JP4337996B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の図柄からなる図柄群を変動または停止して表示する複数の変動領域を有する表示部を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やアレンジボール機等のような遊技機の多くは、遊技球が所定領域に入賞したり通過すると、表示部に相当する図柄表示器において複数の変動領域で図柄群を変動させ始める。例えば三つの変動領域の場合では、左側,中側,右側にそれぞれ図柄群を特別図柄(以下「左図柄」,「中特柄」,「右図柄」と呼ぶ。)として変動させ始める。このような図柄の変動状態を「図柄変動」と呼ぶ。なお上記所定領域としては、例えばゲートや始動口等が該当する。
そして、図柄変動を始めてからしばらくした後、例えば左図柄と右図柄を停止するが、中図柄は変動し続ける。もし、停止した左図柄と右図柄とが同じ図柄ならば、「リーチ」として静止画やアニメーション等の動画を表示したり、中図柄の変動速度を変化させる等のような表示を行う。このようにリーチに達したときの左図柄と右図柄の組み合わせを「リーチ図柄」と呼び、当該リーチに達してから図柄表示器で行う図柄変動等の表示パターンを「リーチパターン」と呼ぶ。なお、当該リーチパターンは、大当たりが確定した後に行うリーチパターンを除くものとする。
【0003】
一台の遊技機ではリーチパターンを複数用意しており、リーチに達するといずれかのリーチパターンを行う。当該リーチパターンを終えると変動し続けている図柄(上述した例では中図柄)を停止し、図柄表示器には全ての特別図柄を停止して表示する。最終的に停止して表示された特別図柄の組み合わせで遊技者は「大当たり」か「はずれ」かが分かり、さらにはどの特別図柄の組み合わせで「大当たり」になるかによって得られるであろう特典を予測できる。
従来の遊技機では、例えばリーチ図柄を変更せずに中図柄を複数回だけ一時的に停止し、その後に中図柄を停止させるリーチパターンがある。当該リーチパターンでは、最終的に停止して表示される特別図柄の組み合わせによって得られる特典を予測することができ、当該特典を得るチャンスが複数回あることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の遊技機におけるリーチパターンでは、図柄群を変動する変動領域は三つで固定され遊技中に数が変化することがなく、しかもリーチ後は一の変動領域のみで図柄群を変動する。そのため、遊技者が特典としての「大当たり」を期待する中図柄は左図柄,右図柄との関係で極めて限定されてしまう。例えば変動後に停止した表示された特別図柄の組み合わせが「777」のときに遊技者に特典を与える遊技機では、左図柄と右図柄が「77」でリーチになり、特典を得るためには中図柄は「7」で停止しなければならない。したがって、リーチに達した後でも「大当たり」を期待する期待感はそれほど高まらなかった。
このことはリーチに達する前でも同様である。上記の例では左図柄が「7」で停止したときに、リーチに達するためには右図柄が「7」で停止しなければならない。したがって、図柄が停止しても「リーチ」を期待する期待感はそれほど高まらなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、中図柄等として確定し得る図柄の数を増やしてリーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段1】
課題を解決するための手段1は、請求項1に記載した通りである。
ここで、請求項1に記載した用語については以下のように解釈する。これらの解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
(1)「特定図柄の組み合わせ」は予め設定した図柄の組み合わせに限らず、遊技機の種類や遊技状態等に応じて変化し得る図柄の組み合わせをも含む。このことは「所定図柄」についても同様である。
(2)「第1グループ」と「第2グループ」には、それぞれ少なくとも一つの変動領域を有する。「複数の変動領域」を三つの変動領域とする例では、二つの変動領域を第1グループに区分し、残りの一つの変動領域を第2グループに区分するか、あるいはその逆の態様で区分する。また、いずれかのグループに区分した変動領域は固定してもよく、遊技機の種類や遊技状態等に応じて変えてもよい。
【0006】
当該手段1によれば、複数の変動領域は第1グループと第2グループとに区分される。そして、第1グループの変動領域に第1図柄が所定図柄で停止すると、第2グループに属する変動領域の数を増やす。その後、第2グループに属する変動領域に停止した図柄のうち、いずれかの図柄を第2図柄として選択する。こうして選択した第2図柄と既に停止した第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える。第1図柄との組み合わせでは、第2グループに属する変動領域のいずれかに特定図柄の組み合わせになる図柄が停止すると、当該図柄が第2図柄として選択される可能性がある。したがって、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やしたので、特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。またさらに、第2グループに属するそれぞれの変動領域で変動する図柄群は、変動領域の数を増やす前に変動表示していた図柄群を分配して構成する。こうすれば、第2グループに属する変動領域の数が多くなるにつれて、一の図柄群を構成する図柄の数も少なくなる。そのため、第1図柄との組み合わせでは、所定図柄の組み合わせまたは特定図柄の組み合わせとなり得る図柄が第2グループに属するいずれか変動領域に停止する可能性が高まり、第2図柄として選択され得る。したがって、所定図柄の組み合わせ特定図柄の組み合わせとなり得る第2図柄の可能性が高まるので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感をより高めることができる。
【0007】
【課題を解決するための手段2】
課題を解決するための手段2は、請求項2に記載した通りである。
ここで、請求項2に記載した用語については以下のように解釈する。これらの解釈は他の請求項および発明の詳細な説明についても同様である。
(1)「表示部」は一つの図柄表示器のみならず、複数の図柄表示器をも含む。そのため、「複数の変動領域を有する」という場合には、一つの図柄表示器で複数の変動領域を有する態様と、複数の図柄表示器について複数の変動領域を任意に振り分ける態様とがある。
(2)「第1グループ」または「第2グループ」に区分した変動領域は固定してもよく、遊技機の種類や遊技状態等に応じて変えてもよい。
(3)「停止」には完全に停止する場合のみならず、基準位置を中心に任意の方向に任意の距離範囲で動かす場合をも含む。
(4)「所定図柄の組み合わせ」は予め設定した図柄の組み合わせに限らず、遊技機の種類や遊技状態等に応じて変化し得る図柄の組み合わせをも含む。
【0008】
当該手段2によれば、まず複数の変動領域を、少なくとも一つの変動領域を第1グループに、少なくとも二つ変動領域を第2グループに区分する。そして、第1グループに属する変動領域に停止した第1図柄と、第2グループに属する変動領域に停止した図柄との組み合わせが所定図柄の組み合わせになると、当該図柄を第2図柄として選択する。第1図柄との組み合わせでは、第2グループに属する変動領域のいずれかに所定図柄の組み合わせになる図柄が停止すれば、当該図柄が第2図柄として選択される可能性がある。したがって、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やしたので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。またさらに、第2グループに属するそれぞれの変動領域で変動する図柄群は、変動領域の数を増やす前に変動表示していた図柄群を分配して構成する。こうすれば、第2グループに属する変動領域の数が多くなるにつれて、一の図柄群を構成する図柄の数も少なくなる。そのため、第1図柄との組み合わせでは、所定図柄の組み合わせまたは特定図柄の組み合わせとなり得る図柄が第2グループに属するいずれか変動領域に停止する可能性が高まり、第2図柄として選択され得る。したがって、所定図柄の組み合わせ特定図柄の組み合わせとなり得る第2図柄の可能性が高まるので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感をより高めることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段3】
課題を解決するための手段3は、請求項3に記載した通りである。当該手段3によれば、複数の変動領域は第1グループと第2グループとに区分される。そして、所要の条件が成立すると、第1グループおよび/または第2グループに属する変動領域の数を増やす。その後、変動領域の数を増やしたグループに属する変動領域に停止した図柄の組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える。すなわち、第1グループに属する変動領域に停止した図柄と第2グループに属する変動領域に停止した図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになる以外に、遊技者は特典を得る可能性がある。したがって、特定図柄の組み合わせになり得る図柄の組み合わせを増やしたので、特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1では、図柄を変動して表示する三つの変動領域を有する表示部を備えた遊技機に適用した形態であって、図1〜図18を参照しながら説明する。当該実施の形態1は、リーチに達する際に変動領域の数を増やす態様である。
【0013】
はじめに、本発明の概要を示した図1を参照しながら説明する。図1に示す本発明の遊技機は、所定の条件が成立すると図柄等の映像を表示すべく表示指令を出力する遊技制御部2と、当該表示指令を受けて画像編集を行なって画像信号を表示部8に出力する表示制御部4とを有する。所定の条件としては、例えば特定位置に設けた検出器が遊技球を検出したときや、大当たり遊技期間等等がある。表示部8には図柄群を変動または停止して表示する三つの変動領域6a,6b,6cを備える。変動領域6a,6b,6cは、例えば変動領域6a,6cが第1グループに相当する第1領域群G1に区分され、変動領域6bが第2グループに相当する第2領域群G2に区分される。
表示制御部4が行う画像編集によって表示部8に表示される画像は、例えば次のようになる。すなわち、全グループの図柄変動後において第1領域群G1に属する変動領域6a,6cに停止した第1図柄が所定図柄の組み合わせになると、第2領域群G2に属する変動領域6bの数を増やす。こうして増えた変動領域についてそれぞれ変動し、その後に変動領域で図柄を停止する。そして、これらの変動領域に停止した図柄のいずれかを第2図柄として選択する。もし、選択した第2図柄と、変動領域6a,6cに停止した第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると遊技者に特典を与える。
なお、図1の例では第1図柄が図柄「77」で所定図柄の組み合わせになって、変動領域6bの数を三つに増やしている。その後に図柄として変動領域に表示された図柄「357」のうち、図柄「7」を第2図柄として選択している。
【0014】
上記のように構成した遊技機によれば、複数の変動領域6a,6b,6cは第1領域群G1と第2領域群G2とに区分される。そして、の変動領域6a,6cに第1図柄が所定図柄で停止すると、第2領域群G2に属する変動領域の数を増やす。その後、第2領域群G2に属する変動領域に停止した図柄のうち、いずれかの図柄を第2図柄として選択する。こうして選択した第2図柄と既に停止した第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える。第1図柄との組み合わせでは、第2グループに属する変動領域のいずれかに特定図柄の組み合わせになる図柄が停止すると、当該図柄が第2図柄として選択される可能性がある。したがって、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やしたので、特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、図1の例では表示部8には三つの変動領域6a,6b,6cを備えたが、二つの変動領域や、四つ以上の複数の変動領域を備える場合でも同様である。すなわち、これらの複数の変動領域を任意に第1領域群G1または第2領域群G2に区分すると上述した作用が実現され、上述した効果を得ることができる。また、変動領域6bを増やす数は三つに限らず、二つであってもよく、四つ以上であってもよい。変動領域が増えるにつれて第1図柄との組み合わせとの関係で特定図柄の組み合わせになる確率が高まるので、遊技者は特典としての「大当たり」を期待する遊技者の期待感をより高めることができる。
【0015】
次に、遊技機の一つである第1種パチンコ機に本発明を適用した例について説明する。まず図2はパチンコ機10の外観を示す正面図である。図3は複合装置の外観を示す正面図であって、図3(A)には通常の変動態様を、図3(B)には変動領域を増やした態様をそれぞれ示す。
【0016】
図2において、パチンコ機10の遊技盤面12上には、第1種始動口26,大入賞口28,複合装置14,一般の入賞口等を適宜に配置している。
第1種始動口26は図面左右方向に開閉する可動翼片(いわゆるチューリップ)や、パチンコ球の入賞を検出する始動口センサ50などを有する。この第1種始動口26にパチンコ球が入賞すると、通常の入賞口と同様に賞球(「賞品球」とも呼ぶ。)を払い出す。可動翼片はソレノイド52によって開閉される。
大入賞口28は図面前後方向に開閉する蓋58や、特別領域としてのVゾーン48、一般領域としての入賞口などを有する。蓋58はソレノイド46によって開閉され、Vゾーン48にはVゾーンセンサ44を設け、入賞口には入賞センサ56を設ける。大当たり遊技の際には蓋58を開けて、パチンコ球が大入賞口28に入賞しやすい状態にする。当該蓋58が開いている間にパチンコ球がVゾーン48に入賞すると、所要回数(例えば15回)内で大当たり遊技を継続することができる。蓋58を開けている期間(以下「大入賞口開放期間」と呼ぶ。)は、例えば大入賞口28にパチンコ球が10個入賞するか、開けてから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうが該当する。
なお、始動口センサ50やVゾーンセンサ44には、例えば近接センサやマイクロスイッチ,光センサ等のセンサを用いる。
【0017】
図3(A),図3(B)に示す複合装置14はゲート22,54や、普通図柄を表示する普通図柄表示器20、特別図柄,チャンス図柄,背景図柄などの画像を表示する特別図柄表示器24、リーチ図柄を表示するリーチ図柄表示器62,70、普通図柄の変動中にゲート22,54を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ64、特別図柄の変動中に第1種始動口26に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ68などを有する。ゲート22にはゲートセンサ72を、ゲート54にはゲートセンサ60をそれぞれ備える。パチンコ球がゲート22,54を通過すると普通図柄表示器20で普通図柄の変動を始めるが、第1種始動口26の場合とは異なり賞球を払い出さない。保留球ランプ64,68は、それぞれ普通図柄表示器20を囲むようにほぼ円周状に配置した複数個の発光体(例えば4個のLED)からなる。
【0018】
普通図柄表示器20は、例えば7セグメントLEDを用いる。当該普通図柄表示器20に表示する普通図柄は当たりか否かを判別するために用い、例えば英数字や記号等を用いる。この普通図柄はゲート22,54にパチンコ球が通過すると変動し始め、その後に停止する。そして、停止した普通図柄が当たり図柄と一致すると、第1種始動口26の可動翼片を一定期間(例えば0.5秒間)だけ開ける。普通図柄の変動中にパチンコ球がゲート22,54を通過すると、その個数に応じて保留球ランプ64のLEDを点灯する。
特別図柄表示器24は表示部8に相当し、例えば液晶表示器を用いる。当該特別図柄表示器24に表示する特別図柄は大当たりか否かを判別するために用い、チャンス図柄(「第4図柄」とも呼ぶ。)は大当たりによる特典以外の付加特典を決定するために用い、背景図柄は特別図柄,チャンス図柄の背景として表示する図柄である。これらの特別図柄,チャンス図柄,背景図柄には、例えば文字(英数字,漢字,仮名,記号等)や図形,動画(映像やアニメーション等),静止画などを任意に用いる。図3(A)に示す例では特別図柄表示器24の画面に三つの変動領域74,78,82を設け、順番にそれぞれ左図柄76,中図柄80,右図柄84を変動または停止して表示する。これらの変動領域のうち変動領域78は所要のタイミングに達すると変動領域の数が増えて、例えば図3(B)に示すように変動領域86,90,94になる。変動領域74,94は第1領域群G1に属し、変動領域78(変動領域86,90,94)は第2領域群G2に属するように予め区分している。この例では、左図柄76と右図柄84が第1図柄に相当し、中図柄80(第1中図柄88,第2中図柄92,第3中図柄96)が第2図柄に相当する。
その他、複合装置14にはランプ等の発光体や装飾板等を有し、装飾効果を発揮させて遊技者の目を楽しませる。
【0019】
なお、普通図柄表示器20には7セグメントLED以外に、液晶表示器,CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように普通図柄が表示可能な他の表示器を用いてもよい。同様に、特別図柄表示器24は液晶表示器以外に、CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように特別図柄等が表示可能な表示器を用いてもよい。さらに、普通図柄表示器20と特別図柄表示器24とを別個に用いて構成したが、同一の表示器で双方の機能を兼用するものとしてもよい。
【0020】
図2に戻って遊技盤面12以外では、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿38や、タバコの吸い殻等を入れる灰皿40、効果音や音楽等を出すスピーカ42、遊技者の手がハンドル34に触れているか否かを検出するタッチセンサ36、ガラス枠18の開放を検出する金枠センサ30等を備える。スピーカ42は賞球の受皿である上皿32の内部に設け、タッチセンサ36や金枠センサ30はそれぞれ所要の位置に設ける。また、ランプ類16は電球やLED等の発光体を用いており、図示した位置には限らずパチンコ機10の種類や遊技内容等に合わせて適切な位置に配置する。
【0021】
次に、メイン制御基板100と表示制御基板200とにかかる具体的な構成例について、図4を参照して説明する。図4には、メイン制御基板100と表示制御基板200の構成をブロック図で示す。これらのメイン制御基板100と表示制御基板200は、いずれもパチンコ機10の背面側に設ける。
図4において、遊技制御部2に相当するメイン制御基板100はCPU(プロセッサ)110を中心に構成し、パチンコ機10で行われるパチンコ遊技を制御する。当該メイン制御基板100は、遊技制御プログラムや大当たり値などのデータを格納するROM112、各種乱数等のデータや検出信号などを一時的に格納するRAM114、ゲートセンサ60,72やVゾーンセンサ44等の入賞センサから出力された検出信号を入力する入力処理回路102、ソレノイド46,52等を駆動させる駆動信号を出力する出力処理回路104、ランプ類16や普通図柄表示器20あるいはリーチ図柄表示器62,70等の表示制御を行う表示制御回路106、表示制御基板200との間で通信を行う通信制御回路116などを備える。これらのCPU110やROM112,RAM114,入力処理回路102,通信制御回路116はバス118により相互に接続される。なお、図示しないがフラッシュメモリやバッテリによって記憶されたデータ等がバックアップされるバックアップメモリを別個に備えてもよい。
【0022】
また、表示制御部4に相当する表示制御基板200はCPU210を中心に構成し、メイン制御基板100から送られる表示指令を受けて、表示すべき文字,図柄等を適切に加工して特別図柄表示器24に表示する処理を行う。当該表示制御基板200は、表示制御プログラムや表示情報などのデータを格納するROM202、指令信号などのデータを一時的に格納するRAM204、メイン制御基板100との間で通信を行う通信制御回路206、文字,図柄,背景等のデータを生成するキャラクタジェネレータ212、配色指定やスプライト処理等の画像編集を行なって最終的には画像信号(映像信号や同期信号等)を出力するVDP(Video Display Prosessor)214などを備える。これらのCPU210やROM202,RAM204,通信制御回路206,VDP214はバス208により相互に接続される。なお、図示しないがメイン制御基板100の場合と同様にフラッシュメモリやバックアップメモリを別個に備えてもよい。
CPU210はメイン制御基板100から出力された表示指令を受けると、当該表示指令に対応する表示情報をROM202から読み込み、バス208を介してVDP214に出力する。VDP214はVRAMやパレットRAM等を備えており、CPU210から送られた表示情報を受けて、当該表示情報に対応するデータをキャラクタジェネレータ212から読み込み、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行なってVRAMやパレットRAM上にデータ展開し、最終的には画像信号を特別図柄表示器24に出力する。
その他、メイン制御基板100や表示制御基板200に備えるROMにはEPROMを用いるが、EEPROMやフラッシュメモリを用いてもよい。同様にRAMにはDRAMを用いるが、SRAMやフラッシュメモリ等を用いてもよい。
【0023】
上記のように構成されたパチンコ機10において、本発明を実現するためにメイン制御基板100や表示制御基板200で行う処理手順について図5から図9までを参照して説明する。ここで、図5には第1種始動口処理の内容を、図6には図柄変動処理の内容を、図7には変動表示処理の内容を、図8にはリーチ処理の内容を、図9には画像表示処理の内容をそれぞれフローチャートで示す。これらの処理手順のうち、第1種始動口処理,図柄変動処理,変動表示処理,リーチ処理は、いずれも図4に示すメイン制御基板100においてROM112に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ごとの周期)で実行することによって実現される。また、表示処理は表示制御基板200においてCPU210とVDP214が適当なタイミングでプログラムを実行することによって実現される。
なお、以下の説明において「保留球数」という場合には、特別図柄表示器24に特別図柄が変動している間に第1種始動口26に入賞したパチンコ球の個数を意味する。また、「加算する」という場合には、通常は1だけ保留球数を増やすことを意味するが、遊技状態等に応じて適宜に2以上ずつ増やす場合を含む。これに対して「減算する」という場合には、保留球数を減らす点を除いては加算する場合と同様である。
【0024】
まず、図5に示す第1種始動口処理では、第1種始動口26に対するパチンコ球の入賞判別を行う。具体的には、最初に第1種始動口26にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、図4において始動口センサ50から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、第1種始動口26にパチンコ球が入賞したときには、保留球数が上限値(例えば4)に達しているか否かを判別する〔ステップS12〕。保留球数が上限値に達していなければ(NO)、その保留球数を加算する〔ステップS14〕。加算された保留球数に応じて保留球ランプ68のLEDを点灯する。その後、各種乱数の読み込みと記憶を行い〔ステップS16〕、第1種始動口処理を終了する。なお、第1種始動口26にパチンコ球が入賞していない場合(ステップS10のNO)や、保留球数が上限値に達している場合(ステップS12のNO)には、何もせずにそのまま第1種始動口処理を終了する。
【0025】
ここでステップS16に示す各種乱数には、大当たり判定用乱数RA,大当たり図柄用乱数RB,リーチパターン乱数RC,確率変動用乱数RD等がある。
大当たり判定用乱数RAは、大当たりか否かを判別するための乱数である。大当たり図柄用乱数RBは、大当たり判定用乱数RAによって大当たりと判別された場合において、特別図柄表示器24に停止して表示する特別図柄を特定するための乱数である。リーチパターン乱数RCは、特別図柄表示器24に表示されている特別図柄によってリーチに達してから全ての図柄変動を停止するまでの表示パターンを特定するための乱数である。「リーチ状態」とは、未だに変動している残りの特別図柄を除き、他の特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致している状態を意味する。確率変動用乱数RDは大当たりになった後に大当たりになる確率を変更するか否かを判別するための乱数である。
【0026】
次に、図6に示す図柄変動処理では、特別図柄表示器24に特別図柄を変動して表示する処理を行う。まず保留球数が正数(すなわち保留球数>0を満たす)か否かを判別する〔ステップS20〕。保留球数が正数ならば(YES)、上記ステップS16で記憶した大当たり判定用乱数RAを読み込むとともに〔ステップS22〕、次回の処理に備えて保留球数を減算する〔ステップS24〕。そして、変動表示処理を行う〔ステップS26〕。変動表示処理の具体的な内容について、図7を参照しながら説明する。
【0027】
図7に示す変動表示処理では、まず「大当たり」か否かを判別する〔ステップS40〕。具体的には、上記ステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致したか否かによって判別する。大当たり値は通常は1個であるが、遊技状態(例えば確率変動時)等によっては複数個としてもよい。
もし、「大当たり」ならば(YES)、図5のステップS16で記憶した大当たり図柄用乱数RBを読み込み〔ステップS42〕、特別図柄を変動させ始めるべくステップS44に進む。当該大当たり図柄用乱数RBによって、最終的に停止して確定する予定の図柄(以下「停止予定図柄」と呼ぶ。)を決定する。
一方、ステップS40で「はずれ」と判別されたならば(NO)、はずれ図柄を特別図柄表示器24に表示するため、はずれ図柄データをRAM114から読み込む〔ステップS60〕。その後、当該はずれ図柄データにリーチ図柄を含むか否かを判別する〔ステップS62〕。もし、はずれ図柄データにリーチ図柄を含むならば(YES)、最終的には「はずれ」になるが途中でリーチに達する態様であり後述するステップS44に進む。一方、はずれ図柄データにリーチ図柄を含まなければ(NO)、後述するステップS64に進む。
【0028】
表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄を変動し始めると〔ステップS44〕、リーチ処理を行う〔ステップS46〕。表示制御基板200で行われる処理については、後述する。ここでは、リーチ処理の具体的な内容について図8を参照しながら説明する。
図8に示すリーチ処理では、まず図5のステップS16で記憶したリーチパターン乱数RCを読み込み〔ステップS70〕、リーチパターンを決定する〔ステップS72〕。すなわち、図7のステップS42またはステップS60で決定した停止予定図柄と、図8のステップS70で読み込んだリーチパターン乱数RCとに基づいて以下に示す表1に従ってリーチパターンを決定する。リーチ図柄として表示する特別図柄は第1領域群G1に属する図柄であり、例えば左図柄76と右図柄84である。通常のパチンコ機10では、左図柄76と右図柄84は同じ図柄になる。そして、当該リーチ図柄からみて中図柄80の図柄のずれ(以下「図柄の関係」と呼ぶ。)によって、2図柄前,1図柄前,同一図柄,1図柄後,2図柄後,他の図柄(例えば3図柄前,3図柄後等)がある。例えば、リーチ図柄が図柄「7」であるときに中図柄80が図柄「6」であれば、リーチ図柄からみて中図柄80は「1図柄前」となる。表1には図柄の関係と、0から10までのいずれかの数値を取り得るリーチパターン乱数RCとの設定例を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
上記表1には、六つのリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζが設定されている。例えば、リーチに達した後に第2領域群G2に属する変動領域78の数を増やして変動を継続するリーチパターン(以下「領域数増加アクション」と呼ぶ。)をリーチパターンβとする。ここで、リーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζについて各表示内容の概要を表2に例示する。
なお、表2に示す「アクション」とは、アニメーション等を行うことである。「正逆変動」とは、特別図柄表示器24の所定位置(例えば画面中央を通る水平線)を中心に特別図柄(左図柄76,中図柄80,右図柄84)を所定方向に所定範囲(例えば上下方向に半図柄分)だけ揺れ動かす態様の変動である。「移動位置」とは、上記所定位置とは別個の画面上の位置である。
【0031】
【表2】
【0032】
なお所定の条件が成立すると、上記表1におけるリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζの位置や個数を変更して(変化させて)もよい。所定の条件としては、例えば特別図柄が特定の図柄(例えば「333」)で停止した場合等である。こうすれば、遊技者は大当たりになる期待感を特別図柄の全てが停止するまで維持することができる。また、所定の条件が成立すると、領域数増加アクションによって増える変動領域の数を変化させたり、変動領域で変動する図柄の種類を変化させてもよい。このことは乱数の値に応じて変化させる場合であっても同様である。こうすれば領域数増加アクションの態様が変化してゆくので、場合によっては領域数増加アクションが行われたことによって大当たりの可能性が高くなる。したがって、遊技者は領域数増加アクションによる表示態様の変化とともに、大当たりになる期待感を持って遊技することができる。
【0033】
次に、ステップS72で決定したリーチパターンに基づいて、表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄表示器24にリーチ図柄を表示する〔ステップS74〕。ステップS74では当該リーチ図柄と同一の図柄(または相当する図柄)を、図4に示す表示制御回路106を介してリーチ図柄表示器62,70に連動して表示する。こうすれば、特別図柄表示器24以外の表示器にもリーチ図柄等が表示されるので、リーチ図柄が何であるかをより認識しやすくなる。
なお、リーチ図柄を表示する際には、遊技者にリーチに達したことを認識させる報知をあわせて行なってもよい。当該報知としては、例えば「リーチ」の文字や所定のアニメーションなどを表示したり、音声や特定の効果音をスピーカ42から出したり、遊技者が触れるハンドル34や遊技者が座る椅子を振動させたりする態様がある。こうすれば、遊技者はリーチに達したことをより確実に認識することができる。
【0034】
そして、リーチパターンβ(特定のリーチパターン)か否かによって〔ステップS76〕、処理内容を分ける。もし、リーチパターンβを除くリーチパターンならば(NO)、表示制御基板200に表示指令を送って対応するリーチパターンで図柄変動を行う〔ステップS80〕。一方、リーチパターンβならば(YES)、以下に示す処理を行う。
すなわち、第2領域群G2に属する変動領域の数を所定数に増やして変動を継続し〔ステップS78〕、その後に増やした変動領域でそれぞれ変動を停止し〔ステップS82〕、停止した図柄のいずれかを中図柄80(第2図柄)として選択する〔ステップS84〕。例えば、図3(A)に示す一つの変動領域78を図3(B)に示す三つの変動領域86,90,94に増やし、これらの変動領域86,90,94においてそれぞれ図柄群を変動する。それぞれの図柄群を構成する図柄の数や種類等はそれぞれ同じであってもよく、異なってもよい。その後、変動領域86には第1中図柄88を、変動領域90には第2中図柄92を、変動領域94には第3中図柄96をそれぞれ停止する。そして、第2領域群G2に属する変動領域の数を元に戻すとともに、ステップS84で選択した中図柄80を表示する〔ステップS86〕。よって、ステップS84で選択した中図柄80と、既に停止した左図柄76および右図柄84との組み合わせが、最終的に停止して表示される図柄(すなわち確定図柄)となる。
【0035】
こうしてリーチ処理を終えて図7に戻り、確率変動か否かを判別し〔ステップS48〕、確率変動ならば確率変動処理を行なった後〔ステップS50〕、変動表示処理を終了する。確率変動か否かは、図5のステップS16で記憶した確率変動用乱数RDが所定値と一致しているか否か、あるいは特別図柄表示器24に実際に停止した特別図柄とチャンス図柄とが所定の組み合わせで表示されたか否か等によって行う。所定の組み合わせとしては、例えば特別図柄が「777」であり、チャンス図柄が青色という場合である。確率変動処理の具体的な内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。なお、確率変動処理が実行されると、今回の大当たり遊技終了後から次回の大当たりになるまで、特別図柄による大当たりおよび/または普通図柄による当たりになる確率が高まるとともに、特別図柄および/または普通図柄の変動期間が短縮される。一方、確率変動でなければ(ステップS50のNO)、何もせずにそのまま変動表示処理を終了する。
なお、ステップS62でリーチ図柄でないときは(NO)、ステップS44と同様に特別図柄を変動し始め〔ステップS64〕、所定の変動パターンに基づいて変動表示した後にはずれ図柄で停止し〔ステップS66〕、上記ステップS48に進む。上記ステップS64,S66ではそれぞれ対応する表示指令を表示制御基板200に送って実現する。
【0036】
さらに特別図柄の変動表示処理を終えて図6に戻り、最終的に確定して特別図柄表示器24に表示された特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致するか否かを判別する〔ステップS28〕。図7に示すステップS40でも大当たりか否かを判別しているが、この判別はステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAに基づいて行なっている。しかし、ステップS26の変動表示処理を実行している際などで外来ノイズ等の影響を受け、予定していた大当たり表示となるものがはずれ表示になることもある。したがって、パチンコ遊技の混乱を防止するため、特別図柄表示器24に表示された特別図柄を優先して大当たりか否かの判別を行うものである。なお、外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機10では、大当たり判定用乱数RAのみに基づいて「大当たり」か否かをステップS28で判別してもよい。こうすれば処理速度が向上する。
もし、停止した特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致するならば(YES)、「大当たり」として大当たり処理を行い〔ステップS30〕、図柄変動処理を終了する。大当たり処理は、例えば大入賞口28の蓋58を一定期間(例えば30秒間)だけ開放し、入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等を行う。一方、特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致しないならば(NO)、「はずれ」としてはずれ処理を行い〔ステップS32〕、図柄変動処理を終了する。なお、はずれ処理の具体的な内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。
【0037】
次に、メイン制御基板100から出力された表示指令を受けた表示制御基板200が対応する画像を編集して特別図柄表示器24に表示する処理について、図9を参照しながら説明する。なお、メイン制御基板100から出力された表示指令は、受信割り込みによって実行される別個の処理プログラムによって図4に示すRAM204内の受信バッファに記憶されているものとする。
図9に示す画像表示処理では、まずCPU210が受信バッファに記憶した表示指令を読み込み〔ステップS100〕、読み込んだ表示指令に基づいて表示データを取得しRAM204に記憶する〔ステップS102〕。より具体的には、表示指令と表示データとの関係を規定しROM202等に記憶したテーブルを参照して表示データを取得する。この表示データは画像編集を行うためのデータ要素(パラメータ)であり、例えばステータス番号,左図柄番号,左位置座標,中図柄番号,中位置座標,右図柄番号,右位置座標,アニメーション番号,ステータスフラグ,アニメーションタイマ等を有する。こうして取得した表示データを取得した210は、当該表示データをVDP214に伝達する。
【0038】
CPU210から表示データを受けたVDP214は、当該表示データに基づいて文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212から抽出し〔ステップS104〕、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行った後〔ステップS106〕、VRAMやパレットRAM上にデータを展開する〔ステップS108〕。そして、展開したデータを画像信号に変換して特別図柄表示器24に出力する〔ステップS110〕。こうして表示データに基づいて編集した図柄等を特別図柄表示器24に表示させることができる。また、画像編集をハードウェアとしてVDP214で行うので、画像を高速に表示することができる。
【0039】
次に、上記図5〜図9に示すそれぞれの処理を実行して特別図柄表示器24に表示する態様例について、図10〜図13を参照しながら説明する。これらの図10〜図13には、いずれも特別図柄表示器24の画面に表示された特別図柄の一例を示す。なお、この一例は「大当たり」になるケースの一例を示すものであって、多数の「はずれ」になるケースについては省略する。
【0040】
まず、特別図柄の変動開始では(図7のステップS44,S64)、図10(A)に示すように第1領域群G1に属する変動領域74,82と第2領域群G2に属する変動領域78とでほぼ一斉に変動させ始める。その後にリーチに達するとリーチ図柄を表示し(図8に示すステップS74)、図10(B)に示す例では、第1領域群G1に属する変動領域74,82にリーチ図柄として同じ図柄「7」を停止して表示する。この停止表示によって、遊技者はリーチに達したことを知ることができる。
そして、リーチパターンβのときには、第2領域群G2に属する変動領域の数が増える(図8に示すステップS78)。このとき、例えば特別図柄表示器24には図10(C)に示すように変動領域78の中に三つの変動領域86,90,94が現れ、それぞれの変動領域で図柄群を変動させ始める。その変動後、三つの変動領域86,90,94でそれぞれ変動を停止する(図8に示すステップS82)。このとき、変動のパターンや変動を停止する順番やタイミング等は任意である。その一例としては、以下に示す表示態様がある。
【0041】
すなわち、図11(A)に示すように変動領域90の大きさを他の変動領域86,94よりも大きくし、その後に図11(B)に示すように変動領域90の変動を停止する。図11(B)に示す例では、変動領域90に図柄「3」で停止したことを示す。そして、変動領域90と変動領域86とを入れ替えて、図11(C)に示すように変動領域86の大きさを他の変動領域90,94よりも大きくした後、図12(A)に示すように変動領域86の変動を停止する。図12(A)に示す例では、変動領域86に図柄「5」で停止したことを示す。さらに、変動領域86と変動領域94とを入れ替えて、図12(B)に示すように変動領域94の大きさを他の変動領域86,90よりも大きくした後、図12(C)に示すように変動領域94の変動を停止する。図12(C)に示す例では、変動領域94に図柄「7」で停止したことを示す。
【0042】
数を増やした三つの変動領域86,90,94でそれぞれ変動を停止すると、それぞれの変動領域に停止した図柄のいずれかを選択する(図8に示すステップS84)。この選択は、第1領域群G1に属する変動領域74,82に停止した図柄と組み合わせるために行う。すなわち、当該特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致すると「大当たり」になる。
そして、増やした変動領域の数を元に戻して、選択した図柄を元の変動領域に表示する(図8に示すステップS86)。図13(A)に示す例では、変動領域94で停止した図柄「7」を選択し、最終的に停止した図柄として変動領域78に表示している。よって、図13(A)に示す例では最終的に停止した特別図柄の組み合わせが「777」となって特定図柄の組み合わせと一致しているので、「大当たり」となり遊技者に特典を与える。
【0043】
なお、数を増やした三つの変動領域86,90,94のいずれか停止した図柄の組み合わせが所定図柄の組み合わせになると、第1領域群G1の変動領域74,82で停止した図柄の組み合わせと同様に「リーチ」になる。図13(B)に示す例では、変動領域86,90でいずれも図柄「5」で停止しており、表示枠98に「ダブルリーチ(Wリーチ)」を表示したり、あるいは当該内容を音声や効果音等によって遊技者等に報知する。こうすれば、第1領域群G1または第2領域群G2のいずれかに停止した特別図柄(所定図柄)の組み合わせによってもリーチになるので、遊技者はその後の特典を期待する期待感がさらに高まる。
そして、最後に変動していた変動領域に停止した図柄と、第2領域群G2に属する他の変動領域に停止した図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせと一致したときには、「大当たり」として遊技者に特典を与える。図13(C)に示す例では変動領域86,90,94に停止した図柄の組み合わせが「555」であって特定図柄の組み合わせと一致するので、「大当たり」になる。
こうすれば、第1領域群G1に属する変動領域に停止した図柄と第2領域群G2に属する変動領域に停止した図柄との組み合わせによって遊技者に特典を与える態様だけでなく、第2領域群G2に属する変動領域に停止した図柄の組み合わせのみによっても遊技者に特典を与えることが可能になる。したがって、遊技者は特典を期待する期待感がさらに高まる。
【0044】
上記実施の形態1によれば請求項1に対応し、変動領域74,78,82は第1領域群G1(第1グループ)と第2領域群G2(第2グループ)に区分される。そして、第1領域群G1の変動領域74,82に左図柄76,右図柄84(第1図柄)がリーチ図柄(所定図柄)で停止すると、第2領域群G2(第2グループ)に属する変動領域の数を増やす(図8に示すステップS78,図10参照)。その後、第2領域群G2に属する変動領域86,90,94に停止した図柄のうち、いずれかの図柄を中図柄80(第2図柄)として選択する(図8に示すステップS84,図11(A)〜図13(A)参照)。こうして選択した中図柄80と既に停止した左図柄76,右図柄84との組み合わせが大当たり図柄(特定図柄の組み合わせ)になると、遊技者に特典を与える。左図柄76,右図柄84との組み合わせでは、第2領域群G2に属する変動領域86,90,94のいずれかに大当たり図柄になる図柄が停止すれば、当該図柄が中図柄80として選択される可能性がある。したがって、中図柄80として確定し得る図柄の数を増やしたので、特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、第2領域群G2に属する変動領域の数を増やすタイミングは、上述したリーチに達したときのみならず、リーチに達してから最終的に全ての変動を停止するまでの間における任意のタイミングであってもよい。この場合でも、変動領域の数が増えることによって遊技者の期待感を高めることができる。
【0045】
また請求項4に対応し、数を増やした第2領域群G2に属する変動領域86,90,94について、変動後に停止した図柄のうち、第1領域群G1の変動領域に停止した左図柄76,右図柄84との組み合わせが大当たり図柄になる前記図柄を中図柄80として選択する(図8に示すステップS84,図12(C),図13(A)参照)。すなわち、第2領域群G2に属する変動領域86,90,94に停止した図柄と左図柄76,右図柄84との組み合わせが大当たり図柄にならない場合には、中図柄80として選択しない。そのため、既に停止した左図柄76,右図柄84と、第2領域群G2に属するいずれかの変動領域86,90,94で停止した図柄との組み合わせが大当たり図柄になれば、確実に遊技者に特典を与える。したがって、左図柄76,右図柄84との組み合わせが大当たり図柄になる中図柄80が停止する確率が高まるので、「大当たり」を期待する遊技者の期待感をさらに高めることができる。
【0046】
さらに請求項5に対応し、変動領域74,78,82は第1領域群G1と第2領域群G2に区分される。そして、リーチになると(所要の条件が成立すると)、第2領域群G2に属する変動領域78の数を増やして変動領域86,90,94にする。その後、変動領域の数を増やした第2領域群G2に属する変動領域86,90,94に停止した図柄の組み合わせが大当たり図柄になると、遊技者に特典を与える(図13(B),図13(C)参照)。すなわち、第1領域群G1に属する変動領域に停止した図柄と第2領域群G2に属する変動領域に停止した図柄との組み合わせが大当たり図柄になる以外に、遊技者は特典を得る可能性がある。したがって大当たり図柄になり得る図柄の組み合わせを増やしたので、特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、リーチになると、第1領域群G1に属する変動領域74,82の数を増やす。その後、変動領域の数を増やした第1領域群G1に属する変動領域に停止した図柄の組み合わせが大当たり図柄になると、遊技者に特典を与える形態についても同様に適用可能である。
【0047】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2は実施の形態1と同様に、図柄を変動して表示する三つの変動領域を有する表示部を備えた遊技機に適用した形態であって、図14〜図18を参照しながら説明する。当該実施の形態2は、リーチに達する前に変動領域の数を増やす態様である。ここで、図14にはリーチ処理の内容をフローチャートで示す。当該リーチ処理は、図4に示すメイン制御基板100においてROM112に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ごとの周期)で実行することによって実現される。
なお、パチンコ機10の構成等は同様であるので、説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点を説明する。したがって、図1,図2等に示す要素と同一の要素には同一の符号を付し、当該要素の説明も省略する。
【0048】
実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、第2領域群G2に属する変動領域の数を増やすタイミングをリーチに達する前にした点である。この形態を実現するために、上述した図8に示すリーチ処理に代えて図14に示すリーチ処理を実行することによって可能になる。以下、図14に示すリーチ処理の内容について具体的に説明する。
【0049】
図14に示すリーチ処理において、まずリーチパターン乱数RCを読み込んでリーチパターンを決定した後、リーチパターンβか否かによって処理内容を分ける(ステップS70,S72,S76)。もし、リーチパターンβを除くリーチパターンならば(NO)、表示制御基板200に表示指令を送って対応するリーチパターンで図柄変動を行い(ステップS80)、リーチ処理を終了する。一方、リーチパターンβならば(YES)、全グループの図柄変動とほぼ同時(あるいは当該変動後の任意のタイミング)に以下に示す処理を行う。
すなわち、第2領域群G2に属する変動領域の数を所定数に増やして変動するとともに図柄群を分配する〔ステップS79〕。例えば、図3(A)に示す一つの変動領域78を図3(B)に示す三つの変動領域86,90,94に増やす場合には、変動領域78で変動する図柄群を分配し、変動領域86,90,94のそれぞれで変動する図柄群を構成する。分配方法は任意であり、所定の分配規則に従って分配してもよく、ランダムに分配してもよい。所定の分配規則に従う場合には、例えば変動領域78で図柄群を変動する際に現れる順番に沿って分配したり、数字の図柄については奇数と偶数に分配したり、図柄の種類ごとに分配するなどが該当する。
【0050】
そして、増やした変動領域でそれぞれ変動を停止した後(ステップS82)、第1領域群G1に属する一部の変動領域で変動を停止する〔ステップS88〕。このとき、第1領域群G1に属する一部の変動領域で停止した図柄と、第2領域群G2に属する変動領域で停止した図柄との組み合わせがリーチ図柄になるときは、当該第2領域群G2に属する変動領域で停止した図柄を中図柄80(第2図柄)として選択する〔ステップS90〕。この選択によって、特別図柄表示器24にはリーチ図柄が表示されたことになる。その後、第2領域群G2に属する変動領域の数を元に戻してステップS90で選択した中図柄80を表示するとともに〔ステップS92〕、第1領域群G1に属する他の一部の変動領域で変動を停止する〔ステップS94〕。この停止によって全ての図柄変動が停止したことになる。よって、ステップS90で選択した中図柄80と、ステップS88,S94で停止した左図柄76および右図柄84との組み合わせが、最終的に停止して表示される図柄(すなわち確定図柄)となる。
【0051】
次に、上記図5〜図7,図14,図9に示すそれぞれの処理を実行して特別図柄表示器24に表示する態様例について、図15〜図19を参照しながら説明する。これらの図15〜図19には、いずれも特別図柄表示器24の画面に表示された特別図柄の一例を示す。なお、この一例は「大当たり」になるケースの一例を示すものであって、多数の「はずれ」になるケースについては省略する。
【0052】
まず、特別図柄の変動開始では(図7のステップS44,S64)、図15(A)に示すように第1領域群G1に属する変動領域74,82と第2領域群G2に属する変動領域78とでほぼ一斉に変動させ始める。その後、リーチパターンβのときには、第2領域群G2に属する変動領域の数が増えて図柄群が分配される(図14に示すステップS79)。このとき、増やす変動領域の数や分配する図柄群の分配方法は任意であるが、その一例として以下に示す態様がある。
【0053】
すなわち、図15(B)に示すように、第2領域群G2に属する変動領域78を二つの変動領域86,90に分け、今まで変動領域78で変動していた図柄群をまずは変動領域90に変動する。その後、図15(C)と図16(A)に示すように、目で図柄を追跡できる程度にまで変動領域90の変動速度を低下させて、図柄群が現れる順番のうち奇数番目の図柄をそのまま変動領域90で変動させ、偶数番目の図柄を変動領域86に移して変動させる。すなわち、一の変動領域で変動する図柄群を二つの変動領域で変動する図柄群に分配する。分配した後は、変動領域86と変動領域90との間の変動速度は同じにしてもよく、少なくとも一部の期間を異ならせてもよい。変動速度を異ならせると図柄が水平線上に揃わなくなり、図16(B)に示すような態様になる。
次に、第2領域群G2に属する二つの変動領域86,90でそれぞれ変動を停止すると(図14に示すステップS82)、図16(C)のようになる。このとき、変動のパターンや変動を停止する順番やタイミング等は任意である。その一例としては、実施の形態1で示した通りである。図16(C)の例では、変動領域86に図柄「4」で、変動領域90に図柄「7」で停止したことを示す。
【0054】
さらに、第1領域群G1に属する変動領域の一部すなわち変動領域74の変動を停止し(図14に示すステップS88)、図17(A)のようになる。図17(A)の例では、変動領域74に図柄「7」で、変動領域90に図柄「7」で停止したことを示す。
こうして第2領域群G2に属する変動領域86,90に停止した図柄のいずれかと、第1領域群G1に属する変動領域74に停止した図柄との組み合わせがリーチ図柄になると、当該組み合わせになる第2領域群G2の図柄を選択してリーチ図柄を表示する(図14に示すステップS90)。図17(A)の例では、変動領域74に図柄「7」で停止したので、変動領域90の図柄「7」が中図柄80として選択される。また図17(A)の例では、図柄「77」でリーチになったことを報知するため、色彩を白色から黒色に変化させている。
【0055】
そして、第1領域群G1に属する変動領域の残り(他の一部)である変動領域82の変動を停止した後(図14に示すステップS92)、図8に示すステップS86と同様に第2領域群G2に属する変動領域の数を元に戻す(図14に示すステップS94)。図17(B)の例では変動領域82に図柄「7」で停止したことを示し、図17(C)の例では変動領域78として変動領域90に停止した図柄「7」が選択され、図18(A)に示す例では変動領域78を元の図柄群で表示していることを示す。よって、図18(A)に示す例では最終的に停止した特別図柄の組み合わせが「777」となって特定図柄の組み合わせと一致しているので、「大当たり」となり遊技者に特典を与える。こうすれば、第1領域群G1または第2領域群G2のいずれかに停止した特別図柄(所定図柄)の組み合わせによってはリーチになり、その後には特典を与えることも可能であるので、遊技者はリーチやその後の特典を期待する期待感を高めることができる。
【0056】
ここで、変動領域82が変動している図17(A)に示す状態から図17(B)に示す状態に至らず、図柄「7」以外の図柄で停止することが多い。この場合には、通常「はずれ」となって図柄変動も終了する。しかし、停止した図柄と、第2領域群G2に属する変動領域のいずれかに停止した図柄との組み合わせがリーチ図柄になる場合がある。この場合には、改めてリーチ図柄として、先に停止した第1領域群G1に属する変動領域74を再変動してもよい。
例えば、図17(A)に示す状態から変動領域82で図柄「4」で停止すると、特別図柄の組み合わせは図柄「774」となって通常は「はずれ」である。図18(B)に示すように変動領域86に停止した図柄「4」との組み合わせではリーチ図柄になり、このとき変動領域74を再変動する。その再変動後、もし変動領域74に図柄「4」で停止すると、図18(C)に示すように表示になる。そして、図19(A)の例では変動領域78として変動領域90に停止した図柄「7」が選択され、図19(B)に示す例では変動領域78を元の図柄群で表示していることを示す。こうすれば、図19(B)に示す例では最終的に停止した特別図柄の組み合わせが「444」となって特定図柄の組み合わせと一致しているので、「大当たり」となり遊技者に特典を与える。
したがって、一旦は全ての変動領域の変動を停止した場合であっても、第1領域群G1に属する変動領域74,82に停止した図柄と、第2領域群G2に属する変動領域86,90に停止した図柄との組み合わせが他のリーチ図柄になるときには、先に停止した第1領域群G1に属する変動領域74を再変動させることにより「大当たり」になる機会が増える。こうすれば、全ての変動領域の変動を一旦停止した後であっても、第1領域群G1または第2領域群G2のいずれかに停止した特別図柄(所定図柄)の組み合わせによってはリーチになり、その後には特典を与えることも可能であるので、遊技者はリーチやその後の特典を期待する期待感が高まる。
【0057】
上記実施の形態2によれば請求項2に対応し、まず第2領域群G2(第2グループ)に属する変動領域78の数を増やす。そして、第1領域群G1(第1グループ)に属する変動領域74に停止した左図柄76(第1図柄)と、第1領域群G1に属する変動領域86,90に停止した図柄との組み合わせがリーチ図柄(所定図柄の組み合わせ)になると、当該図柄を選択する。左図柄76との組み合わせでは、第2領域群G2に属する変動領域のいずれかにリーチ図柄になる図柄が停止すると、当該図柄が中図柄80(第2図柄)として選択される可能性がある。したがって、中図柄80として確定し得る図柄の数を増やしたので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
また請求項3に対応し、第2領域群G2に属するそれぞれの変動領域86,90で変動する図柄群は、変動領域の数を増やす前に変動表示していた図柄群を分配して構成する(図14に示すステップS79,図15(B)〜図16(A)参照)。こうすれば、第2領域群G2に属する変動領域の数が多くなるにつれて、一の図柄群を構成する図柄の数も少なくなる。そのため、第1領域群G1に属する変動領域74で停止した左図柄76との組み合わせでは、リーチ図柄または大当たり図柄になる図柄が第2領域群G2に属するいずれか変動領域に停止する可能性が高まり、中図柄80として選択され得る。したがって、リーチ図柄または大当たり図柄となり得る第2図柄の可能性が高まるので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感をより高めることができる。
さらに、実施の形態1と同様に請求項4にも対応し、この場合であっても実施の形態1で示した効果を得ることができる。
【0058】
〔他の実施の形態〕
上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)上記各実施の形態では、パチンコ機10に本発明を適用した。これらの形態に代えて、他の種類のパチンコ機や、パチンコ機以外の遊技機であって複数の図柄からなる図柄群を変動または停止して表示する複数の変動領域を有する表示部を備えたもの(例えばスロットマシン,アレンジボール機,ゲーム機等)についても同様に本発明を適用することができる。これらの遊技機であっても、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やしたので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
(2)上記各実施の形態では、特別図柄表示器24の変動領域に変動して表示する図柄群について適用した。この形態に代えて(あるいは加えて)、普通図柄表示器20に複数の変動領域を表示する態様に構成している場合には、当該複数の領域に変動して表示する図柄群についても同様に本発明を適用することができる。この場合であっても、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やせるので、遊技者に「当たり」による特典を期待する期待感を維持させることができる。
【0059】
(3)上記各実施の形態では、第1領域群G1(第1グループ)に属する変動領域74,82と、数を増やした第2領域群G2(第2グループ)に属する変動領域86,90,94とにそれぞれ停止した図柄の組み合わせがリーチ図柄または大当たり図柄になるように、第2領域群G2に属する変動領域86,90,94で停止した図柄を選択した。この形態に代えて(あるいは加えて)、リーチ図柄および大当たり図柄以外の図柄の組み合わせについても、同様に適用することができる。こうした図柄の組み合わせとしては、確率変動になる図柄の組み合わせや、再変動になる図柄の組み合わせなどが該当する。こうすれば、確率変動や再変動等を期待する遊技者の期待感を維持させることができる。
【0060】
(3)上記各実施の形態では、リーチに達した以後または変動開始した以後に変動領域の数を増やした(図8に示すステップS78,図14に示すステップS79)。この形態に代えて、はじめから変動領域の数を増やした態様としてもよい。例えば実施の形態1の場合には、図10(C)に示すように第2領域群G2に属する変動領域86,90,94をはじめから区分しておき、変動または停止する表示を行う。こうすれば、遊技者は変動領域86,90,94のいずれかに停止した図柄によってリーチや大当たりを期待することができるので、リーチや大当たりを期待する期待感を持って遊技することができる。なお、増やした変動領域は元に戻さず、その形態で継続してもよい。
(4)上記各実施の形態では、増やした第2領域群G2に属する変動領域86,90等を、増やす前の変動領域78の領域内に設けた。この形態に代えて(あるいは加えて)、上記変動領域86,90等のうち少なくとも一つを変動領域78の領域外における任意の位置に設けてもよい。すなわち、第1領域群G1に属する変動領域74,82の左右側であってもよく、変動領域78の上下側に設けてもよい。こうすれば、第1領域群G1および第2領域群G2に属する変動領域に停止した図柄の組み合わせが多様化するので、リーチや大当たりになる図柄の組み合わせも増える。したがって、遊技者は任意の位置に増えた変動領域に停止した図柄によってもリーチや大当たりを期待することができるので、当該リーチや大当たりを期待する期待感を持って遊技することができる。
【0061】
(5)上記実施の形態1では、所要の条件の成立をリーチに達したときに適用した。この形態に代えて(あるいは加えて)、所要の条件の成否を判別するための乱数(例えば変動領域用乱数)を設け、所要の遊技状態に達すると(例えばパチンコ球がゲート22,54を通過したり、第1種始動口26に入賞すると)、乱数値を確定するようにしてもよい。この場合には、確定した乱数値が所定値(または所定範囲の値)であれば所要の条件が成立したと判別し、その所定値以外の値であれば所要の条件が成立しないと判別する。こうすれば、リーチに達したか否かにかかわらず、少なくとも一つのグループに属する変動領域の数が増えることになる。したがって、グループに属する変動領域の数が増えることを期待する遊技者の期待感を高めることができる。
【0062】
【他の発明の態様】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態には特許請求の範囲に記載した発明の態様のみならず他の発明の態様を有するものである。この発明の態様を以下に列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。
【0063】
〔態様1〕 請求項1から4のいずれか一項に記載した遊技機において、
変動後に第1図柄と第2図柄とが特定図柄の組み合わせ以外の組み合わせで停止すると、第1グループに属する変動領域で再変動する態様を有する遊技機。
〔態様1の関連説明〕 本態様によれば、変動後に第1図柄と第2図柄とが特定図柄の組み合わせ以外の組み合わせで停止しても、その後に第1グループに属する変動領域で再変動を行う。そのため、当該変動領域において再変動後に停止した図柄と第2図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになる可能性がある。したがって、一旦は「はずれ」になっても、その後の再変動によって「大当たり」になる可能性があるので、特典を期待する遊技者の期待感をさらに高めることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、第2図柄として確定し得る図柄の数を増やしたので、リーチやその後の特典を期待する遊技者の期待感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す図である。
【図2】パチンコ機の外観を示す正面図である。
【図3】複合装置の外観を示す正面図である。
【図4】メイン制御基板と表示制御基板の構成を示すブロック図である。
【図5】第1種始動口処理を示すフローチャートである。
【図6】図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図7】変動表示処理を示すフローチャートである。
【図8】リーチ処理を示すフローチャートである。
【図9】画像表示処理を示すフローチャートである。
【図10】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図11】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図12】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図13】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図14】リーチ処理を示すフローチャートである。
【図15】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図16】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図17】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図18】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【図19】画面に表示された特別図柄の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 遊技制御部
4 表示制御部
6a,6b,6c 変動領域
8 表示部
G1 第1領域群(第1グループ)
G2 第2領域群(第2グループ)
10 パチンコ機(遊技機)
12 遊技盤面
14 複合装置
24 特別図柄表示器(表示部)
26 第1種始動口
60,72 ゲートセンサ
62,70 リーチ図柄表示器
100 メイン制御基板(遊技制御部)
200 表示制御基板(表示制御部)
Claims (3)
- 複数の図柄からなる図柄群を変動または停止して表示する複数の変動領域を有する表示部を備え、変動後に特定図柄の組み合わせで停止すると遊技者に特典を与える遊技機において、前記複数の変動領域を第1グループと第2グループとに区分し、前記第1グループの変動領域に第1図柄が所定図柄で停止すると、前記第2グループに属する変動領域の数を増やし、前記第2グループに属する変動領域に停止した図柄のうち、いずれかの図柄を第2図柄として選択し、選択した第2図柄と前記第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると遊技者に特典を与える態様を有する遊技機であって、
さらに、前記第2グループに属するそれぞれの変動領域で変動する図柄群は、変動領域の数を増やす前に変動表示していた図柄群を分配して構成する態様を有する遊技機。 - 複数の図柄からなる図柄群を変動または停止して表示する複数の変動領域を有する表示部を備え、変動後に特定図柄の組み合わせで停止すると遊技者に特典を与える遊技機において、前記複数の変動領域を、少なくとも一つの変動領域を第1グループに、少なくとも二つ変動領域を第2グループに区分し、前記第2グループに属する変動領域に停止した図柄のうち、前記第1グループに属する変動領域に停止した第1図柄との組み合わせが所定図柄の組み合わせになる図柄を第2図柄として選択する態様を有する遊技機であって、
さらに、前記第2グループに属するそれぞれの変動領域で変動する図柄群は、変動領域の数を増やす前に変動表示していた図柄群を分配して構成する態様を有する遊技機。 - 複数の図柄からなる図柄群を変動または停止して表示する複数の変動領域を有する表示部を備え、変動後に特定図柄の組み合わせで停止すると遊技者に特典を与える遊技機において、前記複数の変動領域を第1グループと第2グループとに区分し、所要の条件が成立すると、前記第1グループおよび/または前記第2グループに属する変動領域の数を増やし、変動領域の数を増やしたグループに属する変動領域に停止した図柄の組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える態様を有する遊技機。
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