JP4339395B2 - 脱酸素剤 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化セリウムを含む脱酸素剤に関する。また本発明は、該脱酸素剤を用いた脱酸素体、脱酸素樹脂組成物及び脱酸素フィルム積層体に関する。更に本発明は、前記の酸化セリウムの製造方法に関する。
近年、食品の安全性や品質維持への強い要求に対して、食品を包装する食品用包装体の内部を無酸素状態にすることにより、食品の酸化劣化を抑制することが行われている。具体的には、雰囲気中の酸素を吸収除去する脱酸素剤を食品と共に食品用包装体の内部に入れて密封し、食品用包装体の内部の残留酸素を除去して食品用包装体の内部を無酸素状態とすることが行われている。また、酸素を含まない不活性ガス中において、食品を前記脱酸素剤と共に食品用包装体で包装し、前記食品用包装体の内部に酸素を入れないようにすると共に、前記食品用包装体を透過して内部に侵入する僅かな酸素も内包された脱酸素剤により除去すること等が行われている。
雰囲気中の酸素を除去する脱酸素剤としては、有機系材料からなるものと無機系材料からなるものとが知られている。これらの材料のうち、コスト的な観点から無機系材料である鉄系脱酸素剤が主に利用されている。この鉄系脱酸素剤は、下記の化学式(1)に示すように、鉄を、雰囲気中の僅かな水分と共に雰囲気中の酸素と反応させることにより、雰囲気中から酸素を除去するようになっている。
Fe+1/2H2O+3/4O2→FeOOH ・・・(1)
しかしながら、前述したような従来の鉄系の脱酸素剤を用いた場合には、以下のような問題がある。
(1)酸素との反応の際に水分を僅かながらも必要とするため、乾燥食品、電子部品及び半田粉等のように水分を嫌う製品を保存する場合には、脱酸素剤の性能を十分に発揮することができない。
(2)食品と共に鉄系の脱酸素剤が包装された製品中に、金属等の異物が混入しているか否かの検査を行う場合に、該脱酸素剤中の鉄粉が金属探知機に反応し、簡便な検査を行うことができない。
(3)電子レンジ等のマイクロ波によって急加熱されて発火することがある。
ところで、鉄系の脱酸素剤以外の脱酸素剤として、還元処理を施した無機酸化物、即ち酸素欠損を有する無機化合物が提案されている(特許文献1ないし5参照)。同文献においては、酸素欠損を有する無機酸化物として、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムが例示されている。酸素欠損を有する無機酸化物が酸化セリウムである場合、該酸化セリウムは蛍石型の結晶構造をとっている。これらの無機酸化物は、酸素との反応の際に水分の存在は必要ない点で、鉄系の脱酸素剤に対して有利である。しかし、これらの無機酸化物の酸素吸収量は、鉄系の脱酸素剤に及ばない。
特開2005−104064号公報 特開2005−105194号公報 特開2005−105195号公報 特開2005−105199号公報 特開2005−105200号公報
本発明は、三方晶型の結晶構造を有し、Ce23-x(xは0以上で1未満の数を示す)で表される酸化セリウムを含むことを特徴とする脱酸素剤を提供するものである。
また本発明は、前記の脱酸素剤が、透気抵抗度を有する袋状の包装体内に収容されてなる脱酸素体を提供するものである。
また本発明は、前記の脱酸素剤と、酸素易透過性を有する樹脂とを含む脱酸素樹脂組成物を提供するものである。
また本発明は、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層の一面に、ガスバリア性を有するガスバリア層が積層され、また該脱酸素層の他面に、酸素易透過性を有する酸素易透過層が積層されてなる脱酸素積層体フィルムを提供するものである。
更に本発明は、三方晶型の結晶構造を有し、Ce23-x(xは0以上で1未満の数を示す)で表される酸化セリウムの製造方法であって、
含酸素セリウム塩又はその水和物を、還元雰囲気下に1000℃以上で焼成する工程を含む製造方法、又は
CeO2で表される酸化セリウムを、還元雰囲気下に1200℃以上で焼成する工程を
含む製造方法を提供するものである。
図1は、三方晶型酸化セリウムの結晶構造を示す図である。 図2は、蛍石型の酸化セリウムの結晶構造を示す図である。 図3は、本発明の脱酸素積層体フィルムの一実施形態を示す模式図である。 図4は、本発明の脱酸素積層体フィルムの他の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の脱酸素剤を用いた高純度窒素製造装置を示す模式図である。 図6は、実施例1で得られた三方晶型酸化セリウムのSEM像である。 図7は、実施例4で得られた三方晶型酸化セリウムのSEM像である。 図8は、各実施例で得られた三方晶型酸化セリウムの酸素吸収速度を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の脱酸素剤は、その構成成分として、特定の結晶構造を有する酸化セリウムを含んで構成されている。詳細には、この酸化セリウムは、三方晶型の結晶構造を有し、Ce23-x(xは0以上で1未満の数を示す)で表される物質である。なお以下の説明においては、この酸化セリウムのことを、従来知られている蛍石型の結晶構造を有し且つ酸素欠損を有する酸化セリウムと区別することを目的として、三方晶型酸化セリウムと呼ぶこととする。
三方晶型酸化セリウムは、図1に示す結晶構造を有するものである。即ち、a軸長、b軸長及びc軸長がすべて同じで、且つ各軸どうしのなす角α、β及びγがすべて同じであり90度以外の角度である結晶構造を有している。これに対して、従来知られている蛍石型の結晶構造を有する酸化セリウムは、図2に示す結晶構造を有している。
上述のとおり、三方晶型酸化セリウムは、Ce23-x(xは0以上で1未満の数を示す)で表される。式中、xが0の場合の三方晶型酸化セリウムは、図1に示す結晶構造を有している。この場合の三方晶型酸化セリウムにおけるセリウムの価数は三価である。xが0以外の数である場合の三方晶型酸化セリウムは、図1に示す結晶構造において、酸素の占めるサイトうちの幾つかのサイトの酸素が欠損した状態になっている。したがって、この場合の三方晶型酸化セリウムにおけるセリウムの価数は、一部のセリウムにおいて、電荷補償のために三価を下回っている。つまり、xが0以外の数である場合の三方晶型酸化セリウムは、原子価が二価又はそれより小さい価数のセリウムが一部存在する異常原子価状態になっている。
三方晶型酸化セリウムは、結晶中の酸素欠損が多いほど酸素吸収量が高くなる。つまり、式Ce23-xにおいて、xの値が大きくなるほど、酸素吸収量が高くなる。しかし、結晶中の酸素欠損が多くなりすぎると、三方晶型の結晶構造を安定的に維持することが容易でなくなる。この観点から、前記の式におけるxの値は0超で1未満であることが好ましく、0超で0.5以下であることが更に好ましい。なおxの上限値を1未満とした理由は、xが1の場合には酸化セリウムはもはや三方晶型の結晶構造を維持することができず岩塩型の結晶構造となってしまい、所望の酸素吸収量を発現しなくなるからである。
三方晶型酸化セリウムは、酸素と接触し、これを吸収することでまず酸素欠損が酸素で満たされて行き、次に蛍石型の結晶構造の酸化セリウムへ変化する。これに対して、従来知られている蛍石型の結晶構造を有し且つ酸素欠損を有する酸化セリウムは、酸素を吸収してもその結晶構造に変化はなく、式CeO2-yにおいて酸素欠損量であるyの値が0以上0.5未満の範囲で変動するのみである。このような相違に起因して、三方晶型酸化セリウムは、蛍石型の結晶構造を有する酸化セリウムの理論限界をはるかに超えた高酸素吸収量を有するものとなる。
三方晶型酸化セリウムの酸素吸収量は、該酸化セリウムに、酸素吸収量を増大させる元素を添加して置換固溶させ、複合酸化物とすることで更に増大する。添加元素は、例えばマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、ニオブ(Nb)、プラセオジム(Pr)及びイットリウム(Y)からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの元素のうち、イットリウム(Y)、カルシウム(Ca)及びプラセオジム(Pr)からなる群より選択される少なくとも一種を添加すると、酸素吸収量が顕著に増大するので特に好ましい。
前記の元素の総添加量は、セリウム原子に対して1〜20mol%とすることが、三方晶型酸化セリウムの酸素吸収量を安定的に増大させ得る点から好ましい。
従来知られている蛍石型の酸化セリウムは高い酸素イオン導電性を有しているので非常に活性が高く、酸素吸収速度が極めて高い。よって、蛍石型の酸化セリウムを使用した脱酸素剤は、目的とする製品(例えば乾燥食品や錠剤等)と共に包装袋に密封するまでの間に酸素を吸収してしまい、脱酸素剤の酸素吸収量が低下してしまう。これに対して、三方晶型酸化セリウムは、酸素吸収量が高いということによって特徴付けられること加えて、酸素吸収速度が比較的遅いということによっても特徴付けられる。酸素吸収速度が比較的遅い理由は、三方晶型酸化セリウムは、酸素イオン導電性を有していないからであると考えられる。三方晶型酸化セリウムを用いた本発明の脱酸素剤は、大気に触れても少しずつしか酸化しないので、目的とする製品と共に密封するまでの時間の設定に自由度を与える。
三方晶型酸化セリウムは、一般に粉末の状態で用いられる。場合によっては三方晶型酸化セリウムは、圧縮成形体等の成形体の形態で用いられる。また、三方晶型酸化セリウムは、それ自身を単独で用いることで、本発明の脱酸素剤となすことができる。或いは、三方晶型酸化セリウムを他の物質と組み合わせて用いることで、本発明の脱酸素剤となすこともできる。他の物質としては、例えば各種除湿剤などが挙げられる。除湿剤を併用することで、除湿能を有する脱酸素剤とすることができる。除湿剤を併用する場合、酸化セリウムと除湿剤との合計重量に対する酸化セリウムの占める割合は、50〜99重量%、特に60〜85重量%であることが好ましい。一方、除湿剤の占める割合は、1〜50重量%、特に15〜40重量%であることが好ましい。除湿剤としては、無機系の物質及び有機系の物質の何れも用いることができる。無機系の除湿剤としては、例えばモルデナイト、クリノプチロライト、エリオナイト等の天然ゼオライト、モレキュラーシーブ等の合成ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト等の粘土系鉱物、シリカゲル、アルミナ、酸化カルシウム、吸湿性を有する塩などが用いられる。有機系の除湿剤としては、パルプ、パルプを含む紙、ポリα,β不飽和カルボン酸、ポリα,β不飽和カルボン酸のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、セルロース系誘導体、ポリアルキレンオキサイド誘導体、ポリエステル、ポリアミドなどが用いられる。上述の除湿剤のうち、単位重量当たりの吸湿量が大きいこと、低湿度下での吸湿力が大きいこと、化学的に安定であること、発熱及び毒性がない等の安全性の観点から、粘土系鉱物を用いることが特に好ましい。
三方晶型酸化セリウムが粉末の状態で用いられる場合、その粒子径は、本発明の脱酸素剤の剤型に応じて適切な値を選択することができる。例えば本発明の脱酸素剤が、透気抵抗度を有する袋状の包装体(例えば透気抵抗度10〜100000秒)内に収容されている場合には、平均粒子径が0.01〜100μm、特に0.01〜1μmであることが、十分な比表面積を確保し、酸素との接触を確実にする点から好ましい。本発明の脱酸素剤が、酸素易透過性を有する樹脂との樹脂組成物からなるフィルムの形態である場合には、酸化セリウムの粒子径は、フィルムの厚みを超えない範囲であることが好ましい。この観点から、酸化セリウムの平均粒子径は0.01〜20μm、特に0.01〜10μmであることが好ましい。本明細書における平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される。
本発明の脱酸素剤は、これを、透気抵抗度を有する袋状の包装体(例えば透気抵抗度10〜100000秒)内に収容することで、脱酸素体となされる。この形態の脱酸素体は、例えば乾燥食品や錠剤と共に包装材料内に密封収容される。包装体を構成する透気抵抗度を有する材料としては、例えばポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレンランダム重合体、エチレン−αオレフィン共重合体等の各種熱可塑性樹脂からなるフィルムに穿孔を施したもの、紙若しくは不織布又はこれらを組み合わせてなる積層体が挙げられる。ここで透気抵抗度とは、JIS P8117にしたがい測定され、空気100mLが0.000642m2の面積を気圧差1.23kPaで透過し終えるまでの時間を意味する。
本発明の脱酸素剤は、これを、酸素易透過性を有する樹脂と混練して、脱酸素樹脂組成物となすこともできる。該樹脂組成物は、例えばペレットの形態で用いられ、各種の樹脂成形体の原料となる。また該樹脂組成物は、該ペレットから成形された各種の樹脂成形体の形態、例えばフィルムの形態やトレーの形態で用いられる。該樹脂組成物が何れの形態であっても、該樹脂組成物に占める脱酸素剤の割合は、10〜90重量%、特に20〜80重量%であることが、脱酸素機能を十分に発現させる観点から好ましい。一方、該樹脂組成物に占める樹脂の割合は、10〜90重量%、特に20〜80重量%であることが、該樹脂組成物の強度及び成形性を保つ観点から好ましい。
前記の樹脂組成物がフィルムの形態で用いられる場合、該フィルムの具体的な用途にもよるが、該フィルムの厚みは1〜100μm、特に20〜40μmであることが好ましい。前記の樹脂組成物がフィルムの形態である場合を含め、該樹脂組成物には、必要に応じ、脱酸素剤及び酸素易透過性を有する樹脂に加え、該樹脂組成物の特性を向上させ得る他の成分を配合してもよい。他の成分としては、例えば樹脂組成物を所定の色に着色するための顔料、及び樹脂組成物の強度を上げるためのフィラー等が挙げられる。
前記のフィルムは、前記の脱酸素樹脂組成物からなる単層の状態で用いることができる。或いは、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層を有する多層構造の状態で用いることもできる。後者の場合、多層構造の一例として、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層の一面に、ガスバリア性を有するガスバリア層が積層され、また該脱酸素層の他面に、酸素易透過性を有する酸素易透過層が積層されてなる脱酸素積層体フィルムが挙げられる。かかる脱酸素積層体フィルムは、ガスバリア層が外方(即ち大気側)を向き、且つ酸素易透過層が内方(即ち脱酸素をしたい雰囲気側)を向くように用いられる。ガスバリア層は、少なくとも酸素の透過に対するバリア性を有しており、好ましくは水分に対するバリア性も有している。
前記の脱酸素積層体フィルムの一実施形態が図3に示されている。同図に示す脱酸素積層体フィルム10は、前記の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層11を有している。脱酸素層11の一面には、該脱酸素層11に隣接してガスバリア層12が設けられている。一方、脱酸素層11の他面には、該脱酸素層11に隣接して酸素易透過層13が設けられている。更に、ガスバリア層12の外方側には、該ガスバリア層12に隣接して、該ガスバリア層12の保護層14が設けられている。
図3に示す脱酸素積層体フィルム10におけるガスバリア層12の材料としては、アルミニウム箔、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンコート延伸ナイロン(商品名)、テレフタル酸−トリメチルヘキサメチレンジアミン縮重合体、2,2−ビス(p−アミノシクロヘキシル)プロパン−アジピン酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロンMXD(商品名)、ナイロン6(商品名)、ナイロン6,6(商品名)等を例示することができる
図3に示す脱酸素積層体フィルム10における酸素易透過層13は、少なくとも酸素の透過が可能な層である。三方晶型酸化セリウムが除湿剤と共に用いられる場合には、酸素易透過層13は酸素及び水分の透過が可能な層であることが好ましい。酸素易透過層13の材料としては、例えば不織布、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等)、延伸ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンゴム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
図3に示す脱酸素積層体フィルム10における保護層14の材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等を例示することができる。
脱酸素積層体フィルムの別の実施形態が図4に示されている。同図に示す積層体フィルム10’は、図3に示す積層体フィルムに、更に別の層を付加したものである。詳細には、脱酸素層11とガスバリア層12との間に、緩衝層15が設けられている。またガスバリア層12の外側、即ちガスバリア層12と保護層14との間に、高度ガスバリア層16が設けられている。
図4に示す脱酸素積層体フィルム10’における緩衝層15は、フィルム10’の外側から加わる物理的衝撃に対する緩衝作用を有する層である。緩衝層15の材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
図4に示す脱酸素積層体フィルム10’における高度ガスバリア層16は、ガスバリア層12に比べて、酸素の透過を遮断する能力が一層高い層である。高度ガスバリア層16の材料としては、例えばアルミニウム箔を始めとする各種金属箔、アルミニウムを始めとする各種金属の蒸着フィルム、各種酸化物(シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ)の蒸着フィルム等が挙げられる。
図4に示す6層構造の脱酸素積層体フィルム10’は、図3に示す脱酸素積層体フィルム10に比べ、フィルムの外側から加わる物理的衝撃に対する緩衝作用が向上する。これと共に、外部からのガスの侵入が一層困難になる。したがって図4に示す脱酸素積層体フィルム10’は、図3に示す脱酸素積層体フィルム10に比べ、付加価値が一層高いものとなる。
次に、本発明の脱酸素剤に用いられる三方晶型酸化セリウムの好ましい製造方法について説明する。三方晶型酸化セリウムを製造するための原料として、本発明においては含酸素セリウム塩又はその水和物(以下、これらを総称して、単に含酸素セリウム塩という)を使用する。この含酸素セリウム塩を、還元雰囲気下に焼成することで、目的とする三方晶型酸化セリウムが得られる。
含酸素セリウム塩は、セリウム(III)イオンと対になるアニオンが酸素を含んでいる化学種からなるセリウム(III)の化合物である。酸素を含んでいるアニオンとしては、例えば炭酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの含酸素アニオンを有するセリウム化合物としては、例えば炭酸セリウム水和物(六水和物、八水和物等)、硝酸セリウム、硫酸セリウム、水酸化セリウムなどが挙げられる。
含酸素セリウム塩は、これを還元雰囲気下、例えば水素雰囲気下に焼成することで三方晶型酸化セリウムが得られる。この製造方法は、1段階の工程で完了するので生産性が極めてよい。焼成においては、その条件を適宜調整することで、結晶格子中における酸素欠損の程度をコントロールすることができる。焼成条件としては、例えば1000℃であれば2時間以上の焼成で、所望の酸素吸収量を有する三方晶型酸化セリウムが得られる。1050℃であれば1時間以上焼成すればよい。このように焼成温度を高くすることで焼成時間の短縮化を図れる。尤も、焼成温度を高くすると、例えば1050℃超とすると、焼成に用いる炉の炉心管として、アルミナ等のセラミックス系材料が必要となるので、あまり有利とは言えない。セラミックス系材料の炉心管を用いることは、安全性及びコストに難があるからである。逆に1050℃以下の低温焼成を行っても所望の三方晶型酸化セリウムが得られる点に、本製造方法の利点があると言える。1050℃以下の焼成であれば、炉心管として、安全且つ比較的安価な材料であるステンレス製のものを用いることができるからである。1050℃以下の低温焼成を行えることは、得られる三方晶型酸化セリウムの比表面積を大きくすることができる点からも有利である。比表面積が大きくなることで、酸素との接触面積が大きくなり、酸素吸収速度が高まるからである。還元雰囲気の具体例としては、水素雰囲気を用いる場合、雰囲気中の水素濃度は4体積%以上、特に80体積%以上であることが好ましい。一酸化炭素雰囲気を用いる場合、雰囲気中の一酸化炭素濃度は4体積%以上、特に80体積%以上であることが好ましい。アセチレン雰囲気を用いる場合、雰囲気中のアセチレン濃度は2体積%以上、特に70体積%以上であることが好ましい。
三方晶型酸化セリウムに、酸素吸収量を増大させる元素を添加して置換固溶させる場合には、含酸素セリウム塩と、該元素の化合物(例えば酸化物)とを混合し、この混合物を上述の方法で還元焼成すればよい。
上述の1段階の焼成に代えて、含酸素セリウム塩から蛍石型の酸化セリウムを一旦生成させ、次いでそれを還元焼成する2段階の焼成工程を経る方法でも三方晶型酸化セリウムを得ることができる。蛍石型の酸化セリウムを生成させるには、例えば含酸素セリウム塩を大気雰囲気下に焼成すればよい。焼成条件としては、例えば600℃で1時間以上であればよい。この焼成によって得られた蛍石型の酸化セリウムを還元焼成して、三方晶型酸化セリウムを得る。還元焼成の条件は、上述の1段階の焼成方法の場合よりも厳しい条件とする。具体的には、水素濃度が好ましくは50体積%以上、更に好ましくは90体積%以上である水素雰囲気下にて例えば1200℃で1時間以上の焼成を行う。つまり、上述の1段階の焼成方法の場合よりも高温の条件で還元焼成を行う。この焼成によって、目的とする三方晶型酸化セリウムが得られる。
以上の各方法によって得られた三方晶型酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤は、例えばこれを雰囲気下に置くことで、雰囲気中の酸素を吸収する。したがって、該脱酸素剤を食品等の製品と共に包装袋に密封収容することで、包装袋内の酸素を除去することができ、食品の鮮度等を保つことが可能となる。ここで言う雰囲気とは、例えば食品、電子部品、医薬品などの商品を保存する際の一般的な生活環境雰囲気を指す。化石燃料で動作する動力用エンジンから排出される排気ガス等の高温及び/又は高圧の過酷な雰囲気は、この生活環境雰囲気には含まれない。生活環境雰囲気の気圧については、例えば商品包装における減圧状態(真空包装など)から、加圧状態(レトルト処理における加圧・加熱殺菌や包装体の形状維持用途など)を包含する。温度については、−50℃(冷凍保存時)から180℃(食品のレトルト処理)程度を包含する。また、雰囲気は必ずしも空気である必要はなく、窒素ガスなどの不活性ガスにてパージを行い、酸素濃度を低下させたものでも良い。
また、三方晶型酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤を水や水溶液を始めとする液体中に投入することで、液体中の溶存酸素を吸収することができる。
また、三方晶型酸化セリウムを含む本発明の脱酸素剤を大気と接触させて、大気中の酸素濃度を減少させることで、高純度窒素ガスを得ることができる。具体的には、図5に示す装置を用いて、高純度窒素ガスを得ることができる。同図に示す装置20は、大気21を圧縮するコンプレッサー22と、大気21中の塵を除去するフィルター23と、中空糸膜24と、脱酸素装置28とを具備する。中空糸膜24は、圧縮空気中の窒素成分と酸素成分とを分離させる中空糸が束ねられたものからなる。脱酸素装置28は、中空糸膜24から分離された窒素成分中に含まれる微量酸素を除去するものである。脱酸素装置28には、本発明の脱酸素剤が充填されている。
コンプレッサー22の空気タンクに貯蔵された圧縮空気は、圧縮空気配管を介して圧縮空気内の異物を除去するプレフィルターやミクロミストフィルター等のフィルター23を経由し、中空糸膜に送り込まれる。コンプレッサー22とフィルター23の間には、圧縮空気を乾燥させるドライヤー等の乾燥手段を配設するようにしてもよい。プレフィルターとミクロミストフィルターとを併用する場合には、プレフィルターでは、圧縮空気内に存在する3μ以上の大きい物を除去し、ミクロミストフィルターでは、圧縮空気内に存在する0.01μ以上の小さい異物を除去することが好ましい。ミクロミストフィルターの下流には、圧縮空気内の臭いを除去する能力のある活性炭フィルターを配設してもよい。
中空糸膜24は、ポリエステル製やポリオレフィン製であり、何千ものストロー状の中空糸が束ねられたものより構成されている。中空糸の内部に圧縮空気を通すことで、それぞれのガスが固有に持っている中空糸の膜の透過スピードの違いを利用し、空気中に最も多く含まれている窒素ガスを残存させるようにしている。圧縮空気を構成しているガスが中空糸膜24の膜を透過するスピードは、早く放出するガスと放出しにくいガスがあり、残ったガスが窒素ガスということになる。特に、中空糸の膜がポリエステル製の場合、水蒸気が一番透過しやすく、以下水素やヘリウムが続き、更に一酸化炭素が続き、最後に酸素とアルゴンと窒素が一番透過しにくく、その中でも一番透過しにくいガスである窒素が残存することとなる。
圧縮空気が中空糸膜24を通過することによって残存した窒素ガスは、ガス配管を経由した後に分岐部25に到達する。この分岐部25からは、二つの配管系統が分岐しており、その一つの配管系統は、窒素ガス第1分岐管L1と第1開閉弁26を有している。他方の配管系統は、窒素ガス第2分岐管L2を有している。第二分岐管L2には、第2開閉弁27、脱酸素装置28及び酸素濃度計30が順に介装されている。第1開閉弁26を開き、第2開閉弁27を閉じることで、約95%〜99.9%の純度になった窒素が第1分岐管L1から放出される。第1開閉弁26を閉じ、第2開閉弁27を開くことで、約95%〜約99.9%の純度になった窒素が脱酸素装置28に導入される。そして、脱酸素装置28において酸素が更に除去され、約99.9%以上の高純度の窒素ガスが得られる。高純度窒素ガスの純度は、酸素濃度計30でモニターされる。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各方法で製造した三方晶型酸化セリウムにおいては、還元焼成の条件によっては、XRD測定によって蛍石型の酸化セリウムの回折ピークが弱く観察される場合がある。つまり。蛍石型の酸化セリウムが微量に三方晶型酸化セリウムに混在することがある。しかしそのような微量の蛍石型の酸化セリウムが三方晶型酸化セリウム中に含まれることは本発明において許容される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。以下の例中、実施例1及び2が本発明の実施例であり、実施例3及び4は本発明の範囲外である。
〔実施例1〕
75gの炭酸水素アンモニウムを、500mlの水に溶解した水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら、0.1Mの硝酸セリウム水溶液500mlを滴下し逆中和した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過し、炭酸セリウム八水和物を得た。
得られた炭酸セリウム八水和物81.57gと、炭酸カルシウム3gとを混合した。この混合物を、還元処理(水素100%ガスで400SCCMフロー)した。処理温度は1000℃、処理時間は2時間であった。このようにして三方晶型の結晶構造を有し、カルシウムが固溶しており、Ce22.7で表される酸化セリウムを得た。結晶構造はXRD測定により決定した。酸素の量は、後述する酸素吸収量の測定から逆算して求めた。三方晶型酸化セリウムの平均粒子径は2μmであった。三方晶型酸化セリウムにおけるCaの量は、Ce原子に対して10mol%であった。得られた三方晶型酸化セリウムのSEM像を図6に示す。
〔実施例2〕
還元焼成の条件として、1050℃、1時間の条件を採用する以外は実施例1と同様にして三方晶型の結晶構造を有し、Ce22.7で表される酸化セリウムを得た。三方晶型酸化セリウムの平均粒子径は2μmであった。
〔実施例3〕
実施例1で得られた炭酸セリウム八水和物と炭酸カルシウムとの混合物を原料として、これを大気下にて加熱処理(600℃、1時間)して、カルシウムが固溶した酸化セリウムを得た。この酸化セリウムを還元焼成(水素100%ガスで400SCCMフロー、1200℃、1時間)して、三方晶型の結晶構造を有し、Ce22.7で表される酸化セリウムを得た。三方晶型酸化セリウムの平均粒子径は20μmであった。
〔実施例4〕
還元焼成の条件として、1400℃、1時間の条件を採用する以外は実施例3と同様にして三方晶型の結晶構造を有し、Ce22.7で表される酸化セリウムを得た。三方晶型酸化セリウムの平均粒子径は40μmであった。得られた三方晶型酸化セリウムのSEM像を図7に示す。
〔比較例1〕
実施例1で得られた炭酸セリウムを原料として、これを大気下にて加熱処理(600℃、1時間)して酸化セリウムを得た。この酸化セリウムを還元焼成(水素100%ガスで400SCCMフロー、1000℃、1時間)して、蛍石型の結晶構造を有し、CeO1.66で表される酸化セリウムを得た。得られた酸化セリウムの平均粒子径は2μmであった。
〔評価1(酸素吸収量)〕
実施例及び比較例で得られた酸化セリウムについて酸素吸収量を測定した。その結果、各実施例で得られた酸化セリウムの酸素吸収量は何れも45m/gであったのに対し、比較例で得られた酸化セリウムの酸素吸収量は34ml/gであった。この結果から、各実施例で得られた三方晶型の酸化セリウムは、比較例で得られた蛍石型の酸化セリウムに比べ、酸素吸収量が格段に高いことが判る。
〔評価2(酸素吸収速度)〕
実施例で得られた酸化セリウムについて酸素吸収速度を測定した。その結果を図8に示す。図8に示す結果から、何れの実施例の酸化セリウムも、長時間をかけて酸素を吸収することが判る。また還元焼成の条件を適宜調整することで、酸素吸収速度のコントロールが可能であることが判る。
以上、詳述したとおり、本発明によれば、蛍石型の結晶構造を有する従来の酸化セリウムの理論限界をはるかに超えた高酸素吸収量を有する新規な酸化セリウム系の脱酸素剤が提供される。この酸素吸収量は、特定の元素を酸化セリウムに添加した場合に一層増大する。また本発明の脱酸素剤は金属探知機に反応しないので、これを食品等と共に包装してなる製品は、金属探知機による金属等の異物の混入の検査が容易である。更に本発明の脱酸素剤は、マイクロ波の照射によって発火することがないので、これを食品等と共に包装してなる製品を電子レンジ等で安全に加熱することができる。

Claims (8)

  1. 含酸素セリウム塩又はその水和物を、還元雰囲気下に1000℃以上で焼成して得られ、三方晶型の結晶構造を有し、Ce23-x(xは0で1未満の数を示す)で表される酸化セリウムを含むことを特徴とする脱酸素剤。
  2. 酸化セリウムに、該酸化セリウムの酸素吸収量を増大させる元素が添加されている請求項1記載の脱酸素剤。
  3. 請求項1記載の脱酸素剤が、透気抵抗度を有する袋状の包装体内に収容されてなる脱酸素体。
  4. 請求項1記載の脱酸素剤と、酸素易透過性を有する樹脂とを含む脱酸素樹脂組成物。
  5. ペレット状、フィルム状、又はトレー状の形状を有する請求項記載の脱酸素樹脂組成物。
  6. 請求項に記載の脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素層の一面に、ガスバリア性を有するガスバリア層が積層され、また該脱酸素層の他面に、酸素易透過性を有する酸素易透過層が積層されてなる脱酸素積層体フィルム。
  7. 脱酸素層とガスバリア層との間に、物理的衝撃に対する緩衝作用を有する緩衝層が更に積層されていると共に、ガスバリア層の外側に、該ガスバリア層に比べて酸素の透過を遮断する能力が一層高い高度ガスバリア層が更に積層されている請求項記載の脱酸素積層体フィルム。
  8. 含酸素セリウム塩又はその水和物を、還元雰囲気下に1000℃以上で焼成する工程を含む、三方晶型の結晶構造を有し、Ce23-x(xは0で1未満の数を示す)で表される酸化セリウムの製造方法。
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