、
第1の油圧式トルク伝達手段を作動させる第1の作動油
圧は第1の検出油路にも導かれるが、第1の検出油路は
第2の切換弁で遮断されているため第1の油圧式トルク
伝達手段を作動させる第1の作動油圧は第1の切換弁に
は伝達されない。この状態において、何らかの原因で
(例えば第2の制御弁に不具合を生じて)、第2の出力
油路からが第2の油圧式トルク伝達手段を作動させる第
2の作動油圧が出力された場合、この第2の作動油圧
は、第2の検出油路を通じて第2の切換弁に伝達され、
この第2の切換弁が作動して第1の検出油路が第1の出
力油路から第1の切換弁に連通させられる。このため、
第1の油圧式トルク伝達手段を作動させる第1の作動油
圧が第1の切換弁に伝達され第1の切換弁が作動して、
入力油路が遮断され、油圧源からの油圧が遮断され、第
1、第2の油圧式トルク伝達手段を作動させる第1、第
2の作動油圧の出力が停止される。一方、第2の配分範
囲での動力配分を行う場合、制御手段により第1の制御
弁は、第1の出力油路で第1の作動油圧が第1の油圧式
トルク伝達手段を作動させないように保持される。ま
た、第2の制御弁が制御手段からの出力信号に応じて動
作され、第2の出力油路で第2の作動油圧を第2の油圧
式トルク伝達手段を作動させるように可変する。これに
より、第2の油圧式トルク伝達手段を作動させる第2の
作動油圧が第2の切換弁に伝達され第2の切換弁が作動
して、第1の検出油路が第1の出力油路から第1の切換
弁に連通させられる。この状態において、何らかの原因
で(例えば第1の制御弁に不具合を生じて)第1の出力
油路からが第1の油圧式トルク伝達手段を作動させる第
1の作動油圧が出力された場合、この第1の油圧式トル
ク伝達手段を作動させる第1の作動油圧は、第1の検出
油路は第2の切換弁で連通されているため第1の切換弁
に伝達される。このため、第1の切換弁が作動して、入
力油路が遮断され、油圧源からの油圧が遮断されて第
1、第2の油圧式トルク伝達手段を作動させる第1、第
2の作動油圧の出力が停止される。
【0009】また、請求項2記載の発明による車両の動
力配分装置は、請求項1記載の車両の動力配分装置にお
いて、上記第1の切換弁と上記第2の切換弁は、それぞ
れスプールにて切換作動するスプリングオフセット式の
パイロット式切換弁で形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図3は、本発明の実施の一
形態を示す。
【0011】先ず、図2に基づいて、本発明が適用され
る4輪駆動車の駆動系について説明する。同図におい
て、符号1はエンジンで、車両前部に配置されている。
エンジン1からの駆動力は、エンジン1の後部に一体的
に連設する変速機2からトランスミッション出力軸2a
を介して、センターディファレンシャル装置3に伝達さ
れ、このセンターディファレンシャル装置3にて、後輪
側と前輪側とへ所定のトルク配分比にて分配される。
【0012】センターディファレンシャル装置3から後
輪側へ分配された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペ
ラシャフト5、ドライブピニオン6を介してリヤファイ
ナルドライブ装置7に入力される一方、センターディフ
ァレンシャル装置3から前輪側へ分配された駆動力は、
トランスファドライブギヤ8、トランスファドリブンギ
ヤ9、フロントドライブ軸10を介してフロントディフ
ァレンシャル装置11に入力されるように構成されてい
る。ここで、上記変速機2、センターディファレンシャ
ル装置3、及びフロントディファレンシャル装置11等
は、一体的にケース12内に設けられている。
【0013】上記リヤファイナルドライブ装置7に入力
された駆動力は、後輪左ドライブ軸13rlを介して左後
輪14rlに、後輪右ドライブ軸13rrを介して右後輪1
4rrに伝達される一方、フロントディファレンシャル装
置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13fl
を介して左前輪14flに、前輪右ドライブ軸13frを介
して右前輪14frに伝達される。
【0014】上記センターディファレンシャル装置3
は、上記ケース12内後方に設けられており、回転自在
に収納したキャリヤ16の前方からトランスミッション
出力軸2aが回転自在に挿入される一方、後方からはリ
ヤドライブ軸4が回転自在に挿入されている。
【0015】入力側のトランスミッション出力軸2aの
後端部には、大径の第1のサンギヤ17が軸着され、後
輪への出力を行うリヤドライブ軸4の前端部には、小径
の第2のサンギヤ18が軸着されており、キャリヤ16
内に第1のサンギヤ17と第2のサンギヤ18が格納さ
れている。
【0016】そして、第1のサンギヤ17が小径の第1
のピニオン19と噛合して第1の歯車列が形成され、第
2のサンギヤ18が大径の第2のピニオン20と噛合し
て第2の歯車列が形成されている。第1のピニオン19
と第2のピニオン20は一体に形成されており、複数対
(例えば3対)のピニオンが、キャリヤ16に回転自在
に軸支されている。また、キャリヤ16は、前端にトラ
ンスファドライブギヤ8が連結されて、このキャリヤ1
6から前輪への出力が行われる。
【0017】すなわち、センターディファレンシャル装
置3は、トランスミッション出力軸2aからの駆動力が
第1のサンギヤ17に伝達され、第2のサンギヤ18か
らリヤドライブ軸4へ出力すると共に、キャリヤ16か
らトランスファドライブギヤ8,トランスファドリブン
ギヤ9を経てフロントドライブ軸10へ出力するリング
ギヤのない複合プラネタリギヤ式に構成されている。
【0018】そしてかかる複合プラネタリギヤ式のセン
ターディファレンシャル装置3は、第1,第2のサンギ
ヤ17,18、及びこれらサンギヤ17,18の周囲に
複数個配置される第1,第2のピニオン19,20の歯
数を適切に設定することで差動機能を有する。
【0019】また、第1,第2のサンギヤ17,18と
第1,第2のピニオン19,20との噛み合いピッチ円
半径を適宜設定することで、基準トルク配分が前後5
0:50の等トルク配分、或いは、前後どちらかに偏重
した不等トルク配分が可能となる。
【0020】更に、第1,第2のサンギヤ17,18と
第1,第2のピニオン19,20とを、例えば、斜歯歯
車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車列の捩れ角
を異にして、スラスト荷重を相殺させることなくスラス
ト荷重を残留させてピニオン端面間に摩擦トルクを生じ
させ、又、第1,第2のピニオン19,20とこれら第
1,第2のピニオン19,20を軸支するキャリヤ16
の軸部の表面に、噛合いによる分離,接線荷重の合成力
が作用して摩擦トルクが生じるように設定し、入力トル
クに比例した差動制限トルクを得ることでセンターディ
ファレンシャル装置3自身で差動制限機能を有したもの
となる。
【0021】また、上記センターディファレンシャル装
置3のキャリヤ16と上記リヤドライブ軸4との間に
は、油圧式多板クラッチを採用したトランスファクラッ
チ21が形成されており、このトランスファクラッチ2
1の締結力を制御することで、前後輪のトルク配分が、
直結による4WDからセンターディファレンシャル装置
3によるトルク配分比の範囲で可変制御することが可能
となっている。
【0022】一方、上記リヤファイナルドライブ装置7
は、左右輪間の差動機能と動力配分機能を有するもの
で、ベベルギヤ式の差動機構部22と、3列歯車からな
る歯車機構部23と、2組のクラッチ機構部24とから
主要に構成され、ディファレンシャルキャリア25内に
一体的に収容されている。
【0023】そして、上記ドライブピニオン6は、差動
機構部22のディファレンシャルケース26の外周に設
けられたファイナルギヤ27と噛合され、センターディ
ファレンシャル装置3から後輪側に配分された駆動力を
伝達する。
【0024】上記差動機構部22は、ディファレンシャ
ルケース26に固定したピニオンシャフト28に回転自
在に軸支されたディファレンシャルピニオン(ベベルギ
ヤ)29と、これに噛み合う左右のサイドギヤ(ベベル
ギヤ)30L,30Rをディファレンシャルケース26
内に収容して構成され、これらサイドギヤ30L,30
Rには後輪左右ドライブ軸13rl,13rrの端部が、デ
ィファレンシャルケース26内でそれぞれ軸着されてい
る。
【0025】すなわち、差動機構部22は、ドライブピ
ニオン6の回転によりディファレンシャルケース26が
サイドギヤ30L,30Rと同一軸芯上で回転されて、
ディファレンシャルケース26内部に形成した歯車機構
により左右輪間の差動を行う構成となっている。
【0026】歯車機構部23は、差動機構部22を挟
み、その左右に分割構成されており、ディファレンシャ
ルケース26の左輪側に第1の歯車23z1が固着され、
後輪右ドライブ軸13rrには第2の歯車23z2と第3の
歯車23z3とが軸着されて、これら第1,第2,第3の
歯車23z1,23z2,23z3は、同一回転軸芯上に配設
されている。
【0027】これら第1,第2,第3の歯車23z1,2
3z2,23z3は、同一回転軸芯上に配設された第4,第
5,第6の歯車23z4,23z5,23z6と噛合され、こ
れら第4,第5,第6の歯車23z4,23z5,23z6の
回転軸芯に配設されたトルクバイパス軸31の左輪側端
部に、第4の歯車23z4が軸着されている。
【0028】また、上記トルクバイパス軸31の右輪側
端部には、左右輪間の動力配分を実行するクラッチ機構
部24の第1のデフコントロールクラッチ24a(第1
の油圧式トルク伝達手段)が形成されており、トルクバ
イパス軸31は、この第1のデフコントロールクラッチ
24aを介して(トルクバイパス軸31をクラッチハブ
側、第6の歯車23z6の軸部側をクラッチドラム側とし
て)、第1のデフコントロールクラッチ24aの左側に
配置された第6の歯車23z6の軸部と連結自在になって
いる。
【0029】さらに、トルクバイパス軸31の、差動機
構部22と第5の歯車23z5の間の位置には、クラッチ
機構部24の第2のデフコントロールクラッチ24b
(第2の油圧式トルク伝達手段)が形成されており、ト
ルクバイパス軸31は、この第2のデフコントロールク
ラッチ24bを介して(トルクバイパス軸31をクラッ
チハブ側、第5の歯車23z5の軸部側をクラッチドラム
側として)、第2のデフコントロールクラッチ24bの
右側に配置された第5の歯車23z5の軸部と連結自在に
なっている。
【0030】そして、上記第1,第2,第3,第4,第
5,第6の歯車23z1,23z2,23z3,23z4,23
z5,23z6のそれぞれの歯数z1,z2,z3,z4,
z5,z6は、例えば、82,78,86,46,5
0,42に設定されており、第1,第4の歯車23z1,
23z4の歯車列((z4/z1)=0.56)を基準と
して、第2,第5の歯車23z2,23z5の歯車列((z
5/z2)=0.64)が増速、第3,第6の歯車23
z3,23z6の歯車列((z6/z3)=0.49)が減
速の歯車列となっている。
【0031】このため、第1,第2のデフコントロール
クラッチ24a,24bの両方を連結作動させない場
合、ドライブピニオン6からの駆動力は、そのまま差動
機構部22を経て後輪左右ドライブ軸13rl,13rrに
等配分されるが、第1のデフコントロールクラッチ24
aを連結作動させた場合は、後輪右ドライブ軸13rrに
配分された駆動力の一部が、第3の歯車23z3、第6の
歯車23z6、第1のデフコントロールクラッチ24a、
トルクバイパス軸31、第4の歯車23z4、第1の歯車
23z1と順に経てディファレンシャルケース26に戻さ
れ、結果として左後輪14rlのトルク配分が大きくなり
車両の右旋回性が向上される。
【0032】逆に、第2のデフコントロールクラッチ2
4bを連結作動させた場合は、ドライブピニオン6から
ディファレンシャルケース26に伝達された駆動力の一
部が、第1の歯車23z1、第4の歯車23z4、トルクバ
イパス軸31、第2のデフコントロールクラッチ24
b、第5の歯車23z5、第2の歯車23z2と順に経て後
輪右ドライブ軸13rrにバイパスされて、右後輪14rr
のトルク配分が大きくなり車両の左旋回性が向上され
る。
【0033】すなわち、上記第1のデフコントロールク
ラッチ24aは、左後輪14rlにトルク配分が大きくな
る配分範囲(第1の配分範囲)で動力配分を行うための
クラッチとなっており、第2のデフコントロールクラッ
チ24bは、右後輪14rrにトルク配分が大きくなる配
分範囲(第2の配分範囲)で動力配分を行うためのクラ
ッチとなっている。
【0034】また、上記センターディファレンシャル装
置3のキャリヤ16のトランスファドライブギヤ8に
は、中間歯車32を介してオイルポンプ駆動ギヤ33が
噛合されている。更に、このオイルポンプ駆動ギヤ33
の支持軸33aが、油圧源としてのオイルポンプ34の
ポンプ駆動軸34aの一端にワンウェイクラッチ35a
を介して連設されている。又、ポンプ駆動軸34aの他
端に、オイルポンプ34を駆動する電動モータ36がワ
ンウェイクラッチ35bを介して連設されている。
【0035】上記オイルポンプ34は、トランスファク
ラッチ,第1,第2のデフコントロールクラッチ21,
24a,24bに対して油圧回路40を通じて作動油圧
を供給するもので、オイルポンプ34を駆動する電動モ
ータ36は、車両の走行状態に応じて、後述するトラン
スミッション制御装置(TCU)50により制御され
る。
【0036】上記ワンウェイクラッチ35aは、オイル
ポンプ駆動ギヤ33の支持軸33aとポンプ駆動軸34
aとの関係で、このポンプ駆動軸34aの回転が上記支
持軸33aの回転を上回ったとき空転する。一方、上記
ワンウェイクラッチ35bは、ポンプ駆動軸34aと電
動モータ36との関係で、ポンプ駆動軸34aの回転が
電動モータ36の回転を上回ったとき空転するようにな
っている。
【0037】上記油圧回路40は、図1に示すように、
オイルポンプ34から入力油路37を通じて油圧を導入
するようになっており、第1のデフコントロールクラッ
チ24aの油圧室24apに対しては第1の出力油路3
8aを通じて作動油圧(第1の作動油圧)を導入し、第
2のデフコントロールクラッチ24bの油圧室24bp
に対しては第2の出力油路38bを通じて作動油圧(第
2の作動油圧)を導入する。また、トランスファクラッ
チ21の油圧室21pに対しては、第3の出力油路38
cを通じて作動油圧を導入する。
【0038】上記第1,第2,第3の出力油路38a,
38b,38cは、それぞれ上記入力油路37と連通さ
れており、入力油路37の上流側(オイルポンプ34
側)から第3の出力油路38cが独立して分岐連通さ
れ、その下流側で第1,第2の出力油路38a,38b
に分岐される。
【0039】上記第1,第2,第3の出力油路38a,
38b,38cには、それぞれの出力油路の油圧を可変
制御、すなわち、それぞれの作動油圧を可変制御する第
1,第2,第3の制御弁41a,41b,41cが介装
されている。
【0040】上記第1,第2,第3の制御弁41a,4
1b,41cは、供給電流に応じて作動油圧を調整する
(例えばオイルポンプ34からの油圧を減圧することで
調整する)リニアソレノイドバルブであり、TCU50
により制御される。例えば、供給電流が0ならば作動油
圧も0となり、供給電流が最大ならば作動油圧も最大と
なるように設定されている。
【0041】また、上記油圧回路40には、第1の切換
弁42と第2の切換弁43とが設けられている。上記第
1の切換弁42は、第1の出力油路38aに第1の検出
油路39aを接続し、この第1の検出油路39aを通じ
て得られる第1の作動油圧をパイロット圧としてスプー
ルにて切換作動するスプリングオフセット式のパイロッ
ト式切換弁であり、3ポート2位置弁で構成されてい
る。この3つのポートのうち2つのポートが、上記入力
油路37の第3の出力油路38cへの分岐下流部分に介
装され、残り1つのポートがドレンと接続されており、
入力油路37の出口側のポート(両クラッチ側のポー
ト)に通じる通路が、スプールの位置によって、入力油
路37の入口側のポート(オイルポンプ34側のポー
ト)からの通路、或いは、ドレンポートへの通路のどち
らかに切り換えられるようになっている。ここで、第1
の検出油路39aを通じて加えられる第1の作動油圧が
設定値以下(第1のデフコントロールクラッチ24aが
連結しない値)であれば、スプールの位置により、入力
油路37の出口側のポート(両クラッチ側のポート)に
通じる通路が、入力油路37の入口側のポート(オイル
ポンプ34側のポート)からの通路と連結される。ま
た、第1の検出油路39aを通じて加えられる第1の作
動油圧が設定値を超えていれば(第1のデフコントロー
ルクラッチ24aが連結する可能性があれば)、スプー
ルの位置により、入力油路37の出口側のポート(両ク
ラッチ側のポート)に通じる通路が、ドレンポートへの
通路と連結されて入力油路37(第1,第2の出力油路
38a,38bに向かう部分)が遮断される。
【0042】また、上記第2の切換弁43は、第2の出
力油路38bに第2の検出油路39bを接続し、この第
2の検出油路39bを通じて得られる第2の作動油圧を
パイロット圧としてスプールにて切換作動するスプリン
グオフセット式のパイロット式切換弁であり、3ポート
2位置弁で構成されている。この3つのポートのうち2
つのポートが上記第1の検出油路39aに介装され、残
り1つのポートがドレンと接続されており、第1の検出
油路39aの出口側のポート(第1の切換弁42側のポ
ート)に通じる通路が、スプールの位置によって、第1
の検出油路39aの入口側のポート(第1の出力油路3
8a側のポート)からの通路、或いは、ドレンポートへ
の通路のどちらかに切り換えられるようになっている。
ここで、第2の検出油路39bを通じて加えられる第2
の作動油圧が設定値以下(第2のデフコントロールクラ
ッチ24bが連結しない値)であれば、スプールの位置
により、第1の検出油路39aの出口側のポート(第1
の切換弁42側のポート)に通じる通路が、ドレンポー
トへの通路と連結されて第1の検出油路39aが遮断さ
れる。また、第2の検出油路39bを通じて加えられる
第2の作動油圧が設定値を超えていれば(第2のデフコ
ントロールクラッチ24bが連結する可能性があれ
ば)、スプールの位置により、第1の検出油路39aの
出口側のポート(第1の切換弁42側のポート)に通じ
る通路が、第1の検出油路39aの入口側のポート(第
1の出力油路38a側のポート)からの通路と連結され
る。
【0043】すなわち、上記油圧回路40では、何らか
の原因で第1,第2のデフコントロールクラッチ24
a,24bに対して、同時に設定値を超えた作動油圧が
加わろうとした場合は、第2の切換弁43が第1の検出
油路39aを第1の切換弁42に連結して、第1の検出
油路39aを通じて第1の切換弁42が作動され、オイ
ルポンプ34からの入力通路37が遮断されるので、両
クラッチ24a,24bが同時に係合或いは結合するこ
とが確実に回避できるようになっている。尚、符号44
はオイルストレーナ、45a,45bはリリーフバルブ
である。
【0044】一方、図2中、マイクロコンピュータ等か
ら構成されるTCU50には、入力側に4輪の車輪速セ
ンサ51fl,51fr,51rl,51rr,ハンドル角セン
サ52,前後加速度センサ53,横加速度センサ54,
ヨーレートセンサ55,スロットル開度センサ56,エ
ンジン回転数センサ57,トランスミッション油温セン
サ58の各センサと、シフト位置スイッチ59,クラッ
チペダルスイッチ60,ブレーキスイッチ61の各スイ
ッチ類が接続され、また、出力側には、前記第1,第
2,第3の制御弁41a,41b,41cが接続され、
車両の走行状態に応じて、前後輪間の動力配分制御(第
3の制御弁41c)、左右輪間の動力配分制御(第1,
第2の制御弁41a,41b)、及びオイルポンプ34
の制御等を実行する。
【0045】上記TCU50で実行される前後輪間の動
力配分制御について説明する。TCU50では、例えば
本出願人が特開平8−2274号公報で開示した方法、
すなわち、車速V、ハンドル角θ、実ヨーレートγを用
いて車両の横運動の運動方程式に基づき、前後輪のコー
ナリングパワを非線形域に拡張して推定し、高μ路での
前後輪の等価コーナリングパワに対する推定した前後輪
のコーナリングパワの比を基に路面状況に応じて路面摩
擦係数μを推定する。
【0046】そして、この路面摩擦係数μに感応して予
め設定しておいたマップを参照し、ベースとなるクラッ
チトルクVTDout0を求め、このベースクラッチトルク
VTDout0に対して、センターディファレンシャル装置
3に入力される入力トルクTi(エンジン回転数Neと
ギヤ比iから演算)、スロットル開度θthおよび実ヨー
レートγ、ヨーレート偏差Δγ、横加速度Gyを基に補
正を加え、前後輪間動力配分の基本クラッチ締結力FO
tbの基となる制御出力トルクVTDout を演算する。さ
らに、この制御出力トルクVTDout を、ハンドル角θ
で補正して、ハンドル角感応クラッチトルクとしてトラ
ンスファクラッチ21における基本クラッチ締結力FO
tbとして定め、第3の制御弁41cに対して所定の信号
で出力し、このクラッチ油圧でトランスファクラッチ2
1を作動させ、センターディファレンシャル装置3に対
する差動制限力となるように付与して前後輪間の動力配
分制御を行う。
【0047】次いで、TCU50で実行される左右輪間
の動力配分制御について説明する。TCU50では、車
速V,ハンドル角θ,実ヨーレートγ,スロットル開度
θth,前後加速度Gx,横加速度Gy,ギヤ位置,及び
シフト位置等に基づいて、路面状況(低μ路走行状態か
否か等)、及び、車両の走行状態(高速か低速か・急旋
回か否か・高負荷走行か低負荷走行か(加速状態か)・
スリップ状態の有無等)を、予めメモリしておいたマッ
プ、計算式等により求める。
【0048】そして、この判断された車両の走行状態、
及び路面状況を基に、予めメモリしておいたマップ、計
算式等により、動作させる油圧多板クラッチを第1,第
2のデフコントロールクラッチ24a,24bの何れか
から選択し、その該当する油圧多板クラッチに付加する
油圧値を演算し、この油圧値に対応して、第1の制御弁
41a、或いは第2の制御弁41bに対し、所定の信号
を出力することで、左右輪間の動力配分制御を実行す
る。すなわち、上記TCU50は、制御手段としての機
能を有するものである。
【0049】また、上記TCU50で実行されるオイル
ポンプ34の制御は、車速Vが低車速判定値未満、或い
はシフトレバーがリバースレンジにシフトされていると
き、電動モータ36を回転させると、オイルポンプ34
のポンプ駆動軸34aがワンウェイクラッチ35bを介
して回転駆動されて、オイルが供給される。このとき、
センターディファレンシャル装置3のトランスファドラ
イブギヤ8に中間歯車32を介して連設するオイルポン
プ駆動ギヤ33とポンプ駆動軸34aとの間は、ワンウ
ェイクラッチ35aにより空転されるため、エンジン1
からの動力伝達は遮断される。低車速状態では、電動モ
ータ36によりオイルポンプ34を駆動することで、エ
ンジンの出力不足が解消される。一方、車速Vが低車速
判定値以上の中、高車速時に電動モータ36を停止させ
ると、この電動モータ36がワンウェイクラッチ35b
により相対的に空転され、オイルポンプ34はセンター
ディファレンシャル装置3側からの駆動力により回転す
る。
【0050】又、アイドル状態のときは電動モータ36
を停止し、非アイドル状態での発進時には、電動モータ
36に高速側の設定値(例えば、14A)を通電して高
回転で運転させる。その結果、発進と同時にクラッチ圧
(油圧)が素早く立ち上がり、低μ路、スプリットμ路
での発進性を確保することができる。又、アイドル状態
では、電動モータ36を停止させるため、バッテリ負担
が軽減され、いわゆるバッテリ上がりを防止することが
できる。更に、不要なモータ電流の消費が抑制されるの
で、燃費が向上する。
【0051】また、オイルの温度が低い状態では粘度が
高く、発進時に電動モータ36を高速回転させても油圧
を早期に立ち上げることは難しいため、アイドル状態で
あっても低油温時には、電動モータ36を低速で回転さ
せることで、上記トランスファクラッチ,第1,第2の
デフコントロールクラッチ21,24a,24bのクラ
ッチピストンに、該クラッチピストンを作動させること
のない程度の予圧を与えておき、シリンダ内にオイルを
充填させておく。その結果、低油温の状態であっても、
発進時には油圧を素早く立ち上げることが可能となって
いる。
【0052】次に、本実施の形態の作用を説明する。エ
ンジン1による駆動力は、変速機2からトランスミッシ
ョン出力軸2aを経てセンターディファレンシャル装置
3の第1のサンギヤ17に入力される。
【0053】そして、第1,第2のピニオン19,20
から第2のサンギヤ18と、第1,第2のピニオン1
9,20を支持するキャリヤ16とに分配されて伝達
し、第2のサンギヤ18の動力は、リヤドライブ軸4を
介して後輪側に伝達される。また、キャリヤ16の動力
は、トランスファドライブギヤ8,トランスファドリブ
ンギヤ9,フロントドライブ軸10を介して前輪側に伝
達され4輪駆動で走行する。
【0054】そこで、例えば、前輪側回転数NFと後輪
側回転数NRが等しいNF=NRの直進走行の場合は、
センターディファレンシャル装置3において第2のサン
ギヤ18とキャリヤ16とが同一方向に等速回転するこ
とで、第1,第2のピニオン19,20は遊星回転しな
くなり一体化して回転する。
【0055】こうして、第1,第2のピニオン19,2
0とキャリヤ16とが一体化することで両者の間には摩
擦トルク等が生じない状態になる。そして、このとき、
第1のサンギヤ17のセンターディファレンシャル入力
トルクTiに対するキャリヤ16の前輪側トルクと、第
2のサンギヤ18の後輪側トルクとのトルク配分は、セ
ンターディファレンシャル装置3の歯車諸元が等トルク
配分に設定されていれば、この等トルク配分機能の歯車
諸元による基準トルク配分となり等トルク配分される。
また、不等トルク配分に歯車諸元が設定されていれば、
この不等トルク配分機能の歯車諸元による基準トルク配
分に前後輪間のトルク配分が設定される。
【0056】一方、前輪側回転数NFが後輪側回転数N
Rより大きくなるNF>NRの旋回または前輪側スリッ
プ時には、センターディファレンシャル装置3の上記第
1,第2のピニオン19,20が遊星回転することによ
り差動回転作用する。このため旋回時には、前後輪の回
転数差が吸収されて、滑らかに旋回することになる。
【0057】そして、このとき第1,第2のピニオン1
9,20の遊星回転に伴い、その捩れ角の違いによるス
ラスト荷重が、第1,第2のピニオン19,20の一方
の端面の部分に作用する。また、ギヤ噛合い点の分離,
接線荷重の合成力が第1,第2のピニオン19,20と
これら第1,第2のピニオン19,20を軸支するキャ
リヤ16の軸部の部分に作用して両者によりピニオン回
転方向と反対の摩擦トルクと、これに基づく差動制限ト
ルクがセンターディファレンシャル装置3自身の差動制
限トルクとして生じるようになる。
【0058】そして、この条件では、差動制限トルクが
キャリア16の回転を損うように作用することで、差動
制限トルクが後輪側に移動して、トルク配分は基準トル
ク配分より後輪偏重になる。このため、旋回時の回頭
性、操縦性が向上する。また、前輪スリップ時には、前
輪側トルクの減少により、そのスリップが防止される。
【0059】逆に、後輪側回転数NRが前輪側輪回転数
NFより大きいNR>NFの後輪スリップ時には、セン
ターディファレンシャル装置3の上記第1,第2のピニ
オン19,20が前後輪の回転数差により遊星回転して
摩擦トルクを発生する。この条件では、差動制限トルク
がキャリヤ16の回転を促すように作用して前輪側に移
動するようになり、このため基準トルク配分より前輪側
に多いトルク配分になって後輪側トルクが減少し、これ
により後輪スリップが防止される。
【0060】尚、上記遊星歯車機構による差動制限トル
クは、入力トルクに対し比例的に生じるため、前後輪の
トルクの大小に対して常に同じ割合になり、差動制限機
能が常に一定の割合で発揮される。
【0061】さらに、センターディファレンシャル装置
3に対する前後輪間の差動制限制御は、油圧式多板クラ
ッチを採用したトランスファクラッチ21によっても実
行される。このトランスファクラッチ21を作動する油
圧は、オイルポンプ34により与えられ、このオイルポ
ンプ34の動作はTCU50により制御される。
【0062】すなわち、TCU50は、車速Vが低車速
判定値未満、或いはシフトレバーがリバースレンジにシ
フトされているときには、電動モータ36を回転させ、
オイルポンプ34のポンプ駆動軸34aをワンウェイク
ラッチ35bを介して回転駆動させ、オイルを供給す
る。ここで、センターディファレンシャル装置3のトラ
ンスファドライブギヤ8に中間歯車32を介して連設す
るオイルポンプ駆動ギヤ33とポンプ駆動軸34aとの
間は、ワンウェイクラッチ35aにより空転されるため
エンジン1からの動力伝達は遮断される。このように低
車速状態では、電動モータ36によりオイルポンプ34
を駆動することで、エンジンの出力不足を解消する。一
方、車速Vが低車速判定値以上の中、高車速時に電動モ
ータ36を停止させると、この電動モータ36がワンウ
ェイクラッチ35bにより相対的に空転され、オイルポ
ンプ34はセンターディファレンシャル装置3側からの
駆動力により回転する。
【0063】又、アイドル状態のときは電動モータ36
を停止し、非アイドル状態での発進時には、電動モータ
36に高速側の設定値(例えば、14A)を通電して高
回転で運転させて、発進と同時にクラッチ圧(油圧)が
素早く立ち上がるようにし、低μ路、スプリットμ路で
の発進性を確保する。又、アイドル状態では、電動モー
タ36を停止させて、バッテリ負担を軽減し、バッテリ
上がりを防止すると同時に、不要なモータ電流の消費を
抑制して燃費の向上を図る。
【0064】さらに、アイドル状態であっても低油温時
には、電動モータ36を低速で回転させて、トランスフ
ァクラッチ,第1,第2のデフコントロールクラッチ2
1,24a,24bのクラッチピストンに、該クラッチ
ピストンを作動させることのない程度の予圧を与えてシ
リンダ内にオイルを充填させておき、低油温の状態であ
っても発進時には油圧が素早く立ち上がるようにする。
【0065】そして、TCU50では、車速V、ハンド
ル角θ、実ヨーレートγを用いて車両の横運動の運動方
程式に基づき路面摩擦係数μを推定し、この路面摩擦係
数μに感応して予め設定しておいたマップを参照し、ベ
ースとなるクラッチトルクVTDout0を求め、このベー
スクラッチトルクVTDout0に対して、センターディフ
ァレンシャル装置3に入力される入力トルクTi(エン
ジン回転数Neとギヤ比iから演算)、スロットル開度
θthおよび実ヨーレートγ、ヨーレート偏差Δγ、横加
速度Gyを基に補正を加え、前後輪間動力配分の基本ク
ラッチ締結力FOtbの基となる制御出力トルクVTDou
t を演算する。この制御出力トルクVTDout を、さら
にハンドル角θで補正して、ハンドル角感応クラッチト
ルクとしてトランスファクラッチ21における基本クラ
ッチ締結力FOtbとして定め、第3の制御弁41cに対
して所定の信号で出力する。
【0066】すると、オイルポンプ34からの油圧が、
入力油路37から分岐され、第3の制御弁41cで基本
クラッチ締結力FOtbに対応した油圧値となってトラン
スファクラッチ21の油圧室21pに付与され、このク
ラッチ油圧でトランスファクラッチ21が作動し、セン
ターディファレンシャル装置3に対する差動制限力とな
って加えられる。
【0067】一方、上記センターディファレンシャル装
置3により分配された後輪側への駆動力は、リヤドライ
ブ軸4からプロペラシャフト5,ドライブピニオン6を
経てリヤファイナルドライブ装置7に入力され、ファイ
ナルギヤ27を介してディファレンシャルケース26に
入力される。
【0068】まず、差動機構部22の作用について説明
すると、ディファレンシャルケース26が回転されピニ
オンシャフト28が回転されると、左右輪間に回転差が
無い場合には、このピニオンシャフト28に回転自在に
設けたディファレンシャルピニオン29がピニオンシャ
フト28に対して回転せず、このピニオンシャフト28
と一体になって公転し、左右のサイドギヤ30L,30
Rを等速で回転させ、後輪左右ドライブ軸13rl,13
rrに駆動力を伝達する。
【0069】そして、左右輪間に回転差が生じた場合
に、ディファレンシャルピニオン29がピニオンシャフ
ト28に対して回転し、左右輪間の回転差を許容して左
右輪間に駆動力を伝達する。
【0070】次に、歯車機構部23とクラッチ機構部2
4の作用について説明すると、上記ディファレンシャル
ケース26の回転により、このディファレンシャルケー
ス26に固設された第1の歯車23z1が回転され、この
第1の歯車23z1に噛合された第4の歯車23z4が回転
され、この第4の歯車23z4と回転軸芯上に一体のトル
クバイパス軸31が回転される。
【0071】このトルクバイパス軸31の回転により、
トルクバイパス軸31上に一体に設けられた第1のデフ
コントロールクラッチ24aを構成するクラッチハブ
と、第2のデフコントロールクラッチ24bを構成する
クラッチハブも回転される。
【0072】また、後輪右ドライブ軸13rrの回転と共
に、この後輪右ドライブ軸13rrに固設された第2,第
3の歯車23z2,23z3が回転され、これら第2,第3
の歯車23z2,23z3と噛合されている第5,第6の歯
車23z5,23z6が回転される。
【0073】第5の歯車23z5の回転により、第5の歯
車23z5の回転軸に一体に設けられた第2のデフコント
ロールクラッチ24bを構成するクラッチドラムが回転
され、第6の歯車23z6の回転により、第6の歯車23
z6の回転軸に一体に設けられた第1のデフコントロール
クラッチ24aを構成するクラッチドラムが回転され
る。
【0074】一方、上述の如く制御されたオイルポンプ
34からは、入力油路37からの油圧が、第1の切換弁
42に形成された通路を介して第1,第2の出力油路3
8a,38bへと導かれ、それぞれの油路38a,38
bの第1,第2の制御弁41a,41bを介して第1,
第2のデフコントロールクラッチ24a,24bの油圧
室24ap,24bpに供給される。
【0075】そして、TCU50は、車速V,ハンドル
角θ,実ヨーレートγ,スロットル開度θth,前後加速
度Gx,横加速度Gy,ギヤ位置,及びシフト位置等に
基づいて、車両の走行状態および路面状況を判断し、こ
の車両の走行状態および路面状況に応じ、左右後輪間で
の最適な駆動力配分量を演算し、この駆動力配分量を得
るに適正な所定の信号を、第1の制御弁41a、或いは
第2の制御弁41bに対して出力する。
【0076】TCU50は、右旋回のとき、第1のデフ
コントロールクラッチ24aを接続し、第2のデフコン
トロールクラッチ24bを開放すべく、第1の制御弁4
1aに例えば最大の供給電流の信号を出力し、第2の制
御弁41bには例えば供給電流0の信号を出力する。
【0077】そして、TCU50からの各出力により、
第1の制御弁41aは第1の作動油圧をオイルポンプ3
4からの油圧を小さく減圧した値とする。これにより、
第1のデフコントロールクラッチ24aが、大きな値の
第1の作動油圧で作動されて接続状態となる。一方、第
2の制御弁41bは、第2の作動油圧をオイルポンプ3
4からの油圧を大きく減圧した値とする。この結果、第
2のデフコントロールクラッチ24bには小さな値の第
2の作動油圧(例えば0)となって開放状態となる。
【0078】その結果、第1のデフコントロールクラッ
チ24aの連結により、後輪右ドライブ軸13rrの駆動
力の一部、すなわち右輪側への駆動トルクの一部が、前
述の歯車機構部23における各歯車列のギヤ比の設定に
より、第3の歯車23z3、第6の歯車23z6、第1のデ
フコントロールクラッチ24a、トルクバイパス軸3
1、第4の歯車23z4、第1の歯車23z1を介して、デ
ィファレンシャルケース26から後輪左ドライブ軸13
rlに移行される。これにより、右旋回のときには、外輪
側の左後輪14rlの駆動トルクが、内輪側の右後輪14
rrの駆動トルクよりも大きくなり、旋回性能が向上す
る。
【0079】逆に、左旋回のときには、外輪側の右後輪
14rrの駆動トルクを、内輪側の左後輪14rlの駆動ト
ルクよりも大きくすることで旋回性能を向上する。すな
わち、TCU50は、左旋回のときには、第1のデフコ
ントロールクラッチ24aを開放し、第2のデフコント
ロールクラッチ24bを接続すべく、第1の制御弁41
aに例えば供給電流0の信号を出力し、第2の制御弁4
1bには例えば最大の供給電流の信号を出力する。
【0080】このTCU50からの各出力により、第1
の制御弁41aは第1の作動油圧をオイルポンプ34か
らの油圧を大きく減圧した値とする。これにより、第1
のデフコントロールクラッチ24aが、小さな値の第1
の作動油圧(例えば0)となって開放状態となる。一
方、第2の制御弁41bは、第2の作動油圧をオイルポ
ンプ34からの油圧を小さく減圧した値とする。この結
果、第2のデフコントロールクラッチ24bは大きな値
の第2の作動油圧で作動されて接続状態となる。
【0081】その結果、第2のデフコントロールクラッ
チ24bの連結により、ディファレンシャルケース26
の伝達された駆動力の一部が、前述の歯車機構部23に
おける各歯車列のギヤ比の設定により、第1の歯車23
z1、第4の歯車23z4、トルクバイパス軸31、第2の
デフコントロールクラッチ24b、第5の歯車23z5、
第2の歯車23z2を介して、ディファレンシャルケース
26から後輪右ドライブ軸13rrに直接パイパスされ移
行される。これにより、左旋回のときには、外輪側の右
後輪14rrの駆動トルクが、内輪側の左後輪14rlの駆
動トルクよりも大きくなり、旋回性能を向上する。
【0082】次に、オイルポンプ34から第1,第2の
デフコントロールクラッチ24a,24bに至る油圧回
路40に設けられている第1の切換弁42と第2の切換
弁43の動作について、図1及び図3を基に説明する。
【0083】通常、第1のデフコントロールクラッチ2
4aと第2のデフコントロールクラッチ24bとは、そ
れぞれ駆動力の配分範囲が異なり、共に連結状態となる
ことはなく、第1,第2のデフコントロールクラッチ2
4a,24bの油圧室24ap,24bpに同時に連結
するような大きな作動油圧が加わることはない。すなわ
ち、第1,第2のデフコントロールクラッチ24a,2
4bには、両方のクラッチ24a,24bが共に連結し
ない低い(0も含む)作動油圧、或いは、どちらかのみ
連結した一方が高く他方が低い作動油圧が加えられる。
【0084】まず、第1,第2のデフコントロールクラ
ッチ24a,24bが共に連結しない低い(0も含む)
作動油圧となっている場合は、第2の検出油路39bを
通じて加えられる第2の作動油圧が設定値以下(第2の
デフコントロールクラッチ24bが連結しない値)であ
り、スプールの位置により、第1の検出油路39aの出
口側のポート(第1の切換弁42側のポート)に通じる
通路が、ドレンポートへの通路と連結されて第1の検出
油路39aが遮断される。このため、第1の検出油路3
9aを通じて第1の作動油圧が第1の切換弁42に伝え
られず、第1の切換弁42に対するパイロット圧は必然
的に設定値以下(第1のデフコントロールクラッチ24
aが連結しない値)となり、スプールの位置により、入
力油路37の出口側のポート(両クラッチ側のポート)
に通じる通路が、入力油路37の入口側のポート(オイ
ルポンプ34側のポート)からの通路と連結される。こ
の結果、オイルポンプ34からの油圧は、第1,第2の
制御弁41a,41bへと導かれた状態となる(図3
(a))。
【0085】次に、第1のデフコントロールクラッチ2
4aへの第1の作動油圧が低く、第2のデフコントロー
ルクラッチ24bへの第2の作動油圧が大きい場合は、
第2の検出油路39bを通じて加えられる第2の作動油
圧が設定値を超えて、スプールの位置により、第1の検
出油路39aの出口側のポート(第1の切換弁42側の
ポート)に通じる通路が、第1の検出油路39aの入口
側のポート(第1の出力油路38a側のポート)からの
通路と連結される。このため、第1の検出油路39aを
通じて第1の作動油圧が第1の切換弁42にも伝達され
るようになる。しかし、第1の検出油路39aを通じて
加えられる第1の作動油圧が設定値以下(第1のデフコ
ントロールクラッチ24aが連結しない値)であるた
め、スプールの位置により、入力油路37の出口側のポ
ート(両クラッチ側のポート)に通じる通路が、入力油
路37の入口側のポート(オイルポンプ34側のポー
ト)からの通路と連結される。この結果、オイルポンプ
34からの油圧は、第1,第2の制御弁41a,41b
へと導かれた状態となる(図3(b))。
【0086】これとは逆に、第1のデフコントロールク
ラッチ24aへの第1の作動油圧が大きく、第2のデフ
コントロールクラッチ24bへの第2の作動油圧が低い
場合は、第2の検出油路39bを通じて加えられる第2
の作動油圧が設定値以下(第2のデフコントロールクラ
ッチ24bが連結しない値)であり、スプールの位置に
より、第1の検出油路39aの出口側のポート(第1の
切換弁42側のポート)に通じる通路が、ドレンポート
への通路と連結されて第1の検出油路39aが遮断され
る。このため、第1の検出油路39aを通じて第1の作
動油圧が第1の切換弁42に伝えられず、第1の切換弁
42に対するパイロット圧は必然的に設定値以下(第1
のデフコントロールクラッチ24aが連結しない値)と
なり、スプールの位置により、入力油路37の出口側の
ポート(両クラッチ側のポート)に通じる通路が、入力
油路37の入口側のポート(オイルポンプ34側のポー
ト)からの通路と連結される。この結果、オイルポンプ
34からの油圧は、第1,第2の制御弁41a,41b
へと導かれた状態となる(図3(a))。
【0087】次いで、何らかの原因(例えば、第1の制
御弁41a或いは第2の制御弁41bの故障等)で第
1,第2のデフコントロールクラッチ24a,24bに
対して、同時に設定値を超えた作動油圧が加わろうとし
た場合は、第2の検出油路39bを通じて加えられる第
2の作動油圧が設定値を超えて、スプールの位置によ
り、第1の検出油路39aの出口側のポート(第1の切
換弁42側のポート)に通じる通路が、第1の検出油路
39aの入口側のポート(第1の出力油路38a側のポ
ート)からの通路と連結される。このため、第1の検出
油路39aを通じて第1の作動油圧が第1の切換弁42
にも伝達されるようになる。そして、第1の切換弁42
では、第1の検出油路39aを通じて加えられる第1の
作動油圧が設定値を超えて、スプールの位置により、入
力油路37の出口側のポート(両クラッチ側のポート)
に通じる通路が、ドレンポートへの通路と連結されて入
力油路37(第1,第2の出力油路38a,38bに向
かう部分)が遮断される。この結果、オイルポンプ34
からの第1,第2の出力油路38a,38bに対する油
圧は共に遮断され、両クラッチ24a,24bが同時に
係合或いは結合することが確実に回避される。
【0088】このように、本発明の実施の形態によれ
ば、制御系の誤動作時およびバルブのスティック時であ
っても、左右両方の油圧式多板クラッチが同時に係合或
いは結合するような不具合を、確実に回避することがで
きる。
【0089】また、第1のデフコントロールクラッチ2
4aの作動油圧は第1の制御弁41aで、第2のデフコ
ントロールクラッチ24bの作動油圧は第2の制御弁4
1bで独立に制御されるため、例え、第1の制御弁41
a或いは第2の制御弁41bの不具合が生じても、不具
合が生じた側の制御に影響を及ぼすのみであり、意図し
た側と反対側のクラッチに油圧が働くような不具合が発
生することはない。
【0090】また、スプールにて切換作動するスプリン
グオフセット式のパイロット式切換弁で形成した第1の
切換弁42と第2の切換弁43を組み合わせるのみで簡
単に構成でき、複雑な制御も必要なく簡素に消費電力も
小さく実現できる。
【0091】尚、本発明の実施の形態では、後輪の左右
駆動力配分を可変する油圧回路に適応した例で説明した
が、2つのクラッチで駆動力配分を行うものであれば、
これに限ることなく、2つのクラッチで前輪の左右駆動
力配分を可変する油圧回路、2つのクラッチで前後の駆
動力配分を可変する油圧回路、その他に本発明を適用す
ることが可能である。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の動力配分装置の油圧回路を、油圧源からの油圧を導
入する入力油路に、第1の作動油圧を出力する第1の出
力油路と第2の作動油圧を出力する第2の出力油路とを
連通して形成し、第1の出力油路に設けて制御手段から
の出力信号に応じ第1の作動油圧を可変する第1の制御
弁と、第2の出力油路に設けて制御手段からの出力信号
に応じ第2の作動油圧を可変する第2の制御弁と、第1
の出力油路に遮断自在な第1の検出油路を接続して第1
の検出油路を通じ得られる第1の作動油圧で作動して作
動の際に入力油路を遮断する第1の切換弁と、第2の出
力油路に第2の検出油路を接続して第2の検出油路を通
じ得られる第2の作動油圧で作動して作動の際に第1の
検出油路を第1の出力油路から第1の切換弁に連通させ
る第2の切換弁とを備えたので、簡単で消費電力も小さ
く、また、制御系の誤動作時およびバルブのスティック
時であっても、両方の油圧式多板クラッチが同時に係合
或いは結合するような不具合や、意図した側と反対側の
クラッチに油圧が働くような不具合を確実に回避するこ
とが可能になる。具体的には第1の切換弁と上記第2の
切換弁は、それぞれスプールにて切換作動するスプリン
グオフセット式のパイロット式切換弁で構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力配分装置の油圧回路の概略説明図
【図2】4輪駆動車の全体の概略構成を示す説明図
【図3】油圧回路の第1,第2の切換弁の動作説明図
【符号の説明】
7 リヤファイナルドライブ装置 22 差動機構部 23 歯車機構部 24 クラッチ機構部 24a 第1のデフコントロールクラッチ(第1の油圧
式トルク伝達手段) 24ap 油圧室 24b 第2のデフコントロールクラッチ(第2の油圧
式トルク伝達手段) 24bp 油圧室 34 オイルポンプ 37 入力油路 38a 第1の出力油路 38b 第2の出力油路 39a 第1の検出油路 39b 第2の検出油路 40 油圧回路 41a 第1の制御弁 41b 第2の制御弁 42 第1の切換弁 43 第2の切換弁 50 トランスミッション制御装置(制御手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力配分を設定する制御手段からの出力
    信号に応じて油圧源と接続した油圧回路を作動させ、こ
    の油圧回路から第1の作動油圧を出力して第1の油圧式
    トルク伝達手段を作動し第1の配分範囲での動力配分を
    行う一方、第2の作動油圧を出力して第2の油圧式トル
    ク伝達手段を作動し第2の配分範囲での動力配分を行わ
    せ、左右輪間の動力配分と前後輪間の動力配分の少なく
    とも一方を行う車両の動力配分装置において、 上記油圧回路は、上記油圧源からの油圧を導入する入力
    油路に、上記第1の作動油圧を出力する第1の出力油路
    と上記第2の作動油圧を出力する第2の出力油路とを連
    通して形成し、上記第1の出力油路に設けて上記制御手
    段からの出力信号に応じ上記第1の作動油圧を可変する
    第1の制御弁と、上記第2の出力油路に設けて上記制御
    手段からの出力信号に応じ上記第2の作動油圧を可変す
    る第2の制御弁と、上記第1の出力油路に遮断自在な第
    1の検出油路を接続して該第1の検出油路を通じ得られ
    る上記第1の作動油圧で作動して作動の際に上記入力油
    路を遮断する第1の切換弁と、上記第2の出力油路に第
    2の検出油路を接続して該第2の検出油路を通じ得られ
    る上記第2の作動油圧で作動して作動の際に上記第1の
    検出油路を上記第1の出力油路から上記第1の切換弁に
    連通させる第2の切換弁とを備えたことを特徴とする請
    求項1記載の車両の動力配分装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の切換弁と上記第2の切換弁
    は、それぞれスプールにて切換作動するスプリングオフ
    セット式のパイロット式切換弁で形成したことを特徴と
    する請求項1記載の車両の動力配分装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009036373A (ja) * 2007-08-02 2009-02-19 Honda Motor Co Ltd 油圧式車両クラッチ機構及び方法
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US8900086B2 (en) 2007-08-02 2014-12-02 Honda Motor Co., Ltd. Hydraulic vehicle clutch system, drivetrain for a vehicle including same, and method

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