JP4166588B2 - 模型の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は模型の製造方法に関する。さらに詳しくは、あらかじめ概略の形状にしたコア材上に、2液硬化型ウレタン系盛り付け剤を混合し盛り付け、硬化後に、切削加工して目的の形状を得る模型の製造方法に関する。
本発明の模型は、例えば、デザインを確認するための大型工業用モデルなどであり、具体例としては、自動車の実車大のデザインモデルなどが挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、模型の製造方法としては、▲1▼合成木材を接着剤で接着し模型を削り出す方法と▲2▼コア材上に、盛り付け剤を盛り付け、硬化後、切削加工し目的の形状を得る方法(以下盛り付け法と略記する)が知られている。
【0003】
【非特許文献1】
Sika Chemie GmbH ホームページ「Sika Block」および「Biresin」(http://www.sika.com)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の盛り付け法では、垂直面に盛り付けた場合には、盛り付け剤がコア材から剥がれて脱落するという問題があった。コア材との接着性を向上させるために盛り付け剤の硬化速度を速くすると2液混合後のポットライフが短くなるため、盛り付け作業性が悪く、硬化後の盛り付け剤の内部に空隙が生ずるという問題があった。
また、ウレタン系盛り付け剤ではコア材との界面で、コア材表面に吸着した水分がイソシアネート成分と反応して発泡が起こり、そのために剥がれて脱落するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ウレタン系盛り付け剤用の硬化促進剤をあらかじめコア材上に直接塗布した後、盛り付け剤をさらにその上に盛り付ける工夫をすることで、上記の問題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
即ち本発明は、あらかじめコア材上に2液硬化型ウレタン系盛り付け剤(I)用の硬化促進剤(II)を塗布した後に、盛り付け剤を盛り付け、硬化した後、切削加工して目的の形状を得ることを特徴とする模型の製造方法である。
【0007】
本発明の2液硬化型ウレタン系盛り付け剤(I)としては、ポリオール(A)からなるポリオール成分と、有機ポリイソシアネート(B)からなるイソシアネート成分の2液から構成され、必要により片方または両方の成分に、中空バルーン(C)、その他の添加剤(D)を含むものが挙げられる。
【0008】
上記ポリオール(A)としては、多価アルコールおよび/または多価フェノールにアルキレンオキサイドが付加された構造のポリオール(A1);アミンにアルキレンオキサイドが付加された構造のポリオール(A2);ポリエステルポリオール(A3)などが挙げられる。
【0009】
上記多価アルコールとしては、炭素数2〜20の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレングリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールなどのアルカントリオール);炭素数5〜20の4〜8価またはそれ以上の多価アルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトールなどのアルカンポリオール、およびそのもしくはアルカントリオールの分子内もしくは分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシドなどの糖類およびその誘導体)が挙げられる。
多価フェノールとしては、ピロガロール、ハイドロキノンおよびフロログルシン等の単環多価フェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、およびビスフェノールスルホン等のビスフェノール類;フェノールとホルムアルデヒドの縮合物(ノボラック)等が挙げられる。
【0010】
アミンとしては、アンモニア;脂肪族アミンとして、炭素数2〜20のアルカノールアミン(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン(例えば、n−ブチルアミンおよびオクチルアミン)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数が2〜6のジアルキレントリアミン〜ヘキサアルキレンヘプタミン、例えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミン)が挙げられる。
また、炭素数6〜20の芳香族モノもしくはポリアミン(例えば、アニリン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、メチレンジアニリンおよびジフェニルエーテルジアミン);炭素数4〜20の脂環式アミン(例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4〜20の複素環式アミン(例えば、ピペラジン、アミノエチルピペラジンおよび特公昭55−21044号公報記載のもの)等が挙げられる。
【0011】
多価アルコール、多価フェノールおよびアミンに付加させるアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜8のものが好ましく、例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,4−、1,3−および2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド並びにこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、POおよび/またはEOを主成分とするものであり、10質量%を越えない範囲で他のアルキレンオキサイドを含んでいてもよい。
【0012】
ポリエステルポリオール(A3)としては、前記の多価アルコールおよび/またはポリオール(A1)と、ポリカルボン酸もしくはその無水物、低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル等のエステル形成性誘導体(例えば、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テレフタル酸ジメチル等)、または前記カルボン酸無水物およびアルキレンオキサイドとの縮合反応物;そのアルキレオンキサイド(EO、PO等)付加反応物;ポリラクトンポリオール、例えば前記多価アルコールを開始剤としてラクトン(ε−カプロラクトン等)を開環重合させることにより得られるもの;ポリカーボネートポリオール、例えば前記多価アルコールとアルキレンカーボネートとの反応物;等が挙げられる。
【0013】
(A)のヒドロキシル価はとくに限定されないが、好ましくは20〜1000、さらに好ましくは200〜700である。
【0014】
有機ポリイソシアネート(B)としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、これらの変性物(カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物など)、イソシアネート基末端プレポリマー、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0015】
芳香族ポリイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のポリイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族トリイソシアネートおよびこれらのイソシアネートの粗製物などが挙げられる。
具体例としては、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(粗製MDI)、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0016】
脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリイソシアネートの具体例としては、ウレタン変性MDIもしくはTDI(ショ糖変性TDIおよびひまし油変性MDIなど)、カルボジイミド変性MDIなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは芳香族ポリイソシアネートであり、特に好ましいものはポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。
【0017】
本発明の盛り付け剤中の各成分の量は、以下のとおりである。
ポリオール(A)および有機ポリイソシアネート(B)の含有量は、イソシアネート指数[(NCO基/活性水素原子含有基)の当量比×100]に従って決められる。イソシアネート指数は、通常80〜140、好ましくは85〜120、特に好ましくは95〜115である。イソシアネート指数が80以上であると良好な強度の硬化物が得られ、140以下であると強度と靱性のある硬化物が得られる。
【0018】
ウレタン系盛り付け剤に用いられる中空バルーン(C)としては、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化樹脂からなる中空バルーン、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの樹脂が挙げられる。上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂などの樹脂が挙げられる。
【0019】
中空バルーン(C)の好ましい平均粒径は、0.5〜100μmであり、さらに好ましくは1〜80μmである。0.5μm以上であると取り扱いが容易で、100μm以下であると、得られる硬化物のきめが細かくなる。
また、中空バルーン(C)の真比重は、0.005〜0.1が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.05である。0.005以上であると取り扱いが容易で、0.1以下であると材料の軽量化が容易である。
このような中空バルーンの具体例としては、エクスパンセル551DE(エクスパンセル製)、マツモトマイクロスフェアF−80EDおよびMFLシリーズ(松本油脂製薬製)などが挙げられる。
【0020】
中空バルーン(C)は、盛り付け剤を低密度化し硬化物の切削加工性等を向上させる効果があることから、その量は目的の切削加工性等に応じて選択されるべきものである。例えば、低密度で易切削性の硬化物とするためには、(C)の量を増やせばよい。通常、易切削性とは切削抵抗が10〜80Nの材料を指す。切削抵抗が10N未満では模型としての強度が不足し、80Nを越えると手加工での切削が困難になる。
本発明において、切削抵抗とは、材料をNCマシンで切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計で測定した値を指す。
中空バルーン(C)の量は、好ましくは盛り付け剤の全質量に基づいて0.05〜40%であるが、中空バルーン(C)を構成する中空バルーンの真比重により好ましい量が決められ、形成される硬化物の密度が0.2〜0.8g/cm3 となるような量が好ましい。密度が0.2g/cm3 以上で機械吐出が容易となり、密度が0.8g/cm3 以下で易切削性となる。
例えば真比重0.02の中空バルーンを用いた場合は、0.1〜10%が好ましく、真比重0.04の中空バルーンを用いた場合は、1〜20%が好ましい。
【0021】
その他の添加剤(D)としては、脱水剤(酸化カルシウム、硫酸カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラーシーブなど);有機滑剤(ステアリン酸カルシウム、エチレンジアミンステアリルアミド、オレイン酸モノエタノールアミドなど);可塑剤(ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートなど);チクソ性付与剤(微粒子状シリカ〔粒径100nm以下〕;水添ヒマシ油、有機ベントナイトなど)、整泡剤(シリコーン系整泡剤)、無機充填材(炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、雲母、ミルドファイバーなど);有機充填剤(熱硬化性樹脂の粉砕物など)、紫外線吸収剤、老化防止剤、抗酸化剤、着色剤(染料、顔料);難燃剤、防黴剤、抗菌剤などを含有させることができる。これらの添加剤(D)の含量は、その種類、用途、目的によってそれぞれ異なるが、通常30質量%以下、好ましくは0.01〜20質量%である。
【0022】
本発明の盛り付け剤は、例えば、ポリオール(A)からなる成分(以下、H成分と略す)と有機ポリイソシアネート(B)からなる成分(以下、NCO成分と略す)の2つの成分で構成される2液硬化型盛り付け剤の形態で製造される。
中空バルーン(C)、その他の添加剤(D)は、一方の成分のみに含有させることもできるが、H成分およびNCO成分の両方にほぼ2分割して含有させることが好ましい。H成分とNCO成分に分けて含有させる場合の(C)、(D)それぞれの好ましい質量比は、(H成分中の含有量):(NCO成分中の含有量)=40:60〜60:40である。
これは、H成分とNCO成分を吐出機で吐出する際に、H成分とNCO成分中の各配合物の体積分率をほぼ等しくすることにより、2液がバランス良く吐出できるためである。
【0023】
各成分の製造は、各種原料をプロペラ型・櫂型などの攪拌羽根の付いた混合槽、プラネタリーミキサー、ホーバルトミキサーなどを用いて混合する。特に中空バルーン(C)の配合量が多いときには、撹拌シェアが高いプラネタリーミキサーが好ましい。
また、硬化物の肌を緻密にするために、混合の際に減圧脱気し、盛り付け剤中に含まれる、気泡を除去することが好ましい。減圧脱気することにより、硬化物の平均表面粗度が10μm以下とすることができる。平均表面粗度が10μm以下であれば、塗装の前のサーフェーサーによる下地塗装が1層でよいため、塗装層が薄く精度の高い模型が作製できる。
【0024】
本発明で平均表面粗度とは、成形品表面をNCマシンで切削後(切削刃:フラットエンドミル20mmφハイス4枚刃、回転数:3000rpm、送り速度500mm/分、切り込み深さ:0.2mm)、切削面の平均表面粗度を非接触型3次元形状測定器で測定し、この測定値をJIS B0601(1982年版)に準じて数値処理した値を指す。
【0025】
本発明においてあらかじめコア材上に塗布するウレタン系盛り付け剤の硬化促進剤(II)は、オクチル酸ビスマス、オクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛などの金属触媒;トリエチレンジアミン、N−エチルモルホリン、ジエチルエタノールアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのアミン系触媒などがあげられる。
これらのうちで好ましいのは、水とイソシアネートによる発泡よりもウレタン化反応を優先して促進するビスマス、錫、鉛系の金属触媒であり、さらに好ましいのは、錫、鉛に比べて毒性が低いビスマス系触媒である。
ビスマス系触媒の具体例としてはネオスタンU−600(オクチル酸ビスマスのオクチル酸溶液、日東化成製)などが挙げられる。
【0026】
硬化促進剤の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スプレーによる噴霧および刷毛による塗布が挙げられる。これれのうちで好ましいのは、塗りむらができにくいスプレーによる噴霧である。
【0027】
硬化促進剤をコア材上に塗布する時期としては、盛り付け開始直前から2時間前までが好ましい。2時間以内であれば、硬化促進剤が空気中の湿度または二酸化炭素により、活性が低下する可能性が低い。
【0028】
ウレタン系盛り付け剤用の硬化促進剤の塗布量としては、効果促進剤の純分換算で10〜100g/m2が好ましい。10g/m2以上で硬化促進による接着性の向上効果が得られ、100g/m2以下であれば硬化促進剤層が厚すぎることによる盛り付け剤の脱落を防止できる。
【0029】
本発明の盛り付け剤は、必要により加熱し、後硬化することで安定した物性を発揮することができる。後硬化の条件は、好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜70℃で、好ましくは5〜14時間、さらに好ましくは8〜12時間である。
【0030】
本発明の盛り付け剤は、イソシアネート指数が前記の値になる割合でH成分とNCO成分を2液吐出機を用いて、混合吐出することにより、所望の形状の模型素材を作製することができる。本発明の盛り付け剤の使用方法の実施形態の一例として、2液吐出機による盛り付け作業について、下記の工程手順が挙げられる。
【0031】
(1)プラネタリーミキサーを用いて、H成分とNCO成分をそれぞれ、混合、脱気を行い、気泡を咬み込まないようにペール缶等に充填する。
(2)ペール缶等から直接、吸引、送液できるポンプ部を2台持つ2液吐出機にH成分とNCO成分をセットする。
ポンプの形式は、通常、プランジャーポンプまたはモーノポンプ、好ましくは中空バルーン(C)の破壊が比較的少なく、低流動性でも送液が可能なモーノポンプである。
(3)H成分およびNCO成分のイソシアネート指数が80〜140になる割合でそれぞれのポンプ送液量を設定する。
(4)吐出口までのライン中にスタティックミキサーを設置し、2液を吐出する。スタティックミキサーで混合された混合液を、あらかじめ概略の目的形状としたコア材(硬質ポリウレタンフォーム、発泡ポリスチレン等)の上に塗布する。
(5)室温で1次硬化させた後、50〜70℃で8〜12時間後硬化して、所望の形状の模型素材を得る。
(6)得られた模型素材をNCマシンなどで切削加工して、模型(工業用モデル)が得られる。
【0032】
模型のコア材としては、熱可塑性樹脂または熱硬化樹脂の発泡体が挙げられ、これらの硬質フォームが挙げられる。
上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、エボナイト、ポリ塩化ビニルなどの樹脂が挙げられる。上記の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂などの樹脂が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、盛り付け剤と同じ種類のウレタン樹脂である硬質ポリウレタンフォームである。具体例としてはFL−80(密度0.08g/m3 、中部INOAC製)などが挙げられる。
【0033】
本発明の模型の製造方法に従えば、ウレタン系盛り付け剤がコア材に良好に接着するため、垂直面でも、硬化後の盛り付け剤が剥がれて脱落することがない。
また、コア材との界面で、コア材表面に吸着した水分による発泡よりも樹脂化が優先しておこるため剥がれを防止することができる。
したがって、本発明の模型は大型工業用モデル(例えば、自動車の実車大のデザインモデル)のデザイン確認する際に好適に使用できる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」および「%」はそれぞれ質量基準である。また、粘度は25℃における粘度である。
【0035】
[使用原料および材料]
ポリオール(A)
(A−1):グリセリンにPOを付加した、ヒドロキシル価400のポリエーテルポリオール。粘度;0.38Pa・s。
(A−2):エチレンジアミンにPOを付加した後、末端にEOを付加した、ヒドロキシル価450のポリエーテルポリオール。
EOとPOの質量比;EO/PO=47.5/52.5。粘度;1.15Pa・s。
有機ポリイソシアネート(B)
(B−1):ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(BASF INOACポリウレタン製「ルプラネートM−20S」)。粘度;0.20Pa・s。
中空バルーン(C)
(C−1):熱可塑性樹脂中空バルーン(エクスパンセル製「エクスパンセル551DE」)。真比重;0.042、平均粒径;40μm。
その他の添加剤(D)
(D−1):脱水剤;モレキュラーシーブ(ユニオン昭和製「モレキュラーシーブ3A−Bパウダー」)。粒径;1〜10μm、孔径;30nm以下
(D−2):チクソ性付与剤;微粒子状シリカ(日本アエロジル製「AEROSIL200」)。粒径;12nm。
硬化促進剤(II)
(II−1):オクチル酸ビスマス(日東化成製「ネオスタン U−600」)
(II−1):ジブチル錫ジラウレート(三共有機合成製「Stann BL」)
コア材:硬質ポリウレタンフォーム(中部INOAC製「FL−80」)。
密度0.08。
【0036】
実施例1および2
表1に記載の質量部で、各原料をプラネタリーミキサー(井上製作所製PLGM−400型)に投入し、公転14rpm、自転44rpmで10分間混合し均一にした後、自転21rpm、公転66rpm、−0.9MPa以下で30分間攪拌脱気して、本発明の盛り付け剤のポリオール成分(H成分)とイソシアネート成分(NCO成分)を得た。得られた各成分は20Lペール缶に18L充填した。
1000mm×500mm×50mmの硬質ポリウレタンフォームのコア材のうち、1000mm×500mmの面に、純分換算で30g/m2となるように硬化促進剤をスプレーにより塗布した。
液温および室温を23±2℃に調整し、合計で2L/分の流速で、H成分およびNCO成分を、ペール缶用ディスチャージャー(兵神装備製2NTL20型)で送液し、Y字管で送液ラインを1本にまとめた後、スタティックミキサー(ノリタケ製N30−131−F型)、30エレメントで混合吐出し、盛り付けた。
1000mm×500mm×50mmの硬質ポリウレタンフォームのうち、予め硬化促進剤をスプレー塗布した面を垂直に立て、この面に吐出液を60mmの厚さになるように、1000mmの長さ方向に平行に盛り付けた。
25℃で1時間垂直のまま放置した後、70℃で10時間、加熱硬化した。これを8時間放置冷却して硬質ポリウレタンフォーム上に盛り付けた盛り付け剤の硬化物を得た。
なお、硬化促進剤塗布終了から1時間後に盛り付けを開始した。
【0037】
比較例1および2
硬化促進剤を硬質ポリウレタンフォームに塗布せずに盛り付け剤を盛り付る以外は実施例と同様に行った。
【0038】
[試験方法]
<硬化速度>
硬質ポリウレタンフォームの上に、100mm×100mmの面積で60mmの厚さとなるように盛り付け、試験片とする。
試験片のほぼ中央部を指触し、吐出開始から表面の粘着が無くなるまでの時間を硬化速度とした。
<密度>
実施例、比較例で作成した盛り付け剤の硬化物を100mm×200mm×30mmに切断し、この試験片の質量を、3辺の長さの積より算出した体積で除して密度とした。
【0039】
<切削抵抗>
実施例、比較例で作成した盛り付け剤の硬化物を80mm×30mm×10mmに切断して試験片とし、NCマシンで切削(切削刃:超硬スロウアウェイチップ、1枚刃、16mmφ、回転数:5000rpm、送り速度:2000mm/分、切り込み深さ:3mm)したときに、切削刃が刃物送り方向から受ける抵抗力を4成分動力計(KISTLER製「9272型」、増幅器:KISTLER製「チャージアンプ5011型」、記録計:グラフテック製「WR7700」)で測定した。
<平均表面粗度>
実施例、比較例で作成した盛り付け剤の硬化物を80mm×30mm×10mmに切断して試験片とし、NCマシンで切削(切削刃:フラットエンドミル、ハイス4枚刃、20mmφ、回転数:3000rpm、送り速度:500mm/分、切り込み深さ:0.2mm)した面の平均表面粗度を非接触型3次元形状測定器(キーエンス製「LM−3Dシステム」)で測定した。
【0040】
<盛り付け剤の剥がれの有無>
硬質ポリウレタンフォーム「FL−80」の50mm厚品を1000×500×50mmに切断し、1000×500mmの面を垂直に立てて固定した。その1000×500mmの垂直面にウレタン系盛り付け剤を60mm厚さに盛り付け、1時間後に剥がれの有無を観察した。
<硬化物中の空隙の有無>
上の方法で盛り付けたサンプルを、1000mmの長さ方向に対して垂直に100mm毎に切断し、切断面に盛り付け剤の密着不良による空隙がないかを観察した。
【0041】
評価結果を表1に示す。表1の結果から分かるように、本発明の模型の製造方法を用いることにより、盛り付け剤の硬化速度を速めずに、コア材からの盛り付け剤の脱落を防止することができる。また、盛り付け剤の硬化速度が速くならないので、硬化物内部の空隙も認められない。
【0042】
【表1】
Figure 0004166588
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法は、垂直面でもウレタン系盛り付け剤がコア材から脱落しないため、模型の製造方法として有用である。

Claims (4)

  1. あらかじめコア材上に2液硬化型ウレタン系盛り付け剤(I)用の硬化促進剤(II)を塗布した後に、ポリオール成分とイソシアネート成分を混合してなる盛り付け剤(I)を盛り付け、硬化させた後、切削加工して目的の形状を得ることを特徴とする模型の製造方法。
  2. 硬化促進剤(II)がビスマス系触媒である請求項1記載の模型の製造方法。
  3. コア材が硬質ポリウレタンフォームである請求項1または2記載の模型の製造方法。
  4. ウレタン系盛り付け剤の硬化物の切削抵抗が10〜80Nであり、平均表面粗度が10μm以下である請求項1〜3のいずれか記載の模型の製造方法。
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