JP2002294361A - 鋳造用低カラット金合金 - Google Patents
鋳造用低カラット金合金Info
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- JP2002294361A JP2002294361A JP2001094660A JP2001094660A JP2002294361A JP 2002294361 A JP2002294361 A JP 2002294361A JP 2001094660 A JP2001094660 A JP 2001094660A JP 2001094660 A JP2001094660 A JP 2001094660A JP 2002294361 A JP2002294361 A JP 2002294361A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金銀パラジウム合金に代わる低コストで機械
的性質と耐食性に優れる新規な鋳造用低カラット金合金
を見出すことである。 【解決手段】 Au:10〜50wt%、Ti+Cr:
0.5〜3wt%、Pd+Pt:0〜5wt%、残部を
Cuとする組成の鋳造用低カラット金合金とする。
的性質と耐食性に優れる新規な鋳造用低カラット金合金
を見出すことである。 【解決手段】 Au:10〜50wt%、Ti+Cr:
0.5〜3wt%、Pd+Pt:0〜5wt%、残部を
Cuとする組成の鋳造用低カラット金合金とする。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明に係る合金は、歯科
医療分野または貴金属装身具分野において利用される。
医療分野または貴金属装身具分野において利用される。
【0002】
【従来の技術】歯科用金銀パラジウム合金は銀ベースで
あることから、安価であり、また優れた時効硬化性を有
し、タイプ四金合金と同等の機械的性質を具備している
ことに加え、Auを12wt%、Pdを20wt%含有
することで耐食性も良好であることから、臨床で最も多
く使用されてきた。
あることから、安価であり、また優れた時効硬化性を有
し、タイプ四金合金と同等の機械的性質を具備している
ことに加え、Auを12wt%、Pdを20wt%含有
することで耐食性も良好であることから、臨床で最も多
く使用されてきた。
【0003】一方、50wt%までのAuを含有する低
カラット金合金はAu−Ag−Cu三元系が基本であっ
て、Cuを減らしてAgを多くすると、その金属組織は
AuCu規則相に加え、Agリッチ相とCuリッチ相が
出現する。このため、局部電池が形成されることから、
耐食性が低下し、低カラット金合金は金の効果が十二分
に発揮されないまま使用されているのが現状である。
カラット金合金はAu−Ag−Cu三元系が基本であっ
て、Cuを減らしてAgを多くすると、その金属組織は
AuCu規則相に加え、Agリッチ相とCuリッチ相が
出現する。このため、局部電池が形成されることから、
耐食性が低下し、低カラット金合金は金の効果が十二分
に発揮されないまま使用されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
最も需要の多い金銀パラジウム合金の成分であるPdの
価格が高騰したまま、一向に下がる気配が見られず、社
会問題にまで発展している。このようなことから、金銀
パラジウム合金に代わる低コストですなわちパラジウム
含有量が低く、かつ機械的性質と耐食性に優れる新規な
時効硬化性合金の開発が望まれていた。
最も需要の多い金銀パラジウム合金の成分であるPdの
価格が高騰したまま、一向に下がる気配が見られず、社
会問題にまで発展している。このようなことから、金銀
パラジウム合金に代わる低コストですなわちパラジウム
含有量が低く、かつ機械的性質と耐食性に優れる新規な
時効硬化性合金の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】金銀パラジウム合金に代
わる低コストで機械的性質と耐食性に優れる新規な合金
の開発が望まれる。そこで、考えられることは金銀パラ
ジウム合金中のPdの20wt%分をAuで置換するこ
とである。この場合の組成のAu−Ag−Cu合金はA
uCu規則相が出現しないため、時効硬化せず、かつ耐
食性の低下をもたらすAgリッチ相とCuリッチ相が出
現する共晶組織の範囲となり、このままでは貴金属であ
るAuの効果は全く発揮されない。
わる低コストで機械的性質と耐食性に優れる新規な合金
の開発が望まれる。そこで、考えられることは金銀パラ
ジウム合金中のPdの20wt%分をAuで置換するこ
とである。この場合の組成のAu−Ag−Cu合金はA
uCu規則相が出現しないため、時効硬化せず、かつ耐
食性の低下をもたらすAgリッチ相とCuリッチ相が出
現する共晶組織の範囲となり、このままでは貴金属であ
るAuの効果は全く発揮されない。
【0006】そこで、共晶組織を出現させないようにす
るため、Agを除いて、全率固溶体合金系であるAuと
Cuをベースにし、これに5wt%までのPd+Ptを
添加した固溶体合金について、生体に無害な微量の第三
元素の添加で析出硬化が可能な系を状態図集から予測
し、実際に多くの種類の合金を溶製し、硬さと耐食性を
測定した。この場合の5wt%までのPd+Ptを添加
する目的は耐食性の向上と合金色の赤みを白く変えるた
めであり、この範囲を越えるとコストも上がるし、金属
間化合物が生成し、合金が脆くなってしまう。
るため、Agを除いて、全率固溶体合金系であるAuと
Cuをベースにし、これに5wt%までのPd+Ptを
添加した固溶体合金について、生体に無害な微量の第三
元素の添加で析出硬化が可能な系を状態図集から予測
し、実際に多くの種類の合金を溶製し、硬さと耐食性を
測定した。この場合の5wt%までのPd+Ptを添加
する目的は耐食性の向上と合金色の赤みを白く変えるた
めであり、この範囲を越えるとコストも上がるし、金属
間化合物が生成し、合金が脆くなってしまう。
【0007】AuとCuをベースにした固溶体合金につ
いて、微量の種種の第三元素の添加した実験結果から、
特に、TiとCrの添加は顕著な時効硬化性をもたらす
ことが判明した。Ti+Crの添加量を0.5wt%か
ら3wt%にした理由は0.5%未満では時効硬化現象
が出現せず、また3wt%を越える添加量では金属間化
合物が生成し、合金が脆くなってしまうからである。
いて、微量の種種の第三元素の添加した実験結果から、
特に、TiとCrの添加は顕著な時効硬化性をもたらす
ことが判明した。Ti+Crの添加量を0.5wt%か
ら3wt%にした理由は0.5%未満では時効硬化現象
が出現せず、また3wt%を越える添加量では金属間化
合物が生成し、合金が脆くなってしまうからである。
【0008】一般的に、A−B−C三元系合金の特定の
組成での合金の硬さや延性などの機械的性質は、成分
A、B、Cについての三種類の二元系状態図から予測さ
れるものとまったく異なることがほとんどである。ただ
し、溶質が極低濃度の希薄合金では予測されたものと合
致することが多い。本発明に係る合金組成も多種類の添
加元素について、合金を実際に溶製し、それらについて
諸性質を検討して始めて見出されたことであり、容易に
推測出来ないものである。
組成での合金の硬さや延性などの機械的性質は、成分
A、B、Cについての三種類の二元系状態図から予測さ
れるものとまったく異なることがほとんどである。ただ
し、溶質が極低濃度の希薄合金では予測されたものと合
致することが多い。本発明に係る合金組成も多種類の添
加元素について、合金を実際に溶製し、それらについて
諸性質を検討して始めて見出されたことであり、容易に
推測出来ないものである。
【0009】
【実施例】本発明に係る合金の実施例と市販合金につい
て比較例を表1と表2に示す。合金No.1からNo.
9までが実施例であり、No.10からNo.12まで
が現在市販品されている三種類の金銀パラジウム合金に
よる比較例である。
て比較例を表1と表2に示す。合金No.1からNo.
9までが実施例であり、No.10からNo.12まで
が現在市販品されている三種類の金銀パラジウム合金に
よる比較例である。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】本発明に係る合金は周知の高周波加熱溶解
炉において、1100℃の溶解温度で10分間溶解し,
10mmx10mmx50mmの金型に鋳造後、溝ロー
ルで厚さ5mm、幅5mm、長さ10mmの試験片に仕
上げ、硬さ試験用試料とした。いずれの合金も亀裂が入
ることなく冷間加工が可能であり、十分な延性を有す
る。
炉において、1100℃の溶解温度で10分間溶解し,
10mmx10mmx50mmの金型に鋳造後、溝ロー
ルで厚さ5mm、幅5mm、長さ10mmの試験片に仕
上げ、硬さ試験用試料とした。いずれの合金も亀裂が入
ることなく冷間加工が可能であり、十分な延性を有す
る。
【0013】各合金の時効硬化処理は次のようである。
870℃、60分加熱後水中急冷処理を施し、溶体化処
理とした。次に400℃で20分加熱し時効硬化処理と
した。これらの熱処理を施した後で、次に示す方法で硬
さ試験と変色試験を行なった。
870℃、60分加熱後水中急冷処理を施し、溶体化処
理とした。次に400℃で20分加熱し時効硬化処理と
した。これらの熱処理を施した後で、次に示す方法で硬
さ試験と変色試験を行なった。
【0014】1.硬さ試験 マイクロビッカース硬さ試験器を用い、荷重200g、
荷重時間15秒の条件で測定した。
荷重時間15秒の条件で測定した。
【0015】2.変色試験 10mmX10mmX1mmの板状試験片をエメリーペ
ーパーで800番まで研磨し、0.1%NaCl、1.
0%乳酸の2種類の溶液中で37+−1℃で三日間、全
浸漬後の変色を観察した。表1に示すごとく,本発明の
合金はJIST6116の諸特性と比較して、硬さ、変
色においても遜色ないものである。
ーパーで800番まで研磨し、0.1%NaCl、1.
0%乳酸の2種類の溶液中で37+−1℃で三日間、全
浸漬後の変色を観察した。表1に示すごとく,本発明の
合金はJIST6116の諸特性と比較して、硬さ、変
色においても遜色ないものである。
【0016】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明によると、
当該発明に係る合金は、いずれも耐変色性も良好であ
り、また十分に満足な硬さを有するものである。
当該発明に係る合金は、いずれも耐変色性も良好であ
り、また十分に満足な硬さを有するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 Au:10〜50wt%、Ti+Cr:
0.5〜3wt%、Pd+Pt:0〜5wt%、残部を
Cuとする鋳造用低カラット金合金 - 【請求項2】 その用途が歯科用であることを特徴とす
る請求項1に記載の鋳造用低カラット金合金 - 【請求項3】 その用途が貴金属装身具用であることを
特徴とする請求項1に記載の鋳造用低カラット金合金
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001094660A JP2002294361A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 鋳造用低カラット金合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001094660A JP2002294361A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 鋳造用低カラット金合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002294361A true JP2002294361A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18948823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001094660A Pending JP2002294361A (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 鋳造用低カラット金合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002294361A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005045477A1 (de) * | 2005-09-22 | 2007-03-29 | Qvc Handel Gmbh | Goldlegierung |
WO2019198042A1 (en) * | 2018-04-12 | 2019-10-17 | Argor - Heraeus Sa | Tarnishing resistant copper gold alloy, in particular 9k, and method for production thereof |
CN111705233A (zh) * | 2020-03-26 | 2020-09-25 | 深圳润福金技术开发有限公司 | 一种金合金及其制备方法 |
CN114096689A (zh) * | 2019-09-26 | 2022-02-25 | 田中贵金属工业株式会社 | 医疗用Au-Pt-Pd合金 |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001094660A patent/JP2002294361A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005045477A1 (de) * | 2005-09-22 | 2007-03-29 | Qvc Handel Gmbh | Goldlegierung |
WO2019198042A1 (en) * | 2018-04-12 | 2019-10-17 | Argor - Heraeus Sa | Tarnishing resistant copper gold alloy, in particular 9k, and method for production thereof |
CN114096689A (zh) * | 2019-09-26 | 2022-02-25 | 田中贵金属工业株式会社 | 医疗用Au-Pt-Pd合金 |
CN114096689B (zh) * | 2019-09-26 | 2024-01-30 | 田中贵金属工业株式会社 | 医疗用Au-Pt-Pd合金 |
CN111705233A (zh) * | 2020-03-26 | 2020-09-25 | 深圳润福金技术开发有限公司 | 一种金合金及其制备方法 |
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