JP4338287B2 - ピンオンリール - Google Patents

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JP4338287B2 JP2000108071A JP2000108071A JP4338287B2 JP 4338287 B2 JP4338287 B2 JP 4338287B2 JP 2000108071 A JP2000108071 A JP 2000108071A JP 2000108071 A JP2000108071 A JP 2000108071A JP 4338287 B2 JP4338287 B2 JP 4338287B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、たとえば魚釣り等において釣人が魚釣用小道具を携帯しておくためのピンオンリールに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
たとえば魚釣りを行う場合等においては、ラインカッターや針外し等の魚釣用小道具は、釣人が常時携帯しておくのが便利である。このため、従来から魚釣用小道具を衣類(ライフジャケット等)に装着しておくためにピンオンリールが提供されている。従来のピンオンリールは、一般に図7のような構成である。
【0003】
同図を参照して、ピンオンリール1は、ステンレス鋼等により形成されたケーシング2に、引出糸3が予め巻き取られたスプール(図示せず)が内蔵されており、この引出糸3の先端に小道具を取り付けるためのスナップ4が取り付けられている。ケーシング2は、基板5とこれに被せられるカバー6とを有し、これらがビス7によって締結されている。基板5の裏側には通常安全ピン(図示せず)が取り付けられており、ピンオンリール1は、この安全ピンを用いて衣類(ライフジャケット等)に固定されるようになっている。
【0004】
引出糸3は、スプールに対して常時巻き取られる方向(ケーシング2に引き戻される方向)に弾性的に引っ張られている。このため、スナップ4に取り付けられた魚釣用小道具を使用する際には、引出糸3を矢印8の方向に手で引っ張ってケーシング2から引き出し、使用後は自動的に引出糸3が引き戻されて魚釣用小道具がケーシング1側に巻き戻されるようになっている。
【0005】
ところで、従来のピンオンリール1では、小道具を取り付けるためのスナップ4が唯一設けられているだけであるため、魚釣用小道具は一つしか取り付けることができない。このため、たとえば魚釣りにおいては、ラインカッターと針はずしとは常に携帯しておきたいところであるが、異なる場合に用いるこの2つを携帯するには、一方の小道具をライフジャケットのポケット等に入れておく必要があった。もっとも、複数の魚釣用小道具を携帯するために複数のピンオンリールを装着すればよいが、これではピンオンリールが邪魔になって釣りそのものがしにくくなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、複数の小道具を携帯することができるピンオンリールを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するため、本願第1の発明に係るピンオンリールは、ケーシング内で常時巻取方向に回転するように回動付勢されたスプールに引出可能な状態で巻き取られた糸部材と、ケーシング外へ導かれた糸部材の先端に取り付けられた小道具係止用スナップとを有する小道具装着具を備えたピンオンリールにおいて、上記小道具装着具が複数装備されてい
【0008】
(2) 上記小道具装着具は、2つ対向配置されており、一対の小道具係止用スナップは、ケーシングに対して放射状に配置されているのが好ましい
【0009】
(3) 一方の小道具装着具のスプールの回動中心軸線と他方の小道具装着具のスプールの回動中心軸線とをケーシング内で同軸上に配置するための位置決め構造を有する
【0010】
(4) 上記位置決め構造は、一方の小道具装着用のスプールの中心を支持する第1支持軸と、他方の小道具装着用のスプールの中心を支持すると共に第1支持軸と係合する第2支持軸とを有する
【0011】
この構成によれば、小道具装着具が複数設けられているので、各小道具係止用スナップに複数種類の小道具を取り付けることができる。そして、それぞれの小道具について、独立してケーシングから引き出して使用することができ、使用後は糸部材がケーシング内のスプールに自動的に巻き取られ、小道具をケーシング側へ引き戻しておくことができる
【0012】
小道具係止用スナップが放射状に配置されると、各小道具係止用スナップに取り付けた小道具を使用する場合に、糸部材を互いに異なる方向へ引っ張ることになるので、各小道具係止用スナップに取り付けた小道具同士が当接し合うことがなく、使い勝手が向上する。しかも、小道具装着具を2つ設けているから、特に魚釣りにおいて使用する場合には、ラインカッターと針外しの両方を携帯しておくことができる
【0013】
加えて、2つの小道具装着具を対向配置したことにより、糸部材を引き出す際に両小道具装着具のスプールを互いに反対方向へ回転させることが可能となる。これにより、仮に一方のスプールから糸部材を引き出したことによって当該スプールが回転し、これに追従するように他方のスプールが強制的に回転させられた場合であっても、当該他方のスプールは、糸部材を巻き戻す方向に回転させられることになる。したがって、両スプールを別々に、または同時に回転させた場合であっても、ケーシング内での糸部材の絡みつき等を防止することができる
【0014】
上記位置決め構造により、2つの小道具装着具がケーシング内で同軸上に対向配置することができるので、全体をコンパクトに設計することが可能である
【0015】
プールの中心において一方側のスプールの第1支持軸と、他方側のスプールの第2支持軸とを係合させることにより両者の位置決めを達成するものであるから位置決め構造を簡単にすることができ、コスト安価に位置決め構造を構成することができる。
【0016】
(5) 上記目的を達成するため、本願第の発明に係るピンオンリールは、上記第の発明において、上記第1支持軸は、一方の小道具装着具のスプールを支持する一方スプール支持部と、当該一方スプール支持部に設けられた位置決め用凸部とを有し、上記第2支持軸は、他方の小道具装着具のスプールを支持する他方スプール支持部と、当該他方スプール支持部に設けられた位置決め用凹部とを有し、上記位置決め用凸部と位置決め用凹部とが嵌合されていることを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、特に第1支持軸の位置決め用凸部と第2支持軸の位置決め用凹部との嵌合構造により位置決めを達成するから、両スプールの位置決めを確実に行うことができる。しかも、第1支持軸および第2支持軸は、それぞれ一方スプール支持部および他方スプール支持部を有しているから、両スプールが独立して支持され、その回転をスムーズなものとすることが可能となる。
【0018】
(6) 上記目的を達成するため、本願第の発明に係るピンオンリールは、上記第の発明において、上記位置決め構造は、上記ケーシング内部に立設され、両スプールを同軸上に配置する位置決め軸を唯一備えていることを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、唯一設けられた位置決め軸によって両スプールを支持するものであるから、位置決め構造が簡単となり、しかもケーシング内での両スプールの位置決めを確実に行うことができる。加えて、位置決め構造を簡単にできることから、コスト安価に位置決め構造を構成することができる。
【0020】
(7) 上記目的を達成するため、本願第の発明に係るピンオンリールは、上記第の発明において、各スプールの間に、スプール同士の摩擦を回避する摺動部材が配置されていることを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、摺動部材によってスプール同士の摩擦が回避されるから、各スプールを円滑に回転させることができる。
【0022】
(8) 上記目的を達成するため、本願第の発明に係るピンオンリールは、上記第または第の発明において、上記ケーシングは、本体とこれに被せられる蓋部材とを備え、上記位置決め軸は、本体に一体的に延設され、蓋部材は、本体と嵌合した状態で位置決め軸に締結されていることを特徴とするものである。
【0023】
この構成によれば、本体に一体的に設けられた位置決め軸に各スプールを装着し、この本体に対して蓋部材を締結するだけで、ピンオンリールを簡単に組み立てることができる。しかも、ケーシングを構成する部品点数を減少させて、ピンオンリールの製造コストも低減できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係るピンオンリール10の正面図であり、図2は側面図である。これらの図を参照して、ピンオンリール10の概略構成について説明する。
【0025】
ピンオンリール10は、ケーシング11と、ケーシング11に引出自在に設けられた2つの小道具装着具(以下、単に「装着具」という。)12,13とを備えている。図に示すように、ケーシング11は、第1筒状部材14および第2筒状部材15を有し、これらが互いに対向した状態で固着されることにより構成されている。
【0026】
一方の装着具12は、ケーシング11の一方側(第1筒状部材14側)に設けられており、他方の装着具13は、ケーシング11の他方側(第12筒状部材15側)に設けられている。各装着具12,13は、後述する引出糸16,17(図1,図2では図示せず)と、この先端に設けられた小道具係止用スナップ(以下、単に「スナップ」という。)18,19とを有している。なお、第2筒状部材15の底面部20には、安全ピン21が設けられており、これにより、ピンオンリール10を衣類に装着固定することができるようになっている。
【0027】
本実施形態に係るピンオンリール10は、たとえば魚釣りの際に使用することができ、当該ピンオンリール10を衣類(ライフジャケット等)に装着し、上記スナップ18,19に所要の小道具(ラインカッターや針外し等)を取り付けておくことにより、魚釣りの最中にラインを切ったり、魚に掛かった針を外す動作を円滑に行うことができるようになっている。以下、ピンオンリール10の構造について詳しく説明する。
【0028】
図3は、ピンオンリール10の分解斜視図であり、ピンオンリール10の内部構造を詳細に示している。また、図4は、ピンオンリール10の断面図であり、ピンオンリール10の組立状態の構造を示すものである。なお、図4では、安全ピン21の図示は省略している。
【0029】
図3を参照して、参照符号22は、一方の装着具12が収容された第1筒状部材14側の中心軸線を示し、参照符号23は、他方の装着具13が備えられた第2筒状部材15側の中心軸線を示している。図3は分解斜視図であるため、両中心軸線22,23が90度の角度をもって交差しているが、実際にはこれら中心軸線22,23が同一直線上に配置され、第1筒状部材14と第2筒状部材15が対向した状態で組み立てられている(図1,図2参照)。
【0030】
ピンオンリール10は、上述したように、(1)両筒状部材14,15を有するケーシング11と、(2)第2筒状部材15側に設けられた安全ピン(図2参照)21および装着具13と、(3)第1筒状部材14側に設けられた装着具12と、(4)装着具12,13の間に介在されたワッシャ24および摺動板25とを有している。なお、図3では、ケーシング11と両装着具12,13との組立構造を説明するために、第1筒状部材14側部分についてさらに詳細な部分分解斜視図を示しているが、第2筒状部材15側部分の組立構造においても、第1筒状部材14側部分の組立構造と同様である。そこで、まず第1筒状部材14側部分に注目してその構造について説明する。
【0031】
第1筒状部材14は、上記ケーシング11の右側部分であって(図2参照)、図に示すように前面が開放された短筒状の部材である。第1筒状部材14は、たとえば錆に強いステンレス鋼により構成することができる。第1筒状部材14の壁面部26には、小孔27が形成されている。この小孔27は、壁面部26を貫通して形成されており、小孔27に引出糸16(糸部材)が挿通されるようになっている。なお、図3では説明をしやすくするために、引出糸16が小孔27に挿通された状態となっていないが、実際は、引出糸16が第1筒状部材14の内部で小孔27に挿通された後、その先端にスナップ18が取り付けられるようになっている(図1,図2参照)。
【0032】
また、第1筒状部材14は、その底部28に支持軸29(第1支持軸)を有している。この支持軸29は、後述する装着具12のスプール30を支持するためのものであって、図に示すように円柱状に形成されている。支持軸29は、ねじ31によって底部28の中央に締結固定されている。
【0033】
支持軸29は、大径の支持部32(一方スプール支持部)と、支持部32の先端面に立設された小径の係合柱33とを有している。この係合柱33は、その中心部に軸方向に形成された係合孔34(位置決め用凹部)を有している。この係合孔34は、後述する第2筒状部材15側の係合凸部35(位置決め用凸部)と嵌め合わされるようになっている。
【0034】
さらに、支持部32には、その先端面から軸方向にスリット状の切欠溝36が形成されている。この切欠溝36は、後述する渦巻きバネ(以下、単に「バネ」という。)37の基端部38を挿入して係止するためのものである。
【0035】
次に、装着具12は、上記スプール30と、これに巻回された引出糸16と、引出糸16の先端に取り付けられたスナップ18と、スプール30を矢印39の方向に回動させるように常に弾性的に付勢するバネ37とを有している。
【0036】
スプール30は、たとえば合成樹脂やステンレス鋼により構成することができる。スプール30は、図に示すように円環部40と、円環部40の両端に形成されたフランジ部41とを有しており、引出糸16は、円環部40の外周面に巻き付けられている。スプール30の外径寸法は、上記筒状部材14の内径に対応しており、スプール30は、筒状部材14の内部に回転自在な状態でぴったりと収容されている。スプール30の後端面には、軸挿通孔55が設けられており、この軸挿通孔55に支持部32が挿通されることにより、スプール30が支持軸29によって回動自在に支持されるようになっている。
【0037】
引出糸16は、たとえばナイロン、綿、ステンレス鋼等により構成することができる。引出糸16は、その長さを適当に決定することができるが、釣人が釣りの最中に使用することを考慮すると、50cm程度あれば十分である。
【0038】
バネ37は、たとえば板状のバネ鋼を巻回して構成することができる。ただし、錆対策として、バネ37をステンレス鋼により構成することもできる。そして、このように巻回形成されたバネ37は、スプール30の円環部40の内部に収容されている。すなわち、筒状部材14の内部にスプール30を収容し、このスプール30の内部にバネ37を収容する。このとき、バネ37の基端部38を筒状部材14側の上記切欠部36に挿入して当該基端部38を切欠部36によって保持させる。
【0039】
これにより、バネ37の基端部38は筒状部材14側に保持され、バネ37はある程度巻き回された状態でその先端部42がスプール30側に押し付けられて係止される。したがって、スプール30は、常に上記矢印39の方向、すなわち、引出糸16を巻き取る方向に弾性付勢されることになる。そして、この状態で引出糸16を引っ張れば、バネ37がさらに巻き進められてスプール30が矢印39と反対方向に回転し、これにより、引出糸16がケーシング11外へ引き出されるようになっている。
【0040】
スナップ18は、ベース43と、これに取り付けられたU型ピン44とを有している。ベース43およびU型ピン44は、共に錆の発生を考慮してステンレス鋼により構成することができる。ベース43の先端部には上記引出糸16が固着されている。この固着は、接着剤等を採用することができるが、ベース43に孔を開けて、これに引出糸16を結びつけるようにしてもよい。
【0041】
また、U型ピン44は、その一端部45がベース43に回動自在に取り付けられている。この取付構造は、たとえばベース43に対して上記一端部45を回動中心ピン46を介して連結することにより構成することができる。
【0042】
U型ピン44の他端部47は、ベース43の所定部に係合することができるようになっている。すなわち、図3に示す状態からU型ピン44の他端部47を押圧して一端部45側へ弾性変形させ、その状態で矢印48の方向へ回動させることにより、スナップ18を開放することができる。また、開放状態から上記矢印と反対方向にU型ピン44を回動させることにより、U型ピン44の他端部47がベース43に係合し、スナップ18を閉じることができるようになっている。
【0043】
一方、第2筒状部材15は、第1筒状部材14と同様の構成であって、支持軸49(第2支持軸)がねじ31(図2参照)によって第2筒状部材15の底部に締結されている。
【0044】
また、図2を参照して、上述したように第2筒状部材15には、上記安全ピン21が固定されている。この安全ピン21は、ブラケット部50と、これに設けられた針部51とを有しており、一般に市販されているものを採用することができる。そして、針部51を衣類に突き刺した後、ブラケット部50に保持させることにより、ピンオンリール10を衣類に固定することができるようになっている。なお、本実施形態では、ブラケット部50は、ねじ31により、上記支持軸49と共に筒状部材15に共締めされている。
【0045】
再び図3を参照して、支持軸49は、装着具13側のスプール52を支持するためのものであって、図に示すように円柱状に形成されている。支持軸49は、大径の支持部53(他方スプール支持部)と、支持部53の端面に立設された小径の係合凸部35(位置決め用凸部)とを有している。
【0046】
図4も同時に参照して、係合凸部35は、上記係合柱33の係合孔34に所定のはめあいで嵌め込まれるようになっている。そして、図4に示すように、係合凸部35と係合孔34とが嵌め込まれると、支持軸29と支持軸49との両者間の位置決めがなされ、その結果、これらによって支持されるスプール30,52の相対的位置が決定されると共に、両スプール30,52にがたつきが生じるのを防止することができる。このように、本実施形態では、支持軸29と支持軸49とにより、スプール30,52の相対的位置決めを行っている。
【0047】
ここで、図3に示すように、各スプール30,52は、互いに対抗配置されているから、一方のスプール30が装着具12を引き出す方向に回転した場合には、これに追従するように他方のスプール52が回転しようとする。しかし、この場合の他方のスプール52の回転方向は、一方のスプール30の回転方向と逆方向、すなわち、装着具13がスプール52に巻き取られる方向である。
【0048】
したがって、仮に一方のスプール30が回転することにより、スプール52側に意図しない回転が生じたとしても、装着具13を巻き戻す方向に回転するから、ケーシング11内で引出糸16,17が絡み合うという不都合を回避することができる。
【0049】
また、スプール52,引出糸17,バネ54,スナップ19の構成については上述した通りであるから、必要な部分に上述したと同様の参照符号を付してその説明は省略する。
【0050】
次に、ワッシャ24は、図4に示すように支持部32に嵌め込まれており、摺動板25がワッシャ24の外側で、両スプール30,52の間に介在されている。
このように摺動板25が設けられているので、両スプール30,52が独立して同時に回転した場合であっても、各スプール30,52同士が直接こすれ合うことがなく、円滑な回転を実現することができる。なお、上記摺動板25は、スプール30,52との摩擦抵抗の低いもの、たとえば合成樹脂等により構成することができる。
【0051】
そして、このような装着具12,13を、それぞれ第1筒状部材14および第2筒状部材15に嵌め込み、両筒状部材14,15を互いに対向させた状態で固着する。この固着手段としては、たとえば接着剤を採用することもできるし、溶接等を採用することができる。
【0052】
以上のような構成を有するピンオンリール10によれば、装着具12,13が設けられているので、たとえば釣人が釣りをする際に、スナップ18,19に複数種類の小道具(たとえばラインカッターと針外し)を取り付けてこれらを常に携帯することができ、釣りを円滑に進めることが可能となる。
【0053】
しかも本実施形態では、支持軸29と支持軸49とからなる位置決め構造により、2つの装着具12,13がケーシング11内で同軸上に対向配置されている。したがって、ピンオンリール10全体をコンパクトに設計することができるという利点がある。さらに、本実施形態では、図1に示すように、装着具12,13が放射状に、すなわちスナップ18,19が放射状に配置されている。具体的には、スナップ18とスナップ19とは、ケーシング11に対して略90度の角度をもって配置されている。これにより、スナップ18,19に取り付けたラインカッターおよび針外しを使用する場合に、引出糸16,17を互いに異なる方向へ引っ張ることになるので、ラインカッターおよび針外しを使用する際に、これらが当接し合うことがなく、使い勝手が向上する。もっとも、スナップ18とスナップ19との角度は、90度に限定されるものではなく、他の角度を採用することもできる。
【0054】
加えて、2つの装着具12,13を対向配置させたことにより、引出糸16,17を引き出す際に両装着具12,13のスプール30,52を互いに反対方向へ回転させることができるから、上述したようにスプール30の回転によってスプール52が強制的に回転されることを防ぐことができ(その逆も同様)、装着具12,13を別々に、または同時に操作したとしても、ケーシング11内での引出糸16,17の絡みつきを防止することができる。
【0055】
特に、支持軸29の係合孔34と支持軸49の係合凸部35との嵌合構造により位置決めを達成するから、両スプール30,52の位置決めを確実に行うことができる。しかも、支持軸29および支持軸49は、それぞれ各スプール30,52を支持するための支持部32および支持部53を有しているから、両スプール30,52を独立して支持し、その回転をスムーズに行わしめることができるという利点がある。さらに、第1筒状部材14および第2筒状部材15とがたとえばねじ等で締結される場合は、ピンオンリール10の分解掃除等のメンテナンスも可能となる。その場合、本実施形態では、第1筒状部材14および第2筒状部材15とは嵌合構造を採用しているから、分解も容易である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0056】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るピンオンリール60の構造を示す断面図である。
【0057】
同図を参照して、本実施形態に係るピンオンリール60は、上記第1の実施形態に係るピンオンリール10と同様に、装着具12,13(図5では図示せず)がケーシング61内で所定の位置決め構造62により対抗配置されると共に、2つのスナップ18,19(図5では図示せず)が放射状に配置されている。
【0058】
本実施形態に係るピンオンリール60が第1の実施形態に係るピンオンリール10と異なる点は、上記位置決め構造62が両スプール30,52を同軸上に配置する唯一の位置決め軸63を有している点である。以下、ピンオンリール60について説明する。なお、図5において、図1ないし図4で示したものと同様の構成については同様の参照符号を付してその説明を省略する。
【0059】
ピンオンリール60は、ケーシング61を備えている。このケーシング61は、本体64と、これに被せられる蓋部材65とを有している。
【0060】
本体64は、たとえば合成樹脂やステンレス鋼等により構成することができ、底板部66と、上記位置決め軸63とを備えている。
【0061】
底板部66は、円形の部材であって、その周縁部に段付部67が形成されたフランジ68が形成されている。また、底板部66の中央部に上記位置決め軸63が一体的に立設されている。この位置決め軸63は、底板部66に対して垂直な方向に延びるように設けられている。さらに位置決め軸63には、スリット状の切欠溝71が形成されている。この切欠溝71は、位置決め軸63の先端部72から基端側(底板部66側)へ延びており、この切欠溝71に上記バネ37の基端部(図3参照)が装着されるようになっている。
【0062】
また、底板部66の裏面74の中央部に、ねじ孔が形成されている。そして、図に示すように、ボルト75をねじ孔にねじ込むことにより、安全ピン21が底板部66の裏面74に締結されている。
【0063】
一方、蓋部材65は、たとえばステンレス鋼板等により構成することができ、筒状に形成されている。図に示すように蓋部材65は、本体64にぴったりと被せることができる。蓋部材65の上面69には、ねじ挿通孔70が形成されている。このねじ挿通孔70は、ボルト73を挿通させるためのものであり、蓋部材65の開口側周縁部を本体64の上記段付部67に嵌め込んでボルト73を締め付けることにより、蓋部材65が本体64に締結されるようになっている。
【0064】
次に、各スプール30,52は、上記位置決め軸63によって位置決めがなされている。すなわち、スプール30,52の後端面には軸挿通孔55が形成されているが、この軸挿通孔55に位置決め軸63がぴったりと挿通されている。
【0065】
また、各スプール30,52の間およびスプール52の前端側には、摺動部材76が配置されている。この摺動部材76は円盤状に形成されており、中央に貫通孔77が形成されている。そして、この貫通孔77に位置決め軸63がぴったりと挿通されており、これにより、摺動部材76が位置決めされている。つまり、唯一の位置決め軸63によって、各スプール30,52および摺動部材76が同軸上で位置決めされている。なお、摺動部材76は、スプール30,52との摩擦抵抗が低いものが好ましく、たとえばナイロンやポリプロピレン等の樹脂を採用することができる。
【0066】
この第2の実施形態に係るピンオンリール60によれば、上記第1の実施形態に係るピンオンリール10と同様に、次のような作用効果を奏する。
【0067】
まず、装着具12,13が設けられているから、たとえば釣人が釣りをする際に、スナップ18,19に複数種類の小道具(たとえばラインカッターと針外し)を取り付けてこれらを常に携帯することができ、釣りを円滑に進めることができる。
【0068】
また、装着具12,13が放射状に、すなわちスナップ18,19が放射状に配置されている(図1参照)から、スナップ18,19に取り付けたラインカッターおよび針外しを使用する場合に、引出糸16,17を互いに異なる方向へ引っ張ることになるので、ラインカッターおよび針外しを使用する際に、これらが当接し合うことがなく、使い勝手が向上する。
【0069】
さらに、2つの装着具12,13を対向配置させたことにより、引出糸16,17を引き出す際に両装着具12,13のスプール30,52を互いに反対方向へ回転させることができる。これにより、スプール30の回転によってスプール52が強制的に回転されることを防ぐことができるから(その逆も同様)、装着具12,13を別々に、または同時に操作したとしても、ケーシング11内での引出糸16,17の絡みつきを防止することができる。
【0070】
特に、本実施形態に係るピンオンリール60では、次のような作用効果を奏する。
【0071】
唯一設けられた位置決め軸63によって両スプール30,52を支持するものであるから、位置決め構造がきわめて簡単かつコスト安価なものとなる。しかも、装着具12,13をケーシング61内で対向配置することができるから、ピンオンリール60全体をコンパクトに設計することができる。
【0072】
また、摺動部材76によってスプール30,52同士の摩擦が回避されるから、各スプール30,52を円滑に回転させることができ、ラインカッター等の小道具の引き出し、収納を円滑に行うことができる。
【0073】
さらに、本体64に位置決め軸63が一体的に設けられているから、ピンオンリール60の構成部品点数を減少させ、製造コストを低減させることができる。さらに、ピンオンリール60の組み立てについては、位置決め軸63に各スプール30,52を装着し、本体64に対して蓋部材65を締結するという簡単な作業であるから、組み立てまたは分解作業も容易である。
【0074】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0075】
図6は、第2の実施形態の変形例に係るピンオンリール80の構造を示す断面図である。
【0076】
変形例に係るピンオンリール80が上記ピンオンリール60と異なる点は、ピンオンリール60のケーシング61が本体64と蓋部材65とからなり、蓋部材65がいわゆる製缶ものにより構成されていたのに対し、ピンオンリール80のケーシング81は、樹脂製の本体82と蓋部材83とからなる点である。なお、その他の構成についてはピンオンリール60と同様であるので、同様の構成については図6において図5と同様の参照符号を付してその説明を省略する。
【0077】
本変形例においては、本体82と蓋部材83とは、いわゆるインロー嵌合により嵌め合わされている。そして、蓋部材83は、本体82に一体的に形成された位置決め軸63にボルト73を用いて締結されている。なお、本変形例では、摺動部材76がスプール30,52の間に1つだけ配置されているが、図5に示したように、スプール30の外側にも配置することができる。
【0078】
本変形例によれば、ケーシング81を樹脂成形により形成することができるから、蓋部材65を製缶ものにより構成する場合に比べてケーシング81の組立精度を向上させることができる。
【0079】
なお、上記各実施形態およびその変形例では、ピンオンリール10,60,80に装着具12,13を2つ設けた態様を示したが、これに限らず複数の装着具を設けることもできる。また、ピンオンリール10,60,80の用途についても魚釣りに限定されることなく、他のアウトドアスポーツその他の用途に使用することが可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本願発明によれば、複数の小道具を独立して自在に引き出しで使用することができ、使用後は、自動的にケーシング側へ引き戻しておくことができる。特に、魚釣用として使用する場合は、ラインカッターや針外しを独立してライフジャケット等に装着しておくことができ、釣りを円滑に進め楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るピンオンリールの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るピンオンリールの側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るピンオンリールの分解斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るピンオンリールの断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るピンオンリールの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の変形例に係るピンオンリールの断面図である。
【図7】従来のピンオンリールの外観斜視図である。
【符号の説明】
10 ピンオンリール
11 ケーシング
12 装着具
13 装着具
14 筒状部材
15 筒状部材
16 引出糸
17 引出糸
18 スナップ
19 スナップ
21 安全ピン
22 中心軸線
23 中心軸線
24 ワッシャ
25 摺動板
27 小孔
29 支持軸
30 スプール
32 支持部
34 係合孔
35 係合凸部
37 バネ
49 支持軸
52 スプール
53 支持部
60 ピンオンリール
61 ケーシング
63 位置決め軸
64 本体
65 蓋部材
80 ピンオンリール
81 ケーシング
82 本体
83 蓋部材

Claims (2)

  1. ケーシング内で常時巻取方向に回転するように回動付勢されたスプールに引出可能な状態で巻き取られた糸部材と、ケーシング外へ導かれた糸部材の先端に取り付けられた小道具係止用スナップとを有する小道具装着具を備えたピンオンリールにおいて、
    2つの小道具装着具が装備され、
    一方の小道具装着具のスプールの中心を支持する第1支持軸及び他方の小道具装着具のスプールの中心を支持すると共に第1支持軸と係合する第2支持軸を有し、一方の小道具装着具のスプールの回動中心軸線と他方の小道具装着具のスプールの回動中心軸線とをケーシング内で同軸上に配置するための位置決め構造を有することを特徴とするピンオンリール。
  2. 請求項1記載のピンオンリールにおいて、
    上記第1支持軸は、一方の小道具装着具のスプールを支持する一方スプール支持部と、当該一方スプール支持部に設けられた位置決め用凸部とを有し、
    上記第2支持軸は、他方の小道具装着具のスプールを支持する他方スプール支持部と、当該他方スプール支持部に設けられた位置決め用凹部とを有し、
    上記位置決め用凸部と位置決め用凹部とが嵌合されていることを特徴とするピンオンリール。
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