JP4343178B2 - 切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物 - Google Patents
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その結果硬化反応の開始が非常に早くなり、混合液が混合中や注型ラインを通過中に硬化したり、注型された後必要な液高さとなる前や液面が水平になる前などに硬化してしまい正常な成形品を得られないといったトラブルが発生するため、きめの細かさを犠牲にして硬化速度を落とす必要があった。
すなわち本発明は、活性水素化合物(A)と有機ポリイソシアネート(B)からなり、有機ビスマス化合物(C)を含むことを特徴とする切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、(C)の含有量がポリウレタン樹脂形成性組成物の質量に基づいて、0.001〜0.05質量%であり、メカニカルフロス法によって成形され使用されるポリウレタン樹脂形成性組成物;該組成物をメカニカルフロス発泡機で成形してなる切削加工用ポリウレタン樹脂;並びに、該ポリウレタン樹脂を切削加工してなる模型、である。
(A)としては、多価アルコール(A1)、ポリエーテルポリオール(A2)、ポリエステルポリオール(A3)、およびその他のポリオール(A4)が挙げられ、これらの中から二種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、上記のものが挙げられる。
また、C6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);C4〜20の脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);C4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A3)の具体例としては、ポリ(1,4−ブタンジオールアジぺート)、ポリ(1,4−ブタンジオールテレフタレート)、ポリ(ジエチレングリコール)テレフタレート、ポリε−カプロラクトンポリオールが挙げられる。
エチレン性不飽和モノマーには、アクリルモノマー[(メタ)アクリロニトリル、アルキル(C1〜20またはそれ以上)(メタ)アクリレート(メチルメタクリレート等)等]、炭化水素(以下HCと略記)モノマー[芳香族不飽和HC(スチレン等)、脂肪族不飽和HC(C2〜20またはそれ以上のアルケン、アルカジエン等(α−オレフィン、ブタジエン等)等]、並びにこれらの2種以上の併用[アクリロニトリル/スチレンの併用(重量比100/0〜80/20)等]が含まれる。
P/Pは、例えば5〜80%またはそれ以上、好ましくは30〜70%の重合体含量を有する。
このような有機ポリイソシアネートとしては、芳香族PI(B1)、脂肪族PI(B2)、脂環式PI(B3)、芳香脂肪族PI(B4)、これらの変性物(例えば、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレタン基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香脂肪族PI(B4)としては、C8〜12の芳香脂肪族DIなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性PIの具体例としては、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、ショ糖変性TDI、ひまし油変性MDIなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは芳香族PIであり、とくに好ましいものはポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートである。
また反応方法としては、ワンショット法であっても、あらかじめ(A)の1部と(B)を反応させる、あるいは(B)の一部と(A)を反応させるプレポリマー法であってもよい。
有機酸ビスマス塩としては、好ましくはC6〜20の飽和または不飽和の直鎖状または分岐状の脂肪酸ビスマス塩や樹脂酸ビスマス塩が挙げられる。
脂肪酸ビスマス塩としては、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ネオドデカン酸、ネオヘキサデカン酸、ネオオクタデカン酸等のビスマス塩などが挙げられ、樹脂酸ビスマス塩としてはアビエチン酸、ポドカルピン酸などの脂環族有機酸のビスマス塩、安息香酸、ケイ皮酸などの芳香族有機酸のビスマス塩などが挙げられる。
有機ビスマスアルコキシドの具体例としては、トリ−2−エチルへキシロキシビスマス、トリ−シクロへキシロキシビスマス等が挙げられる。
該他のウレタン化触媒としてはアミン(塩)触媒〔トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0) ウンデセン−7[DBU:サンアプロ(株)の登録商標]およびその塩等〕、金属触媒および4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、テトラアルキル(C1〜4)アンモニウムブロマイド、テトラアルキル(C1〜4)アンモニウムパークロレート等が挙げられる。
。
切削加工用樹脂は切削後の表面が均質である必要があり、必要に応じて、切削加工用樹脂形成性材料が硬化時に発生する気泡、または注入する気泡をより均一に分散、保持するよう(D)を含有させる。(D)としてはジメチルポリシロキサンや、その主鎖および/または側鎖および/または末端をポリオキシアルキレン鎖や、フェニル、アルキル、アラルキルまたはアルキルアリール基等で変性した非反応性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは選ばれる切削加工用樹脂形成性成分に応じて適したものが選ばれる。
このような(E)としては、通常用いられる脱水効果を持つ化合物が使用できるが、中性またはアルカリ性であり、体積平均粒径が0.1〜50μmである脱水剤が好ましい。
このようなものとしては、例えば、酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラーシーブが挙げられる。粒径が細かく、系内に細かく分散でき、脱水効果の安定性の観点から好ましいのは硫酸カルシウム(半水石膏)およびモレキュラーシーブであり、特に好ましいのはモレキュラーシーブである。
(E)を本発明の組成物に含有させる場合は、通常(A)を含む活性水素成分側に含有させるが、さらにイソシアネート成分側に含有させることもできる。
シリコーン系整泡剤(D)の含有量(質量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量に基づいて、整泡効果の観点から好ましくは0.05〜5、さらに好ましくは0.3〜3、特に好ましくは0.5〜2である。
なお、ここにおいてポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量とは、(A)+(B)+(C)+(D)+(E)の合計質量のことである。
また、(B)に対して好ましくは0.5〜10、さらに好ましくは1〜8である。この範囲であると(B)に含まれる水分を(B)内で尿素化反応、従って発泡が起こらない程度に除去でき、また適度な流動性を持たせることができる。
このような(F)としては、(F1)無機フィラー(炭酸カルシウム、タルクなど)、(F2)滑剤(ステアリン酸カルシウム、エチレンジアミンジステアリルアミドなど)、(F3)中空微小球(アクリルマイクロバルーン、フェノールマイクロバルーンなど)、
(F4)着色剤(金属酸化物、ジスアゾピグメントなど)、(F5)老化防止剤(ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、ヒンダードフェノールなど)、(F6)可塑剤(フタル酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなど)が挙げられ、これらから選ばれる1種以上のものを添加してもよい。
無機フィラー(F1)を添加する場合、添加量(質量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量に対して好ましくは0.5〜30、さらに好ましくは2〜25、特に好ましくは4〜20である。
滑剤(F2)を添加する場合、この添加量(質量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量に対して好ましくは0.2〜20、さらに好ましくは2〜15、特に好ましくは3〜10である。
(F3)を配合する場合は、保存中に中空微小球表面に吸着されている水分とイソシアネート基との反応を防ぐために、イソシアネート成分側に上記脱水剤(E)を同時に含有させてもよい。
着色剤(F4)、老化防止剤(F5)を添加する場合、この添加量(質量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量に対してそれぞれ好ましくは0.01〜3、さらに好ましくは0.05〜2.5、特に好ましくは0.1〜2である。
これらの(F)の合計値(質量%)は、ポリウレタン樹脂形成性組成物の合計質量に対して、好ましくは0.01〜40であり、さらに好ましくは0.05〜35であり、特に好ましくは0.08〜30である。
メカニカルフロス発泡法とは 特許第3083751号公報選択図3に示されている、
内面に多数の歯の付いた円筒状のステーターと、ステーター内部に同じく多数の歯の付いたローターからなるメカニカルフロス発泡機のローターが回転中に、発泡させたい材料と不活性ガスを同時に連続的に当該発泡機に注入することにより、当該発泡機の出口から発泡した材料を連続的に取り出す方法である。
材料や不活性ガスの注入口を任意の数だけ設けられるため、2種類以上の材料と不活性ガスの混合が可能である。また材料は硬化性があっても発泡機から出た後に硬化するのであればかまわない。
出口から吐出する材料と不活性ガスの混合物は25〜120℃に予め温度調整された型(開放型や密閉型)、あるいはこぼれないように両側を仕切られたベルトコンベア上に注型される。
型やベルトコンベアの材質は金属(アルミニウム、ステンレスなど)やプラスチック(ポリプロピレンやポリカーボネートなど)が通常使用される。
発泡後の気泡径が細かく、得られる硬化物内の密度分布が均一であるという点でメカニカルフロス発泡法は発泡剤発泡法より好ましい。
0.5μm以上であると安定した微小気泡が得られ、200μm以下であると得られる切削加工用樹脂のきめが細かく、切削加工後の塗装工程が簡略化できる。
メカニカルフロス発泡法による微小気泡の量(体積%)は、中空微小球(F3)を含有しない成形体の場合は、成形体(ポリウレタン樹脂)の体積に対する不活性ガスの体積%、中空微小球(F3)を含有させた成形体の場合は成形体(ポリウレタン樹脂)の体積に対する、[中空微小球(F3)の体積+不活性ガスの体積]%であり、好ましくは10〜95、より好ましくは12〜85、さらに好ましくは15〜80、とくに好ましくは20〜75である。この範囲であれば切削性が良くまた微細で均一に分散した気泡が得られる。
ポリオール(A1):グリセリンにPOが付加された、ヒドロキシ価400のポリエー
テルポリオール
有機ポリイソシアネート(B1):ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート「ミ
リオネートMR−200」[日本ポリウレタン工業(株)製]
有機酸ビスマス塩(C1):ビスマストリスオクタノエートの2−エチルヘキサン酸56
%溶液「ネオスタンU−600」[日東化成(株)製]
触媒(C’1):ジ−n−ブチル錫ジラウレート[三共有機合成(株)製「Stann
BL」]
触媒(C’2):トリエチレンジアミンのジプロピレングリコール(33.4%)溶液
「DABCO 33−LV」[三共エアープロダクツ(株)製]
シリコーン系整泡剤(D1):シリコーン系整泡剤「SZ−1671」[日本ユニカー(
株)製]
脱水剤(E1):合成ゼオライト「PURMOL 3」[CU Chemie Ueti
kon AG製]
中空微小球(F1):体積平均粒径20μm、密度0.24g/cm3のアクリルマイク
ロバルーン「マツモトマイクロスフェアMFL−80 GCA」
[松本油脂製薬(株)製]
表1に記載の処方で、各原料をプラネタリーミキサーに投入し、130rpmで10分間撹拌後、5分間30mmHg以下で撹拌脱泡して活性水素成分成分を得た。有機ポリイソシアネート成分も同様にして得た。各成分とも25±1℃となるよう温度調整した。
次に、メカニカルフロス機[東邦機械工業(株)製「MF−350型メカニカルフロス発泡装置」]のローターを300rpmで回転させながら、活性水素成分および有機ポリイソシアネート成分を合計で3L/分、乾燥空気を活性水素成分とポリイソシアネート成分および乾燥空気の合計体積に基づいて40体積%になるような流量でミキシングヘッド入り口部に連続供給した。混合、吐出された液をミキシングヘッド出口から、内径19mm、長さ1mのビニールホースを通し下記に記載の容器および金型に注型した。
メカニカルフロス機で混合し、吐出された成分(A)〜(F)および乾燥空気の混合液を1リットルのプラスチックビーカーに取り、B型粘度計で4号ローター30回転で粘度を測定し、取り出してからの経過時間と粘度の関係を求めた。
(2)また、内寸が縦500mm横500mm高さ100mmであるアルミ金型の中央部で金型の底面から70mmの高さに吐出口を固定し、液面が50mmとなるよう注型し、正常に注型できるかどうか観察した。評価は下記の基準で行った。
○ :正常に液面がレベリングし、硬化したもの
△ :わずかに注型位置を中心に盛り上がったもの
× :反応が速すぎて液が金型内に均一に広がらず、注型位置を中心に山のような形に
なったもの
(3)成形品のきめ細かさの評価は次の通り行った。
成形品表面をNCマシンで切削後(切削刃:フラットエンドミル20mmφハイス4枚刃、回転数3000rpm、送り速度500mm/分、切り込み深さ0.2mm)、切削面の平均表面粗度をキーエンス(株)製非接触型3次元形状測定機「LM−3Dシステム」で測定した。この測定値をJIS B0601に準拠して数値処理した値を平均表面粗度とした。下記実施例で得られる密度0.60〜0.70g/cm3の成形品では、平均表面粗度が0.5〜5.0μmであれば非常にきめ細かく、5.0超〜9.0μmであればきめ細かく、9.0μmより大きければきめが粗いといえる。
(4)密度
上記注型により得られた500mm×500mm×50mmの硬化物の中心部から、100mm×200mm×30mmの試験片を切り出し、20〜25℃に温調された室内で試験片の質量を、3辺の長さの積より算出した体積で除して密度とした。
表2に記載の質量%で、実施例1〜5と同様にして成形品を得た。評価結果を表2に示す。
Claims (5)
- 活性水素化合物(A)と有機ポリイソシアネート(B)からなり、有機ビスマス化合物(C)を含むことを特徴とする切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物であって、(C)の含有量がポリウレタン樹脂形成性組成物の質量に基づいて、0.001〜0.05質量%であり、メカニカルフロス法によって成形され使用されるポリウレタン樹脂形成性組成物。
- さらに、シリコーン系整泡剤(D)および脱水剤(E)を含有してなる請求項1記載の切削加工用ポリウレタン樹脂形成性組成物。
- 請求項1又は2記載の組成物をメカニカルフロス発泡機で成形してなる切削加工用ポリウレタン樹脂。
- ポリウレタン樹脂中の、気泡径0.5〜200μmの微小気泡の占める合計体積が、ポリウレタン樹脂全体の10〜95体積%である請求項3に記載の切削加工用ポリウレタン樹脂。
- 請求項3または4記載のポリウレタン樹脂を切削加工してなる模型。
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