JP4344439B2 - 銀合金 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は銀合金に関し、特に装飾部材、時計部品、メガネ部品などに好適に用いることができる銀合金に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀や銀合金は古くから装飾部材として広く用いられている。銀合金の代表的なものは、銀92.5重量%−銅合金(スターリングシルバー)であり、ほかに装飾材料としては銀80重量%以上の合金が使用され、銀90重量%−銅合金(コインシルバー)や銀95.8%−銅合金(ブリタニアシルバー)もある。
【0003】
銀は平常の状態では酸素とは反応しないが、硫化ガスや亜硫酸ガスとは容易に反応し、その表面に硫化銀の黒色被膜を生成して装飾効果を減じてしまう。
【0004】
このような硫化を防止するために、その表面に強く結合する有機化合物を塗布したり、金もしくはロジウムメッキを施したり、合金化することが行われている。
【0005】
銀に銅を合金化すると、銅14重量%くらいまでは、白色で機械的性質を向上させることができ、融点も下がることから、鋳造性も向上するが、耐硫化性を改善することはできず、耐食性は悪くなる。これは銀への銅の固溶限を越えると2相共晶になり、局部電池化して変色するためである。
【0006】
一方、耐硫化性を改善する銀合金としては、銀−パラジウム、銀−白金、銀−金が知られている。この銀合金において、銀の硫化を完全に防止するためには、パラジウムであれば40重量%、白金であれば60重量%、金であれば70重量%以上を添加する必要があり、コストが高くなったり、融点が高くなって鋳造性が悪くなる。
【0007】
また、近時は、装飾用の貴金属材料でも多様な色彩のものが求められている。金では黄色系ものやピンク系のものが市場で受け入れられているが、装飾用の銀合金でも同様に多様な色彩のものが求められている。
【0008】
本発明者等はこのような状況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、銀に銅を添加した2相共晶組成でありながら、さらに貴金属(パラジウム、白金、金)を添加すれば、生活状況に置いても局部電池化を防止することができ、さらにインジウムを添加すると耐硫化性も著しく向上し、さらに鋳造性も大きく改良されたピンク系の銀合金が得られることを知見した。
【0009】
したがって、本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、ピンク系の色彩を呈し、生活状況に置いて局部電池化を防止することができ、耐硫化性も向上した銀合金を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る銀合金は、主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、およびインジウム(In)を0.5〜15.0wt%より成ることを特徴とする。
【0011】
上記成分のうち、銀は主成分であり、銅はピンク系の色彩を付与するための成分であり、パラジウムは局部電池化を防止するための成分であり、さらにインジウムは耐硫化性を著しく向上させ、鋳造性も大きく向上させるものである。
【0012】
上記銀合金においては、主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、インジウム(In)を0.5〜15.0wt%、さらにプラチナ(Pt)及び/又は金(Au)より成り、前記プラチナ(Pt)は10.0wt%以下、前記金(Au)は20.0wt%以下であることを特徴とする。
【0013】
プラチナおよび金は生活状況に置いて局部電池化を防止するための成分でもあるが、さらにプラチナは耐硫化性を向上させ、金はピンク色を強めるための成分である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、請求項に係る発明の実施形態を詳細に説明する。表1は、請求項1に係る発明の銀合金における銀、銅、パラジウム、インジウム、プラチナ、金の適正添加量の範囲を示す表である。本発明では、主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、インジウム(In)を0.5〜15.0wt%含有するように設定する。
【0015】
上記の組成範囲とするためには、銀は主成分として40〜75重量%の範囲で添加される。
【0016】
銅は12〜48重量%の範囲で添加される。この銅が12重量%以下の場合は銀の白色が強くなり、ピンク系の色彩が出ない。また、48重量%以上であるとパラジウム、インジウムの最低添加量が3.5重量%であるため、銅が主成分となって不適である。
【0017】
また、パラジウムは3.0〜15.0重量%の範囲で添加される。このパラジウムが3.0重量%以下の場合は、生活状況に置いて局部電池化を防止できず、耐食性が得られない。また、15.0重量%以上であると、ピンク系の色彩が出ない。
【0018】
また、インジウムは0.5〜15.0重量%の範囲で添加される。インジウムの添加は耐硫化性を著しく向上させる。このインジウムが0.5重量%以下の場合は、耐硫化性が全く向上しない。また、15.0重量%以上であると硬度が向上し(Hvで150)、後加工ができなくなる。また、溶解時に流動性が増していると思われ、鋳造性が良好となる。
【0019】
上記銀合金は、主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、インジウム(In)を0.5〜15.0wt%、さらにプラチナ(Pt)及び/又は金(Au)より成り、前記プラチナ(Pt)は10.0wt%以下、前記金(Au)は20.0wt%以下であるとしたことが好ましい。
【0020】
プラチナを0〜10.0wt%添加するのは、プラチナは局部電池化を抑制するばかりではなく、耐硫化性を向上させるためである。また、10.0wt%以上の添加ではピンク色の発色がなくなる。
【0021】
金を0〜20.0wt%添加するのは、金は局部電池化を抑制するばかりではなく、ピンク色に発色させるためである。20.0wt%以上であると、黄色等の色が強くなり、ピンク色と言えなくなる。
【0022】
本発明に係る銀合金は、例えば従来から周知のロストワックス法などの鋳造工程を経て、指輪、ペンダント、ネックレス、ピアスなどの装飾部材に加工される。
【0023】
銀、銅、パラジウム、インジウム、プラチナ、金の添加量を種々変更して、色、硬度、鋳造性及び耐食性を調べた。その結果を表1に示す。
【0024】
色は、原料を調合して約1000℃の温度で溶解した後に鋳造して地金を作成し、この地金をバフ研磨した後にスターリングシルバーと比較してピンク色の発色があるか否かを肉眼で評価したものであり、スターリングシルバーに比較してピンク色の発色があったものには○印を、またピンク色の発色がなかったものには×印を付した。
【0025】
硬度の評価は原料を調合して約1000℃の温度で溶解した後に鋳造して地金を作成し、マイクロビッカース硬度計で測定した。
【0026】
また、鋳造性の評価は原料を調合して約1000℃の温度で溶解した後に甲丸リングに鋳造し、このリングをバフ研磨した後に鋳造巣の状態を目視で確認して非常に少ないものに◎、少ないものに○、多いものには×を付けた。
【0027】
耐食性の評価は、原料を調合して約1000℃の温度で溶解した後に甲丸リングに鋳造し、このリングをバフ研磨した後に、複数の試験者が指にはめて1ヶ月間の日常生活を行い、変色の有無を肉眼で調べて評価したものであり、1ヶ月間の日常生活で変色や黒色化が全くないものには◎、ほとんどないものに○、変色や黒色化があったものには×印を付けた。
【0028】
【表1】
Figure 0004344439
【0029】
表1から明らかなように、銀の範囲は資料No.1〜16をみると、40.0〜75.0重量%であることがわかる。すなわちNo.1、2をみると39.5重量%では発色不良となり、40.0重量%でないと発色がでない。同様にNo.9、10をみると75重量%では発色良好であるが、76重量%では発色不良である。
【0030】
銅の範囲は資料No.1〜16をみると、12.0〜48.0重量%であることがわかる。すなわち、No.12、13をみると、12重量%では発色良好であるが、11重量%では発色不良である。同様にNo.4をみると、48重量%まで発色良好である。これ以上の添加は銅が主成分となるために、48重量%が限度であることがわかる。
【0031】
パラジウムの範囲は資料No.1〜16のように3.0〜20.0重量%であることがわかる。すなわちNo.4、5をみると、最低添加量は3.0重量%必要であることがわかる。また、No.1、2をみると、最大添加量は15.0重量%になる。これ以上の添加はピンクに発色しない。
【0032】
インジウムの範囲は資料No.1〜16をみると、0.5重量%〜15.0重量%であることがわかる。すなわちNo.7、8をみると、Inを添加しないと鋳造性が著しく悪化することがわかる。また、No.15、16をみると、16.0重量%以上では硬度が向上し過ぎ、後工程に影響を及ぼす。
【0033】
プラチナを添加する場合、資料No.17〜21を見ると、0〜10.0重量%でよいことがわかる。すなわち、No.1〜16のように、Pt無添加でも可能だが、Ptを添加すると、耐硫化性が向上することがわかった。ただし、10重量%を越えるとピンク色を失う。
【0034】
金を添加する場合、資料No.22〜27のように、0〜20.0重量%でよいことがわかる。すなわち、No.1〜16のように、Au無添加でも可能だが、Auを添加すると、ピンク色が強くでることがわかった。ただし、20重量%以上添加すると、発色に黄色味が強くなりピンク色とは言えなくなる。
【0035】
インジウムの効果は、表1でも明らかなように、耐硫化性を大きく改善し、安価にPt並みかそれ以上の効果がある。鋳造性も流動性が良くなるためか、鋳造巣が少ない。インジウムなしの場合は、良好な鋳造体ができる範囲が狭く、熟練した技術者でないと良好に鋳造できないが、インジウムを添加すると鋳造の適正範囲を大きくできる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明の銀合金によれば、主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、およびインジウム(In)を0.5〜15.0wt%含有して成ることから、ピンク系の色彩を有する耐食性が良好で鋳造性も良好な銀合金を提供することができる。

Claims (2)

  1. 主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、およびインジウム(In)を0.5〜15.0wt%より成る銀合金。
  2. 主成分としての銀(Ag)を40〜75wt%、銅(Cu)を12.0〜48.0wt%、パラジウム(Pd)を3.0〜15.0wt%、インジウム(In)を0.5〜15.0wt%、さらにプラチナ(Pt)及び/又は金(Au)より成り、前記プラチナ(Pt)は10.0wt%以下前記金(Au)は20.0wt%以下である銀合金。
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