JP4341756B2 - 高靭性耐高温腐食Ni基合金および高靭性耐高温腐食部材 - Google Patents

高靭性耐高温腐食Ni基合金および高靭性耐高温腐食部材 Download PDF

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Description

本発明は、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物の焼却処理を行う焼却処理設備における燃焼炉の熱交換器等の、高温腐食環境下で使用される炉内設置物を形成する材料として用いられる高靭性耐高温腐食Ni基合金、および該高靭性耐高温腐食Ni基合金によって形成された高靭性耐高温腐食部材に関するものである。
都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物の焼却処理を行う焼却処理設備には、前記廃棄物を熱分解させて熱分解ガスと熱分解残留物とを生成する熱分解ドラムを有する熱分解反応器と、前記熱分解ガスを高温燃焼させる燃焼炉とを備えたものがある。燃焼炉内には熱交換器等の炉内設置物が設置され、850℃〜1200℃程度の高温排ガス雰囲気、且つ、腐食性のガス(HCl、SOx等)雰囲気に曝される。熱交換器によって排ガスより回収した熱は、前記熱分解反応容器の熱源として利用されている。このような炉内設置物を形成する材料には、該炉内の独特の高温腐食環境下で高い耐食性を発揮することが求められる。
ここで、高温腐食環境下で高い耐食性を発揮する合金として、本出願人は本発明より先に、C:0.18〜0.28wt%、Si:3.00〜6.00wt%、Mn:0.10wt%以下、P:0.01wt%以下、S:0.01wt%以下、Cr:30.0〜35.0wt%、Ni:45.0〜50.0wt%、Mo:4.5〜5.5wt%を含有し、さらに実施レベルの実用性から高い耐性を損なわないで許される成分範囲として、Mn:1.0wt%以下、P:0.04wt%、S:0.04wt%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金を提案している(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の耐高温腐食性合金を長時間にわたって650℃〜850℃程度となる条件で保持した後、金属組織を調査したところ、Cr、NiおよびSiからなる金属間化合物が析出しており、この金属間化合物が合金を脆化させて靭性低下を引き起こしていることがわかった。そこで、本出願人は、前記特許文献1で提案した合金をベースとして、Niの含有量を増やして合金の母相の靭性向上を図るとともに、Crおよび金属間化合物の析出を促進する元素の一つであるMoの含有量を減らすことにより、Niを増やしても金属間化合物の析出を抑えられるようにした耐高温腐食性合金を提案している(特許文献2参照)。
特許文献2に記載された耐高温腐食性合金は、Cが0.15〜0.25wt%、Siが4.5〜5.5wt%、Crが23〜29wt%、Niが47〜57wt%、Moが3.5wt%以下、残りFe及び不可避的不純物という組成で構成されている。
特開2004−52107号公報 特開2006−231405号公報
上記特許文献2で提案した耐高温腐食性合金は、650℃程度の条件で保持した場合には、前記特許文献1で提案した合金よりも靭性が2倍程度向上したが、更に高温の条件(750℃〜850℃)で保持した場合には、特許文献1の合金よりは優れた靭性を示すものの、熱交換器等の炉内設置物を形成するために十分といえる靭性を得ることができなかった。
本発明の目的は、従来の耐高温腐食合金と同等以上の耐高温腐食性を備え、廃棄物焼却炉内等の高温腐食環境に対して優れた耐食性を発揮すると共に、該高温環境下において靭性の低下しにくい高靭性の耐高温腐食Ni基合金、および該高靭性耐高温腐食Ni基合金によって形成された高靭性耐高温腐食部材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る高靭性耐高温腐食Ni基合金の発明は、Ni:47〜57wt%、Cr:23〜29wt%、Mo:1.0〜3.0wt%、Si:2.5〜4.1wt%、C:0.15〜0.25wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするものである。
特許文献2の耐高温腐食性合金は、C:0.15〜0.25wt%、Si:4.5〜5.5wt%、Cr:23〜29wt%、Ni:47〜57wt%、Mo:3.5wt%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる合金であり、Siを多く含有させることにより耐高温腐食性を高めるとともに、その高いSi含有量に起因する母相の靭性の低下を抑えるためNiの含有量が高く設定されている。
ここで、Moは合金の耐腐食性の向上に寄与するが、Cr、Ni、およびSiからなる金属間化合物の析出を促進する元素の一つでもある。特許文献2の耐高温腐食性合金は、Moの含有量を3.5wt%以下とすることによって、高Niの耐高温腐食性合金であっても金属間化合物の析出を抑えられるようにしたものである。しかし、特許文献2の耐高温腐食性合金は、Cr、Si、およびMoの合計の含有量の高さに起因して、σ相の時効析出に伴う脆性および母相の耐食性低下が問題となる場合がある。
しかし、SiおよびMoは、その添加が耐腐食性の向上に有効な元素であり、通常は、Moの含有量を減少させると同時に耐高温腐食性を高める成分であるSiの含有量も減少させると、更に耐高温腐食性が低下すると予想される。
ここで本出願人は、SiおよびMoはいずれもσ相形成元素であるため、それぞれの単独添加であってもσ脆性を促進させるが、両方とも添加された場合にはσ相の核生成サイトが増大することによって、Si又はMoが単独で同量添加された場合よりσ相の析出形態が均一微細分散化し、母相の硬度が一層高くなり靱性が低下する問題があるというSiとMoの相乗効果を見出した。そして、鋭意研究を行った結果、特許文献2で提案した合金をベースとして、Siの含有量を減らすとともにMoの含有量も減らすことにより、前記Cr、Si、およびMoの合計の含有量の高さに起因するσ相の時効析出を抑えるのみならず、析出形態を制御することにより母相の硬度上昇及び耐食性低下の問題を改善できるとともに、優れた耐高温腐食性を示す高靱性耐高温腐食Ni基合金とすることができることを見出した。
具体的には、耐高温腐食性合金の組成を、Ni:47〜57wt%、Cr:23〜29wt%、Mo:1.0〜3.0wt%、Si:2.5〜4.1wt%、C:0.15〜0.25wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるものとした。
このような組成にすることによって、すなわちSiおよびMoの合計の含有量の上限を規定し、同時にMo自体の含有量の上限を規定することにより、前記σ相の析出形態を制御することができ、且つ時効析出を大幅に抑えることができ、更にCr,SiおよびMoによる耐高温腐食性を十分に発揮させることが可能となり、優れた耐高温腐食性を損なうことなく脆性および靭性の低下の問題を改善することができる。
次に、各合金元素の含有率を上記の範囲に限定した理由について説明する。
(1)Niについて
Niは、母相の安定化、および耐高温腐食性の向上に有効な元素である。しかも、母相の靭性を向上させる作用があるため、廃棄物の焼却処理を行う焼却処理設備における燃焼炉等の炉内に設置される熱交換器等のように、加熱によりある程度の金属間化合物が析出する構造体であっても、十分な靭性が確保できるように、含有量の下限を47wt%とした。一方、含有量が多くなると、耐サルファアタック性が低下するし、コストも高くなるので、上限を57%とした。
(2)Crについて
Crは、高温強度を向上させるのに有効なうえ、材料表面に酸化皮膜を形成して耐高温腐食性の向上に優れた効果を示す。そこで、廃棄物の焼却処理を行う焼却処理設備における燃焼炉等の炉内の腐食環境下で使用されても、十分な耐食性を得られるように、含有量の下限を23wt%とした。しかし、過度に添加すると、金属間化合物の析出を促進して靭性を低下させるうえ、Cr炭化物の析出を促進して耐食性をかえって低下させるので、上限を29wt%とした。
(3)Cについて
Cは、耐熱鋼として必要な高温強度および耐クリープ性を向上させるのに有効な元素であり、0.15wt%以上含有することが好ましいが、含有量が多くなるとCr炭化物の析出を促進して耐食性を低下させるため、含有量の上限は0.25wt%とした。
(4)SiおよびMoについて
Siは、材料表面に酸化皮膜を形成して耐高温腐食性を向上させる作用が知られている。更に、Siは、耐高温腐食性向上に有効なCr酸化皮膜を安定させるという報告もある。一方、含有量が多くなるとσ相の時効析出を促進して材料の靭性を低下させる。
また、Moも、耐高温腐食性向上に有効な元素である。一方、過度に添加するとσ相の時効析出を促進する。
ここで、SiおよびMoの合計の含有量の上限は、SiおよびMoの相乗効果によって促進される析出σ相の均一微細分散化によって、母相の硬度が高くなって靱性を低下しない量を設定した。更にSiおよびMoの含有量の下限を各々の元素が有する耐高温腐食性向上作用が妨げられない量に設定した。すなわち、Siの含有量が2.5wt%以上4.1wt%以下のとき、Moの含有量が1.0wt%以上3.0wt%以下となるようにした。SiおよびMoの合計の含有量の上限は、7.1wt%以下となるようにした。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の高靭性耐高温腐食Ni基合金おいて、Si+Mo:7.1wt%以下であることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様に係る高靭性耐高温腐食部材は、高靭性耐高温腐食Ni基合金によって構成されている高温腐食環境下で使用される高靭性耐高温腐食部材であって、前記高靭性耐高温腐食Ni基合金は、Ni:47〜57wt%、Cr:23〜29wt%、Mo:1.0〜3.0wt%、Si:2.5〜4.1wt%、C:0.15〜0.25wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするものである。本態様によれば、第1の態様と同様の作用効果を奏する熱交換器等の高靭性耐高温腐食部材とすることができる。
本発明によれば、ベース合金の優れた耐高温腐食性を損なうことなく、σ相の時効析出に伴う脆性および靭性の低下の問題を改善することができる。
本発明に係る高靭性耐高温腐食Ni基合金である実施例1〜実施例7の化学組成(実施例1および実施例3〜実施例7は分析値、実施例2は目標値で化学組成が示されている)を表1に示す。
実施例1〜実施例3の高靭性耐高温腐食Ni基合金に対し、後述するVノッチ試験片によるシャルピー衝撃試験(靭性評価)、および850℃高温腐食試験(耐高温腐食性評価)を行った。実施例4〜実施例7の高靭性耐高温腐食Ni基合金に対し、850℃高温腐食試験(耐高温腐食性評価)を行った。また、高温腐食試験後の試験片についてEPMAによる腐食界面の分析を行った。
なお、実施例1〜実施例7の比較例として、表1に示す比較例1(特許文献1に記載された合金)および比較例2(特許文献2に記載された合金)、更に比較例3の化学組成(分析値)の化学組成の合金についても、シャルピー衝撃試験、850℃高温腐食試験、および高温腐食試験後の腐食界面の分析(EPMA)を行った。比較例1〜比較例3の化学組成は分析値である。
実施例2〜実施例4及び比較例3は、Ni量を48wt%、Cr量を24wt%、及びSi量を4.0wt%に固定し、Mo量を0.5wt%或いは1.0wt%刻みで変えた組成の合金である。また、実施例2及び実施例5〜実施例7は、Ni量を48wt%、Cr量を24wt%、及びMo量を2.0wt%に固定し、Si量を0.5wt%刻みで変えた組成の合金である。
Figure 0004341756
《シャルピー衝撃試験:靭性評価方法》
JIS Z2242「金属材料のシャルピー衝撃試験方法」に準じ、大気中で、各々650℃/170h、750℃/170h、850℃/170hで時効した試験片を、幅が7.5mmのサブサイズVノッチ試験片に加工し、室温にてシャルピー衝撃試験を行った。
《高温腐食試験:耐高温腐食性評価方法》
JIS Z2293「金属材料の塩浸漬及び塩埋没高温腐食試験法」に一部準じ、灰組成などについて改変した下記の条件の高温腐食試験を試験片について行った。該高温腐食試験を実施した後の試験片の脱スケールは、3%過マンガン酸カリウム+5%水酸化ナトリウム水溶液と、5%クエン酸アンモニウム水溶液中で交互に煮沸することによって行った。脱スケール後、試薬塗布面積当たりの重量減少を算出し、この腐食減量(mg/cm)をもって耐高温腐食性評価の指標とした。前記高温腐食試験の条件を以下に示す。
<高温腐食試験条件>
・試験片形状/寸法: 板材/10mm×10mm×2mm
・灰条件: Al2O3-NaCl-KCl-Na2SO4-K2SO4混合試薬(重量比60:9:6:15:10)中に
3mmの深さに埋没
・試験温度/保持時間/雰囲気: 850℃/200h/大気中
尚、腐食試験は試薬を混合した模擬灰を用いた。実施例1、比較例1及び比較例2はロールミキサーによる乾式混合により各試薬を混合したものを用いた。実施例2〜実施例7および比較例3〜比較例5はインペラーによる湿式混合により各試薬を混合したものを用いた。
《腐食界面観察および分析》
前記高温腐食試験後の試験片表面に対し、腐食界面付近の断面を鏡面研磨し、SEMによる観察およびEPMAによる分析を行った。
表1に記載された化学組成の実施例1から実施例7及び比較例1から比較例3の各試験片に対して850℃高温腐食試験による腐食減量の測定およびシャルピー衝撃試験による衝撃値の測定を行い、その測定値を図1と図2に示した。図1はシャルピー衝撃試験結果を示すグラフであり、図2は高温腐食試験結果を示すグラフである。
図1に示されるように、実施例1〜実施例3の高靭性耐高温腐食Ni基合金の衝撃値は、鋳放し材およびいずれの時効材においても比較例1(特許文献1に記載された合金)および比較例2(特許文献2に記載された合金)の衝撃値を上回り、より高い靭性を有していると言える。
更に、図2に示されるように、実施例1〜実施例7の高靭性耐高温腐食Ni基合金は、850℃の高温腐食条件において比較例1〜比較例3と同等以上の耐高温腐食性を有している。比較例3はMo量が0.5wt%であり、その850℃高温腐食減量は13.9mg/cmであり多い。すなわち、Mo量が1wt%以上の実施例1〜実施例7の850℃高温腐食減量の場合に比べて高い値である。これは、Mo量の下限が1wt%であることに対応している。
高温腐食試験後の試験片の腐食界面付近の断面のSEMによる観察とEPMAによる分析の結果、実施例1〜実施例7はSi量とMo量の合計がいずれも7.1wt%以下であり、Si量とMo量の合計が7.1wt%以上である比較例1および比較例2に比べσ相の析出が抑制されていた。
σ相は硬質であることから、その析出によって合金の靱性を低下させるとともに、Crが濃縮しNiが欠乏するため腐食の起点となる。そのため、σ相の析出が少ない実施例1〜実施例3は、比較例1および比較例2に比して高い靭性及び耐高温腐食性を示したと考えられる。
すなわち、実用上の時効後靭性を確保するためのSiおよびMo含有量は、Siが4.1wt%以下、Moが3.0wt%以下を同時に満たすことが望ましいと思われる。しかし、耐高温腐食性を向上させる作用がある両元素を過度に低減すると、高温腐食試験における腐食減量の値が劇的に増加してしまう傾向がある。
850℃における母相の耐食性を確保するためには、SiおよびMo含有量は、Siが2.5wt%以上、Moが1.0wt%以上必要と思われる。
このSiの含有量の下限値は、SiO保護皮膜の連続層を形成するために必要な量であると推定される。また、Moの含有量の下限値は、MoがM23中へ固溶することにより、M23の腐食電位を貴化させる作用を奏するのに必要な量であると推定される。Moの含有量が下限値を下回ると、Cr濃縮相(Ni欠乏相)となったM23が塩化物溶融塩腐食の起点となり、該M23の選択的腐食が進行する。
このように、高温腐食環境下で耐食性を発揮するとともに靭性の低下しにくい高靭性耐高温腐食Ni基合金を素材とする耐高温腐食部材(熱交換器等)を用い、焼却処理設備の燃焼炉等の炉内設置物を形成すれば、高温での耐食性に優れ、長期間安定して使用できる炉内設置物を得ることができる。
本発明は、都市ごみや産業廃棄物等の廃棄物の焼却処理を行う焼却処理設備における燃焼炉の熱交換器等の、高温腐食環境下で使用される部材を形成する材料として用いられる高靭性耐高温腐食Ni基合金として利用可能である。
本発明に係る高靭性耐高温腐食Ni基合金と従来の合金のシャルピー衝撃試験結果を示すグラフである。 本発明に係る高靭性耐高温腐食Ni基合金と従来の合金の高温腐食試験結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. Ni:47〜57wt%、Cr:23〜29wt%、Mo:1.0〜3.0wt%、Si:2.5〜4.1wt%、C:0.15〜0.25wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高靭性耐高温腐食Ni基合金。
  2. 請求項1に記載の高靭性耐高温腐食Ni基合金おいて、Si+Mo:7.1wt%以下であることを特徴とする高靭性耐高温腐食Ni基合金。
  3. 高靭性耐高温腐食Ni基合金によって構成されている高温腐食環境下で使用される高靭性耐高温腐食部材であって、前記高靭性耐高温腐食Ni基合金は、Ni:47〜57wt%、Cr:23〜29wt%、Mo:1.0〜3.0wt%、Si:2.5〜4.1wt%、C:0.15〜0.25wt%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする高靭性耐高温腐食部材。
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