JPS622017B2 - - Google Patents
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- JPS622017B2 JPS622017B2 JP14383879A JP14383879A JPS622017B2 JP S622017 B2 JPS622017 B2 JP S622017B2 JP 14383879 A JP14383879 A JP 14383879A JP 14383879 A JP14383879 A JP 14383879A JP S622017 B2 JPS622017 B2 JP S622017B2
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Description
本発明は耐食性と加工性に優れた装飾用合金の
創案に係り、所謂18金(以下K18という)と同等
の光沢および色調を具備した合金を比較的低廉に
得しめ、しかも加工性、耐食性の何れにおいても
卓越した性能を有する新規な装飾用合金を提供し
ようとするものである。 金は最も貴重な貴金属であるが、この金が装身
具その他の物品として用いられる場合に純金
(K24)であることは殆んどなく、他の銀、銅な
どとの合金としてK20、K18、K16、K15、K14、
K12、K10、K9などであることは周知の通りであ
り、これらの中で比較的純度の高い一般的なもの
はK18であつて、所謂金の色合、光沢なるものは
通常このK18のそれを以て代表的に認識されてい
る。然しこのK18は相当に純度の高いものである
から当然に高価とならざるを得ず、このもので各
種装飾品などを得ることは価格的に容易でないこ
ととなり、これに代るより純度の低い例えば
K10、K9程度の合金によつて前記K18と同等な色
調、光沢を得しめることについては従来からそれ
なりに検討が重ねられているようである。ところ
がこのように純度の低い合金でK18と同等な色
合、光沢を得ること自体決して容易でなく、又成
程この色合、光沢をK18に近づけ得たとしても加
工性などにおいて甚だ劣つたものとなり、特に耐
食性が好ましくないことから購入時においてK18
相当のものと満足していても経年使用によつて全
く異つた色調光沢に変化する不利を有し、真に好
ましい合金は未だ得られるに到つていない。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、Au:35〜42%、
Ag:5〜10%、Cu:40〜52%、Sn:0.1〜2%
とZn:3〜10%を含有し残部は不可避不純物で
ある装飾用合金を提案する。 即ちこのような本発明合金の成分組成範囲限定
理由について説明すると以下の如くである。 Auは、このような貴金属合金に不可欠のもの
であることは当然であつて、それが35%以下では
貴金属としての実態を欠き、又K18に準じた機械
的、化学的性質も得難いようなこととなる。しか
もこのAuが42%以上となると高価とならざるを
得ず比較的低廉に目的合金を達し得ないこととな
る。 Agは、上記したようなAu、Cuを主成分とした
合金において延性を得しめるために不可欠な金属
であつて、このような延性向上を適切に得しめる
ために5%以上を添加することが必要である。然
しこのAgが増大するとCu成分を中心としてAg成
分が溶融したAg―Cu系共晶合金のβ析出が認め
られ、それによつてAg添加によつても所期する
ような延性向上が得られないこととなるので10
%、好ましくは7%程度を以て上限とする。この
ようにAgを添加すること自体は従来技術と同様
であるとしてもその添加%範囲が5〜10%、特に
6〜7%のような頗る狭い範囲とすることは本発
明における1つの特質がある。 Cuは、このような合金において他の金属の添
加に拘わらずAuの色彩感覚をもたらす上におい
て不可欠の金属であるが、その添加量が55%以上
となると相対的に他の金属の量が縮限されて赤味
を帯びた銅特有の色調を示し、又前記したAg―
Cu系共晶合金のβ析出も促されることとなるの
で55%を上限とする。又このCuが40%未満であ
ればAuの上限が42%であることからAg及び後述
するSn、Znがそ限を超えて添加しなければなら
ないこととなるので40%を以て下限とする。 Snは、Znと共に本発明合金に有効な耐食性を
もたらす上に不可欠の金属であつて0.1%以下で
はこのSn添加による効果を発揮できない。又こ
のSnが2%以上となると合金に脆性が認められ
その加工性が劣化するのでこれを上限とする。 Znの添加は本発明における枢要な特質の1つ
であつて、それが3%以下では前記したように好
ましい耐食性を得ることができないのでこれを下
限とする。又その上限10%を超えた添加は合金全
体としての色調が白くなり、これをCuなどでカ
バーし得なくなつてK18相当の色合いを得難いこ
ととなるものである。 なお本発明によるものは上記以外に微量成分と
してFe、極微量成分としてCd、Si、Mg、Pb、
Al、Ni、Caなどを含有してよいことは次の実施
例の通りである。 本発明によるものの具体的な実施例について説
明すると以下の通りである。 次の第1表に示すような比較合金と本発明合金
とを溶解調製した。
創案に係り、所謂18金(以下K18という)と同等
の光沢および色調を具備した合金を比較的低廉に
得しめ、しかも加工性、耐食性の何れにおいても
卓越した性能を有する新規な装飾用合金を提供し
ようとするものである。 金は最も貴重な貴金属であるが、この金が装身
具その他の物品として用いられる場合に純金
(K24)であることは殆んどなく、他の銀、銅な
どとの合金としてK20、K18、K16、K15、K14、
K12、K10、K9などであることは周知の通りであ
り、これらの中で比較的純度の高い一般的なもの
はK18であつて、所謂金の色合、光沢なるものは
通常このK18のそれを以て代表的に認識されてい
る。然しこのK18は相当に純度の高いものである
から当然に高価とならざるを得ず、このもので各
種装飾品などを得ることは価格的に容易でないこ
ととなり、これに代るより純度の低い例えば
K10、K9程度の合金によつて前記K18と同等な色
調、光沢を得しめることについては従来からそれ
なりに検討が重ねられているようである。ところ
がこのように純度の低い合金でK18と同等な色
合、光沢を得ること自体決して容易でなく、又成
程この色合、光沢をK18に近づけ得たとしても加
工性などにおいて甚だ劣つたものとなり、特に耐
食性が好ましくないことから購入時においてK18
相当のものと満足していても経年使用によつて全
く異つた色調光沢に変化する不利を有し、真に好
ましい合金は未だ得られるに到つていない。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、Au:35〜42%、
Ag:5〜10%、Cu:40〜52%、Sn:0.1〜2%
とZn:3〜10%を含有し残部は不可避不純物で
ある装飾用合金を提案する。 即ちこのような本発明合金の成分組成範囲限定
理由について説明すると以下の如くである。 Auは、このような貴金属合金に不可欠のもの
であることは当然であつて、それが35%以下では
貴金属としての実態を欠き、又K18に準じた機械
的、化学的性質も得難いようなこととなる。しか
もこのAuが42%以上となると高価とならざるを
得ず比較的低廉に目的合金を達し得ないこととな
る。 Agは、上記したようなAu、Cuを主成分とした
合金において延性を得しめるために不可欠な金属
であつて、このような延性向上を適切に得しめる
ために5%以上を添加することが必要である。然
しこのAgが増大するとCu成分を中心としてAg成
分が溶融したAg―Cu系共晶合金のβ析出が認め
られ、それによつてAg添加によつても所期する
ような延性向上が得られないこととなるので10
%、好ましくは7%程度を以て上限とする。この
ようにAgを添加すること自体は従来技術と同様
であるとしてもその添加%範囲が5〜10%、特に
6〜7%のような頗る狭い範囲とすることは本発
明における1つの特質がある。 Cuは、このような合金において他の金属の添
加に拘わらずAuの色彩感覚をもたらす上におい
て不可欠の金属であるが、その添加量が55%以上
となると相対的に他の金属の量が縮限されて赤味
を帯びた銅特有の色調を示し、又前記したAg―
Cu系共晶合金のβ析出も促されることとなるの
で55%を上限とする。又このCuが40%未満であ
ればAuの上限が42%であることからAg及び後述
するSn、Znがそ限を超えて添加しなければなら
ないこととなるので40%を以て下限とする。 Snは、Znと共に本発明合金に有効な耐食性を
もたらす上に不可欠の金属であつて0.1%以下で
はこのSn添加による効果を発揮できない。又こ
のSnが2%以上となると合金に脆性が認められ
その加工性が劣化するのでこれを上限とする。 Znの添加は本発明における枢要な特質の1つ
であつて、それが3%以下では前記したように好
ましい耐食性を得ることができないのでこれを下
限とする。又その上限10%を超えた添加は合金全
体としての色調が白くなり、これをCuなどでカ
バーし得なくなつてK18相当の色合いを得難いこ
ととなるものである。 なお本発明によるものは上記以外に微量成分と
してFe、極微量成分としてCd、Si、Mg、Pb、
Al、Ni、Caなどを含有してよいことは次の実施
例の通りである。 本発明によるものの具体的な実施例について説
明すると以下の通りである。 次の第1表に示すような比較合金と本発明合金
とを溶解調製した。
【表】
なおこれらの合金についての残部組成に関して
の検討結果は、比較合金No.1は、極微量成分と
してCd、Fe、Si、Mg、ZnおよびCaを夫々含有
したものであり、又比較合金No.2は微量成分と
してSi、極微量成分としてCd、Fe、Al、Mg、
Caを含有していた。一方本発明合金No.3は微量
成分としてFeを、又極微量成分としてCd、Si、
Mg、Pb、Al、NiおよびCaを含有し、本発明合金
No.4は微量成分としてFeを含有すると共に極微
量成分としてCd、Si、Mg、Pb、Niを含有し、痕
跡としてAlを含有することが認められた。 然して上記したような比較合金及び本発明合金
とK18の各試験片に関する色調は添附図面第1図
にK18を中間として左右に対比して示す通りであ
り、各比較合金および本発明合金は何れもK18に
準じた色彩、光沢を有するものと言えるが、本発
明合金No.3およびNo.4のものが若干好ましい色
調、光沢を有するものであつた。 又これらの各合金について、その機械的性質を
径1mmの試験材として、株式会社島津製作所製造
に係る2噸万能試験を用いて試験測定した。即ち
650℃×20分の焼鈍条件によりJIS9号の規定に従
いG.L.100mmで試験測定した結果を纒めて示すと
次の第2表の通りであつて、本発明合金のものは
何れも伸びにおいて比較合金の2倍以上、3倍近
い値を示すことが確認された。
の検討結果は、比較合金No.1は、極微量成分と
してCd、Fe、Si、Mg、ZnおよびCaを夫々含有
したものであり、又比較合金No.2は微量成分と
してSi、極微量成分としてCd、Fe、Al、Mg、
Caを含有していた。一方本発明合金No.3は微量
成分としてFeを、又極微量成分としてCd、Si、
Mg、Pb、Al、NiおよびCaを含有し、本発明合金
No.4は微量成分としてFeを含有すると共に極微
量成分としてCd、Si、Mg、Pb、Niを含有し、痕
跡としてAlを含有することが認められた。 然して上記したような比較合金及び本発明合金
とK18の各試験片に関する色調は添附図面第1図
にK18を中間として左右に対比して示す通りであ
り、各比較合金および本発明合金は何れもK18に
準じた色彩、光沢を有するものと言えるが、本発
明合金No.3およびNo.4のものが若干好ましい色
調、光沢を有するものであつた。 又これらの各合金について、その機械的性質を
径1mmの試験材として、株式会社島津製作所製造
に係る2噸万能試験を用いて試験測定した。即ち
650℃×20分の焼鈍条件によりJIS9号の規定に従
いG.L.100mmで試験測定した結果を纒めて示すと
次の第2表の通りであつて、本発明合金のものは
何れも伸びにおいて比較合金の2倍以上、3倍近
い値を示すことが確認された。
【表】
更にこれとは別に同じく島津製作所製IS500オ
ートグラフにより同じ条件で測定した結果は下記
する第3表の通りであつた。
ートグラフにより同じ条件で測定した結果は下記
する第3表の通りであつた。
【表】
又0.80mm径の線材として700℃×20分の焼鈍条
件で伸線可能寸法を求めた結果は第2図の通りで
あつて比較合金が0.5mmφであるのに対し本発明
合金No.3およびNo.4のものは何れも0.18mmφ以下
であつた。 即ち本発明によるものは何れの試験結果におい
ても加工性の頗る優れた合金であることが確認さ
れ、一般的に比較合金の3倍前後の加工性を有す
ることを知つた。 然して、上記したような第1図の各合金の試験
片とK18の試験片をJIS T6105の4、4に従い37
℃±2℃の低温炉で0.1%硫化ナトリウム500ml中
に夫々72時間に亘つて浸漬し、その耐食性を試験
した結果は第4図に示す通りであつて、本発明の
各合金板No.3、No.4とK18のものは何れも第1図
のものと同様であるのに対し、比較合金のNo.1
およびNo.2のものは相当に変色し腐食している
ことが認められた。 更にこれとは別にNaCN:K3Fe(CN)6:H2O
電解液で10V、3秒間の電解腐食を行つた結果は
比較合金No.1、No.2と本発明合金No.3および
No.4について第3図の顕微鏡写真(各倍率280
倍)に示す通りである。 即ち比較合金はAu―Cu―Ag系で、Cu―Ag系
成分の占める割合がNo.1は62.5%、No.2は58.33
%と多く、固溶体急冷熱処理を施してもAg―Cu
系共晶合金のβ析出が残留し、延性が低いことに
なるものと認められる。これに対し本発明合金
No.3、No.4のものは主成分中Au―Cu成分の占め
る割合が86.88%および87.75%である全率固溶体
合金組識であり、このα固溶体を形成、維持する
と共に5〜8%のAgを含有することによつて優
れた延性や耐食性を保持し得る。又耐食性に優れ
た添加剤としてZn、Snの添加は固溶体熱処理を
施すことによりAu―Cu系合金中にα固溶体とし
て白色状に固溶し、Agの絶対量を減少したこと
により黒色のAg―Cu系共晶合金のβ析出が少い
ことが確認され、高い延性を示すこととなる。 加うるに上記したような本発明合金はその溶融
点および凝固点が高く、しかも鋳造性においても
優れたものであることが確認されている。即ち上
記したような比較合金と本発明合金の夫々につい
て溶融点および凝固性を測定した結果は次の第4
表の通りである。
件で伸線可能寸法を求めた結果は第2図の通りで
あつて比較合金が0.5mmφであるのに対し本発明
合金No.3およびNo.4のものは何れも0.18mmφ以下
であつた。 即ち本発明によるものは何れの試験結果におい
ても加工性の頗る優れた合金であることが確認さ
れ、一般的に比較合金の3倍前後の加工性を有す
ることを知つた。 然して、上記したような第1図の各合金の試験
片とK18の試験片をJIS T6105の4、4に従い37
℃±2℃の低温炉で0.1%硫化ナトリウム500ml中
に夫々72時間に亘つて浸漬し、その耐食性を試験
した結果は第4図に示す通りであつて、本発明の
各合金板No.3、No.4とK18のものは何れも第1図
のものと同様であるのに対し、比較合金のNo.1
およびNo.2のものは相当に変色し腐食している
ことが認められた。 更にこれとは別にNaCN:K3Fe(CN)6:H2O
電解液で10V、3秒間の電解腐食を行つた結果は
比較合金No.1、No.2と本発明合金No.3および
No.4について第3図の顕微鏡写真(各倍率280
倍)に示す通りである。 即ち比較合金はAu―Cu―Ag系で、Cu―Ag系
成分の占める割合がNo.1は62.5%、No.2は58.33
%と多く、固溶体急冷熱処理を施してもAg―Cu
系共晶合金のβ析出が残留し、延性が低いことに
なるものと認められる。これに対し本発明合金
No.3、No.4のものは主成分中Au―Cu成分の占め
る割合が86.88%および87.75%である全率固溶体
合金組識であり、このα固溶体を形成、維持する
と共に5〜8%のAgを含有することによつて優
れた延性や耐食性を保持し得る。又耐食性に優れ
た添加剤としてZn、Snの添加は固溶体熱処理を
施すことによりAu―Cu系合金中にα固溶体とし
て白色状に固溶し、Agの絶対量を減少したこと
により黒色のAg―Cu系共晶合金のβ析出が少い
ことが確認され、高い延性を示すこととなる。 加うるに上記したような本発明合金はその溶融
点および凝固点が高く、しかも鋳造性においても
優れたものであることが確認されている。即ち上
記したような比較合金と本発明合金の夫々につい
て溶融点および凝固性を測定した結果は次の第4
表の通りである。
【表】
蓋し本発明合金は溶融点、凝固点が何れも50〜
150℃程度高いことが確認され、このように溶融
点、凝固点の高い本発明のものは鑞づけその他の
加熱条件を伴つた加工に際して母材の溶解を見る
ことなしに作業でき、既述したように伸び値に優
れたもので且つこのような溶融点、凝固点の高い
本発明のものは頗る有利である。 又鋳造性についても検討した。即ち夫々の鋳型
温度を各合金の凝固点より450℃低くすると共に
前記したようなNo.1〜No.4の各合金をその凝固
点より100℃高い温度で溶解させたものを用いて
湯流れの状況を比較試験した結果は第5図に示す
通りであつて、渦巻型に湯流れを形成させた場合
において比較合金No.1とNo.2のものは何れも1.5
巻きに達しない程度であるのに対し本発明合金
No.3とNo.4のものはそれより更に大径となつた
2回前後に達し湯流れ距離として倍近いことが確
認された。即ちこのように湯流れ、鋳造性に優れ
た本発明のものは鋳造体として精緻なものを得し
めることは明らかであり、既述したように加工性
に優れていることと相俟つて各種装飾品における
繊細なデザインなどを得る上において頗る有利で
あることは明らかである。 以上説明したような本発明によるときはその色
調、光沢がK18に相当した合金をAu:35〜42%
のもので得しめるものであるから斯かる合金を比
較的低廉に得しめることは明らかであり、しかも
その機械的加工性が良好で各種装身具における繊
細且つ精緻な加工を適切に得しめ、又耐食性に卓
越していて長期に亘りその優れた美観、光沢、色
調を確保し得るものであるから工業的にその効果
の大きい発明である。
150℃程度高いことが確認され、このように溶融
点、凝固点の高い本発明のものは鑞づけその他の
加熱条件を伴つた加工に際して母材の溶解を見る
ことなしに作業でき、既述したように伸び値に優
れたもので且つこのような溶融点、凝固点の高い
本発明のものは頗る有利である。 又鋳造性についても検討した。即ち夫々の鋳型
温度を各合金の凝固点より450℃低くすると共に
前記したようなNo.1〜No.4の各合金をその凝固
点より100℃高い温度で溶解させたものを用いて
湯流れの状況を比較試験した結果は第5図に示す
通りであつて、渦巻型に湯流れを形成させた場合
において比較合金No.1とNo.2のものは何れも1.5
巻きに達しない程度であるのに対し本発明合金
No.3とNo.4のものはそれより更に大径となつた
2回前後に達し湯流れ距離として倍近いことが確
認された。即ちこのように湯流れ、鋳造性に優れ
た本発明のものは鋳造体として精緻なものを得し
めることは明らかであり、既述したように加工性
に優れていることと相俟つて各種装飾品における
繊細なデザインなどを得る上において頗る有利で
あることは明らかである。 以上説明したような本発明によるときはその色
調、光沢がK18に相当した合金をAu:35〜42%
のもので得しめるものであるから斯かる合金を比
較的低廉に得しめることは明らかであり、しかも
その機械的加工性が良好で各種装身具における繊
細且つ精緻な加工を適切に得しめ、又耐食性に卓
越していて長期に亘りその優れた美観、光沢、色
調を確保し得るものであるから工業的にその効果
の大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図は本発明合金と比較合金及びK18材の
板片についての色調、光沢を比較して示した平面
図、第2図はその伸線可能寸法測定結果を比較し
て示した平面図、第3図はそのJIS T6105による
硫酸ナトリウム溶液中での72時間に亘る耐食試験
後の組織を示した倍率280倍の顕微鏡写真、第4
図は本発明及び比較合金についての電解腐食後に
おける平面図、第5図は鋳造性に関する湯流れ試
験結果を比較して示す平面図である。 然してこれらの図面において、No.1および
No.2は比較合金、No.3とNo.4は本発明合金を示
すものである。
て、第1図は本発明合金と比較合金及びK18材の
板片についての色調、光沢を比較して示した平面
図、第2図はその伸線可能寸法測定結果を比較し
て示した平面図、第3図はそのJIS T6105による
硫酸ナトリウム溶液中での72時間に亘る耐食試験
後の組織を示した倍率280倍の顕微鏡写真、第4
図は本発明及び比較合金についての電解腐食後に
おける平面図、第5図は鋳造性に関する湯流れ試
験結果を比較して示す平面図である。 然してこれらの図面において、No.1および
No.2は比較合金、No.3とNo.4は本発明合金を示
すものである。
Claims (1)
- 1 Au:35〜42%、Ag:5〜10%、Cu:40〜55
%、Sn:0.1〜2%、Zn:3〜10%を含有し、残
部は不可避不純物であることを特徴とする耐食性
と加工性に優れた装飾用合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14383879A JPS5669338A (en) | 1979-11-08 | 1979-11-08 | Decorative alloy with superior corrosion resistance and workability |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14383879A JPS5669338A (en) | 1979-11-08 | 1979-11-08 | Decorative alloy with superior corrosion resistance and workability |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5669338A JPS5669338A (en) | 1981-06-10 |
JPS622017B2 true JPS622017B2 (ja) | 1987-01-17 |
Family
ID=15348116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14383879A Granted JPS5669338A (en) | 1979-11-08 | 1979-11-08 | Decorative alloy with superior corrosion resistance and workability |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5669338A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6254047A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-09 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | フル−ト用パイプ材 |
JPS6375793A (ja) * | 1986-09-19 | 1988-04-06 | 田中貴金属工業株式会社 | フル−ト用パイプ材 |
US5045411A (en) * | 1990-01-10 | 1991-09-03 | P.M. Refining, Inc. | Alloy compositions |
EP3783124B1 (fr) | 2019-08-23 | 2024-08-07 | Omega SA | Piece d'horlogerie, de bijouterie ou de joaillerie en or |
-
1979
- 1979-11-08 JP JP14383879A patent/JPS5669338A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5669338A (en) | 1981-06-10 |
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