JP3347665B2 - 装飾品用銀合金 - Google Patents
装飾品用銀合金Info
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Description
し、特に装飾部材などに好適に用いることができる装飾
品用銀合金に関する。
く用いられている。銅合金の代表的なものは、銀92.
5重量%−銅合金(スターリングシルバー)であり、ほ
かに装飾用材料としては銀80重量%以上の合金が使用
され、銀90重量%−銅合金(コインシルバー)や銀9
5.8重量%−銅合金(ブリタニアシルバー)もある。
が、硫化水素や亜硫酸ガスとは容易に反応し、その表面
に硫化銀の黒色皮膜を生成して装飾効果を減じてしま
う。このような硫化を防止するために、その表面に強く
結合する有機化合物を塗布したり、金もしくはロジウム
めっきを施したり、合金化することが行われている。
までは、白色で機械的性質を向上させることができ、融
点も下がることから鋳造性も向上するが、耐硫化性を改
善することはできず、耐蝕性は悪くなる。これは銀への
銅の固溶限を超えると2相共存になるためである。
パラジウム合金や銀−プラチナ合金が知られている。こ
の銀−パラジウム合金において、銀の硫化を完全に防止
するためには、パラジウムを40重量%以上、またプラ
チナを60重量%以上添加する必要があり、融点が高く
なって鋳造性が悪くなると共に、色彩も白色系のものに
限られている。
様な色彩のものが求められている。金では黄色系のもの
やピンク系のものが市場で受け入れられているが、装飾
用の銀合金でも同様に多様な色彩のものが求められてい
る。
究を重ねた結果、銀に銅を添加すれば2相共存組成であ
りながらもピンク系の色彩を呈する銀合金が得られ、さ
らにパラジウムやプラチナを添加すれば耐硫化性も向上
する銀合金が得られることを知見した。
づいてなされたものであり、ピンク系の色彩を呈する耐
硫化性の良好な装飾品用銀合金を提供することを目的と
する。
に、請求項1に係る装飾品用銀合金は、銀を主成分とし
て、銅とパラジウムを含む装飾品用銀合金において、前
記銀をX重量%、銅をY重量%、パラジウムをZ重量%
としたとき(X+Y+Z=100)、以下の組成、(X
=85、Y=12、Z=3)、(X=39.5、Y=3
8.5、Z=22)、(X=48.5、Y=48.5、
Z=3)の各点を結ぶ線で囲まれた組成範囲(線上の値
を含まない)にあり、残部銀及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする。
れば、銀を主成分として、銅とプラチナを含む装飾品用
銀合金において、前記銀をX重量%、銅をY重量%、プ
ラチナをZ重量%としたとき(X+Y+Z=100)、
以下の組成、(X=75、Y=15、Z=10)、(X
=45、Y=35、Z=20)、(X=40、Y=4
0、Z=20)、(X=45、Y=45、Z=10)、
の各点を結ぶ線で囲まれた組成範囲(線上の値を含む)
にあり、残部銀及び不可避的不純物からなることを特徴
とする。
ピンク系の色彩を付与するための成分であり、パラジウ
ムとプラチナは耐硫化性を向上させるための成分であ
る。
形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、請求
項1の発明に係る装飾品用銀合金における銀と銅とパラ
ジウムの適正添加量の範囲を示す図である。本発明で
は、銀(Ag)−銅(Cu)−パラジウム(Pd)の三
元系合金で構成される。銀をX重量%、銅をY重量%、
パラジウムをZ重量%としたとき(X+Y+Z=10
0)、(X=85、Y=12、Z=3):a、(X=3
9.5、Y=38.5、Z=22):b、(X=48.
5、Y=48.5、Z=3):cの各点を結ぶ線で囲ま
れた組成範囲となるように設定する。図1中のa−c線
よりも下方側は、合金中のパラジウムの添加重が3重量
%よりも少ない領域であり、耐硫化性が悪い。したがっ
て、耐硫化性を良好なものとするために、b−c線より
も上方側の組成とする。また、図1中のb−c線は、合
金中の銀:銅の重量比が1:1のラインであり、このb
−c線よりも左側は銅が主成分の領域となる。したがっ
て、銀を主成分とするために、b−c線よりも右方側の
組成とする。さらに、図1中のa−b線より上方側は、
合金の色彩が白色系になる。したがって、合金の色彩を
ピンク系とするためにa−b線よりも下右側の組成とす
る。
48.5重量%の範囲で添加される。この銅が12重量
%以下の場合は、銀の白色とパラジウムの白色が強くな
り、ピンク系の色彩がでない。また、48.5重量%以
上の場合は、パラジウムの量が相対的に少なくなり、耐
硫化性が得られない。
量%以下の範囲で添加される。このパラジウムが3重量
%を含んでそれよりも少ない場合は耐硫化性が得られ
ず、22重量%を含んでそれよりも多い場合は銅の添加
量が相対的に減少してピンク系の色彩がでない。
来から周知のロストワックス法などの鋳造工程を経て、
指輪、ペンダント、ネックレス、ピアスなどの装飾部材
に加工される。
て、色と耐蝕性(耐硫化性)を調べた。その結果を表1
に示す。色は、原料を調合して1000℃の温度で溶解
した後に鋳造して地金を作成し、この地金をバフ研磨し
た後にスターリングシルバーと比較してピンク色の発色
があるか否かを肉眼で評価したものであり、スターリン
グシルバーに比較してピンク色の発色があったものには
O印を、またピンク色の発色がなかったものには×印を
付した。また、耐蝕性(耐硫化性)の評価は、原料を調
合して1000℃の温度で溶解した後に甲丸型リングに
鋳造し、このリングをバフ研磨した後に試験者が指には
めて一カ月間日常生活を行ない、変色の有無を肉眼で調
べて評価したものであり、一カ月間の日常生活で変色や
黒色化が全くないものには○印を、また変色や黒色化が
あったものには×印を付した。
重量%よりも少ない場合(試料No.1、2、3、4、
6、7、13)は耐蝕性(耐硫化性)が悪い。また、図
1中のa−b線よりも上方側の組成の場合(試料No.
7、8、16、20、21、23)はピンク色の色彩を
呈さない。また、図1中のa、b、cの各点を結ぶ線で
囲まれた組成範囲の場合、ピンク色の色彩を呈し、耐蝕
性も良好である。
合金における銀と銅とプラチナの適正添加量の範囲を示
す図である。本発明では、銀(Ag)−銅(Cu)−プ
ラチナ(Pt)の三元系合金で構成される。銀をX重量
%、銅をY重量%、プラチナをZ重量%としたとき(X
+Y+Z=100)、(X=75、Y=15、Z=1
0):a、(X=45、Y=35、Z=20):b、
(X=40、Y=40、Z=20):c、(X=45、
Y=45、Z=10):dの各点を結ぶ線で囲まれれた
組成範囲となるように設定する。図2中のa−d線より
も下方側は、合金中のプラチナの添加重が10重量%よ
りも少ない領域であり、耐硫化性が悪い。したがって、
耐硫化性を良好なものとするために、a−d線よりも上
方側の組成とする。また、図2中のc−d線は、合金中
の銀:銅の重量比が1:1のラインであり、このc−d
線よりも左側は銅が主成分の領域となる。したがって、
銀を主成分とするために、c−d線よりも右方側の組成
とする。さらに、図1中のa−b−c線より上方側は、
合金の色彩が白色系になる。したがって、合金の色彩を
ピンク系とするためにa−b−c線よりも下側の組成と
する。
45重量%の範囲で添加される。この銅が15重量%以
下の場合は、銀の白色とプラチナの白色が強くなり、ピ
ンク系の色彩がでない。また、45重量%以上の場合
は、プラチナの量が相対的に少なくなり、耐硫化性が得
られない。
量%以下の範囲で添加される。このプラチナが10重量
%よりも少ない場合は耐硫化性が得られず、20重量%
よりも多い場合は銅の添加量が相対的に減少してピンク
系の色彩がでない。
知のロストワックス法などの鋳造工程を経て、指輪、ペ
ンダント、ネックレス、ピアスなどの装飾部材に加工さ
れる。
て、色と耐蝕性(耐硫化性)を調べた。その結果を表2
に示す。色は、原料を調合して1000℃の温度で溶解
した後に鋳造して地金を作成し、この地金をバフ研磨し
た後にスターリングシルバーと比較してピンク色の発色
があるか否かを肉眼で評価したものであり、スターリン
グシルバーに比較してピンク色の発色があったものには
O印を、またピンク色の発色がなかったものには×印を
付した。また、耐蝕性(耐硫化性)の評価は、原料を調
合して1000℃の温度で溶解した後に甲丸型リングに
鋳造し、このリングをバフ研磨した後に試験者が指には
めて一カ月間日常生活を行ない、変色の有無を肉眼で調
べて評価したものであり、一カ月間の日常生活で変色や
黒色化が全くないものには○印を、また変色や黒色化が
あったものには×印を付した。
重量%よりも少ない場合(試料No.6、7、21)は
耐蝕性(耐硫化性)が悪い。また、図2中のa−b−c
線よりも上方側の組成の場合(試料No.2、12、1
3、17、18、20)はピンク色の色彩を呈さない。
また、図1中のa、b、cの各点を結ぶ線で囲まれた組
成範囲の場合、ピンク色の色彩を呈し、耐蝕性も良好で
ある。
飾品用銀合金によれば、重量%で銀をX重量%、銅をY
重量%、パラジウムをZ重量%としたとき(X+Y+Z
=100)、(X=85、Y=12、Z=3)、(X=
39.5、Y=38.5、Z=22)、(X=48.
5、Y=48.5、Z=3)の各点を結ぶ線で囲まれた
組成範囲組成範囲(線上の値を含まない)にあり、残部
銀及び不可避的不純物からなることから、ピンク系の色
彩を有する耐硫化性の良好な装飾品用銀合金を提供する
ことができる。
金によれば、銀を主成分として、銅とプラチナを含む装
飾品用銀合金において、重量%で銀をX重量%、銅をY
重量%、プラチナをZ重量%としたとき(X+Y+Z=
100)、以下の組成、(X=75、Y=15、Z=1
0)、(X=45、Y=35、Z=20)、(X=4
0、Y=40、Z=20)、(X=45、Y=45、Z
=10)、の各点を結ぶ線で囲まれた組成範囲(線上の
値を含む)にあり、残部銀及び不可避的不純物からなる
ことから、ピンク系の色彩を有する耐硫化性の良好な装
飾品用銀合金を提供することができる。
範囲を示す図である。
範囲を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 銀を主成分として、銅とパラジウムを含
む装飾品用銀合金において、前記銀をX重量%、銅をY
重量%、パラジウムをZ重量%としたとき(X+Y+Z
=100)、以下の組成(X=85、Y=12、Z=
3)(X=39.5、Y=38.5、Z=22)(X=
48.5、Y=48.5、Z=3)の各点を結ぶ線で囲
まれた組成範囲(線上の値を含まない)にあり、残部銀
及び不可避的不純物からなることを特徴とする装飾品用
銀合金。 - 【請求項2】 銀を主成分として、銅とプラチナを含む
装飾品用銀合金において、前記銀をX重量%、銅をY重
量%、プラチナをZ重量%としたとき(X+Y+Z=1
00)、以下の組成(X=75、Y=15、Z=10)
(X=45、Y=35、Z=20)(X=40、Y=4
0、Z=20)(X=45、Y=45、Z=10)の各
点を結ぶ線で囲まれた組成範囲(線上の値を含む)にあ
り、残部銀及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る装飾品用銀合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08520498A JP3347665B2 (ja) | 1997-11-27 | 1998-03-31 | 装飾品用銀合金 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-326795 | 1997-11-27 | ||
JP32679597 | 1997-11-27 | ||
JP08520498A JP3347665B2 (ja) | 1997-11-27 | 1998-03-31 | 装飾品用銀合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217638A JPH11217638A (ja) | 1999-08-10 |
JP3347665B2 true JP3347665B2 (ja) | 2002-11-20 |
Family
ID=26426229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08520498A Expired - Lifetime JP3347665B2 (ja) | 1997-11-27 | 1998-03-31 | 装飾品用銀合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3347665B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9194024B1 (en) * | 2010-05-17 | 2015-11-24 | Stuller, Inc. | Jewelry article of white precious metals and methods for making the same |
JP6747775B2 (ja) * | 2015-03-30 | 2020-08-26 | 京セラ株式会社 | 装飾用具および指輪 |
JP6953965B2 (ja) | 2017-09-29 | 2021-10-27 | 信越化学工業株式会社 | 抗菌・抗カビ性を有する光触媒・合金微粒子分散液、その製造方法、及び光触媒・合金薄膜を表面に有する部材 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP08520498A patent/JP3347665B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11217638A (ja) | 1999-08-10 |
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