以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に、本発明の塗布方法および塗布装置を適用できる一構成例としての塗布現像処理システムを示す。この塗布現像処理システム10は、クリーンルーム内に設置され、たとえばLCD基板を被処理基板とし、LCD製造プロセスにおいてフォトリソグラフィー工程の中の洗浄、レジスト塗布、プリベーク、現像およびポストベーク等の各処理を行うものである。露光処理は、このシステムに隣接して設置される外部の露光装置12で行われる。
この塗布現像処理システム10は、中心部に横長のプロセスステーション(P/S)16を配置し、その長手方向(X方向)両端部にカセットステーション(C/S)14とインタフェースステーション(I/F)18とを配置している。
カセットステーション(C/S)14は、システム10のカセット搬入出ポートであり、基板Gを多段に積み重ねるようにして複数枚収容可能なカセットCを水平方向たとえばY方向に4個まで並べて載置可能なカセットステージ20と、このステージ20上のカセットCに対して基板Gの出し入れを行う搬送機構22とを備えている。搬送機構22は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム22aを有し、X,Y,Z,θの4軸で動作可能であり、隣接するプロセスステーション(P/S)16側と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
プロセスステーション(P/S)16は、システム長手方向(X方向)に延在する平行かつ逆向きの一対のラインA,Bに各処理部をプロセスフローまたは工程の順に配置している。より詳細には、カセットステーション(C/S)14側からインタフェースステーション(I/F)18側へ向う上流部のプロセスラインAには、洗浄プロセス部24と、第1の熱的処理部26と、塗布プロセス部28と、第2の熱的処理部30とを横一列に配置している。一方、インタフェースステーション(I/F)18側からカセットステーション(C/S)14側へ向う下流部のプロセスラインBには、第2の熱的処理部30と、現像プロセス部32と、脱色プロセス部34と、第3の熱的処理部36とを横一列に配置している。このライン形態では、第2の熱的処理部30が、上流側のプロセスラインAの最後尾に位置するとともに下流側のプロセスラインBの先頭に位置しており、両ラインA,B間に跨っている。
両プロセスラインA,Bの間には補助搬送空間38が設けられており、基板Gを1枚単位で水平に載置可能なシャトル40が図示しない駆動機構によってライン方向(X方向)で双方向に移動できるようになっている。
上流部のプロセスラインAにおいて、洗浄プロセス部24は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42を含んでおり、このスクラバ洗浄ユニット(SCR)42内のカセットステーション(C/S)10と隣接する場所にエキシマUV照射ユニット(e−UV)41を配置している。スクラバ洗浄ユニット(SCR)42内の洗浄部は、LCD基板Gをコロ搬送またはベルト搬送により水平姿勢でラインA方向に搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すようになっている。
洗浄プロセス部24の下流側に隣接する第1の熱的処理部26は、プロセスラインAに沿って中心部に縦型の搬送機構46を設け、その前後両側に複数のユニットを多段に積層配置している。たとえば、図2に示すように、上流側の多段ユニット部(TB)44には、下から順に基板受け渡し用のパスユニット(PASS)50、脱水ベーク用の加熱ユニット(DHP)52,54およびアドヒージョンユニット(AD)56が積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASS)50は、スクラバ洗浄ユニット(SCR)42側と基板Gの受け渡しを行うためのスペースを提供する。また、下流側の多段ユニット部(TB)48には、下から順に基板受け渡し用のパスユニット(PASS)60、冷却ユニット(CL)62,64およびアドヒージョンユニット(AD)66が積み重ねられる。ここで、パスユニット(PASS)60は、塗布プロセス部28側と基板Gの受け渡しを行うためのスペースを提供する。
図2に示すように、搬送機構46は、鉛直方向に延在するガイドレール68に沿って昇降移動可能な昇降搬送体70と、この昇降搬送体70上でθ方向に回転または旋回可能な旋回搬送体72と、この旋回搬送体72上で基板Gを支持しながら前後方向に進退または伸縮可能な搬送アームまたはピンセット74とを有している。昇降搬送体70を昇降駆動するための駆動部76が垂直ガイドレール68の基端側に設けられ、旋回搬送体72を旋回駆動するための駆動部78が昇降搬送体70に取り付けられ、搬送アーム74を進退駆動するための駆動部80が回転搬送体72に取り付けられている。各駆動部76,78,80はたとえば電気モータ等で構成されてよい。
上記のように構成された搬送機構46は、高速に昇降ないし旋回運動して両隣の多段ユニット部(TB)44,48の中の任意のユニットにアクセス可能であり、補助搬送空間38側のシャトル40とも基板Gを受け渡しできるようになっている。
第1の熱的処理部26の下流側に隣接する塗布プロセス部28は、図1に示すように、レジスト塗布ユニット(CT)82、減圧乾燥ユニット(VD)84およびエッジリムーバ・ユニット(ER)86をプロセスラインAに沿って一列に配置している。図示省略するが、塗布プロセス部28内には、これら3つのユニット(CT)82、(VD)84、(ER)86に基板Gを工程順に1枚ずつ搬入・搬出するための搬送装置が設けられており、各ユニット(CT)82、(VD)84、(ER)86内では基板1枚単位で各処理が行われるようになっている。
塗布プロセス部28の下流側に隣接する第2の熱的処理部30は、上記第1の熱的処理部26と同様の構成を有しており、両プロセスラインA,Bの間に縦型の搬送機構90を設け、プロセスラインA側(最後尾)に一方の多段ユニット部(TB)88を設け、プロセスラインB側(先頭)に他方の多段ユニット部(TB)92を設けている。
図示省略するが、たとえば、プロセスラインA側の多段ユニット部(TB)88には、最下段に基板受け渡し用のパスユニット(PASS)が置かれ、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば3段積み重ねられてよい。また、プロセスラインB側の多段ユニット部(TB)92には、最下段に基板受け渡し用のパスユニット(PASS)が置かれ、その上に冷却ユニット(COL)がたとえば1段重ねられ、その上にプリベーク用の加熱ユニット(PREBAKE)がたとえば2段積み重ねられてよい。
第2の熱的処理部30における搬送機構90は、両多段ユニット部(TB)88,92のそれぞれのパスユニット(PASS)を介して塗布プロセス部28および現像プロセス部32と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40や後述するインタフェースステーション(I/F)18とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
下流部のプロセスラインBにおいて、現像プロセス部32は、基板Gを水平姿勢で搬送しながら一連の現像処理工程を行う、いわゆる平流し方式の現像ユニット(DEV)94を含んでいる。
現像プロセス部32の下流側には脱色プロセス部34を挟んで第3の熱的処理部36が配置される。脱色プロセス部34は、基板Gの被処理面にi線(波長365nm)を照射して脱色処理を行うためのi線UV照射ユニット(i−UV)96を備えている。
第3の熱的処理部36は、上記第1の熱的処理部26や第2の熱的処理部30と同様の構成を有しており、プロセスラインBに沿って縦型の搬送機構100とその前後両側に一対の多段ユニット部(TB)98,102を設けている。
図示省略するが、たとえば、上流側の多段ユニット部(TB)98には、最下段にパスユニット(PASS)が置かれ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)がたとえば3段積み重ねられてよい。また、下流側の多段ユニット部(TB)102には、最下段にポストベーキング・ユニット(POBAKE)が置かれ、その上に基板受け渡しおよび冷却用のパス・クーリングユニット(PASS・COL)が1段重ねられ、その上にポストベーキング用の加熱ユニット(POBAKE)が2段積み重ねられてよい。
第3の熱的処理部36における搬送機構100は、両多段ユニット部(TB)98,102のパスユニット(PASS)およびパス・クーリングユニット(PASS・COL)を介してそれぞれi線UV照射ユニット(i−UV)96およびカセットステーション(C/S)14と基板Gを1枚単位で受け渡しできるだけでなく、補助搬送空間38内のシャトル40とも基板Gを1枚単位で受け渡しできるようになっている。
インタフェースステーション(I/F)18は、隣接する露光装置12と基板Gのやりとりを行うための搬送装置104を有し、その周囲にバッファ・ステージ(BUF)106、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108および周辺装置110を配置している。バッファ・ステージ(BUF)106には定置型のバッファカセット(図示せず)が置かれる。エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108は、冷却機能を備えた基板受け渡し用のステージであり、プロセスステーション(P/S)16側と基板Gをやりとりする際に用いられる。周辺装置110は、たとえばタイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とを上下に積み重ねた構成であってよい。搬送装置104は、基板Gを保持できる手段たとえば搬送アーム104aを有し、隣接する露光装置12や各ユニット(BUF)106、(EXT・COL)108、(TITLER/EE)110と基板Gの受け渡しを行えるようになっている。
図3に、この塗布現像処理システムにおける処理の手順を示す。先ず、カセットステーション(C/S)14において、搬送機構22が、ステージ20上の所定のカセットCの中から1つの基板Gを取り出し、プロセスステーション(P/S)16の洗浄プロセス部24のエキシマUV照射ユニット(e−UV)41に搬入する(ステップS1)。
エキシマUV照射ユニット(e−UV)41内で基板Gは紫外線照射による乾式洗浄を施される(ステップS2)。この紫外線洗浄では主として基板表面の有機物が除去される。紫外線洗浄の終了後に、基板Gは、図示しないコロ搬送またはベルト搬送によって洗浄プロセス部24のスクラバ洗浄ユニット(SCR)42へ移される。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42では、上記したように基板Gをコロ搬送またはベルト搬送により水平姿勢でプロセスラインA方向に平流しで搬送しながら基板Gの上面(被処理面)にブラッシング洗浄やブロー洗浄を施すことにより、基板表面から粒子状の汚れを除去する(ステップS3)。そして、洗浄後も基板Gを平流しで搬送しながらリンス処理を施し、最後にエアーナイフ等を用いて基板Gを乾燥させる。
スクラバ洗浄ユニット(SCR)42内で洗浄処理の済んだ基板Gは、第1の熱的処理部26の上流側多段ユニット部(TB)44内のパスユニット(PASS)50に搬入される。
第1の熱的処理部26において、基板Gは搬送機構46により所定のシーケンスで所定のユニットに順次搬送される。たとえば、基板Gは、最初にパスユニット(PASS)50から加熱ユニット(DHP)52,54の1つに移され、そこで脱水処理を受ける(ステップS4)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)62,64の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS5)。しかる後、基板Gはアドヒージョンユニット(AD)56に移され、そこで疎水化処理を受ける(ステップS6)。この疎水化処理の終了後に、基板Gは冷却ユニット(COL)62,64の1つで一定の基板温度まで冷却される(ステップS7)。最後に、基板Gは下流側多段ユニット部(TB)48に属するパスユニット(PASS)60に移される。
このように、第1の熱的処理部26内では、基板Gが、搬送機構46を介して上流側の多段ユニット部(TB)44と下流側の多段ユニット部(TB)48との間で任意に行き来できるようになっている。なお、第2および第3の熱的処理部30,36でも同様の基板搬送動作を行えるようになっている。
第1の熱的処理部26で上記のような一連の熱的または熱系の処理を受けた基板Gは、下流側多段ユニット部(TB)48内のパスユニット(PASS)60から下流側隣の塗布プロセス部28のレジスト塗布ユニット(CT)82へ移される。
基板Gはレジスト塗布ユニット(CT)82でたとえばスピンコート法により基板上面(被処理面)にレジスト液を塗布され、直後に下流側隣の減圧乾燥ユニット(VD)84で減圧による乾燥処理を受け、次いで下流側隣のエッジリムーバ・ユニット(ER)86で基板周縁部の余分(不要)なレジストを取り除かれる(ステップS8)。
上記のようなレジスト塗布処理を受けた基板Gは、エッジリムーバ・ユニット(ER)86から隣の第2の熱的処理部30の上流側多段ユニット部(TB)88に属するパスユニット(PASS)に受け渡される。
第2の熱的処理部30内で、基板Gは、搬送機構90により所定のシーケンスで所定のユニットに順次搬送される。たとえば、基板Gは、最初に該パスユニット(PASS)から加熱ユニット(PREBAKE)の1つに移され、そこでレジスト塗布後のベーキングを受ける(ステップS9)。次に、基板Gは、冷却ユニット(COL)の1つに移され、そこで一定の基板温度まで冷却される(ステップS10)。しかる後、基板Gは下流側多段ユニット部(TB)92側のパスユニット(PASS)を経由して、あるいは経由せずにインタフェースステーション(I/F)18側のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108へ受け渡される。
インタフェースステーション(I/F)18において、基板Gは、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108から周辺装置110の周辺露光装置(EE)に搬入され、そこで基板Gの周辺部に付着するレジストを現像時に除去するための露光を受けた後に、隣の露光装置12へ送られる(ステップS11)。
露光装置12では基板G上のレジストに所定の回路パターンが露光される。そして、パターン露光を終えた基板Gは、露光装置12からインタフェースステーション(I/F)18に戻されると(ステップS11)、先ず周辺装置110のタイトラー(TITLRER)に搬入され、そこで基板上の所定の部位に所定の情報が記される(ステップS12)。しかる後、基板Gはエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108に戻される。インタフェースステーション(I/F)18における基板Gの搬送および露光装置12との基板Gのやりとりは搬送装置104によって行われる。
プロセスステーション(P/S)16では、第2の熱的処理部30において搬送機構90がエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)108より露光済の基板Gを受け取り、プロセスラインB側の多段ユニット部(TB)92内のパスユニット(PASS)を介して現像プロセス部32へ受け渡す。
現像プロセス部32では、該多段ユニット部(TB)92内のパスユニット(PASS)から受け取った基板Gを現像ユニット(DEV)94に搬入する。現像ユニット(DEV)94において基板GはプロセスラインBの下流に向って平流し方式で搬送され、その搬送中に現像、リンス、乾燥の一連の現像処理工程が行われる(ステップS13)。
現像プロセス部32で現像処理を受けた基板Gは下流側隣の脱色プロセス部34へ搬入され、そこでi線照射による脱色処理を受ける(ステップS14)。脱色処理の済んだ基板Gは、第3の熱的処理部36の上流側多段ユニット部(TB)98内のパスユニット(PASS)に受け渡される。
第3の熱的処理部(TB)98において、基板Gは、最初に該パスユニット(PASS)から加熱ユニット(POBAKE)の1つに移され、そこでポストベーキングを受ける(ステップS15)。次に、基板Gは、下流側多段ユニット部(TB)102内のパスクーリング・ユニット(PASS・COL)に移され、そこで所定の基板温度に冷却される(ステップS16)。第3の熱的処理部36における基板Gの搬送は搬送機構100によって行われる。
カセットステーション(C/S)14側では、搬送機構22が、第3の熱的処理部36のパスクーリング・ユニット(PASS・COL)から塗布現像処理の全工程を終えた基板Gを受け取り、受け取った基板Gをいずれか1つのカセットCに収容する(ステップS1)。
この塗布現像処理システム10においては、塗布プロセス部28のレジスト塗布ユニット(CT)82に本発明を適用することができる。以下、図4〜図23を参照して本発明をレジスト塗布ユニット(CT)82に適用した実施形態を説明する。
図4および図5に、塗布プロセス部28におけるレジスト塗布ユニット(CT)82、減圧乾燥ユニット(VD)84およびエッジリムーバ・ユニット(ER)86の要部の構成を示す。
これらの塗布系処理ユニット群(CT)82、(VD)84、(ER)86は支持台112の上に処理工程の順序にしたがって横一列に配置されている。支持台112の両側に敷設された一対のガイドレール114,114に沿って移動する一組または複数組の搬送アーム116,116により、ユニット間で基板Gを直接やりとりできるようになっている。
減圧乾燥ユニット(VD)84は、上面が開口しているトレーまたは底浅容器型の下部チャンバ118と、この下部チャンバ118の上面に気密に密着または嵌合可能に構成された蓋状の上部チャンバ120とを有している。下部チャンバ118はほぼ四角形で、中心部には基板Gを水平に載置して支持するためのステージ122が配設され、底面の四隅には排気口126が設けられている。下部チャンバ118の下から各排気口126に接続する排気管128は真空ポンプ(図示せず)に通じている。下部チャンバ118に上部チャンバ120を被せた状態で、両チャンバ118,120内の処理空間を該真空ポンプにより所定の真空度まで減圧できるようになっている。
エッジリムーバ・ユニット(ER)86には、基板Gを水平に載置して支持するステージ130と、基板Gを相対向する一対の角隅部にて位置決めするアライメント手段132と、基板Gの四辺の周縁部(エッジ)から余分なレジストを除去する4個のリムーバヘッド134等が設けられている。アライメント手段132がステージ130上の基板Gを位置決めした状態で、各リムーバヘッド134が基板Gの各辺に沿って移動しながら、基板各辺の周縁部に付着している余分なレジストをシンナーで溶解して除去するようになっている。
レジスト塗布ユニット(CT)82は、上面が開口しているカップ状の処理容器136と、この処理容器136内で基板Gを水平に載置して保持するための昇降可能なステージ138と、このステージ138を昇降させるために処理容器136の下に設けられた昇降駆動部140と、ステージ138上の基板Gに対してレジスト液を吐出するレジストノズル154(図6)をXY方向で駆動する走査機構144と、各部を制御するコントローラ(図示せず)とを有している。
図6に、走査機構144の構成を示す。このノズル走査機構144では、Y方向に延びる一対のYガイドレール146,146が処理容器136(図6では図示省略)の両側に配置されるとともに、両Yガイドレール146,146の間にX方向に延在するXガイドレール148がY方向に移動可能に架け渡されている。所定位置たとえば両Yガイドレール146,146の一端に配置されたY方向駆動部150,150が,無端ベルト等の伝動機構(図示せず)を介してXガイドレール148を両Yガイドレール146,146に沿ってY方向に直進駆動するようになっている。また、Xガイドレール148に沿ってX方向にたとえば自走式または外部駆動式で移動できるキャリッジ(搬送体)152が設けられており、このキャリッジ152にレジストノズル154が取り付けられている。
レジストノズル154は、図7に示すように、たとえばステンレス鋼(SUS)からなり、レジスト液供給管156の終端部よりレジスト液を導入するための導入通路154aと、導入したレジスト液をいったん溜めるバッファ室154bと、バッファ室154bの底より垂直下方に延在する1個または複数個のトンネル型(A)または溝型(B)のノズル吐出流路154cと、各ノズル吐出流路154cの終端に設けられた孔型(A)またはスリット型(B)の吐出口154dとを有している。吐出口154dの口径またはスリット幅Dは微細径で、たとえば100μm程度に選ばれている。図6に示すように、レジストノズル154は、ノズル長手方向または吐出口配列方向をX方向に合わせてキャリッジ152に固定取付される。
キャリッジ152には、可動の支持アーム158を介して超音波照射部160も取り付けられている。この超音波照射部160は、超音波振動子およびこの振動子を駆動する高周波電源部を本体に内蔵し、この本体の下部に該振動子に接続された超音波ホーン160aを有しており、該振動子の発生する超音波を超音波ホーン160aより基板Gに向けて大気中に放射するように構成されている。超音波ホーン160aは、たとえばアルミニウム合金やチタン合金等の材質からなり、円錐型等の形体を有してよい。キャリッジ152における超音波照射部160の取付または配置位置は、レジストノズル154の一端部、より正確には吐出口154dの一端部に近接する位置に設定されてよい。この実施形態では、キャリッジ152に内蔵されているアーム駆動機構によりアーム158を垂直軸の回りに回動させて超音波照射部160をY方向においてレジストノズル154の両側の位置に切り換えて配置できるようになっている。
次に、図8〜図13につきこの実施形態のレジスト塗布ユニット(CT)82における作用を説明する。
先ず、第1の熱的処理部26の下流側多段ユニット部(TB)内のパスユニット(PASS)60(図1および図2)より塗布処理前の基板Gがレジスト塗布ユニット(CT)82に搬入される。レジスト塗布ユニット(CT)82では、昇降駆動部140によりステージ138が処理容器136の上面開口から上に出る位置まで持ち上げられ、図示しない搬送アームにより基板Gがステージ138上に移載される。ステージ138の上面には、基板Gを保持するために、たとえばバキューム式の吸着手段(図示せず)が設けられてもよい。
ステージ138上に基板Gが載置されると、次に昇降駆動部140によりステージ138が処理容器136内の所定位置まで降ろされ、その位置で基板Gに対するレジスト塗布処理が実行される。
このレジスト塗布処理では、レジストノズル154がレジスト液供給部(図示せず)よりレジスト供給管156を介してレジスト液の供給を受けてレジスト液を所定の圧力および流量で基板Gに向けて吐出すると同時に、走査機構144がレジストノズル154をXY方向で縦横に移動させることにより、基板G上に所望の膜厚で一面のレジスト液膜を形成する。より詳細には、図8、図10および図13に示すように、基板Gの被処理面をX方向において一定間隔で複数たとえば3つの走査線または走査領域に分割し、レジストノズル154に1回のY方向走査で1つの領域にレジスト液を所望の膜厚で線状または帯状に塗布し、複数回(3回)のY方向走査により基板G上の線状または帯状液膜を線幅または帯幅方向につなぎ合わせて基板G上に上記膜厚で一面のレジスト液膜を形成する。
図8において、1回目のY方向走査では、基板G上の第1走査領域に対してレジストノズル154をノズル長手方向と垂直な方向(Y方向)に一端(左端)から他端(右端)までレジスト液を吐出させながら直進移動させ、第1走査領域にレジスト液を帯状に塗布する。一方、超音波照射部160はオフ状態のまま、つまり超音波を放射することなく基板Gの一端縁に沿ってレジストノズル154と一体に移動する。レジストノズル154に対する超音波照射部160の位置は任意に設定されてよい。
上記のような1回目のY方向走査を終えてレジストノズル154が基板Gの右端より外に出ると、図9に示すように、レジストノズル154をノズル長手方向(X方向)に所定のピッチだけ移動させて基板G上の第2走査領域に位置合わせする。また、その間に、超音波照射部160を次(2回目)のY方向走査においてレジストノズル154の後方で、かつ第1走査領域と第2走査領域との境界付近にアライメントするように配置位置を調整する。なお、基板Gの外ではレジスト液の吐出を止めてもよく、止めなくてもよい。
次いで、図10に示すように、2回目のY方向走査を実行する。このY方向走査では、基板Gの中間部の領域に対してレジストノズル154をノズル長手方向と垂直な方向(Y方向)に一端(右端)から他端(左端)までレジスト液を吐出させながら直進移動させ、第2走査領域にレジスト液を帯状に塗布する。この際、第2走査領域に形成される帯状のレジスト液膜R(2)と先に隣の第1走査領域に形成されている帯状レジスト液膜R(1)との境界またはつなぎ目Eには不可避的に平らでない部分つまり凸凹(でこぼこ)が生じ、この凸凹が境界に沿って延びると筋状の塗布むらになる。
この実施形態では、図10および図11に示すように、レジストノズル154の直ぐ後で超音波照射部160をオン状態で、つまり両帯状レジスト液膜R(1),R(2)の境界E付近に向けて超音波を放射させながらレジストノズル154と一体に移動させる。この超音波照射部160の超音波照射走査により、両帯状レジスト液膜R(1),R(2)の境界E付近では、超音波のエネルギーでレジスト液が低粘度化ないし流動化して、図12に示すように液膜表面が基板面と平行な方向(水平方向)に均され、凸凹が除去される。また、液膜表面側(基板被処理面側)から超音波を直接照射するので、レジスト液膜が低粘度化ないし流動化した部位にさらに音圧(圧力)も直接加えられることとなり、凸凹をより一層平坦化することが可能である。このため、両帯状レジスト液膜R(1),R(2)の境界Eに沿って筋状の塗布むらが生じることがなく、たとえ発生または残存しても問題にならないほど小さいものに抑制される。なお、超音波は空気中では減衰しやすいため、超音波照射部160の先端(超音波放射口)をレジスト液膜表面に可及的に近づけてよく、1mm〜5mmの範囲内に近づけるのが好ましい。
上記のような2回目のY方向走査を終えたなら、基板Gの左端より外のエリアで前回(1回目終了時)と同様にしてレジストノズル154をノズル長手方向(X方向)に所定のピッチだけ移動させ、走査位置を基板Gの第3走査領域に移す。また、その間に、次(3回目)のY方向走査においてレジストノズル154の後方で、かつ第2走査領域と第3走査領域の境界付近にアライメントするように超音波照射部160の配置位置を切換または調整しておく。
図13に示すように、3回目のY方向走査では、基板G上の第3走査領域に対してレジストノズル154をノズル長手方向と垂直な方向(Y方向)に一端(左端)から他端(右端)までレジスト液を吐出させながら直進移動させ、第3走査領域にレジスト液を帯状に塗布する。この際にも、第3走査領域に形成される帯状レジスト液膜R(3)と先に第2走査領域に形成されている帯状レジスト液膜R(2)との境界E付近に生じる凸凹は、超音波照射部160からの超音波照射により上記と同様の作用で効果的に除去される。これにより、両帯状レジスト液膜R(2),R(3)の境界Eに沿って筋状の塗布むらが発生するのを防止ないし抑制することができる。
上記のようにして3回目のY方向走査が行われると、レジスト塗布処理が完了し、基板G上には所望の膜厚で平坦なレジスト液の塗布膜が一面に形成される。レジスト塗布処理の終了後に、レジストノズル154および超音波照射部160は処理容器136の外へ退避する。処理容器136の中では、基板Gを搬出するため、昇降駆動部140がステージ138を処理容器136の上面開口から上に出る位置まで上昇させる。直後に、搬送アーム116,116が基板Gをステージ138から受け取り、隣接する減圧乾燥ユニット(VD)84へ移送する。
この実施形態では、キャリッジ152にレジストノズル154と超音波照射部160を取り付け、超音波照射部160をレジストノズル154の後に付けて一緒に走査移動を行うように構成しているので、一つの走査機構144をレジストノズル154と超音波照射部160に共用できるという格別の利点がある。しかし、走査手段の煩雑化を伴なうことは避けられないが、レジストノズル154用の走査機構から独立した別個の走査機構(図示せず)を用いて、図14に示すように、超音波照射部160を基板G上の相隣接する帯状レジスト液膜R(i),R(i+1)の境界E付近をトレースするように単独で走査移動させる方法または構成も可能である。また、図示省略するが、超音波照射部を基板Gの裏面に近接または接触させて基板裏側から基板上の帯状レジスト液膜境界E付近に局所的に超音波エネルギーを与える方式も可能である。
また、図示省略するが、複数の超音波照射部160を並列たとえば一列に配置してライン型超音波照射部を構成し、このライン型超音波照射部からの水平ライン上に分布する超音波を基板G上の帯状レジスト液膜境界E付近に照射して、ライン状の凸凹を一括平坦化する方式も可能である。かかるライン型超音波照射方式においても、基板上の超音波照射位置を任意に走査できるように、適当な走査機構を用いてライン型超音波照射部を移動させるようにしてよい。
この実施形態において、超音波照射部160の代わりに、たとえば図15に示すような加熱用のランプユニット162を使用してもよい。このランプユニット162は、下端の開口した筒状ケーシング164内に加熱用光源たとえばハロゲンランプ166と反射鏡168を下向きに取り付け、ハロゲンランプ166より放射された光LBを集光レンズ170を通して下端開口部(出射口)164aよりワーク位置に向けて、つまり基板G上の相隣接する帯状レジスト液膜R(i),R(i+1)の境界E近傍に向けて照射する。このようなランプ加熱法によっても、帯状レジスト液膜境界E付近においてレジスト液の粘度を下げて流動性を活性化し、凸凹を均してレジスト液膜の表面を平坦化することができる。なお、加熱用光源としては、たとえば赤外線を放射する赤外線ランプ等も使用可能である。
また、たとえば図16に示すように、ランプユニット162を基板Gの一端から他端までカバーするような横長の長尺型に構成し、基板G上の帯状レジスト液膜境界E付近に加熱用光線LBを一括的に同時(並列)照射する方式も可能である。この方式では、X方向の送り機構(図示せず)によりユニット支持部材172を介してランプユニット162を各帯状レジスト液膜境界E付近にアライメントさせるようにX方向にステップ移送および位置合わせしてよい。
上記実施形態では、基板Gをステージ138上に固定して、レジストノズル154や超音波照射部160(またはランプユニット162)を走査移動させる構成としている。しかし、基板G側を移動させる走査方式も可能である。
上記実施形態の超音波照射法において、超音波照射部160からの超音波に共鳴して振動する共鳴部材を設け、該共鳴部材より放射または反射される超音波を基板G上のレジスト液膜の平坦化に利用する方式も効果的である。以下、図17〜図22につきこの超音波共鳴方式を説明する。
図17に、上記超音波共鳴方式における保持部および共鳴部材の構成例を示す。図示の保持部180は、基板Gより一回り大きなサイズを有する略同形状の保持プレートとして構成され、たとえば上記レジスト塗布ユニット(CT)82の処理容器136内に配置される。この保持プレート180の上面には、基板Gを水平に載置するために、基板Gの下面に当接する複数本の支持ピン182と、基板Gの四隅の側面に当接する複数本の位置決めピン184とが設けられている。
さらに、この保持プレート180には、長尺状の共鳴部材186が複数箇所に取り付けられている。より詳細には、基板G上の超音波照射走査ラインの真下に位置する保持プレート180の部位にライン状の溝188が形成され、この溝188の中に長尺状の共鳴部材186が配置されている。共鳴部材186は、たとえば保持プレート180と同じ材質(たとえば金属、樹脂等)で一体成形されており、共振時のノード(節部)となる位置で支持部190によって保持プレート180に支持されている。
図18に示すように、基板G上で隣り合う両帯状レジスト膜R(1),R(2)の境界付近に向けて上方の超音波照射部160より超音波を放射するとき、両帯状レジスト膜R(1),R(2)の境界部分に入射した超音波の一部はそこで吸収され、他の一部は基板Gを透過して下方または基板裏側の共鳴部材186に入射する。超音波照射部160より照射される超音波の周波数を共鳴部材186の共振振動数にマッチングさせることで、共鳴部材186を共鳴または共振させることができる。この共鳴部材186の共振によって発生された二次的な超音波は、いわば反射波として基板G側に放射される。これによって、両帯状レジスト膜R(1),R(2)の境界部に上下両方向から超音波エネルギーを供給し、凸凹の除去または平坦化を一層効果的に行うことができる。また、このような共鳴部材186の超音波反射機能により、超音波の利用効率またはエネルギー効率を向上させることができる。
なお、超音波照射部160は、上記のようなライン型超音波照射部であってもよい。また、共鳴部材186は、保持プレート180と一体形成される代わりに、別個独立に形成された部品として保持プレート180に取付されるものでもよい。共鳴部材186の構成やレイアウト等も種々の変形が可能であり、たとえば図19および図20に示すような構成も可能である。
図19の構成は、保持プレート180上の共鳴部材186の配列方向を図17と直交させたものである。共鳴部材186の個数や配列ピッチ等も、図示のように任意に選択できる。
図20の構成は、点状またはセル型の共鳴部材200を保持プレート180上でマトリクス状に多数配置したものである。このマトリクス方式によれば、基板G上の任意の位置でレジスト液膜に凸凹が生じても、各位置の凸凹に対して基板Gの上下両方向から超音波を照射して適応的な平坦化を施すことができる。
図21および図22に、上記のような共鳴部材186(または共鳴部材200)の共鳴機能を最適化するための構成例を示す。
図21の構成例は、共鳴部材186を共振状態で振動させるために、基板Gの上面と超音波照射部160との距離間隔を調整できる構成としている。より詳細には、超音波照射部160をアクチエータたとえばリニアモータ202によって昇降移動可能に構成する。リニアモータ202は、たとえば上記キャリッジ152(図6)に取付されてよく、コントローラ204の制御の下で超音波照射部160を昇降移動させる。
一方、共鳴部材186の近傍に共鳴部材186の振動を検出して電気信号に変換する振動検出器またはセンサ206を配置し、このセンサ206の出力信号から測定回路208で共鳴部材186の振動を表すパラメータを測定する。この振動パラメータとしては、たとえば振動振幅や振動数を選ぶことができる。振動検出用のセンサ206は、たとえば共鳴部材186の振動を音波として検出する受波器で構成されてよく、あるいはコンデンサやコイルを用いて静電容量変化または渦電流として検出する方式のものでも可能である。測定回路208は、増幅回路や各パラメータに応じた信号処理回路または演算回路で構成されてよい。制御部210は、測定回路208より得られるパラメータ測定値(振動振幅測定値、振動数測定値)に基づいてコントローラ204およびリニアモータ202を通じて超音波照射部160の高さ位置つまり基板Gの上面との距離間隔を可変制御する。たとえば、共鳴部材186の振動振幅を振動パラメータとするときは、振動振幅測定値を極大値の振動振幅に合わせるように距離間隔を調整すればよい。共鳴部材186の振動数を振動パラメータとするときは、共鳴部材186の固有振動数または共振振動数を基準値としてメモリにセットしておき、振動数測定値を基準値に合わせるように距離間隔を調整すればよい。
図22の構成例は、共鳴部材186を共振状態で振動させるために、超音波照射部160より放射される超音波の周波数を調整できる構成としている。より詳細には、超音波照射部160内で生成する超音波の周波数を可変制御できるようにする。たとえば、振動子を駆動する高周波電源部の発振回路を電圧制御発振回路で構成し、外部の振動数コントローラ212より該電圧制御発振回路に電圧制御信号を与えるようにする。制御部210は、測定回路208より得られるパラメータ測定値(振動振幅測定値、振動数測定値)に基づいて振動数コントローラ212を通じて超音波照射部160の放射する超音波の振動数を可変制御できる。すなわち、共鳴部材186の振動振幅を振動パラメータとするときは、振動振幅測定値を極大値の振動振幅に合わせるように超音波の周波数を調整すればよい。共鳴部材186の振動数を振動パラメータとするときは、振動数測定値を基準値(共振振動数)に合わせるように超音波の周波数を調整すればよい。
上記の構成例(図21,図22)においては、自動制御により共鳴部材186を確実に共振状態で振動させることが可能であり、基板の大型化に有利に対応できる。すなわち、基板の大型化に伴なってレジスト塗布ユニット(CT)82内の各部(処理容器136、走査機構144等)も大型化するため、作業員による手動調整は難しくなる。上記のような自動調整機構によれば、大型化に左右されることなく、超音波照射部160の調整(特に図21の距離間隔調整)を精細かつ容易に行うことができる。しかも、超音波照射走査中のリアルタイムな調整も可能である。
上記のように超音波照射部160側の調整機能により共鳴部材186における共鳴特性の選択幅または自由度を大きくすることができる。図示省略するが、同一の保持プレート180上に共鳴特性の異なる複数の共鳴部材を配置し、超音波照射部160側の調整またはチューニング機能によりそれら複数の共鳴部材の一部のみを選択的に共鳴させることも可能である。
別の構成例として、超音波照射部160に代えてランプユニット162(図15、図16)を用いる場合は、図示省略するが、上記共鳴部材186(200)に代えてランプユニット162からの光を反射する光反射体を保持プレート180上に設けることもできる。かかる光反射体は全反射型のものが好ましく、基板Gを透過したランプ光を受光して基板G側に反射して、基板G上のレジスト液膜を背後(下方)からも加熱する。これによって、ランプ加熱法における光エネルギーの利用効率を高めることができる。
また、超音波照射体160とランプユニット162とを併設し、両者を選択的に使用する形態も可能である。たとえば、多層レジスト法において、基板G上の多層レジスト膜の膜厚をパラメータとして、膜厚が設定値よりも大きい場合は超音波照射体160を使用し、膜厚が設定値よりも小さい場合はランプユニット162を使用することもできる。一般に、超音波は、光(可視光だけでなく赤外線も含む)に比べて多層膜中の減衰が少ないため、膜厚の大きな多層膜には有利である。逆に、薄い多層膜では、ランプユニット162および光反射体を用いる光照射の加熱によりレジストの粘度を低下させ、凸凹を効率よく平坦化することができる。
図23に、本発明の超音波照射法における照射角度に関する一実施例を示す。この実施例では、超音波照射体160が、基板G上のレジスト液膜の凸凹に向けて、凸凹の垂直上方より斜めに傾いた方角より超音波を照射するようにしている。より詳細には、図示のように、基板Gの垂線に対してたとえばθ=20゜〜80゜の角度で超音波が照射されるように、超音波照射体160をキャリッジ152に支持アーム214を介して斜めに取り付ける。好ましくは、超音波照射体160より放射された超音波がレジスト液膜の隆起部の斜面Dに垂直またはそれに近い角度で当たるように、たとえば隆起部の斜面Dに超音波照射体160の先端面をほぼ平行に合わせるようにしてよい。支持アーム214を回転可能なアクチエータで構成して、超音波照射体160の向きを可変調整できるようにしてもよい。このように、超音波照射体160からの超音波を基板G上のレジスト液膜の凸凹、特に隆起部の斜面Dに対してほぼ垂直に当てることで、凸凹の平坦化を一層効果的に行うことができる。
上記した実施形態は、基板G上にレジスト液を線状または帯状に塗布し、基板上で隣り合う線状または帯状塗布膜の境界付近に生じるライン状の凸凹を平坦化するものであつた。しかしながら、本発明による塗布膜平坦化技術は、そのようなライン状の凸凹を平坦化する場面に限定されるものではなく、塗布膜上に任意のパターンで生じる任意の形状の凸凹(平らでない部分)を平坦化する場面に適用可能である。また、公知の膜厚測定技術を用いて基板上のレジスト膜の凸凹(特に隆起部)を検出することも可能である。また、平坦化のためにレジスト膜に与えるエネルギーとしては、超音波や光以外にも、たとえば電子線等も使用可能である。
上記した実施形態はLCD製造の塗布現像処理システムにおけるレジスト塗布方法および装置に係るものであったが、本発明は被処理基板上に塗布液を供給する任意のアプリケーションに適用可能である。本発明における塗布液としては、レジスト液以外にも、たとえば層間絶縁材料、誘電体材料、配線材料等の液体も可能である。本発明における被処理基板はLCD基板に限らず、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。